JP6205367B2 - 衝突セル多重極 - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析計内の衝突セル多重極およびその関連方法に関する。用語「衝突セル」は衝突および/または反応セルを意味するために本明細書では使用される。本発明は、LC−MS、GC−MS、LC−MS環境またはGC−MS環境におけるフラグメンテーション(MS/MS)を含む様々な質量分析技術と共に、または衝突活性化、イオン−イオン、イオン−電子、イオン−光子またはイオン−中性物相互作用によるフラグメンテーションなどを含む任意のタイプの反応のための反応セルとして、使用され得る。EI、MALDI、ICP、MIP、FAB、SIMSを含む真空中のイオン化だけでなくICP、MALDIまたはESIなどのAPI(大気圧イオン化:atmospheric pressure ionization)である可能性がある衝突セルの動作はイオン源の性質と無関係であるが、以下の論述は誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS:inductively coupled plasma mass spectrometry)を使用する実施形態に焦点を合わせる。
ICP−MSの一般的原理は周知である。ICP−MS機器は、1兆分率(PPT:part per trillion)範囲以下までの試料の頑強かつ高感度な元素分析を可能にする。通常、試料は溶液または懸濁液であり、搬送ガス(通常はアルゴンまたは時にヘリウム)中の煙霧の形で噴霧器により供給される。霧状化された試料は、通常それぞれのチャネルを形成する多くの同心管を含む螺旋状誘導コイルにより下流端部に向かって囲まれるプラズマトーチ内に入る。プラズマガス(通常はアルゴン)は外側チャネル内に流れ、放電がそれに印加され、プラズマガスの一部をイオン化する。高周波電流がトーチコイルに供給され、その結果の交番磁界が自由電子を加速させ、プラズマガスのさらなるイオン化を引き起こす。この処理は、通常5,000K〜10,000Kの温度において、安定したプラズマ状態が実現されるまで続く。搬送ガスと霧状化された試料は中央トーチチャネルを貫流し、温度が試料の原子化と次にイオン化を引き起こすのに十分高いプラズマの中央領域内に入る。
プラズマ中の試料イオンは次に、特に四重極質量分析器、磁気および/または電気扇形分析器、飛行時間分析器、またはイオントラップ分析器により提供され得る質量分析計によるイオン分離および検知のために、イオンビーム状にされる必要がある。これは通常、減圧段階、プラズマからのイオンの抽出段階、イオンビーム形成段階など多くの段階を含み、可能性として干渉するイオンを除去するための衝突/反応セル段階を含み得る。
上記分析器特に四重極などの比較的低い質量分解能装置で遭遇する問題は、いくつかの検体イオンの検知に干渉する不要な人為産物イオンの質量スペクトルにある。人為産物イオンの識別と割合は、プラズマ支援ガスと元の試料の両方の化学組成に依存する。干渉イオンは通常はアルゴンベースイオン(Ar、Ar 、ArOなど)であるが、イオン化金属酸化物、金属水酸化物、または溶液のマトリックスに応じてマトリックスイオン(例えば、HCl(塩酸)溶液中のArCl、ClO)を含む分子など他のものを含み得る。衝突/反応セルはセル内に導入されるガスとのイオン衝突/反応を促進するために使用され、それによって、不要な分子イオン(およびAr)が優先的に、他の中性ガス成分と共に中和され汲み出される、またはより低い質量電荷比(m/z)のイオン中に分離され、下流のm/z識別段階において排除される。
衝突セルは、イオンが透過されるほぼ気密な筐体であり、イオン源と主質量分析器との間に位置する。特に水素またはヘリウムなどの衝突/反応標的ガスがセル内に供給される。セルは通常、通常は無線周波数(RF)唯一モード(radio frequency(RF)−only mode)において操作される多重極(例えば、四重極、六重極または八重極)を含む。一般的に言えば、RF唯一場(RF−only field)は、分析用四重極のように質量を分離しないが、多重極軸に沿ってイオンを集束し誘導する効果がある。イオンは衝突/反応ガスの分子と衝突して反応する。様々なイオン分子衝突および反応機構により、干渉イオンは優先的に、非干渉中性種、または検体イオンと干渉しない他のイオン種に変換される。
衝突セルから排出される人為産物または反応生成物イオンを識別するための追加の技術は、運動エネルギー識別によるものである。この技術の原理は、より大きな多原子干渉イオンが衝突セル内に衝突のためのより大きな断面を有するので検体イオンが失うより大きな運動エネルギーを通常失うということである。分析用四重極などの下流装置を起動することにより、または衝突セルより大きな正電位で単に電気的バイアスをかけられた孔により、運動エネルギー障壁が設けられる。高エネルギー検体イオンはこの障壁を乗り越えることができ、一方衝突セル生成イオンは妨げられる。
多重極ロッドを使用する衝突セルのいくつかの例は以下の通りである。米国特許第5,767,512号明細書は搬送ガスイオンの電荷移動ガスとの選択的中和に関する。国際公開第00/16375A1号パンフレットは不要な人為産物イオンを試薬ガスと相互作用させることによりそれらを選択的に取り除くために衝突セルを使用することに関する。米国特許第6,140,638号明細書は通過帯域による衝突セルの動作に関する。米国特許第5,847,386号明細書、米国特許第6,111,250号明細書および米国特許出願公開第2010/0301210A1号明細書は、衝突セル内のロッド上のDC軸方向場勾配の使用に関する。米国特許第5,939,718号明細書と米国特許第6,417,511号明細書は2つ以上の多重極のアセンブリまたは多重極とリングスタックのアセンブリなど様々なアセンブリに関する。米国特許第5,514,868号明細書と米国特許第6,627,912号明細書は運動エネルギーフィルタリング方法に関する。
上記を考慮して、下流質量分析器に向かう干渉種を低減またはその通過を防止する一方で検体イオンを効率的に透過することができる代替および/または改良型衝突セル多重極を提供することが望ましいだろう。本発明は、改良型または代替多重極およびその関連方法を提供することにより上記および他の目的に対処することを目的とする。
本発明の一態様によると、中心軸の周囲に配置された複数の多重極電極を含む衝突セル多重極であって、多重極電極の少なくともいくつかはそれぞれの第1の部分、第2の部分、およびその間の中間部分を有し、中間部分はそれぞれの第1の部分と第2の部分より中心軸の半径方向に近い、衝突セル多重極が提供される。
このようにして、本構成は、入口端における高アクセプタンス、より低いm/z値イオンを通すための比較的高い周波数における動作、およびより低いm/zイオンを排出するためおよびバックグラウンド干渉種を除去するための縮小直径領域を提供することができる。しかし、これらの利点に加えて、狭い領域の下流に増大直径領域を設けることで、衝突セルからの、下流側のイオンの透過を改善する。
本発明の実施形態は、その長さに沿って変化するq値を備えたRF唯一多重極(RF−only multipole)を提供することができる。好適には、q値は多重極の入口端における第1の比較的低い値から第1の値より比較的高い少なくとも第2の値まで変化する。このようにして、比較的高いアクセプタンスおよびイオン透過が実現され得、一方また、不要でかつ可能性として干渉するイオンを除去しバックグラウンド計数の低減を支援するための低質量カットオフ(low−mass cut−off)を実現し得る。好ましい実施形態では、下流側でq値にさらなる変更がなされ、これにより、q値は多重極の出口端において第3の比較的低い値(好適には第1のq値と同じ)に変化する。
