JP6206179B2 - 溶融ガラス供給装置、及びガラス板製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス溶融槽で溶融した溶融ガラスを溶融金属浴の上に供給する溶融ガラス供給装置、及び当該溶融ガラス供給装置を備えるガラス板製造装置に関する。
ガラス板の成形方法の一つとして、溶融状態の金属スズが貯留されたフロートバスに溶融ガラスを浮かべてガラスリボンを形成し、このガラスリボンを延伸しながら下流に搬送して板状に成形するフロート法が知られている。フロート法によって製造されたガラス板は、例えば、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板や太陽電池モジュール用のガラス基板等に利用される。
フロート法では、ガラス原料をガラス溶融槽で溶融して溶融ガラスを生成し、その溶融ガラスを流動路に流して通過させ、フロートバスに供給している。このような流動路の内部空間へフロートバスから揮発したスズ蒸気が流入すると、スズ蒸気が空気中の酸素と反応してキャシテライト結晶(スズ酸化物)を生成し、これが溶融ガラスの上に落下してガラス板の品質低下を招くことがある。
このようなスズ蒸気の酸化に起因する結晶生成を防ぐべく、フロートバスの上流側の流動路の内部空間において、窒素ガス等の不活性ガスを供給する技術が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に開示されるフロートバス上流の流動路には、溶融ガラスの流量を調整するためのバックツイール及びフロントツイール等が設けられ、バックツイールとフロントツイールとの間にツイール空間が形成されている。そして、ツイール空間に不活性ガスを注入するに際し、ツイール空間の圧力を当該ツイール空間より下流側の空間の圧力より高く設定している。特許文献1のフロートガラスの製造方法によれば、ツイール空間と当該ツイール空間より下流側の空間との間に圧力差が生じるため、ツイール空間より下流側の空間に存在するスズ蒸気を含む雰囲気ガスがツイール空間に流入することが防止され、ガラス板における欠点発生の原因となり得るキャシテライト結晶の生成を抑制できるとされている。
特開平7−109130号公報
ここで、ガラス溶融槽に接続される流動路は溶融ガラスの熱によって高温状態にあるため、ツイール空間等の流動路の内部空間の雰囲気は熱膨張して正圧状態となっている。このため、流動路の内部空間を不活性ガスで充満させるためには、大量の不活性ガスを相当の圧力をかけて注入する必要がある。ところが、不活性ガスの吹き込み圧や吹き込み量が大きくなると、不活性ガスの供給により形成される気流によってベンチュリ効果が発生し、流動路を形成する耐火物の隙間から外部の空気が吸い込まれることがある。この場合、耐火物の隙間に存在する埃や粉じん等の異物が吸い込み流に巻き込まれて流動路の内部空間に侵入し、当該異物が溶融ガラスの上に落ちてガラス製品の汚染や欠点の原因となることがある。
しかしながら、特許文献1等の従来のフロートガラスの製造方法は、不活性ガスの吹き込み圧等を考慮していないため、上記のような外部空気の吸い込み等を十分に抑制できていなかった。このように、従来の技術には改善の余地があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、溶融ガラスが流動する流動路の内部空間を不活性ガスで充満させるにあたり、耐火物の隙間から外部の空気が吸い込まれることを抑制しながら、不活性ガスの吹き込みが可能な溶融ガラス供給装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る溶融ガラス供給装置の特徴構成は、ガラス溶融槽で溶融した溶融ガラスを溶融金属浴の上に供給する溶融ガラス供給装置であって、前記溶融ガラスが流動する内部空間を有する流動路と、前記内部空間に不活性ガスを供給するガス供給管と、を備え、前記ガス供給管は、前記流動路の前記内部空間側にガス噴射口が位置し、前記流動路の外部側にガス供給口が位置するように前記流動路の壁部を貫通し、前記ガス噴射口が設けられる前記内部空間側の前記流動路の内壁付近に存在するガスの流速が、前記ガス供給口における前記不活性ガスの流速より小さくなるよう設定されていることにある。
