JP6206198B2 - 2−フルオロブタンの精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造分野において有用なエッチング、化学気相成長法(CVD)等のプラズマ反応用ガス、含フッ素医薬中間体、及びハイドロフルオロカーボン系溶剤として有用な含フッ素アルカン、2−フルオロブタンに関する。高純度化された2−フルオロブタンは、特に、プラズマ反応を用いた半導体装置の製造分野において、プラズマ用エッチングガス及びCVD用ガス等に好適である。
半導体製造技術の微細化は進んでおり、最先端プロセスでは線幅が20nm、さらには10nm世代が採用されてきている。微細化に伴ってその加工する際の技術難度も向上しており、使用する材料、装置、加工方法等、多方面からのアプローチにより技術開発が進められている。
このような背景から、我々は最先端のドライエッチングプロセスにも対応できるドライエッチング用ガスを開発し、フッ素数の少ない飽和フッ素化炭化水素が窒化シリコン膜のエッチングに用いられているモノフルオロメタンを凌ぐ性能を有することを見出した(特許文献1)。
一方、2−フルオロブタンの製造方法としてはいくつかの方法が知られている。
特許文献2に記載の方法では、2−ブタノールにフッ素化剤として、N,N’−ジエチル−3−オキソ−メチルトリフルオロプロピルアミンを接触させて、収率46%で2−フルオロブタンを得ている。特許文献3の方法では、sec−ブチルリチウムシクロヘキサン−ヘキサン溶液に六フッ化硫黄を接触させることにより、フッ化sec−ブチルを確認したとの記載がなされている。
特許文献3に記載の方法では、2−ブテン存在下、2−ブタノールと含フッ素イリドとを接触させる方法が提案されている。
特許文献4によれば、2−フルオロブタジエンを触媒下に水素化することにより、2−フルオロブタンを得たとの記載がなされている。
特許文献5においては、反応工程で得られた粗2−フルオロブタンを蒸留、乾燥、脱窒素・酸素工程を経ることにより、高純度の2−フルオロブタンを得ることに成功している。
また、オレフィン化合物をブロモヒドリン化する方法として、非特許文献1では、メチレンシクロブタンを無溶媒下、N−ブロモスクシンイミド/水系で反応させ、1−(ブロモメチル)シクロブタノールに変換できる旨の記載がなされている。
上記の従来技術においては、2−フルオロブタンそのものの製造方法が記載されてはいるものの、得られた2−フルオロブタンの純度、あるいは不純物についての情報についてはほとんど触れられておらず、2−フルオロブタンを効率良く、精製する方法については記載がなされていない。
国際公開WO2009−123038号公報 特開昭59−46251号公報 特開2013−095669号公報 米国特許第2550953号公報 特願2013−045131号公報
Journal of Organic Chemistry,Vol.19,2915(1971)
発明者は、高純度2−フルオロブタンを得ることに成功してはいる(特願2013−045131号)が、主たる不純物であるブテン類をより効率よく除去することが、工業的生産性の観点から望ましい。また、分離したブテン類は常温でガス状物質であるために、その取扱いに際しては、工業上さまざまな制約を受ける。このような背景から、我々は2−フルオロブタンの粗体中からブテン類の大部分を簡便に除去するべく鋭意検討を重ねた。
フッ素化ブタン中の不飽和不純物を除去する方法として、特表2002−524431号公報には、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン中に含まれる、フルオロトリクロロエチレン体を除去するために、塩化水素、フッ素、塩素、もしくは水素といった2原子分子を付加させて除去する方法が開示されている。
そこで、この方法を粗2−フルオロブタンの精製に適用したところ、フッ素や塩素のような反応性の激しい反応剤を用いると、構造上脱フッ化水素化しやすい2−フルオロブタンの分解(脱フッ化水素化)を引き起こす問題が生じた。一方、反応性の低い水素でブテン類を水素化すると、やはり、ガス状物質であるブタンが生成してしまうため、容易に不純物を除去するという目的は達成されない。
かかる状況の下、本発明者が更なる検討を行ったところ、ブテン類を含有する2−フルオロブタンを、非プロトン性水溶性溶媒下に、ブロモニウムイオンを形成しうる臭素化剤、及び、水又は炭素数4以下のアルコールと接触させることで、2−フルオロブタンの分解を抑制しつつ、ブテン類を高沸点化合物に変換できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
