JP6030048B2 - 釣竿 - Google Patents

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Description

本発明は、釣竿に関し、詳細には、穂先に特徴を有する釣竿に関する。
一般的に、釣竿は、強化繊維を特定方向に引き揃え、これに合成樹脂を含浸したいわゆるプリプレグを巻回することで構成されている。このような釣竿は、軽量化を図るために管状体として構成されるが、穂先については、撓み易く、かつ、魚がかかったときに大きく撓んでも破損しないように、中実状に構成されたものが用いられることもある。
通常、中実状に構成される穂先は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されているように、基端から先端まで連続する強化繊維(カーボン繊維、ガラス繊維など)に合成樹脂を含浸した、いわゆる繊維強化樹脂材料で形成されており、これらは、主に、引き抜き成形法によって製造されている。
特開昭54−80372号 特開平9−248103号
上記した公知の穂先は、基端から先端に至るまで強化繊維が配向した状態(連続繊維ソリッド体)となっているため、選択する強化繊維の物質によって伸度が決まってしまう。例えば、上記したようなカーボン繊維やガラス繊維では、その伸度は、全長に対して1.5〜2.7%程度であり、繊維自体としてはあまり伸びない。このため、強化繊維の伸度が枷となってしまい、曲げが作用した際の剛性が高く、柔らかさという観点からすると限界がある。すなわち、穂先は、微妙な魚の当たりを検知・視認できるように、できるだけ柔らかく、かつ強度(特に巻き込み強度)が高いことが好ましいが、上記のような繊維強化樹脂製の中実の穂先では、対象魚、釣種等によって軟らかいものが望まれることがある。この場合、連続繊維ソリッド体で柔らかく構成するのであれば、外径を細くすることが考えられるが、柔らかくするために細くし過ぎると、加工や組み立て作業などが困難になってしまう。また、このような穂先の柔らかく強度が高い特性は、例えば様々な調子の穂先を実現するために、穂先の所要部位において必要な度合で求められる場合がある。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、柔らかく破損し難い特性を有するとともに、その特性を所要部位において必要な度合で得ることができる穂先を有する釣竿を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明は、繊維強化樹脂製の穂先を有する釣竿において、前記穂先は、基端から先端に至るまで強化繊維が連続して配向されて成る合成性樹脂が含浸された連続繊維強化樹脂部と、この連続繊維強化樹脂部の先端に接合され、平均繊維径が3μm〜15μm、平均繊維長さが0.5mm〜10mmの短繊維を3〜50wt%の含有量でマトリクス樹脂材に分散して形成される不連続繊維強化樹脂部とを有することを特徴とする。
上記した構成の釣竿の穂先は、短繊維(平均繊維径が3μm〜15μm、平均繊維長さが0.5mm〜10mmの短繊維)をマトリクス樹脂材に分散した不連続繊維強化樹脂部を有するため、柔らかく破損し難い特性を有することができる。特に、このような不連続繊維強化樹脂部は、基端から先端に至るまで強化繊維が配向した連続繊維強化樹脂部と比較すると、柔らかく撓み易くなり、微妙な魚の当たりを検知し易くなるとともに視認し易くなる。この場合、マトリクス樹脂材には、短繊維が分散した状態となっているため、破損(破断)するまでの変位量が大きくなり、外径をある程度太くしても、そのような作用効果が得られることから、加工がし易いと共に、継合式の釣竿では、組立作業が容易に行えるようになる。
また、上記した構成の釣竿の穂先は、連続繊維強化樹脂部の先端に不連続繊維強化樹脂部が接合される構成を成すため、特に穂先の先端側で柔らかく破損し難い前述した特性を有するとともに、前記接合部において、例えば不連続繊維強化樹脂部を連続繊維強化樹脂部の外周面上の全体または一部分にわたって延在させるなど、様々な接合形態を形成することにより、柔らかく破損し難い特性を穂先の所要部位において必要な度合で得ることができる。
本発明によれば、柔らかく破損し難い特性を有するとともに、その特性を所要部位において必要な度合で得ることができる穂先を有する釣竿を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る釣竿の全体図。 図1に示す釣竿の穂先竿杆の構成を示す側面図。 穂先竿杆の不連続繊維強化樹脂部に含有される強化繊維(短繊維)の状態を模式的に示す図。 図2のA−A線に沿った縦断面図。 (a)〜(c)は不連続繊維強化樹脂部と連続繊維強化樹脂部との様々な接合形態を示す模式図。 穂先竿杆を製造する方法を説明する図であり、金型の一例を示す図。