本発明の別の態様によると、第1の部分と、第2の部分と、それらの間の中間部分とを含む多重極を衝突セル内で操作する方法であって、第1と第2の部分を中間部分における第3のq値より低いそれぞれ第1と第2のq値で操作する工程を含む方法が提供される。
本発明の別の態様によると、衝突セル内で多重極を操作する方法であって、多重極内のq値を第1の値から少なくとも第2の値へ変化させることにより多重極の低質量カットオフを制御する工程を含む方法が提供される。
有利には、衝突セルはほぼ気密な筐体として提供される。
本発明の他の好ましい特徴および利点は、本明細書および添付される従属請求項に明示される。
本発明は多くのやり方で実行され得、いくつかの実施形態について以下の添付図面を参照して単に非限定的例として説明する。
a−q空間における安定線図を示す。 標準モードにおけるイオン透過のプロットを示す。 衝突モードにおけるイオン透過のプロットを示す。 一実施形態による階段状多重極を示す。 静的電位のシミュレーションを示す。 図5の一部の拡大図を示す。 標準モードにおける階段状多重極内のシミュレーションイオン軌道を示す。 衝突モードにおける階段状多重極内のシミュレーションイオン軌道を示す。 衝突モードにおける階段状多重極内のシミュレーションイオン軌道を示す。 一実施形態による傾斜階段状多重極を示す。 一実施形態による傾斜多重極を示す。 一実施形態による半径方向に狭い電極を示す。 一実施形態による中心階段状多重極を示す。 一実施形態による湾曲多重極を示す。 標準モードにおける様々な多重極構成のイオン透過のプロットを示す。 衝突モードにおける様々な多重極構成のイオン透過のプロットを示す。 様々な多重極構成の連続的バックグラウンド計数のプロットを示す。 湾曲多重極と階段状多重極におけるシミュレーションイオン軌道を比較する。 様々なm/zイオンの湾曲多重極におけるシミュレーションイオン軌道を比較する。 一実施形態による概略安定線図を示す。 一実施形態による質量分析計を概略的に示す。 一実施形態による対象の質量と印加RF振幅のプロットを示す。 一実施形態による質量分析計を概略的に示す。
質量フィルタまたはイオンガイドとして使用される四重極は、今日、質量分析アプリケーションにおいて一般的である。この装置の一般的概要は「The Quadrupole Mass Filter:Basic Operating Concepts」、Miller and Denton;pp.617−622,vol.63,no.7,July 1986に記載されている。知られているように、四重極質量分析器のフィルタリング作用は、時変無線周波数(RF)電位と静的DC電位の四重極のロッドへの印加により実現される。同じRF電位が四重極内の対向するロッド対に印加され、一方のロッド対上のRF電位は他方のロッド対に印加されるRF電位と180°逆相である。正のDC電位がロッド対の一方に印加され、負のDC電位がロッド対の他方に印加される。四重極内のその結果の電場は、選択されたイオンだけが安定した軌道で通過できるようにし、一方、不安定な軌道を有するイオンを半径方向に移動して、電極との衝突によりそれらをイオンビームから除去する。
四重極内のイオンの振る舞いに対する完全解の計算は複雑であるが、2つのパラメータaとqを定義し、イオンの運動方程式に対する解が安定するa−q空間に領域をプロットすることにより問題を簡単化することが可能である。パラメータaとqは下式となるように定義される。

および

ここで、eは粒子上の電荷、Uは印加DC電位の大きさ、Vは印加RF電位の大きさ、ωは印加RF電位の角周波数(2πf)、rは四重極場半径(四重極の中心軸から四重極の各電極までの距離)であり、mはイオンの質量である。
図1に、上記論文に示されるようなa−q空間内の安定線図の例を示す。四重極がパラメータa−q関係線形性により操作される(すなわち、比a/qが一定となるように、比U/Vも一定に保持されるように)と、線の勾配が質量走査線を表す。質量走査線が安定性グラフの先端またはその近くを横切るように配置されれば、先端を通過する特定の質量−電荷比は安定した軌道を有し、他のイオンは安定した軌道を有しない。VとUの比を一定に保ちながらVとUを同時に増加させることにより、質量走査線上に表された質量の大きさは増加し、その結果質量スペクトルが得られ得る。比U/Vが低下されれば、質量走査線は安定性グラフのより広範囲の領域を通過し、その結果四重極の質量分解能が低下される。
このような四重極が衝突セル内で操作される場合、四重極は通常RF唯一電位(DC電位無し)により操作され、その結果、四重極は通常、衝突セルを通過するイオンのイオンガイドとして働く。図1に示す安定線図の観点では、これは、パラメータaを0(U=0であるので)に設定することと等価である。図1に示すように、質量走査線は、0の勾配を有しa=0において軸に交差するa−q空間内の線により表される。したがって、四重極は比較的広い安定性領域でもって動作し、その結果、質量走査線の大部分は安定軌道の領域内に入る。しかし、図1内の挿入図Bからから分かるように、RF唯一モードで動作する四重極はハイパス質量フィルタであり、ある値未満のm/zのイオンを排除する。図1に示す例では、15を越えるm/z値は通過され、一方14以下のm/z値は不安定であり除去される。当然、様々なパラメータと動作条件がハイパスフィルタの範囲に影響を与えることになる(ICP−MSの質量範囲は通常、約4u〜約280u(uは統一原子質量単位、時にDaと呼ばれる)の範囲にある)。図1に示すように、約0.91を越えるqの値では、イオンはRF唯一四重極内で不安定になる。
中質量から高質量(数千〜数百u)のイオンを満足に透過するように動作するRF唯一四重極を有する衝突セルを有する質量分析計を操作中に、発明者らは、運動エネルギー識別(KED:kinetic energy discrimination)モードで操作された場合Liなどの低質量元素が衝突セル中を透過しないということを発見した。これに対処するために、所与の質量について、発明者らはqの値を低減しようとした。これは、1MHzの代わりに3MHzのより高い周波数で四重極を操作することにより達成された。図1の安定線図から、周波数を増加させると、より低い質量のイオンは四重極の安定性領域内に存在するq値を有することができるということがわかる。
本明細書では、標準(STD)モードはその中に衝突/反応ガスを有しない衝突セルの操作である(すなわち全透過モードにおける)。衝突セル技術(CCT:collision cell technology)モードは、その中に衝突/標的ガスを有する衝突セルの操作であるが、運動エネルギー識別は無い。運動エネルギー識別(KED)モードは、その中に衝突/標的ガスを有し、衝突セルの下流に運動エネルギー障壁を適用する衝突セルの操作である。
図2と図3に、1MHzと3MHzで動作する衝突セル内の四重極により得られた測定結果の比較を示す。図2は標的(衝突または反応)ガスの無い衝突セルの動作を表し、図3はこのような標的ガスを有する動作および運動エネルギー識別モードでの動作を表す。図から分かるように、いずれの場合も、1MHzと比較して3MHzではすべての検体の大きな透過があった。例えば、リチウムについては、図2は1MHzにおいて約120kcpsそして3MHzにおいて約185kcpsの計数率を示し、一方図3は1MHzにおいて零計数率そして3MHzにおいて約300cpsの計数率を示す。このとき、周波数の増加がLiなどの低質量のイオンの透過の増加を可能にするということがわかる。
