JP6204758B2 - 調湿装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2つの吸着熱交換器を備えた調湿装置に関し、特に液冷媒が圧縮機に吸入されるのを防止する対策に係るものである。
従来より、除湿又は加湿した空気を室内へ供給する調湿装置が知られている。
例えば特許文献1には、吸着剤が担持された2つの吸着熱交換器を有する冷媒回路を備え、これらの吸着熱交換器で空気を除湿又は加湿する調湿装置が開示されている。この調湿装置の冷媒回路には、圧縮機と、2つの吸着熱交換器と、膨張弁と、四方切換弁(冷媒流路切換機構)とが接続されている。調湿装置では、圧縮機を運転しながら四方切換弁の設定が切り換わることで、第1の動作(第1冷凍サイクル動作)と、第2の動作(第2冷凍サイクル動作)とが交互に繰り返し行われる。
第1冷凍サイクル動作では、例えば第1の吸着熱交換器が凝縮器となり、第2の吸着熱交換器が蒸発器となる。また、第2冷凍サイクル動作では、例えば第1の吸着熱交換器が蒸発器となり、第2の吸着熱交換器が凝縮器となる。
例えば除湿運転の第1冷凍サイクル動作では、蒸発器となる第2吸着熱交換器を空気が通過し、この空気中の水分が第2吸着熱交換器の吸着剤に吸着される。第2吸着熱交換器で除湿された空気は室内へ供給される。同時に、第1冷凍サイクル動作では、凝縮器となる第1吸着熱交換器を空気が通過し、第1吸着熱交換器の吸着剤から脱離した水分が空気中へ放出される。第1吸着熱交換器の吸着剤の再生に利用された空気は室外へ排出される。
また、除湿運転の第2冷凍サイクル動作では、蒸発器となる第1吸着熱交換器を空気が通過し、この空気中の水分が第1吸着熱交換器の吸着剤に吸着される。第1吸着熱交換器で除湿された空気は室内へ供給される。同時に、第2冷凍サイクル動作では、凝縮器となる第2吸着熱交換器を空気が通過し、第2吸着熱交換器の吸着剤から脱離した水分が空気中へ放出される。第2吸着熱交換器の吸着剤の再生に利用された空気は室外へ排出される。
特開2006−349294号公報
ところで、上述したような2つの冷凍サイクル動作を交互に繰り返し行う調湿装置では、冷媒の流路の切り換え直後において、冷媒回路の液冷媒が圧縮機に吸入され易くなるという問題があった。この点について具体的に説明する。
上述した第1冷凍サイクル動作では、例えば第1吸着熱交換器が凝縮器となり、第2吸着熱交換器が蒸発器となる。このため、第1冷凍サイクル動作中の第1吸着熱交換器では、伝熱管の過冷却領域(出口側領域)の内部に液冷媒が溜まり込むことがある。このような状態で第1冷凍サイクル動作から第2冷凍サイクル動作へ切り換わると、これまで凝縮器であった第1吸着熱交換器が蒸発器となり、これまで蒸発器であった第2吸着熱交換器が凝縮器となる。このため、第2冷凍サイクル動作の開始直後には、第1吸着熱交換器の内部に溜まり込んでいた液冷媒が、圧縮機の吸入側に戻り易くなり、液圧縮を招く虞がある。同様に、第2冷凍サイクル動作から第1冷凍サイクル動作へ切り換わる直後においては、第2吸着熱交換器の内部に溜まり込んでいた液冷媒が、圧縮機の吸入側に戻り易くなり、液圧縮を招く虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、2つの冷凍サイクル動作の切り換え直後において、圧縮機に液冷媒が吸入されてしまうことを回避することである。
第1の発明は、圧縮機(41)と、吸着剤をそれぞれ担持する第1吸着熱交換器(42)及び第2吸着熱交換器(44)と、膨張弁(43)と、第1吸着熱交換器(42)が凝縮器となり第2吸着熱交換器(44)が蒸発器となる第1の冷凍サイクル動作と、第2吸着熱交換器(44)が凝縮器となり第1吸着熱交換器(42)が蒸発器となる第2の冷凍サイクル動作とを交互に繰り返し行うよう冷媒の流路を切り換える冷媒流路切換機構(45)とが接続された冷媒回路(40)と、上記2つの吸着熱交換器(42,44)のうち蒸発器となる方を通過した空気が、室内と室外のうちの一方に送られると同時に、2つの吸着熱交換器(42,44)のうち凝縮器となる方を通過した空気が、室内と室外のうちの他方へ送られるように空気の流路を切り換える空気流路切換機構(60)とを備えた調湿装置を対象とし、上記各冷凍サイクル動作において、上記冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換える所定時間前に上記膨張弁(43)の開度を第1開度まで大きくし、次に上記冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えるまでの第1期間(TC1,TC2)に亘って上記膨張弁(43)の開度を上記第1開度に維持するとともに、冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えた時点又は直後に上記膨張弁(43)の開度を第2開度まで小さくし、所定時間後までの第2期間(TA1,TA2)に亘って上記膨張弁(43)の開度を上記第2開度に維持する膨張弁制御部(73)を備え、上記膨張弁制御部(73)は、上記各冷凍サイクル動作において、上記第2期間(TA1,TA2)の終了から上記第1期間(TC1,TC2)の開始までの間の第3期間(TB1,TB2)に亘って、上記冷媒回路(40)の冷媒の吸入過熱度が所定値となるように上記膨張弁(43)の開度を調節するように構成され、上記膨張弁制御部(73)は、上記第2期間(TA1,TA2)での膨張弁(43)の開度を、前回の同種の冷凍サイクルにおける第3期間(TB1,TB2)の終了時の膨張弁(43)の開度より小さい上記第2開度とするように構成されていることを特徴とする。
第1の発明では、冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えることで、第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作とが交互に繰り返し行われる。第1冷凍サイクル動作では、圧縮機(41)で圧縮された冷媒が、第1吸着熱交換器(42)で凝縮し、膨張弁(43)で減圧される。減圧された冷媒は、第2吸着熱交換器(44)で蒸発し、圧縮機(41)に吸入される。第2冷凍サイクル動作では、圧縮機(41)で圧縮された冷媒が、第2吸着熱交換器(44)で凝縮し、膨張弁(43)で減圧される。減圧された冷媒は、第1吸着熱交換器(42)で蒸発し、圧縮機(41)に吸入される。空気流路切換機構(60)は、第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作の切り換えに連動するように空気の流路を切り換える。この結果、室内の除湿や加湿が連続的に行われる。
膨張弁制御部(73)は、2つの冷凍サイクル動作の切り換えの前後の期間において、膨張弁(43)の開度を制御する。具体的には、冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換える所定時間前になると、膨張弁制御部(73)は、膨張弁(43)の開度を第1開度まで大きくする。そして、冷媒流路切換機構(45)が次に冷媒の流路を切り換えるまでの第1期間(TC1,TC2)に亘って、膨張弁(43)の開度が第1開度に維持される。つまり、第1期間(TC1,TC2)では、膨張弁(43)の開度が比較的大きい一定の開度に維持される。この結果、例えば第1冷凍サイクル動作の終了前には、凝縮器である第1吸着熱交換器(42)の内部に溜まった液冷媒を、蒸発器である第2吸着熱交換器(44)側に向かって排出できる。