以下、本発明に係る釣竿の一実施形態について添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明に係る釣竿の一例を示した全体図である。本実施形態の釣竿1は、外ガイド付きの継式釣竿であり、元竿杆10と、複数の中竿杆(本実施形態では、2本の中竿杆)11a,11bと、穂先竿杆12とが振出式に継ぎ合わされた構成となっている。
元竿杆10および中竿杆11a,11bは、公知のように、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂を、炭素繊維等の強化繊維で強化した繊維強化樹脂製の管状体として構成されている。なお、図に示す釣竿1は、元竿杆10にリールシート50を設けるとともに、リールシート50に装着したリール51から放出される釣糸をガイドする外ガイド55およびトップガイド56が所定間隔をおいて設けられている(ガイドの一部は遊動式であっても良い)が、釣竿1はこのような外ガイドが配設されていない構成であっても良い。また、図では、振出式の釣竿を示しているが、並継式や逆並継式であっても良い。
図2は、図1に示す釣竿の内、穂先竿杆12を示している。
本実施形態の穂先竿杆12は、全体が断面円形の中実状に構成されて、中竿杆11bに嵌入される構成となっており、穂先竿杆12が穂先を構成している(以下、穂先竿杆を穂先とも称する)。この穂先12は、基端から先端に至るまで強化繊維が連続して配向されて成る合成性樹脂が含浸された連続繊維強化樹脂部62と、この連続繊維強化樹脂部62の先端に接合され、マトリクス樹脂に強化材となる短繊維を分散させた複合材として構成される不連続繊維強化樹脂部60とから成る。不連続繊維強化樹脂部60は、後述する構成により、撓み性に優れるとともに、変位した際に折れ難い(破損し難い)性質を備えている。
なお、図に示す穂先竿杆12は、全長に亘って断面円形で中実状に構成されているが、基端側が管状体となって先端側が中実状に構成されていても良い。すなわち、先端側が中実状の穂先となり、基端側が中空状の穂持管となって両者を一体的に接続することで穂先竿杆が構成されていても良く(あるいは、別の実施形態では、不連続繊維強化樹脂部60が穂先となって、連続繊維強化樹脂部62が穂持管となっても良い)、このように構成することで、釣竿として、穂先竿杆の先端の短い領域を感度良くすることが可能となる。また、穂先竿杆の中実部分については、一方向に曲がり易くなるように、板状の芯材として構成されていてもよい。例えば、平板状にすることで、ワカサギ竿の穂先、ベイトリールを装着する釣竿の穂先として適した構成となる。あるいは、穂先竿杆は、中実体(ソリット体)ではなく、中空の管状体であってもよい。このような管状体は、テーパを有するマンドレルに、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグを巻回することで成形することが可能であり、このような管状体の表面に被覆層を形成してもよい。このような構成によれば、穂先竿杆を軽量化することが可能となる。
基端から先端に至るまで強化繊維が連続する連続繊維強化樹脂部62は、カーボン繊維やガラス繊維などの強化繊維に合成樹脂(例えば、リアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミドなどの熱可塑性樹脂や、エポキシ、フェノールなどの熱硬化性樹脂)を含浸した、いわゆる繊維強化樹脂材料で形成されており、例えば引き抜き成形法等によって所定の形状に(中実体または管状体として)形成される。なお、連続繊維強化樹脂部62を構成する強化繊維13は、基端から先端に至るまで連続したものであればよく、軸長方向にストレート状に延びたものが多数本束ねられたもの、何本かの強化繊維が軸長方向に沿って縒られており、これが複数本束ねられているもの、これらが組み合わされたもの等、強化繊維の配置の仕方については限定されることはない。
軸長方向にわたって繊維が不連続に散在する不連続繊維強化樹脂部60は、図3に模式的に示すように、マトリクス樹脂20に強化材となる短繊維22を多数分散させた繊維強化樹脂製の中実体、所謂ソリッド体となっている。この場合、マトリクス樹脂20は、熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド)や、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ、フェノール)で構成される。或いは、ポリアミド樹脂を主成分として、それ以外の熱可塑性樹脂(ポリエステル、ポリカーボネートなど)を含有させたものであっても良い。
