JP6210277B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ステアリング装置に関する。
車両が他の車両等の障害物にぶつかると、そのときの一次衝突に続いて、運転者がステアリングホイール(操舵部材)にぶつかる二次衝突が発生することがある。ステアリング装置では、二次衝突時の衝撃を吸収するために、ステアリングコラムの一部を車体から離脱させてコラム軸方向(車体前方)に移動させる構造が種々提案されている。
例えば、特許文献1のステアリングコラム用支持装置では、車体に固定された車体側ブラケットに、コラム軸方向に平行に延びる係止切欠きが設けられている。係止切欠きには、係止カプセルが嵌め込まれていて、係止カプセルは、複数の係止ピンによって車体側ブラケットに対して位置決めされている。そして、ステアリングホイールを保持するコラム側ブラケットが、ボルトによって各係止カプセルに連結されている。
二次衝突時には、複数の係止ピンが破断することによって、係止カプセルが、車体側ブラケットから解放され、コラム側ブラケットを伴って係止切欠きに沿って移動する。これによって、二次衝突時の衝撃が吸収される。
特開2012−121538号公報
特許文献1のステアリングコラム用支持装置では、二次衝突時に、係止カプセルが車体側ブラケットにおける係止切欠きの周縁部に対して摺擦する。二次衝突時の衝撃を円滑に吸収するためには、係止カプセルと前記周縁部との間の摩擦を低減させる構成を用いることが考えられるが、当該構成をステアリングコラム用支持装置において容易に組み付けることができると好ましい。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、二次衝突時に衝撃吸収のために相対移動する1対の部材間の摩擦を低減させる構成の組み付け性の向上を図ることができるステアリング装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、車体(13)に固定される固定ブラケット(23)と、操舵部材(2)に連結されており、二次衝突時には、操舵部材を伴って、所定の移動方向(Z1)における下流側へ向けて前記固定ブラケットに対して相対移動可能な可動ブラケット(24)と、前記可動ブラケットに組み付けられ、二次衝突時には、前記可動ブラケットと前記固定ブラケットとの間に介在された状態で前記可動ブラケットと一体移動するスライド部材(89)と、を含み、前記スライド部材は、前記可動ブラケットと前記固定ブラケットとの間に差し込まれ、二次衝突時には前記固定ブラケットに摺擦する本体部(90)と、前記本体部において前記移動方向における下流側端部(90A)から折れ曲がっていて、前記移動方向における下流側から前記可動ブラケットに引っ掛かる第1折曲部(91)と、前記本体部において前記移動方向に対する直交方向(Y1)における端部(90B、90C)から折れ曲がっていて、前記直交方向における側から前記可動ブラケットに引っ掛かる第2折曲部(92)とを含むことを特徴とする、ステアリング装置(1)である。
請求項2記載の発明は、前記第1折曲部において前記本体部側とは反対側の先端部を、前記移動方向における上流側へ折り曲げることによって形成され、前記本体部との間で可動ブラケットを挟む挟持部(91A)を含むことを特徴とする、請求項1記載のステアリング装置である。
請求項3記載の発明は、前記固定ブラケットから延びて前記可動ブラケットを吊る吊り部材(25)を含み、前記スライド部材には、前記吊り部材を通す切り欠き部(93)が形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載のステアリング装置である。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1記載の発明によれば、このステアリング装置では、二次衝突時には、可動ブラケットが移動方向における下流側へ向けて固定ブラケットに対して相対移動することによって、二次衝突時における衝撃を吸収することができる。
ここで、可動ブラケットに組み付けられたスライド部材が、可動ブラケットと固定ブラケットとの間に介在された状態で可動ブラケットと一体移動するので、可動ブラケットと固定ブラケットとの間の摩擦を低減させることができる。
このようなスライド部材は、可動ブラケットと固定ブラケットとの間に差し込まれる本体部と、本体部の端部から折れ曲がった第1折曲部および第2折曲部とを含んでいる。
第1折曲部は、移動方向における下流側から可動ブラケットに引っ掛かっている。そのため、スライド部材を可動ブラケットに対して移動方向に位置決めできるだけでなく、二次衝突時には、スライド部材を、必ず、移動方向における下流側へ向けて可動ブラケットと一体移動させることができる。
第2折曲部は、移動方向に対する直交方向における側から可動ブラケットに引っ掛かっている。そのため、第2折曲部を可動ブラケットに引っ掛けさえすれば、スライド部材を可動ブラケットに対して直交方向に位置決めでき、その後のスライド部材の(直交方向における位置の)微調整も不要となる。
