JP6206209B2 - 蓄冷熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍サイクル装置に用いられる蓄冷熱交換器に関するものである。
車両用空調装置では、走行用エンジンによって冷凍サイクル装置が駆動される。このため、車両が一時的に停車している間にエンジンが停止すると、冷凍サイクル装置が停止することになる。燃費の向上を図るため、信号待ち等の車両停止中にエンジンを停止する、いわゆるアイドルストップ車が増加している。このようなアイドルストップ車では、車両停車中(エンジン停止中)に冷凍サイクル装置が停止することで車室内の快適性を損なうという問題がある。また空調感を維持するために車両停止中においてもエンジンを再起動させると、燃費の向上の妨げになるという問題もある。
このような問題を解決する技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1には、エンジン停止中においても空調感を維持するため、室内用熱交換器に蓄冷機能を持たせている。具体的には、特許文献1には、蓄冷材を封入した蓄冷容器を従来のエバポレータの空気流れ後方へ配置したものが記載されている。これによって車両走行中に冷熱を蓄え、この冷気を車両停止中に用いている。
また特許文献2には、蒸発器の冷媒流路を構成するチューブに隣接する形で小容量の蓄冷容器を設け、ここに蓄冷材を封入するものが記載されている。また蓄冷材として、長期間安定した凝固融解特性をもち、高い潜熱をもつノルマルパラフィンを使用することが特許文献3に記載されている。
特表2009−526194号公報 特開2002−274165号公報 特開2002−337537号公報
アイドルストップ時の空調装置の課題として、車室内の温熱感の悪化に加えエバポレータに付着した凝縮水の蒸発に伴う臭い発生があげられる。この臭いは、アイドルストップ時のコンプレッサの停止に伴いエバポレータの温度が上昇し、その温度が吸込み空気の湿球温度より高くなった時点から発生する。そのため、吸込み空気の湿球温度よりも融点の低い蓄冷材を利用すると蓄冷材が融解している間は、エバポレータの温度を吸込み空気の湿球温度以下に維持することができるため、臭いを抑制できる。
しかし、従来技術ではアイドルストップ中の冷房感維持を考慮して、長時間冷房感を維持できるように融点が高い蓄冷材を使用している。したがって外気温度が融点以下となる時期、たとえば中間期から冬季では、エバポレータ周りの温度が蓄冷材の融点以下であるため蓄冷材が常時凝固しており、融解できないため臭いを抑制できないとう問題がある。
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、広範囲な空気温度における臭いの発生を抑制でき、さらに蓄冷機能を維持することができる蓄冷熱交換器を提供することを目的とする。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
本発明は、周囲を流れる空気と熱交換する蓄冷熱交換器(40)であって、内部に冷媒が流通する冷媒通路(45a)と、冷媒通路を流通する冷媒と熱交換して冷媒からの熱量を留める蓄冷材(50,50a,50b)を内部に収容する蓄冷体(47)と、を含み、蓄冷材は、炭素数の異なる2種類以上のエステル化合物が混合された材料を含み、エステル化合物は、炭素数が14以上18以下であり、アルキル基とメチル基とで挟まれた1つのエステル結合から構成されることを特徴とする蓄冷熱交換器である。
さらに、蓄冷材は、炭素数が14の第1のエステル化合物と、炭素数が16の第2のエステル化合物とが混合された材料を含み、第1のエステル化合物は、蓄冷材における質量パーセント濃度が5質量パーセント濃度以上、20質量パーセント濃度以下であり、第2のエステル化合物は、蓄冷材における質量パーセント濃度が80質量パーセント濃度以上、95質量パーセント濃度以下であることを特徴とする蓄冷熱交換器である。