しかし、低質量検体イオンの透過を増加させるにもかかわらず、衝突セル内またはその出口に形成されたバックグラウンドイオンがセルと下流側から不要に排出されたということも分かった。例えば、より高い周波数および同じRF振幅により、q値はより高い質量に対してはより低くなり、その結果、例えば重金属の分析に対して最適となる異なる設定では、40Arと他の高強度(優勢)質量はもはや四重極により排除されないということが理解される。一方、低質量イオンが分析の標的である場合、それらを完全に通過させることができることが望ましいことが留意される(これは、電圧(すなわち、RF振幅、V)をそれに応じて調整することにより達成される)。一方、分析対象がすべての重金属にわたる(例えば鉄(m/z=56)またはV、Cr、Mnからウラニウム(m/z238)またはさらに高いアクチノイドまで)高質量を有する場合、比較的低い質量の干渉(特にアルゴン)を排除することができることが望ましい。通常、衝突セルの下流では、透過イオンは、質量分析器に入る前に例えば2重偏光レンズ中に加速されることなどにより、衝突セルから発する中性ガスからイオンを分離するように働くイオン光学装置を通して透過される。この領域では、不都合なことに、イオンのいくつかは中和され、高速中性物として質量分析器(通常四重極質量フィルタ)を通って検出器に入り得る。これは、標準モード(すなわち、衝突セル内に標的ガスの無い非CCTモード)では約5〜10cpsの連続的バックグラウンド計数に至る。バックグラウンド計数は衝突セル中を透過される合計イオン電流に比例し、衝突セル内のガス圧にも比例する。したがって、Ar、O、Nなどの不要イオンの透過の増加により、高速中性物の生成の全面的増加としたがってバックグラウンド計数の増加が生じる。1MHzで動作する場合、元の構成では、四重極はこのような質量値を通常通さなないq値で操作されたのでこのバックグラウンド計数の増加は無かった(qの変化が、40Arと他の干渉種のより大きな透過を引き起こしこの効果をもたらしたと考えられる)。
従来の衝突セル(r=4.5mm)の四重極がさらに高い周波数4.5MHzで操作された場合、同様な発見がなされた(すなわちイオン透過が増加した)がバックグラウンド計数は増加した。したがって、これに対処する試みでは、r=2mmとV=4.5MHzで操作される四重極ロッドにより別の試験が行われた。しかし、この場合、イオンの透過は従来のセルと比較して70%まで削減されることが分かった。小さな質量におけるイオンの透過は同等だったが、衝突セル上の−10V未満の強い負バイアス電圧が必要であることが分かった。さらに、KEDモードにおける感度は標準セルによるものよりも低く、マトリックス回収(matrix recovery)(すなわち、検体イオンの感度に対する影響、例えば様々な濃度のマトリックス溶液中のCo、例えばブランク溶液に対し100ppmまたは1000ppmのニッケル溶液)もまた標準衝突セルによるものほど良好ではない。これらの影響は衝突セルの空間電荷により引き起こされたということが理解される。
より高い周波数であるがより下側の内側四重極半径(lower inner quadrupole radius)により四重極を操作することに成功しなかったので、本発明者らは、入口端における内側四重極半径が下流端部方向の内側四重極半径より大きい階段状四重極を考案した。このようにして、本発明者らは、四重極内へのおよびそれを通るイオン透過を改善するために、四重極が衝突セルの入口において高アクセプタンスを有し得る(すなわち、四重極の入口端における漏れ電界からの影響が低減されたまたはその影響がほぼ無い状態でイオンが四重極を通過することができるように)と考えた。同時に、四重極の動作周波数の増加を考慮するために、本発明者らは、下流端部におけるロッド間のより小さな半径が衝突セル内に形成される低質量イオンを除去するのを助けると考えた(すなわち、目下の関心のm/zより著しく低いm/z値;通常、これは、Arまたは、Ar、NまたはOを含む化合物の除去を意味する)。四重極の入口におけるより大きな半径領域はより低い低質量カットオフを有する(すなわち、より低いm/z値のイオンを通す)が、これはまた衝突セル内に形成された低質量イオンが透過されるということを意味するであろう。したがって、四重極の下流端部におけるより小さな半径領域はより高い低質量カットオフを有する(すなわち、より高いm/z値を有するイオンを通す)。この構成は、四重極のハイパス質量フィルタ特性と低質量ストップバンド特性との間により広い遷移域を設け、衝突セル内に形成された不要なイオンの抑制または削減を実現するものと概ね理解される。
図4に、入口孔20と出口孔30とを備え四重極40を含む衝突セル10を概略的に示す。同図はセルの断面を示すので2つの対向ロッド40a、40bだけが示される。各ロッド40a、40bは下流方向に階段状であり、この場合2つの段差44と46を有する。四重極ロッド40aの第1の上流部42は、四重極がその周囲に配置される中心軸から第1の半径方向距離rに配置される。第1の部分42の下流の第2の部分44は中心軸に向かう半径方向に階段状であり、rより短い軸から半径方向距離rに構成される。第2の部分44の下流の四重極ロッドの第3の部分46は、中心軸に向かう第2の段差で設けられ、rとrの両方より短い軸から半径方向距離rに構成される。図4に示す構成では、r=4.5mm、r=3.75mm、r=3.0mmである。各ロッドの全軸長は133mmであった。
しかし、四重極内の段差の存在により中心軸に沿った擬似電位障壁を生じ、イオンを遅らせるまたはさらには反射する可能性がある軸方向力をもたらす。その結果、低質量イオンは、無段差の四重極内においてだけでなく階段状四重極中にも透過されない。
図4の四重極内の静的電位場のシミュレーションを図5に示し、階段状領域のうちの1つの領域の拡大図を図6に示す。図から分かるように、四重極内の段差は、特にロッド近くに、イオンを反射するまたは減速することができる反発電場を生成する。
これをさらに調査するために、イオン軌道シミュレーションが、多重極の上流部について、r=4.5mm、r=3.0mm、V=3MHz、q=0.47で操作される下流端部に単一段差を有する四重極により行われた。図7に、衝突セルが標準モード(すなわち、標的ガス無し)で操作される場合のシミュレーションを示す。図から分かるように、より高いm/zイオンは透過されるが、低エネルギーイオン(通常、低m/z値イオン)は段差において反射される。図8に、衝突セルがCCT(衝突セル技術(collision cell technology);セル中に標的ガス)モードで操作される場合のイオン軌道シミュレーションを示す。この場合、衝突セルには3Paの圧力でヘリウムが供給され、−21Vのバイアス電圧が衝突セルに印加される。ここでは、リチウムは、衝突セル内でほぼ完全に排除されるので、事実上衝突セルから排出されることができないということがわかる。図9に、またCCTモードのものであるが圧力が2Paまで下げられたイオン軌道シミュレーションを示す。図から分かるように、再び、イオンは、四重極の半径急変部において大きく反射されるのでほとんどのイオンは衝突セルを通過しない。
階段状四重極ロッドから生じる擬似電位障壁の影響に対処するために本発明者らにより考えられた1つのやり方は、図10に概略的に示すように段差間に傾斜遷移域を設けることにより半径の変化の突発性を「和らげる」すなわち滑らかにすることである。ここで、2つの段差部44と46を有する四重極ロッドは段差内に傾斜遷移域43と45を備える。
この原理をさらに採用し、図11に、その入口端に最大半径とその出口端に最小半径を有する軸方向に傾斜した内側ロッド表面62を有する四重極ロッド60を有する四重極を示す。このようにしてほぼ一定の勾配を有する表面62により、擬似電位障壁反射は最小化されるまたは少なくとも低減されるはずである。
