JP6206474B2 - ラクチドの回収方法 - Google Patents
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Description
上記のようなキャリヤ樹脂の樹脂塊によりガス状ラクチドが揮発しにくい状態、あるいは揮発しなくなった状態を、一般に「ベントアップ」と呼んでいる。
即ち、減圧下に保持されているベント室の壁部(特にスクリュー搬送路を形成しているシリンダー壁)はヒーターにより加熱され、これにより、解重合により生成したラクチドがガス化し、キャリヤ樹脂や触媒と分離して捕集されるのであるが、ガス化したラクチドが、温度の低い覗き窓(天窓)や上部内壁面に接触して結露し、液滴となって、再びスクリュー搬送路に戻ってしまうことがある。このような還流が著しく生じると、スクリューやシリンダー壁表面が液状物質で被覆されてしまい、この結果、キャリヤ樹脂(溶融樹脂)がスリップして前走しなくなり、樹脂塊が成長する原因となり、ベントアップの原因となってしまう。
さらに、還流現象は、気化と液化とを繰り返す行程となるため、目的とするラクチドのラセミ化を進行させることとなる。例えば、L−ラクチドからmeso−ラクチドへの光学異性転移、及びmeso−ラクチドからD−ラクチドへの光学異性転移が生じ、得られるL−ラクチドの純度(光学的純度)が低下してしまうこともある。
本発明の他の目的は、高純度(光学的純度)のL−ラクチドを回収することが可能なラクチドの回収方法を提供することにある。
前記ベント室内のスクリュー搬送路上に、前記ラクチドのガス化と共に生成する樹脂塊を前記スクリュー搬送路に戻すための戻し部材を設けたことを特徴とするラクチドの回収方法が提供される。
(1)前記戻し部材が、前記スクリュー搬送路を延びている搬送スクリューと係合して設けられている落とし込み用スクリューであること、
(2)前記ベント室には、前記ガス状ラクチドを捕集するための捕集装置が連結されていること、
(3)前記ベント室の上部壁には、該上部壁に沿って流れ落ちる還流液を受ける槽が前記スクリュー搬送路とは区画して設けられていること、
(4)前記ベント室の上部壁には、傾斜覗き窓が設けられていること、
が好適である。
具体的には、ベント室から流れ落ちる還流液を受ける槽を、仕切り壁等により、前記スクリュー搬送路と区画して設けることにより、この還流液がスクリュー搬送路に滴下することを防止することができる。例えば、前記スクリュー搬送路を観察するための傾斜覗き窓(天窓に相当)を設けたとき、結露などにより液化したラクチドが該覗き窓上に生成した場合においても、この覗き窓に沿って流れ落ちる還流液はスクリュー搬送路に流れ落ちることがなく、これにより、スクリュー搬送路を延びているスクリューや該スクリューを収容しているシリンダー壁の表面が液状物質で覆われることが有効に回避され、キャリヤ樹脂のスリップなどによる樹脂塊の発生を防止でき、従って、ベントアップをより確実に回避できる。しかも、気化と液化の繰り返しを有効に抑制できるため、ポリ乳酸の解重合により生成するラクチドのラセミ化を有効に防止でき、ラセミ化によるラクチドの純度(光学的純度)低下も効果的に回避することができる。
また、用いるポリ乳酸は、少量の共重合単位が組みこまれているもの、例えば、50モル%以上が乳酸単位であることを条件として、ラクチドと共重合可能なラクトン類、環状エーテル類、環状アミド類、各種アルコール類、カルボン酸類などに由来する単位を含んでいてもよい。
また、キャリヤ樹脂は、ポリ乳酸に比して溶融粘度が高いことから、これをある程度以上の量で使用してポリ乳酸と溶融混合することにより、押出機のシリンダー内面とスクリューとの間の空隙を溶融混合物が充満した状態を維持しながら、該溶融混合物をスクリュー搬送することができる。即ち、キャリヤ樹脂の使用により、シリンダー内面とスクリューとの間の空隙が常にシールされている状態を保持することが可能となり、これにより、ベント室3の減圧を効果的に行うことができる。
また、溶融粘度が低いキャリヤ樹脂の場合においても、PLAの解重合温度より高い熱分解温度を有する樹脂(PET・PC・PSなど)であれば、それ自体が熱分解することがないため、ポリ乳酸、及び、その解重合物をスクリュー搬送(前走)させることができ、適用することが可能である。
即ち、押出機1のシリンダーを覆うように設けられているヒーターによりシリンダー内部が加熱され、シリンダー内部を走行しているスクリューにより、撹拌及び搬送されながら、溶融混合が行われることとなる。押出機1としては、通常、2本以上のスクリューを備えた2軸押出機が使用され、シリンダー内部を250℃〜350℃に加熱して溶融混合が行われ、この溶融混合に伴い、ポリ乳酸の解重合が始まり、ポリ乳酸の低分子量化が進行していくこととなる。