その後、冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えると、例えば第1冷凍サイクル動作から第2冷凍サイクル動作へ移行する。この結果、それまで凝縮器であった第1吸着熱交換器(42)が蒸発器となり、それまで蒸発器であった第2吸着熱交換器(44)が凝縮器となる。第1吸着熱交換器(42)の内部の液冷媒は、上述した第1期間(TC1,TC2)において、第2吸着熱交換器(44)側へ排出されている。このため、蒸発器となった第1吸着熱交換器(42)に残存する液冷媒が、蒸発せずに圧縮機(41)に吸入されてしまうことを防止できる。
加えて、膨張弁制御部(73)は、冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えた時点又は直後に膨張弁(43)の開度を第2開度まで小さくし、この開度を第2期間(TA1,TA2)に亘って第2開度のまま維持する。つまり、第2期間(TA1,TA2)では、膨張弁(43)の開度が比較的小さい一定の開度に維持される。この結果、第2期間(TA1,TA2)では、冷媒の循環量が小さくなるため、湿り状態の多量の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことを回避できる。また、蒸発器(例えば第1吸着熱交換器(42))での冷媒の蒸発が促進されるため、圧縮機(41)に吸入される冷媒の乾き度、あるいは過熱度が大きくなる。従って、湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことを防止できる。
また、冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えた直後には、冷媒の流れが変わることに起因して冷媒の温度や圧力が不安定となる。このため、このタイミングに併せて膨張弁(43)の開度を過熱度制御しようとすると、膨張弁(43)の開度が極端に変動する(ハンチングする)という問題が生じる。これに対し、本発明では、冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えた時点又は直後から膨張弁(43)の開度が第2開度で一定に保持されるため、膨張弁(43)の開度がハンチングすることもない。
の発明では、第2期間(TA1,TA2)の後の第3期間(TB1,TB2)において、膨張弁制御部(73)が、冷媒の吸入過熱度が所定値となるように膨張弁(43)の開度を調節する。この結果、湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されることを確実に防止できる。また、第3期間(TB1,TB2)の開始時点は、冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えてから、第2期間(TA1,TA2)が経過した後となる。第3期間(TB1,TB2)の開始時点では、冷媒回路(40)の冷媒の温度及び圧力が比較的安定している。このため、このタイミングでいわゆる過熱度制御を行い膨張弁(43)の開度を調節したとしても、膨張弁(43)の開度が極端に変動する(ハンチングする)ことがない。
の発明では、第2期間(TA1,TA2)の膨張弁(43)の開度(第2開度)が、前回の同種の冷凍サイクルの第3期間(TB1,TB2)の終了時の膨張弁(43)の開度に基づいて決定される。具体的には、例えば第1冷凍サイクル動作から第2冷凍サイクル動作へ切り換わり、第2冷凍サイクル動作の第2期間(TA1,TA2)に至るとする。この場合、この第2期間(TA1,TA2)の膨張弁(43)の開度は、前回の第2冷凍サイクル動作の第3期間(TB1,TB2)の終了時の膨張弁(43)の開度より小さくなる。
第3期間(TB1,TB2)の終了時の膨張弁(43)の開度は、冷媒の吸入過熱度を所定値(目標値)に近づけるための最適な開度といえる。本発明では、第2期間(TA1,TA2)において、この開度よりも膨張弁(43)の開度を小さくするため、冷凍サイクル動作の切り換え直後において、湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことを確実に防止できる。
2つの冷凍サイクル動作では、冷媒回路(40)の冷媒の循環方向や、空気流路の風速分布等が異なる。このため、2つの冷凍サイクル動作の各第3期間(TB1,TB2)では、冷媒の吸入過熱度を所定値(目標値)にするための最適な膨張弁(43)の開度が厳密には異なる。本発明では、前回の同種の冷凍サイクル動作の第3期間(TB1,TB2)の終了時の膨張弁(43)の開度が、第2期間(TA1,TA2)での第2開度を決定する基準として引き継がれる。つまり、本発明では、2つの冷凍サイクル動作のそれぞれの特性を考慮して、第2期間(TA1,TA2)の膨張弁(43)の開度が決定される。この結果、湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことを一層確実に防止できる。
の発明は、第の発明において、上記2つの吸着熱交換器(42,44)は、上記各冷凍サイクル動作において、それぞれ室外空気が通過するように構成されていることを特徴とする。
の発明では、各冷凍サイクル動作において、それぞれの吸着熱交換器(42,44)を室外空気が通過する。室外空気の温度が比較的低い場合に、それぞれの吸着熱交換器(42,44)を室外空気が流れると、各吸着熱交換器(42,44)を流れる冷媒の温度が低くなるとともに、圧力差が小さくなり、圧縮機(41)内の温度(例えば冷媒の吐出過熱度)が低下し易くなる。このため、2つの冷凍サイクル動作の切り換え時に、液冷媒が圧縮機(41)内に吸入されてしまうと、圧縮機(41)内の温度が更に低下し、冷凍機油に冷媒が溶け込んでしまう。この結果、冷凍機油の粘度が低下し、圧縮機(41)の各摺動部の潤滑不良を招く可能性が高くなる。
これに対し、本発明では、上述したように液冷媒、あるいは湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことを防止できる。このため、圧縮機(41)内の更なる温度の低下を防止でき、圧縮機(41)の潤滑不良を防止できる。
本発明によれば、第1期間(TC1,TC2)に膨張弁(43)の開度を第1開度まで増大させることで、凝縮器となる方の吸着熱交換器(42,44)に溜まった液冷媒を冷凍サイクル動作の切り換え前に蒸発器となる方の吸着熱交換器(42,44)に排出できる。また、第2期間(TA1,TA2)に膨張弁(43)の開度を第2開度まで減少させることで、冷凍サイクル動作の切り換え直後において、冷媒の循環量を減らすことができる。これにより、本発明によれば、冷凍サイクル動作の切り換え直後において、液冷媒や湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことを回避できる。この結果、圧縮機(41)での液圧縮を回避できたり、アキュムレータの小型化を図ったりできる。
湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されると、圧縮機(41)内の温度が低下してしまい、冷凍機油に冷媒が溶け込んで冷凍機油の粘度が低下してしまう虞がある。これに対し、本発明では、液冷媒や湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されることを回避できるため、圧縮機(41)内の温度の低下を防止でき、冷凍機油の粘度の低下も防止できる。