そして、第1折曲部および第2折曲部のそれぞれが可動ブラケットに引っ掛かるように本体部を可動ブラケットに載せるだけで、可動ブラケットにスライド部材を容易に組み付けることができる。よって、二次衝突時に衝撃吸収のために相対移動する1対の部材間(可動ブラケットと固定ブラケットとの間)の摩擦を低減させる構成(スライド部材)の組み付け性の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、第1折曲部の先端部に形成した挟持部と本体部との間で可動ブラケットを挟むことによって、第1折曲部を可動ブラケットに確実に引っ掛けることができる。
請求項3記載の発明によれば、スライド部材の切り欠き部に吊り部材を通すことによって、スライド部材を、吊り部材との干渉を避けて可動ブラケットに組み付けることができる。
図1は、本発明の一実施形態におけるステアリング装置1の模式的側面図であり、ステアリング装置1の概略構成を示している。 図2は、図1のステアリング装置1の概略断面図であり、図1のII−II線に沿う断面を示している。 図3は、図1のステアリング装置1の分解斜視図である。 図4は、可動ブラケット24とスライド部材89との組み付けを説明するための分解斜視図である。 図5は、固定ブラケット23と、一対の吊り下げ機構T1,T2と、連結・離脱機構R1との一部破断概略平面図である。 図6は、固定ブラケット23の第1板30と可動ブラケット24の第2板32との連結状態における断面図であり、ピン61の軸線を含む前後方向の断面を示している。 図7は、二次衝突時の第1板30と第2板32との断面図であり、ピン61の剪断によって第2板32が図6の状態から所定の移動方向Z1における下流側へ離脱した状態を示している。 図8は、図2のVIII−VIII線に沿う断面図であり、第1板30および連結・離脱機構R1の断面を示している。 図9は、図2のIX−IX線に沿う断面図であり、第2板32および連結・離脱機構R1の断面を示している。 図10は、変形例に係るスライド部材89の斜視図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるステアリング装置1の模式的側面図であり、ステアリング装置1の概略構成を示している。なお、図1における左側が、ステアリング装置1および(ステアリング装置1が取り付けられる)車体の前側であり、図1における右側が、ステアリング装置1および車体の後側である。また、図1における上側が、ステアリング装置1および車体の上側であり、図1における下側が、ステアリング装置1および車体の下側である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結されて前後方向に延びるステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ラック軸8と、ステアリングコラム15とを主に備えている。
ピニオン軸7の端部(下端部)の近傍には、ピニオン7Aが設けられていて、ラック軸8のラック8Aと噛み合っている。ピニオン軸7およびラック軸8を含むラックアンドピニオン機構によって、操舵機構A1が構成されている。ラック軸8は、車体側部材(車体そのもの、または車体に固定された部材をいい、以下同じ)9に固定されたハウジング10によって支持されている。ラック軸8は、車両の幅方向である車幅方向(紙面とは直交する方向)に移動可能である。ラック軸8の各端部は、図示しないタイロッドおよびナックルアームを介して、転舵輪(車輪)に連結されている。
ステアリングシャフト3は、例えばスプライン結合を用いて、同行回転可能に且つ軸方向X1に相対移動可能に連結されたアッパーシャフト11およびロアーシャフト12を含んでいる。ステアリングシャフト3は、車体側部材13,14に固定されたステアリングコラム15によって、軸受(アッパーベアリング75、ロアーベアリング76)を介して回転可能に支持されている。
ステアリングコラム15は、ステアリングシャフト3の軸方向X1に相対移動可能に嵌め合わされた筒状のアッパージャケット16およびロアージャケット17と、ロアージャケット17の軸方向X1における一端(下端)に連結されたハウジング18とを備えている。ステアリングシャフト3では、前端部(下端部でもある)と後端部(上端部でもある)との間の途中部分が、ステアリングコラム15内に収容されている。ハウジング18は、ロアーベアリング76を介してロアーシャフト12に連結されている。アッパージャケット16は、アッパーベアリング75を介してアッパーシャフト11に連結されており、アッパーシャフト11を伴って軸方向X1に移動することができる、アッパージャケット16をロアージャケット17に対して軸方向X1に相対移動させることによって、ステアリングコラム15およびステアリングシャフト3のテレスコピック調整(テレスコ調整)が可能となる。
ハウジング18内には、操舵補助用の電動モータ19の動力を減速してロアーシャフト12に伝達する減速機構20が収容されている。減速機構20は、電動モータ19の回転軸(図示せず)と同行回転可能に連結された駆動ギヤ21と、駆動ギヤ21に噛み合ってロアーシャフト12と同行回転する被動ギヤ22とを有している。
操舵部材2を回転させることによって操舵すると、操舵部材2の回転は、ステアリングシャフト3、自在継手4、中間軸5、自在継手6およびピニオン軸7に対してこの順番で伝達され、ラック軸8の車幅方向における直線移動へと変換される。これにより、転舵輪の転舵が達成される。また、必要に応じて、電動モータ19が駆動されて、ステアリングシャフト3の回転が補助されるので、操舵部材2の操舵が補助される。