また、マトリクス樹脂20には、それ以外の補材(強化材以外の材料)を含有させても良い。例えば、色を呈する顔料等の着色剤を混入することで、穂先竿杆12に色彩を発現させたり、マトリクス樹脂を発泡させてマイクロバブルを混在させることで軽量化を図るようにしても良い。或いは、流動改質剤、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤などを加えることで、射出成形時の効率化を図ることも可能である。
マトリクス樹脂20に多数、分散される強化繊維(短繊維22)は、例えばPAN系またはピッチ系の炭素繊維やガラス繊維を用いることが可能である。各短繊維22の大きさについては、特に限定されることはないが、平均繊維径が3μm〜15μm、平均繊維長さが0.5mm〜10mmのものを用いることが好ましい。
ここで、マトリクス樹脂20内に分散される短繊維22を上記した範囲に設定したのは、繊維径が3μmより小さく、長さが0.5mmより短くなると、穂先として所定の弾性(目感度が良好な弾性あるいは強度)を得るためには、多量の繊維を混入しておく必要があり、これにより成形時の流動性が悪くなって、軸長方向に万遍なく短繊維を分散できない傾向があるためである。また、繊維径が15μmより大きく、長さが10mmより長くなると、たとえ所定の弾性が得られるような繊維比率としても成形時の流動性が悪くなり、軸長方向に万遍なく短繊維を分散できない傾向があるためである。
また、上記した大きさの短繊維22のマトリクス樹脂20に対する含有量は、3〜50wt%に設定される。これは、上記した大きさの短繊維22であれば、3wt%未満にすると、十分な強度が得られないためであり、逆に50wt%より多く含有させると、上記した大きさの短繊維であっても、成形時の流動性が悪くなり、軸長方向に万遍なく短繊維を分散できない傾向があるためである。また、穂先として要求される事項(柔らかく撓み性が維持でき、かつ強度が維持される)を考慮しても、短繊維の含有量が50wt%以下であれば、そのような効果を十分に発揮することが可能である。
なお、マトリクス樹脂20内に分散される短繊維については、全ての短繊維が上記した範囲内にある必要はなく、一部、この範囲から外れる大きさのものが含まれていても良い。すなわち、多数存在する短繊維の平均値が上記した範囲内にあれば良く、一部に、上記した範囲よりも大きい短繊維や小さい短繊維が含まれていても良い。
また、上記した短繊維22の含有量については、軸長方向に亘って均一にしなくても良い。例えば、軸長方向の基端側に移行するに従い、連続的或いは段階的に短繊維22の含有量が多くなるように構成すれば、先端側が撓み易い穂先とすることが可能となる。或いは、軸長方向に亘って短繊維22の含有量を均一化し、かつ、軸長方向に亘って同一径にすると、撓みの屈曲特性は均一になるが、図2に示すように、先端が細径化するように表面にテーパ12Aを形成することにより、先側に移行するに従い撓み量が大きくなる構成にすることができる(先端に移行するに従い細径化する前記テーパには、一部にストレート部分が存在するもの、一部に大径部が存在するもの、テーパ率が異なって細径化するもの、階段状に細径化するもの等を含む)。さらに、先端側の短繊維22の含有量が少ない構造において、図2に示すように、表面にテーパを形成することで、より先端領域を撓み易くしてセンシティブに構成することも可能である。この場合、軸長方向に沿って短繊維22の含有量を変える手法としては、例えば、二色成形機を使用して繊維含有量が異なる繊維強化樹脂材料を注入すれば良い。
また、上記したような複合材で構成される不連続繊維強化樹脂部60に関して、強化材となる短繊維22は、径方向内側では異方状態が多く、径方向外周側では軸長方向に指向した状態が多くなるようにマトリクス樹脂材20に分散しておくことが好ましい。具体的には、図4の断面に示すように、短繊維が軸長方向に指向すると、その断面は略円形状になるが(径方向外方の短繊維22参照)、短繊維が異方状態になると、断面視した際、短繊維が斜めにカットされることから、楕円状、或いは長楕円状になる傾向が強くなる(径方向の中心領域に存在する短繊維22´参照)。すなわち、不連続繊維強化樹脂部60は、外周領域の短繊維が軸長方向に配向した状態になっていると、効率的に曲げ剛性を向上することができ、所定の弾性力で撓み易い構成にすることができるようになる。また、中心領域に存在する短繊維22が異方性を有することで、不連続繊維強化樹脂部60のねじり強度を向上することができ、ねじり応力が作用した際の破損等を効果的に防止することができるようになる。
