JP6211340B2 - 溶接装置及び溶接方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、従来のレーザ・アークハイブリッド溶接装置は、溶接対象となる母材に対する装置の相対的な移動方向(以下、溶接方向という。)に直交する方向において、レーザ溶接のレーザ照射方向とアーク溶接のアークトーチの軸方向とがなす角度は一定角度で固定されていた。
例えば、レーザ溶接部のレーザ照射方向とアーク溶接部のアークトーチの軸方向(ワイヤ供給方向)とが一致している(なす角度が0度の)場合、溶接方向に直交する方向のレーザ溶接のレーザ照射方向を適切に設定したとしても、ワイヤにより形成される肉盛りの進展方向が望ましい方向とならない場合もある。肉盛りの進展方向が望ましい方向とならない場合、溶接により形成される溶接部の形状がいびつになり、十分な溶接部の強度が得られない可能性がある。
本発明に係る溶接装置は、母材に対する相対位置を溶接方向に沿って移動させて溶接を行う溶接装置であって、レーザ発振器に接続され、前記レーザ発振器が発振するレーザを溶接対象の前記母材に照射して溶接を行うレーザ溶接部と、電源に接続された溶接ワイヤを供給するワイヤ供給部を有し、前記溶接ワイヤを前記母材に供給して溶接を行うアーク溶接部と、前記溶接方向に直交する方向における前記レーザ溶接部のレーザ照射方向と、前記溶接方向に直交する方向における前記アーク溶接部のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度を調整可能な第1角度調整部と、を備えることを特徴とする。
このようにすることで、レーザ溶接部のレーザ照射方向よって定まるレーザ溶接による溶け込み方向と、アーク溶接部のワイヤ供給方向によって定まる肉盛りの進展方向とが、任意に調整可能となる。したがって、レーザ溶接による溶け込み方向とワイヤにより形成される肉盛りの進展方向とを、溶接対象に応じた適切な方向に調整し、十分な強度の溶接部を形成可能な溶接装置を提供することができる。
このようにすることで、溶接方向におけるレーザ溶接部のレーザ照射方向とアーク溶接部のワイヤ供給方向とがなす第2相対角度を、溶接速度やレーザ照射強度等の種々の条件に応じて適切に調整して十分な強度の溶接部を形成可能な溶接装置を提供することができる。
このようにすることで、レーザ溶接部のレーザ照射方向よって定まるレーザ溶接による溶け込み方向と、アーク溶接部のワイヤ供給方向によって定まる肉盛りの進展方向とが、任意に調整可能となる。したがって、レーザ溶接による溶け込み方向とワイヤにより形成される肉盛りの進展方向とを、溶接対象に応じた適切な方向に調整することができる溶接方法を提供することができる。
このようにすることで、溶接方向におけるレーザ照射方向とワイヤ供給方向とがなす第2相対角度を、溶接速度やレーザ照射強度等の種々の条件に応じて適切に調整することができる。
図1は本実施形態のハイブリッド溶接装置を示す概略構成図である。
したがって、角度αは、ハイブリッド溶接装置100の溶接方向(図3に示す方向)に直交する方向におけるレーザヘッド10のレーザ照射方向と、溶接方向と直交する方向におけるアークトーチ20のワイヤ供給方向とがなす相対角度である。角度調整機構80のうち、スライドプレート81と、スライド部材82と、ボルト87とが、第1相対角度αを調整する機構(第1角度調整部)となっている。
したがって、第2相対角度θは、ハイブリッド溶接装置100の溶接方向(図3に示す方向)におけるレーザヘッド10のレーザ照射方向と、溶接方向におけるアークトーチ20のワイヤ供給方向とがなす相対角度である。角度調整機構80のうち、スライドプレート83と、スライドプレート84と、取り付け角度調整機構とが、角度θを調整する機構(第2角度調整部)となっている。第2角度θは、ハイブリッド溶接装置100が母材200に対して移動する速度(溶接速度)やレーザヘッド10のレーザ照射強度等の種々の条件に応じて、十分な強度の溶接部を形成可能となるように角度調整機構80を用いて適宜調整される。
この溶接方法は、溶接方向に直交する方向におけるレーザヘッド10のレーザ照射方向と、溶接方向に直交する方向におけるアークトーチ20のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度αを角度調整機構80により調整する第1調整工程を備える。また、この溶接方法は、溶接方向におけるレーザ照射方向と、溶接方向におけるワイヤ供給方向とがなす第2相対角度θを角度調整機構80により調整する第2調整工程を備える。また、この溶接方法は、第1調整工程及び第2調整工程により第1相対角度α及び第2相対角度θが調整されたハイブリッド溶接装置100を用いて母材200を溶接する溶接工程を備える。