本構成の溶融ガラス供給装置によれば、流動路の内部空間に不活性ガスを供給するガス供給管を備えており、当該ガス供給管は、ガス噴射口が設けられる内部空間側の流動路の内壁付近に存在するガスの流速が、ガス供給口における不活性ガスの流速より小さくなるよう設定されている。このため、不活性ガスの供給中にベンチュリ効果が発生し難く、負圧に起因する流動路の壁部の隙間等からの外部の空気の吸い込みを抑制できる。従って、スズ結晶や粉じん等の異物の溶融ガラスへの混入を予防し、高品質なガラス製品を継続的に製造することが可能となる。
本発明に係る溶融ガラス供給装置において、前記ガス供給管は、前記ガス噴射口が前記ガス供給口より径が大きくなるよう構成されていることが好ましい。
本構成の溶融ガラス供給装置によれば、ガス供給管は、ガス噴射口がガス供給口より径が大きくなるよう構成されているため、ガス噴射口付近では気流が安定し、流動路の内部空間における急激な圧力変化の発生を抑制することができる。その結果、流動路の壁部の隙間等からの外部の空気の吸い込みが防止され、異物混入によるガラス製品の品質低下を防止することができる。
本発明に係る溶融ガラス供給装置において、前記ガス供給管は、前記ガス供給口から前記ガス噴射口に向かう方向に連続的に拡径するよう構成されていることが好ましい。
本構成の溶融ガラス供給装置によれば、ガス供給管は、ガス供給口からガス噴射口に向かう方向に連続的に拡径するよう構成されているため、ガス噴射口付近では気流がより安定し、流動路の内部空間における急激な圧力変化の発生を防止することができる。また、ガス供給管の内部に段差が生じないため、不活性ガスの圧力損失が小さく、効率的にガス供給を行うことができる。その結果、流動路の壁部の隙間等からの外部の空気の吸い込みが防止され、異物混入によるガラス製品の品質低下を防止することができる。
本発明に係る溶融ガラス供給装置において、前記ガス噴射口は、前記流動路の内壁から前記内部空間へ突出して設けられることが好ましい。
本構成の溶融ガラス供給装置によれば、ガス噴射口は、流動路の内壁から内部空間へ突出して設けられるので、ガス噴射口は流動路の内壁から離間することになる。このため、流動路の内壁付近での負圧の発生が抑制され、流動路の壁部の隙間等からの外部の空気の吸い込みを防止することができる。その結果、異物混入によるガラス製品の品質低下を防止することができる。
本発明に係る溶融ガラス供給装置において、前記ガス供給管は、一つのガス供給口に対して複数のガス噴射口を備える分岐管であり、夫々のガス噴射口の断面積は、前記ガス供給口の断面積と同等、あるいは前記ガス供給口の断面積より大きくなるよう構成されていることが好ましい。
本構成の溶融ガラス供給装置によれば、ガス供給管が分岐管として構成され、夫々のガス噴射口の断面積は、前記ガス供給口の断面積と同等、あるいは前記ガス供給口の断面積より大きくなるよう構成されているため、不活性ガスは複数のガス噴射口から分散して穏やかに噴射されることになる。このため、窒素ガスの引き込みによるベンチュリ効果は発生し難く、流動路の壁部の隙間等からの外部の空気の吸い込みが防止され、異物混入によるガラス製品の品質低下を防止することができる。
本発明に係る溶融ガラス供給装置において、前記ガス噴射口は、水平面より上方に前記不活性ガスの噴射方向が設定されていることが好ましい。
本構成の溶融ガラス供給装置によれば、ガス噴射口は、水平面より上方に不活性ガスの噴射方向が設定されているため、不活性ガスは溶融ガラスに直接当たらないように吹き込まれ、ガラス生地の局所的な温度低下を抑制することができる。