ここで、「径方向外周側で軸長方向に指向した状態が多くなる」とは、穂先を断面視(いずれの位置でもよい)した際、合成樹脂内で多数分散した状態にある短繊維22の断面が円形状になっている割合を対比することで把握することが可能である。具体的には、不連続繊維強化樹脂部60のある位置における断面の直径をDとした場合、半径が(1/2)/Dの円よりも外周領域に存在している短繊維22の円形状になっている割合が、その円の内側領域に含まれている短繊維22の円形状になっている割合よりも多くなっていれば、不連続繊維強化樹脂部60として、表面側に軸長方向に指向した短繊維22が多数配置された状態になっていると評価することができ、これにより、所望の曲げ剛性が得られるとともに、ねじれに対する強度の向上が図れるようになる。なお、図4に示すような短繊維22の配向状態については、後述するような製造方法によって実現することが可能である。
図5には、穂先12を形成する不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62との様々な接合形態が示されている。図5の(a)の接合形態は、不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62との接合部65がテーパ状を成している。具体的には、連続繊維強化樹脂部62の先端部62Aが先細りのテーパ外面62aを有しており、一方、不連続繊維強化樹脂部60の基端部60Aが先端側に向かって先細る(基端側に向かって広がる)テーパ状の内面60aを有する凹陥部63を有しており、連続繊維強化樹脂部62の先端部62Aが不連続繊維強化樹脂部60の凹陥部63内に挿入された状態で不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62とが互いに接合される。つまり、接合部65において、不連続繊維強化樹脂部60は、連続繊維強化樹脂部62の先細る先端部62Aの外周面上にわたって延びている。このような接合形態では、剛性が大きくても繋がりの良い調子の穂先が得られるという利点が得られる。
図5の(b)の接合形態も、不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62との接合部65が同様のテーパ状を成している(したがって、図5の(a)と同様の部分が同様の参照符号で示される)。ただし、この場合、不連続繊維強化樹脂部60の接合部位は、連続繊維強化樹脂部62の外周面全体にわたって延びている。このような接合形態では、図5の(b)の構造よりも製造が容易な場合があるとともに、樹脂の繋ぎ目が生じないため、強度が低下し難いという利点が得られる。
図5の(c)の接合形態は、不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62とが凹凸嵌合により接合される。具体的には、不連続繊維強化樹脂部60の基端部60Aには、その端面から先端側へ所定の長さにわたって軸方向に延びる凹部60bが設けられ、一方、連続繊維強化樹脂部62の先端部62Aの端面からは、凹部60bに嵌合可能な凸部62bが先端側へ向けて突設され、これらの凹部60bと凸部62bとの嵌合により不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62とが接合される。このような接合形態では、連続繊維強化樹脂部62を後から接着して繋げることができるという利点が得られ、接続部にバリエーションをもたせることで、簡単に様々な種類の繋ぎを実現できる。
以上のような不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62との接合は、後述する射出成形法によって或いは二色成形法によって行なわれてもよく、または、不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62とを別々に成形した後に互いに接着することにより行なわれてもよい。
なお、本実施形態では、連続繊維強化樹脂部62の先端側に不連続繊維強化樹脂部60が接合されることによって穂先12が形成されるが、穂先12は、これらの2つの繊維強化樹脂部60,62を含んでさえいればよく、その他の繊維強化樹脂部が更に接合されてもよく、あるいは、複数の不連続繊維強化樹脂部60と複数の連続繊維強化樹脂部62とが様々な配置形態で組み合わされて接合されてもよく、その配置形態および接合形態は任意である。
不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62との接合を射出成形によって行なう一例が図6に示されている。
この射出成形では、予め引き抜き成形などの既知の成形方法により製造された連続繊維強化樹脂部62が図6に示すような金型30内にセットされ、その状態で、不連続繊維強化樹脂部60を形成するための上述した短繊維を含有した繊維強化樹脂材を金型30内へ射出することで不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62とが一体に成形(接合)される。
