JP6212022B2 - 釣竿 - Google Patents

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Description

本発明は、釣竿に関し、詳細には、中実状に構成されたいわゆるソリッドタイプの穂先竿杆を有する釣竿に関する。
一般的に、釣竿は、強化繊維を特定方向に引き揃え、これに合成樹脂を含浸したいわゆるプリプレグを巻回することで構成されている。このような釣竿は、軽量化を図るために管状体として構成されるが、穂先竿杆については、撓み易く、かつ、魚がかかったときに大きく撓んでも破損しないように、中実状に構成されたものが用いられることもある。
通常、中実状に構成される穂先竿杆は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されているように、基端から先端まで連続する強化繊維(カーボン繊維、ガラス繊維など)に合成樹脂を含浸した、いわゆる繊維強化樹脂材料で形成されており、これらは、主に、引き抜き成型法によって製造されている。
特開昭54−80372号 特開平9−248103号
上記した公知の穂先竿杆は、基端から先端に至るまで強化繊維が配向した状態(連続繊維ソリッド体)となっているため、選択する強化繊維の物質によって伸度が決まってしまう。例えば、上記したようなカーボン繊維やガラス繊維では、その伸度は、全長に対して1.5〜2.7%程度であり、繊維自体としてはあまり伸びない。このため、強化繊維の伸度が枷となってしまい、曲げが作用した際の剛性が高く、柔らかさという観点からすると限界がある。すなわち、穂先竿杆は、微妙な魚の当たりを検知・視認できるように、できるだけ柔らかく、更には、そのような柔らかさがありながら強度や剪断剛性についても高いことが好ましく、対象魚、釣種等によっては、より柔らかく強度等が高いものが望まれることがある。この場合、連続繊維ソリッド体で柔らかく構成するのであれば、外径を細くすることが考えられるが、柔らかくするために細くし過ぎると、加工や組み立て作業などが困難になってしまい、更には、強度が十分でないことから剪断応力が作用した際に破損し易いという問題が生じる。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、柔らかく破損し難い穂先竿杆を有する釣竿を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明は、繊維強化樹脂製の中実状の穂先竿杆を有する釣竿において、前記穂先竿杆は、平均繊維径が3μm〜15μm、平均繊維長さが0.5mm〜10mmの短繊維を3〜50wt%の含有量でマトリクス樹脂材に分散して形成されると共に、軸長方向に沿って中心軸に対して傾斜する方向に配向した前記短繊維の割合が多い傾斜配向繊維層を有することを特徴とする。
上記した構成の釣竿は、穂先領域が、短繊維(平均繊維径が3μm〜15μm、平均繊維長さが0.5mm〜10mmの短繊維)をマトリクス樹脂材に分散した繊維強化樹脂材料で形成されているため、基端から先端に至るまで強化繊維が配向した連続繊維ソリッド体と比較すると、柔らかく撓み易くなり、微妙な魚の当たりを検知し易くなるとともに視認し易くなる。この場合、マトリクス樹脂材には、短繊維が分散した状態となっているため、破損(破断)するまでの変位量が大きくなり、外径をある程度太くしても、そのような作用効果が得られることから、加工がし易いと共に、継合式の釣竿では、組立作業が容易に行えるようになる。