本発明に係る溶融ガラス供給装置において、前記流動路は、前記内部空間に配置され、前記ガラス溶融槽から供給された前記溶融ガラスの流量を調整する複数のツイールと、前記ツイールの下流側に設けられ、前記ツイールによって流量調整された前記溶融ガラスをガラス成形炉に供給するリップと、を備え、前記ガス供給管は、前記ツイールの間に形成されるツイール空間、及び前記リップの上方に形成されるスパウト空間の少なくとも一方に前記不活性ガスを供給することが好ましい。
本構成の溶融ガラス供給装置によれば、溶融ガラスの流動路のうち、特にガラス成形炉に接続しているスパウト空間、及び当該スパウト空間と隣接するツイール空間について、流動路の内壁付近の雰囲気を安定させ、急激な圧力変化の発生を抑制することができる。このため、ベンチュリ効果による負圧によって流動路の壁部の隙間等から外部の空気が吸い込まれる虞は少ない。従って、流動路を流動する溶融ガラスにスズ結晶や粉じん等の異物が混入することが防止され、高品質なガラス製品を継続的に製造することが可能となる。
上記課題を解決するための本発明に係るガラス板製造装置の特徴構成は、上記の何れか一つに記載の溶融ガラス供給装置と、前記溶融ガラス供給装置から溶融ガラスの供給を受け、溶融金属浴上で前記溶融ガラスを板状に成形するフロートバスと、を備えることにある。
本構成のガラス板製造装置によれば、本発明の溶融ガラス供給装置を備えるため、溶融ガラスが流動する流動路の壁部の隙間等からの外部の空気の吸い込みを抑制できる。従って、スズ結晶や粉じん等の異物の溶融ガラスへの混入を予防し、高品質なガラス板を継続的に製造することが可能となる。
図1は、本発明の溶融ガラス供給装置を含むガラス製品製造装置の全体構成を概略的に示した側断面図である。 図2は、図1のガラス製品製造装置のA−A位置における平断面図である。 図3は、第一実施形態に係る溶融ガラス供給装置に設けられるガス供給管の平断面図である。 図4は、第二実施形態に係る溶融ガラス供給装置に設けられるガス供給管の平断面図である。 図5は、第三実施形態に係る溶融ガラス供給装置に設けられるガス供給管の平断面図である。 図6は、第四実施形態に係る溶融ガラス供給装置に設けられるガス供給管の平断面図である。 図7は、第五実施形態に係る溶融ガラス供給装置に設けられるガス供給管であり、図2のガラス製品製造装置のB−B位置における正断面図である。
以下、本発明の溶融ガラス供給装置に関する実施形態について、図1〜図7を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
<ガラス製品製造装置>
図1は、本発明の溶融ガラス供給装置を含むガラス製品製造装置の全体構成を概略的に示した側断面図である。図2は、図1のガラス製品製造装置のA−A位置における平断面図である。本実施形態では、ガラス製品製造装置として、ガラス製品の一つであるガラス板をフロート法によって製造するガラス板製造装置1を例示する。ガラス板製造装置1は、主に、ガラス原料を溶融して溶融ガラスGを生成する溶融室2と、溶融ガラスGを流動させて下流に搬送するフィーダー3と、溶融ガラスGを注ぐリップ4と、溶融ガラスGを拡げて板状に成形するフロートバス5とを備えている。このうち、フィーダー3及びリップ4は、本発明の溶融ガラス供給装置6における流動路を構成する。
溶融室2は、ガラス溶融槽7及び清澄槽8を備える。ガラス溶融槽7で溶融された溶融ガラスGは、下方の連通路9を通過し、清澄槽8に搬送される。清澄槽8では、ガラス原料がガラス化反応したときに発生し得る炭酸ガス等の微小気泡が除去される。清澄処理が行われた溶融ガラスGは、清澄槽8の後段に接続されたフィーダー3に送られる。
フィーダー3は、溶融室2の清澄槽8から流れ込んできた溶融ガラスGを下流に搬送する搬送流路である。フィーダー3は、例えば、流路を取り囲むように複数の耐火物を積み上げて構成される。このため、フィーダー3には、耐火物の接合部が存在し得る。リップ4は、フィーダー3の下流側に接続され、フィーダー3によって搬送された溶融ガラスGを後段のフロートバス5に供給する傾斜流路である。傾斜したリップ4の先端部4aは、後述のフロートバス5に貯留されている溶融状態の金属スズMの液面に近接しており、当該先端部4aから金属スズMの液面に溶融ガラスGが注がれる。フィーダー3及びリップ4については、「溶融ガラス供給装置」の項目で詳細に説明する。