このようにすることで、溶接方向に直交する方向おけるレーザ照射方向とワイヤ供給方向とがなす第1相対角度αと、溶接方向におけるレーザ照射方向とワイヤ供給方向とがなす第2相対角度θとを、溶接速度やレーザ照射強度等の種々の条件に応じて適切に調整することができる。
このようにすることで、レーザヘッド10のレーザ照射方向よって定まるレーザ溶接による溶け込み方向と、アークトーチ20のワイヤ供給方向によって定まる肉盛りの進展方向とが、任意に調整可能となる。したがって、レーザ溶接による溶け込み方向と溶接ワイヤ21により形成される肉盛りの進展方向とを、溶接対象に応じた適切な方向に調整し、十分な強度の溶接部を形成可能なハイブリッド溶接装置100を提供することができる。
このようにすることで、溶接方向におけるレーザヘッド10のレーザ照射方向とアークトーチ20のワイヤ供給方向とがなす第2相対角度θを、溶接速度やレーザ照射強度等の種々の条件に応じて適切に調整することができる。
このようにすることで、レーザヘッド10のレーザ照射方向よって定まるレーザ溶接による溶け込み方向と、アークトーチ20のワイヤ供給方向によって定まる肉盛りの進展方向とが、任意に調整可能となる。したがって、レーザ溶接による溶け込み方向と溶接ワイヤ21により形成される肉盛りの進展方向とを、溶接対象に応じた適切な方向に調整し、十分な強度の溶接部を形成可能な溶接方法を提供することができる。
このようにすることで、溶接方向におけるレーザ照射方向とワイヤ供給方向とがなす相対角度θを、溶接速度やレーザ照射強度等の種々の条件に応じて適切に調整することができる。
また、上述した実施形態では、橋梁等の既設の構造物の溶接部を補修する例について説明したが、溶接の対象となるのは橋梁等の既設の構造物に限らず他の態様であってもよい。
20 アークトーチ(アーク溶接部)
21 溶接ワイヤ
30 ワイヤフィーダ(ワイヤ供給部)
40 電源
60 レーザ発振器
70 光ファイバ
80 角度調整機構(第1角度調整部、第2角度調整部)
100 ハイブリッド溶接装置
200 母材
204 溶接部
X1 レーザヘッドの中心軸
X2 アークトーチの中心軸
α 第1相対角度
θ 第2相対角度
Claims (4)
- 母材に対する相対位置を溶接方向に沿って移動させて溶接を行う溶接装置であって、
レーザ発振器に接続され、前記レーザ発振器が発振するレーザを溶接対象の前記母材に照射して溶接を行うレーザ溶接部と、
電源に接続された溶接ワイヤを供給するワイヤ供給部を有し、前記溶接ワイヤを前記母材に供給して溶接を行うアーク溶接部と、
前記溶接方向に直交する方向における前記レーザ溶接部のレーザ照射方向と、前記溶接方向と直交する方向における前記アーク溶接部のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度を調整可能な第1角度調整部と、を備えることを特徴とする溶接装置。 - 前記溶接方向における前記レーザ照射方向と、前記溶接方向における前記ワイヤ供給方向とがなす第2相対角度を調整可能な第2角度調整部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の溶接装置。
- レーザ溶接部とアーク溶接部とを有する溶接装置を用いた溶接方法であって、
前記レーザ溶接部は、レーザ発振器に接続され、前記レーザ発振器が発振するレーザを溶接対象の前記母材に照射して溶接を行い、
前記アーク溶接部は、電源に接続された溶接ワイヤを供給するワイヤ供給部を有し、前記溶接ワイヤを前記母材に供給して溶接を行い、
前記溶接方向に直交する方向における前記レーザ溶接部のレーザ照射方向と、前記溶接方向に直交する方向における前記アーク溶接部のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度を調整可能な第1角度調整部を用いて該第1相対角度を調整する第1調整工程と、
前記第1調整工程により前記第1相対角度が調整された前記溶接装置を用いて前記母材を溶接する溶接工程と、を備えたことを特徴とする溶接方法。 - 前記溶接方向における前記レーザ照射方向と、前記溶接方向における前記ワイヤ供給方向とがなす第2相対角度を調整可能な第2角度調整部を用いて該第2相対角度を調整する第2調整工程と、を備え、
前記溶接工程は、前記第1調整工程により前記第1相対角度が調整され、前記第2調整工程により前記第2相対角度が調整された前記溶接装置を用いて前記母材を溶接することを特徴とする請求項3に記載の溶接方法。
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