また、上記した穂先竿杆には、軸長方向に沿って中心軸に対して傾斜する方向に配向した短繊維の割合が多い傾斜配向繊維層が配設されているため、剪断剛性を高めることが可能となる。すなわち、剪断応力は穂先竿杆に対して径方向に作用するのであり、径方向における微小体積を考慮(短繊維を含んでいる微小体積を考慮する)した際、微小体積当たりの強度(変形し難さ)が高ければ、結果として、その総和となる剪断剛性は高くなる。この場合、微小体積内において、そこに含まれている短繊維が剪断方向(径方向)に指向していたり、径方向に対して直交する方向に指向していると、剪断力が作用した際、その微小体積領域が変形し易くなり、結果として、この微小体積領域の径方向における総和を考慮すると、剪断力による破損が生じ易くなってしまう。これに対し、短繊維が、軸長方向に沿って中心軸に対して傾斜する方向に指向していれば、それを含んでいる微小体積部分は変形に対する強度が高くなるため剪断剛性を高めることができる。特に、穂先竿杆に釣糸ガイドを装着すると、そのガイド脚部の端縁部分では大きな剪断力が作用するものの、上記したような傾斜配向繊維層が存在することによって剪断剛性が高まるため破損し難くなる。
本発明によれば、柔らかく、破損等し難い穂先竿杆を有する釣竿を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る釣竿の全体図。 図1に示す釣竿の穂先竿杆の構成を示す側面図。 穂先竿杆に含有される強化繊維(短繊維)の状態を模式的に示す図。 穂先竿杆の任意の位置における径方向に沿った断面図。 穂先竿杆の任意の位置における軸長方向に沿った断面図であり、短繊維の状態を模式的に示した図。
以下、本発明に係る釣竿の一実施形態について添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明に係る釣竿の一例を示した全体図である。本実施形態の釣竿1は、外ガイド付きの継式釣竿であり、元竿杆10と、複数の中竿杆(2本の中竿杆)11a,11bと、穂先竿杆12とが振出式に継ぎ合わされた構成となっている。
前記元竿杆10、及び中竿杆11a,11bは、公知のように、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂を、炭素繊維等の強化繊維で強化した繊維強化樹脂製の管状体として構成されている。なお、図に示す釣竿1は、元竿杆10にリールシート50を設けるとともに、リールシート50に装着したリール51から放出される釣糸をガイドする外ガイド55、及びトップガイド56が所定間隔をおいて設けられている(ガイドの一部は遊動式であっても良い)が、釣竿はこのような外ガイドが配設されていない構成であっても良い。また、図では、振出式の釣竿を示しているが、並継式や逆並継式であっても良い。
図2は、図1に示す釣竿の内、穂先竿杆12を示している。
本実施形態の穂先竿杆12は、全体が断面円形の中実状に構成されて、中竿杆11aに嵌入される構成となっており、穂先竿杆12が穂先を構成している。この穂先竿杆12は、後述するように、マトリクス樹脂に強化材となる短繊維を分散させた複合材として構成されており、撓み性に優れるとともに、変位した際に折れ難い(破損し難い)性質を備えている。
図に示す穂先竿杆12は、全長に亘って断面円形で中実状に構成されているが、釣竿の穂先竿杆としては、基端側が管状体となっており、先端側が中実状に構成されていても良い。すなわち、先端側が中実状の穂先となり、基端側が中空状の穂持管となって両者を一体的に接続することで穂先竿杆が構成されていても良く、このように構成することで、釣竿として、穂先竿杆の先端の短い領域を感度良くすることが可能となる。
穂先竿杆12は、図3に模式的に示すように、マトリクス樹脂20に強化材となる短繊維22を多数分散させた繊維強化樹脂製の中実体、所謂ソリッド体となっている。この場合、マトリクス樹脂20は、熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド)や、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ、フェノール)で構成される。或いは、ポリアミド樹脂を主成分として、それ以外の熱可塑性樹脂(ポリエステル、ポリカーボネートなど)を含有させたものであっても良い。