フロートバス5は、溶融ガラスGを板状のガラスリボンRに成形するガラス成形炉であり、白金や耐火レンガ等の耐熱性材料で構成された浴槽10を備えている。浴槽10の内部には溶融状態の金属スズMが貯留され、その浴槽温度はスズの融点(約232℃)以上、通常は600〜1300℃に維持されている。フロートバス5の金属スズMの液面より上方の空間には、窒素、アルゴン等の不活性ガス、又は水素等の還元性ガスが導入され、スズ蒸気の酸化が抑制されている。フロートバス5では、リップ4から注ぎ込まれた溶融ガラスGを金属スズMの表面に拡げてガラスリボンRが生成され、このガラスリボンRを延伸ローラ(図示せず)で引っ張りながら下流に搬送することで板状に成形される。
溶融ガラス供給装置6には、フロートバス5から蒸発した金属スズMの蒸気が流入することを防止するため、窒素ガス等の不活性ガスが常に供給されている。本発明では、溶融ガラス供給装置6の内部への異物の侵入を抑制するため、溶融ガラス供給装置6に設けるガス供給管13,14の構造を工夫している。以下、本発明の溶融ガラス供給装置6について、詳細に説明する。
<溶融ガラス供給装置>
前述のように、溶融ガラス供給装置6は、フィーダー3及びリップ4によって構成される。フィーダー3は、溶融ガラスGが流動する管状の内部空間Sを有する。フィーダー3の内部空間Sには、溶融ガラスGの流量を調整するバックツイール11とフロントツイール12とが設けられる。バックツイール11及びフロントツイール12は、夫々図示しない昇降手段により上下移動可能に構成され、溶融ガラスGが通過する空間の断面積を変えることで、溶融ガラスGの流量を調整することができる。内部空間Sは、バックツイール11及びフロントツイール12によって区分されたツイール空間S1、並びにフロントツイール12の下流側に隣接するスパウト空間S2を含む。ツイール空間S1は、バックツイール11とフロントツイール12とに挟まれた空間である。ツイール空間S1には不活性ガスとして窒素ガスを供給するガス供給管13が接続されている。スパウト空間S2は、フロントツイール12の下流側に位置するリップ4の上方の空間である。スパウト空間S2には不活性ガスとして窒素ガス等を供給するガス供給管14が接続されている。ガス供給管13,14は、溶融ガラス供給装置6の内部空間S側に夫々ガス噴射口13a,14aが位置し、溶融ガラス供給装置6の外部側に夫々ガス供給口13b,14bが位置するように溶融ガラス供給装置6の壁部6aを貫通している。そして、ツイール空間S1に接続されるガス供給管13においては、ガス噴射口13aが設けられる内部空間S(S1)側の内壁(溶融ガラス供給装置6の壁部6a)付近に存在するガスの流速V1´が、ガス供給口13bにおける窒素ガスの流速V1より小さくなるよう設定されている。リップ4の上方のスパウト空間S2に接続されるガス供給管14においても、ガス噴射口14aが設けられる内部空間S(S2)側の内壁(溶融ガラス供給装置6の壁部6a)付近に存在するガスの流速V2´が、ガス供給口14bにおける窒素ガスの流速V2より小さくなるよう設定されている。ガス供給管13,14を通流する窒素ガスの流速をこのように設定することで、窒素ガスの供給中に当該窒素ガスの引き込みによるベンチュリ効果が発生し難くなり、ツイール空間S1及びスパウト空間S2において急激な圧力変化が起こり難くなる。その結果、特に、溶融ガラス供給装置6の壁部6a付近の雰囲気を安定した状態に維持することができる。このため、負圧によって溶融ガラス供給装置6の壁部6aに存在する耐火物の隙間Xから外部の空気が吸い込まれる虞は少ないものとなる。よって、溶融ガラス供給装置6を流動する溶融ガラスGにスズ結晶や粉じん等の異物が混入することが予防される。