また、本発明者は、更なる検討の結果、上記ブテン類を高沸点化合物に変換する方法を、炭素数4以下のジオール化合物存在下で行うと、2−フルオロブタンの回収工程で、反応に使用した水の一部が遊離水として2−フルオロブタンに混在せず、遊離水の分離作業が不要であることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、ブテン類を5〜50重量%含有する粗2−フルオロブタンを、非プロトン性水溶性溶媒中、水及び炭素数4以下のアルコールからなる群より選択される1以上の水酸基含有化合物存在下、ブロモニウムイオンを形成しうる臭素化剤と接触させて、ブテン類をブロモヒドリン類又はブロモメトキシ類に変換する方法が提供される。
ここで水又は炭素数4以下のアルコールは、求核剤として機能する。そして、例えば求核剤として水を用いた場合、1−ブテンは1−ブロモ−2−ブタノール、2−ブテンは2−ブロモ−3−ブタノール(幾何異性体を含む)のいわゆるブロモヒドリン体へと変換され、メタノールを用いた場合、1−ブロモ−2−メトキシブタン、2−ブロモ−3−メトキシブタン(幾何異性体を含む)のいわゆるブロモメトキシ体へと変換される。
前記臭素化剤は、N−ブロモスクシンイミドであるのが好ましい。
前記非プロトン性水溶性溶媒は、2−フルオロブタンより30℃以上高い沸点を有するものであるのが好ましい。
前記水酸基含有化合物は、炭素数4以下のジオール化合物であるのが好ましい。
また、上記の方法によりブテン類をブロモヒドリン類又はブロモメトキシ類に変換した後、反応液から2−フルオロブタンを回収し、その後、回収された2−フルオロブタンを蒸留精製する、2−フルオロブタンの精製方法が提供される。
前記精製方法において、反応液から2−フルオロブタンを回収する工程、70〜10kPaの減圧下に2−フルオロブタンを回収することを特徴とするのが好ましい。
本発明に用いられる粗2−フルオロブタンは、1−ブテン、(E)−2−フルオロブテン、(Z)−フルオロブテンなどのブテン類を多く含有するものであり、例えばJournal of Organic Chemistry,Vol.44,3872(1979)や、Bulletin of the chemical society of Japan,Vol.52,3377(1979)に記載の方法により製造することができる。2−ブタノールを原料に、前者は、ピリジンのポリフッ化水素錯体をフッ素化剤として用い、後者は、ヘキサフルオロプロペンとジエチルアミンから調製されるN,N’−ジエチルアミノヘキサフルオロプロパンをフッ素化剤として用いて、2−フルオロブタンを製造するものである。これ以外の方法として、2−ブロモブタン又は2−(アルキルスルホニルオキシ)ブタンをフッ化カリウム及びフッ化セシウム等のアルカリ金属フッ化物で処理する方法などを適用することも可能である。
上記に記載したような製造方法で製造された粗2−フルオロブタン中には、2−フルオロブタン(沸点:24〜25℃)の他に、ブテン類として、主に1−ブテン(沸点:−6.3℃)、(E)−2−ブテン(沸点:0.9℃)、(Z)−2−ブテン(沸点:3.7℃)が含まれている。
ブロモニウムイオンを形成しうる臭素化剤としては、次亜臭素酸ナトリウム、臭素などの無機臭素化合物、N−ブロモアセトアミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモフタル酸イミド、N−ブロモサッカリン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ジブロモイソシアヌル酸、ブロモイソシアヌル酸一ナトリウムなどのアミド・イミド系臭素化剤、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノン、5,5−ジブロモメルドラム酸などの環状ブロモケトン系臭素化剤が挙げられ、これらの中でも、N−ブロモアセトアミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモフタル酸イミド、N−ブロモサッカリン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ジブロモイソシアヌル酸、ブロモイソシアヌル酸一ナトリウムなどのアミド・イミド系臭素化剤が好ましく、N−ブロモスクシンイミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインがより好ましい。
ブロモニウムイオンを形成しうる臭素化剤の添加量は、臭素化剤中の臭素原子基準で、ブテン類の合計量に対して、0.9〜3等量が好ましく、1.1〜2等量がより好ましい。添加量が少なすぎると、転化率が低くなるので残存するブテン量が多くなり、添加量が多すぎると本発明で使用する水溶性溶媒へ溶解が不十分となり、後処理が面倒な上、臭素化剤自体が腐食性物質のため、反応器等を痛める可能性がある。
本発明に用いる水酸基含有化合物は、水及び炭素数4以下のアルコールから選ばれるものであり、ブテン類に対する求核剤として機能するものである。
