JP6203876B2 - 核酸ライブラリーの作製方法 - Google Patents

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Description

1 関連出願
本出願は、以下の出願に関連し、それらの出願日の優先権を主張する:2010年2月
25日に出願された題名「Automated Library Construction for Next-Generation Seque
ncing」の米国特許仮出願第61/307,950号;2010年4月20日に出願された題名「Aut
omated Library Construction for Next-Generation Sequencing」の米国特許仮出願第61
/326,000号;2010年7月26日に出願された題名「Automated Library Construction
for Next-Generation Sequencing」の米国特許仮出願第61/367,513号;および2010
年11月5日に出願された題名「Automated Library Construction for Next-Generation
Sequencing」の米国特許仮出願第61/410,646号。上述した出願の開示は、本明細書で引
用される全ての他の文献と共に、全体を参照して本明細書に具体的に援用される。
2 発明の分野
本発明は、概して、オイル中での核酸ライブラリーの構築ケミストリーを実施する新し
い液滴系の方法に関する。
3 発明の背景
液滴アクチュエーターは、通常、液滴操作を行うための表面または間隙を形成するよう
に構成された1つ以上の基板を含む。基板は、液滴操作を行うために配置された電極を含
んでいてもよい。基板または基板間の間隙は、液滴を形成する液体と混和しない液体で被
覆および/または充填されていてもよい。液滴アクチュエーターは、核酸の増幅(例えば
、定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR))および核酸配列決定等の様々な分子手順を行
うために使用されている。最近、核酸配列決定技術のあらゆる側面(例えば、コスト、ス
ピード、処理能力、ワークフロー、精度およびデータアセンブリ)で改良がなされてきた
。これらの改良された技術に基づく、いわゆる「次世代」配列決定プラットフォームは、
しばしば、1000ゲノム計画、およびヒト体内微生物ゲノム計画等の大規模な配列決定
計画に用いられている。これらの技術の他の用途は、トランスクリプトーム配列決定(R
NA配列)、タンパク質−クロマチン相互作用解析(ChIP配列)、全エキソーム配列
決定、メタゲノム解析およびコピー数多型解析を含む。次世代配列決定プラットフォーム
の配列決定手順は、核酸フラグメントライブラリーを利用する。次世代配列決定プラット
フォームの全潜在能力は、フラグメントライブラリーを構築する方法を最適化(例えば、
コスト削減、収率向上、および処理能力向上)することにより認識される。ライブラリー
の構築は、通常、物理処理、酵素反応および精製を含む、多くの労力と時間集約的な工程
を伴う。シークエンスデータの質(例えば、シークエンス範囲の深度、配列決定バイアス
)は、フラグメントライブラリーの構築の質に依存する。
一般的なライブラリー構築手順では、配列決定される核酸サンプルは、はじめに、流体
力学的せん断もしくは機械的な力のいずれかによりランダムに細分化される、または、酵
素消化法もしくは化学消化法によりランダムに細分化される。生成する核酸フラグメント
は、次いで追加修飾にかけられ、その結果、いわゆる「アダプター」シークエンスが、フ
ラグメントの一端または両端に取り付けられる。この方法は、フラグメントがはじめに末
端修復または平滑末端化され、その後任意に、サンプルフラグメントへのアダプターシー
クエンスの結合前にA−taling工程が行われる。調製された核酸ライブラリーは、
定量化され、そして続く配列決定プロセスの準備がされる。より高度な手順では、長い環
状化工程と、末端修復およびアダプター結合の第2ラウンドとがあってもよい。マルチプ
レックスアイデンティファイアーまたはバーコードの短いシークエンスは、フラグメント
に結合されてもよく、または結合されたアダプターシークエンス内に含めてシークエンス
アセンブリを補助してもよい。
核酸捕捉、洗浄、および様々な酵素反応間における溶離を含む一般的なライブラリーの
構築手順において要求される複数の精製工程は、通常、著しく核酸を損失させる。市販の
ロボットのリキッドハンドラーを伴う自動化は、さらに材料の損失の影響を受けやすく、
それ故、非常に低い収率となる。がんゲノム解析、メタゲノム解析および古生ゲノム解析
等の所定の用途では、しばしば、開始時のライブラリー構築のために処理される核酸の量
が微量で、配列決定前の核酸サンプルを多量に失うことが許されないことがある。ライブ
ラリー構築に対し、高収率、試薬消費の削減、およびユーザーが多重操作の範囲で操作す
ることができる、柔軟で、自動化されたプラットフォームのニーズがある。
4 発明の簡単な説明
本発明は、オイルと接触した液滴内での核酸ライブラリーの作製方法を提供し、該方法
は以下の工程を含む:オイル中の液滴内で核酸フラグメントを平滑末端化し、平滑末端化
された核酸フラグメントを生成する工程;オイル中の液滴内で平滑末端化された核酸フラ
グメントをリン酸化し、リン酸化された核酸フラグメントを生成する工程;オイル中の液
滴内でA−tailをリン酸化された核酸フラグメントに結合させ、A−tail化され
た核酸フラグメントを生成する工程;およびオイル中の液滴内で核酸アダプターをA−t
ail化された核酸フラグメントに結合させ、アダプター結合核酸フラグメントの核酸ラ
イブラリーを生成する工程。
いくつかの場合では、アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸フラグメントの
モル基準で少なくとも5%である。いくつかの場合では、アダプター結合核酸フラグメン
トの修復は、核酸フラグメントのモル基準で少なくとも10%である。いくつかの場合で
は、アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸フラグメントのモル基準で少なくと
も15%である。いくつかの場合では、アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸
フラグメントのモル基準で少なくとも20%である。いくつかの場合では、アダプター結
合核酸フラグメントの修復は、核酸フラグメントのモル基準で少なくとも50%である。
いくつかの場合では、アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸フラグメントのモ
ル基準で少なくとも75%である。いくつかの場合では、アダプター結合核酸フラグメン
トの修復は、核酸フラグメントのモル基準で少なくとも90%である。いくつかの場合で
は、アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸フラグメントのモル基準で少なくと
も95%である。いくつかの場合では、アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸
フラグメントのモル基準で少なくとも99%である。
本発明の方法は、平滑末端化された核酸フラグメントを1以上の工程の前または後で精
製する工程を含んでいてもよい。本発明の方法は、開始工程1(b)の前に平滑末端化さ
れた核酸フラグメントを精製する工程を含んでいてもよい。本発明の方法は、開始工程1
(c)の前にリン酸化された核酸フラグメントを精製する工程を含んでいてもよい。本発
明の方法は、開始工程1(d)の前にA−tail化された核酸フラグメントを精製する
工程を含んでいてもよい。精製工程は、例えば、オイル中の液滴内でビーズに核酸フラグ
メントを捕捉する工程およびオイル中でビーズを洗浄する工程を含んでいてもよい。ビー
ズは、例えば、電荷スイッチビーズまたは固相可逆固定ビーズを含んでいてもよい。いく
つかの実施形態では、精製工程は、以下の工程を含む:洗浄液滴を、ビーズを含む液滴と
混合し、混合された液滴を生成する工程;およびビーズを拘束している間に混合された液
滴を分割し、ビーズを含む娘液滴と、実質的にビーズを含まない娘液滴とを生成する工程
。理想的には、分割プロセスの間のいかなるビーズ損失も核酸ライブラリーをその意図さ
れた目的に不適当とするのに十分なものではない。
ライブラリー構築に用いられる核酸フラグメントは、時には、5’−突出および/また
は3’−突出を含んでいてもよい。斯かるフラグメントの平滑末端化工程は、核酸フラグ
メントを含む液滴と、平滑末端化試薬を含む液滴とをオイル中で混合する工程を含んでい
てもよい。リン酸化工程は、核酸フラグメントを含む液滴と、リン酸化試薬を含む液滴と
をオイル中で混合する工程を含んでいてもよい。A−tailを結合させる工程は、核酸
フラグメントを含む液滴と、A−tail化試薬を含む液滴とをオイル中で混合する工程
を含んでいてもよい。核酸アダプターを結合させる工程は、核酸フラグメントを含む液滴
と、アダプター結合試薬を含む液滴とをオイル中で混合する工程を含んでいてもよい。
本発明は、オイルと接触した液滴内で核酸ライブラリーの構築を実行する方法を提供し
、該方法は以下の工程を含む:オイル中の液滴内で核酸フラグメントを平滑末端化し、か
つ、リン酸化し、平滑末端化/リン酸化された核酸フラグメントを生成する工程;結合バ
ッファー中の固相可逆固定ビーズを用いて、オイル中の液滴内で平滑末端化/リン酸化さ
れた核酸フラグメントを捕捉する工程;水性バッファーを用いて、オイル中の液滴内で固
相可逆固定ビーズを洗浄する工程;オイル中の液滴内で固相可逆固定ビーズから平滑末端
化/リン酸化された核酸フラグメントを溶離する工程;オイル中の液滴内でリン酸化され
た核酸フラグメントの両端にA−tailを結合させ、A−tail化された核酸フラグ
メントを生成する工程;結合バッファー中の固相可逆固定ビーズを用いて、オイル中の液
滴内でA−tail化された核酸フラグメントを捕捉する工程;水性バッファーを用いて
、オイル中の液滴内で固相可逆固定ビーズを洗浄する工程;オイル中の液滴内で固相可逆
固定ビーズからA−tail化された核酸フラグメントを溶離する工程;オイル中の液滴
内でA−tail化された核酸フラグメントに核酸アダプターを結合させ、アダプター結
合核酸フラグメントを生成する工程;結合バッファー中の固相可逆固定ビーズを用いて、
オイル中の液滴内でアダプター結合核酸フラグメントを捕捉する工程;水性バッファーを
用いて、オイル中の液滴内で固相可逆固定ビーズを洗浄する工程;オイル中の液滴内で固
相可逆固定ビーズからアダプター結合核酸フラグメントを溶離する工程;およびオイル中
の液滴内で固相可逆固定ビーズからアダプター結合核酸フラグメントを分離する工程。い
くつかの場合では、アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸フラグメントのモル
基準で少なくとも5%である。いくつかの場合では、アダプター結合核酸フラグメントの
修復は、核酸フラグメントのモル基準で少なくとも10%である。いくつかの場合では、
アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸フラグメントのモル基準で少なくとも1
5%である。いくつかの場合では、アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸フラ
グメントのモル基準で少なくとも20%である。いくつかの場合では、アダプター結合核
酸フラグメントの修復は、核酸フラグメントのモル基準で少なくとも50%である。いく
つかの場合では、アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸フラグメントのモル基
準で少なくとも75%である。いくつかの場合では、アダプター結合核酸フラグメントの
修復は、核酸フラグメントのモル基準で少なくとも90%である。いくつかの場合では、
アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸フラグメントのモル基準で少なくとも9
5%である。いくつかの場合では、アダプター結合核酸フラグメントの修復は、核酸フラ
グメントのモル基準で少なくとも99%である。
本発明の方法は、さらに、核酸ライブラリーを増幅する工程を含んでいてもよい。本発
明の方法は、液滴アクチュエーターで核酸ライブラリーを増幅する工程を含んでいてもよ
い。本発明の方法は、自動化シークエンサーで核酸ライブラリーを配列決定する工程を含
んでいてもよい。本発明の方法は、核酸増幅工程の介在なく、自動化シークエンサーで核
酸ライブラリーを配列決定する工程を含んでいてもよい。本発明の方法は、核酸増幅工程
を行わずに、自動化シークエンサーで核酸ライブラリーを配列決定する工程を含んでいて
もよい。
本発明は、オイルと接触した液滴内での平滑末端化/リン酸化された核酸フラグメント
の作製方法を提供し、該方法は以下の工程を含む;核酸フラグメントを含むサンプル液滴
と、平滑末端化試薬およびリン酸化試薬を含む1以上の試薬液滴とを混合し、平滑末端化
/リン酸化された核酸フラグメントを含むプロダクト液滴を生成する工程。本発明の方法
は、プロダクト液滴と、固相可逆固定ビーズを含むビーズ液滴とを混合し、捕捉液滴に平
滑末端化/リン酸化された核酸フラグメントを捕捉する工程を含んでいてもよい。本発明
の方法は、洗浄バッファー液滴を用いた液滴系混合および分割洗浄手順を用いて固相可逆
固定ビーズを洗浄し、平滑末端化/リン酸化された核酸フラグメントを含む洗浄されたビ
ーズを含む液滴を生成する工程を含んでいてもよく、ここで、洗浄バッファー液滴は実質
的に水性バッファーからなる。本発明の方法は、洗浄されたビーズを含む液滴と、溶離バ
ッファー液滴とを混合し、溶離された平滑末端化/リン酸化された核酸フラグメントを含
む溶離液滴を生成する工程を含んでいてもよい。本発明の方法は、固相可逆固定ビーズか
ら平滑末端化/リン酸化された核酸フラグメントを分離し、オイル中の平滑末端化/リン
酸化された核酸フラグメントを含む液滴を生成する工程を含んでいてもよい。
本発明は、オイルと接触した液滴内での平滑末端化された核酸フラグメントに核酸を結
合する方法を提供し、該方法は以下の工程を含む;平滑末端化された核酸フラグメントを
含むサンプル液滴と、核酸および結合試薬を含む1つ以上の試薬液滴とを混合し、結合核
酸フラグメントを含むプロダクト液滴を生成する工程。本発明の方法は、プロダクト液滴
と、固相可逆固定ビーズを含むビーズ液滴とを混合し、結合核酸フラグメントを捕捉する
工程を含んでいてもよい。本発明の方法は、洗浄バッファー液滴を用いた液滴系混合およ
び分割洗浄手順を用いて固相可逆固定ビーズを洗浄し、結合核酸フラグメントを含む洗浄
されたビーズを含む液滴を生成する工程を含んでいてもよく、ここで、洗浄バッファー液
滴は実質的に水性バッファーからなる。本発明の方法は、洗浄されたビーズを含む液滴と
、溶離バッファー液滴とを混合し、溶離された結合核酸フラグメントを含む溶離液滴を生
成する工程を含んでいてもよい。本発明の方法は、固相可逆固定ビーズからA−tail
化された核酸フラグメントを分離し、オイル中の結合核酸フラグメントを含む液滴を生成
する工程を含んでいてもよい。
本発明は、オイルと接触した液滴内でのA−tail化された核酸フラグメントを作製
する方法を提供し、該方法は以下の工程を含む;核酸フラグメントを含むサンプル液滴と
、A−tail化試薬を含む1以上の試薬液滴とをオイル中で混合し、A−tail化さ
れた核酸フラグメントを含むプロダクト液滴を生成する工程。本発明の方法は、プロダク
ト液滴と、固相可逆固定ビーズを含むビーズ液滴とを混合し、A−tail化された核酸
フラグメントを捕捉する工程を含んでいてもよい。本発明の方法は、洗浄バッファー液滴
を用いた液滴系混合および分割洗浄手順を用いて固相可逆固定ビーズを洗浄し、A−ta
il化された核酸フラグメントを含む洗浄されたビーズを含む液滴を生成する工程を含ん
でいてもよく、ここで、洗浄バッファー液滴は実質的に水性バッファーからなる。
本発明の方法は、洗浄されたビーズを含む液滴と、溶離バッファー液滴とを混合し、溶
離されたA−tail化された核酸フラグメントを含む溶離液滴を生成する工程を含んで
いてもよい。本発明の方法は、固相可逆固定ビーズからA−tail化された核酸フラグ
メントを分離し、オイル中のA−tail化された核酸フラグメントを含む液滴を生成す
る工程を含んでいてもよい。
本発明は、オイルと接触した液滴内でのアダプター結合核酸フラグメントを作製する方
法を提供し、該方法は以下の工程を含む;核酸フラグメントを含むサンプル液滴と、A−
tail化試薬を含む1以上の試薬液滴とをオイル中で混合し、アダプター結合核酸フラ
グメントを含むプロダクト液滴を生成する工程。本発明の方法は、プロダクト液滴と、固
相可逆固定ビーズを含むビーズ液滴とを混合し、アダプター結合核酸フラグメントを捕捉
する工程を含んでいてもよい。本発明の方法は、洗浄バッファー液滴を用いた液滴系混合
および分割洗浄手順を用いて固相可逆固定ビーズを洗浄し、アダプター結合核酸フラグメ
ントを含む洗浄されたビーズを含む液滴を生成する工程を含んでいてもよく、ここで、洗
浄バッファー液滴は実質的に水性バッファーからなる。本発明の方法は、洗浄されたビー
ズを含む液滴と、溶離バッファー液滴とを混合し、溶離されたアダプター結合核酸フラグ
メントを含む溶離液滴を生成する工程を含んでいてもよい。本発明の方法は、固相可逆固
定ビーズからアダプター結合核酸フラグメントを分離し、オイル中のアダプター結合核酸
フラグメントを含む液滴を生成する工程を含んでいてもよい。
本発明は、オイルと接触した液滴内での核酸フラグメントの精製方法を提供し、該方法
はオイルと接触した以下の工程の実行を含む;核酸フラグメントを含む液滴と、固相可逆
固定ビーズを含むビーズ液滴とを混合し、核酸フラグメントを捕捉する工程;洗浄バッフ
ァー液滴を用いた液滴系混合および分割洗浄手順を用いて固相可逆固定ビーズを洗浄し、
核酸フラグメントを含む洗浄されたビーズを含む液滴を生成する工程;洗浄されたビーズ
を含む液滴と、溶離バッファー液滴とを混合し、溶離された平滑末端化/リン酸化された
核酸フラグメントを含む溶離液滴を生成する工程;および固相可逆固定ビーズから核酸フ
ラグメントを分離し、オイル中の精製された核酸フラグメントを含む液滴を生成する工程
本明細書に記載のいずれかの方法では、洗浄バッファー液滴は、実質的に水性バッファ
ーからなる液滴を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、水性バッファーは、実質
的に結合バッファーからなる。いくつかの実施形態では、水性バッファーは、実質的に有
機溶媒を含まない。いくつかの実施形態では、水性バッファーは、約10%以下の有機溶
媒を含む。いくつかの実施形態では、水性バッファーは、実質的にエタノールを含まない
。いくつかの実施形態では、水性バッファーは、約10%以下のエタノールを含む。いく
つかの実施形態では、洗浄バッファー液滴は、少なくとも約25%の有機溶媒を含む液滴
を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファー液滴は、少なくとも約50%の有機溶
媒を含む液滴を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファー液滴は、少なくとも約5
0%の有機溶媒を含む液滴を含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アルコールを
含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、エタノールを含む。いくつかの実施形態で
は、有機溶媒は、実質的にエタノールからなる。いくつかの実施形態では、洗浄バッファ
ー液滴は、塩が混合される。いくつかの実施形態では、洗浄バッファー液滴は、NaCl
が混合される。
いくつかの実施形態では、洗浄バッファー液滴は、約0.01〜約100mMの量の塩
を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファー液滴は、約0.1〜約10mMの量の
塩を含む。いくつかの実施形態では、洗浄バッファー液滴は、洗浄バッファーに可溶な正
塩が、約0.01〜約100mMの量で混合される。いくつかの実施形態では、洗浄バッ
ファー液滴は、洗浄バッファーに可溶な正塩が、約0.1〜約10mMの量で混合される
。いくつかの実施形態では、洗浄バッファー液滴は、洗浄バッファーに可溶な単塩が、約
0.01〜約100mMの量で混合される。いくつかの実施形態では、洗浄バッファー液
滴は、洗浄バッファーに可溶な単塩が、約0.1〜約10mMの量で混合される。いくつ
かの実施形態では、洗浄バッファー液滴は、NaClが、約0.01〜約100mMの量
で混合される。いくつかの実施形態では、洗浄バッファー液滴は、NaClが、約0.1
〜約10mMの量で混合される。いくつかの実施形態では、塩は、塩の存在しない有機溶
媒を含む洗浄バッファー液滴に比べて、1以上の電気濡れ(electrowetting)液滴操作の
再現性を向上させる。いくつかの実施形態では、1以上の電気濡れ液滴操作は、液滴輸送
、液滴分割、および液滴分配からなる群より選択される。
様々な実施形態で、本発明のライブラリー構築手順の一部または全ての工程は、オイル
中で実行される。例えば、いくつかの実施形態では、オイルは、シリコーンオイルまたは
フルオロシリコーンオイルを含む。ドーピングオイル用の他のオイルおよび界面活性剤が
、本明細書で記載される。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、さらに、自動化シークエンサーで核酸ライ
ブラリーを配列決定する工程を含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、さらに
、核酸増幅工程の介在なく、自動化シークエンサーで核酸ライブラリーを配列決定する工
程を含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、さらに、核酸増幅工程を行わずに
、自動化シークエンサーで核酸ライブラリーを配列決定する工程を含む。
いくつかの実施形態では、オイル中の液滴は、本発明の手順を実行するために液滴アク
チュエーターにより制御される。液滴アクチュエーターは、液滴操作を用いる工程を制御
してもよい。例えば、液滴操作は、電気濡れ媒介液滴操作、光電濡れ媒介液滴操作、誘電
泳動媒介液滴操作等の電極媒介液滴操作を含んでいてもよい。液滴操作を実行するための
他の技術が、本明細書で記載される。理想的には、工程は、オペレーターの干渉なしに、
単一の液滴アクチュエーターで一体的に実行される。
本発明の方法で用いられる液滴の一部または全部は、オイルと接触してもよい。例えば
、液滴は、実質的にオイルに囲まれていてもよい。液滴は、オイルに浮いていてもよい。
液滴は、オイルに沈んでいてもよい。液滴とオイルが分離した2つの基板の間に挟み込ま
れて、オイルを含む液滴操作間隙を形成してもよい。オイルと接触した液滴が分離した2
つの基板の間に挟み込まれて、オイルで実質的に充填された液滴操作間隙を形成してもよ
い。
本発明は、核酸フラグメントを平滑末端化する方法を提供し、該方法は以下の工程を含
む;核酸フラグメントを含む液滴と、平滑末端化試薬を含む液滴とをオイル中で混合し、
平滑末端化反応を行って、平滑末端化された核酸フラグメントを生成する工程。本発明は
、核酸フラグメントをリン酸化する方法を提供し、該方法は以下の工程を含む;平滑末端
化された核酸フラグメントを含む液滴と、リン酸化試薬を含む液滴とをオイル中で混合し
、リン酸化反応を行って、リン酸化された核酸フラグメントを生成する工程。本発明は、
核酸フラグメントを改質する方法を提供し、該方法は以下の工程を含む;平滑末端化され
た核酸フラグメントを含む液滴と、平滑末端化試薬およびリン酸化試薬を含む液滴とをオ
イル中で混合し、平滑末端化反応およびリン酸化反応を行って、平滑末端化され、リン酸
化された核酸フラグメントを生成する工程。本発明は、核酸フラグメントをA−tail
化する方法を提供し、該方法は以下の工程を含む;リン酸化された核酸フラグメントを含
む液滴と、A−tail化試薬を含む液滴とをオイル中で混合し、A−tail化反応を
行って、A−tail化された核酸フラグメントを生成する工程。本発明は、核酸フラグ
メントを結合する方法を提供し、該方法は以下の工程を含む;第1核酸を含む液滴と、第
2核酸および結合試薬を含む1以上の液滴とをオイル中で混合する工程。第1核酸は、A
−tail化された核酸を含み、そして第2核酸は、アダプターを含む。
本発明は、ライブラリー構築方法の工程を制御するシステムを提供する。本発明は、例
えば、(i)液滴アクチュエーターと、(ii)本発明の方法のいずれかまたは本発明の
個々の工程のいずれかを実行するようにプログラムされたコントローラーとを含む、シス
テムを含む。本発明は、本発明の方法のいずれかを実行するようにプログラムされたエン
コードソフトウェアを含む記憶媒体を含む。
本発明は、液滴アクチュエーターをも提供し、該液滴アクチュエーターは以下を備える
;頂部基板および底部基板、当該2つの基板は、高さh1を有する液滴操作間隙を形成す
るように構成されている;底部基板と頂部基板との一方または両方と結合した電極を含み
、かつ、高さh1を有する間隙で液滴操作を実行するために構成された電極通路;および
頂部基板と底部基板の2つの基板の間に高さh2を有する空隙を形成するように構成され
た頂部基板または底部基板の一方に形成された陥凹エリア、ここでh2はh1よりも大き
い。いくつかの実施形態では、空隙は、液滴が存在するとき電極を非活性化すると液滴が
電極から陥凹エリアに流れるように、液滴操作を実行するために構成された電極に、隣接
している。いくつかの実施形態では、液滴のよりエネルギー的に安定なコンホメーション
への変形により引き起こされる移動の結果として、液滴が空隙に入る。いくつかの実施形
態では、空隙は、電極通路の電極の再活性化時に高さh1を有する間隙領域に、液滴が再
突入するのを防止するように選択された寸法を有する。
いくつかの実施形態では、陥凹エリアの形状は、h1からh2への階段形状を含む。い
くつかの実施形態では、陥凹エリアの形状は、h1からh2へのスロープを含む。いくつ
かの実施形態では、陥凹エリアは、頂部基板、底部基板、または両方の基板に形成される
。陥凹エリアは、その頂部または底部で開放されていてもよい。