なお、溶融ガラス供給装置6にガス供給管13,14を設置する際には、ガス供給管13,14は、溶融ガラス供給装置6の壁部6aに存在する耐火物の隙間Xから壁部6aの表面に沿って20cm以上離間させておくことが好ましい。この場合、ガス供給管13,14のガス噴射口13a,14aから吹き出される窒素ガスが耐火物の隙間X付近の雰囲気に与える影響は十分に小さくなるため、耐火物の隙間Xからの外部の空気の吸い込みを確実に低減し、異物混入によるガラス製品の品質低下を防止することができる。
<ガス供給管>
本発明の溶融ガラス供給装置6に設けられるガス供給管13,14は、上述の効果を奏するように様々な形態で構成することができる。そこで、本発明の溶融ガラス供給装置6において使用可能なガス供給管13,14の特徴的な構成を、実施形態として説明する。なお、各実施形態の説明において参照する図3〜図5は、図2において破線で囲まれた領域の構成に相当する。また、各実施形態では、代表的にツイール空間S1に窒素ガスを供給するガス供給管13について説明するが、スパウト空間S2に窒素ガスを供給するガス供給管14についても同様の構成を採用し得る。
〔第一実施形態〕
図3は、第一実施形態に係る溶融ガラス供給装置6に設けられるガス供給管13(14)の平断面図である。第一実施形態のガス供給管13は、内径D1の第一管部13cと内径D2の第二管部13dとを連結したものであり、内径D1は内径D2より大きいサイズに構成されている。ガス供給管13は、第一管部13cをツイール空間S1側に配置し、第二管部13dをフィーダー3の外部側に配置する方向で、溶融ガラス供給装置6の壁部6aを貫通している。従って、ガス供給管13は、内径D1のガス噴射口13aがツイール空間S1に開放しており、内径D2のガス供給口13bがフィーダー3の外部側に位置している。このように、第一実施形態のガス供給管13は、ガス噴射口13aがガス供給口13bより径が大きくなるよう構成されたものである。
第一実施形態のガス供給管13を使用して溶融ガラス供給装置6のツイール空間S1に窒素ガスを吹き込むと、窒素ガスが第二管部13dから第一管部13cに移動する途中で管の断面積が増大するため、窒素ガスの流速が低下する。従って、ガス噴射口13aが設けられるツイール空間S1の内壁(溶融ガラス供給装置6の壁部6a)付近に存在するガスの流速V1´は、ガス供給口13bにおける窒素ガスの流速V1より小さくなる。その結果、溶融ガラス供給装置6の壁部6aに存在する隙間Xからの外部の空気の吸い込みが低減され、異物混入によるガラス製品の品質低下を防止することができる。
〔第二実施形態〕
図4は、第二実施形態に係る溶融ガラス供給装置6に設けられるガス供給管13(14)の平断面図である。第二実施形態のガス供給管13は、ガス供給口13bからガス噴射口13aに向かう方向に連続的に拡径するよう構成されている。第二実施形態のガス供給管13は、その内径をD1からD2まで徐々に変化させたものであり、内径D1は内径D2より大きいサイズに構成されている。
第二実施形態のガス供給管13を使用して溶融ガラス供給装置6のツイール空間S1に窒素ガスを吹き込むと、窒素ガスがガス供給口13bからガス噴射口13aに移動するときに管の断面積が徐々に増大するため、窒素ガスの流速が低下する。従って、ガス噴射口13aが設けられるツイール空間S1の内壁(溶融ガラス供給装置6の壁部6a)付近に存在するガスの流速V1´は、ガス供給口13bにおける窒素ガスの流速V1より小さくなる。このため、窒素ガスの引き込みによるベンチュリ効果は発生し難く、第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、第二実施形態は、ガス供給管13の内径が連続的に変化するものであるため、ガス供給管13の内部に段差が生じない。このため、窒素ガスの圧力損失が小さく、窒素ガスの流速の低下が穏やかとなり、ツイール空間S1の気流の乱れがより少ないものとなる。
〔第三実施形態〕
図5は、第三実施形態に係る溶融ガラス供給装置6に設けられるガス供給管13(14)の平断面図である。第三実施形態のガス供給管13は、溶融ガラス供給装置6の壁部6aを貫通し、さらに、ガス噴射口13aを壁部6aからツイール空間S1へ突出するように構成したものである。