炭素数4以下のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノールなどの低級飽和アルコール;アリルアルコール、プロパギルアルコールなどの低級不飽和アルコール;炭素数4以下のジオール化合物が挙げられる。本発明において、特に好ましいのは炭素数4以下のジオール化合物であり、具体的には、エチレングリコールなどの炭素数2のジオール化合物;1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールなどの炭素数3のジオール化合物;1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールなどの炭素数4のジオール化合物を挙げることができる。これらの炭素数4以下のジオール化合物の中でも、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオールなどの1、2−ジオール化合物が反応性の点で好ましく、取扱い易さの点でエチレングリコールがより好ましい。
これら水酸基含有化合物の添加量は、ブテン類の合計量に対して、1〜5等量が好ましく、2〜3等量がより好ましい。添加量が少なすぎるとブテンの転化率が低くなり、多すぎると臭素化剤の溶解性が低下し、反応系が複雑になり、後処理が面倒になる。
本発明に用いられる非プロトン性水溶性溶媒としては、アセトン、2−ブタノンなどのケトン系、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダジリジノン、N−メチルピロリドンなどのアミド系、ジメチルスルホキシド、スルホランなどのスルホキシド系など、2−フルオロブタンよりも沸点が30℃以上高いものを挙げることができる。これらの中でも、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシドが、反応で生成するアミド体及びイミド体を良く溶解させる点でより好ましい。
これら水溶性溶媒は、原料となる粗2−フルオロブタンに対し、1〜5倍体積量を使用するのが好ましく、1.5〜3倍体積量がより好ましい。使用量が少ないと臭素化剤の種類によっては、反応が急激に進行するなど危険があり、使用量が多すぎると廃液の処理が面倒になる。
反応温度は−30℃〜25℃の範囲が好ましく、−10℃〜0℃がより好ましい。温度が低すぎると、反応に使用する水溶性溶媒と水、もしくはアルコールの組み合わせによっては凝固を引き起こす可能性がある。また、温度が高すぎると、2−フルオロブタン自体が揮発しやすくなるので、ロス量が多くなる。
反応時間は、ブロモニウムイオンを形成しうる臭素化剤の添加方法にもよるが、通常、0.5〜10時間であり、1〜5時間が好ましい。反応時間が短すぎると、反応が完結せず、ブテン類の残量が多くなり、反応時間が長すぎると、2−フルオロブタン自体が臭素化される等の副反応を併発し、好ましくない。
反応実施の形態としては、反応器に水溶性溶媒と求核剤(水酸基含有機化合物)とを仕込み、反応器を任意の温度に冷却する。そこへ、ブテン類を含む粗2−フルオロブタンを仕込み、内容物を撹拌しているところに、臭素化剤を数回に分割して添加する方法が好適である。一括添加では反応が急激に進行し、発熱を伴って内容物が突沸する危険性があるので、好ましくない。
反応時、例えば、ガスクロマトグラフィーにて反応の進行状況を追跡し、ブテン類が残留するようであれば、臭素化剤を追加で添加してもよい。
反応系からの2−フルオロブタンの回収方法としては、反応液から減圧下に、直接、2-フルオロブタンを回収する方法;反応液を水で希釈、炭化水素、ハロゲン化炭化水素などの有機溶媒で抽出し、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、及び亜硫酸水素ナトリウム水溶液などの還元剤で洗浄する方法;など一般的な方法が採用される。沸点の低い2−フルオロブタンの揮発ロス量を軽減するための設備や溶媒等の薬剤を良く冷却する必要のない、前者の方法が好ましい。
減圧下に回収する場合、反応器に回収用受器、トラップを設置し、それらを冷媒(ドライアイス−エタノールなど)で冷却する。通常は、系内の圧力を70kPaから徐々に下げ、40kPa程度まで減圧して2−フルオロブタンを回収する。但し、アミド系、スルホキシド系のような高沸点溶媒(150℃以上)の場合、溶媒自体が揮発しにくいため、10kPa程度まで減圧し、2−フルオロブタンの回収率を上げるのが好ましい。
また、反応器側は蒸発潜熱による温度低下を防ぐため、30〜50℃の範囲で加温される。非プロトン性水溶性溶媒の沸点が比較的低い場合は、溶媒ごと回収用受器、トラップに回収し、その後の精留で分離してもよい。