本発明は、液滴アクチュエーターで液滴を電極頂部から移動する方法を提供し、当該方
法は、電極を非活性化して、液滴を液滴アクチュエーターの隣接領域に移動させ、液滴が
電極頂部でのコンホメーションと比べてよりエネルギー的に安定なコンホメーションをと
る工程を含む。本発明は、液滴アクチュエーターの初期位置で液滴を移動する方法を提供
し、当該方法は、電極を非活性化して、液滴を液滴アクチュエーターの隣接領域に移動さ
せ、液滴が初期位置でのコンホメーションと比べてよりエネルギー的に安定なコンホメー
ションをとる工程を含む。いくつかの場合、電極の再活性化で液滴を電極頂部のそれ以前
の位置に戻すことができないように、移動は永久的なものである。いくつかの場合、電極
の再活性化で液滴が電極頂部のそれ以前の位置に戻るように、移動は一時的なものである
。いくつかの場合、第3電極の活性化で液滴が第3電極頂部の位置に移動するように、移
動した液滴は第3電極に隣接する位置にある。いくつかの場合、陥凹部の形状は、h1か
らh2への階段形状を含む。いくつかの場合、陥凹エリアの形状は、h1からh2へのス
ロープを含む。いくつかの場合、陥凹エリアは、頂部基板、底部基板、または両方の基板
に形成される。いくつかの場合、陥凹エリアは、その頂部で開放されている。
本発明は、液滴を分配する方法を提供し、該方法は以下の工程を含む:リザーバ電極の
区分けされた通路の端で液滴源を収集する工程;通路電極と通路側面電極とのセットに沿
って液滴源を延伸する工程;通路側面電極を非活性化する工程;1つ以上の通路電極を非
活性化し、分配された液滴と、液滴源の残余部分とを生成する工程。いくつかの場合、液
滴源は、磁気応答性ビーズを含む。いくつかの場合、開始通路電極は、隣接する側面電極
にはめ込まれていてもよい。磁場は、磁気応答性ビーズを通路電極頂部の液滴領域に引き
付ける場所に位置してもよい。いくつかの場合、非活性化工程は、液滴源から少なくとも
50%の磁気応答性ビーズを有する分配された液滴を生成する。いくつかの場合、非活性
化工程は、液滴源から少なくとも25%の磁気応答性ビーズを有する分配された液滴を生
成する。いくつかの場合、非活性化工程は、液滴源から少なくとも50%の磁気応答性ビ
ーズを有する分配された液滴を生成する。いくつかの場合、非活性化工程は、液滴源から
少なくとも75%の磁気応答性ビーズを有する分配された液滴を生成する。いくつかの場
合、非活性化工程は、液滴源から少なくとも90%の磁気応答性ビーズを有する分配され
た液滴を生成する。いくつかの場合、非活性化工程は、液滴源から少なくとも95%の磁
気応答性ビーズを有する分配された液滴を生成する。いくつかの場合、非活性化工程は、
液滴源から少なくとも99%の磁気応答性ビーズを有する分配された液滴を生成する。い
くつかの場合、非活性化工程は、液滴源から実質的に全ての磁気応答性ビーズを有する分
配された液滴を生成する。本明細書に記載の全てのビーズ含有液滴と同様に、いくつかの
場合、液滴源は、数十のビーズ、数百のビーズ、数千のビーズ;数百万のビーズ;または
それ以上のビーズを含む。本明細書に記載の全てのビーズ含有液滴と同様に、いくつかの
場合、液滴源は、数十の磁気応答性ビーズ、数百の磁気応答性ビーズ、数千の磁気応答性
ビーズ;数百万の磁気応答性ビーズ;またはそれ以上の磁気応答性ビーズを含む。
本発明は、液滴アクチュエーターアセンブリを提供し、該液滴アクチュエーターアセン
ブリは以下を備える:1つ以上の基板;1つ以上の基板上の一連の反応レーン、各反応レ
ーンは、電極の通路を有する;1つ以上の基板上の液滴分配電極アセンブリの第1セット
、当該第1セットの各アセンブリは、他のいずれの反応レーンも横切ることなく1の反応
レーン上にサンプル液滴を分配するように配置されている;1つ以上の基板上の液滴分配
電極アセンブリの第2セット、当該第2セットの各アセンブリは、1の反応レーン上に試
薬液滴を分配するように配置されている。1つ以上の基板が、液滴操作間隙を形成するた
めに配置されていてもよい。反応レーンは、液滴操作間隙内に位置していてもよい。液滴
アクチュエーターアセンブリは、流体通路を含んでいてもよく、当該流体通路は、液滴操
作間隙の外側から液滴操作間隙まで延び、かつ、液滴分配電極の第1セットの1つ以上の
近接に液体を供給するように配置されている。液滴アクチュエーターアセンブリは、流体
通路を含んでいてもよく、当該流体通路は、液滴操作間隙の外側から液滴操作間隙まで延
び、かつ、液滴分配電極の第2セットの1つ以上の近接に液体を供給するように配置され
ている。液滴分配電極アセンブリの第1セットの各々は、サンプル流体を含むリザーバと
結合してもよい。液滴アクチュエーターアセンブリは、少なくとも2つの反応レーンを含
んでいてもよい。液滴アクチュエーターアセンブリは、少なくとも8つの反応レーンを含
んでいてもよい。液滴アクチュエーターアセンブリは、少なくとも16の反応レーンを含
んでいてもよい。液滴アクチュエーターアセンブリは、少なくとも24の反応レーンを含
んでいてもよい。液滴アクチュエーターアセンブリは、少なくとも48の反応レーンを含
んでいてもよい。液滴アクチュエーターアセンブリは、少なくとも96の反応レーンを含
んでいてもよい。いくつかの場合、液滴分配電極アセンブリの第2セットの各々は、ライ
ブラリー構築試薬を含むリザーバに位置している。いくつかの場合、液滴分配電極アセン
ブリの第2セットは、サブセットに分割されていて、各サブセットは、他のいずれの反応
レーンも横切ることなく同一の一の反応レーンにサンプル液滴を分配するように配置され
ている2以上の液滴分配電極アセンブリを含む。いくつかの場合、液滴分配電極アセンブ
リの各サブセット、斯かるサブセット内の各アセンブリは、異なるライブラリー構築試薬
を含むリザーバに結合している。いくつかの場合、ライブラリー構築試薬は、平滑末端化
試薬、リン酸化試薬、A−tail化試薬、およびアダプター結合試薬から選択される。
液滴アクチュエーターアセンブリは、反応レーン周辺の磁場が、反応レーンの1つ以上の
領域で液滴中の磁気応答性ビーズを固定するのに十分な強さを有するように、反応レーン
に対して配置された磁石配列を含んでいてもよい。液滴アクチュエーターアセンブリは、
反応レーン周辺の磁場が、反応レーンの電極により制御された液滴分割反応の間、液滴中
の磁気応答性ビーズを拘束するのに十分な強さを有するように、反応レーンに対して配置
された磁石配列を含んでいてもよい。磁石配列は、磁場の強化された領域を作り出すため
に配置された磁石を含んでいてもよく、当該強化された領域は、反応レーンにそろって、
反応レーン内の磁気応答性ビーズを固定する。
本発明は、電極媒介液滴操作を用いた液滴系検査を実行する方法を提供し、当該方法は
、以下の工程を含む:2以上のサンプル液滴を分配し、いずれのサンプル液滴も他の液滴
の反応レーンを横切ることなく、各サンプル液滴を独立した反応レーンに輸送する工程;
および試薬液滴の第1セットを分配し、試薬液滴の第1セットのいずれの液滴もサンプル
液滴が以前に横切った他の反応レーンのいずれの領域も横切ることなく、試薬液滴の第1
セットの各液滴を反応レーンに輸送する工程。本発明の方法は、各サンプル液滴と、試薬
液滴の第1セットの1種とを混合する工程を含んでいてもよい。本発明の方法は、各サン
プル液滴をその独立した反応レーンに沿って進める工程を含んでいてもよい。本発明の方
法は、試薬液滴の第2セットを分配し、試薬液滴の第2セットのいずれの液滴もサンプル
液滴が以前に横切った他の反応レーンのいずれの領域も横切ることなく、試薬液滴の第2
セットの各液滴を反応レーンに輸送する工程を含んでいてもよい。本発明の方法は、各サ
ンプル液滴と、試薬液滴の第2セットの1種とを混合する工程を含んでいてもよい。本発
明の方法は、各サンプル液滴をその独立した反応レーンに沿って進める工程を含んでいて
もよい。
5 定義
以下の用語は、本明細書では以下に示された意味を有する。
1つ以上の電極に関して「活性化する」とは、1つ以上の電極の電気状態の変化に影響
を及ぼすことを意味し、液滴の存在下では、液滴操作をもたらす。電極の活性化は、交流
電流または直流電流により達成され得る。適したいずれの電圧を用いてもよい。例えば、
約50Vより大きい、または約100Vより大きい、または約150Vより大きい、また
は約200Vより大きい、または約250Vより大きい、または約275V〜約375V
、または約300Vの電圧を用いて電極を活性化してもよい。交流電流を用いる場合、い
ずれの適した周波数を用いてもよい。例えば、約1Hz〜約1000Hz、約1Hz〜約
100Hz、または約10Hz〜約60Hz、または約20Hz〜約40Hz、または約
30Hzの周波数を有する交流電流を用いて電極を活性化してもよい。
液滴アクチュエーターでのビーズに関して「ビーズ」は、液滴アクチュエーター上の液
滴または液滴アクチュエーターに近接する液滴に相互作用し得る何らかのビーズまたは粒
子を意味する。ビーズは、球、略球、卵形、ディスク形、立方体、不定形および他の3次
元形状等の多種多様な形状であってもよい。ビーズは、例えば、液滴アクチュエーター上
の液滴内で液滴操作にかけられてもよく、またさもなければ、液滴アクチュエーター上の
液滴が液滴アクチュエーター上のおよび/または液滴アクチュエーター外のビーズに接触
するように輸送されることができるように、液滴アクチュエーターに対して構成されても
よい。ビーズは、液滴中、液滴操作間隙中、または、液滴操作表面に供給されてもよい。
ビーズは、液滴操作間隙の外部のリザーバ内に設けられてもよく、または液滴操作表面か
ら離れた場所に位置するリザーバ内に設けられてもよい。当該リザーバは、ビーズを含む
液滴を液滴操作間隙または液滴操作表面に運ぶことができる流体通路および/または電極
通路と結合していてもよい。ビーズは、例えば、樹脂、およびポリマーを含む多種多様な
材料を用いて製造されてもよい。ビーズは、例えば、マイクロビーズ、マイクロ粒子、ナ
ノビーズおよびナノ粒子を含むいずれの適した大きさであってもよい。いくつかの場合、
ビーズは、磁気応答性であり、他の場合ではビーズはそれほど磁気応答性ではなく、また
は磁気応答性ではない。磁気応答性ビーズでは、磁気応答性材料が実質的にビーズの全て
を構成していてもよく、ビーズの一部を構成していてもよく、またはビーズの一部のみを
構成していてもよい。ビーズの残りは、他のもの、ポリマー材料、コーティング、および
検査試薬を付着させることができる部分を含んでいてもよい。好適なビーズの例は、フロ
ーサイトメトリーマイクロビーズ、ポリスチレンマイクロ粒子およびポリスチレンナノ粒
子、機能化ポリスチレンマイクロ粒子および機能化ポリスチレンナノ粒子、被覆ポリスチ
レンマイクロ粒子および被覆ポリスチレンナノ粒子、シリカマイクロビーズ、蛍光マイク
ロスフェアおよび蛍光ナノスフェア、機能化蛍光マイクロスフェアおよび機能化蛍光ナノ
スフェア、被覆蛍光マイクロスフェアおよび被覆蛍光ナノスフェア、着色ダイマイクロ粒
子および着色ダイナノ粒子、磁気マイクロ粒子および磁気ナノ粒子、超常磁性マイクロ粒
子および超常磁性ナノ粒子(例えば、DYNABEADS(登録商標)粒子、CA, CarlsbadのInvit
rogen Group社から入手可能)、蛍光マイクロ粒子および蛍光ナノ粒子、被覆磁気マイク
ロ粒子および被覆磁気ナノ粒子、強磁性マイクロ粒子および強磁性ナノ粒子、被覆強磁性
マイクロ粒子および被覆強磁性ナノ粒子、および2005年11月24日に公開された題
名「Multiplex flow assays preferably with magnetic particles as solid phase」の
米国特許出願公開第20050260686号明細書;2003年7月17日に公開された題名「Enc
apsulation of discrete quanta of fluorescent particles」の米国特許出願公開第2003
0132538号明細書;2005年6月2日に公開された題名「Multiplexed Analysis of Cli
nical Specimens Apparatus and Method」の米国特許出願公開第20050118574号明細書;
2005年12月15日に公開された題名「Microparticles with Multiple Fluorescent
Signals and Methods of Using Same」の米国特許出願公開第20050277197号明細書;2
006年7月20日に公開された題名「Magnetic Microspheres for use in Fluorescenc
e-based Applications」の米国特許出願公開第20060159962号明細書に記載のビーズを含
み、当該明細書のビーズならびに磁気応答性材料および磁気応答性ビーズに関する教示を
参照して、その開示全体が本明細書に援用される。ビーズは、生体分子と、または、生体
分子と結合して錯体を形成し得る他の物質と、予備結合してもよい。ビーズは、抗体、タ
ンパク質もしくは抗原、DNA/RNAプローブまたは所望の標的への親和性を有する何
らかの他の分子と予備結合してもよい。磁気応答性ビーズおよび/または非磁気応答性ビ
ーズを固定するためのおよび/またはビーズを用いた液滴操作手順を実行するための液滴
アクチュエーター技術の例が、以下に記載されており、その開示全体が参照により本明細
書に援用される:2006年12月15日に出願された題名「Droplet-Based Particle S
orting」の米国特許出願第11/639,566号;2008年3月25日に出願された題名「Mult
iplexing Bead Detection in a Single Droplet」の米国特許出願第61/039,183号;20
08年4月25日に出願された題名「Droplet Actuator Devices and Droplet Operation
s Using Beads」の米国特許出願第61/047,789号;2008年8月5日に出願された題名
「Droplet Actuator Devices and Methods for Manipulating Beads」の米国特許出願第6
1/086,183号;2008年2月11日に出願された題名「Droplet Actuator Devices and
Methods Employing Magnetically responsive beads」の国際特許出願第PCT/US2008/0535
45号;2008年3月24日に出願された題名「Bead-based Multiplexed Analytical Me
thods and Instrumentation」の国際特許出願第PCT/US2008/058018号;2008年3月2
3日に出願された題名「Bead Sorting on a Droplet Actuator」の国際特許出願第PCT/US
2008/058047号;および2006年12月11日に出願された題名「Droplet-based Bioch
emistry」の国際特許出願第PCT/US2006/047486号。本発明の複数の態様でビーズ特性を用
いてもよい。複数の態様に適した特性を有するビーズの例は、斯かるビーズから放出され
る信号を検出および解析する方法と同様に、以下の文献に見出すことができ、それらの斯
かるビーズの組成ならびに斯かるビーズを用いたDNA等の物質を捕捉および溶離する条
件に関する教示について参照して援用される:2008年12月11日に公開された題名
「Systems and Methods for Multiplex Analysis of PCR in Real Time」の米国特許出願
公開第20080305481号明細書;2008年6月26日に公開された題名「Methods and Sys
tems for Dynamic Range Expansion」の米国特許出願公開第20080151240号明細書;20
07年9月6日に公開された題名「Methods, Products, and Kits for Identifying an A
nalyte in a Sample」の米国特許出願公開第20070207513号明細書;2007年3月22
日に公開された題名「Methods and Systems for Image Data Processing」の米国特許出
願公開第20070064990号明細書;2006年7月20日に公開された題名「Magnetic Micr
ospheres for use in Fluorescence-based Applications」の米国特許出願公開第2006015
9962号明細書;2005年12月15日に公開された題名「Microparticles with Multip
le Fluorescent Signals and Methods of Using Same」の米国特許出願公開第2005027719
7号明細書;および2005年6月2日に公開された題名「Multiplexed Analysis of Cli
nical Specimens Apparatus and Method」の米国特許出願公開第20050118574号明細書;
2005年7月5日に発行された題名「Isolation of nucleic acids」の米国特許第6,91
4,137号。
「液滴」は、液体の一滴を意味する。通常、液滴は充填流体により少なくとも一部が境
界をつけられる。例えば、液滴は充填流体に完全に覆われていてもよいし、または充填流
体および液滴アクチュエーターの1つ以上の表面により境界をつけられてもよい。他の例
として、液滴は、充填流体、液滴アクチュエーターの1つ以上の表面、および/または大
気により境界をつけられてもよい。他の例として、液滴は、充填流体および大気により境
界をつけられてもよい。液滴は、例えば、水性もしくは非水性であってもよいし、または
水性成分および非水性成分を含む混合物またはエマルションであってもよい。液滴は、多
種多様な形状を取ってもよい;液滴の形状の例はこれらに限定されないが、以下の形状を
含む:略ディスク形、ガラス玉形、平頭球形、楕円体、球形、一部偏平な球、半球、卵形
、円筒形、斯かる形状の組み合わせ、および混合もしくは分割等の液滴操作の間に形成さ
れる様々な形状、または斯かる形状が液滴アクチュエーターの1つ以上の表面と接触する
結果形成される様々な形状。本発明の方法を用いた液滴操作にかけられてもよい液滴流体
の例は、2006年12月11日に出願された題名「Droplet-Based Biochemistry」の国
際特許出願第PCT/US06/47486号を参照されたい。様々な実施形態で、液滴は、全血、リン
パ液、血清、血漿、汗、涙、唾液、痰、脳脊髄液、羊水、***、膣***物、漿液、滑液、
心膜液、腹水、胸膜液、濾出液、滲出液、嚢胞液、胆汁、尿、胃液、腸液、糞試料、単細
胞または複数細胞を含む液体、細胞小器官を含む液体、流動組織、流動有機体、多細胞生
物を含む液体、生物学的スワブ、生物学的洗浄剤、およびこれらの組み合わせ等の生物学
的なサンプルを含んでいてもよい。さらに、液滴は、水、脱イオン水、食塩水、酸性溶液
、塩基性溶液、清浄液および/またはバッファー等の試薬を含んでいてもよい。液滴内容
物の他の例は、生化学的な手順用の試薬等、核酸増幅手順、親和性に基づく検査手順、酵
素分析手順、配列決定手順、および/または生物学的流体の分析手順等の試薬を含む。平
滑末端化試薬、A−tail化試薬、結合試薬、洗浄バッファー、溶離バッファー、結合
バッファー、およびビーズ溶液(例えば、SPRI(登録商標)ビーズ)等の本発明の試薬液
滴は、通常、界面活性剤を含む。試薬は、例えば、約0.001〜約0.5%v/vの水溶性界面
活性剤、または約0.01〜約0.25%v/vの水溶性界面活性剤、または約0.01〜約0.15%v
/vの水溶性界面活性剤を含んでいてもよい。試薬は、例えば、約0.001〜約0.5%v/v
の水溶性ポリソルベート界面活性剤、または約0.01〜約0.25%v/vの水溶性ポリソルベ
ート界面活性剤、または約0.01〜約0.15%v/vの水溶性ポリソルベート界面活性剤を含
んでいてもよい。試薬は、例えば、約0.001〜約0.5%v/vの水溶性ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート界面活性剤、または約0.01〜約0.25%v/vの水溶性ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート界面活性剤、または約0.01〜約0.15%v/vの水溶
性ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート界面活性剤を含んでいてもよい。好適な
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの例としては、ポリオキシエチレン(20
)ソルビタンモノラウレートであり、これはPromega社からTWEEN(登録商標)20として
市販されている。いくつかの実施形態では、本発明のキットは、本発明の1つ以上の液滴
アクチュエーターカートリッジを、湿潤状態または乾燥状態でカートリッジに保存された
および/またはカートリッジに装填するための別の容器に保存された本発明の1種以上の
試薬と共に含む。
「液滴アクチュエーター」は、液滴操作をするための装置を意味する。液滴アクチュエ
ーターの例は、以下を参照されたい:2005年6月28日に発行されたPamulaらによる
題名「Apparatus for Manipulating Droplets by Electrowetting-Based Techniques」の
米国特許第6,911,132号明細書;2006年1月30日に出願されたPamulaらによる題名
「Apparatuses and Methods for Manipulating Droplets on a Printed Circuit Board」
の米国特許出願第11/343,284号明細書;2006年12月11日に出願されたPollackら
による題名「Droplet-Based Biochemistry」の国際特許出願第PCT/US2006/047486号;She
nderovによる2004年8月10日に発行された題名「Electrostatic Actuators for Mi
crofluidics and Methods for Using Same」の米国特許第6,773,566号明細書、および2
000年1月24日に発行された題名「Actuators for Microfluidics Without Moving P
arts」の米国特許第6,565,727号明細書;Kimおよび/またはShahらによる2003年1月
27日に出願された題名「Electrowetting-driven Micropumping」の米国特許出願第10/3
43,261号明細書、2006年1月23日に出願された題名「Method and Apparatus for P
romoting the Complete Transfer of Liquid Drops from a Nozzle」の米国特許出願第11
/275,668号明細書、2006年1月23日に出願された題名「Small Object Moving on P
rinted Circuit Board」の米国特許出願第11/460,188号明細書、2009年5月14日に
出願された題名「Method for Using Magnetic Particles in Droplet Microfluidics」の
米国特許出願第12/465,935号明細書、および2009年4月30日に出願された題名「Me
thod and Apparatus for Real-time Feedback Control of Electrical Manipulation of
Droplets on Chip」の米国特許出願第12/513,157号明細書;2009年6月16日に発行
されたVelevによる題名「Droplet Transportation Devices and Methods Having a Fluid
Surface」の米国特許第7,547,380号明細書;2007年1月16日に発行されたSterlin
gらによる題名「Method, Apparatus and Article for Microfluidic Control via Electr
owetting, for Chemical, Biochemical and Biological Assays and the Like」の米国特
許第7,163,612号明細書;BeckerおよびGascoyneらによる2010年1月5日に発行され
た題名「Method and Apparatus for Programmable fluidic Processing」の米国特許第7,
641,779号明細書、および2005年12月20日に発行された題名「Method and Appara
tus for Programmable fluidic Processing」の米国特許第6,977,033号明細書;Decreら
による2008年2月12日に発行された題名「System for Manipulation of a Body of
Fluid」の米国特許第7,328,979号明細書;Yamakawaらによる2006年2月23日に公
開された題名「Chemical Analysis Apparatus」の米国特許出願公開第20060039823号明細
書;Wuによる2008年12月31日に公開された題名「Digital Microfluidics Based
Apparatus for Heat-exchanging Chemical Processes」の国際特許公開第WO/2009/003184
号明細書;Fouilletらによる2009年7月30日に公開された題名「Electrode Addres
sing Method」の米国特許公開第20090192044号明細書;Fouilletらによる2006年5月
30日に発行された題名「Device for Displacement of Small Liquid Volumes Along a
Micro-catenary Line by Electrostatic Forces」の米国特許第7,052,244号明細書;Marc
handらによる2008年5月29日に公開された題名「Droplet Microreactor」の米国特
許出願公開第20080124252号明細書;Adachiらによる2009年12月31日に公開され
た題名「Liquid Transfer Device」の米国特許出願公開第20090321262号明細書;Rouxら
による2005年8月18日に公開された題名「Device for Controlling the Displacem