このような本発明に従えば、蓄冷材は炭素数の異なる2種類以上のエステル化合物が混合された材料を含む。そしてエステル化合物は、炭素数が14以上18以下であり、アルキル基とメチル基とで挟まれた1つのエステル結合から構成される。2つのアルキル基で挟まれた1つのエステル結合であると、融点が0℃以下になるが、前述のようにメチル基を用いることによって融点を0℃よりも高くすることができる。したがって蓄冷材の凝固および融解する温度範囲を適切な範囲で広くすることができる。これによって空気の温度が低い場合であっても、蓄冷材は融解して放冷することができる。したがって空気の温度が低い場合であっても、通過する空気の湿球温度以下に維持することが可能となり、凝縮水の蒸発に伴う臭いの発生を抑制することができる。また蓄冷材が蓄冷および放冷できる温度範囲が広いので、より広範囲な空気温度において蓄冷機能を維持することができる。
なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の蒸発器40を示す正面図である。 蒸発器40を示す側面図である。 図2のIII−III断面の一部を示す拡大断面図である。 第2実施形態の蒸発器40Bの一部を拡大して示す断面図である。 第3実施形態の蒸発器40Cの一部を拡大して示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各実施形態で先行する実施形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付すか、または先行の参照符号に一文字追加し、重複する説明を略する場合がある。また各実施形態にて構成の一部を説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している実施形態と同様とする。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図3を用いて説明する。蒸発器40は、冷凍サイクル装置(図示せず)を構成する。冷凍サイクル装置は、たとえば車両用の空調装置に用いられる。冷凍サイクル装置は、図示は省略するが、圧縮機、放熱器、減圧器、および蒸発器40を有する。これら構成部品は、配管によって環状に接続され、冷媒循環路を構成する。圧縮機は、車両の走行用の動力源によって駆動される。このため、動力源が停止すると、圧縮機も停止する。圧縮機は、蒸発器40から冷媒を吸引し、圧縮し、放熱器へ吐出する。放熱器は、高温冷媒を冷却する。放熱器は、凝縮器とも呼ばれる。減圧器は、放熱器によって冷却された冷媒を減圧する。減圧器は、固定の絞り、温度式膨張弁、あるいはエジェクタによって提供されうる。蒸発器40は、減圧器によって減圧された冷媒を蒸発させ、媒体を冷却する。蒸発器40は、車室に供給される空気を冷却する。
冷凍サイクル装置は、さらに、高圧側液冷媒と低圧側ガス冷媒とを熱交換する内部熱交換、余剰冷媒を蓄えるレシーバまたはアキュムレータのタンク要素を備えることができる。また、動力源は、内燃機関あるいは電動機によって提供されうる。
蒸発器40は、蓄冷熱交換器であって、複数に分岐した冷媒通路部材を有する。この冷媒通路部材は、アルミニウム等の金属製の通路部材によって提供される。冷媒通路部材は、組をなして位置づけられたヘッダ41〜44と、それらヘッダ41〜44の間を連結する複数の冷媒管45とによって提供されている。
図1および図2に示すように、第1ヘッダ41と第2ヘッダ42とは、組をなしており、互いに所定距離れて平行に配置されている。第3ヘッダ43と第4ヘッダ44とも、組をなしており、互いに所定距離れて平行に配置されている。第1ヘッダ41と第2ヘッダ42との間には、複数の冷媒管45が等間隔に配列されている。第3ヘッダ43と第4ヘッダ44との間には、複数の冷媒管45が等間隔に配列されている。各冷媒管45は、その端部において対応するヘッダ内に連通している。
図2に示すように、これら第1ヘッダ41と、第2ヘッダ42と、それらの間に配置された複数の冷媒管45によって第1熱交換部48が形成されている。同様に、第3ヘッダ43と、第4ヘッダ44と、それらの間に配置された複数の冷媒管45によって第2熱交換部49が形成されている。この結果、蒸発器40は、2層に配置された第1熱交換部48と第2熱交換部49とを有する。空気の流れ方向に関して、第2熱交換部49が上流側に配置され、第1熱交換部48が下流側に配置されている。