半径方向に増加する各ロッドの厚さにより、中心軸からの縮小された直径の領域または領域群において、いくつかの実施形態では、ロッドは多重極のそれぞれの軸の周囲に十分な空間があるように中心軸に向かう半径方向に狭くなり得る。図12に、図11に示す構成の使用に好適なこのような先細りのまたは狭くされた電極を示す。図12aに、中心軸から見られるであろう四重極ロッド70の平面図を示す(すなわち、中心軸に対向するロッド70の部分)。図12bに、使用時は中心軸から最も遠い半径方向に配置される矩形立方部分72と中心軸に最も近い半径方向に配置される楔部分74とを有するロッド70の側面図を示す。図12cはロッド70の上流端70aからの立面図を示し、図12dはロッドの下流端部70bからの立面図を示す。図から分かるように、半径方向の内側部分74は、第1の幅W1から、ロッドが中心軸に対して半径方向に近づく下流端部に向かって第2の幅W2(W1未満)まで狭くなる。これにより、四重極の4つのロッドが、中心軸の周囲に十分な空間をもって対称的に配置されるようにする。
ロッドの狭い部分を設けることに対する1つの代替案は、ロッドを四重極内の内接半径がより大きい場所で(すなわち、上流入口端において)さらに離間することである。しかし、この構成は、イオンが衝突セルの周囲材料からの電界により影響を受ける可能性を含む多くの欠点を有する。
その下流端部に向かって階段状である四重極から生じる擬似電位障壁の影響に対処するための別の実施形態を図13に示す。この実施形態では、段差部はロッドの中間部とその周囲に構成される。このようにして、本構成は、入口端における高アクセプタンスと、低m/z値イオンを通すために比較的高い周波数における動作と、低m/zイオンを排出するためのおよびバックグラウンド干渉種を除去するための縮小直径領域とを提供することができる。しかし、これらの利点に加えて、狭くされた領域の下流に増大直径領域を設けることにより、衝突セルからの、下流側のイオンの透過を改善する。この効果に対する一つ寄与は、イオンが下流端部における実効電位の勾配により加速されることから生じ得る。これは、軸外であるイオンの(極僅かな)加速を実現し得る(実効勾配は回転対称軸に沿って零であり、ロッドに向かって増加する)。しかし、計算は、この加速効果が実際には無視できないにしろ非常に小さいことを示す。この形状の好ましい効果の理由は十分には理解されていない。高周波加熱を低減することにより、イオン軌道が下流側開口部を通過するときに直線のままにして、衝突セルの下流で低イオン損失を与えるようにする。この効果は、以下に論述される図18に示される。
図13を参照すると、入口孔20と出口孔30とを備え四重極80を含む衝突セル10が概略的に示されている。同図は、セルの断面を示すので2つの対向ロッド80a、80bだけが示される。各ロッド80a、80bは、四重極の中心軸に向かう半径方向に延びる多くの段差を含む。この場合、四重極の中心に対し(長手方向に)対称的に配置された5つの段差82〜90が存在し、中央段差86はその隣接する段差84、88より、中心軸に半径方向に近く、段差84、88自体は、四重極の最も外側の段差82と90より、中心軸に半径方向に近い。言い換えると、四重極の上流端における第1の段差82は中心軸から第1の半径方向距離rに構成され、第1の段差82に隣接しその下流の第2の段差84は中心軸から第2の半径方向距離rに構成され、第2の段差84に隣接しその下流の第3の段差86は中心軸から半径方向距離rに構成され、第3の段差86に隣接しその下流の第4の段差88は中心軸から半径方向距離rに構成され、第4の段差88に隣接しその下流の第5の段差90は中心軸から半径方向距離rに構成される。rは最短距離であり、rとrは最長距離である。図13に示す実施形態では、r=r=4.5mm、r=r=3.75mm、r=3.0mmである。軸方向の各四重極ロッドの全長は133mmである。RF振幅Vは好ましくは400Vである。知られているように、RF振幅は、図22のプロット内に一例として示されるように、対象のm/zに応じて調整され得る。ここで、3つの異なるプロットは、(1)標準モードにおける動作、(2)CCTモードにおける動作、(3)KEDモードにおける動作についての、対象のm/zを変化させたときのRF振幅Vの変動を表す。プロット(1)と(2)について、電圧振幅は、質量と共に急速に上昇し、標的質量に比較的近い(しかし未満の)低質量カットオフを与え、最大振幅に達するまで、より高い質量の範囲の透過を可能にする一方で、通常は、不要な質量(特に40Ar)を排除する低質量カットオフに対応する。したがって、実施形態は、このように動作し、低質量カットオフを第1の質量範囲(例えば、ほぼm/z=80まで)にわたって標的質量近くに維持し、次に、第2のより高い質量範囲にわたって、比較的安定した平坦な(緩やかに増加するだけの)低質量カットオフを与えるように構成され得る。これは、低質量干渉を排除するという点と高質量を周期的に繰り返す際にRF振幅の切り換えを必要としないという点で有利になりえる。
図14に、内側多重極半径が多重極の入口端からその中心まで狭くなり、次にその下流の出口端まで再び広くなる別の実施形態を示す。この実施形態では、半径の変化は各電極の湾曲面により与えられる。モデル化は、前の実施形態の段差部が、滑らかに湾曲する形状を有する多重極電極より低いエネルギーでもってより多くのイオンを反射または遅らせる傾向があることを示した。図14aに、中心軸から見られるであろう電極100の平面図を示す。図14bに、電極100の側面図を示す。同図から、電極100は、使用時に多重極の中心軸に半径方向により接近して配置されるほぼ矩形立方部分102と凸状湾曲部104とを含むということがわかる。図14の実施形態では、湾曲部104はまた、中心軸の方向に狭くなるまたは先細りになり、ロッドが、使用時は軸の周囲に収容されるようにする。いくつかの実施形態では、湾曲部をこのようにして狭くするまたは先細りにする必要が無いかもしれない。さらに、図14の実施形態では、湾曲部104はほぼ矩形立方部分102の端まで十分には延びていないということが分かるが、他の実施形態では湾曲部は電極100の全長に沿って延び得る。当然、電極は通常、各端部に位置し絶縁ロッドホルダにより適所に保持されるので、ロッドの各端部に向かう非湾曲部を設けることでこのようなホルダ内の係合を容易にし得るということが理解される。
湾曲電極100は、方法に依存するが、前の実施形態の階段状電極より製造が通常は容易であるということに注意すべきである。電極の典型的な材料は(ステンレス)鋼、時に、モリブデンまたはチタンであるが、炭素または被覆ガラスを含む多くの材料が使用され得る。多重極をまとめて保持する多くのやり方が知られている。例えば、様々な種類のホルダに糊付け、クランピング、またはボルト締めする、または筐体(通常は、ガス圧の高い領域を設定するためにまたは周囲ガス(例えば、H、He、NH、Nなど)と異なる衝突/反応ガスを閉じ込めるために存在する)内に直接まとめて保持することが挙げられる。製造方法としては、切削、研削、浸食、鋳造、研磨、またはそれらの組み合わせ、およびその他の多くの方法が挙げられる。現在、好ましい方法は、電極が所望の形状に研削されることであるので、様々な箱、円錐、円柱、球などの組み合わせおよび断面に従う形状を有することが有利である。
図14に示す実施形態では、各ロッドの上流端と下流端が中心軸から4.5mmの半径方向距離にあり、各ロッドの中心(すなわち、湾曲部104の中心軸に最も近い部分)が中心軸から3.0mmの半径方向距離に構成されるように、電極100は中心軸の周囲に配置される。湾曲部の中心からの半径は4.5mmの外径に向かって滑らかに変化する。電極100の全長は好ましい実施形態では133mmである。当然、他の実施形態では、これらのパラメータについて異なる値が使用され得、湾曲部の異なる曲率が選択され得るということが理解される。これらの変数の選択は、容易に理解されるようにイオン軌道シミュレーションの助けを借りて行われ最適化され得る。
