JP6207088B2 - ロッカーシステム、船舶、ロッカーシステムの運用方法 - Google Patents
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Description
より具体的には、乗員は、最初の乗船時に、船室(以下、居室)でキャリーケースやバッグから所有物を取り出して、居室内に設けられたロッカーや引き出し等の収容スペースに収容する。一方で、乗員は、その船舶を離れる際には、居室内の収容スペースから所有物を取り出し、再びキャリーケースやバッグに収容して持ち出す。
各種の宿泊施設等においても、上述した船舶と同様のことが居室で行われる場合が考えられる。しかし、船舶の場合は特に居室のスペースが限られるため、現在乗船していない乗員の所有品を収納しておくスペースが確保できない。そのため、所有品の入れ替えが必要となり、所有品の入れ替え作業に手間と時間がかかってしまう。
このような構成によれば、居室内でキャリーケースから荷物を取り出す必要がなく、そのままロッカーとして利用することができる。
さらに、特許文献1に開示された構成の場合、上段に他のケース本体を積み重ねるため、高い強度が必要となる。そのため、重量が重くなってしまい、キャリーケースとして持ち歩きがし難いという課題がある。
また、特許文献1に開示された構成を船舶に適用する場合、キャリーケースをロッカーとして利用するため、船舶の居室にはロッカーが常設されない。そのため、キャリーケースを有さない乗員がいる場合に荷物の収納場所に困るなど、汎用性が低下するという課題がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、持ち歩きし易く、安定して設置することができるとともに、汎用性が低下することを抑制できるロッカーシステム、船舶、ロッカーシステムの運用方法を提供することを目的とする。
この発明の第一態様によれば、ロッカーシステムは、可搬性を有したキャリーケースと、前記キャリーケースを収納可能なケース収納部、および、前記ケース収納部に前記キャリーケースを出し入れする開口部を有したロッカーと、を備え、前記キャリーケースは、前記ケース収納部内に収容された状態で、前記開口部側の前面および上面の少なくとも一方から内部にアクセス可能な物品収容部を有するケース本体を備え、前記物品収容部は、前記キャリーケースが前記ケース収納部に収納された状態で、前記ケース本体の前記前面から前方に出没可能な引き出し部を備え、前記キャリーケースは、前記ケース本体に設けられて前記ケース本体から上方に向かって伸長可能なハンドル部を備え、前記ハンドル部は、前記ケース収納部の内周面に固定可能な固定部を備える。
さらに、キャリーケースをケース収納部に収納することで、揺れ等によるキャリーケースの移動を抑制できる。また例えば、物品収容部に収容された物品の一部を取り出してロッカー内に収納することもできる。物品収容部に収容された物品の残部は、そのまま物品収容部に収容したままとすればよいので、ロッカー内に取り出す物品の量を必要最小限に抑えることができる。そのため、ロッカーにキャリーケースを出し入れする際に、物品収容部から物品を出し入れする手間を抑えることができる。これにより、キャリーケースからロッカーへの荷物の詰め替えが不要となり、ロッカー内の収納品の移動が容易となる。その結果、荷物の移動等にかかる時間を短縮することができる。また、キャリーケースをロッカーのケース収納部内に収納することで、ロッカー内の収容スペースおよびロッカーが設置された室内スペースの有効利用を図ることもできる。
また、キャリーケースはロッカーのケース収納部内に収納するので、他のキャリーケースを直接積み重ねることがなく、ケース本体の強度を必要最小限に抑えて軽量にすることができる。
さらに、キャリーケースを収納していないロッカーは、荷物を収納する通常のロッカーとしても利用することができる。
したがって、持ち歩きし易いとともに、安定して設置することができる。さらに、汎用性が低下することを抑制できる。
さらに、ハンドル部をケース収納部の内周面に固定できるため、ケース収納部内に収納したキャリーケースを安定させることができる。
このように構成することで、ロッカーに収納したキャリーケースから取り出した衣類等を掛けたハンガーを、ハンドル部に係止させることができる。
これにより、キャリーケースをロッカーに収納し、ケース本体から上方に向かってハンドル部を伸長させた状態で、ロッカー内でハンドル部を前後方向の中間部に配置させることができる。したがって、ロッカーの内周面にハンガーが干渉するのを防ぎながら、ハンドル部にハンガーを掛けることができる。
このように構成することで、ロッカーに収納したキャリーケースから取り出した衣類等を、ロッカー内で棚部の上に載置することができる。
このように構成することで、ケース収納部内でケース本体が位置ズレするのを抑えることができるため、ケース収納部に収納されたキャリーケースを更に安定させることができる。
このように構成することで、キャスター固定部によってキャリーケースのキャスターが回転移動することを抑制できるため、ケース収納部に収納されたキャリーケースを更に安定させることができる。