第1ヘッダ41の端部には、冷媒入口としてのジョイント(図示せず)が設けられている。第1ヘッダ41内は、その長さ方向のほぼ中央に設けられた仕切板(図示せず)によって、第1区画と第2区画とに区画されている。これに対応して、複数の冷媒管45は、第1群と第2群とに区分されている。冷媒は、第1ヘッダ41の第1区画に供給される。冷媒は、第1区画から、第1群に属する複数の冷媒管45に分配される。冷媒は、第1群を通して第2ヘッダ42に流入し、集合される。冷媒は、第2ヘッダ42から、第2群に属する複数の冷媒管45に再び分配される。冷媒は、第2群を通して第1ヘッダ41の第2区画に流入する。このように、第1熱交換部48においては、冷媒をU字状に流す流路が形成される。
第3ヘッダ43の端部には、冷媒出口としてのジョイント(図示せず)が設けられている。第3ヘッダ43内は、その長さ方向のほぼ中央に設けられた仕切板(図示せず)によって、第1区画と第2区画とに区画されている。これに対応して、複数の冷媒管45は、第1群と第2群とに区分されている。第3ヘッダ43の第1区画は、第1ヘッダ41の第2区画に隣接している。第3ヘッダ43の第1区画と第1ヘッダ41の第2区画とは連通している。
冷媒は、第1ヘッダ41の第2区画から、第3ヘッダ43の第1区画に流入する。冷媒は、第1区画から、第1群に属する複数の冷媒管45に分配される。冷媒は、第1群を通して第4ヘッダ44に流入し、集合される。冷媒は、第4ヘッダ44から、第2群に属する複数の冷媒管45に再び分配される。冷媒は、第2群を通して第3ヘッダ43の第2区画に流入する。このように、第2熱交換部49においては、冷媒をU字状に流す流路が形成される。第3ヘッダ43の第2区画内の冷媒は、冷媒出口から流出し、圧縮機へ向けて流れる。
次に、冷媒管45などの具体的な構成に関して説明する。図3では、蓄冷容器47の厚みは省略して示し、蓄冷材50にハッチングを施して示す。冷媒管45は、内部に冷媒が流通する複数の冷媒通路45aを有する多穴管である。冷媒管45は、扁平管とも呼ばれる。この多穴管は、押出製法によって得ることができる。複数の冷媒通路45aは、冷媒管45の長手方向に沿って延びており、冷媒管45の両端に開口している。複数の冷媒管45は、列をなして並べられている。各列において、複数の冷媒管45は、その主面が対向するように配置されている。複数の冷媒管45は、互いに隣接する2つの冷媒管45の間に、空気と熱交換するための空気通路460と、後述する蓄冷容器47を収容するための収容部461とを区画している。
蒸発器40は、車室へ供給される空気と接触面積を増加させるためのアウターフィン46を備える。アウターフィン46は、複数のコルゲート型のアウターフィン46によって提供されている。アウターフィン46は、隣接する2つの冷媒管45の間に区画された空気通路460に配置されている。アウターフィン46は、隣接する2つの冷媒管45と熱的に結合している。アウターフィン46は、熱伝達に優れた接合材によって、隣接する2つの冷媒管45に接合されている。接合材としては、ろう材を用いることができる。アウターフィン46は、薄いアルミニウム等の金属板が波状に曲げられた形状をもっており、ルーバーと呼ばれる空気通路460を備える。
次に、蓄冷容器47に関して説明する。蓄冷容器47は、蓄冷体であって、内部に蓄冷材50を収容するための部屋を区画している。蓄冷容器47は、扁平な筒状である。蓄冷容器47は、その長手方向両端において、筒をその厚さ方向に押しつぶすことによって閉じられ、内部に蓄冷材50を収容するための空間が形成される。蓄冷容器47は、広い主面を両面に有している。これら2つの主面を提供する2つの主壁は、それぞれが冷媒管45と平行に配置されている。そして少なくとも片面、本実施形態では両面に、冷媒管45が接触するように配置されている。
蓄冷容器47は、その両側に配置された2つの冷媒管45に熱的に結合している。蓄冷容器47は、熱伝達に優れた接合材によって、隣接する2つの冷媒管45に接合されている。接合材としては、ろう材または接着剤などの樹脂材料を用いることができる。蓄冷容器47は、冷媒管45にろう付けされている。蓄冷容器47と冷媒管45との間には、それらの間を広い断面積によって連結するために大量のろう材が配置されている。このろう材は、蓄冷容器47と冷媒管45との間にろう材の箔を配置することによって提供することができる。この結果、蓄冷容器47は、冷媒管45との間で良好な熱伝導を示す。