また、このベント室3の天井壁17は、傾斜構造を有しており、この傾斜した部分に覗き窓19が取り付けられており、この覗き窓19からベント室3の内部、特にスクリュー搬送路11の状態を常時観察できるようになっている。
さらに、上記の覗き窓19の下方端部は、スクリュー搬送路11から上方に立ち上がっている側壁13の外側部分にまで延びており、その下側には、還流液の受け槽21が設けられている。即ち、この受け槽21は、上記の側壁13によってスクリュー搬送路11とは区画されており、還流液がスクリュー搬送路11に混ざらないようになっている。
また、落とし込みスクリュー25は、ベント室3内に選択的に設けられているものであり、搬送スクリュー23aと係合しており且つ搬送スクリュー23aとは逆方向(ニップ位置では同方向)に回転するように設けられている。
このように、落とし込みスクリュー25は、樹脂塊30をスクリュー搬送路11に戻すための戻し部材として機能し、これにより、樹脂塊30の成長を抑制し、樹脂塊30の成長による不都合を有効に防止することができる。
例えば、図4のように、エアシリンダー28により、押し込み用のプレート29を側壁13に添って上下動させることにより、樹脂塊30をスクリュー搬送路11内に押し込むこともできる。この場合、プレート29の下端面は、押し込みを効果的に行うために湾曲した面となっていることが好ましく、さらには溶融樹脂の溶着を避けるために、この下端面を、ジルコニアで焼結被膜したり、DLC蒸着膜を形成したり、テフロン(登録商標)被膜を形成するなど、平滑性の高い非極性皮膜を形成しておくことが好ましい。
即ち、ポリ乳酸、解重合触媒及びキャリヤ樹脂を含む溶融混合物を、スクリュー搬送路11により押出機1からベント室3に導入していき、ラクチドのガス化を連続して行っていくと、覗き窓19の面で結露による液滴31(即ち、還流液)を生じていく。この液滴31がスクリュー搬送路11に滴下していくと、この搬送路11を走行している搬送スクリュー23a,23bの表面或いはシリンダー壁27の内表面を覆うように液膜が形成されてしまい、溶融混合物がスリップし易くなり、結果として、前述した樹脂塊30を生成し易くなってしまう。
また、液滴31のスクリュー搬送路11への落下は、ラクチドの気化と液化の繰り返しをもたらし、ラクチドのラセミ化を促進させ、得られるラクチドの光学的純度を低下させるが、上記のような構造のベント室3では、このような不都合も有効に回避することができる。
相転移の適正熱交換温度は真空度に依存し変化するが、一般に、標準大気圧下のラクチド(L−ラクチド/D−ラクチド)の沸点と融点がそれぞれ、255℃、及び、92℃〜94℃であることから、相転移に必要な冷却温度は、0.1KPaA〜8KPaAの真空度範囲で熱交換温度は60℃〜140℃が好ましく、真空度範囲が0.5PaA〜4KPaAで熱交換温度は80℃〜90℃がより好ましい。
この範囲を下回ると、前述ベント部の真空度が高くなりすぎ溶融樹脂による「ベントアップ」発生の虞があり、この範囲を上回ると、ベント部の真空度が低すぎラクチドの沸点降下が不十分で、ラクチドを回収できない虞がある。
また、ポリ乳酸解重合物(ラクチド)をガス回収するため、捕集装置5内の設備(気液分離塔51,第1の凝縮器53、第2の凝縮器55など)はベント室3よりも高い位置に設置することが好ましい。
3:ベント室
5:捕集装置
7:真空ポンプ
11:スクリュー搬送路
15:捕集管
19:覗き窓
21:受け槽
23a,23b:搬送スクリュー
25:落とし込みスクリュー(戻し部材)
27:シリンダー壁
51:気液分離塔
53:第1の凝縮器
55:第2の凝縮器
Claims (5)
- スクリュー搬送路が延びているベント室を使用し、該スクリュー搬送路を利用してポリ乳酸と解重合触媒とキャリヤ樹脂とを含む溶融樹脂混合物を、減圧下に保持された前記ベント室内に導入し、該溶融樹脂混合物中に含まれるラクチドをガス化し、ガス状ラクチドを該ベント室から捕集するラクチドの回収方法において、
前記ベント室内のスクリュー搬送路上に、前記ラクチドのガス化と共に生成する樹脂塊を前記スクリュー搬送路に戻すための戻し部材を設けたことを特徴とするラクチドの回収方法。 - 前記戻し部材が、前記スクリュー搬送路を延びている搬送スクリューと係合して設けられている落とし込み用スクリューである請求項1に記載の方法。
- 前記ベント室には、前記ガス状ラクチドを捕集するための捕集装置が連結されている請求項1または2に記載の方法。
- 前記ベント室の上部壁には、該上部壁に沿って流れ落ちる還流液を受ける槽が前記スクリュー搬送路とは区画して設けられている請求項1〜3の何れかに記載の方法。
- 前記ベント室の上部壁には、傾斜覗き窓が設けられている請求項4に記載の方法。
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