ent of a Drop Between two or Several Solid Substrates」の米国特許出願公開第20050
179746号明細書;Dhindsaらによる題名「Virtual Electrowetting Channels: Electronic
Liquid Transport with Continuous Channel Functionality」のLab Chip、10号、第832
〜836頁、2010年;これらの優先権文献と共に、これらの内容を参照して、その開示
全体が本明細書に援用される。所定の液滴アクチュエーターは、基板間に間隙を有するよ
うに配置された1つ以上の基板と、1つ以上の基板に結合し(例えば、重ねた、取り付け
た、および/または埋め込まれた)、1つ以上の液滴操作を行うよう配置された電極とを
含む。例えば、所定の液滴アクチュエーターは、基部(または底部)基板、基板に結合し
た液滴操作電極、基板および/または電極の頂部の1つ以上の誘電体層、ならびに任意に
基板、誘電体層および/または液滴操作表面を形成する電極の頂部の1つ以上の疎水性層
を含む。頂部基板は、一般に液滴操作間隙と称される間隙により液滴操作表面から分離さ
れて供給されてもよい。頂部および/または底部基板上に配列された様々な電極が、上記
参考特許および出願において説明されており、本明細書の記述では所定の新規な電極配列
が説明されている。液滴操作の間、液滴が、アースまたは参照電極と連続的な接触または
頻繁な接触を保つことが好適である。アースまたは参照電極は、間隙で、間隙に面した頂
部基板、間隙に面した底部基板に結合してもよい。両方の基板上に電極が供給される場合
、電極を制御またはモニターするための、液滴アクチュエーター機器に電極を結合するた
めの電気的な接触は、1または両方の基板に結合してもよい。いくつかの場合、一の基板
上の電極が、他の基板に電気的に結合し、その結果、一の基板のみが液滴アクチュエータ
ーと接続する。一の実施形態では、導電性材料(例えば、エポキシ、NJ、HackensakのM
aster Bond社から入手可能なMASTER BOND(商標)Polymer System EP79等)が、一の基板
上の電極と、他の基板上の電気的通路との間の電気的接続を提供する;例えば、頂部基板
上のアース電極は、斯かる導電性材料により底部基板上の電気的通路に結合してもよい。
複数の基板を用いる場合、スペーサーを基板間に設け、基板間の間隙の高さを決定し、分
配リザーバを規定してもよい。スペーサーの高さまたは間隙の高さは、例えば、約5μm
〜約5mm、または約5μm〜約1mm、または約5μm〜約600μm、または約10
0μm〜約400μm、または約200μm〜約350μm、または約250μm〜約3
00μm、または約275μmであってもよい。スペーサーは、例えば、頂部基板または
底部基板からの突起層、および/または頂部基板または底部基板の間に挿入された材料層
として形成してもよい。流体通路を通じて液体が液滴操作間隙に供給され得る流体通路を
形成するために、1つ以上の開口部が1つ以上の基板に設けられてもよい。いくつかの場
合、1つ以上の開口部を、開口部を通った液体が1つ以上の液滴操作電極と十分近接し、
液体操作が液体を用いた液体操作電極により影響されるような配列等、1つ以上の電極と
の相互作用のために配列してもよい。いくつかの場合、基部(または底部)基板および頂
部基板は、1つの一体化した部材として形成されてもよい。1つ以上の参照電極が、基部
(または底部)基板上および/または頂部基板上および/または間隙内に設けられてもよ
い。参照電極配列の例が、上記参考特許および参考特許出願に開示される。様々な実施形
態では、液滴アクチュエーターによる液滴の操作は、電気濡れ媒介または誘電泳動媒介ま
たはクーロン力媒介等の電極媒介であってもよい。液滴操作を制御するために、本発明の
液滴アクチュエーターで用いてもよい他の技術の例は、機械的原理(例えば、外部シリン
ジポンプ、空気圧膜ポンプ、振動膜ポンプ、真空装置、遠心力、圧電ポンプ/超音波ポン
プおよび音響力);電気的原理または磁気的原理(例えば、電気浸透流、動電学的ポンプ
、強磁性流体プラグ、電気流体力学ポンプ、磁力を利用した引力または斥力、および電磁
流体力学ポンプ);熱力学的原理(例えば、気泡発生/相転移体積膨張);他の種類の表
面湿潤原理(例えば、電気濡れ、および光電濡れと同様に化学的な、熱的な、構造的なお
よび放射性の誘起表面張力勾配);重力;表面張力(例えば、毛細管現象);静電力(例
えば、電気浸透流);遠心力(コンパクトディスク上に配置され、回転された基板);磁
力(例えば、振動イオンが流れを引き起こす);電磁流体力学的な力;および真空差また
は加圧差等に基づき操作するもの等の、流体力学的な流体圧を誘起する装置、の使用を含
む。いくつかの実施形態では、上記技術の2種以上を組み合わせたものを用いて、本発明
の液滴アクチュエーターで液滴操作を行ってもよい。同様に、上述したものの1つ以上を
用いて、例えば、他の装置のリザーバから、または、液滴アクチュエーターの外部リザー
バから(例えば、液滴アクチュエーター基板に結合したリザーバおよび当該リザーバから
液滴操作間隙への流体通路)、液体を液滴操作間隙内に供給してもよい。本発明の所定の
液滴アクチュエーターの液滴操作表面は、疎水性材料でできていてもよく、または、液滴
操作表面を疎水性とするために被覆または処理されていてもよい。例えば、いくつかの場
合、液滴操作表面の一部または全部が、溶液中のポリ−もしくはパーフルオロ化合物、ま
たは、重合性単量体等の化合物を使用した、堆積または自然位合成等により、低界面エネ
ルギー材料または化学的性質により誘導体化されていてもよい。例としては、TEFLON(登
録商標)AF(DE、Wilmington、DuPont社から入手可能)、材料のcytopファミリーの一部
、疎水性のFLUOROPEL(登録商標)ファミリーにおけるコーティングおよび超疎水性コー
ティング(MD、Beltsville、Cytonix社から入手可能)、シランコーティング、フルオロ
シランコーティング、疎水性ホスホン酸誘導体(例えば、Aculon社から販売されている商
品)、およびNOVEC(商標)電気コーティング(MN、St. Paul、3M Company社から入手可
能)、およびプラズマ化学気相成長法(PECVD)用の他のフッ素化された単量体を含む。
いくつかの場合、液滴操作表面は、約10nm〜約1000nmの厚さを有する疎水性コ
ーティングを含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、液滴アクチュエータ
ーの頂部基板は、導電性有機ポリマーを含み、頂部基板は、次いで、疎水性コーティング
で被覆され、または、液滴操作表面を疎水性にするために他の処理をされる。例えば、プ
ラスチック基板上に堆積される導電性有機ポリマーは、ポリ(3,4−エチレンジオキシ
チオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)であってもよい。導電性有機
ポリマー層および代替の導電層の他の例は、Pollackらによる題名「Droplet Actuator De
vices and Methods」の国際特許出願第PCT/US2010/040705号明細書に記載されており、そ
の開示全体が参照により本明細書に援用される。1つまたは両方の基板が、基板としてプ
リント基板(PCB)、ガラス、インジウムスズ酸化物(ITO)被覆ガラス、および/
または半導体材料を用いて製造されてもよい。基板がITO被覆ガラスの場合、ITOコ
ーティングは、約20〜約200nmの範囲が好ましく、約50〜約150nmの範囲、
または約75〜約125nm、または約100nmの厚さが好ましい。いくつかの場合、
頂部基板および/または底部基板は、ポリイミド誘電体等の誘電体で被覆されたPCB基
板を含み、PCB基板は、いくつかの場合、被覆または他の処理がなされて、液滴操作表
面を疎水性にしてもよい。
基板がPCBを含む場合、以下の材料が好適な材料の例である:MITSUI(商標)BN-300
(CA、San Jose、MITSUI Chemical America社から入手可能);ARLON(商標)11N(CA、S
anta Ana、Arlon社から入手可能);NELCO(登録商標)N4000-6およびN5000-30/32(NY、
Melville、Park Electrochemical社から入手可能);ISOLA(商標)FR406(AZ、Chandler
、Isola Group社から入手可能)、特にIS620;フルオロポリマーファミリー(低バックグ
ラウンド蛍光を有するため蛍光検出に適している);ポリイミドファミリー;ポリエステ
ル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリエーテルエーテルケトン;液晶
ポリマー;シクロオレフィンコポリマー(COC);シクロオレフィンポリマー(COP
);アラミド;THERMOUNT(登録商標)不織布アラミド補強材(DE、Wilmington、DuPont
社から入手可能);NOMEX(登録商標)ブランド繊維(DE、Wilmington、DuPont社から入
手可能);および紙。種々の材料についても、基板の誘電体部材としての使用に適してい
る。例としては以下のものを含む:PARYLENE(商標)C(特にガラス上)およびPARYLENE
(商標)N(TX、Katy、Parylene Coating Services社から入手可能)等の蒸着した誘電体
;TEFLON(登録商標)AFコーティング;cytop;TAIYO(商標)PSR4000シリーズ、TAIYO(
商標)PSRおよびAUSシリーズのような液体光画像形成可能なソルダーマスク(NV、Carson
City、Taiyo America社から入手可能)(熱制御を含む用途に良好な熱特性)、およびPR
OBIMER(商標)8165(熱制御を含む用途に良好な熱特性)(CA、Los Angels、Huntsman A
dvanced Materials Americas社から入手可能)等のソルダーマスク;VACREL(登録商標)
乾燥フィルムソルダーマスク系(DE、Wilmington、DuPont社から入手可能)等の乾燥フィ
ルムソルダーマスク;ポリイミドフィルム(例えば、KAPTON(登録商標)ポリイミドフィ
ルム、DE、Wilmington、DuPont社から入手可能)等のフィルム誘電体、ポリエチレン、お
よびフルオロポリマー(例えば、FEP)、ポリテトラフルオロエチレン;ポリエステル
;ポリエチレンナフタレート;シクロオレフィンコポリマー(COC);シクロオレフィ
ンポリマー(COP);上で列挙した他のPCB基板材料のいずれか;ブラックマトリッ
クス樹脂;およびポリプロピレン。液滴輸送の電圧と周波数は、個別の検査手順で用いら
れる試薬の性能によって選択してもよい。設計パラメーターは異なっていてもよく、例え
ば、アクチュエーターのリザーバの数と配置、独立した電極接続の数、異なるリザーバの
大きさ(体積)、磁石/ビーズ洗浄ゾーンの配置、電極サイズ、電極間の間隔、および間
隙高さ(頂部基板と底部基板の間)は、個別の試薬、手順、液滴体積等の使用のために異
なっていてもよい。いくつかの場合、本発明の基板は、溶液中のポリ−もしくはパーフル
オロ化合物または重合性単量体等の化合物を使用した、堆積または自然位合成等により、
低界面エネルギー材料または化学的性質により誘導体化されていてもよい。例としては、
浸漬またはスプレーコーティング用のTEFLON(登録商標)AFコーティングおよびFLUOROPE
L(登録商標)コーティング、ならびにプラズマ化学気相成長法(PECVD)用の他のフッ素
化された単量体を含む。加えて、いくつかの場合、液滴操作表面の一部または全部は、P
CB基板からのバックグラウンド蛍光等のバックグラウンドのノイズを低減する物質で被
覆されていてもよい。例えば、ノイズ低減コーティングは、日本の東レから入手可能なブ
ラックマトリックス樹脂等のブラックマトリックス樹脂を含む。液滴アクチュエーターの
電極は、通常、コントローラーまたはプロセッサーにより制御され、コントローラーまた
はプロセッサーは、それ自身、システムの一部として提供され、処理機能と同様に、デー
タおよびソフトウェアストレージならびに入力および出力機能を含んでいてもよい。試薬
は、液滴アクチュエーター上であって、液滴操作間隙内、または、液滴操作間隙に流体的
に結合したリザーバ内に供給されてもよい。試薬は、液滴等の液体形態でもよく、または
試薬は、液滴操作間隙内または液滴操作間隙に流体的に結合したリザーバ内で再構成可能
な形態で供給されてもよい。再構成可能な試薬は、通常、再構成のために液体と組み合わ
されてもよい。本発明での使用に好適な再構成可能な試薬の例は、Meathrelらによる20
10年6月1日に特許された題名「Disintegratable films for diagnostic devices」の
米国特許第7,727,466号明細書に記載されている試薬を含む。
「液滴操作」は、液滴アクチュエーター上での液滴の何らかの操作を意味する。液滴操
作は、例えば、以下を含む:液滴アクチュエーターへの液滴の装填;液滴源からの1以上
の液滴の分配;一の液滴を2以上の液滴とする分割(splitting)、分離(separating)
または分割(dividing);一の位置からいずれかの方向の他の位置への液滴の輸送;2以
上の液滴を単一の液滴にする混合(merging)または結合(combining);液滴の希釈;液
滴の混合(mixing);液滴の撹拌;液滴の変形;適所での液滴の保持;液滴の保温;液滴
の加熱;液滴の気化;液滴の冷却;液滴の廃棄;液滴の液滴アクチュエーター外への輸送
;本明細書に記載の他の液滴操作;および/または上記の組み合わせ。用語「混合させる
」、「混合」、「混合する」、「結合」等は、2以上の液滴から1の液滴を生成すること
を記載するために用いている。2以上の液滴に関して斯かる用語を使用するときは、2以
上の液滴の結合により1の液滴とするのに十分な何らかの液滴操作の組み合わせを用いて
もよいことが理解される。例えば、「液滴Aと液滴Bとの混合」は、液滴Aを動かない液
滴Bと接触するように輸送すること、液滴Bを動かない液滴Aと接触するように輸送する
こと、または液滴AおよびBを互いに接触するように輸送することにより達成される。用
語「分割」、「分離」および「分割」は、生成する液滴の体積(すなわち、生成する液滴
の体積が同一または異なり得る)または生成する液滴の数(生成する液滴の数が2,3,
4,5またはそれ以上であってもよい)に関して何ら特定の結果を意味することを意図し
たものではない。用語「混合(mixing)」は、液滴中で1つ以上の構成要素をより均一に
分布させる液滴操作をいう。液滴操作の「装填」の例は、微小透析装填、圧力補助装填、
ロボット装填、受動装填(例えば、重力補助装填)、およびピペット装填を含む。用語「
保温(incubating)」または「保温(incubation)」は、一定時間、液滴が特定の温度ま
たは温度プロフィールに保たれることをいう;液滴は、保温の間、静止位置に保たれても
よいし、または常に移動していてもよい、または、分割−混合−分割−混合、もしくは、
前後への輸送、もしくは、ループ等の周期的な液滴操作にかけられてもよい。アクチュエ
ーターで液滴操作を行ってもよいということは、液滴アクチュエーターの液滴操作表面で
、または液滴アクチュエーターの液滴操作間隙内で、液滴操作が行われることを意味し、
いずれの場合でも、液滴は、充填流体によって液滴アクチュエーターの1つ以上の表面か
ら分離していてもよい。液滴操作は、電極媒介されてもよい。いくつかの場合、液滴操作
は、表面上の親水性領域および/または疎水性領域の使用により、および/または物理的
障害により、および/または異なる間隙高さ等の液滴アクチュエーターの形状により、さ
らに促進される。液滴操作の例については、「液滴アクチュエーター」という定義の下で
、上記特許および特許出願文献を参照されたい。いくつかの場合、液滴操作は、液滴アク
チュエーターの間隙高さの差異、または寸法の差異によって媒介されてもよい。また、こ
れに伴い、エネルギー的により安定なコンホメーションに液滴が移動するにつれ、液滴変
形を生ずる。インピーダンスまたは静電容量感知または画像化技術または目視観測を、時
々、液滴操作の結果を決定または確認するために用いてもよい。斯かる技術の例は、Stur
merらによる2008年8月21日に公開された題名「Capacitance Detection in a Drop
let Actuator」の国際特許公開第WO/2008/101194号明細書に記載されており、その開示全
体が参照により本明細書に援用される。一般的に言えば、感知または画像化技術は、特定
の電極に液滴が存在するか否かを確認するのに用いてもよい。例えば、ある液滴分配操作
後の目的電極における分配された液滴の存在により、その液滴分配操作が効果的だったこ
とが確認される。同様に、検査手順の適当な工程の検出場所で液滴が存在することにより
、前の一連の液滴操作が検出用液滴を良好に生成したことを確認してもよい。液滴輸送時
間は、かなり早くともよい。例えば、様々な実施形態で、一の電極から隣の電極までの液
滴の輸送は、約1秒、または約0.1秒、または約0.01秒、または約0.001秒を
超えてもよい。一の実施形態では、電極は直流モードで操作されるが、画像化するために
交流モードに切り替えられる。電気濡れ領域に類似した液滴の専有領域について液滴操作
を行うことが有用である;換言すると、1倍、2倍、3倍の液滴が、それぞれ、1、2、
および3個の電極を用いて効果的に制御されて操作される。もし、液滴の専有領域が所定
時間に液滴操作を行うために利用可能な電極の数よりも大きい場合、液滴の大きさと電極
の数との差は、通常1より大きくなく、換言すると、2倍の液滴が1個の電極を用いて効
果的に制御され、3倍の液滴が2個の電極を用いて効果的に制御される。液滴がビーズを
含む場合、液滴の大きさは、液滴を輸送する等の液滴を制御する電極の数と等しいことが
有利である。しかしながら、注目すべきことに、界面張力、輸送スピード等を変えること
により、液滴の専有領域よりはるかに小さな専有領域を有する電極または電極のセットを
用いて非常に大きな液滴を輸送できる;したがって、上述の文は、有用な目安を記載して
おり、本発明を限定するものとして解釈すべきではない。
「充填流体」は、液滴と混合しないまたは実質的に混合しない流体を意味する。いくつ
かの実施形態では、充填流体は、液滴アクチュエーターの液滴操作基板と関連しており、
ここで流体は十分に液滴相と非混和性であり、液滴相を電極媒介の液滴操作に供する。例
えば、液滴アクチュエーターの間隙は、通常、充填流体で充填される。充填流体は、例え
ば、シリコーンオイルまたはヘキサデカン充填流体等の低粘性オイルであってもよい。充
填流体は、液滴アクチュエーターの間隙全体を充填していてもよいし、または液滴アクチ
ュエーターの1つ以上の表面を被覆していてもよい。充填流体は、導電性または非導電性
であってもよい。充填流体は、例えば、界面活性剤または他の添加剤が添加されていても
よい。例えば、添加剤を選択して、液滴操作を改良してもよいし、および/または、液滴
からの試薬もしくは目標物質の損失、微小液滴の形成、液滴間の相互汚染、液滴アクチュ
エーター表面の汚染、液滴アクチュエーター材料の分解等を低減してもよい。界面活性剤
の添加を含む充填流体の組成は、個別の検査手順で用いられる試薬の性能、および、液滴
アクチュエーターの材料との効果的な相互作用または非相互作用、により選択してもよい
。本発明での使用に適した充填流体および充填流体の配合の例は、Srinivasanらによる2
010年3月11日に公開された題名「Droplet Actuators, Modified Fluids and Metho
ds」の国際特許公開第WO/2010/027894号明細書および2009年2月12日に公開された
題名「Use of Additives for Enhancing Droplet Operations」の国際特許公開第WO/2009
/021173号明細書;Sistaらによる2008年8月14日に公開された題名Droplet Actuat
or Devices and Methods Employing Magnetically responsive beads」の国際特許公開第
WO/2008/098236号明細書;およびMonroeらによる2007年5月17日に出願された題名
「Electrowetting Devices」の米国特許出願公開第20080283414号明細書に記載されてお
り、本明細書で引用された他の特許および特許出願文献と同様に、その開示全体が参照に
より本明細書に援用される。注目すべきことに、本明細書に記載の任意のライブラリー作
製方法を、液滴アクチュエーターの液滴操作間隙を実質的に満たしている充填流体等の充
填流体中で行ってもよい。一の実施形態では、充填流体は、約1〜約6.5cST、また
は約1.5〜約5.5cST、または約2〜約5cSTの動的粘度を有するシリコーンオ
イルを含む。当該シリコーンオイルに界面活性剤を添加してもよい。一の実施形態では、
ライブラリー構築を実行するための充填流体は、約0.0001〜約1%v/vのオイル
可溶性の界面活性剤、または約0.001〜約0.1%v/vのオイル可溶性の界面活性
剤、または約0.001〜約0.01%v/vのオイル可溶性の界面活性剤、または約0
.005〜約0.01%v/vのオイル可溶性の界面活性剤と共に、約2cST〜約7c
STのシリコーンオイルを含む。したがって、一の実施形態では、本発明は、本発明の液
滴アクチュエーターカートリッジと斯かる特徴を有する充填流体とを含むキットを提供す
る。他の実施形態では、ライブラリー構築を実行するための充填流体は、約0.0001
〜約1%v/vのソルビタンの脂肪酸エステル、または約0.001〜約0.1%v/v
のソルビタンの脂肪酸エステル、または約0.001〜約0.01%v/vのソルビタン
の脂肪酸エステル、または約0.005〜約0.01%v/vのソルビタンの脂肪酸エス
テルと共に、約2cST〜約7cSTのシリコーンオイルを含む。したがって、一の実施
形態では、本発明は、本発明の液滴アクチュエーターカートリッジと斯かる特徴を有する
充填流体とを含むキットを提供する。他の実施形態では、ライブラリー構築を実行するた
めの充填流体は、約0.0001〜約1%v/vのシリコーンオイル可溶性のソルビタン
エステル、または約0.001〜約0.1%v/vのシリコーンオイル可溶性のソルビタ
ンエステル、または約0.001〜約0.01%v/vのシリコーンオイル可溶性のソル
ビタンエステル、または約0.005〜約0.01%v/vのシリコーンオイル可溶性の
ソルビタンエステルと共に、約2cST〜約7cSTのシリコーンオイルを含む。したが
って、一の実施形態では、本発明は、本発明の液滴アクチュエーターカートリッジと斯か
る特徴を有する充填流体とを含むキットを提供する。他の実施形態では、ライブラリー構
築を実行するための充填流体は、約0.0001〜約1%v/vのソルビタントリオレア
ート、または約0.001〜約0.1%v/vのソルビタントリオレアートのエステル、
または約0.001〜約0.01%v/vのソルビタントリオレアート、または約0.0
05〜約0.01%v/vのソルビタントリオレアートのエステルと共に、約2cST〜
約7cSTのシリコーンオイルを含む。ソルビタントリオレアートは、Sigma Aldrich社
から界面活性剤配合SPAN(登録商標)85として入手可能である。したがって、一の実施形
態では、本発明は、本発明の液滴アクチュエーターカートリッジと斯かる特徴を有する充
填流体とを含むキットを提供する。一の実施形態では、ライブラリー構築を実行するため
の充填流体は、約0.01〜約2%v/vのオイル可溶性の界面活性剤、または約0.1
〜約1%v/vのオイル可溶性の界面活性剤、または約0.1〜約0.5%v/vのオイ
ル可溶性の界面活性剤と共に、2cSTのシリコーンオイルを含む。したがって、一の実
施形態では、本発明は、本発明の液滴アクチュエーターカートリッジと斯かる特徴を有す
る充填流体とを含むキットを提供する。他の実施形態では、ライブラリー構築を実行する
ための充填流体は、約0.01〜約2%v/vのオイル可溶性のオクチルフェノールエト
キシレート界面活性剤、または約0.1〜約1%v/vのオイル可溶性のオクチルフェノ
ールエトキシレート界面活性剤、または約0.1〜約0.5%v/vのオイル可溶性のオ
クチルフェノールエトキシレート界面活性剤と共に、2cSTのシリコーンオイルを含む
。例えば、好適なオクチルフェノールエトキシレート界面活性剤は、TRITON(登録商標)
X-15であり、当該TRITON(登録商標)X-15は15のエチレンオキシド単位を有するオクチ
ルフェノールエトキシレートである。したがって、一の実施形態では、本発明は、本発明
の液滴アクチュエーターカートリッジと斯かる特徴を有する充填流体とを含むキットを提
供する。他の実施形態では、界面活性剤は、ブロック共重合体を含む。例えば、ブロック
共重合体は、ポリ(テトラフルオロエチレン)ブロックおよびポリ(ジメチルシロキサン
)を含んでいてもよい。一の実施形態では、ポリ(テトラフルオロエチレン)ブロックは
、約5〜約50の繰り返し単位を含んでいてもよい。一の実施形態では、ポリ(ジメチル
シロキサン)は、約400〜約10,000MWのMWを有していてもよい。他の実施形
態では、界面活性剤は、親水性シリコーンまたは親水性シロキサンを含む。例えば、界面
活性剤は、ジメチルシロキサン主鎖を含んでいてもよく、当該ジメチルシロキサン主鎖で
はメチル基のいくつかが、ポリアルキレンオキシ基またはピロリドン基により、スペーサ
ーとしてのプロピル基に置換されている。好適な界面活性剤のさらなる例は、ポリアルキ
レンオキシドシリコーン、ヒドロキシシリコーンおよびカチオン性シリコーン、ポリ(ア
ルキレンオキシ)官能化金属有機物およびポリ(アルキレンオキシ)官能化金属シラン、
ならびにトリシロキサンを含む。さらなる例は、DBE−712(ジメチルシロキサン−エチレ
ンオキシドブロック共重合体)、DBP−732(ジメチルシロキサン−(60%プロピレンオ
キシド−40%エチレンオキシド)ブロック共重合体)、DBE−224(ジメチルシロキサン
−エチレンオキシドブロック共重合体)、QMS−435(35〜45%(トリメチルフェネチ
ル)メチルシロキサン−55〜65%ジメチルシロキサン共重合体、塩化物塩)、CMS−2
22((カルビノール官能化)メチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体)、AKT841
(O−アリルオキシ(ポリエチレンオキシ)トリイソプロポキシチタネート)、SIT8192.
