JP6212245B2 - 新規蒸留酒類及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、新規蒸留酒類及びその製造方法に関する。更に詳細には、原料の少なくとも一部にペパーミントを用いて製造される蒸留酒類であって、メントール、メントンを特定量、特定比率で含有することを特徴とする新規蒸留酒類及びその製造方法に関する。本発明の蒸留酒類は、ペパーミント由来の香味良好な風味を有し、飲料として非常にバランスのよい、食事との相性にも優れた高品質な蒸留酒類である。
ペパーミントは、シソ科ハッカ属の多年生植物で、セイヨウハッカとも呼ばれており、ウォーターミントとスペアミントとの交配種といわれている。精油採取用に多く栽培されており、精油はチューインガムや歯磨きなどのトイレタリー製品のフレーバーに用いられている。その香気は、草様、スパイシーで若干の苦味、青臭みが感じられ特徴的であるが、主成分であるl−メントールによるところが大きい。ペパーミントは、精油中には1−メントールが40〜50%を占め、このほか、収穫時期により含まれる成分の量比に変動はあるが、l−メントン、1,8−シネオール、メントフラン、イソメントン、リモネン等の成分が含まれている。
ペパーミントは、フレッシュで清涼感のある香気が好まれ、ハーブとしてさまざまな料理のアクセントとして用いられ、またガムやキャンディー等の菓子類にも利用されている。
ハーブ等の香料植物の特徴的な香気を付与した蒸留酒、焼酎を製造する方法としては、特許文献1〜4の開示がある。特許文献1では、焼酎の醪にカモミール等のハーブを添加し、1週間経過後、減圧蒸留により焼酎を得ている。特許文献2には、ハーブ類、麹及び水を含む混合系に、酵母を加えて発酵反応を行うか、又はアルコール発酵原料と酵母とを加えて発酵反応を行った後、蒸留することを特徴とする蒸留酒の製造方法が開示されている。特許文献3では、植物の葉の、トップの軽い香りに優れた高品質の香気成分を回収するために、気液向流接触装置を使用して蒸留を行っている。特許文献4では、香料植物に糖類及び酵母を混和して醪を調製し、醸し発酵を行い蒸留酒原酒醪を得、これを減圧蒸留して蒸留酒を得ている。しかしながら、これらの発明においては、ペパーミントの特徴香であるメントールの最適濃度、更にはその他の成分とのバランスについては検討されていない。
国内の市場においても、ミント等の香料植物の香味を付与した蒸留酒類である焼酎は販売されているが、ミントの一種であるニホンハッカを用いたものしか知られていない。これらの焼酎の香りは、ペパーミントのフレッシュで清涼感のある香りを有さず、不快な青臭い香りが強い。また、特定の香りが強すぎて飲料としてのバランスに欠け、食事との相性が必ずしもよいとは言えず、満足のできるものではない。そこで、これまで原料として用いられていなかったペパーミントを用いて、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有し、すっきり飲みやすく、食事との相性もよい酒質とするための技術開発が求められていた。
特開平6−90732号公報 特開2005−126616号公報 特開2007−60962号公報 特開2007−159502号公報
本発明の目的は、上記従来技術にかんがみ、原料の少なくとも一部にペパーミントを用いて製造される蒸留酒類であって、清涼感のあるフレッシュなペパーミントの特徴香気を有する新規蒸留酒類及びその製造方法を提供することにある。
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は原料の少なくとも一部に乾燥ペパーミント葉を用いる焼酎の製造方法であって、デンプン質原料の発酵醪に乾燥ペパーミント葉を添加後、2日目以降に蒸留するものであり、得られる焼酎が、メントールとメントンを含有し、該成分の含量の総和が、アルコール濃度25v/v%換算で10mg/L以上200mg/L未満であり、メントールに対するメントンの比率が0.5〜1.5であり、ヘキサナール含量が、アルコール濃度25v/v%換算で0.20mg/L以下であることを特徴とする焼酎の製造方法に関する。ペパーミントの特徴香成分といわれるメントールに加え、メントンとの総和を規定することを特徴としている。本発明のペパーミント焼酎は、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有し、すっきり飲みやすく、食事との相性もよいものとなる。