減圧回収された2−フルオロブタンは更に、微量に含まれるブテン類とその他不純物を除去して純度を向上させるために、精留による精製が施される。溶媒と一緒に2−フルオロブタンを回収した場合も同様に、溶媒を精留で分離する。精留時の圧力は、ゲージ圧で、通常常圧〜10気圧、好ましくは常圧〜5気圧程度である。還流量と抜出量の比(以下、「還流比」と言うことがある)は、ガス状態に成りやすい微量ブテン類を効率良く分離するために、還流比30:1以上に設定するのが好ましい。還流比があまりに小さいとブテン類が効率良く分離されず、2−フルオロブタンの純度向上が小さく、また、初留分が多くなってしまい、実質的に製品として取れる2−フルオロブタンの量が少なくなる。また、極端に還流比が大きすぎると、抜き出し1回当たりの回収までに多大な時間を要すために、精留そのものに多大な時間を要してしまう。製造量が少ない場合においては、精留は回分式でも良いが、製造量が多い場合においては、精留塔を数本経由させる連続式を採用しても良い。また、抽出溶剤を加えた抽出蒸留操作を組み合わせて行っても良い。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によってその範囲を限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「%」は「重量%」を表す。
以下において採用した分析条件は下記の通りである。
・ガスクロマトグラフィー分析(GC分析)
装置:HP−6890(アジレント社製)
カラム:ジーエルサイエンス社製 Inert Cap−1、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1.5μm
カラム温度:40℃で10分間保持、次いで、20℃/分で昇温し、その後、240℃で10分間保持
インジェクション温度:200℃
キャリヤーガス:窒素
スプリット比:100/1
検出器:FID
・不純物分析(ガスクロマトグラフィー質量分析)
GC部分:HP−6890(アジレント社製)
カラム: ジーエルサイエンス社製、製品名「Inert Cap−1」、長さ60m、内径0.25mm、膜厚1.5μm
カラム温度:40℃で10分間保持、次いで、20℃/分で昇温し、その後、240℃で10分間保持
MS部分:アジレント社製、製品名「5973 NETWORK」
検出器 EI型(加速電圧:70eV)
[製造例1]
攪拌機、滴下ロート、捕集用トラップを付した容量1Lのガラス製反応器に、スプレードライフッ化カリウム86g(アルドリッチ社製)、2−(p−トルエンスルホニルオキシ)ブタン及びジエチレングリコール400mlを仕込み、捕集用トラップの出口管から窒素を通気し、窒素雰囲気下に置いた。反応器をオイルバスに浸して、90℃に加熱した。滴下ロートから、2−(p−トルエンスルホニルオキシ)ブタン135gを2.5時間かけて滴下した。90℃で反応を5時間継続し、反応で生成する揮発成分をドライアイス/エタノール浴に浸した捕集用トラップに捕集した。その後、オイルバスの温度を80℃まで下げ、反応器にドライアイス−エタノール浴に浸したガラス製トラップを直列に2つ繋げた。さらに、ガラス製トラップの出口には圧力コントローラー、及び真空ポンプを繋げた。真空ポンプを起動し、圧力コントローラーを使って、系内の圧力を50〜45kPa、次いで、35〜30kPa、さらに、30〜25kPaまで段階的に下げて、揮発成分をガラストラップに回収した。最初の捕集トラップ、及び2つのガラス製トラップの中身を合わせて、ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、1−ブテン5.23面積%、(E)−2−ブテン19.91面積%、(Z)−2−ブテン13.04面積%、2−フルオロブタン58.30面積%、その他不純物3.52面積%を含む混合物(22g)であった。
[実施例1]
撹拌子、ジムロート型コンデンサーを付した容量300mlのガラス製反応器に、ジメチルスルホキシド60mlと水15gとを入れ、0℃に冷却して内容物を撹拌した。ジムロート型コンデンサーには0℃の冷媒を循環させた。反応器に製造例1で得られた粗2−フルオロブタン40gを仕込み、10分間撹拌した。反応器に、N−ブロモスクシンイミド36gを20分間隔で、12gずつ、3分割して投入した。さらに1時間撹拌したのち、内容物をガスクロマトグラフィー分析した結果、1−ブテンが0.03面積%、(Z)−2−ブテンが0.01面積%、2−フルオロブタンが30.39面積%、及び、その他不純物が1.11面積%検出され、高リテンション領域にブロモヒドリン体の生成が確認された。また、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
[実施例2]