これにより、ロッカー内には、ケース収納部に収納するキャリーケース以外に、他の物品を収納部に収納することができる。
このようにすることで、ロッカーから取り出したキャリーケースを、格納ロッカーで保管することができる。
このように構成することで、いずれの船舶に乗船する場合であっても、その船舶に設置されたロッカーにキャリーケースを収納するだけでキャリーケースから物品の出し入れを行うことができる。そのため、乗船および下船の際に、キャリーケースに出し入れする物品の量を抑え、乗員の負担を軽減することができる。
このように、船内の様々な場所でキャリーケースをロッカーに収納することができる。
このように構成することで、複数の室内に入居または退去する際に、キャリーケースに出し入れする物品の量を抑えることができるため、キャリーケースの使用者の負担を軽減することができる。
このように構成することで、船舶を乗り換えるために乗船および下船する際に、キャリーケースに出し入れする物品の量を抑えることができるため、乗員の負担を軽減することができる。
図1は、この実施形態のロッカーシステムを示す正面図である。図2は、上記ロッカーシステムの側断面図である。
図1に示すように、この実施形態のロッカーシステム10は、ロッカー20と、キャリーケース30と、を備えている。
底板部21は、居室2の床面上に設置される。この底板部21は、平面視矩形状をなしている。
側板部22は、底板部21の幅方向両側のそれぞれから上方に向けて立ち上がるよう、二枚一対で設けられている。この実施形態における2つの側板部22の内側面は、互いに平行に形成されるとともに、底板部21の上面に対して垂直に延びている。
図3、図4に示すように、キャリーケース30は、ケース本体31と、キャスター32と、キャリーハンドル(ハンドル部)33と、を備えている。
ガイドポスト35は、例えば二本一対で、幅方向に離間して設けられている。これらガイドポスト35は、ケース本体31の上面31uから上方に突出している。ガイドポスト35は、例えば外筒35a内に複数の内筒35b,35cが内装され、外筒35a内から内筒35b,35cが上方に出没することで、その全長が伸縮可能とされている。これらのガイドポスト35は、ケース本体31の一側面31aと他側面31bとの中間部に設けられるとともに、それぞれ幅方向に間隔を空けて設けられている。
ハンドル部36は、その両端部に、ハンドル部36の延びる方向に出没可能な先端パッド部(固定部)37を備えている。先端パッド部37は、バネ等の付勢部材や、ネジ等により、ハンドル部36の延びる方向に出没可能とされている。
ここで、図1に示すように、底板部21は、ケース収納部25内にケース本体31を固定するケース固定部として、キャスター32を固定するキャスター固定部40を備えている。このキャスター固定部40は、ロッカー20の底板部21に、キャスター32よりも僅かに大きい凹部41を備えている。この凹部41にキャスター32が嵌り込むことで、ケース本体31の移動が規制される。
これにより、凹部41内からキャスター32が出る程度にキャリーケース30を持ち上げることで、キャリーケース30をロッカー20から取り出すことが可能な状態となる。
ロッカー20から取り出したキャリーケース30は、そのまま所有者が持ち帰ってもよいが、例えば船舶1内や港湾内の施設等に保管するようにしても良い。その場合、船舶1や施設に、図5に示すような格納ロッカー50を設けることが好ましい。
図5に示すように、格納ロッカー50は、キャリーケース30を、ハンドル部36を縮めた状態で収納できるケース収容空間51を1つ以上備えている。この実施形態における格納ロッカー50は、ケース収容空間51を上下方向に複数並べて備えている。各ケース収容空間51は、キャリーケース30を、ケース本体31の一側面31aと他側面31bとを結ぶ方向が上下方向を向く状態で収容する。
図6は、上記実施形態の第1変形例におけるキャリーケースの構成を示す側面図である。
図6に示すように、キャリーケース30は、キャリーハンドル(ハンドル部)33Bを、ケース本体31の他側面31bに備えていても良い。この場合、キャリーハンドル33のガイドポスト35Bは、ケース本体31内に設けられたガイド部(図示せず)によって、上下方向に移動可能に設けられている。このガイド部(図示せず)は、ケース本体31内の他側面31b側で、引き出し34と干渉しない位置に設けられている。
図7に示すように、キャリーハンドル33Bの上端部に、折り畳み可能な棚部材52を設けても良い。
棚部材52は、回転支持部53と、第一支持部54と、第二支持部55と、を備えている。
第一支持部54は、回転支持部53の軸方向に間隔をあけて複数本設けられている。これら複数本の第一支持部54は、回転支持部53からハンドル部36の径方向外側に向かって延びている。
第二支持部55は、複数本の第一支持部54に直交して延びている。言い換えれば、第二支持部55は、ハンドル部36と平行に延びている。これら第二支持部55は、2つの第一支持部54にそれぞれ連結されている。