また、本発明の焼酎は、香気が、ペパーミントの精油中に最も多く含有するメントールのみを考慮した香気設計では、香気の優れたものは得られず、メントンとの特定の濃度比率を採用することにより、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有し、すっきり飲みやすく、食事との相性もよいものとなる。
さらに、本発明の焼酎は、ヘキサナールを特定量以下にすることにより、青臭い不快な香りを抑制し、ペパーミントの爽快なフレッシュ感をより強く感じることができる。
本発明者らは、原料の少なくとも一部にペパーミントを用いて製造される蒸留酒類において、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有する酒質を提供すべく、鋭意検討を行った。その結果、デンプン質原料の発酵醪にペパーミントを添加後、特定の期間内に蒸留することによって、メントールとメントンの含量の総和を特定の範囲内にすることができること、更に、メントールに対するメントンの比率を特定の範囲内にすることができ、そしてまた、ヘキサナール含量を特定量以下とすることができることを見出した。すなわち、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有し、かつ、青臭い香りの少ない、香味良好な酒質とすることができ、本発明を完成させた。
本発明の焼酎は、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有し、飲料として非常にバランスのよい、食事との相性にも優れた香味良好な酒質である。特に、本発明の焼酎は、メントールとメントンの比率を特定の範囲内に規定し、かつヘキサナール含量を低い値に規定したので、高品質の焼酎(以下、蒸留酒類とも云う)である。


以下、本発明を具体的に説明する。
本発明において、メントール、メントン、ヘキサナールについては、GC−MS法により定量する。分析は、キャピラリーカラムDB−WAX(J&W社製)を接続したガスクロマトグラフ アジレント(Agilent)6890N〔横河アナリティカルシステムズ(株)製〕に導入し、常法により分離後、質量検出器 アジレント(Agilent)5973〔横河アナリティカルシステムズ(株)製〕で検出を行った。検出限界は10μg/Lである。
本発明でいうメントールは、2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノールのことである。ハッカ臭を持つ、揮発性の無色結晶で、本発明ではl体のl−メントール、(−)−メントールである。また、本発明でいうメントンも、l体のl−メントン、(−)−メントンである。
本発明の原料の少なくとも一部にペパーミントを用いて製造される蒸留酒類は、メントールとメントンを含有し、該成分の含量の総和が、アルコール濃度25v/v%換算で10mg/L以上200mg/L未満であることを特徴とする蒸留酒類である。すなわち、本発明の蒸留酒類では、メントールとメントンの総和が10mg/L以上200mg/L未満である。両者の総和が、10mg/L未満であると、ペパーミントの特徴的な清涼感のあるフレッシュな香気が弱く、ペパーミントを想起することが困難となる。200mg/L以上であると、ペパーミントの香りが強すぎ、また、食事との相性もよくない。
また、本発明の蒸留酒類は、メントールに対するメントンの比率は0.5〜1.5の範囲が好ましい。メントールは、ペパーミント精油に最も多く含まれ、その香気を特徴づける成分とされているが、本発明者らが詳細に検討した結果、蒸留酒類中においては、メントールの香りのみが強い場合は、ペパーミントの特徴的な香気が強すぎて薬草様の香りが感じられ、また、青臭みもあり、食事との相性も悪く、蒸留酒類としての嗜好性に欠けたものとなることが明らかとなった。そこで、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有し、食事との相性にも優れた蒸留酒類の製造について鋭意検討したところ、メントールに対するメントンの比率を0.5〜1.5の範囲とした場合に、清涼感のあるフレッシュなペパーミントの香気を有しつつ、飲料として非常にバランスのよい、食事との相性にも優れた蒸留酒類が得られることを見出した。メントンは、メントールと同様に、ペパーミント様の香気ではあるがメントールよりやわらかでおとなしい香りを示すものである。メントールに対するメントンの比率が、0.5未満であると、ペパーミントの香りが直截的、刺激的となってしまう。1.5超であると、ペパーミントの香りがややぼけてしまうことになる。メントールとメントンが適度なバランスを保って含有することにより、酒質がまろやかで奥行きのあるものとなる。