金型30は、縦開きされる型31,32によって構成されており、各型31,32の接合面31a,32aには、穂先12の外形となる空洞部35が形成されるとともに、各型31,32には、所定の位置に繊維強化樹脂を注入するためのゲート36が形成されている。このゲート36は、空洞部35に連通されるとともに側方に開口しており、その開口36aに成形機ノズル40が差し込まれ、矢印で示すように繊維強化樹脂材が注入される。
注入される繊維強化樹脂材は、上述したように、強化材として、平均繊維径が3μm〜15μm、平均繊維長さが0.5mm〜10mmの短繊維を3〜50wt%含んだ熱可塑性樹脂であり、所定の温度(略200℃の可塑温度)で注入される。この場合、金型30の温度は、注入される繊維強化樹脂材よりも低温に設定されており、注入される繊維強化樹脂材は、金型30の内面と接触する表層側から冷却されて硬化することが可能となる。すなわち、注入される繊維強化樹脂材は、穂先12の軸長方向に沿って流れる状態となっているため、含有されている短繊維22は、その流れに沿って軸長方向に向いており、このフロー状態で表面側から硬化するため、表面側の短繊維は軸長方向に指向する傾向となる。しかし、中央領域では、硬化するまで時間があることから、流れが停止した状態(繊維強化樹脂材が略充填された状態)では、多少、自由に変動することが可能となっており、個々の短繊維の向きは異方性を生じるようになる。
このように、注入される繊維強化樹脂材の温度と金型の温度の差、および、注入方向によって、上述したように、径方向外周側の短繊維を軸長方向に指向させ、かつ、中心領域の短繊維を異方状態にすることが可能となる。なお、図4に示すような短繊維の配列状態については、注入される繊維強化樹脂材の射出圧力、金型との温度差、ゲートの位置やゲートの個数等によって変更することも可能である。
なお、本実施形態において、不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62との界面部分に、ガラス繊維を含んだ織物プリプレグ(樹脂含浸量が30wt%〜80wt%であることが望ましい)を配設して界面部分を樹脂リッチ状態にして剥離し難くしてもよい。あるいは、界面部分の密着面積が増えるように、不連続繊維強化樹脂部60および連続繊維強化樹脂部62のそれぞれの界面部位(外面部位または内面部位)に密着面積を増やすような加工処理を施してもよい。具体的には、例えば、サンドブラスト等によって粗面化処理したり、螺旋状に傷(凹部)を付けたり、センターレス加工等で表面に凹部(砥石の選択により変更が可能)を形成したり、凹凸段差を形成したり、あるいは、先端に向けて細径化する段差状のテーパを形成する等してもよい。
また、不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62との継部の密着性を向上させるため、本実施形態では、連続繊維強化樹脂部62の先端を平坦面とし、その平坦面から繊維を露出させた状態でその先端側領域に不連続繊維強化樹脂部60を接合してもよい。このようにすると、平坦面から露出する繊維が接合部でアンカー効果を生み、不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62との継部の密着性が高まる。なお、この継部の接合(連結)強度を高めるために、不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62との継部の外周に糸を巻回固定してもよく、あるいは、この継部の外周に釣糸挿通用のガイドの脚部を糸巻き固定してもよい。
また、本実施形態では、不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62との継部での滑らかな曲がりを確保するための工夫を施してもよい。すなわち、継部では、軸長方向繊維が無くなるため曲げ剛性が変化してしまうことから、継部の領域では、大きな剛性変化が生じない(滑らかな曲げ状態が得られる)ように、部分的に太径化しておくことが好ましい。すなわち、表面形状としてテーパ状に細径化するのではなく、例えば、途中でストレート状部分が生じるように太径化しておいてもよい。あるいは、継部に位置する連続繊維強化樹脂部62の軸長方向先端部を多角形状(面取りでもよい)または円弧形状にして、剛性の繋がりが良くなるようにしてもよい。
また、本実施形態では、不連続繊維強化樹脂部60と連続繊維強化樹脂部62とを長手方向で接続する(図5参照)ことから、長手方向表面に2種類以上の材質の異なる部分(軸長方向に強化繊維が指向した部分と短繊維が分散する部分)が存在するため、屈曲性が異なる状態となる。このような構成において表面に塗装を施す場合、塗装との間で密着性に問題が生じる可能性がある。このため、少なくとも一方(好ましくは、湾曲が大きい方)に密着性を向上させるプライマーを塗布して塗装を形成することが好ましい。この場合、プライマーとしては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができ、そのような材料の中でも特に硬度が低い(柔らかい)ものが好ましい。