また、マトリクス樹脂20には、それ以外の補材(強化材以外の材料)を含有させても良い。例えば、色を呈する顔料等の着色剤を混入することで、穂先竿杆に色彩を発現させたり、マトリクス樹脂を発泡させてマイクロバブルを混在させることで軽量化を図るようにしても良い。或いは、流動改質剤、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤などを加えることで、成形時の効率化を図ることも可能である。
前記マトリクス樹脂20に多数、分散される強化繊維(短繊維22)は、例えばPAN系またはピッチ系の炭素繊維やガラス繊維を用いることが可能である。各短繊維の大きさについては、平均繊維径が3μm〜15μm、平均繊維長さが0.5mm〜10mmのものが用いられる。
ここで、マトリクス樹脂内に分散される短繊維22を上記した範囲に設定したのは、繊維径が3μmより小さく、長さが0.5mmより短くなると、穂先として所定の弾性(目感度が良好な弾性)を得るためには、多量の繊維を混入しておく必要があり、これにより成形時の流動性が悪くなって、軸長方向に万遍なく短繊維を分散できない傾向があるためである。また、繊維径が15μmより大きく、長さが10mmより長くなると、たとえ所定の弾性が得られるような繊維比率としても成形時の流動性が悪くなり、軸長方向に万遍なく短繊維を分散できない傾向があるためである。
また、上記した大きさの短繊維のマトリクス樹脂に対する含有量は、3〜50wt%に設定される。これは、上記した大きさの短繊維であれば、3wt%未満にすると、十分な強度が得られないためであり、逆に50wt%より多く含有させると、上記した大きさの短繊維であっても、成形時の流動性が悪くなり、軸長方向に万遍なく短繊維を分散できない傾向があるためである。また、穂先竿杆として要求される事項(柔らかく撓み性が維持でき、かつ強度が維持される)を考慮しても、短繊維の含有量が50wt%以下であれば、そのような効果を十分に発揮することが可能である。
なお、マトリクス樹脂内に分散される短繊維については、全ての短繊維が上記した範囲内にある必要はなく、一部、この範囲から外れる大きさのものが含まれていても良い。すなわち、多数存在する短繊維の平均値が上記した範囲内にあれば良く、一部に、上記した範囲よりも大きい短繊維や小さい短繊維が含まれていても良い。
また、上記した短繊維の含有量については、軸長方向に亘って均一にしなくても良い。例えば、軸長方向の基端側に移行するに従い、連続的或いは段階的に短繊維の含有量が多くなるように構成すれば、先調子で先端側が撓み易い穂先竿杆とすることが可能となる。或いは、軸長方向に亘って短繊維の含有量を均一化し、かつ、軸長方向に亘って同一径にすると、撓みの屈曲特性は均一になるが、図2に示すように、先端が細径化するように表面にテーパ12Aを形成することにより、先側に移行するに従い撓み量が大きくなる構成にすることができる。さらに、先端側の短繊維の含有量が少ない構造において、図2に示すように、表面にテーパ12Aを形成することで、より先端領域を撓み易くしてセンシティブに構成することも可能である。この場合、軸長方向に沿って短繊維の含有量を変える手法としては、例えば、二色成形機を使用して繊維含有量が異なる繊維強化樹脂材料を注入すれば良い。
前記テーパに関しては、図2に示すように、穂先全体にテーパが形成されていても良いし、穂先竿杆の先端に、テーパ加工を施しておいても良い。すなわち、穂先竿杆そのものは、たとえば押出成型によって中実の円柱状に形成しておき、形成後、その先側に、先端に向けて次第に細径化するテーパ加工を施しておいても良い。このようにすることで、撓み性を向上させた上で更に先調子の穂先竿杆とすることが可能となる。なお、穂先竿杆として先調子にするためには、穂先竿杆の中間部分に、穂先側を細径化するように段部を形成しておいても良い(段部は、軸長方向に2箇所以上形成しても良い)。この場合、段部の前後をストレート状にしても良いし、段部の前側をテーパ状にしても良く、このように表面を加工することで、基端側において、軸長方向に指向する短繊維の割合を容易に多くすることが可能となる。また、段部については、軸長方向に対して直交する垂直面で形成しても良いし、先端に向けて縮径する傾斜面で形成しても良い。