さらに、本発明の蒸留酒類は、ヘキサナール含量が、アルコール濃度25v/v%換算で0.20mg/L以下であるのが好ましい。ヘキサナールを特定量以下とすることにより、蒸留酒類中の青臭い不快臭を抑制するとともに、メントールやメントンなどの清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を際立たせ、すっきり飲みやすく、食事との相性もよい酒質とすることができる。
本発明に使用するペパーミントに特に限定はない。生鮮品、冷蔵品、冷凍品、フリーズドライ品又は乾燥品があるが、いずれでもよく、また、葉、茎、全草でもよい。乾燥したペパーミント葉が特に好適である。乾燥前後に粉砕などの処理を行ってもよい。大きな茎はできるだけ取り除いた、乾燥したペパーミント葉を用いることにより、ペパーミントの香気が強く、かつ、青臭い香りの少ない、香味良好な蒸留酒類が得られる。
本発明でいう蒸留酒類とは、焼酎、スピリッツ等が挙げられる。焼酎、スピリッツの原料に特に限定はなく、また、発酵方法、蒸留方法にも特に限定はない。
原料の少なくとも一部にペパーミントを用いて蒸留することにより蒸留酒類、例えば焼酎が得られる。焼酎とする場合のデンプン質原料としては、米、大麦、裸麦、ライ麦、サツマイモ、トウモロコシ、デーツ等が挙げられるが、ペパーミントの特徴的な香気とのバランス、相性を考え、清涼感のあるフレッシュなペパーミントの香気を引立たせるためには、トウモロコシやデーツ等主原料由来の香気が比較的穏やかになるデンプン質原料を用いるのが好ましい。大麦を主原料とするのもペパーミント特有の香気が引立った酒質となるので好ましい。
次に、本発明における蒸留酒類を製造する方法について、焼酎の製造方法を例にして説明する。焼酎の製造は、原料処理、仕込、発酵(糖化・発酵)、蒸留及び精製工程よりなる。なお、原料処理には、製麹工程、原料液化、液化・糖化工程も含むものとする。通常、焼酎の製造において、米又は大麦を蒸きょう後、麹菌(白又は黒麹菌)の胞子を散布し、33℃〜40℃で約40時間かけて製麹し、一次醪として麹に水と焼酎酵母を加えて混合し、25℃〜30℃で約7日間かけて酵母の増殖を図る。この一次醪に、蒸きょうした掛原料を添加して二次醪とし、25℃〜30℃で8日〜20日間かけて発酵させる。ペパーミント原料、例えば乾燥したペパーミント葉は、この二次醪の段階で添加すればよい。ペパーミント原料を含む二次醪を蒸留することによって高品質の焼酎を得ることができる。蒸留方法には特に限定はなく、例えば甲類焼酎(連続式蒸留焼酎)を得るための連続蒸留法、乙類焼酎を得るための単式蒸留法、また、醪を通常の大気圧下で蒸留する常圧蒸留法、真空ポンプで醪を大気圧より低くして蒸留する減圧蒸留法などがある。ペパーミントの特徴的な香気をより生かす、ペパーミントの原料特性が特徴としてよく出るという観点より、常圧蒸留法が好ましいが、きれいな酒質とする場合には減圧蒸留法を用いればよい。
本発明では、二次醪にペパーミントを添加し、醪に一定期間浸漬後、蒸留することによって高品質の蒸留酒類を得るものであるが、本発明者らが詳細に検討した結果、デンプン質原料の発酵醪(前記した二次醪に相当)にペパーミントを添加後、1日目から6日目、好ましくは2日目から4日目までに蒸留することによって、メントールとメントンの含量の総和を特定の範囲内にすることができ、更に、メントールに対するメントンの比率を特定の範囲内にすることができ、そしてまた、ヘキサナール含量を特定量以下とすることができ、原料の少なくとも一部にペパーミントを用いて製造される高品質の蒸留酒類を得ることができる。デンプン質原料の発酵醪にペパーミントを添加して、ペパーミントが浸漬している時間によって浸出してくるメントール、メントン、ヘキサナールといった香気成分の含量が異なり、メントールとメントンの含量の総和、メントールに対するメントンの比率、ヘキサナール含量といったいろいろな要素を調和させることができることを新たに見出した。