このように、本実施の形態では、ステアリング装置1が電動パワーステアリング装置に適用された例に則して説明しているが、本発明を、電動モータ19による操舵の補助が省略されたマニュアルステアリング装置に適用してもよい。
そして、車体側部材14に固定されたロアーブラケット59が、ピボット軸であるチルト中心軸36を支持している。チルト中心軸36は、ステアリングコラム15のハウジング18を介して、ステアリングコラム15全体を、当該チルト中心軸36の回りに揺動可能に支持している。ステアリングコラム15を揺動させることによって、チルト調整が可能となる。なお、本発明は、テレスコ調整機能およびチルト調整機能の両方を有するステアリング装置だけでなく、どちらかの調整機能だけを有するステアリング装置にも適用可能である。
次に、ステアリング装置1における車体側部材13の周辺について説明する。ここで、前述した前後上下方向や軸方向X1に加えて、軸方向X1とは直交する左右方向Y1(前述した車幅方向と同じ)を用いて説明を行うことにする。
概略断面図である図2に示すように、ステアリング装置1は、車体側部材13に固定された固定ブラケット23と、アッパージャケット16に連結された可動ブラケット24と、一対の吊り下げ機構T1,T2とをさらに含んでいる。固定ブラケット23は、吊り下げ機構T1,T2を介して可動ブラケット24(換言すれば、可動ブラケット24に連結されたアッパージャケット16)を吊り下げている。
次に、ステアリング装置1の分解斜視図である図3も参照して、固定ブラケット23、可動ブラケット24および吊り下げ機構T1,T2等について説明する。なお、図3では、左上側が、ステアリング装置1の前側であり、右下側が、ステアリング装置1の後側である。
固定ブラケット23は、アッパーブラケットともいい、例えば板金等により形成されている。固定ブラケット23は、軸方向X1および左右方向Y1の両方に沿って延びる平板状の第1板30と、第1板30の一対の側縁(左右方向Y1における外側縁)からそれぞれ下向きに延設された一対の側板37と、一対の側板37からそれぞれ(左右方向Y1における)外側方へ延設された一対の取付板38とを備えている。各取付板38に形成されたねじ挿通孔39に対して下から挿通された金属製の固定ボルト40(図5参照)によって、各取付板38が、車体側部材13に固定されている(図2参照)。これにより、固定ブラケット23が車体側部材13に固定されている。
可動ブラケット24は、チルトブラケットともいい、固定ブラケット23と同様に、板金等により形成されている。可動ブラケット24は、第1板30と平行に延びる平板状の第2板32と、第2板32の一対の側縁(左右方向Y1における外側縁)から下向きに延設された一対の側板41とを備えており、上下が逆になったU字状をなしている。第2板32は、軸方向X1に延びる2辺と左右方向Y1に延びる2辺とを有する略矩形状(図3では略正方形状)をなしている。可動ブラケット24は、固定ブラケット23の真下に位置していて、固定ブラケット23の第1板30に対して可動ブラケット24の第2板32が下から対向配置されている。第2板32と各側板41との連結部70は、図3に示すように左右方向Y1における外方へ張り出した湾曲状に形成されていてもよい。
そして、図1および図2に示すように、ステアリング装置1は、ロック機構29を備えている。簡単に説明すると、ロック機構29は、運転者等による操作レバー27の操作に応じて左右方向Y1に移動する締付軸28によって、可動ブラケット24を介して、コラムジャケット26の位置(ひいてはアッパージャケット16および操舵部材2の位置)をロックしたり、そのロックを解除したりする。
ロック機構29に関連して、図2に示すように、ステアリングコラム15のアッパージャケット16には、前述したコラムジャケット26が固定されている。コラムジャケット26は、可動ブラケット24における一対の側板41の内側で側板41にそれぞれ対向する一対の側板71と、一対の側板71の下端間を連結する連結板72とを備えたU字状をなしている。
前述した締付軸28は、可動ブラケット24およびコラムジャケット26の側板41,71を左右方向Y1において貫通するボルトで構成されている。そのため、アッパージャケット16に固定されたコラムジャケット26と、可動ブラケット24とは、締付軸28を介して連結されている。また、前述したように、操舵部材2がアッパーシャフト11に連結されて、アッパージャケット16が(アッパーベアリング75を介して)アッパーシャフト11に連結されているので(図1参照)、操舵部材2とアッパージャケット16とは連結されている。よって、可動ブラケット24が操舵部材2に連結されていることがわかる。
そして、締付軸28に螺合するナット73を、操作レバー27の回転操作によって回転させることにより、締付軸28におけるボルトの頭部28Aとナット73との間に、両側板41,71を締め付け、両側板41,71をロックする。これにより、テレスコ調整やチルト調整後の操舵部材2の位置をロックできる。一方、操作レバー27を逆向きに回転操作すると、両側板41,71の締め付け(ロック)が解除されるので、テレスコ調整やチルト調整が可能となる。