実施例1の反応器からジムロート型コンデンサーを外し、捕集用受器とガラス製トラップとを取り付けた。ガラス製トラップの出口には圧力コントローラーと真空ポンプとを繋げた。真空ポンプを起動し、圧力コントローラーを使って、系内の圧力を70〜60kPa、次いで、40〜30kPa、さらに、30〜25kPaまで段階的に下げて、揮発成分を捕集用受器とガラス製トラップとに回収した。捕集用受器とガラス製トラップの中身を合わせて、ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、98.70面積%の2−フルオロブタンが回収されており、実施例1で仕込んだ粗2−フルオロブタンに対し重量基準で、92%の回収率であった。
[実施例3]
実施例1〜2の操作を7回繰り返して得られた2−フルオロブタン138gを蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機製、カラム長60cm、充填剤ヘリパックNo.1)を使って、蒸留を行った。コンデンサーには−10℃の冷媒を循環させ、約1時間全還流を行った。蒸留釜は塔頂部の温度、及び釜内部の残量を考慮しながら、45から65℃まで加温した。全還流実施後、還流比30:1で留分の抜き出しを行った。抜出し開始後、約1.5時間後には、99.9面積%以上の2−フルオロブタン留分が得られるようになり、その結果、99.95面積%の2−フルオロブタンが91g得られた。留分を分析した結果、不純物として、1−ブテン、及び、(Z)−2−ブテンがそれぞれ、53面積ppm、85面積ppm、また、イソブチルフルオリドが362面積ppm含まれていた。
[実施例4]
撹拌子、ジムロート型コンデンサーを付した容量200mlのガラス製反応器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル30mlと水7.6gとを入れ、0℃に冷却して内容物を撹拌した。ジムロート型コンデサーには0℃の冷媒を循環させた。反応器に製造例1で得られた粗2−フルオロブタン20gを仕込み、10分間撹拌した。反応器に、N−ブロモスクシンイミド18gを20分間隔で、6gずつ、3分割して投入した。さらに1時間撹拌したのち、内容物をガスクロマトグラフィー分析した結果、1−ブテンが0.26面積%、(Z)−2−ブテンが0.10面積%、2−フルオロブタンが29.48面積%、その他不純物が2.64面積%検出され、高リテンション領域にブロモヒドリン体の生成が確認された。また、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
[実施例5]
実施例4の反応器からジムロート型コンデンサーを外し、捕集用受器とガラス製トラップとを取り付けた。ガラス製トラップの出口には圧力コントローラーと真空ポンプとを繋げた。真空ポンプを起動し、圧力コントローラーを使って、系内の圧力を70〜60kPa、次いで、50〜40kPaまで段階的に下げて、揮発成分を捕集用受器とガラス製トラップとに回収した。捕集用受器とガラス製トラップの中身を合わせて、ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、96.78面積%の2−フルオロブタンが回収されており、実施例4で仕込んだ粗2−フルオロブタンに対し重量基準で、82%の回収率であった。
[実施例6]
溶媒をジメチルスルホキシドからN,N−ジメチルアセトアミド60mlに変更したこと以外は実施例1と同様に反応を実施した。
内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、1−ブテンが0.4面積%、(Z)−2−ブテンが0.06面積%、2−フルオロブタンが29.71面積%、及びその他不純物が2.17面積%検出され、高リテンション領域にブロモヒドリン体の生成が確認された。また、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
ジムロート型コンデンサーを外し、捕集用受器とガラス製トラップとを取り付けた。ガラス製トラップの出口には圧力コントローラーと真空ポンプとを繋げた。真空ポンプを起動し、圧力コントローラーを使って、系内の圧力を70〜60kPa、次いで、40〜30kPa、さらに、30〜25kPaまで段階的に下げて、揮発成分を捕集用受器とガラス製トラップとに回収した。捕集用受器とガラス製トラップの中身を合わせて、ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、94.13面積%の2−フルオロブタンが回収されており、仕込んだ粗2−フルオロブタンに対し重量基準で、89%の回収率であった。
[実施例7]
N−ブロモスクシンイミド36gの代わりに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン38.9gを用い、反応温度を−20℃に変更したこと以外は実施例1と同様に反応を実施した。