図15と図16に、a)直線ロッドを有する四重極、b)5つの段差を有する四重極(図13に示すような)、c)湾曲電極を有する四重極(図14に示すような)を使用した衝突セル中のイオン透過の比較を示す。図15では衝突セルは標準モードで操作され(すなわち、標的ガスの添加無し)、図16では衝突セルはKEDモードにおいて2.5Paの圧力でヘリウムの標的ガスにより操作された。図から分かるように、すべての検体イオンについて、標準モードとCCTモードの両方では、イオン透過は、階段状電極と比較して湾曲電極がより良好である。実際、湾曲四重極の透過は、すべてのモードにおいて直線ロッドの透過と同等である(しかし、KEDモードにおけるLiのイオン透過はいくぶん低いということに注意すべきである)が、また同時に良好なバックグラウンド低減を実現することができる。したがって、四重極の半径方向に狭くされた領域を衝突セルの中心へ移動させることにより、Liの透過と全体的透過とを同様に改善することが可能である。
図17に、a)中心軸から4.5mmに設定された直線ロッド、b)4.5mm〜3mmの半径を取る単一の下流段差を有するロッド、c)4.5mm〜3.75mm〜3mmの半径を取る2つの下流段差を有するロッド、d)入口端の4.5mmから中心部の3mmへ変化し、出口端で4.5mmへ戻る半径を有する湾曲ロッドを有する四重極についての、計測データと、異なるm/z値に対して測定された連続的バックグラウンド計数のプロットとを示す。図から分かるように、3MHzの高い周波数で操作された直線ロッドによるバックグラウンド計数は6cps以上のバックグラウンド計数率に至った。電極ロッドの段差または湾曲部の設置は、バックグラウンド計数を著しく低減する(通常は毎秒約1以下まで)。したがって、より高い周波数RF電圧を電極に印加することと、多重極の中心部およびその周囲における電極の内径を狭めることとにより、バックグラウンド計数を低減する一方で多重極中のイオン透過を改善することができるということがわかる。
下の表では、衝突セルがKEDモードで操作された場合の検出器におけるリチウム数の測定結果が多くの異なる配置と動作設定について示される。図から分かるように、1MHzで操作されるr=4.5mmによる従来の直線ロッド四重極は、リチウム(1ppbの溶液中のLiの濃度)の零計数率を示す。周波数を3MHzに増加させることにより、リチウム検知の著しい上昇(400cpsの計数率)に至った。このより高い周波数を維持するがrを3mmまで低減することにより、50cpsまでのリチウムの検知の低下に至った。上述したように1、2または4つの段差を設けることにより、それぞれ35cps、80cps、70cpsの計数率に至った。しかし、中心部で4.5mmから3mmに変化し下流端部で4.5mmに戻る湾曲ロッドを使用する実施形態により、リチウム計数率は250cpsと著しく高くなった。したがって、本発明の実施形態によりイオン透過が概して改善され、バックグラウンド計数が概して低減されるだけでなく、特にリチウム透過を改善することができるということがわかる。
図18に、a)中間部において最小半径を有する湾曲四重極を備えた衝突セル中のイオン軌道シミュレーション、b)下流出口端に最小半径を有する階段状四重極を備えた衝突セル中のイオン軌道シミュレーションを示す。いずれの場合も、衝突セルは、2.5Paの圧力のHe衝突ガス、衝突セルの入口に−60Vの電位、−21Vの衝突セルバイアス、四重極の入口において半径のq=0.3のKEDモードで操作された。イオンは75のm/zを有し、シミュレーションでは右から左へ走行して示される。図から分かるように、より狭い出口半径を有する多重極は、下流側で走行するイオンのより広い分散角を生じる。より長い径方向距離(または、言い換えると所与の質量に対して低減されたq値)を有する多重極は、その出口端において、出現イオンビームのより低い角度およびエネルギー広がり(より小さな位相空間)を生じる。この効果は、上述したように下流端部における漏れ電界の低減効果および/または高周波加熱の低減によると考えられる。これは、質量分析器方向への、衝突セルからのイオンビームの下流側抽出および/または誘導を容易にするのに有益である。
図19は、中間部で最小半径を有する湾曲四重極を備えた衝突セル中の質量識別イオン軌道シミュレーションを示し、a)は75のm/z、b)は40のm/zのものである。いずれの場合も、衝突セルは、衝突セルの入口における−20Vの電位、−5Vの衝突セルバイアス、5eVの粒子初期エネルギーE、および四重極の入口における半径に対するq=0.3の標準モード(すなわち、供給衝突ガス無し)で操作された。イオンはシミュレーションでは右から左へ走行して示される。図から分かるように、m/z=75のイオンは衝突セル中を透過され、一方、m/z=40のイオンは衝突セル内の四重極内部で識別され、排除される。したがって、湾曲多重極ロッドを有する実施形態は、不要な低質量イオンを除去するためにRF唯一四重極に関連するハイパス(低質量カットオフ)特性を提供するために使用され得る。
理解されるように、RF唯一モードで操作される湾曲電極形状を有する実施形態は、所与の質量に対し中心軸に沿った可変安定性パラメータqを生じる。図20に、湾曲四重極実施形態の概略安定線図を示す。四重極のRF唯一動作ではa=0であるので、q軸はq軸に沿って示される例示的質量目盛を有する。この例では、RFピーク振幅は一定であり、m/z=100を透過させるように構成される。図から分かるように、第1の安定性プロットはr=4.5mmに対して与えられ、第2のより小さな安定性プロットはr=3.0mmに対して与えられる。動作中、安定性の上方境界はq=0.905で一定のままであるが、この境界は湾曲四重極を通る軸方向距離を有する質量目盛に沿って動く。湾曲四重極の入口では、境界は、r=4.5mmに対する第1の安定性プロットにより与えられる。その中心方向の四重極内へさらに侵入すると、安定性プロットは質量目盛上で縮小し(したがって、境界が動き)r=3.0mmの第2の安定性プロットまで縮小する。四重極の中心を通過しその端に向かってさらに下流に下ると、安定性プロットは、質量目盛上で再び広がり(したがって、境界が再び動き)r=4.5mmの第1の安定性プロットへ戻る。この実施形態では、33未満のm/zのイオンはどこでも不安定である。75未満のm/zのイオンは、入口では安定しているが中心部で不安定になるので、例えば40Arは衝突セル内では排除される。
この例を説明する別のやり方は、所与の質量について、q値は四重極の入口では比較的低い値で始まり、中心部に向かって2.25倍だけ増え[q/q=(4.5)/(3.0)]、次に下流端部に向かってその当初のより低い値に再び縮小すると言うことである。
図21に、ICP質量分析計が上述の湾曲四重極を備えた衝突セルを内蔵する本発明の実施形態を概略的に示す。試料110(通常は溶液または懸濁液)は、搬送ガス(一般的にはアルゴンまたは時にヘリウム)中に煙霧の形で噴霧器120により供給される。霧状化された試料は、プラズマガス(通常はアルゴン)からプラズマを形成するように構成されたプラズマトーチ130に入る。搬送ガスと霧状化された試料はトーチの中央チャネルを貫流し、その温度が試料の原子化と次にイオン化を引き起こすのに十分に高いプラズマ中に入る。プラズマ中の試料イオンは、イオンビームを形成するために、減圧環境中に採取されスキミングされイオン抽出光学系140に付される。通常、質量分析器方向には別の減圧段階があり、イオン集束、誘導、および/または偏向光学系150がまたイオンビームを分析器方向に導くために設けられ得る。衝突/反応セル160が質量分析器の上流側に設けられる。衝突セル160は、上記実施形態で説明し特に図14に示したような湾曲四重極を備える。衝突セル160中に透過されたイオンは、イオンを衝突セルから生じる軸から質量分析器180の軸上へ偏向するために使用される静電二重偏向レンズ(または、ドッグレッグレンズ)170に入る。中性種と光子は二重偏光レンズ170の場による影響を受けないので、通常、質量分析器180に入ることと測定結果との干渉を引き起こすこととを防止される。質量分析器180はこの実施形態では四重極質量フィルタであり、そのロッドは、所望m/z値を有するイオンを検出器190上まで選択的に通すバンドパス質量フィルタとして働くようにDC電位とRF電位の両方により操作される。検出器190は、特に電子増倍管、マイクロチャネルプレートまたはファラデーカップであり得る。当然、質量分析計は代替的に、特に磁気および/または扇形電場分析器、飛行時間分析器、イオントラップ分析器またはFT/MSにより実現され得る。