の発明によれば、冷凍サイクル動作の切り換え時点よりも第2期間(TA1,TA2)が経過した後の第3期間(TB1,TB2)において、冷媒の吸入過熱度が所定値となるように膨張弁(43)の開度を調節している。このため、膨張弁(43)の開度が大きくハンチングすることなく、圧縮機(41)に吸入される冷媒に所定の過熱度を付与できる。この結果、室内へ供給される空気の湿度の変動を防止でき、且つ湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されることも確実に回避できる。
の発明によれば、湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことを一層確実に回避できる。
の発明によれば、室外空気が吸着熱交換器(42,44)を通過して室外へ排出される、いわゆる外気循環方式の調湿装置を提供できる。この調湿装置では、室外空気の温度が比較的低い場合に、2つの吸着熱交換器(42,44)を流れる冷媒の温度が低くなるとともに圧力差が小さくなり易く、圧縮機内の温度の低下が顕著となる。しかし、本発明では、湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されることを回避できるため、圧縮機(41)の更なる温度低下を回避できる。この結果、冷凍機油の粘度の低下を防止でき、圧縮機(41)の信頼性を確保できる。
実施形態に係る除湿システムの全体構成を示す概略の構成図であり、除湿運転の第1冷凍サイクル動作を説明するためのものである。 実施形態に係る除湿システムの全体構成を示す概略の構成図であり、除湿運転の第2冷凍サイクル動作を説明するためのものである。 実施形態に係る除湿システムの除湿運転の第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作における膨張弁の制御を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
図1に示すように、除湿システム(1)は、除湿した空気を室内空間(S1)へ供給するものである。室内空間(S1)は、露点温度が極めて低い空気(例えば露点温度が−30℃〜−50℃程度の空気)の供給を要求されている空間であり、例えばリチウム電池の製造ラインに設けられるドライクリーンルームで構成される。
除湿システム(1)には、外気通路(11)と、給気通路(12)と、排気通路(13)と、再生通路(14)とが設けられている。また、除湿システム(1)は、冷却器(15)と、除湿装置(30)と、回転式の吸着ロータ(20)と、加熱器(17)とを備えている。
外気通路(11)は、室外空気(OA)が取り込まれる通路である。外気通路(11)は、室外空間と繋がる主外気通路(11a)と、該主外気通路(11a)の流出端から2手に分岐する第1分岐通路(11b)及び第2分岐通路(11c)を備えている。主外気通路(11a)には、冷却器(15)が設けられている。冷却器(15)は、外気通路(11)に取り込まれた室外空気(OA)を冷却し、この空気中の水分を結露させる。冷却器(15)の下方には、ドレンパン(16)が設置されている。ドレンパン(16)は、冷却器(15)で冷却された空気中から発生した結露水を回収する。第1分岐通路(11b)の流出端は、除湿装置(30)の第1外気路(31)と接続し、第2分岐通路(11c)の流出端は、除湿装置(30)の第2外気路(32)と接続している。
給気通路(12)は、除湿装置(30)を通過した空気を室内へ供給する通路である。給気通路(12)の流入端は、除湿装置(30)の給気路(35)と接続している。給気通路(12)の流出端は室内空間(S1)に繋がっている。
排気通路(13)は、除湿装置(30)を通過した空気を室外へ排出する通路である。排気通路(13)の流入端は、除湿装置(30)の排気路(36)と接続している。排気通路(13)の流出端は室外空間に繋がっている。
再生通路(14)は、吸着ロータ(20)の吸着剤を再生するための空気が流れる通路である。再生通路(14)には、加熱器(17)が接続さている。再生通路(14)は、加熱器(17)の上流側の第1再生通路(14a)と、加熱器(17)の下流側の第2再生通路(14b)とを備えている。加熱器(17)は、再生通路(14)を流れる空気を加熱する。第1再生通路(14a)の流入端は、給気通路(12)における吸着ロータ(20)の上流側の流路に接続している。第2再生通路(14b)の流出端は室外空間に繋がっている。
吸着ロータ(20)は、円板状のロータ本体(21)と、該ロータ本体(21)を回転駆動する駆動軸(22)とを有している。ロータ本体(21)の表面には、水分を吸着する吸着剤が担持されている。ロータ本体(21)は、給気通路(12)と第1再生通路(14a)と第2再生通路(14b)とのそれぞれに跨がるように配置される。駆動軸(22)は、ロータ本体(21)と同軸の軸心を有し、駆動機構(図示省略)によって回転駆動される。吸着ロータ(20)は、その一部が給気通路(12)、第1再生通路(14a)、及び第2再生通路(14b)を順に変位するように、駆動軸(22)に回転駆動させる。
吸着ロータ(20)では、給気通路(12)に位置する部位が第1領域(A1)を構成し、第1再生通路(14a)に位置する部位が第2領域(A2)を構成し、第2再生通路(14b)に位置する部位が第3領域(A3)を構成する。第1領域(A1)では、給気通路(12)を流れる空気中の水分が吸着剤に吸着される。第2領域(A2)では、第1再生通路(14a)を流れる空気中の水分が吸着剤に吸着される。第3領域(A3)では、第2再生通路(14b)を流れる空気中へ吸着剤の水分が放出される。つまり、第3領域(A3)では、吸着ロータ(20)の吸着剤の再生が行われる。
〈除湿装置の構成〉
除湿装置(30)は、ケーシング(図示省略)を有している。除湿装置(30)のケーシングの内部には、第1外気路(31)と、第2外気路(32)と、第1熱交換器室(33)と、第2熱交換器室(34)と、給気路(35)と、排気路(36)とが区画される。
第1外気路(31)の流入端は、第1分岐通路(11b)と繋がっている。第1外気路(31)の流出端は、第1熱交換器室(33)と繋がっている。第2外気路(32)の流入端は、第2分岐通路(11c)と繋がっている。第2外気路(32)の流出端は、第2熱交換器室(34)と繋がっている。
給気路(35)の流入端は、第1熱交換器室(33)と繋がっている。給気路(35)には、空気を搬送する給気ファン(37)が設置される。給気ファン(37)は、除湿装置(30)に取り込まれた空気を給気通路(12)を介して室内へ搬送する。排気路(36)には、空気を搬送する排気ファン(38)が設置される。排気ファン(38)は、除湿装置(30)に取り込まれた空気を排気通路(13)を介して室外へ搬送する。
第1熱交換器室(33)には、第1吸着熱交換器(42)が収容される。第2熱交換器室(34)には、第2吸着熱交換器(44)が収容される。各吸着熱交換器(42,44)の詳細は後述する。また、第1熱交換器室(33)には、第1吸着熱交換器(42)の下流側に第1吸着ブロック(51)が設置される。第2熱交換器室(34)には、第2吸着熱交換器(44)の下流側に第2吸着ブロック(52)が設置される。
第1吸着ブロック(51)及び第2吸着ブロック(52)は、空気が通過可能な構造体(例えばハニカム構造を有する構造体)の表面に水分を吸着可能な吸着剤が担持されて構成される。吸着ブロック(51,52)の吸着剤は、ゼオライト,シリカゲル,活性炭,親水性の官能基を有する有機高分子材料等で構成される。また、吸着剤は、水分を吸着する機能だけではなく、水分を吸収する機能を有するもの(いわゆる収着剤)であってもよい。