図3に示すように、固定ブラケット23の第1板30には、軸方向X1(前後方向)に沿って直線状に延びる長溝31が、プレス加工での打ち抜きや切削等によって形成されている。一方、可動ブラケット24の第2板32には、挿通孔33が形成されている。長溝31および挿通孔33のそれぞれは、一対の吊り下げ機構T1,T2に対応して一対ずつ設けられている。
一対の長溝31は、第1板30を板厚方向に貫通しつつ、互いに平行な状態で左右方向Y1に間隔を隔てて並んでいる。ステアリング装置1を上方から見た平面視において、軸方向X1における各長溝31の両端部(前端部31Aおよび後端部31Bの両方)は、円弧状に丸められている。
また、第1板30には、1対の長溝31を仕切る境界部分35が一体的に設けられている。境界部分35は、固定ブラケット23の一部として1対の長溝31の間で軸方向X1に沿って帯状に延びている。軸方向X1における境界部分35の一端部(後端部)には、境界部分35(第1板30)を板厚方向に貫通する第1貫通孔66が形成されている。第1貫通孔66と各長溝31との左右方向Y1における間隔は等しい。
一対の挿通孔33は、第2板32を板厚方向に貫通する丸孔であって、左右方向Y1に間隔を隔てて並んでおり、左右方向Y1で同じ位置にある長溝31の一部に対して下から対向している。つまり、1対の挿通孔33は、1対の長溝31のそれぞれに対して1つずつ対向している。第2板32において左右方向Y1における1対の挿通孔33の間には、第2板32を板厚方向に貫通する第2貫通孔67が形成されている。第2貫通孔67と各挿通孔33との左右方向Y1における間隔は等しい。なお、第1貫通孔66および第2貫通孔67は、後述するピン61が挿通される孔であり、詳しくは、後述する。
そして、二次衝突時以外の通常状態では、(可動ブラケット24における)1対の挿通孔33は、(固定ブラケット23における)1対の長溝31のそれぞれの一端部(後端部31B)に対して1つずつ対向している(図1参照)。
各吊り下げ機構T1,T2は、吊り部材25と、皿ばね等の板ばね42と、ナット34と、スライドプレート43とによって構成されている。吊り部材25、板ばね42およびナット34のそれぞれは、吊り下げ機構T1,T2に応じて1対(2つ)ずつ設けられていて、左右方向Y1に並んで配置されている。
吊り部材25は、上下に延びて上端に頭部52を有するボルトである。各吊り部材25は、対向状態にある(第1板30の)長溝31の後端部31Bおよび(第2板32の)挿通孔33に対して上から1本ずつ挿通されている。そして、各吊り部材25の下端部は、ナット34に螺合している。これにより、各吊り部材25は、ナット34と共同して第1板30と第2板32とを連結しており、固定ブラケット23から延びて可動ブラケット24(換言すれば、コラムジャケット26およびアッパージャケット16)を吊り下げている(図2参照)。
また、図1を参照して、各吊り部材25は、二次衝突時に、長溝31に沿って、可動ブラケット24、コラムジャケット26、アッパージャケット16、アッパーシャフト11および操舵部材2(これらを「可動部材」と総称することにする)と共に、軸方向X1における前側へ移動することができる。このとき、長溝31は、二次衝突時における吊り部材25の移動をガイドしている。また、このとき、可動ブラケット24は、操舵部材2を伴って、軸方向X1に沿って固定ブラケット23に対して前側へ向けて相対移動する。ここで、二次衝突時での可動ブラケット24の移動方向に、符号「Z1」を付すことにすると、軸方向X1と移動方向Z1とは平行であって、軸方向X1における前側とは、所定の移動方向Z1における下流側ということになる。なお、吊り部材25および前記可動部材が円滑に移動できるように、必要に応じて、ステアリングコラム15のハウジング18が車体側のロアーブラケット59から外れてもよい。
そして、前述したスライドプレート43は、左右方向Y1に長手の薄板であり、図2に示すように、第1板30と板厚方向が一致した状態で、両板ばね42と第1板30の上面30Aとの間に介在している。スライドプレート43の少なくとも第1板30側の面(下面であり、摺動面43Aということにする)の全域には、例えばフッ素樹脂や四フッ化エチレン樹脂等の摩擦低減材81が設けられている(後述する図6および図7も参照)。なお、スライドプレート43全体が摩擦低減材81で形成されていてもよいし、スライドプレート43の摺動面43Aだけが摩擦低減材81で被覆されていてもよい。スライドプレート43では、可動ブラケット24における1対の挿通孔33のそれぞれと対向する位置(左右方向Y1で同じ位置)に、スライドプレート43を板厚方向に貫通する第2挿通孔44が1つずつ(合計で1対)形成されている。これらの第2挿通孔44は、左右方向Y1に並んでいる。
各吊り部材25は、環状の板ばね42と、スライドプレート43の対応する(左右方向Y1で同じ位置にある)第2挿通孔44と、第1板30の対応する長溝31と、第2板32の対応する挿通孔33とに対して、この順で上から挿通されて、第2板32の下方のナット34にねじ込まれている。これにより、各吊り部材25が可動ブラケット24を吊り下げている。
二次衝突時には、吊り部材25が固定ブラケット23の長溝31に沿って可動ブラケット24と共に移動し、その際、スライドプレート43は、固定ブラケット23に対して前側(移動方向Z1における下流側)へ摺動することによって1対の吊り部材25と共に移動可能である。スライドプレート43では、前述した摺動面43Aが、固定ブラケット23の第1板30の上面30Aに対して摺動する。