衝突セル160をさらに詳細に参照すると、セルの前に集束レンズ(チューブレンズなど)が通常設けられる。他の実施形態では、別の質量識別手段が衝突セルの上流に設けられ得る。これは、対象の特定親イオンを衝突セルに入るように選択するために、衝突セルが、分子親イオンのフラグメント娘イオンへのフラグメンテーションに使用される場合に(生命科学質量分析において通常行われるように)特に設けられ得る。
衝突セルは、衝突セルに1つまたは複数の標的ガスを供給するためのガス導入口を有する筐体を含む。筐体自体または筐体内に配置される絶縁電極ホルダは、電極ロッドを正確に適切な位置に保持するために使用され得る。衝突セルの入口孔は、貫通するオリフィスを有するダイアフラムにより提供され、DC電位が通常印加される入口レンズとして働く。衝突セルの出口孔は貫通するオリフィスを有する別のダイアフラムにより実現され、別のDC電位が通常印加される出口レンズとして働く。
電極は四重極を設けるように構成され、4つのロッドのそれぞれは本明細書に記載の実施形態の1つに従って構成される。四重極電極に好適な1つの構成は、四重極の中心軸と直交する断面中に平坦面を有する四重極電極を設けることである。このような電極は「flatapole」と呼ばれ、電界の高次成分によるノード化(noding)を低減するのに有用である可能性がある(理想四重極では、軸に沿ったイオンの振動は弦上のいくぶん定在波のような一定周期を有する。この振動の第1の「ノード」は入口開口部に存在する。次に、中心軸からのイオンの偏差は、入口開口からの距離とともに周期的に増減する。弦の場合とは異なり、出口ダイアフラムの位置はノードの位置に影響を与えないが、印加RF電位、イオンの速度、質量などだけに依存する。ノードが偶然出口ダイアフラムに存在する場合はイオン透過は非常に良好であり得、波腹が偶然出口開口に存在する場合は透過は相当悪いということが理解される)。このような平坦面は、上記実施形態のうちの任意のものにおいて使用することができる。
電極の特に好ましいひとつの構成は上に述べたようなものであり、各電極は、中心軸に向かって半径方向に延びる湾曲(凸)形状を有し、電極の軸長に沿った中央にある。この構成では、中心軸と直交する四重極の断面の構成は、中心軸を中心とした四角のそれぞれの端部に各電極を有する。電極は四重極の長さに沿ったこのような四角の端部に留まり、四角の大きさは長さに沿って変化し四重極の中央で最小となる。すなわち、四重極の両端におけるロッド間距離は中心部におけるロッド間距離より長い。
四重極電極は、対向する電極対へRF唯一電圧を供給するように構成される電圧源(図示せず)を備え、一対の電極に印加されるRF電圧は他の対の電極に印加されるものとは180°逆相である。RF電圧源は、200KHz〜20MHzの範囲、好適には1MHz〜12MHzの範囲、最も好適には3〜6MHzの範囲であり得る所望のRF周波数を供給するように構成される。最も好ましい周波数は4MHzである。八重極については、周波数は好適には四重極の値/範囲の約2倍である。他の目的およびMS/MSアプリケーションについては、好ましい範囲は0.5MHz〜5MHzである。最適周波数は、理解されるように標的質量、多重極寸法、多重極次数に依存する。
電圧源はこのような周波数を絶えず維持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、例えばその上に電気的抵抗層が設けられていない多重極電極を構成し得るので、RF電圧源はそれぞれのRF電圧を各電極に供給し得、電極毎に、同じ振幅が電極のほぼ全体に印加される(すなわち、個別電極の電圧降下は無い)。衝突セル内の軸電位を制御するためのバイアスDC電圧を電極のすべてに供給するために、および/または可変DC電圧を集束、入口および/または出口レンズに供給するために、同じまたは追加の電圧源が使用され得る。
図23に、本発明の別の実施形態による質量分析計を概略的に示す。同様な部品は、図21と同じ参照番号で標記される。この図は主として、衝突セル160の様々な部品に印加される好ましい直流バイアス電位を設定するために示される。図から分かるように、衝突セルのバイアス電位は、a)標準(STD)モード;すなわち貫通または透過モードにおける衝突ガス無し;b)衝突セル技術(CCT)モード;すなわち衝突セルに加えられる衝突/反応ガス有り;c)運動エネルギー識別(KED)モード;すなわち低エネルギーイオンが質量分析器に移るのを防止するために印加される逆電圧障壁有り、のそれぞれに対し供給される。使用される値は通常、それらの動作環境内に好ましいイオンレンズを設けるように選択される(または、自動的に調節される)ということが理解される。
上記実施形態はRF唯一多重極を提供するということが理解される(すなわち、反対極性のDC電位が異なる対の対向電極に印加される質量分解モード(mass−resolving mode)で動作しない。DC電位はすべての電極に等しく印加されなくてもよいし、または同じ(大きさと極性の)DC電位がすべての電極に等しく印加されてもよいが、これは質量分解効果ではなくバイアス効果を有するので)。RF唯一多重極はその長さに沿って変動するq値を備える。q値は、多重極の入口端における第1の比較的低い値から第1の値より比較的高い少なくとも第2の値まで変化する。このようにして、比較的高いアクセプタンスおよびイオン透過が実現され得、一方また、不要でかつ可能性として干渉するイオンを除去しバックグラウンド計数の低減を支援するための低質量カットオフを実現し得る。好ましい実施形態では、下流側においてq値のさらなる変更がなされ、これにより、q値は多重極の出口端において第3の比較的低い値(好適には第1のq値と同じ)に変化する。
上記実施形態におけるq値の変化は、階段的または湾曲的やり方で中心軸からの電極の径方向距離を変化させることにより達成される。他の実施形態では、半径の変化の代案としてまたはその追加として、q値の変化は、長手方向/軸方向の電極の異なる部分に印加されるRF電位の周波数を変化させることにより、すなわち多重極の上流端に比較的対高い周波数を与え、これをその下流側で比較的低い周波数に変化させることにより行われ得る。q値が下流端部に向かって再び低減されることになれば、周波数は下流端部において再び第3の周波数(好適には第1の周波数と同じ)まで増加されるであろう。これは、同じRF振幅であるが異なる周波数で供給するように構成されたRF電圧源に対するそれぞれの接続を有する2または3以上の(互いに絶縁された)電気的セグメント電極を設けることにより行われ得る。または、多重極は、高速電子スイッチにより直接駆動され得る、または、方形または三角波(通常のやり方で(共振)コイル変圧器により増幅され得る)を使用することができ、アースと「倍音」(すなわち、高調波)周波数をクロスオーバにより多重極の異なる部分へ導く(ちょうど高周波数におけるオーディオクロスオーバと同様)。