除湿装置(30)は、冷媒が充填される冷媒回路(40)を備えている。冷媒回路(40)には、圧縮機(41)と、第1吸着熱交換器(42)と、膨張弁(43)と、第2吸着熱交換器(44)と、四方切換弁(45)とが接続される。冷媒回路(40)では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(41)は、冷媒回路(40)の吸入側(低圧側)の冷媒を圧縮し、吐出する。圧縮機(41)は、ロータリー式、揺動ピストン式、スクロール式等で構成される。圧縮機(41)は、モータの運転周波数(回転数)が調節可能な可変容量式に構成される。
2つの吸着熱交換器(42,44)は、クロスフィン型のフィンアンドチューブ式の熱交換器本体の表面に水分を吸着可能な吸着剤が担持されて構成される。第1吸着熱交換器(42)は、第1熱交換器室(33)に収容され、第2吸着熱交換器(44)は、第2熱交換器室(34)に収容される。各吸着熱交換器(42,44)の表面に担持される吸着剤は、ゼオライト,シリカゲル,活性炭,親水性の官能基を有する有機高分子材料等で構成される。また、吸着剤は、水分を吸着する機能だけではなく、水分を吸収する機能を有するもの(いわゆる収着剤)であってもよい。
膨張弁(43)は、冷媒回路(40)において、第1吸着熱交換器(42)と第2吸着熱交換器(44)との間に接続される。膨張弁(43)は、その開度が調節可能な電子膨張弁で構成されている。
四方切換弁(45)は、第1から第4までのポートを有している。四方切換弁(45)の第1ポートは、圧縮機(41)の吐出管に繋がり、四方切換弁(45)の第2ポートは、圧縮機(41)の吸入管に繋がっている。四方切換弁(45)の第3ポートは、第1吸着熱交換器(42)のガス側端部に繋がり、四方切換弁(45)の第4ポートは、第2吸着熱交換器(44)のガス側端部に繋がっている。
四方切換弁(45)は、第1ポートと第3ポートが連通し、第2ポートと第4ポートが連通する第1状態(図1の実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートが連通し、第2ポートと第3ポートが連通する第2状態(図2の実線で示す状態)とに切り換わる。四方切換弁(45)が第1状態になると第1冷凍サイクル動作が行われる。この第1冷凍サイクル動作では、圧縮機(41)で圧縮された冷媒が、第1吸着熱交換器(42)で凝縮し、膨張弁(43)で減圧され、第2吸着熱交換器(44)で蒸発し、圧縮機(41)に吸入される。四方切換弁(45)が第2状態になると第2冷凍サイクル動作が行われる。この第2冷凍サイクル動作では、圧縮機(41)で圧縮された冷媒が、第2吸着熱交換器(44)で凝縮し、膨張弁(43)で減圧され、第1吸着熱交換器(42)で蒸発し、圧縮機(41)に吸入される。四方切換弁(45)は、第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作とを交互に繰り返し行うように冷媒の流路を切り換える冷媒流路切換機構を構成する。
除湿装置(30)は、ケーシング内の空気の流路を切り換えるための空気流路切換機構(60)を備えている。本実施形態の空気流路切換機構(60)は、2つの熱交換器室(33,34)の下流部に設けられる複数のダンパによって構成される。空気流路切換機構(60)は、第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作とに連動するように、各熱交換器室(33,34)の下流部と、給気路(35)及び排気路(36)の連通状態を切り換える。
具体的に、本実施形態の空気流路切換機構(60)は、第1冷凍サイクル動作が開始されると、第1熱交換器室(33)と排気路(36)とを連通させ且つ第2熱交換器室(34)と給気路(35)とを連通させる第1状態となる(図1を参照)。また、空気流路切換機構(60)は、第2冷凍サイクル動作が開始されると、第2熱交換器室(34)と排気路(36)とを連通させ且つ第1熱交換器室(33)と給気路(35)とを連通させる第2状態となる(図2を参照)。
図1に示すように、本実施形態の除湿装置(30)は、コントローラ(70)を有している。コントローラ(70)は、圧縮機(41)のモータの運転/停止の切り換えや、圧縮機(41)のモータの回転数を制御する。また、コントローラ(70)は、給気ファン(37)及び排気ファン(38)の各モータの運転/停止の切換や、給気ファン(37)及び排気ファン(38)の各モータの回転数を制御する。また、コントローラ(70)は、2つの冷凍サイクル動作の切り換えに連動するように、空気流路切換機構(60)の設定を切り換える制御を行う。また、コントローラ(70)は、設定部(71)と、記憶部(72)と、膨張弁制御部(73)とを備えている。
設定部(71)には、ユーザ等の操作によって各種の設定時間が入力可能となっている。設定部(71)には、第1除湿動作(即ち、第1冷凍サイクル動作)の実行時間(T1)と、第2除湿動作(即ち、第2冷凍サイクル動作)の実行時間(T2)とが設定される。本実施形態において、第1除湿動作の実行時間(T1)及び第2除湿動作の実行時間(T2)は、それぞれ4分30秒(270秒)に設定される。
また、設定部(71)には、第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作とのそれぞれについて、初期設定時間(TA1,TA2)、中間設定時間(TB1,TB2)、及び終期設定時間(TC1,TC2)が設定されている(図3を参照)。具体的に、第1冷凍サイクル動作では、第1初期設定時間(TA1)、第1中間設定時間(TB1)、及び第1終期設定時間(TC1)が設定されている。また、第2冷凍サイクル動作では、第2初期設定時間(TA2)、第1中間設定時間(TB2)、及び第1終期設定時間(TC2)が設定されている。
第1終期設定時間(TC1)は、四方切換弁(45)が第1状態から第2状態に切り換わる時点よりも所定時間前から、四方切換弁(45)が第1状態から第2状態に切り換わった時点までの期間である。また、第2終期設定時間(TC2)は、四方切換弁(45)が第2状態から第1状態に切り換わる時点よりも所定時間前から、四方切換弁(45)が第2状態から第1状態に切り換わった時点までの期間である。第1終期設定時間(TC1)及び第2終期設定時間(TC2)は、本発明に係る第1期間に相当し、それぞれが例えば10秒に設定される。
第1初期設定時間(TA1)は、四方切換弁(45)が第2状態から第1状態に切り換わった時点から所定時間が経過するまでの期間である。また、第2初期設定時間(TA2)は、四方切換弁(45)が第1状態から第2状態に切り換わった時点から所定時間が経過するまでの期間である。第1初期設定時間(TA1)及び第2初期設定時間(TA2)は、本発明に係る第2期間に相当し、それぞれが例えば90秒に設定される。つまり、第2期間は、第1期間よりも長い時間に設定される。
第1中間設定時間(TB1)は、第1初期設定時間(TA1)の終了時から第1終期設定時間(TC1)の開始時までの間の期間である。また、第2中間設定時間(TB2)は、第2初期設定時間(TA2)の終了時から第2終期設定時間(TC2)の開始時までの間の期間である。第1中間設定時間(TB1)及び第2中間設定時間(TB2)は、本発明に係る第3期間に相当し、それぞれが例えば170秒に設定される。つまり、第3期間は、第1期間及び第2期間よりも長い時間に設定される。