なお、本実施形態の穂先12については、上記した製造方法以外にも、例えば、押出成形、引抜成形によって製造することが可能である。この場合、形成される穂先は、円柱状になることから、その後、センターレス加工することで所望の形状にすることが可能となる。
以上説明したように本実施形態の釣竿1の穂先12は、短繊維(平均繊維径が3μm〜15μm、平均繊維長さが0.5mm〜10mmの短繊維)をマトリクス樹脂材に分散した不連続繊維強化樹脂部60を有するため、柔らかく破損し難い特性を有することができる。すなわち、この不連続繊維強化樹脂部60では、強化繊維が基端から先端まで延びていないため、強化繊維の伸度による制約が解消され、使用するマトリクス樹脂材によっては従来よりも柔らかい(破損などすることなく大きく変位できる)構成にすることが可能となる。また、このように柔らかくなることで、実釣時では魚信感度が向上するとともに、目感度(穂先の微妙な変位)や食い込み(魚が針を離さない)性能を向上することが可能となる。さらには、同じ硬さ、強度で設計する場合、弾性率が低いために外径を太くすることが可能となり、組立の作業性の向上が図れる。
また、本実施形態の釣竿1の穂先20は、連続繊維強化樹脂部62の先端に不連続繊維強化樹脂部60が接合される構成を成すため、特に穂先12の先端側で柔らかく破損し難い前述した特性を有するとともに、接合部65において、例えば図5に関連して前述したように不連続繊維強化樹脂部60を連続繊維強化樹脂部62の外周面上の全体または一部分にわたって延在させるなど、様々な接合形態を形成することにより、柔らかく破損し難い特性を穂先の所要部位において必要な度合で得ることができる。また、連続繊維強化樹脂部62を中心に不連続繊維強化樹脂部60を配置することにより、理想的な繋がりの穂先を実現できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態以外にも、適宜変形することが可能である。例えば、本実施形態の釣竿は、多数本の竿杆を継合する構成となっていたが、上記した特徴の穂先を有する1本竿として構成されていても良い。また、穂先の断面形状については、断面円形としたが、楕円状にするなど、断面が非円形であっても良い。
1 釣竿
12 穂先竿杆(穂先)
12A テーパ
20 マトリクス樹脂
22 短繊維
60 不連続繊維強化樹脂部
60b 凹部
62 連続繊維強化樹脂部
62A 先端部
62b 凸部
65 接合部

Claims (8)

  1. 繊維強化樹脂製の穂先を有する釣竿において、
    前記穂先は、基端から先端に至るまで強化繊維が連続して配向されて成る合成性樹脂が含浸された連続繊維強化樹脂部と、この連続繊維強化樹脂部の先端に接合され、平均繊維径が3μm〜15μm、平均繊維長さが0.5mm〜10mmの短繊維を3〜50wt%の含有量でマトリクス樹脂材に分散して形成される不連続繊維強化樹脂部とを有することを特徴とする釣竿。
  2. 前記不連続繊維強化樹脂部と前記連続繊維強化樹脂部との接合部がテーパ状を成すことを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
  3. 前記接合部において、前記不連続繊維強化樹脂部は、前記連続繊維強化樹脂部の先細る先端部の外周面上にわたって延びることを特徴とする請求項2に記載の釣竿。
  4. 前記不連続繊維強化樹脂部は、前記連続繊維強化樹脂部の外周面全体にわたって延びることを特徴とする請求項3に記載の釣竿。
  5. 前記不連続繊維強化樹脂部と前記連続繊維強化樹脂部とが凹凸嵌合により接合されることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
  6. 前記不連続繊維強化樹脂部の前記短繊維は、径方向内側では異方状態が多く、径方向外周側では軸長方向に指向した状態が多くなるように前記マトリクス樹脂材に分散されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の釣竿。
  7. 前記穂先には、先端に移行するに連れて細径化するようにテーパが形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の釣竿。
  8. 前記穂先は、穂持管に接続された状態で穂先竿杆を構成していることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の釣竿。
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