第三実施形態のガス供給管13を使用して溶融ガラス供給装置6のツイール空間S1に窒素ガスを吹き込むと、ガス供給口13bからガス噴射口13aまでは一定の流速を維持しているが、ガス噴射口13aから吹き出された窒素ガスは溶融ガラス供給装置6の壁部6aから離間しているため、ツイール空間S1の内壁(溶融ガラス供給装置6の壁部6a)付近に存在するガスの流速V1´は、ガス供給口13bにおける窒素ガスの流速V1より小さくなる。このため、壁部6a付近の雰囲気が乱されず、溶融ガラス供給装置6の壁部6aに存在する隙間Xからの外部の空気の吸い込みが低減され、異物混入によるガラス製品の品質低下を防止することができる。ここで、ガス供給管13の突出長(溶融ガラス供給装置6の壁部6aからガス噴射口13aまでの距離)は、10cm以上確保することが好ましい。この場合、溶融ガラス供給装置6の壁部6a付近において負圧が殆ど発生せず、溶融ガラス供給装置6の壁部6aに存在する隙間Xから外部の空気が吸い込まれることが確実に防止される。なお、第三実施形態におけるガス供給管13についても、第一実施形態及び第二実施形態と同様に、ガス噴射口13aがガス供給口13bより内径が大きくなるよう構成することも可能であり、その場合、溶融ガラス供給装置6の壁部6a付近の雰囲気をより安定化することができる。
〔第四実施形態〕
図6は、第四実施形態に係る溶融ガラス供給装置6に設けられるガス供給管13(14)の平断面図である。第四実施形態のガス供給管13は、管体を途中で分岐させ、一つのガス供給口13bに対して複数のガス噴射口13aを備えるよう構成されたものである。この場合、夫々のガス噴射口13aの断面積は、ガス供給口13bの断面積と同等か、あるいはガス供給口13bの断面積より大きくなるよう設定される。
第四実施形態のガス供給管13を使用して溶融ガラス供給装置6のツイール空間S1に窒素ガスを吹き込むと、窒素ガスは複数のガス噴射口13aから分散して穏やかに噴射されることになるため、ガス噴射口13aが設けられるツイール空間S1の内壁(溶融ガラス供給装置6の壁部6a)付近に存在するガスの流速V1´は、ガス供給口13bにおける窒素ガスの流速V1より小さくなる。このため、窒素ガスの引き込みによるベンチュリ効果は発生し難く、第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
〔第五実施形態〕
図7は、第五実施形態に係る溶融ガラス供給装置6に設けられるガス供給管13であり、図2のガラス製品製造装置のB−B位置における正断面図である。上記第一実施形態〜第四実施形態では、フィーダー3にガス供給管13(14)を設けるに際し、ガス噴射口13aから窒素ガスが噴射される方向を溶融ガラスGの液面(すなわち、水平面)に略平行な方向としているが、第五実施形態では、図7のように、水平面より上方に窒素ガスが噴射されるようガス噴射口13aを上向きに設定している。この場合、窒素ガスは溶融ガラスGに直接当たらないように吹き込まれるので、ガラス生地の局所的な温度低下を抑制することができる。
〔別実施形態〕
(1)上述の第一実施形態〜第四実施形態では、ツイール空間S1に接続されるガス供給管13と、スパウト空間S2に接続されるガス供給管14とを同じタイプのものとしているが、夫々の空間において異なるタイプのガス供給管を設けることも可能である。例えば、スパウト空間S2は、フロートバス5から蒸発した金属スズMの蒸気が特に流入し易い位置にあるため、スパウト空間S2内の気流の乱れがより少なくなるよう内径が連続的に変化する第二実施形態のガス供給管14を設置し、ツイール空間S1については、比較的容易に製作可能な二つの管部を連結した第一実施形態のガス供給管13を設置することができる。