記憶部(72)は、第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作とのそれぞれにおける膨張弁(43)の開度を記憶するように構成される。具体的に、記憶部(72)は、第1冷凍サイクル動作の第1中間設定時間(TB1)の終了時の膨張弁(43)の開度X1(n)(n:除湿運転を開始してから第1冷凍サイクル動作を実行した回数)を第1基準開度として記憶する。また、記憶部(72)は、第2冷凍サイクル動作の第2中間設定時間(TB2)の終了時の膨張弁(43)の開度X2(n)(n:除湿運転を開始してから第2冷凍サイクル動作を実行した回数)を第2基準開度として記憶する。
膨張弁制御部(73)は、第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作とのそれぞれについて、膨張弁(43)の開度を制御するものである。具体的に、膨張弁制御部(73)は、各冷凍サイクル動作において、第1、第2終期設定時間(TC1,TC2)になると、膨張弁(43)の開度を所定開度(第1開度)まで大きくし、この開度を第1、第2終期設定時間(TC1,TC2)に亘って維持する。また、膨張弁制御部(73)は、第1、第2初期設定時間(TA1,TA2)になると、膨張弁(43)の開度を所定開度(第2開度)まで小さくし、この開度を第1、第2初期設定時間(TA1,TA2)に亘って維持する。また、膨張弁制御部(73)は、各冷凍サイクル動作において、第1、第2中間設定時間(TB1,TB2)に亘って、冷媒回路(40)の冷媒の吸入過熱度が所定値(例えば本実施形態では5℃)となるように膨張弁(43)の開度を調節する。更に、膨張弁制御部(73)は、各初期設定時間(TA1,TA2)に至ると、前回の同種の冷凍サイクル動作で記憶した基準開度X1又はX2よりも、膨張弁(43)の開度を小さくするように構成される。更に、膨張弁制御部(71)は、各中間設定時間(TB1,TB2)に至ると、前回の同種の冷凍サイクル動作で記憶した基準開度X1又はX2を、該各中間設定時間(TB1,TB2)の膨張弁(43)の初期開度とする。各冷凍サイクル動作における膨張弁(43)の制御動作の詳細は後述する。
−除湿運転−
実施形態に係る除湿システム(1)は、室内空間(S1)を連続的に除湿する除湿運転を行う。本実施形態の除湿運転では、室外空気(OA)が除湿され、除湿された空気が室内空間(S1)へ供給空気(SA)として供給される。また、除湿運転では、室外空気(OA)が、吸着熱交換器(42,44)、吸着ブロック(51,52)、及び吸着ロータ(20)の各吸着剤の再生に利用される。これらの吸着剤の再生に利用された空気は、排出空気(EA)として室外へ排出される。除湿システム(1)の除湿運転では、次のような第1除湿動作と第2除湿動作とが交互に繰り返し行われる。
〈第1除湿動作〉
第1除湿動作では、四方切換弁(45)が第1状態に設定され、圧縮機(41)が駆動され、膨張弁(43)の開度が適宜調節される。この結果、第1除湿動作では、図1に示すように第1冷凍サイクル動作が行われる。また、第1除湿動作では、空気流路切換機構(60)が第1状態に設定され、給気ファン(37)及び排気ファン(38)が駆動される。
外気通路(11)に取り込まれた室外空気(OA)は、冷却器(15)によって冷却及び除湿された後に、第1分岐通路(11b)と第2分岐通路(11c)とに分流する。第1分岐通路(11b)に分流した空気は、第1外気路(31)を通過し、第1熱交換器室(33)に流入する。第2分岐通路(11c)に分流した空気は、第2外気路(32)を通過し、第2熱交換器室(34)に流入する。
第2熱交換器室(34)に流入した空気は、第2吸着熱交換器(44)を通過する。第1冷凍サイクル動作中の第2吸着熱交換器(44)は、蒸発器として機能する。このため、第2吸着熱交換器(44)の吸着剤が冷媒によって冷却され、空気中の水分が吸着剤に吸着される。第2吸着熱交換器(44)で除湿及び冷却された空気は、第2吸着ブロック(52)を通過する。第2吸着ブロック(52)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、この空気が更に除湿される。第2熱交換器室(34)を流出した空気は、給気路(35)を通過し、給気通路(12)へ送られる。
第1熱交換器室(33)に流入した空気は、第1吸着熱交換器(42)を通過する。第1冷凍サイクル動作中の第1吸着熱交換器(42)は、凝縮器として機能する。このため、第1吸着熱交換器(42)の吸着剤が冷媒によって加熱され、吸着剤の水分が空気中へ放出される。第1吸着熱交換器(42)の吸着剤を再生し加熱された空気は、第1吸着ブロック(51)を通過する。第1吸着ブロック(51)では、吸着剤の水分が空気中へ放出され、第1吸着ブロック(51)の吸着剤が再生される。第1熱交換器室(33)を流出した空気は、排気路(36)を通過し、室外空間へ排出される。
給気通路(12)を流れる空気の一部は、吸着ロータ(20)の第1領域(A1)を通過し、残りは再生通路(14)へ分流し、吸着ロータ(20)の第2領域(A2)を通過する。吸着ロータ(20)の第1領域(A1)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、この空気が除湿される。また、吸着ロータ(20)の第2領域(A2)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、この空気が除湿される。吸着ロータ(20)の第1領域(A1)で除湿された空気は、給気通路(12)から室内空間(S1)へ供給される。
吸着ロータ(20)の第2領域(A2)で除湿された空気は、加熱器(17)で加熱された後、吸着ロータ(20)の第3領域(A3)を通過する。吸着ロータ(20)の第3領域(A3)では、空気によって吸着剤が加熱され、この吸着剤が再生される。吸着ロータ(20)の吸着剤の再生に利用された空気は、室外空間へ排出される。
〈第2除湿動作〉
第2除湿動作では、四方切換弁(45)が第2状態に設定され、圧縮機(41)が駆動され、膨張弁(43)の開度が適宜調節される。この結果、第2除湿動作では、図2に示すように第2冷凍サイクル動作が行われる。また、第2除湿動作では、空気流路切換機構(60)が第2状態に設定され、給気ファン(37)及び排気ファン(38)が駆動される。
外気通路(11)に取り込まれた室外空気(OA)は、冷却器(15)によって冷却及び除湿された後に、第1分岐通路(11b)と第2分岐通路(11c)とに分流する。第1分岐通路(11b)に分流した空気は、第1外気路(31)を通過し、第1熱交換器室(33)に流入する。第2分岐通路(11c)に分流した空気は、第2外気路(32)を通過し、第2熱交換器室(34)に流入する。
第1熱交換器室(33)に流入した空気は、第1吸着熱交換器(42)を通過する。第2冷凍サイクル動作中の第1吸着熱交換器(42)は、蒸発器として機能する。このため、第1吸着熱交換器(42)の吸着剤が冷媒によって冷却され、空気中の水分が吸着剤に吸着される。第1吸着熱交換器(42)で除湿及び冷却された空気は、第1吸着ブロック(51)を通過する。第1吸着ブロック(51)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、この空気が更に除湿される。第1熱交換器室(33)を流出した空気は、給気路(35)を通過し、給気通路(12)へ送られる。