上記したような複合材で構成される穂先竿杆12は、その内部において、軸長方向に沿って中心軸(図3においてX軸が穂先竿杆12の中心軸となる)に対して傾斜する方向に配向した短繊維の割合が多い傾斜配向繊維層14を有している。図3では、分散される短繊維22を模式的に示しており、中心軸に対して傾斜する方向に配向した短繊維を符号22aで、軸長方向に配向した短繊維を符号22bで示してある。
なお、本発明において、短繊維が「中心軸に対して傾斜する」とは、短繊維の先端が中心軸側に向けて指向しており、かつ、その後端が径方向外側に向けて指向した状態のものを意味しており、単に中心軸Xと交差する方向になっている短繊維(これらは異方状態と定義される)を意味するものではない。すなわち、このような配向状態となっている短繊維は、剪断力に対する強度が最も高い配向状態であり、傾斜配向繊維層14では、無数の短繊維の中で、そのような配向状態となっている短繊維の割合が多く存在し、結果として穂先竿杆の剪断剛性を高める機能果たしている。この場合、短繊維22は、合成樹脂内において無数に分散した状態にあるが、図3では、わかり易くするために、それら無数に分散した状態の短繊維の内、中心軸に対して傾斜する方向に配向した状態の短繊維を符号22aで示し、軸長方向に配向した状態の短繊維を符号22bで示し、それ以外の様々な方向に指向する分散した短繊維については省略してある。
上記したように、本実施形態では、中心軸に対して傾斜する方向に配向した短繊維22aは、図3及び図5に模式的に示すように、それぞれが穂先側から後端側に向けて径方向外方に広がるように方向付けされており、これらが軸方向に沿って並ぶように配設された状態となっている。そして、このような短繊維22aの配列状態については、後述するような押出成型方法によって得ることが可能であり、このような配列状態にある短繊維22aは、穂先竿杆を径方向に沿って断面視すると、図4に示すように、放射方向に拡がるような略楕円形状を呈するようになる。また、そのような短繊維22aについては、穂先竿杆12を軸方向に沿って断面視すると、図5に示すように、穂先側から後方に向けて次第に拡がるように傾斜している。すなわち、穂先竿杆を横断面視した際、放射方向に拡がる略楕円形状の短繊維22aの割合が多く、かつ、穂先竿杆を縦断面視した際、傾斜した方向に配向した短繊維22aの割合が多くなっている層が存在すれば、そては、穂先竿杆12として傾斜配向繊維層14が存在すると評価することができる。
上述したように、中心軸に対して傾斜する方向に配向する短繊維の割合が多くなっている層(傾斜配向繊維層)14が存在することによって、剪断応力が作用した際に破損し難くなり、竿杆として剪断剛性を高めることが可能となる。特に、釣糸ガイドを装着した部分では、その脚部の端部で剪断応力が作用し易いが、この部分での剪断力による破損などを効果的に防止することができる。
本発明では、穂先竿杆12内において、中心軸に対して傾斜する方向に配向した短繊維22aの割合が多くなっている層(傾斜配向繊維層14)が配設されていれば良いが、その傾斜配向繊維層14の厚さD1については、厚くし過ぎると、穂先竿杆として強度及び撓みのバランスが悪くなることから、直径Dに対して80%以下に設定しておくことが好ましい。また、傾斜配向繊維層14のD1は、薄くし過ぎると、十分な剪断剛性が得られないことから、直径Dに対して20〜30%以上に設定しておくことが好ましい。
また、本実施形態の穂先竿杆12は、上記した傾斜配向繊維層14以外にも、短繊維が軸長方向に配向した短繊維の割合が多い層(軸長配向繊維層)15、及び、短繊維が様々な方向に分散して異方状態となっている割合が多い層(異方状態繊維層)13を更に備えている。
図3及び図5に示すように、短繊維が軸長方向に配向すると(短繊維22b参照)、図4に示すように、その断面は略円形状になることから、そのような短繊維の割合が多い層(軸長配向繊維層)15では、略円形状に見える短繊維22bの割合が多くなる。また、短繊維が異方状態(万遍なく分散する)になると、断面視した際、短繊維が斜めにカットされることから、異方状態繊維層13では、短繊維が楕円状、或いは長楕円状になる傾向が強くなり、その方向性もランダムになる。