本発明において、ペパーミントの添加量は、ペパーミント以外の麹原料と掛原料の合計量に対して0.2%〜10.0%の範囲で適宜選択すればよい。メントールとメントンの含量の総和、メントールに対するメントンの比率、ヘキサナール含量をよく勘案して調整を行うことが重要である。
デンプン原料の発酵醪にペパーミントを添加後、2日目から4日目までに蒸留することによって、メントールとメントンの含量の総和を、アルコール濃度25v/v%換算で10mg/L以上200mg/L未満とすることができ、また、メントールに対するメントンの比率を、0.5〜1.5とすることができ、更には、乾燥したペパーミント葉を用いることにより、ヘキサナール含量が、アルコール濃度25v/v%換算で0.20mg/L以下とすることができ、ペパーミントの香気が強く、かつ、青臭い香りの少ない、香味良好な蒸留酒類が得られる。本発明の蒸留酒類は、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有し、飲料として非常にバランスのよい、食事との相性にも優れた蒸留酒類である。
このように、本発明の蒸留酒類は、これまでにない爽やかな香りとすっきりした味わいであり、食事をしながら飲用に供する食中酒として、肉料理、特に焼肉などの脂っこい食事とも相性がよい高品質の蒸留酒類である。
本発明によれば、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有する高品質の蒸留酒類を得ることができるので、蒸留酒類としての焼酎、スピリッツのそれぞれをベースとして、必要に応じて糖類、酸味料、あるいは炭酸ガスを含有させるなどにより、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有するアルコール含有飲料とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
大麦を原料とし、掛原料の一部にペパーミントを用いて、焼酎の製造を行った。仕込配合を表1に示す。
Figure 0006212245
一次仕込みは、100kgの精白麦を、常法により水浸漬吸水後、水切り、蒸きょう、放冷した後、得られた蒸麦に種麹菌として市販の焼酎用白麹菌を接種し、麦麹を調製し、この麦麹に汲水150リットル及び酵母を加え、25℃で7日間発酵させ、一次醪とした。酵母は焼酎酵母協会2号を用いた。
一次醪に、蒸し麦を350kg加え二次仕込みを行い、25〜30℃で11日間発酵させ、二次仕込み12日目に三次仕込みとして乾燥ペパーミント葉10kgを加えた。
乾燥ペパーミント葉を添加して3日目の発酵終了醪を、真空度(圧力)8.00×10−3MPaで単式減圧蒸留(中留カットアルコール度数10v/v%)を行い、得られた蒸留液に冷却ろ過を実施し、アルコール分25v/v%に割水して焼酎(本発明1)を得た。また、乾燥ペパーミント葉を添加して翌日(1日目)に蒸留したものを本発明2とし、同様の方法により焼酎を得た。それぞれに得られた焼酎の香気成分の分析値を表2に示す。
Figure 0006212245
乾燥ペパーミント葉を添加後3日目に蒸留した本発明1では、メントール含量は57.2mg/L、メントンの含量は73.2mg/Lであり、それらの総和は130.4mg/Lであった。また、メントールに対するメントンの比率は1.3であり、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる蒸留酒類が得られた。一方、乾燥ペパーミント葉添加後翌日に蒸留した本発明2では、メントール含量は54.8mg/L、メントンの含量は75.0mg/Lであり、それらの総和は129.8mg/Lであり、また、メントールに対するメントンの比率は1.4であったが、ヘキサナール含量が高く本発明1と比べると多少青臭みがあり、フレッシュ感に欠けていた。
本発明で得られた焼酎を水割り、ウーロン茶割り、ソーダ割り(本発明1の焼酎に等量の水、ウーロン茶、又はソーダを添加したもの)にして、10名の専門のパネラーにより官能評価試験を行ったところ、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有し、すっきり飲みやすく、食事との相性もよい酒質であるという高い評価を10名全員から得た。