第2熱交換器室(34)に流入した空気は、第2吸着熱交換器(44)を通過する。第2冷凍サイクル動作中の第2吸着熱交換器(44)は、凝縮器として機能する。このため、第2吸着熱交換器(44)の吸着剤が冷媒によって加熱され、吸着剤の水分が空気中へ放出される。第2吸着熱交換器(44)の吸着剤を再生し加熱された空気は、第2吸着ブロック(52)を通過する。第2吸着ブロック(52)では、吸着剤の水分が空気中へ放出され、第2吸着ブロック(52)の吸着剤が再生される。第2熱交換器室(34)を流出した空気は、排気路(36)を通過し、室外空間へ排出される。
給気通路(12)を流れる空気の一部は、吸着ロータ(20)で除湿された後、室内空間(S)へ供給される。給気通路(12)を流れる空気の残りは、吸着ロータ(20)の吸着剤の再生に利用された後、室外空間へ排出される。
〈膨張弁を制御する動作について〉
除湿運転では、第1除湿動作(第1冷凍サイクル動作)と第2除湿動作(第2冷凍サイクル動作)とが交互に繰り返し行われる。2つの冷凍サイクル動作を交互に繰り返すようにすると、従来例の除湿装置の冷媒回路では、液冷媒や湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入され易くなるという問題があった。この点について図1及び図2を参照しながら説明する。
例えば上述した第1冷凍サイクル動作(図1を参照)では、圧縮機(41)で圧縮された冷媒が、第1吸着熱交換器(42)で凝縮し、膨張弁(43)で減圧され、第2吸着熱交換器(44)で蒸発する。このため、凝縮器となる第1吸着熱交換器(42)では、特に伝熱管の下流側部位(サブクール領域)において液冷媒が溜まり易くなる。この状態から四方切換弁(45)の設定が第2状態になると、冷媒回路(40)での冷媒の循環方向が逆転する。この結果、第1冷凍サイクル動作から第2冷凍サイクル動作(図2を参照)へ移行する。第2冷凍サイクル動作では、圧縮機(41)で圧縮された冷媒が、第2吸着熱交換器(44)で凝縮し、膨張弁(43)で減圧され、第1吸着熱交換器(42)で蒸発する。つまり、第2冷凍サイクル動作の開始直後には、これまで凝縮器であった第1吸着熱交換器(42)が蒸発器となるので、第1吸着熱交換器(42)の内部に液冷媒が残存することがある。このように、蒸発器となった第1吸着熱交換器(42)の内部に液冷媒が残存していると、この液冷媒は十分に蒸発されずに圧縮機(41)に吸入される虞がある。
同様にして、第1冷凍サイクル動作の開始直後には、これまで凝縮器であった第2吸着熱交換器(44)が蒸発器となり、第2吸着熱交換器(44)の内部に液冷媒が残存する可能性がある。このように、蒸発器となった第2吸着熱交換器(44)の内部に液冷媒が残存していると、この液冷媒は十分に蒸発されずに圧縮機(41)に吸入される虞がある。
以上のように、各冷凍サイクル動作の切り換え直後には、液冷媒や湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入され易くなる。例えば液冷媒が圧縮機(41)に吸入されると、圧縮機(41)の圧縮機構で液冷媒が圧縮される、液圧縮現象を招く虞がある。また、例えば液冷媒や湿り状態の冷媒が、圧縮機(41)のケーシング内に吸入されると、圧縮機(41)のケーシング内の温度が低下し易くなる。これに伴い圧縮機(41)内の各摺動部を潤滑するための冷凍機油の温度が低下すると、冷凍機油中に冷媒が溶け込んで、この冷凍機油の粘度が低下し易くなる。この結果、各摺動部の潤滑不良を招くという問題が生じる。特に、本実施形態では、双方の吸着熱交換器(42,44)を同じ温度及び湿度条件の室外空気が流れるため、室外空気の温度が比較的低い場合には、両者の吸着熱交換器(42,44)を流れる冷媒の温度が低くなるとともに圧力差が比較的小さくなる。このため、冷媒回路(40)の高圧冷媒(圧縮機(41)の吐出冷媒)の温度も比較的低くなるため、圧縮機(41)のケーシング内の温度が下がり易くなる。従って、液冷媒や湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうと、圧縮機(41)のケーシング内の温度が著しく低下してしまい、上述のような問題が顕著となる。そこで、本実施形態では、このような問題を解消するために、各冷凍サイクル動作において、膨張弁(43)の開度を次のように制御している。
以下には、膨張弁(43)の開度を制御する動作について、図3を参照しながら説明する。なお、図3では、除湿運転が開始された後のn回目の第1冷凍サイクル動作、及びn回目の第2冷凍サイクル動作と、その前後の冷凍サイクル動作を例示している。
例えば図3の例では、時点ta2(n-1)に至ると、四方切換弁(45)の設定が第1状態から第2状態へと切り換えられ、第1冷凍サイクル動作から第2冷凍サイクル動作へ移行する。第2冷凍サイクル動作が始まると、まず、時点ta2(n-1)から時点tb2(n-1)までの間の第2初期設定時間(TA2)に亘って膨張弁(43)の開度が所定開度(第2開度)に維持される。そして、時点tb2(n-1)に至ると、膨張弁(43)の開度が所定開度まで大きくなる。そして、時点tb2(n-1)から時点tc2(n-1)までの間の第2中間設定時間(TB2)では、冷媒回路(40)の吸入冷媒の過熱度が5℃となるように膨張弁(43)の開度が調節される。そして、第2中間設定時間(TB2)が終了すると、この終了時の膨張弁(43)の開度がX2(n-1)として記憶部(72)に記憶される。
第2中間設定時間(TB2)が終了し、時点tc2(n-1)に至ると、膨張弁制御部(73)は、膨張弁(43)の開度を所定開度(第1開度)まで増大させる。具体的に、膨張弁制御部(73)は、直前の第2中間設定時間(TB2)の終了時の膨張弁の開度X2(n-1)に所定開度(例えば100パルス)を加えた開度を次の第2終期設定時間(TC2)の開度とする。この開度は、第2終期設定時間(TC2)の開始時(時点tc2(n-1))から終了時(時点ta1(n))まで一定に維持される。そして、時点ta1(n)に至ると、四方切換弁(45)が第2状態から第1状態に切り換わり、第2冷凍サイクル動作から第1冷凍サイクル動作へと切り換わる。
第2冷凍サイクル動作から第1冷凍サイクル動作へ切り換わる前には、第2終期設定時間(TC2)において、膨張弁(43)の開度が大きくなる。このため、第2冷凍サイクル動作の終了前には、凝縮器である第2吸着熱交換器(44)の内部に溜まった液冷媒が、膨張弁(43)を通過し、蒸発器である第1吸着熱交換器(42)側へ流れていく。これにより、第1冷凍サイクル動作の開始直前において、第2吸着熱交換器(44)の内部に溜まった液冷媒を第1吸着熱交換器(42)側へ排出できる。
時点ta1(n)に至ると、膨張弁制御部(73)は、膨張弁(43)の開度を所定開度(第2開度)まで小さくする。この膨張弁(43)の開度は、前回の同種の冷凍サイクル動作の中間設定時間の終了時に記憶された膨張弁(43)の開度を基準に調節される。具体的に、第1冷凍サイクル動作の時点ta1(n)に膨張弁(43)の開度を小さくする場合、この開度は、前回の第1冷凍サイクル動作の第1中間設定時間(TB1)の終了時に記憶された膨張弁(43)の開度X1(n-1)を基準に調節される。つまり、図3の例では、時点tc1(n-1)の直前に記憶された膨張弁(43)の開度を第1基準開度とし、この第1基準開度から所定開度(たとえば40パルス)を引いた開度を時点ta1(n)での制御目標とする。この開度は、第1初期設定時間(TA1)の開始時(時点ta(n))から終了時(時点tb(n))まで一定に維持される。