(2)上述の第一実施形態、第二実施形態、及び第四実施形態では、ガス供給管13(14)のガス噴射口13a(14a)は、溶融ガラス供給装置6の壁部6aに埋め込まれるよう配置されているが、第三実施形態と同様にガス噴射口13a(14a)を壁部6aから内部空間Sへ突出するよう構成することも可能である。この場合、溶融ガラス供給装置6の壁部6a付近の雰囲気をより安定化することができる。
(3)上述の第一実施形態〜第四実施形態では、ツイール空間S1及びスパウト空間S2に夫々ガス供給管13(14)が一つずつ設置されているが、ガス供給管13(14)の設置数は、ガラス製品製造装置の規模、製造条件、設置環境等に応じて、適宜変更可能である。また、ガス供給管13(14)を設置する場所についても、上記の諸条件に応じて、適宜変更可能である。
本発明の溶融ガラス供給装置は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、太陽電池パネル用ガラス基板等に利用される各種ガラス板をフロート法によって製造するガラス板製造装置に適用されるものであるが、その他のガラス製品製造装置において溶融ガラスを供給する用途にも適用することができる。
3 フィーダー(流動路)
4 リップ(流動路)
5 フロートバス(ガラス成形炉)
6 溶融ガラス供給装置
6a 壁部
7 ガラス溶融槽
11 バックツイール
12 フロントツイール
13,14 ガス供給管
13a,14a ガス噴射口
13b,14b ガス供給口
S 内部空間
S1 ツイール空間
S2 スパウト空間
G 溶融ガラス
M 金属スズ

Claims (7)

  1. ガラス溶融槽で溶融した溶融ガラスを溶融金属浴の上に供給する溶融ガラス供給装置であって、
    前記溶融ガラスが流動する内部空間を有する流動路と、
    前記内部空間に不活性ガスを供給するガス供給管と、
    を備え、
    前記ガス供給管は、前記流動路の前記内部空間側にガス噴射口が位置し、前記流動路の外部側にガス供給口が位置するように前記流動路の壁部を貫通し、前記ガス噴射口が設けられる前記内部空間側の前記流動路の内壁付近に存在するガスの流速が、前記ガス供給口における前記不活性ガスの流速より小さくなるよう設定され
    前記ガス供給管は、前記ガス噴射口が前記ガス供給口より径が大きくなるよう構成されている溶融ガラス供給装置。
  2. 前記ガス供給管は、前記ガス供給口から前記ガス噴射口に向かう方向に連続的に拡径するよう構成されている請求項1に記載の溶融ガラス供給装置。
  3. 前記ガス噴射口は、前記流動路の内壁から前記内部空間へ突出して設けられる請求項1又は2に記載の溶融ガラス供給装置。
  4. 前記ガス供給管は、一つのガス供給口に対して複数のガス噴射口を備える分岐管であり、夫々のガス噴射口の断面積は、前記ガス供給口の断面積と同等、あるいは前記ガス供給口の断面積より大きくなるよう構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の溶融ガラス供給装置。
  5. 前記ガス噴射口は、水平面より上方に前記不活性ガスの噴射方向が設定されている請求項1〜4の何れか一項に記載の溶融ガラス供給装置。
  6. 前記流動路は、
    前記内部空間に配置され、前記ガラス溶融槽から供給された前記溶融ガラスの流量を調整する複数のツイールと、
    前記ツイールの下流側に設けられ、前記ツイールによって流量調整された前記溶融ガラスをガラス成形炉に供給するリップと、
    を備え、
    前記ガス供給管は、前記ツイールの間に形成されるツイール空間、及び前記リップの上方に形成されるスパウト空間の少なくとも一方に前記不活性ガスを供給する請求項1〜5の何れか一項に記載の溶融ガラス供給装置。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の溶融ガラス供給装置と、
    前記溶融ガラス供給装置から溶融ガラスの供給を受け、溶融金属浴上で前記溶融ガラスを板状に成形するフロートバスと、
    を備えるガラス板製造装置。
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