さらに他の実施形態では、半径および/または周波数の変化の代案としてまたはその追加として、q値の変化は長手方向/軸方向の電極の異なる部分に印加されるRF電位のピーク値を変化させることにより行われ得る。多重極の上流端において、第1の比較的低いRF振幅が印加され、次に、第2の比較的高いRF振幅が下流側部分に印加される。q値が下流端部に向かって再び低減されることになっていれば、RF振幅は下流端部において再び第3のRF振幅(好適には第1のRF振幅と同じ)まで低減されるだろう。これは、同じRF周波数であるが異なる振幅を供給するように構成されたRF電圧源へのそれぞれの接続を有する2つまたは3つ以上の(互いに絶縁された)電気的セグメント電極を設けることにより行われ得る。または、各電極は、同じRF周波数であるが異なる振幅で供給するように構成されたRF電圧源への2つ以上の接続を有する抵抗性被覆を備え得る。例えば、q値が多重極の長さに沿って低い値から高い値へそして再び低い値に変化する構成により、抵抗性被覆電極はRF電圧源への3つの接続(1つは各端部に1つは中間部に)を備え得る。上流および下流端部は比較的低いRF振幅(好適には同じ振幅)で構成され、中央接続部は比較的高いRF振幅で構成されるであろう。
さらに代替的に(上述のような多重極の代わりに)、米国特許出願公開第2010/0090104A1号明細書に示すように積層リングイオンガイドを採用することができるであろう。このようにして、相対的電位場振幅は理解されるように積層距離を変化させることにより実現され得る。
上述したように、衝突セル内の多重極に沿ったDC軸方向電場勾配を生成しそれによりイオンを駆動するように、同じ振幅および極性のDC電位が多重極の電極のそれぞれに印加され得る。これは、高い衝突セル圧力では特に有利である。生命科学質量分析から、最適勾配はkT/Lの関数(例えば、ほぼkT/Lの関数、またはkT/Lの低倍数の関数)であるということが知られている(kはボルツマン定数、Tは温度、Lはイオンの平均自由行程である)。
上記実施形態はRF唯一モードの動作について説明したが、いくつかの実施形態では、多重極は質量分解モードで実行され得る。すなわち、同じ振幅であるが逆極性のDC電位が、多重極における質量識別効果を与えるために異なる対の対向電極に印加され得る。
上記論述は四重極に焦点を当てたが、本発明の実施形態は、四重極に関する上記論述の原理をそれに応じて適用することにより、衝突セル内に六重極、八重極または他の多重極装置を採用し得る。四重極は通常、分子イオン形成を低減するために衝突セル内の不要なイオンを排除するそれらの低質量カットオフ効果と、CCTモードにおけるそれらのより良好な衝突集束化(collisional focusing)とに対し好ましい。
上記実施形態の多重極電極はflatapoleで有り得る、またはほぼ円形、双曲状、方形、矩形、または他の多角形断面のロッドであり得る、平坦または板状電極であり得る、または、上記論述から理解されるように様々な他の形状および構成であり得る。
本発明の実施形態は、以下の特性の1つまたは複数を活用する。多重極中へのイオン透過を改善するために入口においてイオンの高アクセプタンスを生じさせる比較的大きな多重極内径;低m/z検体イオンが衝突セルに入るようにするためにより低い低質量カットオフを生じさせる、多重極電極に印加される比較的対高い周波数のRF電圧;衝突セル内に形成され得る低m/zイオンの排除、および高イオン電流からの中性物によるバックグラウンド計数の低減を生じさせる入口の下流の比較的小さな多重極内径;下流処理の改善のために衝突セルからのそれらのイオンのより小さな角度およびエネルギー広がりを生じさせる低減直径領域の下流の比較的大きな多重極内径。
好ましい実施形態は多重極の中心において対称的に配置された多重極の最小放射状領域を有するが、最小放射状領域は多重極が対称にならないように中心を外れて構成され得る。このようにして、入口におけるアクセプタンスと出口における低減された角度およびエネルギー広がりは、低減半径部分が設けられる多重極の長さに沿った位置の調整により最適化され得る。実際、低減半径部分の湾曲または階段状形状はそれ自体対称的である必要はなく、形状にある程度の歪を有し得る。
さらに、上記実施形態は、多重極の電極がそれぞれ同じ形状を有するものとして説明したが、これはすべての実施形態においてそうである必要はない。いくつかのアプリケーションでは、それぞれの低減された半径領域を有するために単一対向対電極(または、高次多重極内の2つ以上のそれぞれの対向対)を構成すると共に、残りの対向対(または、高次多重極内の対、または奇数多重極内の個別電極)に異なるそれぞれの形状を備えさせることが望ましいかもしれない。特に、y方向に配置された電極とは異なる形状で、x方向に配置された電極を設けることが望ましいかもしれない。
他の変形、修正と実施形態は当業者らにとって明らかであり、本発明の一部をなすように意図されている。

Claims (39)

  1. 衝突/反応ガスが供給される衝突セル内の多重極であって、直流電圧が印加されない多重極である無線周波数唯一多重極を操作する方法であって、
    前記無線周波数唯一多重極は、第1の部分と、第2の部分と、それらの間の中間部分とを含み、
    前記中間部分における第3のq値より低い、第1のq値と第2のq値で前記第1と第2の部分をそれぞれ操作する工程を含む、方法。
  2. 前記無線周波数唯一多重極は長さを有し中心軸を画定し、
    前記q値は、その長さに沿った前記中心軸からの前記無線周波数唯一多重極の径方向距離を変更することにより変えられる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記無線周波数唯一多重極は第1の部分と第2の部分とそれらの間の中間部分とを含み、
    前記無線周波数唯一多重極の前記中間部分は前記第1の部分と前記第2の部分より、前記中心軸に半径方向に近い、請求項2に記載の方法。
  4. 前記無線周波数唯一多重極は、第1の部分と、第2の部分と、それらの間の中間部分とを含み、
    前記無線周波数唯一多重極の前記第1の部分内にイオンを受け入れる工程と、
    前記受け入れたイオンの少なくともいくつかを比較的小さな内側多重極半径を有する前記中間部分中に透過させる工程と、
    前記透過されたイオンの少なくともいくつかを前記第2の部分から排出させる工程と、
    をさらに含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記無線周波数唯一多重極は長さを有し、
    前記q値はその長さに沿った前記無線周波数唯一多重極に印加されるRF電圧振幅を変更することにより変えられる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記無線周波数唯一多重極は長さを有し、
    前記q値はその長さに沿った前記無線周波数唯一多重極に印加されるRF電圧周波数を変更することにより変えられる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記無線周波数唯一多重極の各電極に3MHz〜6MHzの範囲の周波数でそれぞれのRF電圧を印加する工程をさらに含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記衝突セルへの衝突/反応ガスの供給を0.01Pa〜1000Pa好適には1Pa〜10Paの範囲の圧力で行う工程をさらに含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記無線周波数唯一多重極の低質量カットオフを、第1の質量範囲にわたって、変化する標的質量近くで追跡して、前記低質量カットオフを第2のより高い質量範囲にわたって比較的安定に維持する工程をさらに含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 衝突/反応ガスが供給される衝突セル内にあり、中心軸の周囲に配置された複数の多重極電極を含み、直流電圧が印加されない多重極である、衝突セル無線周波数唯一多重極であって、
    前記多重極電極の少なくともいくつかは第1の部分と、第2の部分と、それらの間の中間部分とを有し、