各蓄冷容器47の厚さは、空気通路460の厚さとほぼ等しい。よって、蓄冷容器47の厚さは、アウターフィン46の厚さとほぼ等しい。アウターフィン46と蓄冷容器47とは、入れ替え可能である。この結果、複数のアウターフィン46と複数の蓄冷容器47との配置パターンを、高い自由度をもって設定することができる。
蓄冷容器47の長さは、アウターフィン46とほぼ同じ長さを有する。この結果、蓄冷容器47は、隣接する2つの冷媒管45の間に区画された収容部461の長手方向のほぼ全体を占めている。また蓄冷容器47とヘッダ41〜44との間の隙間は、アウターフィン46の切片、あるいは樹脂などの充填材によって埋めることが望ましい。
複数の冷媒管45は、ほぼ一定の間隔で配置されている。それら複数の冷媒管45の間には、複数の隙間が形成されている。これら複数の隙間には、複数のアウターフィン46と複数の蓄冷容器47とが、所定の規則性をもって配置されている。隙間のうちの一部は、空気通路460である。隙間のうちの残部は、蓄冷容器47の収容部461である。複数の冷媒管45の間に形成された合計間隔のうち、たとえば10%以上50%以下が収容部461とされる。収容部461には、蓄冷容器47が配置されている。
蓄冷容器47は、蒸発器40の全体にほぼ均等に分散して配置されている。蓄冷容器47の両側に位置する2つの冷媒管45は、蓄冷容器47とは反対側において空気と熱交換するための空気通路460を区画している。別の観点では、2つのアウターフィン46の間に2つの冷媒管45が配置され、さらにこれら2つの冷媒管45の間に2つの蓄冷容器47を1組とした蓄冷容器47が1組配置されている。
蓄冷容器47は、アルミニウムおよびアルミニウム合金等の金属製である。また蓄冷容器47のアルミニウム以外の材料としては、たとえばイオン化傾向が水素よりも低い金属を主材、もしくは成分として含む材料が用いられる。
次に、蓄冷材50に関して説明する。蓄冷材50は、冷媒通路45aを流通する冷媒と熱交換して冷媒からの熱量を留める材料である。蓄冷材50は、冷媒からの熱を凝固することで留め、留めた熱を融解することによって外部に放出する。
本実施形態の蓄冷材50は、炭素数の異なる2種類以上のエステル化合物が混合された材料を含む。比較例として、2種類のアルキル基でエステル結合をはさんだ分子構造を持つエステル化合物では、融解潜熱が高く車両用熱交換器への適用可能性がある。しかし融点が0℃以下や、15℃以上であるものが大半をしめ、車両用空調装置の運転温度範囲外のため蓄冷することができない。さらにエステル結合の中に2重結合を含むためパラフィンに比べて酸化劣化しやすいという2つの課題がある。
車両用空調装置は運転中に凝縮水が凝固し蒸発器40中の空気流れを閉塞することによる性能低下を防止するため、冷媒が0℃以下にならないようにする。そのため、0℃以下に融点を持つ2つのアルキル基がともに炭素数2以上のエステル化合物は使用できず、アルキル基の1つの炭素数が1(=メチル基)である必要がある。
そこで本実施形態のエステル化合物は、炭素数が10以上40以下であり、アルキル基とメチル基とで挟まれた1つのエステル結合(二重結合)から構成される。エステル化合物は、R1−CO−O−R2である。ここでR1は、たとえばCH〜C1837である。またR2は、たとえばC17〜C2245である。
また、冷房感を維持するため融点も低温なものを選択するのが好ましい。たとえば、表1のようにR1が炭素数1、R2が炭素数12のエステル化合物A(第1のエステル化合物)と、R1が炭素数1、R2が炭素数14のエステル化合物B(第2のエステル化合物)の混合物を蓄冷材50として使用するのが好ましい。エステル化合物Aは、炭素数が14である。またエステル化合物Bは、炭素数が16である。
換言すると、蓄冷材50は、エステル結合を2つのアルキル基(炭素と水素からなる官能基)ではさんだ構造をもつ2つのエステル化合物を基材としている。そしてエステル化合物Aは、単体の融点が5℃の2つのアルキル基が炭素数1のメチル基と炭素数12のアルキル基である。またエステル化合物Bは、単体の融点が18℃の2つアルキル基が炭素数1のメチル基と炭素数14のアルキル基である。
Figure 0006206209