このように、第1冷凍サイクル動作の開始直後には、膨張弁(43)の開度が比較的小さめに制御される。このため、第1冷凍サイクル動作の開始直後では、冷媒回路(40)の冷媒の循環量が比較的小さくなるため、冷媒回路(40)に残存する液冷媒や湿り状態の冷媒が、圧縮機(41)に多量に吸入されてしまうことを回避できる。
また、第1初期設定時間(TA1)では、膨張弁(43)の開度が一定に制御される。第1冷凍サイクル動作の開始直後には、冷媒の循環方向が逆転するため、冷媒の温度や圧力も不安定となる。このため、例えば第1初期設定時間(TA1)において、膨張弁(43)を過熱度制御すると、膨張弁(43)の開度が急激に変動し、ハンチングしてしまう。これに対し、第1初期設定時間(TA1)では、膨張弁(43)の開度が一定に維持されるため、このような膨張弁(43)の開度のハンチングを防止できる。
また、第1初期設定時間(TA1)の開度は、前回の第1冷凍サイクル動作の第1中間設定時間(TB1)の終了時の開度を基準としている。ここで、第1中間設定時間(TB1)では、冷媒回路(40)の冷媒の吸入過熱度が所定値となるように膨張弁(43)の開度を制御している。このため、第1中間設定時間(TB1)の終了時の開度は、前回の第1冷凍サイクル動作において、冷媒の吸入過熱度を目標値に近づけるための最適な開度といえる。従って、第1初期設定時間(TA1)において、この開度を基準に膨張弁(43)の開度を更に絞ることで、液冷媒や湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことを確実に防止できる。
また、第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作とでは、例えば冷媒の吸入過熱度を目標値に近づけるための膨張弁(43)の最適な開度が厳密には異なる。第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作とでは、冷媒の循環方向や、各吸着熱交換器(42,44)に対応する空気通路の風速分布等が異なるため、これに伴い膨張弁(43)の最適な開度にも差異が生じるためである。一方、本実施形態では、第1初期設定時間(TA1)において、前回の同種(第1冷凍サイクル動作)の第1中間設定時間(TB1)の膨張弁(43)の開度を基準とするため、このような2つの冷凍サイクル動作の差異を考慮して膨張弁(43)の開度を制御できる。この結果、第1初期設定時間(TA1)では、膨張弁(43)の開度を確実に絞り気味とすることができ、液冷媒や湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことを確実に防止できる。
次いで、時点tb1(n)に至ると、第1中間設定時間(TB1)の初期開度として、前回の同種の冷凍サイクル動作(第1冷凍サイクル動作)の第1中間設定時間(TB1)の終了時tc1(n-1)の開度(基準開度X1(n-1))が用いられる。つまり、時点tb1(n)に至ると、第1初期設定時間(TA1)の膨張弁(43)の開度が基準開度X1(n-1)まで大きくなる。そして、その後には、時点tb1(n)から時点tc1(n)に至るまでの第1中間設定時間(TB1)において、膨張弁(43)の開度が過熱度制御される。具体的に、膨張弁制御部(73)は、冷媒回路(40)の冷媒の吸入過熱度が+5℃となるように、膨張弁(43)の開度を調節する。この結果、第1中間設定時間(TB1)では、時間の経過とともに、膨張弁(43)の開度が最適な開度へと収束していく。そして、記憶部(72)には、第1中間設定時間(TB1)の終了時(時点tc1(n)の直前)の膨張弁(43)の開度がX1(n)として記憶される。
このように、第1中間設定時間(TB1)では、初期開度として、前回の第1冷凍サイクル動作における第1中間設定時間(TB1)の終了時の膨張弁(43)の開度が用いられ、その後に膨張弁(43)の過熱度制御が行われる。このため、第1中間設定時間(TB1)では、上述のように2つの冷凍サイクル動作の差異を考慮しつつ、膨張弁(43)の開度を最適な開度へ速やかに収束させることができる。
次いで、時点tc1(n)に至ると、膨張弁(43)の開度が基準開度X1(n)に所定値を加えた開度になる。この結果、次の第2冷凍サイクル動作の開始直前において、膨張弁(43)の開度が比較的大きくなる。これにより、この第1終期設定時間(TC1)では、凝縮器となる第1吸着熱交換器(42)の内部の液冷媒が、蒸発器となる第2吸着熱交換器(44)側へ排出される。
次いで、時点ta2(n)に至ると、第1冷凍サイクル動作から第2冷凍サイクル動作へ移行する。すると、膨張弁制御部(73)は、時点ta2(n)において、膨張弁(43)の開度を第2基準開度より所定開度だけ小さい開度とする。この第2基準開度は、前回の第2冷凍サイクル動作の第2中間設定時間(TB2)の終了時の開度(X2(n-1))である。従って、時点ta2(n)から時点tb2(n)までの間の第2初期設定時間(TA2)では、膨張弁(43)の開度が絞り気味となり、液冷媒や湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことを確実に回避できる。
次いで、時点tb2(n)に至ると、第2中間設定時間(TB2)の初期開度として、前回の同種の冷凍サイクル動作(第2冷凍サイクル動作)の第2中間設定時間(TB2)の終了時tc2(n-1)の開度(基準開度X2(n-1))が用いられる。つまり、時点tb2(n)に至ると、第2初期設定時間(TA2)の膨張弁(43)の開度が基準開度X2(n-1)まで大きくなる。そして、その後には、時点tb2(n)から時点tc2(n)に至るまでの第2中間設定時間(TB2)において、膨張弁(43)の開度が過熱度制御される。具体的に、膨張弁制御部(73)は、冷媒回路(40)の冷媒の吸入過熱度が+5℃となるように、膨張弁(43)の開度を調節する。この結果、第2中間設定時間(TB2)では、時間の経過とともに、膨張弁(43)の開度が最適な開度へと収束していく。そして、記憶部(72)には、第2中間設定時間(TB2)の終了時(時点tc2(n)の直前)の膨張弁(43)の開度がX2(n)として記憶される。
このように、第2中間設定時間(TB2)では、初期開度として、前回の第2冷凍サイクル動作における第2中間設定時間(TB2)の終了時の膨張弁(43)の開度が用いられ、その後に膨張弁(43)の過熱度制御が行われる。このため、第2中間設定時間(TB2)では、上述のように2つの冷凍サイクル動作の差異を考慮しつつ、膨張弁(43)の開度を最適な開度へ速やかに収束させることができる。
次いで、時点tc2(n)に至ると、膨張弁(43)の開度が基準開度X2(n)に所定値を加えた開度になる。この結果、次の第1冷凍サイクル動作の開始の前において、膨張弁(43)の開度が比較的大きくなる。これにより、この第2終期設定時間(TC2)では、凝縮器となる第2吸着熱交換器(44)の内部の液冷媒が、蒸発器となる第1吸着熱交換器(42)側へ排出される。
このように、各冷凍サイクル動作では、設定時間毎に膨張弁(43)の開度が適宜調節される。この結果、各冷凍サイクル動作の切り換えに起因して、液冷媒や湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことが回避される。