0(N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド)、SIM6492
.7(2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン)、SIH6185.
0((ヒドロキシポリエチレンオキシプロピル)ヘプタメチルトリシロキサン)、SIM6492
.6((メトキシポリエチレンオキシプロピル)ヘプタメチルトリシロキサン)、およびSI
A0075.0((アセトキシポリエチレンオキシプロピル)ヘプタメチルトリシロキサン)を
含み、全てPA、Morrsiville、Gelest社から入手可能である。
磁気応答性ビーズに関して「固定する」は、ビーズが液滴アクチュエーター上の液滴中
または充填流体中の位置に実質的に拘束されていることを意味する。例えば、一の実施形
態では、固定されたビーズは、液滴中で位置に実質的に拘束され、液滴分割操作の実行が
可能となり、実質的に全てのビーズを有する1の液滴と、実質的にビーズを欠く1の液滴
とを生ずる。
「磁気応答性」は、磁場に対する応答性を意味する。「磁気応答性ビーズ」は、磁気応
答性材料を含むかまたは磁気応答性材料から構成される。磁気応答性材料の例は、常磁性
材料、強磁性材料、フェリ磁性材料、およびメタ磁性材料を含む。好適な常磁性材料の例
は、鉄、ニッケル、およびコバルトと同様に、Fe、BaFe1219、CoO
、NiO、Mn、Cr、およびCoMnP等の金属酸化物を含む。
液滴および/または液滴中の磁気応答性ビーズに関して、本明細書で用いられる「磁石
の磁場への輸送」、「磁石への輸送」等は、液滴中の磁気応答性ビーズを実質的に引き付
けることができる磁場領域への輸送についての言及を意図している。同様に、液滴および
/または液滴中の磁気応答性ビーズに関して、本明細書で用いられる「磁石または磁場か
ら離れる輸送」、「磁石の磁場外への輸送」等は、液滴または磁気応答性ビーズが磁場か
ら完全に除去されるか否かに関わらず、液滴中の磁気応答性ビーズを実質的に引き付ける
ことができる磁場領域から離れる輸送についての言及を意図している。本明細書に記載の
斯かる場合のいずれでも、液滴は磁場の所望の領域へ向けてまたは領域外へ輸送されても
よく、および/または磁場の所望の領域が液滴へ向けてまたは遠ざけて移動されてもよい
ことが理解される。磁場「内に(within)」または磁場「内に(in)」ある電極、液滴、
または磁気応答性ビーズ等への言及は、以下の状況の記載を意図している:(i)電極が
、液滴を磁場の所望の領域へまたは領域外へ輸送できる態様で電極が設けられている状況
、または(ii)液滴または磁気応答性ビーズが、磁場の所望の領域に位置している状況
;各場合に所望の領域内の磁場は、液滴中のいずれかの磁気応答性ビーズを実質的に引き
付けることができる。同様に、磁場「外に(outside of)」または磁場「から離れて(aw
ay from)」ある電極、液滴、または磁気応答性ビーズ等への言及は、以下の状況の記載
を意図している:(i)電極が、液滴を磁場の特定の領域から離れて輸送できる態様で電
極が設けられている状況、または(ii)液滴または磁気応答性ビーズが、磁場の特定の
領域から離れて位置している状況;各場合に斯かる領域の磁場は、液滴中のいずれの磁気
応答性ビーズも実質的に引き付けることができないか、または、斯かる領域におけるいず
れの残余の引力も、当該領域で行われる液滴操作の有効性を低減しない。本発明の様々な
態様では、システム、液滴アクチュエーター、またはシステムの他の構成要素は、1つ以
上の永久磁石(例えば、単一の円筒状もしくは棒磁石またはHalbach配列等の斯かる磁石
の配列)、または、電磁石もしくは電磁石の配列等の磁石を含み、磁気応答性ビーズまた
は液滴アクチュエーターの他の構成要素と相互作用する磁場を形成してもよい。斯かる相
互作用は、例えば、保存中、または、液滴操作もしくは液滴外への磁気応答性ビーズの引
っ張りの間の液滴中の、磁気応答性ビーズの動きまたは流れを実質的に固定することまた
は拘束することを含む。
ビーズの洗浄に関して「洗浄」は、ビーズに接触している液滴から、ビーズに接触して
いるまたはさらされている1つ以上の物質の量および/または濃度を低減することを意味
する。物質の量および/または濃度の低減は、部分的、実質的に完全、または、完全でも
よい。物質は広範な種類の物質のいずれでもよい;例としては、(i)さらなる分析のた
めの目的物質、および、(ii)サンプルの成分、汚染物質、および/または過剰な試薬
等の不要な物質を含む。いくつかの実施形態では、洗浄操作は、磁気応答性ビーズに接触
した開始液滴から始まり、ここで当該液滴は、初期量および初期濃度の物質を含む。洗浄
操作は、様々な液滴操作を用いて進めてもよい。洗浄操作は、磁気応答性ビーズを含む液
滴を生成してもよく、ここで、当該液滴は、物質の初期量および/または初期濃度よりも
少ない物質の合計量および/または濃度を有する。好適な洗浄技術の例は、Pamulaらによ
る2008年10月21日に発行された題名「Droplet-Based Surface Modification and
Washing」の米国特許第7,439,014号に記載されており、その開示全体が参照により本明
細書に援用される。
用語「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「上(over)」、「下(under)」および
「上(on)」は、液滴アクチュエーターの頂部基板および底部基板の相対的位置等の液滴
アクチュエーターの構成要素の相対的位置に関する説明で用いられている。液滴アクチュ
エーターは、空間での液滴アクチュエーターの配向に関わらず機能してもよいことが理解
される。
いずれの形態(例えば、動いているまたは静止している液滴もしくは連続体)でも液体
が、電極、配列、マトリックスまたは表面「上(on)」、「に(at)」、または「上(ov
er)」にあるとして記載される場合、斯かる液体は、電極/配列/マトリックス/表面に
直接接触するか、または、液体と電極/配列/マトリックス/表面との間に挿置される1
つ以上の層もしくはフィルムに接触するかのいずれでもよい。
液滴が液滴アクチュエーター「上に(on)」、または「に装填されて(loaded on)」
または「内に装填されて(loaded into)」にあるとして記載されるとき、(i)液滴ア
クチュエーターを用いて、液滴への1つ以上の液滴操作を容易にする態様で、液滴が液滴
アクチュエーター上に配置されている、(ii)液滴の特性または液滴からの信号を感知
するのを容易にする態様で、液滴が液滴アクチュエーター上に配置されている、および/
または、(iii)液滴が液滴アクチュエーターで液滴操作にかけられたことが、理解さ
れる。
化学反応が記載された場合においては、当該化学反応は、記述された結果を達成するい
ずれの温度および時間で、行ってもよいと推定される。
6 図面の簡単な説明
図1は、核酸ライブラリーの構築についての手順の一例のフローチャートを表す。 図2は、表3に示されたライブラリー出力データを計算するために用いたアガロースゲルの写真を示す。 図3は、アクチュエーターでのライブラリー構築手順の7回の追加実行のアガロースゲル分析から計算された収率のプロットを示す。 図4は、対末端手順の溶離およびDNA浄化工程の、台上および液滴アクチュエーターでの実行を比較したプロットを示す。 図5Aは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。図5Bは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。図5Cは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。図5Dは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。図5Eは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。 図5Fは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。図5Gは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。図5Hは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。図5Iは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。 図5Jは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。図5Kは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。図5Lは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。図5Mは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、核酸ライブラリー構築用の核酸を調製する方法を示す。 図6は、図6A〜6Hに示された核酸調製方法を他の方法で描写したフローチャートを表す。 図7は、図6A〜6Hに示されたアルコール系ビーズ洗浄/溶離方法を他の方法で描写したフローチャートを表す。 図8Aは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、可能な限り最小量の液体でビーズを留置しながら、ビーズをスナップオフする方法を示す。図8Bは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、可能な限り最小量の液体でビーズを留置しながら、ビーズをスナップオフする方法を示す。図8Cは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、可能な限り最小量の液体でビーズを留置しながら、ビーズをスナップオフする方法を示す。 図9は、多重核酸ライブラリー構築手順の実行での使用に適した液滴アクチュエーターの一例の平面図を表す。 図10は、核酸ライブラリー構築用の液滴アクチュエーター上の核酸の処理用に構成された電極配列の他の一例の平面図を表す。 図11は、核酸ライブラリー構築用の液滴アクチュエーター上の核酸の処理用に構成された電極配列の他の一例の平面図を表す。 図12は、核酸ライブラリー構築用の液滴アクチュエーター上の核酸の処理用に構成された電極配列の他の一例の平面図を表す。 図13Aは、多重核酸ライブラリー構築手順の実行での使用に適した液滴アクチュエーターの他の一例の平面図を表す。 図13Bは、多重核酸ライブラリー構築手順の実行での使用に適した液滴アクチュエーターの他の一例の斜視図を表す。 図13Cは、図13Aおよび13Bの液滴アクチュエーターの頂部基板の実施の一例の平面図を表す。 図14は、図13Aおよび13Bの液滴アクチュエーターの底部基板の一例の平面図を表し、底部基板は底部基板上に形成された電極配列を有する。 図15は、液滴アクチュエーターの底部基板であり、液滴輸送と作業行程時間とを最適化するために底部基板上にパターン化された電極配列を有する底部基板の一例の平面図を表す。 図16は、図15の電極配列により支持されたアクチュエーターの流体リザーバを充填するための開口部に関連した、図15の底部基板の平面図を表す。 図17は、図15の電極配列により支持された様々な流体リザーバの図面を表す。 図18は、図15の電極配列により支持された様々な流体リザーバの図面を表す。 図19は、図15の電極配列により支持された様々な流体リザーバの図面を表す。 図20は、図15の電極配列により支持された様々な流体リザーバの図面を表す。 図21は、図15の電極配列により支持された様々な流体リザーバの図面を表す。 図22Aは、磁石アクチュエーターの斜視図を表す。 図22Bは、磁石アクチュエーターの斜視図を表す。 図23は、1つ以上の磁石アクチュエーターと1つ以上の加熱機構とを備えた機械的固定具の一例の平面図を表す。 図24Aは、Halbach磁石配列の例の斜視図を表す。 図24Bは、Halbach磁石配列の例の斜視図を表す。 図25Aは、例えば、液滴アクチュエーターの電極に対する、図24AのHalbach磁石配列の磁場の関係を表す。 図25Bは、例えば、液滴アクチュエーターの電極に対する、図24AのHalbach磁石配列の磁場の関係を表す。 図26Aは、図24AのHalbach磁石配列に関連した図25Aの液滴アクチュエーターの他の図(すなわち、平面図)を表す。 図26Bは、図24BのHalbach磁石配列に関連した図25Bの液滴アクチュエーターの他の図(すなわち、平面図)を表す。 図27は、液滴アクチュエーターでのサンプル濃縮の方法のフローチャートを表す。 図28Aは、液滴アクチュエーターに関して有用な他の構成要素の配列を含むローラーアセンブリの側面図を表す。図28Bは、液滴アクチュエーターに関して有用な他の構成要素の配列を含むローラーアセンブリの断面図を表す。図28Cは、液滴アクチュエーターに関して有用な他の構成要素の配列を含むローラーアセンブリの断面図を表す。図28Dは、液滴アクチュエーターに関して有用な他の構成要素の配列を含むローラーアセンブリの断面図を表す。 図29Aは、液滴アクチュエーターの一部の一例の平面図を表し、廃棄する液滴のダンピング方法を示す。 図29Bは、液滴アクチュエーターの一部の一例の断面図を表し、廃棄する液滴のダンピング方法を示す。 図30は、図29Aおよび29Bの液滴アクチュエーターの他の実施形態の断面図を表す。 図31は、電極配列の一例の一部の平面図と2倍液滴を分配するためのリザーバ分配シークエンスを表す。 図32は、図31の電極配列の平面図と1倍液滴を分配するためのリザーバ分配シークエンスを表す。 図33は、図31の電極配列の他の実施形態の平面図と1倍液滴を分配するための他のリザーバ分配シークエンスを表す。 図34Aは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、液滴アクチュエーターでの対立遺伝子識別用の一体化PCR増幅およびHRM分析の方法を示す。図34Bは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、液滴アクチュエーターでの対立遺伝子識別用の一体化PCR増幅およびHRM分析の方法を示す。図34Cは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、液滴アクチュエーターでの対立遺伝子識別用の一体化PCR増幅およびHRM分析の方法を示す。図34Dは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、液滴アクチュエーターでの対立遺伝子識別用の一体化PCR増幅およびHRM分析の方法を示す。図34Eは、液滴アクチュエーターの電極配列の一部の一例の平面図を表し、液滴アクチュエーターでの対立遺伝子識別用の一体化PCR増幅およびHRM分析の方法を示す。
7 発明の詳細な説明
本発明は、核酸ライブラリーを構築する方法を提供する。本発明の方法は、通常、オイ
ル等の非混和性の流体中でサンプル液滴および試薬液滴を使用する。一の実施態様では、
本発明の方法は、入力サンプルとしてフラグメント化された核酸を使用し、核酸配列決定
方法の次の工程のためのアダプター結合核酸ライブラリーにより終了し、核酸配列決定方
法は、F. Hoffmann-La Roche社、Life Technology社、Illumina社、Helicos BioSciences
社およびPacific Biosciences of California社等から入手可能または開発されているプ
ラットフォーム等の次世代配列決定プラットフォームを使用する。本発明の方法の開始及
び終了のいずれにおいても、サイズ分画、核酸フラグメンテーション、逆転写、核酸増幅
、二本鎖ヌクレアーゼ処理、ターゲット濃縮、ターゲット配列捕捉、サイズ選択、および
核酸出力の定量化(例えば、ゲル電気泳動、qPCR、または他の方法による)等の追加の工
程が含まれてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の化学的な手法は、液滴アクチュ
エーター装置を用いて実行されてもよい。方法全体における収率、特定の工程における収
率、結果までの時間、試薬消費量、およびバイアス等のライブラリー構築のパラメーター
は、当技術分野の現状を超えて非常に向上している。本発明は、核酸ライブラリー構築を
超えた用途を有する新規な装置、手法および検査工程も提供する。
7.1 ライブラリー構築
本発明の典型的なライブラリー構築手順は、いくつかの酵素反応の工程を含む。酵素反
応の工程の一部または全部の後に核酸精製を行ってもよい。酵素反応の工程は、1倍、2
倍、3倍、4倍サイズの液滴等の単位サイズ化された液滴を用いて行ってもよい。酵素反
応の工程は、非混和性または実質的に非混和性の充填流体で、被覆された、部分的に充填
された、または実質的に充填された液滴アクチュエーター内の2枚の基板の間で圧迫され
た液滴のように、液滴が、非混和性または実質的に非混和性の充填流体に浮遊しているま
たは沈降している間、あるいは非混和性または実質的に非混和性の充填流体に完全にまた
は部分的に囲まれている間に行ってもよい。したがって、本明細書では、液滴操作が記載
されるところのいずれでも、液滴が、(i)非混和性または実質的に非混和性の充填流体
内に浮遊しているまたは沈降している間、あるいは、(ii)非混和性または実質的に非
混和性の充填流体に完全にまたは部分的に囲まれている間、または、(iii)非混和性
または実質的に非混和性の充填流体で、被覆された、部分的に充填された、または実質的
に充填された液滴アクチュエーター内の2枚の基板の間で圧迫されている間に、液滴操作
を行ってもよいことが理解される。さらに、斯かる充填流体は、本明細書で記載されるよ
うなオイル系充填流体であることが好ましいことが理解される。本発明の方法の液滴操作
の一部または全ては、液滴アクチュエーターで行ってもよい。
本発明のライブラリー作製方法は、フラグメント化された核酸を利用する。フラグメン
ト化された核酸は、物理的せん断方法;超音波処理;制限エンドヌクレアーゼ等の酵素方
法;および他の化学的方法と同様に斯かる方法の組み合わせ等のいずれかの核酸フラグメ
ンテーション方法を用いて調製されてもよい。フラグメントサイズは、ランダムまたは非
ランダムであってもよい。フラグメントはサイズ分画されていてもよいし、サイズ分画さ
れていなくてもよい。核酸のフラグメンテーションは、液滴アクチュエーターでまたは液
滴アクチュエーター外で行われてもよい。液滴アクチュエーターで、非フラグメント化さ
れたサンプルを含む液滴を、フラグメンテーション試薬を含む1つ以上の液滴と共に液滴
操作を用いて混合して、フラグメント化された核酸を含む液滴を生成してもよい。フラグ
メント化された核酸は、次の工程のために液滴アクチュエーターから除去されてもよいし
、またはサンプル調製方法の次の工程にかけられてもよいし、もしくは液滴アクチュエー
ターで次の工程にかけられてもよい。液滴アクチュエーターでの核酸サンプルのフラグメ
ンテーションを促進するために有用な超音波処理の設定の例は、Srinivasanらによる20
10年7月15日に出願された題名「Systems for and Methods of Promoting Cell Lysi
s in Droplet Actuators」の米国特許出願第61/364,645号に記載されており、その開示全
体がを参照により本明細書に援用される。
図1は、フラグメント化された核酸を用いて核酸ライブラリーの構築のための例示的な
手順100の工程を示すフローチャートである。手順100は、これらに限定されないが
、以下の工程を含んでいてもよい。
平滑末端化工程105では、5’−および/または3’−突出を有する核酸フラグメン
トが、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性と5’→3’ポリメラーゼ活性の両方を有する
T4 DNAポリメラーゼを用いて平滑末端化される。液滴アクチュエーターで、平滑末
端化工程は、サンプル液滴と、平滑末端化試薬を有する液滴とを分配および混合する液滴
操作を用いて達成され得る。平滑末端化工程の後に、核酸を精製して(例えば、ビーズ系
洗浄手順)、続く工程に干渉し得る、酵素および組み込まれなかったdNTPsを除去し
てもよい。液滴アクチュエーターで、この洗浄工程は、本明細書に記載のように、ビーズ
上に核酸を捕捉し、そして液滴系洗浄手順を実行することにより達成されてもよい。次い
で、核酸はビーズから放出されてもよい。平滑末端化工程105は、平滑末端化されたフ
ラグメントを調製するフラグメンテーションスキームが用いられる場合は、省略してもよ
い。
リン酸化工程110では、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて、リン酸エステルを
平滑末端化された核酸の5’−ヒドロキシ末端に結合してもよい。液滴アクチュエーター
で、リン酸化工程は、リン酸化試薬を含む液滴を分配し、当該液滴と、工程105により
調製された平滑末端化された核酸を含む液滴とを混合する液滴操作を用いて達成され得る
。平滑末端化工程の後に、核酸を精製して(例えば、ビーズ系洗浄手順)、酵素と、続く
工程に干渉し得る過剰な試薬とを除去してもよい。液滴アクチュエーターで、この洗浄工
程は、本明細書に記載のように、ビーズ上に核酸を捕捉し、そして液滴系洗浄手順を実行
することにより達成されてもよい。次いで、核酸はビーズから放出されてもよい。平滑末
端化工程105とリン酸化工程110は、容易に組み合され得る。例えば、ILLUMINA(登
録商標)対末端 DNA サンプル調製キット、およびNEBNEXT(登録商標)DNA サンプル調製
試薬セット1、および他の市販のキット内で、平滑末端化試薬とリン酸化試薬とは一般に
組み合わされている。当該組み合わされた工程のための核酸精製は、個々の工程について
記載したようにビーズ系混合および分割液滴洗浄手順を用いて達成されてもよい。平滑末
端化工程105とリン酸化工程110とが分けられる場合、当該工程の間に洗浄工程を行
う必要はない。平滑末端化試薬を含む液滴は、液滴操作を用いて、サンプル液滴と、分配
および混合されてもよく;次いで、リン酸化酵素を含む液滴は分配され、液滴操作を用い
て、サンプルおよび平滑末端化試薬を含む液滴に混合されてもよい。この工程により調製
された液滴中の核酸は、次いで、本明細書に記載のように、捕捉され、精製されてもよい
A−tail化工程115では、クレノウ(3’→5’)エキソ−DNAポリメラーゼ
Iを用いて、A−tailを、リン酸化され、平滑末端化された核酸フラグメントの両端