すなわち、穂先竿杆内において、短繊維が軸長方向に配向した状態になっていると、効率的に曲げ剛性を向上することができ、所定の弾性力で撓み易い構成にすることができるようになる。また、穂先竿杆内において、短繊維が異方性を有することで、ねじり強度を向上することができ、ねじり応力が作用した際の破損等を効果的に防止することができるようになる。
また、上記したような構成の穂先竿杆12によれば、強化繊維が基端から先端まで延びていないため、強化繊維の伸度による制約が解消され、使用するマトリクス樹脂材によっては従来よりも柔らかい(破損などすることなく大きく変位できる)構成にすることが可能となる。そして、穂先竿杆12が柔らかくなることで、実釣時では魚信感度が向上するとともに、目感度(穂先の微妙な変位)や食い込み(魚が針を離さない)性能を向上することが可能となる。さらには、同じ硬さ、強度で設計する場合、弾性率が低いために外径を太くすることが可能となり、組立の作業性の向上が図れるようになる。
特に、本実施形態のように、軸長配向繊維層13を外周側に配設したことで、硬くすることが必要になり易いソリッドの基端(継部近く)において、テーパ加工量を少なく設定すれば効率的に調子を作ることができる(硬くできる)。すなわち、穂先竿杆の硬さ(剛性)については、外層側の構造の影響を受け易いことから、軸長配向繊維層13を外周側に配設することで前記したような調整がし易くなる。また、異方状態繊維層15を中心領域に配設したことで、異方性の短繊維によって潰れによる変形に耐え易く、大変形した場合に、円から楕円形状に潰れにくくなって、大きく曲がった場合でも想定する硬さを維持できるようになる。さらに、上記したように、中実状の穂先竿杆の先端側に、テーパ加工を施したり、中間部分に段部を形成し、その先側を細径化する構成では、軸長方向に指向する短繊維の割合が、先端よりも基端の方が多くなることから、これにより、先端側をより大きく撓ませることが可能となる。
なお、上記したような構造を有する穂先竿杆12については、図3及び図5に模式的に示した状態において、どちらが穂先側になっていても良い。
なお、異方状態繊維層13を中心領域に配設し、その外層に傾斜配向繊維層14、更にその外層に軸長配向繊維層15を配設した穂先竿杆については、以下のように、押出成型によって容易に製造することが可能である。以下、上記した穂先竿杆12を製造する方法の一例について説明する。
図4に示すような断面構造の穂先竿杆は、たとえば押出成型機を用いて製造することが可能である。具体的には、穂先竿杆の構成材料は、多数の短繊維を含んだ熱可塑性樹脂によるペレットを押出しスクリューで搬送しながらヒータによって溶融し、所定の円形開口が形成された排出部から押し出すことで成型される。この場合、ペレットは、多数の細かい短繊維を合成樹脂内に分散して柱状に形成されたもの、或いは、複数の長繊維(長さは10mm以下)を合成樹脂内に束ねて配設して柱状に形成された状態となっており、押出成型機のホッパに投入されるペレットの構成によって、最終的に穂先竿杆内に分散される短繊維の長さや径、更には、樹脂含浸量に関し、上述した範囲のものに設定することができる。
押出成型機では、ホッパに投入されたペレットを、シリンダ内で回転するスクリューを介して搬送しつつシリンダを加熱するヒータによって搬送されるペレットを溶融し、最終的に排出部から所定の押出圧力で押出すことにより円柱状の穂先竿杆が成型される。この場合、排出部で押出される円柱体は、その中心部分では最も抵抗がない状態で押し出され、径方向外方に移行するに従い、押出し時の抵抗は高くなる。すなわち、図5に示すように、排出部における押出時では、中心領域では開口縁からの抵抗が少ないことから、押出抵抗が最も少ない状態で押し出され(図において、V1,V2,V3は、径方向における押し出し易さを示す)、径方向外方に行くにしたがって、開口縁からの抵抗が次第に高くなり、それに伴って押出抵抗も次第に大きくなる(押し出し易さは、V1>V2>V3の関係となる)。また、排出部から押出された合成樹脂は、押し出された後、表面側から硬化して行く性質がある。