    前記中間部分は前記それぞれの第1の部分および第2の部分より、前記中心軸の半径方向に近く、
    前記第1および第2の部分は、動作において、前記中間部分における第3のq値より低い第1および第2のq値を提供する、
    衝突セル無線周波数唯一多重極。
  11. 前記多重極電極の前記少なくともいくつかはそれぞれ、前記無線周波数唯一多重極内に半径方向に対向する電極の1つまたは複数の対を含む、請求項10に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  12. 前記第1の部分はそれぞれの第1の端を含み、前記第2の部分はそれぞれの第2の端を含み、前記中間部は前記電極のそれぞれの中央部分を含む、請求項10または11に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  13. 前記中央部分は前記中心軸に半径方向に最も近い、請求項12に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  14. 前記第1と第2の端は前記中心軸から半径方向に最も遠い、請求項12または13に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  15. 前記第1と第2の部分は前記中心軸から4.5mmの径方向距離にある、請求項10乃至14のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  16. 前記電極の前記少なくともいくつかは前記中心軸の方向に階段状である、請求項10乃至15のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  17. 前記電極の前記少なくともいくつかの前記中間部分は前記中心軸の方向に1つまたは複数の段差を含む、請求項10乃至16のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  18. 前記中間部分は、前記中心軸から3.0mmの径方向距離に第1の段差を有する前記電極の中央部分を含む、請求項10乃至17のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  19. 前記中間部分は、前記第1の部分と前記第1の段差間に第2の段差と、前記第1の段差と前記第2の部分の間に第3の段差を含む、請求項18に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  20. 前記第2と第3の段差は前記中心軸から3.75mmの径方向距離にある、請求項19に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  21. 各段差からのまたは各段差へのそれぞれの遷移が傾斜している、請求項16乃至20のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  22. 前記電極の少なくともいくつかは前記中心軸の方向に湾曲している、請求項10乃至15のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  23. 前記中間部分は前記中心軸の方向に湾曲部を含む、請求項10乃至15と請求項22のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  24. 前記湾曲部は凸状である、請求項23に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  25. 前記湾曲部は前記電極の中央部分に関し対称である、請求項23または24に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  26. 前記湾曲部の中央部分は中心軸から3.0mmの径方向距離にある、請求項22乃至25のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  27. 前記中間部分は前記中心軸に向かって半径方向に狭くなる、請求項10乃至26のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  28. 前記中心軸に半径方向に最も近い各電極の表面の前記中心軸と直交する断面はほぼ平坦である、請求項10乃至27のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  29. 各電極に3MHz〜6MHzの範囲の周波数でそれぞれのRF電圧を供給するように構成されたRF電圧源をさらに含む、請求項10乃至28のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  30. 各電極へそれぞれのRF電圧を供給するように構成されたRF電圧源をさらに含み、
    電極毎に同じ振幅が前記電極のほぼ全体に印加される、請求項10乃至29のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  31. 前記電極の少なくともいくつかはセグメント化され、各セグメントへ異なる振幅のそれぞれのRF電圧を供給するように構成されたRF電圧源をさらに含む、請求項10乃至30のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  32. 前記電極の少なくともいくつかはセグメント化され、各セグメントへ異なる周波数のそれぞれのRF電圧を供給するように構成されたRF電圧源をさらに含む、請求項10乃至31のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  33. 前記電極の少なくともいくつかは、抵抗層を備え、前記第1の部分と第2の部分と中間部分のうちの2つまたはすべてへ異なる振幅のそれぞれのRF電圧を供給するように構成されたRF電圧源をさらに含む、請求項10乃至30のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  34. 前記無線周波数唯一多重極は四重極である、請求項10乃至33のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  35. 前記中心軸に垂直な前記四重極の断面構成は、前記中心軸を中心とした四角のそれぞれの端部に各電極を有し、
    前記電極は前記四重極の前記長さに沿った四角の前記端に留まり、
    前記四重極の中間の前記四角は最小である、請求項34に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極。
  36. 請求項10乃至35のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極を含む衝突セルまたは質量分析計。
  37. 請求項10乃至35のいずれか一項に記載の無線周波数唯一多重極をその中に設ける工程と操作する工程とを含む衝突セルを操作する方法。
  38. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法において、
    さらに、前記無線周波数唯一多重極の各電極にそれぞれの無線周波数電圧を4MHzで印加する、
    方法。
  39. 請求項10乃至28のいずれか一項に記載の衝突セル無線周波数唯一多重極において、
    さらに、前記無線周波数唯一多重極の各電極にそれぞれの無線周波数電圧を4MHzで電極に印加する無線周波数電圧供給源、
    を有する衝突セル無線周波数唯一多重極。
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