に付けてもよい。その反応は、好適には約37℃で起こる。dATPの存在下、クレノウ
(3’→5’)エキソ−DNAポリメラーゼIは、非テンプレート3’付加に触媒作用を
及ぼす。液滴アクチュエーターで、A−tail化工程は、液滴操作を用いてA−tai
l化試薬を含む液滴を分配し、当該液滴と、工程110により調製されたリン酸化された
核酸を含む液滴とを混合することにより達成され得る。液滴アクチュエーターで、この反
応は、室温と同程度の低い温度、または、37℃程度またはいくつかの場合はさらに高い
温度で達成され得る。A−tail化反応後に、クレノウDNAポリメラーゼIは、反応
液滴と、不活性化試薬を含む液滴とを混合する液滴操作を行うことにより不活性化(例え
ば、化学的不活性化)される、または反応液滴を所望の活性を達成するために選択した温
度および時間で保温することにより熱不活性化される等、不活性化されてもよい。温度は
、通常、約20〜60分間、約35〜約75℃等、室温を超えて昇温される。あるいは、
核酸は精製され、ビーズ系洗浄手順を用いて酵素除去されてもよく、当該手順で、核酸は
ビーズ上に捕捉され、当該ビーズは洗浄手順にかけられる。
アダプター結合工程120では、T4DNAリガーゼを用いて核酸アダプターをA−t
ail化された核酸フラグメントに結合してもよい。T4DNAリガーゼは、並列5’−
リン酸エステルに存在する付着末端と、二本鎖核酸の3’−ヒドロキシ末端と、の間のリ
ン酸エステル結合の形成に触媒作用を及ぼす。その反応は、所望のアダプター結合を達成
するために選択した温度と時間(例えば、約20℃で約30分間)で起こり得る。液滴ア
クチュエーターで、アダプター結合工程は、アダプターと結合試薬とを含む液滴を分配し
、当該液滴と、工程115により調製されたA−tail化された核酸を含む液滴と、を
混合する液滴操作を用いて達成され得る。結合工程の後に、核酸を精製して(例えば、ビ
ーズ系洗浄手順を用いて)、続くPCR増幅工程に干渉し得る組み込まれなかったアダプ
ターを除去してもよい。液滴アクチュエーターで、この洗浄工程は、本明細書に記載のよ
うに、ビーズ上に核酸を捕捉し、そして液滴系洗浄手順を実行することにより達成されて
もよい。次いで、核酸はビーズから放出されてもよい。いくつかの実施形態では、アダプ
ターの核酸に対する比は、約10:1モルより大きく、または約15:1モルより大きく
、または約20:1モルより大きく、または約25:1モルより大きく、または約30:
1モルより大きく、またはより高い。さらに他の実施形態では、アダプターの核酸に対す
る比は、約1:1〜約10:1である。放出された核酸は、次いで、いずれかの核酸増幅
技術を用いて増幅されてもよい。増幅は、液滴アクチュエーターで、例えば、フロースル
ー熱サイクル方法を用いて行ってもよく、または核酸は別の装置で増幅のために液滴アク
チュエーターから除去されてもよい。しかしながら、本発明の一の実施態様では、本出願
人は、本発明の方法が従来のライブラリー構築方法よりもはるかに高い収率をもたらすこ
とを発見した。その結果として、いくつかの実施形態では、本発明の方法は、ライブラリ
ー構築後に増幅工程の介在なく、核酸ライブラリーを配列決定する方法を提供する。いく
つかの実施形態では、本発明の方法は、20以下のサイクル、または15以下のサイクル
、または10以下のサイクル、または5以下のサイクル、またはちょうど1または2サイ
クル等の、最小限の増幅で、ライブラリー構築後に、核酸ライブラリーを配列決定する方
法を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の方法は、液滴アクチュエ
ーターからライブラリー液滴を除去する工程と、増幅工程の介在なく、または、最小限の
増幅(例えば、20以下のサイクル、または15以下のサイクル、または10以下のサイ
クル、または5以下のサイクル、またはちょうど1または2サイクル)と共に、当該ライ
ブラリーを配列決定装置上に装填する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、本発明
の方法は、ライブラリー構築後に、濃縮増幅工程の介在なく、核酸ライブラリーを配列決
定する方法を提供する。
一の実施形態では、アダプター結合工程120は、約15〜約24℃、または約17〜
約23℃、または約19〜約21℃、または約20℃等の室温未満の温度で達成され得る
他の代わりの実施形態では、平滑末端化工程105、リン酸化工程110、およびA−
tail化工程115は組み合わされてもよい。液滴アクチュエーターで、当該実施形態
は、液滴操作を用いて、平滑末端化試薬、リン酸化試薬、およびA−tail化試薬を含
む液滴を分配する工程と、分配された液滴と核酸サンプル液滴とを混合する工程とを含み
、サンプル核酸の平滑末端化、リン酸化、およびA−tail化を達成する。核酸は、続
くアダプター結合工程で精製された核酸を提供するために、例えば、本明細書の他の箇所
に記載のように、ビーズに捕捉され、洗浄されてもよい。
他の実施形態では、核酸精製工程は、アダプター結合工程の後のみ行われる。さらに他
の実施形態では、1つ以上の捕捉工程および溶離工程を、ライブラリー構築方法のいずれ
かの工程の後に行ってもよい。例えば、平滑末端化工程、リン酸化工程、および/または
A−tail化工程の後に、液滴は、核酸捕捉ビーズを含む液滴と組み合わされてもよい
。ビーズは、磁石を用いて拘束されてもよく、ビーズを囲む液滴中の過剰の液体は、液滴
をビーズから離れて輸送することにより「スナップオフ」してもよい。ビーズは、ビーズ
を囲む最小量の液体を残して留置される。他の液滴をそのビーズと接触させるように輸送
して、この最小量の液体と新しい液滴の液体とを混合し、新しく混合された液滴内にビー
ズを懸濁させることにより、そのビーズを捕捉してもよい。したがって、例えば、新しい
液滴は、ビーズから捕捉された核酸を溶離させるための試薬を含んでいてもよい。ビーズ
は、磁石を用いて再度拘束されてもよく、ビーズを囲む液滴中の過剰の液体は、液滴をビ
ーズから離れて輸送することにより「スナップオフ」してもよい。この液滴は、溶離した
核酸を含み、当該核酸は、次いで、ライブラリー作製方法の次の工程にさらされてもよい
。ビーズは、スナップオフプロセスの間、拘束されていてもよく、その後、磁石の移動ま
たは電磁石のスイッチを切ることにより、次の液滴内に、放出されて再度懸濁されてもよ
い。適したスナップオフ技術の例は、本明細書の他の箇所に記載されており、例えば、図
8A、8B、および8Cの記載を参照されたい。
本発明のこの手順および他の手順で要求されるいずれの温度条件も、液滴操作表面、お
よび/または、液滴アクチュエーターの液滴操作間隙中の充填流体の領域、を加熱もしく
は冷却することにより、形成されてもよい。液滴は、液滴操作を用いて、液滴操作表面ま
たは液滴操作間隙の加熱領域または冷却領域に輸送され、必要な時間当該領域に保持され
てもよい。あるいは、液滴アクチュエーターカートリッジ全体または液滴を含むカートリ
ッジの領域が、必要な保温時間の間、加熱または冷却されてもよい。さらに、液滴操作間
隙の外側または液滴操作表面から離れたところを加熱または冷却するために、液滴を液滴
操作表面または液滴操作間隙に存在する流体通路に移動すること等により、液滴は液滴ア
クチュエーターから除去されてもよい。液滴は、その後、次の工程を行うための冷却後に
液滴操作間隙または液滴操作表面に戻されてもよい。
対末端ライブラリーの構築のための台上(on−bench)手順の一例を表1に示す
。この例では、各酵素工程、すなわち、平滑末端化工程、A−tail化工程、およびア
ダプター結合工程のための反応キットを用いた(それぞれ、E1210S、M0212SおよびM2200S
、New England Biolabs社)。試薬は、必要に応じて希釈され、検査で使用する最終的な
1倍濃度を供給してもよい。平滑末端、A−tail、およびアダプター結合混合物は、
(i)改質されて、(ii)ポリソルベート界面活性剤(例えば、0.01〜0.1%Tw
een-20(ポリソルベート20としても公知)、または、他の界面活性剤、等)等の界面活
性剤を、本明細書に記載の濃度で含んでいてもよい。
核酸フラグメントライブラリー構築手順の他の一例は、インビトロ転位手順にて高密度
である。転位手順では、Tn5トランスポザーゼの活動亢進誘導体を用いて、合成オリゴ
ヌクレオチド(すなわち、変更トランスポゾン)の高密度でのターゲットDNAへの組み
込みに触媒作用を及ぼしてもよい。この例では、NexteraのTransposome(商標)技術等の
トランスポザーゼを用いて、ランダムdsDNA破壊を作り出してもよい。当該Transpos
ome(商標)錯体は、遊離トランスポゾン末端およびトランスポザーゼを含む。当該錯体
をdsDNAと共に保温すると、当該DNAは、フラグメント化され、トランスポゾン末
端オリゴヌクレオチドの転移鎖は、DNAフラグメントの5’末端に共有結合する。いく
つかのプラットフォーム固有アプリケーション(例えば、Illumina配列決定プラットフォ
ーム)では、トランスポゾン末端は、配列決定プライマー部位に付加してもよい。バッフ
ァーと反応条件(例えば、Transposome(商標)錯体の濃度)を変えることにより、フラ
グメント化および標識されたDNAライブラリーのサイズ分布を制御してもよい。Nexter
a技術を、Roche/454またはIllumina/Solexa配列決定プラットフォーム等の配列決定プラ
ットフォームと適合する任意のバーコーディングと共に用いて、2標識ライブラリーを作
り出してもよい。
トランスポザーゼ触媒ライブラリー構築用のデジタル微小流体手順は、これらに限定さ
れないが、以下の工程を含んでいてもよい:核酸は、トランスポザーゼおよび遊離トラン
スポゾン末端(例えば、NexteraのTransposome(商標)錯体)を含むトランスポザーゼ酵
素錯体を用いてフラグメント化および標識されてもよい。いくつかのプラットフォーム固
有アプリケーション(例えば、Illumina配列決定プラットフォーム)では、トランスポゾ
ン末端は、配列決定プライマー部位に付加されてもよい。トランスポゾン組み込みと鎖転
移は、ターゲット核酸内でのねじれ型dsDNA破壊を経て起こる。ターゲット核酸は、
トランスポゾンシークエンスで5’末端で標識されてもよい。反応は、好ましくは55℃
で起こる。液滴アクチュエーターで、この工程は、(i)サンプル液滴と、(ii)トラ
ンスポザーゼ酵素試薬と反応バッファーとを含む液滴とを、分配し、混合する液滴操作を
用いて達成され得る。トランスポザーゼ酵素試薬は、プラットフォーム固有アプリケーシ
ョン(例えば、Illumina適合ライブラリー用のNextera(商標)Enzyme Mix;Roche454適
合ライブラリー用のNextera(商標)Enzyme Mix)のために選択されてもよい。フラグメ
ンテーションと標識化の後、核酸を精製(例えば、ビーズ系洗浄手順)して、続く工程に
干渉し得る酵素と試薬を除去してもよい。液滴アクチュエーターで、この洗浄工程は、本
明細書に記載のように、ビーズ上に核酸を捕捉し、そして液滴系洗浄手順を実行すること
により達成されてもよい。次いで、核酸はビーズから放出されてもよい。
4つのプライマー反応と共に抑制PCRを用いて、プラットフォーム固有オリゴヌクレ
オチドアダプターと任意のバーコードを、フラグメント化され、標識された核酸に付加し
てもよい。結果として生じる2標識ライブラリーは、両方の標識を含むフラグメントにつ
いて濃縮されてもよい。一例では、4つのプライマー反応と共に抑制PCRを用いて、Ro
che454適合ライブラリー用の付加を行ってもよい。任意のバーコードを、上流PCRアダ
プターとトランスポゾンとの間に付加してもよい。他の一例では、4つのプライマー反応
と共に抑制PCRを用いて、Illumina適合アダプターシークエンス(すなわち、ブリッジ
PCR適合アダプター;bPCR)を付加してもよい。任意のバーコードを、下流PCR
アダプターと付加されたトランスポゾンとの間に付加してもよい。液滴アクチュエーター
で、この工程は、(i)サンプル液滴と、(ii)PCR試薬とプラットフォーム固有プ
ライマーカクテル(例えば、NexteraのIllumina適合プライマーカクテル、または、Nexte
raのRoche454適合プライマーカクテル)とを含む液滴とを、分配および混合する液滴操作
を用いて達成されてもよい。増幅は、液滴アクチュエーターで反応液滴を温度制御ゾーン
の間で限られた数のサイクル(例えば、約5〜約13サイクル)で熱サイクルすることに
より、行われてもよい。一例では、熱サイクル手順は、72℃で3分間および95℃で3
0秒間、次いで95℃で10秒間、72℃で30秒間、および72℃で3分間を13サイ
クルの保温を含んでいてもよい。あるいは、核酸は、別の装置での増幅のために液滴アク
チュエーターから除去されてもよい。
2標識ライブラリーを精製して(例えば、ビーズ系洗浄手順)、続くPCR増幅工程に
干渉し得る、組み込まれなかったアダプターおよびバーコードを除去してもよい。液滴ア
クチュエーターで、この洗浄工程は、本明細書に記載のように、ビーズ上に核酸を捕捉し
、そして液滴系洗浄手順を実行することにより達成されてもよい。次いで、核酸はビーズ
から放出されてもよい。濃縮された2標識ライブラリーは、例えば、Roche454プラットフ
ォームでのエマルションPCR(emPCR);Illuminaプラットフォームでのブリッジ
PCR(bPCR);液滴アクチュエーター;または他の増幅方法を用いることにより、増幅
されてもよい。
増幅されたライブラリーは、続いて、適切なプライマーを用いて配列決定されてもよい
。他の実施形態では、2標識ライブラリーは、増幅および配列決定の前にサイズ選択(例
えば、>300bpサイズ)されてもよい。一例では、2標識ライブラリーは、ゲル電気
泳動により液滴アクチュエーターで区分されてもよい。他の一例では、2標識ライブラリ
ーは、Caliper社の微小流体チップ系自動サイズ選択プラットフォーム等の別の装置での
サイズ分離のために液滴アクチュエーターから除去されてもよい。
Illumina配列決定プラットフォーム用の標準配列決定ライブラリーは、PCR増幅の使
用なし(PCRフリー)で、結合バイアスを低減するために生み出された。同様の手法を
トランスポザーゼ系ライブラリーに用いてもよい。一例では、フローセルブリッジPCR
プライマー(bPCR)シークエンスは、転位反応の間に加えられるアダプターに含めら
れてもよい。転位後、ニックトランスレーション反応を行って、Illumina準備ライブラリ
ーを生成してもよい。PCRフリーのトランスポザーゼ系ライブラリー構築手順は、核酸
を配列決定準備フラグメントライブラリーに変換するのに必要な時間を実質的に削減する
PCRフリーのトランスポザーゼ触媒ライブラリー構築用のデジタル微小流体手順は、
これらに限定されないが、以下の工程を含んでいてもよい:核酸は、トランスポザーゼお
よび遊離トランスポゾン末端(例えば、NexteraのTransposome(商標)錯体)を含むトラ
ンスポザーゼ酵素錯体を用いてフラグメント化および標識されてもよい。Illumina配列決
定プラットフォームのために、トランスポソームアダプターシークエンスは、フローセル
bPCRシークエンスおよび付加した配列決定プライマー部位を含んでいてもよい。トラ
ンスポゾン組み込みと鎖転移は、ターゲット核酸内でのねじれ型dsDNA破壊を経て起
こる。ターゲット核酸は、トランスポゾンシークエンスで5’末端で標識されてもよい。
反応は、好ましくは55℃で起こる。液滴アクチュエーターで、この工程は、(i)サン
プル液滴と、(ii)トランスポザーゼ酵素試薬と反応バッファーとを含む液滴とを、分
配および混合する液滴操作を用いて達成され得る。DNAポリメラーゼをニックトランス
レーション反応で用いて、フラグメンテーション反応と標識反応で生じた一本鎖ギャップ
を修復してもよい。液滴アクチュエーターで、この工程は、(i)サンプル液滴と、(i
i)DNAポリメラーゼと反応バッファー(例えば、Epicentre社から入手可能なFailSaf
e PCR Mater MixおよびDNAポリメラーゼ)とを含む液滴とを、混合する液滴操作を用いて
達成され得る。ニックトランスレーション後、DNAを精製して(例えば、ビーズ系洗浄
手順)、続く工程に干渉し得る酵素と試薬を除去してもよい。液滴アクチュエーターで、
この洗浄工程は、本明細書に記載のように、ビーズ上に核酸を捕捉し、そして液滴系洗浄
手順を実行することにより達成されてもよい。次いで、核酸はビーズから放出されてもよ
い。Illuminaプラットフォームでの増幅ブリッジPCR(bPCR)のための2標識ライ
ブラリーを準備してもよい。増幅されたライブラリーは、続いて、適切なプライマーを用
いて配列決定されてもよい。
デジタル微小流体ライブラリー構築手順は、メチシリン耐性スタフィロコッカスアウレ
ウス(MRSA)からの278bp細菌DNAフラグメントを用いて評価した。DNA末端修復(
平滑末端化)、DNAフラグメントのdA-tail化、およびアダプター結合は、New England
BioLabs社から入手可能なNEBnext DNA サンプル調製Master Mix セット1を用いて行っ
た。そのセットは、NEBnext End Repair、dA-tailingおよびQuick Ligation モジュール
を含む。DNAサンプル(278bpMRSA DNAの1,10,30,100,300,または1000ng)
および試薬が、台上で調製され、続いて、液滴アクチュエーターの流体分配リザーバ内に
装填された。その実験を4回行い、4つの別の液滴アクチュエーターで実行した。
NEBnext End Repair(2倍の酵素およびバッファー濃度)の希釈標準溶液を、End Repa
ir反応バッファー(3μL)、End Repair酵素混合物(1.5μL)、0.5%Tween20(1.5μL
)、および殺菌水(9μL)を混合し、最終体積15μLとすることにより調製した。NEBne
xt dA-tailing(2倍の酵素およびバッファー濃度)の希釈標準溶液を、dA-tailing反応
バッファー(3μL)、クレノウフラグメント(エキソ−)(1.8μL)、0.5%Tween20(1
.5μL)、および殺菌水(8.7μL)を混合し、最終体積15μLとすることにより調製し
た。NEBnext Quick Ligation(3倍の酵素およびバッファー濃度)の希釈標準溶液を、Qu
ick Ligation反応バッファー(9μL)、Quick T4 DNAリガーゼ(4.5μL)
、および0.5%Tween20(1.5μL)を混合し、最終体積15μLとすることにより調製した
。磁気応答性ビーズ溶液を、300μLのAgencourt AMPure XPビーズと3μLの1% Tween2
0とを混合することにより調製した。アダプターを、アダプターとDNAのモル比が10:1
で、0.1% Tween20の最終濃度で調製した。アダプターの濃度をDNA濃度に応じて変化
させた。
DNAサンプルを、278bpMRSA DNA(上限23μL)の1,10,30,100,300,または
1000ng、Agencourt AMPure XPビーズ(1.2μL)、ビーズ結合バッファー(25μL)、
5%Tween20(1μL)、および殺菌水を混合して、最終体積50μLとすることにより調製
した。ビーズおよびDNAサンプルを、撹拌しながら室温で10分間保温した。
DNAサンプル(278bpMRSA DNAの1,10,30,100,300,または1000ng)および
調製した試薬を、液滴アクチュエーターのリザーバに装填した。分配および処理工程の前
に、各DNAサンプルを、単一工程のビーズ濃縮手順を用いてアクチュエーターで濃縮し
た。磁気応答性ビーズ上に結合したDNAを有する磁気応答性ビーズを、サンプル分配リ
ザーバ電極の下に位置する磁石を用いて固定した。上澄み液(約50μL)を液滴操作を用
いて分離し、磁場により保持された固定されたビーズから離して輸送した。次いで、DN
Aを、1倍DNAサンプル液滴中で磁気応答性ビーズから溶離した。
ライブラリー結果(収率)を評価するために用いたデジタル微小流体手順は、液滴アク
チュエーターの液滴操作間隙での電気濡れ媒介液滴操作を用いて行われた以下の工程を含
んでいた:1倍DNAサンプル液滴を、液滴操作を用いて1倍NEBnext End Repair液滴と
混合し、2倍反応液滴を生じた。室温で30分間保温した後、2倍反応液滴を、液滴操作
を用いて、4倍磁気応答性ビーズ含有液滴と混合し、6倍DNAサンプル/ビーズ液滴を
生じた。室温で10分間保温した後、磁石を用いてビーズを固定し、6倍上澄み液を分離
して0倍サンプル/ビーズ液滴を生じた。上澄み液を輸送して廃棄した。末端修復された
ビーズを、1倍サンプル液滴中のビーズから溶離した。1倍末端修復されたDNAサンプ
ル液滴を、液滴操作を用いて1倍NEBnext A-tailing液滴と混合し、2倍反応液滴を生じ
た。約37℃で30分間保温した後、2倍反応液滴を、液滴操作を用いて4倍磁気応答性
ビーズ含有液滴と混合し、6倍DNAサンプル/ビーズ液滴を生じた。室温で10分間保
温した後、磁石を用いてビーズを固定し、6倍上澄み液を分離して0倍サンプル/ビーズ
液滴を生じた。上澄み液を輸送して廃棄した。A-tail化されたDNAを、1倍サンプル液
滴中のビーズから溶離した。1倍A-tail化されたDNAサンプル液滴を、液滴操作を用い
て1倍NEBnext Quick Ligation液滴および1倍アダプター液滴と混合し、3倍反応液滴を
生じた。室温で30分間保温した後、3倍反応液滴を、液滴操作を用いて2倍磁気応答性
ビーズ含有液滴と混合し、5倍DNAサンプル/ビーズ液滴を生じた。室温で10分間保
温した後、磁石を用いてビーズを固定し、5倍上澄み液を分離して0倍サンプル/ビーズ
液滴を生じた。上澄み液を輸送して廃棄した。ビーズを、液滴系ビーズ洗浄手順を用いて
2倍洗浄バッファー液滴で3回洗浄した。アダプター結合DNAを、1倍サンプル液滴中
のビーズから溶離した。1倍アダプター結合DNAサンプル液滴を、液滴操作を用いて液
滴アクチュエーター上のサンプル回収リザーバまで輸送し、ライブラリー構築収率の決定
のために液滴アクチュエーターから除去した。
表2に、アクチュエーターでのライブラリー構築手順のアガロースゲル分析から計算し
た収率の結果を示す。ゲル分析のために、ゲルにサンプルを装填する前に、9μLの1,10
,30,および100ngの入力サンプル;5μLの300ngの入力サンプル;および1.5μLの
1000ng入力サンプルを、水を用いて10μLに調整した。MRSA DNA(278bpフラグメント
)が、0.9、9、27、90、および150ngでゲルに装填され、標準として使用された。図2
は、表2に示したライブラリー出力データを計算するために使用されたアガロースゲルの