前記シリンダ内で加熱されながら搬送され、排出部から押出される前の合成樹脂は、短繊維がランダムに分散された状態にある。このため、排出部から押し出された合成樹脂の中心領域では、上記したように、合成樹脂内に分散する短繊維は抵抗が少ない状態(ランダムな状態のまま)で押し出されることから、図4で示したように、短繊維はランダムに分散する傾向が高くなる。そして、径方向の外側(最外層側)では、押出時における抵抗が大きくなり、かつ、硬化時間も短いことから、移動方向(軸長方向)に沿うように短繊維が指向され、そのまま固まるようになる(軸長方向に指向する傾向が高くなる)。また、その中間領域では、中心領域における分散とは異なって、ある程度、軸長方向に揃うように指向するようになり、硬化時間も多少長いことから、中心軸に対して傾斜する方向に指向する傾向が高くなる。
すなわち、押出された柱状体(穂先竿杆)は、図4で示すように、中心領域に、短繊維が様々な方向に分散して異方状態となった異方状態繊維層13が形成され、その外側に、中心軸に対して傾斜して配向した短繊維の割合が多い傾斜配向繊維層14が形成され、更に、その外側に、軸長方向に配向した短繊維の割合が多い軸長配向繊維層)15が形成されるようになる。
上記した押出成型機による製造方法では、たとえば、押出速度(ペレットの搬送速度)を速くしすぎたり、溶融温度を高くしすぎると、押出される柱状体内の短繊維が全体に亘って分散する傾向となり、上記したような三層構造を得ることできなくなってしまう。また、押出し速度が遅かったり、溶融温度が低いと、全体に亘って短繊維が軸長方向に指向する傾向が強くなり、同様に、上記したような三層構造が得られなくなってしまう。さらには、押出方向を横向きにする場合と下向きにする場合、排出部の形状(拡径しながら排出する構造、縮径しながら排出する)等によっても、内部に分散する短繊維の配列状態を調整することが可能である。すなわち、使用するペレットの構成、押出成型機の動作環境、たとえば押出速度(押出圧力)、ヒータの加熱温度(ペレットの溶融状態)等の条件を適宜調整することにより、上記したような三層構造が得られるとともに、各層の厚さを調整することが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態以外にも、適宜変形することが可能である。例えば、本実施形態の釣竿は、多数本の竿杆を継合する構成となっていたが、上記した特徴の穂先を有する1本竿として構成されていても良い。また、穂先の断面形状については、断面円形としたが、楕円状にするなど、断面が非円形であっても良い。さらに、上述したように、短繊維が中心軸に対して傾斜した状態となる傾斜配向繊維層14が形成できれば、射出成型機等によって製造しても良い。
1 釣竿
12 穂先竿杆(穂先)
12A テーパ
13 軸長配向繊維層
14 傾斜配向繊維層
15 軸長配向繊維層
20 マトリクス樹脂
22,22a,22b 短繊維

Claims (3)

  1. 繊維強化樹脂製の中実状の穂先竿杆を有する釣竿において、
    前記穂先竿杆は、平均繊維径が3μm〜15μm、平均繊維長さが0.5mm〜10mmの短繊維を3〜50wt%の含有量でマトリクス樹脂材に分散して形成されると共に、軸長方向に沿って中心軸に対して傾斜する方向に配向した前記短繊維の割合が多い傾斜配向繊維層を有することを特徴とする釣竿。
  2. 前記穂先竿杆は、更に、軸長方向に配向した短繊維の割合が多い層、及び、異方状態の短繊維の割合が多い層を有していることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
  3. 前記異方状態の短繊維の割合が多い層が中心領域に配設され、その外層に前記傾斜配向繊維層、更にその外層に前記軸長方向に配向した短繊維の割合が多い層が配設されることを特徴とする請求項2に記載の釣竿。
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