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、図8に示すように、キャスター固定部40として、ロッカー20の底板部21に、上方に向けて突出するストッパー42を設けるようにしても良い。このようなストッパー42を用いても、上述した実施形態の凹部41と同様に、キャスター32が底板部21上で移動するのを拘束することができる。
例えば、図9に示すように、ロッカー20の側板部22および先端パッド部37の何れか一方に凸部60を形成する一方で、側板部22および先端パッド部37のいずれか他方に凹部61を形成し、これら凸部60と凹部61とを係合させるようにしてもよい。このように凸部60と凹部61とを係合させることで、ハンドル部36をロッカー20の側板部22に固定することができる。
また、上述した実施形態においては、キャスター固定部40によってキャスター32を固定することで、ケース本体31を安定させる場合について説明した。しかし、ケース本体31を安定させる方法は、キャスター32を固定する方法に限られない。例えば、ケース本体31と、ロッカー20とを着脱可能に連結する連結機構部を設けても良い。
2 居室(室内)
10 ロッカーシステム
20 ロッカー
20a 開口部
21 底板部
22 側板部
23 背板部
24 上板部
25 ケース収納部
28A,28B 棚板
29A,29B 収納部
30 キャリーケース
31 ケース本体
31a 一側面
31b 他側面
31u 上面
32 キャスター
33、33B キャリーハンドル(ハンドル部)
34 引き出し(物品収容部)
35、35B ガイドポスト
35a 外筒
35b 内筒
35u 上端部
36 ハンドル部
36a ハンガー係止部
36s 両端部
37 先端パッド部(固定部)
40 キャスター固定部(ケース固定部)
41 凹部
42 ストッパー
50 格納ロッカー
50h ヒンジ部
51 ケース収容空間
52 棚部材
53 回転支持部
54 第一支持部
55 第二支持部
56 ストッパー
60 凸部
61 凹部
100 ハンガー
Claims (12)
- 可搬性を有したキャリーケースと、
前記キャリーケースを収納可能なケース収納部、および、前記ケース収納部に前記キャリーケースを出し入れする開口部を有したロッカーと、を備え、
前記キャリーケースは、
前記ケース収納部内に収容された状態で、前記開口部側の前面および上面の少なくとも一方から内部にアクセス可能な物品収容部を有するケース本体を備え、
前記物品収容部は、
前記キャリーケースが前記ケース収納部に収納された状態で、
前記ケース本体の前記前面から前方に出没可能な引き出し部を備え、
前記キャリーケースは、
前記ケース本体に設けられて前記ケース本体から上方に向かって伸長可能なハンドル部を備え、
前記ハンドル部は、
前記ケース収納部の内周面に固定可能な固定部を備えるロッカーシステム。 - 前記ハンドル部は、
前記ケース収納部内で前記ケース本体から上方に伸長させた状態で、ハンガーを係止可能なハンガー係止部を備える請求項1に記載のロッカーシステム。 - 前記ハンドル部は、上下方向の中間部にヒンジ部を備え、前記ケース本体から上方に伸長させたときに前記ヒンジ部を曲折させることによって、前記ハンドル部を前記ケース本体の前後方向の中間部の上方に配置可能である請求項2に記載のロッカーシステム。
- 前記ハンドル部は、
物品を載置可能な棚部を備える請求項1から3の何れか一項に記載のロッカーシステム。 - 前記ロッカーは、
前記ケース収納部内に前記ケース本体を固定するケース固定部を備える請求項1から4の何れか一項に記載のロッカーシステム。 - 前記ケース固定部は、
前記キャリーケースのキャスターを固定するキャスター固定部である請求項5に記載のロッカーシステム。 - 前記ロッカーは、前記ケース収納部の上方および下方の少なくとも一方に、物品を収納可能な収納部を備える請求項1から6の何れか一項に記載のロッカーシステム。
- 前記ロッカーの前記ケース収納部から取り出した前記キャリーケースを保管する格納ロッカーをさらに備える請求項1から7の何れか一項に記載のロッカーシステム。
- 請求項1から8の何れか一項に記載のロッカーシステムの前記ロッカーを備える船舶。
- 前記ロッカーは、機関室、発電機室およびタンクを除く船内に配置される請求項9に記載の船舶。
- 請求項1から8の何れか一項に記載のロッカーシステムの運用方法であって、
複数の室内に前記ロッカーをそれぞれ設置しておき、
いずれか一つの前記室内に入居したときに、前記キャリーケースを前記ロッカーの前記ケース収納部に収納し、
前記室内から退去するときに一の前記室内の前記ロッカーから前記キャリーケースを取り出し、他の前記室内に設置された前記ロッカーの前記ケース収納部に収納するロッカーシステムの運用方法。 - 請求項1から8の何れか一項に記載のロッカーシステムの運用方法であって、
複数の船舶または施設のそれぞれに前記ロッカーを設置しておき、
一の前記船舶に乗船するときに前記キャリーケースを前記ロッカーの前記ケース収納部に収納し、
一の前記船舶から他の前記船舶に乗り換えるときに一の前記船舶の前記ロッカーから前記キャリーケースを取り出し、他の前記船舶の前記ロッカーの前記ケース収納部に収納するロッカーシステムの運用方法。
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