例示的な写真を示している。ライブラリーサンプルとMRSA標準DNAは、以下の順番
でアガロースゲルに装填された(左から右へ):1ng入力サンプル、0.9ngMRSA標準、
10ng入力サンプル、9ngMRSA標準、30ng入力サンプル、27ngMRSA標準、100ng入
力サンプル、90ngMRSA標準、300ng入力サンプル、150ngMRSA標準、および1000ng
入力サンプル。
ゲル分析は、Image J ソフトウェアを用いて行い、ライブラリー出力を求めた。
その実験を7つの別個の液滴アクチュエーターで追加で7回繰り返された。図3は、10
,30,100,300,または1000ngの278bpMRSA DNAを用いたアクチュエーターでのライブ
ラリー構築手順の追加の7回の実行のアガロースゲル分析から計算した収率のプロットを
示している。図3のデータを表3にまとめた。
液滴操作手順、反応生化学、および他のシステムパラメーターをさらに選択して、自動
化デジタル微小流体ライブラリー構築手順の性能を向上し得る。生化学反応条件の選択は
、例えば、各反応工程の性能評価により容易となり得る。
一の実施形態では、手順の各工程後のDNAの定量的な修復または収率は、アクチュエ
ーターで、組み込まれた放射性リン酸エステルまたは組み込まれたヌクレオチドに結合し
た蛍光標識のいずれかを用いて測定されてもよい。例えば、平滑末端化工程(図1の手順
を参照)では、T4ポリヌクレオチドキナーゼが、リン酸エステルを平滑末端化されたD
NAの5’−ヒドロキシ末端に付加する。キナーゼ反応バッファーの放射性標識されたA
TP(γ−32P ATP)を用いることで、平滑末端化されたDNAに付加した末端リ
ン酸エステルは、放射性標識され、容易にモニターされ得る。同様に、A-tail化工程をモ
ニターするため、dATP中のγ−リン酸エステルは、放射性標識されてもよい。アダプ
ターシークエンスの全てのヌクレオチドは、そのα−リン酸エステルで放射性標識されて
もよく、アダプター結合工程は高感度で定量的にモニターされ得る。
他の実施形態では、アダプター結合シークエンス特性(例えば、分解がない)、バイア
ス(例えば、挿入サイズ、GC含有量)、および再現性が評価されてもよい。この例では
、ライブラリー構築は、異なるサイズおよびGC含有量のDNAアンプリコンを用いて行
われてもよい。アダプター結合シークエンスの特性は、処理されたフラグメントを回収し
、市販のシークエンサーを用いてDNAシークエンスを評価することにより、評価されて
もよい。ライブラリー構築方法は、同じDNAサンプルについて複数回手順を実行するこ
とにより再現性を評価されてもよい。液滴アクチュエーターの異なるリザーバ間のばらつ
きは、同じDNAサンプルを異なるアクチュエーターリザーバに装填することで評価され
てもよい。
保温時間、洗浄サイクル数、液滴輸送速度、および装填試薬体積等のデジタル微小流体
操作パラメーターは、本開示の観点から当業者により選択されてもよい。台上のシステム
に比べて、デジタル微小流体液滴システムでは、混合長さスケールと体積対表面積比が小
さいため、液滴システムの保温時間は実質的に低減され得る。酵素反応についての実質的
に減少した保温時間と自動化手順(即ち、わずかの時間の操作)との組み合わせにより、
ライブラリー構築方法の全体時間は減少し得る。
7.2 核酸精製
液滴アクチュエーターでのライブラリー構築の手順は、ビーズ系核酸精製工程を含んで
いてもよい。ビーズは、磁気応答性であってもよいし、実質的に磁気応答性でなくともよ
い。一の実施形態では、本明細書に記載の酵素工程のいずれの後に、ビーズ系核酸精製工
程を行ってもよい。核酸精製工程および浄化工程は、しばしば、ライブラリー構築手順に
おける収率を制限する工程である。
一例では、CHARGESWITCH(登録商標)PCR浄化ビーズ(Life TechnologyによりInvitrog
en社から入手可能)等の電荷スイッチビーズを用いてもよい。CHARGESWITCH(登録商標)
PCR浄化ビーズは、常磁性応答ビーズであり、pH5で通常90bp〜4kbpの核酸を
捕捉することができ、pH>8で捕捉した核酸を放出することができる。一例では、デジ
タル微小流体ライブラリー構築手順の浄化工程でのCHARGESWITCH(登録商標)ビーズの使
用は、ビーズから結合したDNAを溶離するために用いる溶離バッファーの緩衝能および
pHを調整することにより選択してもよい。表4および5は、溶離バッファー組成と、洗
浄回数との、核酸修復のパーセントでの効果を示している。バッファーのpHは、12M
のHClを用いて調整された。
溶離バッファー化学および洗浄回数を評価するために用いたデジタル微小流体手順は、
液滴アクチュエーターの液滴操作間隙での電気濡れ媒介液滴操作を用いて実行された以下
の工程を含むものであった:48ngの278bpMRSA dsDNA(138ng/μL)を含む350nL
以下の液滴を、液滴操作を用いて、緩衝バッファー(pH5)中にCHARGESWITCH(登録商
標)ビーズ(25mg/mL)を含む350nL以下の液滴と混合して、700nL以下の液滴を
生じた。室温で1分間保温した後、その700nL以下の液滴を、700nL以下の洗浄バッフ
ァー液滴と混合し、磁石を用いてビーズを固定し、そして、液滴を分割してビーズ含有液
滴と上澄み液滴とを生じた。複数の洗浄サイクル(2または6サイクル)を行った後に、
CHARGESWITCH(登録商標)ビーズを、350nL以下の洗浄バッファー液滴中で再懸濁した
。次いで、そのビーズ含有液滴を350nL以下の溶離バッファー液滴と混合して、700nL
以下の溶離液滴を生じた。2分間の保温後、CHARGESWITCH(登録商標)ビーズを永久磁石
の磁場内に固定し、その700nL以下の溶離液滴をビーズから離してアクチュエーターの
リザーバ内に輸送した。その700nL以下の溶離液滴を、リザーバから戻し、水を用いて1
0μL体積に調整した。もしDNAの修復が100%だったならば、qPCR検査へのDNAの入
力は、4.8pgのはずである。CHARGESWITCH(登録商標)ビーズを液滴アクチュエーター
から戻し、台上で20μL溶離バッファーを用いた別の溶離を行い、液滴アクチュエータ
ーで溶離しなかったいずれのDNAも溶離させた。定量的なPCR(qPCR)検査を行
い、DNAの修復を評価した。サンプルを100倍、10,000倍および100,00
0倍に希釈した。各サンプルの5μLを50μLのqPCR検査で分析した。サンプルは、2
78MRSAアンプリコンの標準曲線に対して分析した。DNA修復の効率が100%であったな
らば、qPCR検査への入力DNAは、240pg、2.4pgおよび240fg(それぞれ、100
倍、10,000倍および100,000倍希釈溶液)のはずである。
図4は、台上および液滴アクチュエーターでの溶離工程および核酸浄化工程の実施の比
較のプロット400を示している。台上および液滴アクチュエーターで行われた完全な対
末端ライブラリー構築手順での溶離条件を用いた。データは、台上と液滴アクチュエータ
ーでの溶離が比較可能であることを示している。
図5A〜5Mは、液滴アクチュエーターの電極配列500の一部の一例の平面図を表し
、ライブラリーの構築用の核酸調製方法を示している。図5A〜5Mの方法は、ライブラ
リー構築手順の一例であり、当該一例で核酸は、磁気応答性ビーズに固定され、可動式の
磁石と、一連の混合操作および分割操作とを用いて、ライブラリー構築手順の各工程間で
核酸が精製される。
電極配列500は、液滴操作電極510(例えば、電気濡れ電極)の配列を含んでいて
もよい。液滴操作は、液滴操作表面上または液滴操作間隙内の液滴操作電極510により
行われる。ビーズ固定ゾーン512は、電極配列500と結合していてもよい。可動式磁
石514は、ビーズ固定ゾーン512にそろっていてもよく、そしてビーズ固定ゾーン5
12に向けてまたはビーズ固定ゾーン512から移動されてもよい。磁石514は、磁気
応答性ビーズを、液滴操作の間、保持するために用いてもよい。特に、磁石514は、少
なくとも1つの液滴操作電極510、および任意に他の電極もが、磁場内にあるように配
置されてもよい。磁石514は、例えば、永久磁石または電磁石であってもよい。
サンプル液滴516は、液滴操作電極510に沿った液滴操作を用いて輸送されてもよ
い。サンプル液滴516は、例えば、2倍液滴であってもよい。2倍液滴は、液滴操作間
隙での専有面積が、1つの液滴操作電極510の領域の約2倍であることを意味する。サ
ンプル液滴516は、核酸ライブラリー構築のために処理される核酸518を含んでいて
もよい。一の実施形態では、核酸サンプルはせん断されてもよく、そしてせん断された核
酸は、液滴アクチュエーターの液滴操作間隙に装填されてもよい。核酸は、例えば、流体
力学的せん断もしくは機械的な力によりランダムにフラグメント化されてもよく、または
酵素消化によってフラグメント化されてもよい。他の実施形態では、核酸等の核酸サンプ
ルは、液滴アクチュエーターでランダムにフラグメント化されてもよい。一例では、低周
波電流を用いて、サンプル液滴中の核酸がせん断されるようにサンプル液滴を撹拌しても
よい。他の例では、液滴は、交互に膨張と収縮をさせられて、液滴内に、核酸をせん断す
るのに十分な流体パターンを形成してもよい。他の例では、低周波電流の適用と、液滴の
交互の膨張および収縮とを用いて、核酸をせん断してもよい。アクチュエーターでの核酸
のせん断を制御して、予測可能なサイズ範囲のフラグメントを与えてもよい。せん断され
た核酸518は、核酸フラグメントライブラリーの構築のための処理の前にサイズ選択を
されてもよい。一例では、せん断された核酸518は、ゲル電気泳動により分離されても
よい。液滴アクチュエーターでのライブラリー構築用にせん断された核酸を調製する方法
の一例は、これらに限定されないが、以下の工程を含んでいてもよい。
図5Aは、ビーズ固定ゾーン512と磁石514とから離れて電極通路510に位置し
ているサンプル液滴516を示している。磁石514は、例えば、液滴アクチュエーター
が取り付けられている装置上に位置していてもよく、液滴アクチュエーターそれ自体に取
り付けられていてもよく、液滴操作間隙内に位置していてもよく、または本明細書に記載
のような液滴系ビーズ洗浄手順の実行の間に液滴内のビーズを固定可能ないずれの位置に
あってもよい。図5Bおよび5Cは、保温方法を示しており、当該方法では、試薬液滴5
20が液滴操作を用いてサンプル液滴516と混合される。図に示したように、試薬液滴
520は、その専有面積が、ほぼ1つの液滴操作電極510の面積であることを意味する
1倍液滴(例えば、約250〜約500nL)である。図5Cでは、混合されたサンプル液滴5
16は、いまや3倍液滴である。3倍液滴は、その専有面積が1つの液滴操作電極510
の領域の約3倍であることを意味する。試薬液滴520は、平滑末端化試薬等の酵素を含
んでいてもよい。混合された液滴516は、核酸フラグメントの平滑末端化を促進するた
め選択された温度および時間等、必要な温度および必要な時間保温され、所望の反応が達
成される。
図5Dおよび5Eは、核酸の捕捉を表している。核酸または所定の核酸のサブセットを
捕捉するように選択された磁気応答性ビーズ524を含む1倍試薬液滴522が、電極5
14により制御される液滴操作を用いて3倍混合サンプル液滴516と混合される。混合
されたサンプル液滴516は、いまや4倍サンプル液滴である。4倍サンプル液滴は、そ
の専有面積が1つの液滴操作電極510の領域の約4倍であることを意味する。混合され
たサンプル液滴516は、所望の核酸フラグメントが磁気応答性ビーズ524と結合する
のに十分な期間、室温で保温される。
図5F、5Gおよび5Hは、ビーズ洗浄方法を示しており、当該方法では、磁気応答性
ビーズ524および当該ビーズに結合した核酸518を有する4倍混合サンプル液滴51
6が、電極通路510に沿った液滴操作を用いて、ビーズ固定ゾーン512に輸送される
。磁石514は、4倍混合サンプル液滴516が、磁石514の磁場内に位置するように
、ビーズ固定ゾーン512内の位置に移動される。磁気応答性ビーズ524は、磁石51
4の磁場により、固定され、あるいは拘束され、または実質的に固定される。2倍上澄み
液滴526が、液滴操作を用いて分割され、2倍混合サンプル液滴を形成する。当該2倍
混合サンプル液滴は、磁石514の磁場内にある液滴操作電極510で保持される。これ
は、5つの下部電極を活性化して液滴を5つの電極にわたって伸長し、次いで、中央の電
極を非活性化することにより達成され得る。実質的に全ての磁気応答性ビーズが伸長され
た液滴の一端に配置され、その後の分割で、その磁気応答性ビーズが1つの娘液滴に一緒
に残るように、その5つの電極が、磁石と相対的に配置されてもよい。他の娘液滴は、実
質的に上澄み液滴からなり、遠ざけられてもよい。同様の操作を他の液滴サイズの分割に
用いてもよく、例えば、4倍液滴の下部の4つの電極の3番目を非活性化して、1つの1
倍液滴および1つの3倍液滴を生成し、その1倍液滴または3倍液滴のいずれかに磁気応
答性ビーズが保持される。図5Gでは、2倍洗浄バッファー液滴528が、液滴操作電極
510に沿って輸送され、液滴操作を用いて2倍混合サンプル液滴516と混合され、4
倍混合サンプル/洗浄液滴516を形成する。混合されたサンプル/洗浄液滴516は、
液滴操作を用いて2つの液滴(例えば、2倍/2倍または1倍/3倍)に分割されてもよ
く:1つの液滴がその液滴中に磁気応答性ビーズ524を有し、1つの液滴は実質的に磁
気応答性ビーズ524を有しないもの(例えば、上澄み液滴)であってもよい。図5F、
5Gおよび5Hに示された工程は、十分な精製の程度が達成されるまで複数回(例えば、
6回)繰り返されてもよい。図5Iは、任意の工程を示しており、当該工程では、1倍上
澄み液滴526が液滴操作を用いて2倍液滴から分割され、1倍サンプル液滴516を形
成し、当該1倍サンプル液滴516は、磁石514の磁場内にある液滴操作電極510に
保持される。これは、2倍液滴を3つの下部電極に沿って伸長し、当該液滴を伸長し、次
いで、中央の電極を非活性化することにより達成され得る。実質的に全ての磁気応答性ビ
ーズが伸長された液滴の一端に配置され、その後の分割で、その磁気応答性ビーズが1つ
の娘液滴に一緒に残るように、その3つの電極は、磁石と相対的に配置されてもよい。他
の娘液滴は、実質的に上澄み液滴からなり、遠ざけられてもよい。
図5Jおよび5Kは、保温方法を示しており、当該方法では、1倍溶離バッファー液滴
530が、液滴操作を用いて1倍サンプル液滴516と混合される。磁石514は、ビー
ズ固定ゾーン512から離れて移動される。磁気応答性ビーズ524および溶離した核酸
518をその中に有するサンプル液滴516は、液滴操作を用いて、磁石514の磁場内
にある液滴操作電極510から離れて輸送され、ビーズ固定ゾーン512から離れる。1
倍溶離バッファー液滴530は、液滴操作を用いてサンプル液滴516と混合され、2倍
混合サンプル/溶離液滴を形成する。混合されたサンプル/溶離液滴516は、磁気応答
性ビーズ524から結合した核酸518が溶離するのに十分な期間(例えば、約1分)、
室温で保温される。
図5Lは、磁気応答性ビーズ524と、結合した核酸518とをその中に有する2倍混
合サンプル/溶離液滴516を示しており、当該液滴は、液滴操作を用いて磁石514の
磁場内にある液滴操作電極510に(すなわち、ビーズ固定ゾーン512に)輸送される
。磁石514は、2倍混合サンプル/溶離液滴516が磁石514の磁場内にあるように
、ビーズ固定ゾーン512内の位置に移動される。磁気応答性ビーズ524は、磁石51
4の磁場により固定される。
図5Mは、2倍サンプル液滴516を示しており、当該液滴は、液滴操作を用いて分割
された実質的に全ての平滑末端化された核酸518を含み(すなわち、全てのビーズがス
ナップオフされた)、磁石514の磁場内にある液滴操作電極510から離れて輸送され
、磁石514から離れている。磁気応答性ビーズ524は、磁石514の磁場により、磁
石514の磁場内にある少なくとも1つの液滴操作電極510上に固定されたままである
。平滑末端化された核酸518を含むサンプル液滴516は、さらなる処理、すなわち、
A−tail化およびアダプター結合のために輸送されてもよい。他の液滴が輸送され、
残ったビーズに接触し得る。当該ビーズは、通常当該ビーズを囲む少量の液体を有する;
前記液滴は、この少量の液体と混合し、ビーズは輸送され得る。任意に、この操作の間、
ビーズを輸送するために、磁石は、非活性化または離れて移動されてもよい。
図5B〜5Mに示される工程は、ライブラリー構築手順の、A−tail化およびアダ
プター結合等の次の処理反応のために繰り返されてもよい。図5Bおよび5Cに関して、
実質的に全ての平滑末端化された核酸518を含む2倍サンプル液滴516は、液滴操作
を用いて第2の1倍試薬液滴520と混合され、3倍混合サンプル液滴を形成する。この
工程では、試薬液滴520は、A−tail化反応のための酵素および反応成分を含む。
混合サンプル液滴516の保温は、37℃で約30分間行われる。混合サンプル液滴51
6は、図5D〜5Mに関して記載したように処理(すなわち、酵素およびビーズ保温なら
びにビーズ洗浄)されてもよい。A−tail化された核酸518を含むサンプル液滴5
16は、さらなる処理、すなわち、アダプター結合のために輸送されてもよい。
図5Bおよび5Cに関して、実質的に全てのA−tail化された核酸518を含む2
倍サンプル液滴516は、液滴操作を用いて第3の1倍試薬液滴520と混合され、3倍
混合サンプル液滴を形成する。この工程では、試薬液滴520は、アダプター結合のため
の酵素および反応成分を含む。混合サンプル液滴516の保温は、室温で約5分〜約30
分間行われる。混合サンプル液滴516は、図5D〜5Mに関して記載したように処理(
すなわち、酵素およびビーズ保温ならびにビーズ洗浄)されてもよい。実質的に全てのア
ダプター結合核酸518を含むサンプル液滴516は、さらなる処理のために輸送されて
もよい。一例では、サンプル液滴516の核酸518は、PCRにより増幅されてもよい
。用いられるPCR増幅サイクルの数は、十分に制限されて(例えば、約8〜15サイク
ル)、増幅手順のシークエンスバイアスを最小化してもよい。他の例では、サンプル液滴
516の核酸518は、続く定量PCRおよびゲル電気泳動による分析のために、そして
、いくつかの実施形態では、次世代配列決定方法への入力用の回収のために、出力リザー
バに輸送されてもよい。
一の実施形態では、充填流体または液滴に、染料を添加して、液滴アクチュエーターの
液滴操作間隙からの除去のために液滴の可視化を容易にしてもよい。一の実施形態では、
処理されたサンプル液滴は、液滴アクチュエーターの開口部を通じて液滴操作間隙から除
去され、斯かる開口部は、ガスケットの開口部を経た流体通路のように、頂部基板、底部
基板、または当該2つの基板の間にあってもよい。
一の実施形態では、本発明のライブラリー作製手順は、第1のpHで核酸に結合し、第
2のpHで核酸を溶離し得るビーズを利用してもよい。例えば、本発明のライブラリー作
製手順のいずれかの酵素工程から出力される第1の液滴は、第1のpHで核酸に結合し得
るビーズを含む第2の液滴と混合され、核酸がビーズに捕捉された混合された第3の液滴
を生成してもよい。必要に応じて、1つ以上の追加の液滴が、第3の液滴と混合され、ビ
ーズ上の核酸の捕捉を確実にしてもよい。第3の液滴は、次いで、液滴系ビーズ洗浄手順
にかけられてもよい。洗浄液滴は、第3の液滴と混合されてもよく;あるいは、第3の液
滴は、洗浄液滴の導入の前に分割され、ビーズ含有液滴と上澄み液滴とを生成してもよく
;そして洗浄液滴は、ビーズ含有液滴と混合されてもよい。いずれの場合でも、ビーズは
固定されてもよく、混合された液滴は、分割され、上澄み液滴とビーズ含有液滴とを生成
してもよい。ビーズ含有液滴は、好適には全てのまたは実質的に全てのビーズを含む。必
要に応じて、混合−固定および分割技術は、繰り返され、好適には当該方法で全てのまた
は実質的に全てのビーズを保持しながら、生成するビーズ含有液滴の異物の所望の低減が
達成されてもよい。洗浄液滴は、ビーズに核酸を保持するのに好ましいpHを有するバッ
ファーを含んでいてもよい。洗浄後、洗浄されたビーズを含む液滴は、液滴操作を用いて
、ビーズから核酸を溶離するために選択したpHを有する1つ以上の液滴と混合されても
よい。ビーズは拘束され、拘束されたビーズから液滴を離して輸送することにより、囲ん
でいる上澄み液がビーズから引き離されてもよい。別の実施形態では、この方法を用いて
、RNA、タンパク質、ペプチド、巨大分子、または小さな分子等の他の目的とする分子
が分離されてもよい。重要なことに、発明者らは、この方法がオイルに囲まれた液滴を用
いて効果的に実行され得ることを見出した。一の実施形態では、当該方法を達成するため
に必要な液滴操作の一部または全てが、電気濡れ媒介液滴操作を用いて達成される。物理
的バリアもしくは障害物を用いて、ビーズを拘束してもよく、および/または、磁石を用
いて、ビーズを拘束して、磁気応答性ビーズを拘束してもよい。この方法への使用に好適
なビーズの例は、Bakerによる2005年7月5日に発行された題名「Isolation of nucl
eic acids」の米国特許第6,914,137号に記載されており、斯かるビーズの組成、ならびに
、斯かるビーズを用いてDNA等の物質を捕捉および溶離するための条件に関する教示が
、参照して援用される。上述したCHARGESWITCH(登録商標)ビーズが斯かるビーズの一例
である。
他の実施形態では、本発明の核酸精製技術は、精製のための核酸を含む液滴と、可逆的
な方法で核酸分子を吸収(例えば、非共有結合)するビーズを含む液滴と混合する工程を
含む。斯かるビーズの例は、McKernanらによる2003年3月18日に特許付与された題
名「Solid phase technique for selectively isolating nucleic acids」の米国特許第6
,534,262号に記載されたビーズを含み、核酸を捕捉するためのビーズ(当該特許では粒子
といわれている)および斯かるビーズから核酸を溶離するための化学に関する開示を参照
してその開示全体を本明細書に援用する。例えば、SPRI(登録商標)ビーズ(Agencourt
Nioscience社から入手可能)等の固相可逆固定ビーズを用いてもよい。SPRI(登録商標)
ビーズは、コア−シェル方法を用いて構成され、当該方法は、ポリスチレンコアから始ま
り、ポリスチレンコアがはじめにマグネタイト(鉄)の層で被覆され、次いで最終的にカ
ルボキシル官能基を含むポリマー層でカプセル化される。一の実施形態では、SPRI(登録
商標)ビーズは、約0.01〜約0.1%Tween-20を含むバッファー液滴、または約0.