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、第1、第2終期設定時間(TC1,TC2)に膨張弁(43)の開度を増大させることで、凝縮器となる方の吸着熱交換器(42,44)に溜まった液冷媒を冷凍サイクル動作の切り換え前に蒸発器となる方の吸着熱交換器(42,44)に排出できる。また、第1、第2初期設定時間(TA1,TA2)に膨張弁(43)の開度を減少させることで、冷凍サイクル動作の切り換え直後において、冷媒の循環量を減少できる。これにより、上記実施形態によれば、冷凍サイクル動作の切り換え直後において、液冷媒や湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されてしまうことを回避できる。この結果、圧縮機(41)での液圧縮を回避できたり、アキュムレータの小型化を図ったりできる。
湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されると、圧縮機(41)内の温度が低下してしまい、冷凍機油に冷媒が溶け込んで冷凍機油の粘度が低下してしまう虞がある。これに対し、本発明では、湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されることを回避できるため、圧縮機(41)内の温度の低下を防止でき、冷凍機油の粘度の低下も防止できる。
また、上記実施形態によれば、冷凍サイクル動作の切り換え時点よりも第1,第2初期設定時間(TA1,TA2)が経過した後の第1、第2中間設定時間(TB1,TB2)において、冷媒の吸入過熱度が所定値となるように膨張弁(43)の開度を調節している。このため、膨張弁(43)の開度が大きくハンチングすることなく、圧縮機(41)に吸入される冷媒に所定の過熱度を付与できる。この結果、室内へ供給される空気の湿度の変動を防止でき、且つ湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されることも確実に回避できる。
しかも、第1、第2中間設定時間(TB1,TB2)では、前回の同種の冷凍サイクル動作の第1,第2中間設定時間(TB1,TB2)の終了時の膨張弁(43)の開度を初期の膨張弁(43)の開度としている。これにより、中間設定時間(TB1,TB2)では、膨張弁(43)の開度を速やかに最適な開度へ収束させることができる。
また、上記実施形態によれば、室外空気が吸着熱交換器(42,44)を通過して室外へ排出される、いわゆる外気循環方式の除湿装置(30)を提供できる。この除湿装置(30)では、室外空気の温度が比較的低い場合に、2つの吸着熱交換器(42,44)を流れる冷媒の温度が低くなるとともに圧力差が小さくなり易く、圧縮機(41)内の温度の低下が顕著となる。しかし、本発明では、湿り状態の冷媒が圧縮機(41)に吸入されることを回避できるため、圧縮機(41)の更なる温度低下を回避できる。この結果、冷凍機油の粘度の低下を防止でき、圧縮機(41)の信頼性を確保できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、吸着熱交換器(42,44)で除湿した空気を室内空間(S1)へ供給する除湿運転を行う除湿装置(30)を備えた除湿システム(1)である。しかし、例えば凝縮器となる吸着熱交換器(42,44)で加湿した空気を室内空間(S1)へ供給する加湿運転を行う加湿装置を備えた加湿システムや、除湿運転と加湿運転との双方を切り換えて行う調湿装置を備えた調湿システムについて本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態の除湿装置(30)は、2つの吸着熱交換器(42,44)にそれぞれ室外空気を通過させ、一方を室外へ排出し、他方を室内へ供給している。しかし、除湿装置(30)は、例えば室外空気(OA)が一方の吸着熱交換器(42,44)を通過し室内空間(S1)へ供給され、室内空気(RA)が他方の吸着熱交換器(42,44)を通過し室外空間へ排出される構成であってもよい。
また、上記実施形態の除湿システム(1)では、上述した吸着ブロック(51,52)及び吸着ロータ(20)のいずれか一方又は両方を省略した構成としてもよい
また、上記実施形態の膨張弁制御部(73)は、冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えた時点(即ち、図3の時点ta1や時点ta2)において、膨張弁(43)の開度を第2開度まで小さくしている。しかし、膨張弁制御部(73)は、冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えた直後(時点ta1や時点ta2よりも僅かに遅れたタイミング)において、膨張弁(43)の開度を第2開度まで小さくする構成であってもよい。
以上説明したように、2つの吸着熱交換器を備えた調湿装置について有用である。
1 除湿システム
30 除湿装置
40 冷媒回路
41 圧縮機
42 第1吸着熱交換器
43 膨張弁
44 第2吸着熱交換器
45 四方切換弁(冷媒流路切換機構)
60 空気流路切換機構
73 膨張弁制御部
S1 室内空間

Claims (2)

  1. 圧縮機(41)と、吸着剤をそれぞれ担持する第1吸着熱交換器(42)及び第2吸着熱交換器(44)と、膨張弁(43)と、第1吸着熱交換器(42)が凝縮器となり第2吸着熱交換器(44)が蒸発器となる第1の冷凍サイクル動作と、第2吸着熱交換器(44)が凝縮器となり第1吸着熱交換器(42)が蒸発器となる第2の冷凍サイクル動作とを交互に繰り返し行うよう冷媒の流路を切り換える冷媒流路切換機構(45)とが接続された冷媒回路(40)と、
    上記2つの吸着熱交換器(42,44)のうち蒸発器となる方を通過した空気が、室内と室外のうちの一方に送られると同時に、2つの吸着熱交換器(42,44)のうち凝縮器となる方を通過した空気が、室内と室外のうちの他方へ送られるように空気の流路を切り換えて空気流路切換機構(60)とを備えた調湿装置であって、
    上記各冷凍サイクル動作において、上記冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換える所定時間前に上記膨張弁(43)の開度を第1開度まで大きくし、次に上記冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えるまでの第1期間(TC1,TC2)に亘って上記膨張弁(43)の開度を上記第1開度に維持するとともに、上記冷媒流路切換機構(45)が冷媒の流路を切り換えた時点又は直後に上記膨張弁(43)の開度を第2開度まで小さくし、所定時間後までの第2期間(TA1,TA2)に亘って上記膨張弁(43)の開度を上記第2開度に維持する膨張弁制御部(73)を備え
    上記膨張弁制御部(73)は、上記各冷凍サイクル動作において、上記第2期間(TA1,TA2)の終了から上記第1期間(TC1,TC2)の開始までの間の第3期間(TB1,TB2)に亘って、上記冷媒回路(40)の冷媒の吸入過熱度が所定値となるように上記膨張弁(43)の開度を調節するように構成され、
    上記膨張弁制御部(73)は、上記第2期間(TA1,TA2)での膨張弁(43)の開度を、前回の同種の冷凍サイクルにおける第3期間(TB1,TB2)の終了時の膨張弁(43)の開度より小さい上記第2開度とするように構成されている
    ことを特徴とする調湿装置。
  2. 請求項において、
    上記2つの吸着熱交換器(42,44)は、上記各冷凍サイクル動作において、それぞれ室外空気が通過するように構成されている
    ことを特徴とする調湿装置。
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