ここで、ステアリング装置1は、二次衝突時における固定ブラケット23の第1板30と可動ブラケット24の第2板32との間の摩擦(摺動抵抗)を低減するためのスライド部材89をさらに含んでいる。なお、説明の便宜上、スライド部材89の図示が省略された図(図1等)がある。スライド部材89は、図3に示すように、本体部90と、第1折曲部91と、第2折曲部92とを一体的に含んでいる。スライド部材89の説明に当たり、図4も参照する。図4では、紙面における左下側が、ステアリング装置1の前側であり、右上側が、ステアリング装置1の後側である。また、スライド部材89は、後述するように可動ブラケット24に対して組み付けられるのだが、図4では、説明の便宜上、組み付け前のスライド部材89を実線で示していて、組み付け後のスライド部材89を点線で示している。
本体部90は、第1板30および第2板32のそれぞれと平行に配置される薄板状である。本体部90を板厚方向から見たときの輪郭は、第2板32を板厚方向から見たときの輪郭とほぼ一致する形状および大きさを有する略矩形状をなしている。図3におけるスライド部材89の姿勢を基準として、本体部90において、左端縁および右端縁は、軸方向X1に沿って平行に延びており、本体部90を板厚方向から見たときの輪郭における1対の辺をなしている。また、本体部90において、前端縁および後端縁は、左右方向Y1に沿ってほぼ平行に延びており、本体部90の前記輪郭における残りの1対の辺をなしている。
ここで、本体部90では、前端部に、符号「90A」を付し、左端部に、符号「90B」を付し、右端部に、符号「90C」を付すことにする。
前端部90Aは、本体部90において、前述した移動方向Z1における下流側端部である。前端部90Aは、前側へ向けて左右方向Y1に一段若干狭くなった凸状になっている。そのため、前端部90Aの前側の縁(本体部90の前端縁)では、左右方向Y1における中央部分90Dが、残りの部分(左右両側の部分)よりも前側へ突出している。
左端部90Bは、本体部90において、左右方向Y1(移動方向Z1に対する直交方向)における一端部である。右端部90Cは、本体部90において、左右方向Y1における他端部である。
第1折曲部91は、図4に示すように、本体部90と略直角となるように、前端部90A(厳密には、前端部90Aにおいて前側へ突出した中央部分90D)から下方へ折れ曲がっている。第1折曲部91は、軸方向X1に薄く左右方向Y1に細長い薄板状(帯状)である。第1折曲部91の板厚は、本体部90の板厚と同じである。第1折曲部91の左右方向Y1における寸法は、中央部分90Dの左右方向Y1における寸法と同じであり、本体部90の左右方向Y1における寸法(最大寸法)より少し小さい。
第2折曲部92は、本体部90と略直角となるように、左端部90Bおよび右端部90Cのそれぞれから下方へ折れ曲がっている。つまり、第2折曲部92は、左右方向Y1における本体部90の両側に1つずつ(合計で2つ)設けられている。各第2折曲部92は、左右方向Y1に薄く軸方向X1に細長い薄板状(帯状)である。各第2折曲部92の板厚は、本体部90の板厚と同じである。各第2折曲部92の軸方向X1における寸法は、本体部90の軸方向X1における寸法(最大寸法)より、前述した中央部分90Dの分だけ小さい。この実施形態では、第2折曲部92は、左右方向Y1における本体部90の両側に1つずつ設けられているが、左右方向Y1における本体部90の片側だけに設けられていてもよい。つまり、第2折曲部92は、左端部90Bおよび右端部90Cの少なくとも一方(本体部90において左右方向Y1における少なくとも一方の端部)から折れ曲がっていればよい。
また、前述した中央部分90Dが存在することにより、第1折曲部91と、左右の第2折曲部92のそれぞれとの間には、隙間Sが形成されている。
また、スライド部材89には、切り欠き部93が形成されている。切り欠き部93は、軸方向X1における本体部90の略中央に形成されていて、左右方向Y1に延びている。切り欠き部93は、本体部90と、各第2折曲部92において本体部90に隣接した部分とに跨って形成されており、本体部90と各第2折曲部92とを、それぞれの板厚方向において貫通している。切り欠き部93により、スライド部材89は、前側部分89Aと後側部分89Bとに区切られているが、前側部分89Aと後側部分89Bとは、各第2折曲部92(切り欠き部93が形成されていない部分)によってつながって一体化されている。そのため、スライド部材89は、1ピース構造(複数の部品に分離していない構造)になっている。
このようなスライド部材89は、1枚の薄板に切り欠き部93を形成してから、当該薄板に折曲加工を施して第1折曲部91および第2折曲部92を形成することによって、製造される。なお、第1折曲部91および第2折曲部92のそれぞれを本体部90に対して折り曲げることによって、第1折曲部91および第2折曲部92のそれぞれと本体部90との境界部分には、R面取り部分94が自然に形成されている。R面取り部分94は、第1折曲部91および第2折曲部92のそれぞれと本体部90とを滑らかにつなぐ円弧状をなしている。また、スライド部材89における縁(特に、隙間Sや切り欠き部93における縁)は、尖らないように、丸められている。