01〜約0.1%Tween-20を含むTEバッファー、または約0.01〜約0.1%Tween-
20を含むトリスバッファーで供給されてもよい。これらのバッファーは、SPRI(登録商標
)ビーズを洗浄するのに用いられてもよい。SPRI(登録商標)ビーズは、(I)(i)リ
ザーバ内で動き回る試薬液滴の移動、(ii)リザーバからの試薬液滴の出入り、もしく
は(iii)外部のリザーバから液滴操作間隙に延びる流体通路を通じての前後の試薬液
滴の輸送、を生じる電気濡れ電極の活性化および非活性化等により、リザーバ内で定期的
に混合して懸濁に保たれてもよく、または、(II)液滴を少なくとも部分的に流体通路に
入れる毛管力、および、流体通路から液滴を引っ張り出す電気濡れ力を用いる等、流体通
路の内外に輸送されてもよい。
本発明のライブラリー構築手順は、当該手順における各精製工程での一貫した、そして
効率的な核酸の修復を提供する。一の実施形態では、核酸は、磁気応答性ビーズに固定さ
れ、可動式の磁石と、一連の混合および分割操作とが、ライブラリー構築手順の各工程間
の核酸の精製に用いられる。他の実施形態では、核酸は、磁気応答性ビーズ(例えば、SP
RI(登録商標)ビーズ)に固定され、磁石と、アルコール洗浄液滴を用いた一連の液滴混
合および分割洗浄工程とが、ライブラリー構築手順の各工程間の核酸の精製に用いられる
。有機洗浄液滴は、約1〜約100%、または約10〜約90%、または約30〜約80
%、または約50〜約75%の何らかの極性プロトン性溶媒を含んでいてもよく、残りは
水および本明細書に記載のような界面活性剤を含む他の物質でもよい。一の実施形態では
、液滴の溶媒部分は、アルコールおよび/またはカルボン酸である。他の実施形態では、
溶媒は、1〜8の炭素、または1〜6の炭素を有するアルコールおよび/またはカルボン
酸である。アルコールおよび/またはカルボン酸は、環状、直線状、または分岐状であっ
てもよい。例は、ヘキサノール、ペンタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、エタノール、メタノール、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸を含む。
洗浄液滴は、少なくとも約50%v/v、60%v/v、または80%v/vのアルコ
ールを含んでいてもよい。アルコールは、例えば、1〜8の炭素、または1〜6の炭素を
有していてもよい。アルコールは、環状、直線状、または分岐状であってもよい。好適な
アルコールの例は、ヘキサノール、ペンタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、エタノール、およびメタノールを含む。
洗浄液滴は、約0.01〜約1%v/vの界面活性剤、約0.01〜約0.1%v/v
の界面活性剤を含んでいてもよい。好適な界面活性剤は、胆汁塩等のアニオン性界面活性
剤;四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;アルカノイル−N−ヒドロキシエチ
ルグルカミド、アルカノイル−N−メチルグルカミド、アルキルグリコシド、シクロアル
カノイルヒドロキシエチルグルカミド、シクロアルキルグリコシド、ポリオキシエチレン
等の非イオン性界面活性剤;およびアルキルベタイン、アルキルホスホコリン、アルキル
スルホベタイン、シクロアルキルホスホコリン、ホスホエタノールアミン、非洗浄スルホ
ベタイン、スルホベタイン等の双性イオン界面活性剤を含む。ポリソルベート界面活性剤
が好ましい。
洗浄液滴は、任意に、無機塩および/または有機塩等の1つ以上の塩を含んでいてもよ
い。1つ以上の塩は、例えば、1つ以上の、アルミニウム、アンモニウム、バリウム、ベ
リリウム、カルシウム、セシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ルビジウム、ナ
トリウム、またはストロンチウム、の塩を含む。1つ以上の塩は、例えば、1つ以上の、
クロリド、フルオリド、オキシド、オキソアニオン、炭酸塩、重炭酸塩、ヒドロキシド、
硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩を含む。1つ以上の塩は、液滴アクチュエーターでの洗浄液滴
としての使用に対する洗浄液滴溶液の適合性を害さない限り、いかなる濃度の洗浄液滴溶
液で供給されてもよい。例えば、1つ以上の塩は、約0.001〜約100mM、または
約0.001〜約10mM、または約0.001〜約1mMの範囲の濃度の洗浄液滴溶液
で供給されてもよい。
図6は、核酸ライブラリー作製方法600のフローチャートを表し、当該方法は、磁気
応答性ビーズ(例えば、SPRI(登録商標)ビーズ)およびアルコール系ビーズ洗浄手順を
用いる手順に応じて、反応液滴体積での単位サイズ化された液滴の数は、異なっていても
よい。せん断された核酸サンプル(例えば、20〜50μL)は、液滴アクチュエーター
のサンプル入力リザーバに装填されてもよい。核酸サンプルは、処理の前にアクチュエー
ターで濃縮されてもよい。サンプル濃縮は、例えば、リザーバ内濃縮(in-reservoir con
centration)手順または一連の分配濃縮(serial dispensing concentration)手順を用
いて行われてもよい。
2倍サンプル液滴は、分配され、液滴操作を用いて1倍試薬液滴(例えば、300nL
/サンプル)と混合され、3倍混合サンプル液滴を生成してもよく、当該1倍試薬液滴は
、せん断された核酸フラグメントの平滑末端化のための酵素(例えば、T4DNAポリメ
ラーゼ)および試薬を含む。いくつかの実施形態では、この工程で、ポリヌクレオチドキ
ナーゼおよび試薬が、反応液滴に含まれてもよい。混合3倍サンプル液滴は、平滑末端化
反応が完了するのに十分な期間、例えば、約30分、室温で保温されてもよい。平滑末端
化された核酸は、図7を参照して記載したように、捕捉され(5倍サンプル/SPRI(登録
商標)ビーズ液滴)、洗浄され(0倍サンプル/ビーズ液滴)、および溶離(2倍溶離サ
ンプル液滴)されてもよい。
実質的に全ての平滑末端化された核酸を含む2倍溶離サンプル液滴は、液滴操作を用い
て第2の1倍試薬液滴(300nL/サンプル)と混合されて、3倍混合サンプル液滴を
形成してもよい。この工程では、1倍試薬液滴は、A−tail化反応のための酵素およ
び反応(3倍バッファーおよび酵素)成分を含む。混合サンプル液滴の保温は、約37℃
で約30分間行われてもよい。処理された核酸は、図7を参照して記載したように、捕捉
され(5倍サンプル/SPRI(登録商標)ビーズ液滴)、洗浄され(0倍サンプル/ビーズ
液滴)、および溶離(2倍溶離サンプル液滴)されてもよい。
実質的に全てのA−tail化された核酸を含む2倍溶離サンプル液滴は、液滴操作を
用いて第3の1倍試薬液滴と混合されて、3倍混合サンプル液滴を形成する。この工程で
は、1倍試薬液滴(300nL/サンプル以下)は、アダプター結合のための酵素および
反応成分(例えば、アダプター、リガーゼ、およびリガーゼバッファー)を含む。3倍混
合サンプル液滴の保温は、室温で約5〜約30分間行われてもよい。処理された核酸は、
図7を参照して記載したように、捕捉され(5倍サンプル/SPRI(登録商標)ビーズ液滴
)、洗浄され(0倍サンプル/ビーズ液滴)、および溶離(2倍溶離サンプル液滴)され
てもよい。
一の実施形態では、実質的に全ての処理された核酸を含む2倍溶離サンプル液滴は、液
滴操作を用いて、サンプル回収および除去リザーバに輸送されてもよい。2倍溶離サンプ
ル液滴は、サンプル回収および除去リザーバに約4〜約10℃で保管されてもよい。他の
実施形態では、処理された核酸(例えば、アダプター結合DNA)は、サンプル回収およ
び除去リザーバへのサンプル液滴の輸送前に、PCR(例えば、10〜15サイクル)を
用いて増幅されてもよい。
図7は、ビーズ系洗浄/溶離方法700のフローチャートを表している。3倍液滴(例
えば、その中に核酸を含む3倍サンプル液滴)は、液滴操作を用いて、磁気応答性ビーズ
(例えば、SPRI(登録商標)ビーズ)を含む2倍試薬液滴と混合され、5倍混合サンプル
/ビーズ液滴を生成してもよい。混合サンプル/ビーズ液滴は、核酸フラグメントが磁気
応答性ビーズに結合するのに十分な期間(例えば、約5分)、室温で保温されてもよい。
5倍混合サンプル/ビーズ液滴は、ビーズ洗浄手順を用いて洗浄されてもよいが、液滴操
作を用いて5倍上澄み液滴が分割され、0倍サンプル/ビーズ液滴(すなわち、核酸に結
合したビーズ)を生成することは除く。2倍洗浄液滴(すなわち、エタノール)は、液滴
操作を用いて液滴操作電極に沿って輸送され、結合した核酸を有する0倍サンプル/ビー
ズ液滴を通過してもよい。2倍溶離バッファー液滴(例えば、水液滴)は、液滴操作を用
いて輸送され、洗浄0倍サンプル/ビーズ液滴と混合され、2倍溶離バッファー液滴を生
成してもよい。溶離バッファー液滴は、磁気応答性ビーズから結合した核酸を溶離するの
に十分な期間(例えば、約1分)、室温で保温されてもよい。実質的に全ての分割された
核酸(すなわち、全てのスナップオフビーズ)を含む2倍溶離サンプル液滴。核酸を含む
2倍溶離サンプル液滴は、さらなる処理、すなわち、ライブラリー構築手順でのA−ta
il化反応およびアダプター結合のために輸送されてもよい。
本発明の方法は、さらに応用して、大(例えば、約400bp〜約10kbp)小(例
えば、約200bp)の核酸ライブラリーの全自動化構築を提供してもよい。一の実施形
態では、本発明の方法は、応用して、液滴アクチュエーターでの核酸、すなわち、RNA
またはDNAの自動フラグメンテーションを含んでもよい。一例では、本発明の方法は、
応用して、RNA系ライブラリー用のRNAのフラグメンテーションおよび逆転写を含ん
でもよい。この例では、核酸フラグメンテーションは、バッファー系フラグメンテーショ
ンを用いて行われてもよい。他の例では、核酸のフラグメンテーション(例えば、細菌性
または真核性)は、酵素系フラグメンテーション反応を用いて行われてもよい。例えば、
NEBNext(商標)dsDNA Fragmentase(商標)等のフラグメンターゼを用いて時間依存手法
によりdsDNA破壊を生じさせ、約100〜800bpのDNAフラグメントを生成しても
よい。NEBNext dsDNA Fragmentaseは、2つの酵素を含み、一方の酵素は、dsDNAにランダ
ムに切れ目を生じさせ、他方の酵素は、切れ目部位を認識し、その切れ目から反対のDN
A鎖を切って、dsDNA破壊を作り出す。他の例では、NexteraのTransposome(商標)技術
等のトランスポザーゼを用いてdsDNA破壊を生じさせてもよい。Transposome(商標)錯体
は、遊離トランスポゾン末端およびトランスポザーゼを含む。当該錯体をdsDNAと共に保
温すると、当該DNAは、フラグメント化され、トランスポゾン末端オリゴヌクレオチド
の転移鎖は、DNAフラグメントの5’末端に共有結合する。Transposome錯体の濃度を
変えることにより、フラグメント化され、標識されたDNAライブラリーのサイズ分布が
制御されてもよい。サンプル液滴は、液滴操作間隙でフラグメンテーション試薬を含む液
滴と混合されてもよく、生成する液滴は、保温されてフラグメント化された核酸を生成し
てもよい。必要な液滴操作は、充填流体中で行われてもよい。
他の実施形態では、本発明の方法は、入力核酸(未処理サンプル)および出力核酸(処
理サンプル)の定量化を含むように適応してもよい。一例では、qPCRを用いて各処理
ライブラリーサンプルのDNA濃度を決定してもよい。qPCRデータを用いて、各処理
サンプルは、そのまま、またはアクチュエーターでの希釈手順を用いて希釈されて、また
はアクチュエーターでのPCR手順を用いてさらに増幅されて、サンプルの貯蔵前に適切
な濃度範囲を達成してもよい。
他の実施形態では、本発明の方法は、構築されたライブラリーの品質保証テストを提供
するように適応してもよい。一例では、TaqManまたはMolecular Beacon等のプローブ系
イブリダイゼーション分析を用いて、完了したライブラリーの質を検証してもよい。TaqM
anおよびMolecular Beaconプローブは、リアルタイムまたはPCR分析の完了点で用いら
れてもよい。
デジタル微小流体の柔軟性とプログラム可能性のため、本発明のライブラリー構築手順
は、多数の異なる次世代配列決定プラットフォームでの使用に容易に適応され得る。次世
代配列決定プラットフォームの例は、これらに限定されないが、Illumina、454、SOLiD、
PacBioおよびIon Torrentを含む。
図8A、8B、および8Cは、液滴アクチュエーターの電極配列800の一部の一例の
平面図を表し、可能な限り最小量の液体でビーズを留置しながら、ビーズをスナップオフ
する方法を示す。電極配列800は、液滴操作電極810(例えば、電気濡れ電極)の配
列を含んでいてもよい。
液滴操作は、液滴操作表面上の液滴操作電極810頂部で行われる。一例では、電極配
列800は、液滴操作電極810A、810B、810C、810D、810E、および
810Fを含み、これらの電極は、一直線にまたは通路で配置されている。さらに、磁石
812は、例えば、液滴操作電極810Aがその磁場内にあるように位置している。磁石
812は、永久磁石または電磁石であってもよい。
本発明のビーズをスナップオフする方法の一態様では、液滴の専有面積よりも大きい電
気濡れ表面領域を使用し、このことが、可能な限り最小量の液体でビーズを留置すること
の鍵となる。一例では、液滴が1倍液滴のとき、ビーズをスナップオフする方法で使用さ
れる電気濡れ表面領域は、2倍である。他の例では、液滴が2倍液滴のとき、ビーズをス
ナップオフする方法で使用される電気濡れ表面領域は、3倍である。他の例では、液滴が
3倍液滴のとき、ビーズをスナップオフする方法で使用される電気濡れ表面領域は、4倍
、等である。例として、図8A、8B、および8Cは、3倍電気濡れ表面領域を用いて、
2倍液滴からビーズがスナップオフされるシナリオを示している。この例では、可能な限
り最小量の液体でビーズを留置しながら、ビーズをスナップオフする方法は、これらに限
定されないが、以下の工程を含んでいてもよい。
図8Aに関して、この工程では、一定量の磁気応答性ビーズ816を含む2倍液滴81
4は、液滴操作電極810Aおよび810Bの頂部に位置している。これは、この工程で
は、液滴操作電極810Aおよび810Bがオンになっていて、一方、液滴操作電極81
0C、810D、810E、および810Fがオフになっているからである。液滴操作電
極810Aが磁石812の磁場内にあるため、2倍液滴814内にある磁気応答性ビーズ
816は、液滴操作電極810Aに引き付けられる。
図8Bに関して、この工程では、液滴操作電極810A、810Eおよび810Fがオ
フになっていて、一方、液滴操作電極810B、810Cおよび810Dがオンになって
いる。これが、2倍液滴814に3つの液滴操作電極810にわたって伸びさせる。この
伸びた2倍液滴814の末端が、磁石812のほぼ端にあり、まだ磁気応答性ビーズ81
6を保持している。磁石812の磁場のため、磁気応答性ビーズ816は、この伸びた2
倍液滴814の末端に保持される。2倍液滴814が3倍電気濡れ表面領域である3つの
液滴操作電極にわたって伸びる動作は、2倍液滴814の末端にやや尖った形状をとらせ
る。事実上、磁気応答性ビーズ816を保持したまま、磁石812の端から液体を引きは
がす。
図8Cに関して、この工程では、液滴操作電極810A、810Bおよび810Fがオ
フになっていて、一方、液滴操作電極810C、810Dおよび810Eがオンになって
いる。これが、2倍液滴814に、3倍電気濡れ表面領域にわたって伸ばされながら、磁
石812からさらに離れる移動を引き起こしている。これが、磁気応答性ビーズ816に
、可能な限り最小量の液体でビーズを留置しながら、磁石812のほぼ端にスナップオフ
されることを引き起こしている。未だ3倍電気濡れ表面領域にわたって伸ばされている2
倍液滴814は、実質的にビーズがない。
液滴マイクロアクチュエーターでのライブラリー作製化学ワークにおける重要な挑戦は
、有機溶媒洗浄液滴を用いた液滴操作を行うことに対する特有な要求を伴う。様々な実施
形態では、有機洗浄液滴は、約1〜約100%、または約10〜約90%、または約30
〜約80%、または約50〜約75%の何らかの極性プロトン性溶媒で構成され、残りは
水および本明細書に記載のような界面活性剤を含む他の物質であってもよい。一の実施形
態では、溶媒は、1つ以上のアルコールおよび/またはカルボン酸である。他の実施形態
では、溶媒は、1〜8の炭素または1〜6の炭素を有する、1つ以上のアルコールおよび
/またはカルボン酸である。アルコールおよび/またはカルボン酸は、環状、直線状、ま
たは分岐状であってもよい。例は、ヘキサノール、ペンタノール、ブタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸を含む。液滴アクチュエーターの改良、分配技術、および、斯かる溶媒を用いた液
滴操作の実行技術は、本明細書の他の箇所で検討される。
7.3 液滴アクチュエーターの構成およびアセンブリ
液滴アクチュエーターは、例えば、底部基板および頂部基板を含んでいてもよい。電極
は、いずれかまたは両方の基板に供給され、液滴操作の実行のために配置されてもよい。
液滴アクチュエーターは、多重ライブラリー構築および特別なライブラリー構築手順の用
途のために適応してもよい。例えば、充填流体の組成および添加界面活性剤の濃度は、本
開示に基づいて核酸ライブラリー構築手順で用いられる試薬に伴う性能のために選択され
てもよい。液滴輸送電圧および周波数も、本開示に基づいてライブラリー構築手順で用い
られる試薬に伴う性能のために選択されてもよい。一例では、液滴アクチュエーターは、
並列での10,20,30,40,50またはそれ以上の異なるライブラリーの構築のた
めに構成される。アクチュエーターでのリザーバの数および配置、独立した電極接続の数
、異なるリザーバの大きさ(体積)、磁石/ビーズ洗浄領域の配置、電極サイズ、電極間
の間隔、および間隙高さ(頂部基板と底部基板との間)等の設計パラメーターは、本開示
の観点から当業者により異なっていてもよい。
液滴アクチュエーターは、(i)磁気応答性ビーズの固定のための1つ以上の磁石およ
び(ii)所定の反応ゾーンおよび/または洗浄ゾーン内で温度を制御するための1つ以
上のヒーターアセンブリ等、の液滴アクチュエーターについて有用な所定の部材を囲う装
置のデッキに適合するように設計されてもよい。装置のデッキに結合した磁石は、永久磁
石であってもよい。磁石は、位置固定されていてもよいし、または移動可能であってもよ
い。
図9は、多重ライブラリー構築手順の実行での使用に適した液滴アクチュエーター90
0の一例の平面図を表している。液滴アクチュエーター900は、液滴操作間隙(図示せ
ず)により分離された底部基板910と頂部基板912を含んでいてもよい。底部基板9
10は、例えば、プリント基板(PCB)であってもよい。頂部基板912は、例えば、
ガラス、射出成型プラスチック、ケイ素から作られていてもよい。頂部基板912は、導
電性インクまたはインジウムスズ酸化物(ITO)等の導電体で液滴操作間隙に面した側
面を被覆されていてもよく、さらにフルオロポリマーコーティング等の疎水性のコーティ
ングで被覆されていてもよい。
図9の頂部基板912に関して、頂部基板912は、多量の液体を受け入れるようにそ
れぞれ設計された、様々な大きさおよび形状の一連の液体リザーバ916を含む。液体は
、例えば、本発明のライブラリー構築手順の実行に必要な様々な試薬を含んでいてもよい
。例は、平滑末端化試薬、リン酸化試薬、A−tail化試薬、アダプター結合試薬、洗
浄バッファー、核酸捕捉ビーズ、および核酸増幅試薬を含む。各リザーバは、リザーバか
ら液滴操作間隙への流体通路を構築する開口部を含む。試薬は、開口部915を通って液
滴操作間隙内に流れ、そこで試薬は電気濡れ媒介液滴操作等の電極媒介液滴操作にかけら
れてもよい。電気濡れ媒介液滴操作または誘電泳動媒介液滴操作等の液滴操作を用いて、
試薬は、サブ液滴に分配され、ライブラリー構築手順等の液滴操作手順に従って輸送され
、他の試薬液滴および/またはサンプル液滴と接触してもよい。頂部基板912は、任意
に磁気応答性ビーズに固定されたせん断された核酸等のサンプル液滴のような液体の注入
のための1つ以上のピペット注入開口部914も含んでいてもよい。
底部基板910は、電気濡れ電極配列922を含む。電極配列922は、開口部915
またはピペット注入部位914を経て液滴操作間隙に流れた液体を受け入れるように配置
された分配電極を含む。電極配列922の分配電極は、例えば、液滴操作電極(例えば、
電気濡れ電極)の通路、ライン、および/または配列を通じて相互接続されている。電極
は、電気接点910に配線されている。
一例では、核酸サンプルは、例えば、手動でまたは自動でサンプルをサンプル注入部位
を経て液滴操作間隙に注入する等、サンプル注入部位914を経て液滴操作間隙に装填さ
れてもよい。異なる核酸サンプルは、液滴アクチュエーター900上の異なる電極レーン
で処理され、サンプル間の汚染の可能性を低減してもよい。他の実施形態では、各サンプ
ルは、固有のレーンを含んでいてもよく、そしてサンプルが共通の開口部から抽出される
必要がないように、各レーンは、当該レーンからサンプルを抽出するための開口部を含ん
でいてもよい。したがって、ライブラリー構築手順の終了時には、レーンの各々からのア
ダプター結合核酸は、異なる出口または出口リザーバ(図示せず)で浄化および回収され
てもよい。
図10は、核酸ライブラリーの構築用の核酸サンプルを処理するために構成された電極
配列1000の他の例の平面図を表している。この例では、電極配列1000は、12の
異なる核酸ライブラリー構築用に上限12の異なる核酸サンプルを並行して処理するため
に構成されている。電極配列1000は、分配電極1010および1012と同様に、一
連のサンプル回収電極1014を含む。液滴操作間隙で、(i)外部リザーバ(例えば、
図9に関して記載したような)に結合した開口部もしくは流体通路から液体を受け入れる
、または、(ii)当該開口部もしくは流体通路に液体を流すことができるように、分配
電極1010および1012ならびにサンプル回収電極1014は、配列されてもよい。
操作では、分配電極1010は、試薬の分配に用いられてもよい。例は、平滑末端化試薬
、リン酸化試薬、A−tail化試薬、アダプター結合試薬、洗浄バッファー、核酸捕捉
ビーズ、および核酸増幅試薬を含む。分配電極1012は、サンプルを分配するために用
いられ、ここに示すように、12の核酸サンプルのための12のサンプル入力分配電極1
012である。サンプル出力回収電極1014は、サンプル流体を受け入れるために用い
られ、ここに示すように、液滴操作間隙から回収される処理核酸ライブラリーを受け入れ
るための12のサンプル出力回収電極である。試薬分配電極1010、サンプル入力分配
電極1012、およびサンプル出力回収電極1014は、液滴操作電極1018(例えば
、電気濡れ電極)の通路または配列等の配列を通じて相互接続される。各サンプル入力分
配電極1012およびその対応するサンプル出力回収電極1014から延びる液滴操作電
極1018の通路は、専用電極レーン1020(例えば、12の専用電極レーン1020
)を形成する。専用電極レーン1020は、異なる核酸サンプルを処理するための別個の
反応ゾーンを提供する。サンプル液滴に専用のレーンを使用することにより、異なる核酸
の間での相互汚染が最小化される。各核酸サンプルは、他のいずれのサンプルの通路とも
交差しない液滴操作間隙内の通路を横断するため、相互汚染の可能性が最小化される。さ
らに、試薬液滴がサンプル通路を横断する間に、サンプル液滴が同じ通路を横断する前に
、試薬液滴が常にサンプル通路を横断するように、手順が実行され得るため、試薬液滴が
、サンプルレーン間での核酸汚染の源となり得る可能性を低減する。
電極配列1000は、1つ以上の温度制御ゾーン1022と共に提供されてもよい。一
例では、3つの温度制御ゾーン1022(すなわち、温度制御ゾーン1022a、102
2b、および1022c)を用いてもよい。温度制御素子(図示せず)が、温度制御ゾー
ン1022での充填流体(図示せず)の領域の温度を定める。他で述べたように、温度制
御素子は、いくつかの実施形態では、デッキに結合されてもよく、当該デッキは、液滴ア
クチュエーターカートリッジを搭載し、液滴操作および検出等のカートリッジの働きを制
御するシステムにカートリッジを電気的に結合させる。温度制御ゾーンは、約37℃で提
供されてもよく、当該温度は、A−tail化反応での酵素活動に十分に適した温度であ
る。温度制御ゾーンは、核酸サンプルまたは生成物の増幅を実行するのに適した温度で構
築されてもよい。3つの温度制御ゾーン1022が示されたが、他の任意の好適な数の温
度制御ゾーン1022が、電極配列1000と結合されてもよい。
液滴アクチュエーターは、1つ以上の磁石1024(例えば、12個の磁石1024)を
含んでいてもよく、または1つ以上の磁石1024に結合されていてもよく、当該磁石は
、磁気応答性ビーズを保持するため個々の専用電極レーン1020に近接して位置しても
よい。各磁石1024は、例えば、永久磁石または電磁石であってもよい。一の実施形態
では、磁石1024は、対応する専用電極レーン1020に近接するようにおよび当該専
用電極レーンから離れるように移動可能であってもよい。各磁石1024は、酵素反応間
の洗浄の間の核酸が付着したビーズの空間的な固定と、処理核酸の溶離後のビーズ除去と