内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、1−ブテンが0.01面積%、(Z)−2−ブテンが0.002面積%、(E)−2−ブテンが0.005面積%、2−フルオロブタンが38.33面積%、及びその他不純物が2.60面積%検出され、高リテンション領域にブロモヒドリン体の生成が確認された。また、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
[実施例8]
水15gの代わりにメタノール27gを用い、反応温度を−10℃に変更したこと以外は実施例1と同様に反応を実施した。
内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、1−ブテン1.45面積%、(E)−2−ブテン1.23面積%、(Z)−2−ブテン2.85面積%残存し、2−フルオロブタンが20.98面積%、その他不純物が4.21面積%検出された。また、高リテンション領域に、ブロモメトキシブタン体の生成が確認され、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
[比較例1]
製造例1の反応を繰り返して、1−ブテン5.43面積%、(E)−2−ブテン20.02面積%、(Z)−2−ブテン13.17面積%、2−フルオロブタン57.89面積%、その他不純物3.49面積%を含む混合物249gを実施例3で使用した同じ蒸留塔を用いて蒸留を行った。コンデンサーには−10℃の冷媒を循環させ、約1時間全還流を行った。蒸留釜は塔頂部の温度、及び釜内部の残量を考慮しながら、40から50℃まで加温した。還流比45:1〜30:1の間で留分の抜き出しを行った。その結果、ブテン類を留去し、留分の純度が99.0面積%以上になるまでに、11時間要した。最終的に99.12面積%の2−フルオロブタンが86g得られた。
本蒸留結果から、大量にブテン含む粗2−フルオロブタンを蒸留し、ブテン類を除去するには多大な時間を要し、工業的には生産効率の点で問題のあることが分かる。
[比較例2]
ガス導入管、撹拌子を付した容量100mlのガラス製反応器に、1,1,2−トリフロオロトリクロロエタン30mlを仕込み、反応器をドライアイス/エタノール浴に浸し、−70℃に冷却した。反応器に製造例1で製造した粗2−フルオロブタン20gを入れ、ガス導入管から、塩素ガスを、マスフローコントローラーを介して、約1時間かけて10.7g導入した。−70℃でさらに、30分間撹拌した後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、1−ブテン、(E)−2−ブテン及び、(Z)−2−ブテンがそれぞれ2.21面積%、3.41面積%、3.09面積%残存し、2−フルオロブタンが塩素化された化合物が13.4面積%検出された。
[実施例9]
撹拌子、ジムロート型コンデンサーを付した容量300mlのガラス製反応器に、ジメチルスルホキシド60mlとエチレングリコール26gとを入れ、0℃に冷却して内容物を撹拌した。ジムロート型コンデンサーには0℃の冷媒を循環させた。反応器に製造例1で得られた粗2−フルオロブタン40gを仕込み、10分間撹拌した。反応器に、N−ブロモスクシンイミド48gを15分間隔で、6gずつ、8分割して投入した。さらに2時間撹拌したのち、内容物をガスクロマトグラフィー分析した結果、1−ブテンが4.18面積%、(E)−2−ブテンが1.67面積%、(Z)−2−ブテンが0.15面積%、2−フルオロブタンが58.58面積%、及び、その他不純物が4.23面積%検出され、高リテンション時間領域にブテンのブロモ付加体の生成が確認された。また、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
[実施例10]
実施例9の反応器からジムロート型コンデンサーを外し、捕集用受器とガラス製トラップとを取り付けた。ガラス製トラップの出口には圧力コントローラーと真空ポンプとを繋げた。真空ポンプを起動し、圧力コントローラーを使って、系内の圧力を70〜60kPa、次いで、50〜45kPa、さらに、30〜25kPaまで段階的に下げて、揮発成分を捕集用受器とガラス製トラップとに回収した。捕集用受器とガラス製トラップの中身を合わせて、ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、88.24面積%の2−フルオロブタンが回収されており、実施例9で仕込んだ粗2−フルオロブタンに対し重量基準で、89%の回収率であった。また、捕集した2−フルオロブタンを室温まで戻したところ、遊離水(2層に分離する水)は確認されなかった。
[実施例11]