そして、スライド部材89は、図4に示すように、第1折曲部91および第2折曲部92のそれぞれが下を向いた状態で、可動ブラケット24の第2板32に対して真上から組み付けられる。組み付け後のスライド部材89(点線部分)では、本体部90が、その輪郭が第2板32の輪郭と平面視でほぼ重なるように、第2板32に上から載っていて、第2板32の上面32Aに沿っている。本体部90では、切り欠き部93から、第2板32の第2貫通孔67および両方の挿通孔33が露出されている。そして、第1折曲部91が、前側(前述した移動方向Z1における下流側)から可動ブラケット24(第2板32の前端部321)に引っ掛かっている。また、左側の第2折曲部92が、左側から可動ブラケット24(第2板32の左端部322)に引っ掛かっている。同様に、右側の第2折曲部92が、右側から可動ブラケット24(第2板32の右端部323)に引っ掛かっている。第2折曲部92は、前述したように左端部90Bおよび右端部90Cの少なくとも一方から折れ曲がっていればよいので、左右方向Y1における少なくとも一方側から可動ブラケット24に引っ掛かっていればよい。
また、スライド部材89では、少なくとも本体部90の上面90E(本体部90と第1折曲部91および第2折曲部92のそれぞれとの境界も含む)の全域に、前述した摩擦低減材81が設けられている。もちろん、スライド部材89全体が、摩擦低減材81で構成されていてもよい。
図2を参照して、前述したように各吊り部材25が固定ブラケット23から延びて可動ブラケット24を吊り下げている状態において、可動ブラケット24に組み付けられたスライド部材89では、本体部90が、可動ブラケット24の第2板32と固定ブラケット23の第1板30との間に差し込まれている。本体部90では、上面90Eが、摩擦低減材81を介して第1板30の下面30Bに対して下から面接触している。そのため、可動ブラケット24と固定ブラケット23との間には、スライド部材89が常に介在された状態となっていて、可動ブラケット24と固定ブラケット23とは直接接触していない。
次に、図3を参照して、吊り部材25について詳説すると、各吊り部材25は、前述したフランジ状の頭部52と、頭部52に連なり頭部52より小径の大径部53と、大径部53に連なり大径部53より小径の小径部54と、大径部53と小径部54との間に形成された段部55と、小径部54に設けられたねじ部56とを一体的に備えている。頭部52には、例えば六角孔形状の工具係合部57が設けられている。
二次衝突時以外の通常状態において、図2に示すように、各吊り部材25では、頭部52が板ばね42に上から係合している。また、各吊り部材25では、大径部53が、板ばね42の中空部分と、スライドプレート43の第2挿通孔44と、長溝31の後端部31Bとに対して上から挿通されている。これにより、スライドプレート43は、各吊り部材25の頭部52と固定ブラケット23(長溝31の縁)との間に介在された状態となっている。段部55は、スライド部材89の切り欠き部93を通って、第2板32の上面32Aに当接し、上面32Aによって受けられている。段部55とナット34との間で第2板32が挟持されて、吊り部材25と第2板32とが固定されている。
頭部52と段部55との間隔H1(大径部53の軸長に相当)は、第1板30と第2板32との間に介在するスライド部材89の本体部90の板厚と、第1板30の板厚と、第1板30の上面30Aに沿うスライドプレート43の板厚と、最圧縮時の板ばね42の板厚との合計よりも若干大きくされている。これにより、板ばね42が、スライドプレート43を介して第1板30を第2板32側へ弾性的に付勢している。
前述した通常状態には、各吊り部材25が長溝31の後端部31Bに位置している(図5参照)。このときの可動ブラケット24(第2板32)の軸方向X1(移動方向Z1)における位置を、初期位置ということにする(図1、図2および図6も参照)。
そして、ステアリング装置1は、連結・離脱機構R1を備えている。連結・離脱機構R1は、固定ブラケット23と可動ブラケット24とを連結し、二次衝突時に、可動ブラケット24を初期位置から図7に示すように軸方向X1における前側(移動方向Z1における下流側)へ向けて第1板30から離脱(相対移動)させる。
図2および一部破断概略平面図である図5に示すように、連結・離脱機構R1は、左右方向Y1に関して、一対の吊り下げ機構T1,T2の間(すなわち固定ブラケット23の第1板30の一対の長溝31の間)に配置されている。具体的には、連結・離脱機構R1は、左右方向Y1に関して、一対の長溝31の間(すなわち一対の吊り部材25の間)の中央位置に配置されている。連結・離脱機構R1は、二次衝突時に剪断(破断)する樹脂製のピン61と、ピン61の軸方向の一部に嵌合した円筒状の金属カラー62とで構成されている(図3参照)。なお、金属カラー62に代えて、高硬度の樹脂やセラミック等のカラーを用いてもよい。
図6を参照して、連結・離脱機構R1のピン61は、例えば断面円形の頭部63と、頭部63よりも小径の円柱状の軸部64とを備えている。円筒状の金属カラー62は、軸部64の外周に嵌合されている。金属カラー62の外径は、ピン61の頭部63の外径と等しい。