さらに、配合比としては、エステル化合物Aを蓄冷材50における質量パーセント濃度が5質量パーセント濃度以上、20質量パーセント濃度以下、エステル化合物Bを80質量パーセント濃度以上、95質量パーセント濃度以下にするのがさらに好ましい。表1のナンバー2〜4が、好ましい組み合わせに該当する。この配合比にすることで、高い潜熱を確保しつつ、融点を冷房の維持に必要な温度にすることができる。また表1のナンバー6にあるように、ナンバー2〜4の蓄冷材50は、パラフィンと同等の潜熱(=体積あたり)の蓄冷熱量をもつ。したがって蓄冷容器47の大型化を抑制することができる。
さらに蒸発器40は、材料としてアルミニウムを用いる場合、水分と接触することでアルミニウムが腐食することによる容器の穴あき、腐食反応での生成物である水素ガスで容器内が加圧され容器の膨張および変形するおそれがある。そこで蓄冷材50に水素発生防止剤を添加することが好ましい。水素発生抑制剤は、たとえばアミン塩、カルボン酸エステル、ベンゾトリアゾール、スルホン酸塩、リン酸エステルおよびこれらの混合物からなる群からなる少なくとも1種類から選択するのが好ましい。
またエステル化合物はエステル結合中に炭素と酸素原子で2重結合を構成しており、酸化劣化しやすい。そこで蓄冷材50に、酸化防止剤も添加するのが好ましい。酸化防止剤として、たとえばフェノール系酸化防止剤が用いられる。
次に、本実施形態の作動を説明する。乗員からの空調要求、例えば冷房要求があると、圧縮機は動力源によって駆動される。圧縮機は蒸発器40から冷媒を吸入し、圧縮して、吐出する。圧縮機から吐出された冷媒は、放熱器で放熱される。放熱器から出た冷媒は、減圧器によって減圧され、蒸発器40に供給される。冷媒は、蒸発器40において蒸発し、蓄冷容器47を冷却するとともに、アウターフィン46を介して周囲の空気を冷却する。車両が一時停止すると、動力源は消費エネルギを減らすために停止し、圧縮機が停止する。その後、蒸発器40の冷媒は徐々に冷却能力を失ってゆく。この過程で、蓄冷材50は、徐々に放冷し、空気を冷却する。このとき、空気の熱は、アウターフィン46、冷媒管45、および蓄冷容器47を通して、蓄冷材50に伝導する。この結果、冷凍サイクル装置が一時的に停止しても、蓄冷材50によって空気を冷却することができる。やがて、車両が再び走行を始めると、動力源が再び圧縮機を駆動する。このため、冷凍サイクル装置は、再び蓄冷材50を冷却し、蓄冷材50が蓄冷する。
以上説明したように本実施形態の蓄冷材50は、炭素数の異なる2種類以上のエステル化合物が混合された材料を含む。そしてエステル化合物は、炭素数が10以上40以下であり、アルキル基とメチル基とで挟まれた1つのエステル結合から構成される。2つのアルキル基で挟まれた1つのエステル結合であると、融点が0℃以下になるが、前述のようにメチル基を用いることによって融点を0℃よりも高くすることができる。したがって蓄冷材50の凝固および融解する温度範囲を適切な範囲で広くすることができる。これによって空気の温度が低い場合であっても、蓄冷材50は融解して放冷することができる。したがって空気の温度が低い場合であっても、通過する空気の湿球温度以下に維持することが可能となり、凝縮水の蒸発に伴う臭いの発生を抑制することができる。また蓄冷材50が蓄冷および放冷できる温度範囲が広いので、より広範囲な空気温度において蓄冷機能を維持することができる。
換言すると、本実施形態の蓄冷材50は、広い温度範囲で蓄冷することができる。これにより、従来技術のように夏季だけでなく冬季(10℃以下環境)でもアイドルストップ時間を確保することができる。
また本実施形態では、エステル化合物は、炭素数が14以上18以下であるので、表1に示すように、潜熱をパラフィンと同等にすることができる。これによって融点が広い温度範囲で潜熱を蓄冷できる蓄冷材50を実現することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に関して、図4を用いて説明する。本実施形態では、蓄冷容器47Bの配置に特徴を有する。蓄冷容器47Bは、隣接する2つの冷媒管45の間に複数、本実施形態では2つ配置されている。各蓄冷容器47Bは、吸込み空気の流れ方向に沿って配列されている。また同一の収容部461においては、各蓄冷容器47Bは、それぞれ異なる蓄冷材50a,50bを収容している。