実施例2
乾燥ペパーミント葉(本発明3)、フリーズドライしたペパーミント葉(本発明4)、及び冷凍ペパーミント葉(本発明5)を用いて、実施例1と同様の仕込配合、方法により焼酎を製造した。
いずれの試験区においても、メントール含量とメントン含量の総和は、好適な範囲である10mg/L以上200mg/L未満にあり、また、メントールに対するメントンの比率は0.5〜1.5の範囲で、清涼感のあるフレッシュなペパーミントの特徴的香気を有していた。更に、ヘキサナール含量は、0.20mg/L以下となり、青臭い不快臭は発生しなかった。しかし、乾燥ペパーミント葉を使用した実施例1の場合よりも、フリーズドライ葉や冷凍葉を用いたものは、メントールとメントンの総和が少なく、香気が全体的におとなしいものとなった。
実施例3
大麦を原料とし、掛原料の一部にペパーミントを用いて、実施例1と同様にして、焼酎の製造を行った。乾燥ペパーミント葉は、実施例1の5倍量用いた。
精白麦を、常法により水浸漬吸水後、水切り、蒸きょう、放冷した後、得られた蒸麦に種麹菌として市販の焼酎用白麹菌を接種し、麦麹を調製し、この麦麹に汲水及び酵母を加え、25℃で7日間発酵させ、一次醪とした。
一次醪に、蒸し麦を加え二次仕込みを行い、25〜30℃で11日間発酵させ、二次仕込み12日目に三次仕込みとして乾燥ペパーミント葉を50kgを加えた。
乾燥ペパーミント葉を添加して4日目の発酵終了醪を、真空度(圧力)8.00×10−3MPaで単式減圧蒸留(中留カットアルコール度数10v/v%)を行い、得られた蒸留液に冷却ろ過を実施し、アルコール分25v/v%に割水して焼酎を得た。
得られた焼酎1容量に対して、サトウキビ糖蜜を原料として製造された焼酎甲類4容量を混和した。得られた甲乙混和焼酎(本発明6)のメントール含量、メントン含量、ヘキサナール含量は、それぞれ12.0mg/L、9.6mg/L、0.01mg/Lであり、清涼感のあるフレッシュなペパーミントの特徴的香気を有し、すっきり飲みやすく、焼肉と食べながら飲用に供すると、口の中がリフレッシュする酒質であった。
参考例
市販されているハッカ焼酎のメントール含量、メントン含量を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0006212245
市販品A〜市販品Cは、いずれもニホンハッカを原料に用いた焼酎である。市販品Aは、ハッカ臭が弱かった。市販品B、市販品Cは、ハッカ臭はするが、メントールの直截的、刺激的な香りが勝ちすぎていた。
原料の少なくとも一部にペパーミントを用いて製造される本発明の蒸留酒類は、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有し、すっきり飲みやすく、食事との相性もよい酒質である。特に、デンプン質原料の発酵醪にペパーミントを添加後、1日目から6日目、好ましくは2日目から4日目までに蒸留することにより、清涼感のあるフレッシュなペパーミントを想起させる特徴的な香気を有しながらもすっきり飲みやすく、また青臭さもない酒質とすることができるので、本発明は優れた新規蒸留酒類及びその製造方法である。

Claims (3)

  1. 原料の少なくとも一部に乾燥ペパーミント葉を用いる焼酎の製造方法であって、
    デンプン質原料の発酵醪に乾燥ペパーミント葉を添加後、2日目以降に蒸留するものであり、
    得られる焼酎が、メントールとメントンを含有し、該成分の含量の総和が、アルコール濃度25v/v%換算で10mg/L以上200mg/L未満であり、メントールに対するメントンの比率が0.5〜1.5であり、ヘキサナール含量が、アルコール濃度25v/v%換算で0.20mg/L以下であることを特徴とする焼酎の製造方法。
  2. デンプン質原料の発酵醪に乾燥ペパーミント葉を添加後、日目から6日目までに蒸留することを特徴とする請求項1に記載の焼酎の製造方法。
  3. デンプン質原料の発酵醪に乾燥ペパーミント葉を添加後、2日目から4日目までに蒸留することを特徴とする請求項1に記載の焼酎の製造方法。
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