前述した通常状態では、固定ブラケット23の第1板30の第1貫通孔66と、可動ブラケット24の第2板32の第2貫通孔67とが、軸方向X1(移動方向Z1)および左右方向Y1において同じ位置(スライド部材89の切り欠き部93の内側領域)にあって、上下に対向している。このとき、ピン61の頭部63と金属カラー62の大部分とは、固定ブラケット23の第1板30の第1貫通孔66に挿通されている。金属カラー62の一部は、第1貫通孔66から下方へ突出している。ピン61の軸部64のうち、金属カラー62から突出した部分が、可動ブラケット24の第2板32の第2貫通孔67に挿通されている。つまり、ピン61は、対向状態にある第1貫通孔66および第2貫通孔67に対して跨って挿通されている。これによって、ピン61は、固定ブラケット23に対して可動ブラケット24を位置決めしている。
金属カラー62の軸方向の第1端部621(図6における上端部)が、ピン61の頭部63に当接し、金属カラー62の軸方向の第2端部622(図6における下端部)が、第2板32の上面32Aによって受けられている。これにより、ピン61および金属カラー62が、第2板32の下方へ脱落することが防止されている。
一方、スライドプレート43が、ピン61の頭部63の上方を覆うように配置されることで、ピン61の上方への脱落が防止されている。また、スライドプレート43には、ピン61の頭部63に対向して、頭部63の外径よりも小さい覗き孔65が形成されている。連結・離脱機構R1の組立後に、スライドプレート43の覗き孔65を通してピン61の頭部63を視認することにより、ピン61の組み付け忘れ等の作業不良を容易に判断することができる。
図2のVIII−VIII線に沿う断面である図8に示すように、第1板30の第1貫通孔66は、左右方向Y1に関して、吊り下げ機構T1,T2用の長溝31間の中央位置に1つ配置されている。すなわち、ピン61は、左右方向Y1に関して、一対の吊り部材25間の中央位置に配置されている。
また、第1板30の各第1貫通孔66は、左右方向Y1に長い横長孔に形成されている。これにより、左右方向Y1に関して、金属カラー62の外周と第1貫通孔66の内周との間に隙間S1,S2が設けられている。
図2のIX−IX線に沿う断面である図9に示すように、可動ブラケット24の第2板32の第2貫通孔67は、左右方向Y1に関して、一対の挿通孔33間の中央位置に1つ配置されている。第2貫通孔67は、ピン61の軸部64の外径と同じか又は若干大きい内径を持つ円孔により形成されている。
二次衝突時には、図7に示すように、第1貫通孔66と第2貫通孔67とがずれる。これに伴う金属カラー62の第2端部622と第2板32との合わせ面のずれによって、ピン61の軸部64が、第1貫通孔66と第2貫通孔67との間の位置で剪断(破断)される。金属カラー62の第2端部622の内周縁で構成される剪断刃は、円弧状であり(図8参照)、第2板32の第2貫通孔67の縁部で構成される剪断刃も、円弧状である(図9参照)。
二次衝突時には、ピン61の破断により、可動ブラケット24が、固定ブラケット23から解放され、前述したように、初期位置(図6参照)から図7に示すように軸方向X1における前側(移動方向Z1における下流側)へ離脱する。つまり、二次衝突時には、ピン61は、互いにずれる第1貫通孔66と第2貫通孔67との間で破断することによって、軸方向X1における固定ブラケット23に対する可動ブラケット24の相対移動を許可する。これにより、二次衝突における衝撃が吸収される。
また、二次衝突時には、可動ブラケット24に組み付けられたスライド部材89は、可動ブラケット24と固定ブラケット23との間に介在された状態で、移動方向Z1における下流側へ向けて可動ブラケット24と一体移動し、その際、固定ブラケット23の第1板30の下面30Bに摺擦する。具体的に、スライド部材89では、本体部90における第1板30側の面(上面90E)が、摩擦低減材81を介して固定ブラケット23に摺擦する。
以上のように、このステアリング装置1では、二次衝突時には、可動ブラケット24が移動方向Z1における下流側(前側)へ向けて固定ブラケット23に対して相対移動することによって、二次衝突時における衝撃を吸収することができる。
ここで、可動ブラケット24に組み付けられたスライド部材89が、可動ブラケット24と固定ブラケット23との間に介在された状態で可動ブラケット24と一体移動するので、可動ブラケット24と固定ブラケット23との間の摩擦を低減させることができる。
このようなスライド部材89では、第1折曲部91は、移動方向Z1における下流側から可動ブラケット24に引っ掛かっている。そのため、スライド部材89を可動ブラケット24に対して移動方向Z1に位置決めできるだけでなく、二次衝突時には、スライド部材89を、必ず、移動方向Z1における下流側へ向けて可動ブラケット24と一体移動させることができる。
第2折曲部92は、左右方向Y1における少なくとも一方側から可動ブラケット24に引っ掛かっている(図2参照)。そのため、第2折曲部92を可動ブラケット24に引っ掛けさえすれば、スライド部材89を可動ブラケット24に対して左右方向Y1に位置決めでき、その後のスライド部材89の(左右方向Y1の位置の)微調整も不要となる。
そして、図4において点線で示したスライド部材89のように、第1折曲部91および第2折曲部92のそれぞれが可動ブラケット24に引っ掛かるように、本体部90を可動ブラケット24(第2板32の上面32A)に載せるだけで(上からかぶせるだけで)、可動ブラケット24にスライド部材89を容易に組み付けることができる。さらにスライド部材89の位置決めも達成できる。よって、スライド部材89の組み付けについての工数削減や、組み付け位置の調整の簡素化が達成される。そのため、二次衝突時に衝撃吸収のために相対移動する1対の部材間(可動ブラケット24と固定ブラケット23との間)の摩擦を低減させる構成(スライド部材89)の組み付け性の向上を図ることができる。