各蓄冷材50a,50bは、たとえば表1のナンバー2〜4のうち、互いに異なる2つが選択される。これによって1種類の蓄冷材50を用いるよりもさらに広い温度範囲で蓄冷できるようになる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に関して、図5を用いて説明する。本実施形態では、蓄冷容器47Cの配置に特徴を有する。蓄冷容器47Cは、隣接する2つの冷媒管45の間に複数、本実施形態では2つ配置されている。各蓄冷容器47Cは、吸込み空気の流れ方向に直行する方向に沿って配列されている。換言すると、各蓄冷容器47Cは、冷媒管45が間隔をあけて配置されている方向に積層されている。また同一の収容部461においては、各蓄冷容器47Cは、それぞれ異なる蓄冷材50a,50bを収容している。
各蓄冷材50a,50bは、たとえば表1のナンバー2〜4のうち、互いに異なる2つが選択される。これによって1種類の蓄冷材50を用いるよりもさらに広い温度範囲で蓄冷できるようになる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
前述の第1実施形態では、各蓄冷容器47に封入される蓄冷材50は、互いに等しいが、互いに等しい構成に限るものではない。たとえば隣接する蓄冷容器47においては、前述の第2実施形態および第3実施形態のように、互いに異なる蓄冷材50を封入してもよい。これによっても第2実施形態および第3実施形態と同様の作用および効果を達成することができる。
また前述の第1実施形態では、蓄冷体は蓄冷容器47によって実現されているが、内部に蓄冷材50のみを収容している蓄冷容器47に限るものではない。したがって蓄冷体は、たとえば複数の部材を組み合わせて、内部に蓄冷材を収容する部屋を区画している部材であってもよい。換言すると、たとえば蓄冷体は1枚の板をS字状に変形させて、その開口を他の部材で多い、一方の空間を蓄冷材に収容し、他方の空間に冷媒などを収容してもよい。
冷媒管45は、多穴押出管、あるいはディンプルを形成した板材を筒状に曲げた管によって提供することができる。さらに、アウターフィン46は省略することができる。このような熱交換器は、フィンレス型とも呼ばれる。アウターフィン46に代えて、冷媒管から延び出す突条などを設けて、空気との熱交換を促進してもよい。
本発明は、種々の流れ経路をもつ蒸発器に適用することができる。例えば、第1実施形態のような左右Uターン型に代えて、一方向型、前後Uターン型などの蒸発器に本発明を適用してもよい。
さらに、本発明は、冷凍用、暖房用、給湯用といった冷凍サイクル装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、エジェクタを備える冷凍サイクル装置に適用されてもよい。
40…蒸発器(蓄冷熱交換器) 41…第1ヘッダ
42…第2ヘッダ 43…第3ヘッダ
44…第4ヘッダ 45…冷媒管
45a…冷媒通路 46…アウターフィン
47…蓄冷容器(蓄冷体) 48…第1熱交換部
49…第2熱交換部 50,50a,50b…蓄冷材
70…インナーフィン 460…空気通路
461…収容部

Claims (1)

  1. 周囲を流れる空気と熱交換する蓄冷熱交換器(40)であって、
    内部に冷媒が流通する冷媒通路(45a)と、
    前記冷媒通路を流通する前記冷媒と熱交換して前記冷媒からの熱量を留める蓄冷材(50,50a,50b)を内部に収容する蓄冷体(47)と、を含み、
    前記蓄冷材は、炭素数の異なる2種類以上のエステル化合物が混合された材料を含み、
    前記エステル化合物は、炭素数が14以上18以下であり、アルキル基とメチル基とで挟まれた1つのエステル結合から構成されており、
    前記蓄冷材は、炭素数が14の第1のエステル化合物と、炭素数が16の第2のエステル化合物とが混合された材料を含み、
    前記第1のエステル化合物は、前記蓄冷材における質量パーセント濃度が5質量パーセント濃度以上、20質量パーセント濃度以下であり、
    前記第2のエステル化合物は、前記蓄冷材における質量パーセント濃度が80質量パーセント濃度以上、95質量パーセント濃度以下であることを特徴とする蓄冷熱交換器。
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