実施例9〜10の操作を9回繰り返して得られた2−フルオロブタン149gを蒸留釜に仕込み、KS型精留塔(東科精機製、カラム長60cm、充填剤「ヘリパックNo.1」)を使って、蒸留を行った。コンデンサーには−10℃の冷媒を循環させ、約1時間全還流を行った。蒸留釜は塔頂部の温度、及び釜内部の残量を考慮しながら、45から65℃まで加温した。全還流実施後、還流比30:1で留分の抜き出しを行った。抜出し開始後、約2時間後には、99.9面積%以上の2−フルオロブタン留分が得られるようになり、その結果、99.95面積%の2−フルオロブタンが89g得られた。留分を分析した結果、不純物として、1−ブテン、及び、(E)−2−ブテン、(Z)−2−ブテンがそれぞれ、43面積ppm、85、10面積ppm、また、イソブチルフルオリドが362面積ppm含まれていた。
[実施例12]
撹拌子、ジムロート型コンデンサーを付した容量300mlのガラス製反応器に、ジメチルスルホキシド60mlと1,2−プロパンジオール31.5gとを入れ、0℃に冷却して内容物を撹拌した。ジムロート型コンデサーには0℃の冷媒を循環させた。反応器に製造例1で得られた粗2−フルオロブタン40gを仕込み、10分間撹拌した。反応器に、N−ブロモスクシンイミド48gを20分間隔で、6gずつ、8分割して投入した。さらに2時間撹拌したのち、内容物をガスクロマトグラフィー分析した結果、1−ブテンが1.27面積%、(E)−2−ブテンが1.99面積%、(Z)−2−ブテンが0.67面積%、2−フルオロブタンが27.90面積%、その他不純物が4.25面積%検出され、高リテンション時間領域にブテンのブロモ付加体の生成が確認された。また、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
[実施例13]
実施例12の反応器からジムロート型コンデンサーを外し、捕集用受器とガラス製トラップとを取り付けた。ガラス製トラップの出口には圧力コントローラーと真空ポンプとを繋げた。真空ポンプを起動し、圧力コントローラーを使って、系内の圧力を70〜60kPa、次いで、50〜45、30〜25kPaまで段階的に下げて、揮発成分を捕集用受器とガラス製トラップとに回収した。捕集用受器とガラス製トラップの中身を合わせて、ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、78.36面積%の2−フルオロブタンが回収されており、実施例4で仕込んだ粗2−フルオロブタンに対し重量基準で、82%の回収率であった。また、捕集した2−フルオロブタンを室温まで戻したところ、遊離水(2層に分離する水)は確認されなかった。
[実施例14]
エチレングリコール26gを1,3−プロパンジオール31.5gに変更したこと以外は実施例9と同様に反応を実施した。
内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、1−ブテンが5.15面積%、(E)−2−ブテンが6.81面積%、(Z)−2−ブテンが1.74面積%、2−フルオロブタンが64.21面積%、及びその他不純物が3.09面積%検出され、高リテンション時間領域にブテンのブロモ付加体の生成が確認された。また、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
[実施例15]
エチレングリコール26gを1,2−ブタンジオール38gに変更したこと以外は実施例9と同様に反応を実施した。
内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、1−ブテンが0.87面積%、(E)−2−ブテンが0.33面積%、2−フルオロブタンが27.94面積%、及びその他不純物が4.61面積%検出され、高リテンション時間領域にブテンのブロモ付加体の生成が確認された。また、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
[実施例16]
N−ブロモスクシンイミド48gの代わりに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン38.5gを用い、反応温度を−20℃に変更したこと以外は実施例9と同様に反応を実施した。
内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、1−ブテンが3.11面積%、(E)−2−ブテンが2.74面積%、(Z)−2−ブテンが0.56面積%、2−フルオロブタンが63.51面積%、及びその他不純物が3.88面積%検出され、高リテンション時間領域にブテンのブロモ付加体の生成が確認された。また、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
[実施例17]
ジメチルスルホキシド60mlをジメチルアセトアミド60mlに変更したこと以外は実施例9と同様に反応を実施した。