特に、スライド部材89は、前述したように前側部分89Aと後側部分89Bとが一体化された1ピース構造である。そのため、分離した状態の前側部分89Aおよび後側部分89Bのそれぞれを可動ブラケット24に組み付ける場合(または、前側部分89Aを可動ブラケット24に組み付けて後側部分89Bを固定ブラケット23に組み付ける場合)に比べて、1ピース構造のスライド部材89は、可動ブラケット24に載せるだけで組み付けが済むので、組み付け性を格段に向上できる。
また、スライド部材89では、第1折曲部91および各第2折曲部92が同じ方向に折れ曲がっている。そのため、作業者は、本体部90において摩擦低減材81が設けられた上面90Eが上を向くように、スライド部材89を、その表裏(上下の向き)を間違えることなく組み付けることができる。
なお、スライド部材89の左右方向Y1における最大寸法は、可動ブラケット24の第2板32の左右方向Y1における最大寸法(厳密には、連結部70における1対の側板41の対向間隔)よりも大きく設定されている。そのため、作業者がスライド部材89を第2板32の下側(1対の側板41の間)に間違って組み込むことは、物理的に不可能である。
また、スライド部材89に形成された切り欠き部93に吊り部材25を通すことによって、スライド部材89を、吊り部材25(吊り部材25の設置領域)との干渉を避けて可動ブラケット24に組み付けることができる(図2および図3参照)。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述し、図10に示すように、スライド部材89の第2折曲部92は、本体部90において、左右方向Y1におけるどちらか一方だけに設けてもよい。また、第1折曲部91および第2折曲部92のそれぞれの大きさ(特に、左右方向Y1の寸法)や数は、任意に変更できる。図10では、図4で図示した第1折曲部91よりも左右方向Y1に小さい第1折曲部91が2つ設けられている。また、スライド部材89の切り欠き部93の大きさおよび形状は、任意に変更できる。要は、二次衝突時には、切り欠き部93におけるスライド部材89の周縁部が固定ブラケット23側の部品(たとえば、図7に示すように固定ブラケット23の第1貫通孔66に残っているピン61の破片61Aなど)に引っ掛からないように、切り欠き部93が構成されていればよい。
また、図10のスライド部材89の各第1折曲部91では、本体部90側とは反対側の先端部(図10における下端部)が、後側(移動方向Z1における上流側)へ折り曲げられている。この先端部を、挟持部91Aということにすると、挟持部91Aは、本体部90と平行に延びており、本体部90の前端部90Aに対して対向している。このようなスライド部材89が可動ブラケット24に取り付けられると、挟持部91Aは、本体部90の前端部90Aとの間で、可動ブラケット24の第2板32の前端部321(図6参照)を挟む。これによって、第1折曲部91を可動ブラケット24に確実に引っ掛けることができる。
1…ステアリング装置、2…操舵部材、13…車体側部材、23…固定ブラケット、24…可動ブラケット、25…吊り部材、89…スライド部材、90…本体部、90A…前端部、90B…左端部、90C…右端部、91…第1折曲部、91A…挟持部、92…第2折曲部、93…切り欠き部、Y1…左右方向、Z1…移動方向

Claims (3)

  1. 車体に固定される固定ブラケットと、
    操舵部材に連結されており、二次衝突時には、操舵部材を伴って、所定の移動方向における下流側へ向けて前記固定ブラケットに対して相対移動可能な可動ブラケットと、
    前記可動ブラケットに組み付けられ、二次衝突時には、前記可動ブラケットと前記固定ブラケットとの間に介在された状態で前記可動ブラケットと一体移動するスライド部材と、を含み、
    前記スライド部材は、
    前記可動ブラケットと前記固定ブラケットとの間に差し込まれ、二次衝突時には前記固定ブラケットに摺擦する本体部と、
    前記本体部において前記移動方向における下流側端部から折れ曲がっていて、前記移動方向における下流側から前記可動ブラケットに引っ掛かる第1折曲部と、
    前記本体部において前記移動方向に対する直交方向における端部から折れ曲がっていて、前記直交方向における側から前記可動ブラケットに引っ掛かる第2折曲部とを含むことを特徴とする、ステアリング装置。
  2. 前記第1折曲部において前記本体部側とは反対側の先端部を、前記移動方向における上流側へ折り曲げることによって形成され、前記本体部との間で可動ブラケットを挟む挟持部を含むことを特徴とする、請求項1記載のステアリング装置。
  3. 前記固定ブラケットから延びて前記可動ブラケットを吊る吊り部材を含み、
    前記スライド部材には、前記吊り部材を通す切り欠き部が形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載のステアリング装置。
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