内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、1−ブテン2.05面積%、(E)−2−ブテン4.50面積%、(Z)−2−ブテン1.90面積%残存し、2−フルオロブタンが46.75面積%、その他不純物が2.52面積%検出された。また、高リテンション時間領域に、ブテンの臭素付加体の生成が確認され、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
次に、反応器からジムロート型コンデンサーを外し、捕集用受器とガラス製トラップとを取り付けた。ガラス製トラップの出口には圧力コントローラーと真空ポンプとを繋げた。真空ポンプを起動し、圧力コントローラーを使って、系内の圧力を70〜60kPa、次いで、50〜45、30〜25kPaまで段階的に下げて、揮発成分を捕集用受器とガラス製トラップとに回収した。捕集用受器とガラス製トラップの中身を合わせて、ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、86.28面積%の2−フルオロブタンが回収されており、反応で仕込んだ粗2−フルオロブタンに対し重量基準で、83%の回収率であった。また、捕集した2−フルオロブタンを室温まで戻してところ、遊離水(2層に分離する水)は確認されなかった。
[実施例18]
ジメチルスルホキシド60mlをジエチレングリコール60mlに変更したこと以外は実施例9と同様に反応を実施した。
内容物をガスクロマトグラフィーにて分析した結果、1−ブテンが1.83面積%、(E)−2−ブテンが4.22面積%、(Z)−2−ブテンが2.25面積%残存し、2−フルオロブタンが31.59面積%、その他不純物が3.77面積%検出された。また、高リテンション時間領域に、ブテンの臭素付加体の生成が確認され、2−フルオロブタンが臭素化された化合物の生成は認められなかった。
[比較例3]
製造例1の反応を繰り返して、1−ブテン5.43面積%、(E)−2−ブテン20.02面積%、(Z)−2−ブテン13.17面積%、2−フルオロブタン57.89面積%、その他不純物3.49面積%を含む混合物249gを実施例3で使用した同じ蒸留塔を用いて蒸留を行った。コンデンサーには−10℃の冷媒を循環させ、約1時間全還流を行った。蒸留釜は塔頂部の温度、及び釜内部の残量を考慮しながら、40から50℃まで加温した。還流比45:1〜30:1の間で留分の抜き出しを行った。その結果、ブテン類を留去し、留分の純度が99.0面積%以上になるまでに、11時間要した。最終的に99.12面積%の2−フルオロブタンが86g得られた。
本蒸留結果から、大量にブテン含む粗2−フルオロブタンを蒸留し、ブテン類を除去するには多大な時間を要し、工業的には生産効率の点で問題のあることが分かる。
[比較例4]
ガス導入管、撹拌子を付した容量100mlのガラス製反応器に、1,1,2−トリフロオロトリクロロエタン30mlを仕込み、反応器をドライアイス/エタノール浴に浸し、−70℃に冷却した。反応器に製造例1で製造した粗2−フルオロブタン20gを入れ、ガス導入管から、塩素ガスを、マスフローコントローラーを介して、約1時間かけて10.7g導入した。−70℃でさらに、30分間撹拌した後、内容物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、1−ブテン、(E)−2−ブテン及び、(Z)−2−ブテンがそれぞれ2.21面積%、3.41面積%、3.09面積%残存し、2−フルオロブタンが塩素化された化合物が13.4面積%検出された。

Claims (6)

  1. ブテン類を5〜50重量%含有する粗2−フルオロブタンを、非プロトン性水溶性溶媒中、水及び炭素数4以下のアルコールからなる群より選択される1以上の水酸基含有化合物存在下、ブロモニウムイオンを形成しうる臭素化剤と接触させて、前記ブテン類をブロモヒドリン類又はブロモメトキシ類に変換する方法。
  2. 前記臭素化剤が、N−ブロモスクシンイミドである請求項1記載の変換方法。
  3. 前記非プロトン性水溶性溶媒が、2−フルオロブタンより30℃以上高い沸点を有するものである請求項1又は2記載の変換方法。
  4. 前記水酸基含有化合物が、炭素数4以下のジオール化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の変換方法。
  5. 前記1〜4のいずれかに記載の変換方法により、前記ブテン類を、前記ブロモヒドリン類又は前記ブロモメトキシ類に変換した後、反応液から2−フルオロブタンを回収し、その後、回収された2−フルオロブタンを蒸留精製する、2−フルオロブタンの精製方法。
  6. 反応液から2−フルオロブタンを回収する工程、70〜10kPaの減圧下に2−フルオロブタンを回収することを特徴とする、請求項5に記載の2−フルオロブタンの精製方法。
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