を確実にするように位置している。いくつかの実施形態では、混合および保温は、磁石か
ら離れた専用電極レーン1020で行われてもよい。
この筺体では、基板のいずれかまたは両方が、1以上の液滴操作の実行のために配置さ
れた電極を含んでいてもよい。液滴操作は、例えば、電気濡れ媒介液滴操作、誘電泳動媒
介液滴操作、および/または光電濡れ媒介液滴操作であってもよい。液滴操作は、代わり
に、または付加的に、以下の他のメカニズムにより媒介されてもよい:流体力学的な流体
圧を誘起する装置等、機械的原理(例えば、外部シリンジポンプ、空気圧膜ポンプ、振動
膜ポンプ、真空装置、遠心力、圧電ポンプ/超音波ポンプ、および音響力)に基づく操作
を行う装置;電気的原理または磁気的原理(例えば、電気浸透流、動電学的ポンプ、強磁
性流体プラグ、電気流体力学ポンプ、磁力を利用した引力または斥力、および電磁流体力
学ポンプ)に基づく操作を行う装置;熱力学的原理(例えば、気泡発生/相転移体積膨張
)に基づく操作を行う装置;他の種類の表面湿潤原理(例えば、電気濡れ、および光電濡
れと同様に化学的な、熱的な、構造的なおよび放射性の誘起表面張力勾配)に基づく操作
を行う装置;重力に基づく操作を行う装置;表面張力(例えば、毛細管現象)に基づく操
作を行う装置;静電力(例えば、電気浸透流)に基づく操作を行う装置;遠心力(コンパ
クトディスク上に配置され、回転された基板)に基づく操作を行う装置;磁力(例えば、
振動イオンが引き起こす流れ)に基づく操作を行う装置;電磁流体力学的な力に基づく操
作を行う装置;および真空差または加圧差等に基づく操作を行う装置等。いくつかの実施
形態では、上記技術の2つ以上の組み合わせを用いて、本発明の液滴アクチュエーターで
の液滴操作を行ってもよい。
図11は、核酸ライブラリーの構築のために液滴アクチュエーターでの核酸の処理のた
めに構成された電極配列1100の他の一例の平面図を表している。この例では、試薬分
配電極が、電極配列の中央領域に位置し、12の各サンプル入力分配電極およびサンプル
処理電極の2セットが各端に位置している。分配電極、液滴操作電極(例えば、サンプル
処理電極)、および回収電極の配列は、試薬液滴が分配され、専用サンプル処理領域(す
なわち、専用ライブラリー構築レーン)に輸送される配列である。反応生成物(すなわち
、処理核酸)および廃棄生成物(例えば、洗浄液滴)は、専用ライブラリー構築レーン上
をそれぞれ、専用サンプル回収リザーバおよび廃棄物回収リザーバに輸送される。電極配
列1100は、24の異なる核酸ライブラリー構築のために専用反応レーンで並行して上
限24の異なる核酸サンプルを処理するために構成されている。各核酸ライブラリーを識
別する固有のアダプターバーコード標識は、ライブラリー作製方法の間に、各核酸サンプ
ルに結合されてもよい。
電極配列1100は、複数の分配電極を含む。例えば、電極配列1100は、11の試
薬分配電極1110等、異なる試薬流体(例えば、平滑末端化試薬、A−tail化試薬
、アダプター結合試薬、ビーズ溶液、洗浄バッファー、溶離バッファー)を分配するため
の1つ以上の試薬分配電極1110を含んでいてもよい。電極配列1100は、サンプル
流体を分配するための1つ以上のサンプル入力分配電極1112も含んでいてもよい(例
えば、核酸を分配するための24のサンプル入力分配電極1112)。電極配列1100
は、アダプターバーコード標識を分配するための1つ以上のアダプター分配電極1114
(例えば、24のアダプター分配電極1114)も含んでいてもよい。分配電極1110
,1112,および1114の各配列は、専用試薬輸送レーン1111,1112,およ
び1115を含んでいてもよく、当該専用試薬輸送レーンは、試薬が他のいずれの反応レ
ーンを横断する必要なく、分配された試薬液滴を分配電極1110,1112,および1
114から当該分配電極の個々の反応レーン1124まで輸送するように配置された電極
を含む。組立液滴アクチュエーターでは、分配電極1110,1112,および1114
は、流体通路と結合され、当該流体通路は、試薬を分配電極の十分近傍に流し、分配電極
は、試薬の液滴を液滴操作表面上または液滴操作間隙内に分配するために用いられてもよ
い。例えば、流体通路は、頂部基板リザーバから液滴操作間隙内への通路であってもよい
。分配電極1110は、液滴を配列のいずれかの側から分配するように配置されている。
したがって、独立して、試薬を専用輸送レーン1111に沿って2方向に、専用反応通路
1124まで供給する。
電極配列1100は、複数の回収電極も含んでいてもよい。例えば、電極配列1100
は、サンプル流体を受け入れるための1つ以上のサンプル出力回収電極1116(例えば
、処理核酸液滴を受け入れるための24のサンプル出力回収電極1116)を含んでいて
もよい。電極配列1100は、廃棄流体を回収するための1つ以上の廃棄物回収電極11
18(例えば、24の廃棄物回収電極1118)も含んでいてもよい。回収電極1116
および1118の各配列は、それぞれ、専用試薬輸送レーン1117および1119と接
触していてもよく、当該レーンは、液滴が他のいずれの反応レーンを横断する必要なく、
反応レーン1124から回収電極1116および1118まで分配された試薬液滴を輸送
するように配置された電極を含む。サンプル出力回収電極1116および/または廃棄物
回収リザーバ1118は、流体通路と結合されてもよく、当該流体通路は、回収のために
試薬を当該回収電極から流体通路またはリザーバまたは液滴アクチュエーター外に流す。
例えば、流体通路は、回収電極から液滴操作間隙外のリザーバまで、または液滴操作間隙
の領域内のリザーバまでの通路であってもよい。
試薬分配電極1110、サンプル入力分配電極1112、アダプター分配電極1114
、サンプル出力回収電極1116、および廃棄物回収電極1118は、液滴操作電極11
20(例えば、電気濡れ電極)の通路または配列等の配列を通じて相互接続されている。
液滴操作電極1120の配列は、反応ゾーン1122を提供する。特に、各サンプル入力
分配電極1112、アダプター分配電極1114ならびにそれらの対応するサンプル出力
回収電極1116および廃棄物回収電極1118から延びる液滴操作電極1120の配列
は、各サンプル入力についての2つの専用電極レーン1124等の専用電極レーン112
4を形成する。反応ゾーン1122内の専用電極レーン1124は、(i)異なる核酸サ
ンプルを処理するための別個の反応レーン(すなわち、ライブラリー構築)、および、(
ii)所定の反応工程(例えば、ビーズ除去工程)の間、反応液滴を往復するための「遮
断」レーンを提供する。サンプル液滴用の専用レーンおよび集中型試薬分配を用いること
により、異なる核酸間の相互汚染を最小化する。
1つ以上の磁石(図示せず)は、磁気応答性ビーズを保持するために専用電極レーン1
124近傍に位置されてもよい。磁石は、例えば、永久磁石または電磁石であってもよい
。一例では、磁石は、各専用電極レーン1124に近接するようにおよび当該専用電極レ
ーンから離れるように移動可能であってもよい。各磁石は、酵素反応間の洗浄の間の核酸
が付着したビーズの空間的な固定と、処理核酸の溶離後のビーズ除去とを確実にするよう
に位置している。混合および保温は、磁石から離れた専用電極レーン1124で行われて
もよい。
反応ゾーン1122は、1つ以上の温度制御ゾーン(図示せず)も含んでいてもよい。
温度制御素子は(例えば、ヒーターまたはヒートシンク、図示せず)、反応ゾーン112
2内の専用電極レーン1124近傍に位置してもよい。温度制御素子を用いて、温度制御
ゾーン周辺で充填流体(図示せず)の温度を制御してもよい。
一の実施形態では、サンプル入力分配電極は、小さなサンプル入力体積用に設計されて
もよい。例えば、1μLサンプル体積は、液滴アクチュエーターに装填され、660nL
液滴として処理されてもよい。
他の実施形態では、サンプル入力分配電極およびリザーバは、大きなサンプル入力体積
用に設計されてもよい。一例では、ビーズ濃縮手順を用いて、アクチュエーター外のサン
プルリザーバでのサンプル体積から核酸を濃縮および回収してもよい。磁気応答性ビーズ
を、液滴アクチュエーターでサンプルリザーバにサンプルを装填する前に、約10〜約2
0μL等の大きなサンプル体積に添加してもよい。大容量サンプルは、次いで、ビーズ濃
縮手順を用いてアクチュエーターで330nL液滴に処理されてもよい。他の例では、大
きなサンプル体積は、アクチュエーターのサンプルリザーバで濃縮されてもよい。この例
では、一連の660nL液滴が、順次、磁気応答性ビーズと共に、アクチュエーターのサ
ンプルリザーバで保温されてもよい。混合電極を用いてビーズの混合を促進してもよい。
デジタル微小流体の柔軟性とプログラム可能性により、サンプル処理手順は、アクチュエ
ーターで、アクチュエーター外で、または、サンプル処理のいずれの組み合わせでも容易
に応用され得る。
他の実施形態では、各核酸ライブラリー(例えば、図示した電極配列1100を用いて
上限24の異なる核酸ライブラリー)は、個々の専用サンプル出力回収電極1116で回
収されてもよい。サンプル出力回収リザーバは、例えば、バッファー溶液で満たされて、
リザーバからの処理核酸サンプルの除去を容易にしてもよい。一例では、サンプル出力回
収リザーバは、バッファーを用いて手動で充填(例えば、手動のピペット操作)されても
よい。他の例では、サンプル出力リザーバは、ロボット装置を用いてバッファーで充填さ
れてもよい。サンプル回収は、例えば、各サンプル出力回収リザーバ(図示せず)から処
理サンプルを手動で除去(例えば、手動のピペット操作)することで行われてもよい。他
の例では、サンプル回収は、ロボット装置を用いて行われ、個々の出力回収リザーバ(図
示せず)から各処理サンプルを除去してもよい。
他の実施形態では、1つ以上の異なる核酸ライブラリーは、当該ライブラリーが、サン
プル出力回収電極での回収前に、液滴アクチュエーターで貯蔵されるように、液滴操作を
用いて混合されてもよい。1つ以上の核酸ライブラリーの貯蔵前に、各サンプルの処理核
酸の量を決定して、貯蔵する全ての個々のサンプルの濃度を等量に確実にしてもよい。一
例では、qPCRを用いて各処理サンプルの核酸の濃度を決定してもよい。qPCRデー
タを用いて、各処理サンプルは、そのまま、またはアクチュエーターでの希釈手順を用い
て希釈されて、またはアクチュエーターでのPCR手順を用いてさらに増幅されて、サン
プルの貯蔵前に適切な濃度範囲を達成してもよい。
他の例では、核酸サンプルを処理する前に、アクチュエーターでの核酸定量手順を用い
てもよい。この例では、各サンプルについての入力核酸の濃度が、決定され、(必要であ
れば)各サンプルについて核酸ライブラリー構築手順での処理前に調整される。
図12は、核酸ライブラリーの構築用に液滴アクチュエーターで核酸を処理をするよう
に構成された電極配列1200の他の一例の平面図を表している。この例では、電極配列
1200は、上限24の異なる核酸ライブラリーのために2つの別個の処理モジュールの
各々で、並行して上限12の異なる核酸サンプルを処理するように構成されている。一の
実施形態では、処理モジュールは、一の処理モジュールが、他の処理モジュールとは独立
して用いられてもよいように、液滴アクチュエーター上で物理的に分離されている。例え
ば、一のライブラリー処理モジュールを含む液滴アクチュエーターの一部は、充填流体(
例えば、シリコーンオイル)で充填され、上限12の異なる核酸ライブラリーの処理のた
めに用いられてもよい。第2のライブラリー処理モジュールを含む液滴アクチュエーター
の他の一部は、今後の使用のために未使用のままでもよい。
一の実施形態では、電極配列1200は、2つのサンプル処理モジュール1210aお
よび1210bを含んでいてもよい。2つのサンプル処理モジュール1210を示したが
、サンプル処理モジュールは、任意の数および組み合わせで用いられてもよい。各サンプ
ル処理モジュール1210は、複数の電極を含む。例えば、各サンプル処理モジュール1
210は、異なる試薬流体(例えば、平滑末端化試薬、A−tail化試薬、アダプター
結合試薬、ビーズ溶液、洗浄バッファー、溶離バッファー)を分配するために、12の試
薬分配電極1212等の1つ以上の試薬分配電極1212を含んでいてもよい。各サンプ
ル処理モジュール1210は、サンプル流体を分配するため、1つ以上のサンプル入力分
配電極1214(例えば、核酸を分配するための12のサンプル入力分配電極1214)
も含んでいてもよい。各サンプル処理モジュール1210は、サンプル流体を受け入れる
ため、1つ以上のサンプル出力回収電極1216(例えば、処理核酸液滴を受け入れるた
めの12のサンプル出力回収電極1216)も含んでいてもよい。他の実施形態では、サ
ンプル出力回収電極1216は、アダプター分配電極として使用されてもよい。
試薬分配電極1212、サンプル入力分配電極1214、およびサンプル出力回収電極
1216は、液滴操作電極1218(例えば、電気濡れ電極)の通路または配列等の配列
を通じて相互接続されている。各サンプル入力分配電極1214およびその対応するサン
プル出力回収電極1216から延びる液滴操作電極1218の通路は、12の専用電極レ
ーン1220等の専用電極レーン1220を形成する。専用電極レーン1220は、異な
る核酸サンプル処理のための別個の反応ゾーンを提供する。サンプル液滴に専用のレーン
を使用することにより、異なる核酸の間での相互汚染が最小化される。
電極配列1200は、1つ以上の温度制御ゾーン1222を含んでいてもよい。一例で
は、3つの温度制御ゾーン1222(すなわち、温度制御ゾーン1222a、1222b
、および1222c)が用いられてもよい。温度制御素子(図示せず)が、温度制御ゾー
ン1222近傍での充填流体(図示せず)の温度を制御する。
1つ以上の磁石(例えば、12の磁石1224)が、磁気応答性ビーズを保持するため
に個々の専用電極レーン1220近傍に位置されてもよい。専用電極レーン1220に関
する磁石1224の位置決めは、所定の反応工程(例えば、ビーズ除去工程)の間、反応
液滴を往復するための「遮断」領域を提供する。各磁石1224は、例えば、永久磁石ま
たは電磁石であってもよい。各磁石1224は、各専用電極レーン1220に近接するよ
うにおよび当該専用電極レーンから離れるように移動され得る可動式磁石であってもよい
。各磁石1224は、酵素反応の間の洗浄時における核酸が付着したビーズの空間的な固
定と、処理核酸の溶離後のビーズ除去と、を確実にするように位置している。混合および
保温は、磁石から離れた専用電極レーン1220で行われてもよい。
図13Aおよび13Bは、それぞれ、多重核酸ライブラリー構築手順の実行での使用に
適した組立液滴アクチュエーター1300の平面図および斜視図を表している。液滴アク
チュエーター1300は、液滴操作間隙で分離された底部基板1310および頂部基板1
312を含んでいてもよい。底部基板1310は、例えば、PCB、プラスチックまたは
シリコンチップであってもよい。底部基板1310は、核酸ライブラリーの構築用の核酸
を処理するために構成された電極配列1314を含んでいてもよい。電極配列1314の
詳細は、図14を参照して記載される。液滴操作は、液滴操作表面上の電極配列1314
頂部で行われる。好適な実施形態では、底部基板1310は、PCBであり、当該PCB
は、厚み約0.03125インチであり、銅フラッドがなく(すなわち、電極間のPCB
上に銅層がない)製造されており、これにより、底部基板1310と頂部基板1312と
の間の液滴操作間隙での液滴中の磁気応答性ビーズを制御するために用いられる磁場との
干渉を低減し、底部基板を通じた熱エネルギーの透過を低減する。他の実施形態では、底
部基板1310は、厚み約0.0625インチのPCBであってもよい。
頂部基板1312は、例えば、ポリカーボネート等の射出材料で形成されてもよい。複
数の流体分配リザーバが頂部基板1312に組み込まれてもよい。例えば、頂部基板13
12は、異なる試薬流体(例えば、平滑末端化試薬、A−tail化試薬、アダプター結
合試薬、ビーズ溶液、洗浄バッファー、溶離バッファー)を分配するための1つ以上の試
薬分配リザーバを含んでいてもよい。一例では、頂部基板1312は、試薬分配リザーバ
1317A、1317B、1317C、1317D、および1317Eに沿って、試薬分
配リザーバ1316A、1316B、1316C、および1316Dを含む。頂部基板1
312は、サンプル流体を分配するための1つ以上のサンプル入力リザーバを含んでいて
もよい。例えば、頂部基板1312は、サンプル入力リザーバ1318A〜1318Fの
第1列(またはカラム)およびサンプル入力リザーバ1318G〜1318Lの第2列(
またはカラム)を含む。頂部基板1312は、アダプターバーコード標識を分配するため
の1つ以上のアダプター分配リザーバも含んでいてもよい。例えば、頂部基板1312は
、アダプター分配リザーバ1320A〜1320Fの第1列(またはカラム)およびアダ
プター分配リザーバ1320G〜1320Lの第2列(またはカラム)を含む。
頂部基板1312は、複数の回収リザーバも含んでいてもよい。例えば、頂部基板13
12は、処理核酸液滴を受け入れるための2列(またはカラム)の6つのサンプル出力回
収リザーバ1322等の処理サンプル流体を受け入れるための1つ以上のサンプル出力回
収リザーバ1322を含んでいてもよい。頂部基板1312は、廃棄物回収リザーバ13
24Aおよび1324B等の廃棄流体を回収するための1つ以上の廃棄物回収リザーバ1
324も含んでいてもよい。
試薬分配リザーバ1316、サンプル入力リザーバ1318、およびアダプター分配リ
ザーバ1320は、開口部または流体通路に結合し、当該開口部または流体通路は、流体
を流体分配電極近傍に流すために配置され、当該電極は図14を参照して記載したように
底部基板1310上に配置されている。サンプル出力回収リザーバ1322および廃棄物
回収リザーバ1324は、実質的に開口部または流体通路に結合し、当該開口部または流
体通路は、流体を流体回収電極からサンプル出力回収リザーバ1322および廃棄物回収
リザーバ1324に流すように配置され、当該電極は図14を参照して記載したように底
部基板1310上に配置されている。
底部基板1310の周辺の少なくとも約1cmの広さの領域は、底部基板1310を頂
部基板1312に結合するための結合領域を提供する。加えて、底部基板1310を頂部
基板1312に機械的に取り付けるために、1つ以上の「熱支柱(heat stake)」を用い
られてもよい。熱支柱法(または熱可塑性支柱法)は、周知の機械的結合方法である。一
例では、接着剤層は、幅約1cm未満および高さ約425ミクロンであってもよい。
図13Cは、液滴アクチュエーター1300の頂部基板1312の一実施例の平面図を
表している。頂部基板1312の開口部は、頂部基板にリザーバがないため、ピペット操
作による装填のためのものである。この図は、試薬分配リザーバ1316A、1316B
、1316C、および1316D;試薬分配リザーバ1317A、1317B、1317
C、1317D、および1317E;サンプル入力リザーバ1318A〜1318F;サ
ンプル入力リザーバ1318G〜1318L;アダプター分配リザーバ1320A〜13
20F、およびアダプター分配リザーバ1320G〜1320L、の開口部を示している
。図13A、13B、および13Cに関して、液滴アクチュエーター1300のリザーバ
のための装填体積および液滴の例を表6に示す。
図14は、図13Aおよび13Bの液滴アクチュエーター1300の底部基板1310
の一例の平面図を表し、当該底部基板は、当該基板上に形成された電極配列1314を有
する。この例では、試薬分配電極は、電極配列1314の中央部に位置し、電極配列13
14の各側面に6つのサンプル入力分配電極のセットと、6つのサンプル処理電極のセッ
トとが位置している。
電極配列1314は、複数の分配電極を含む。例えば、電極配列1314は、異なる試
薬流体(例えば、平滑末端化試薬、A−tail化試薬、アダプター結合試薬、ビーズ溶
液、洗浄バッファー、溶離バッファー)を分配するための9つの試薬分配電極1410等
の1つ以上の試薬分配電極1410を含んでいてもよい。電極配列1314は、サンプル
流体を分配するための1つ以上のサンプル入力分配電極1412を含んでいてもよい(例
えば、核酸を分配するための2列(またはカラム)の6つのサンプル入力分配電極141
2)。電極配列1314は、アダプターバーコード標識を分配するための1つ以上のアダ
プター分配電極1414(例えば、2列(またはカラム)の6つのアダプター分配電極1
414)を含んでいてもよい。
電極配列1314は、複数の回収電極を含んでいてもよい。例えば、電極配列1314
は、処理サンプル流体を受け入れるための1つ以上のサンプル出力回収電極1416(例
えば、処理核酸液滴を受け入れるための2列(またはカラム)の6つのサンプル出力回収
電極1416)を含んでいてもよい。電極配列1314は、廃棄流体を回収するための1
つ以上の廃棄物回収電極1418(例えば、廃棄物回収電極1418aおよび1418b
)を含んでいてもよい。試薬分配電極1410、サンプル分配電極1412、アダプター
分配電極1414、サンプル出力回収電極1416、および廃棄物回収電極1418は、
実質的に流体リザーバにそろっていて、当該リザーバは、図13A、13B、および13
Cの液滴アクチュエーター1300の頂部基板1312に組み込まれている。
試薬分配電極1410、サンプル入力分配電極1412、アダプター分配電極1414
、サンプル出力回収電極1416、および廃棄物回収電極1418は、液滴操作電極14
20(例えば、電気濡れ電極)の配列を通じて相互接続されている。例えば、各サンプル
入力分配電極1412およびその対応するサンプル出力回収電極1416から延びる液滴
操作電極1420の通路は、13の専用電極レーン1422等の専用電極レーン1422
を形成する。専用電極レーン1422は、ライブラリー構築手順での異なる核酸サンプル
処理のための別個の反応レーンを提供する。サンプル液滴用の専用レーンおよび集中型試
薬分配を用いることにより、異なる核酸間の相互汚染を最小化する。
所定の処理工程を行うために1つ以上のビーズ固定ゾーン1424(例えば、ビーズ固
定ゾーン1424aおよび1424b)が、電極配列1314に関連して提供されてもよ
い。例えば、ビーズ固定ゾーン1424は、Halbach配列等の磁石の配列により形成され
てもよく、ビーズ固定ゾーンは、液滴アクチュエーターに十分に近接して設置され、その
結果の磁場は、液滴操作間隙内の液滴中の磁気応答性ビーズを、斯かる液滴を用いた液滴
操作の間、実質的に拘束する。磁石により作られる、ビーズ固定ゾーン1424での磁場
は、磁気応答性ビーズを保持するのに用いられてもよい。一例では、磁石の配列は、可動
式配列であってもよく、当該可動式配列は図23A、23B、および24に関して記載し
たように、ビーズ固定ゾーン1424に近接するようにまたは離れるように移動されても
よい。磁石配列は、(i)サンプル濃縮、(ii)酵素反応間の洗浄、および(iii)
処理核酸の溶離後のビーズ除去、等の所定の処理工程の間に、磁気応答性ビーズの保持を
確実にするように位置している。
いくつかの処理工程を行うために、1つ以上の温度制御ゾーン1426(例えば、温度
制御ゾーン1426a〜1426d)が、液滴アクチュエーター内に提供されてもよい。
例えば、加熱棒等の1つ以上の加熱素子(図示せず)が、組立液滴アクチュエーターに近
接して提供され、液滴操作間隙内で1つ以上の温度制御ゾーン1426を作り出してもよ
い。加熱棒は、(i)液滴アクチュエーター1300の液滴操作間隙内の充填流体の温度
制御、および、(ii)温度制御ゾーン1426を通じて液滴アクチュエーターの電極通
路に沿って輸送される液滴の加熱または冷却のために用いられてもよい。1つ以上の加熱
パッド1428を用いて温度制御ゾーン1426での熱の流れを制御してもよい。
図15は、液滴アクチュエーターの底部基板1500の一例の平面図を表し、当該底部
基板は、最適化された液滴輸送と作業行程時間のための、前記基板上に形成された電極配
列1510を有する。液滴アクチュエーターは、PCBであってもよい底部基板1500
と結合された頂部基板(図示せず)を用いて形成されてもよく、これらの底部基板150
0と頂部基板は間隙によって分離されている。電極配列1510は、リザーバ電極および
/または液滴操作電極等の種々の電極で形成されてもよい。
本発明の電極配列1510の主な態様は、当該電極配列が、例えば、他方と電気的に独
立した2つの部分を有する。例えば、図15は、部分Aと部分Bとに電気的に区分けされ
ていてもよい電極配列1510を示している。例えば、電極配列1510の部分Aで液滴
操作が起こり、並行かつ独立して部分Bで液滴操作が起こってもよく、逆でもよい。液滴
操作が電極配列1510の部分AとBとで並行かつ独立して起こってもよいため、液滴輸
送と作業行程時間が最適化され得る。すなわち、この基板設計は、連続液滴輸送と作業行
程操作を要求してもよい。対照的に、部分AとBとで並行かつ独立して、液滴操作が起こ
り得るため、本発明の底部基板1500および電極配列1510は、液滴輸送と作業行程
時間の最小化を可能とする。
図15に示された例では、底部基板1500が頂部基板(図示せず)と組み合わされて
、液滴アクチュエーターを形成する場合、電極配列1510は、様々な容量のアクチュエ
ーターの所定の流体リザーバを支持する。例えば、底部基板1500の他の流体リザーバ
に関して、電極配列1510は、一列になって配置された8つの大容量流体リザーバ15
12等の複数の大容量流体リザーバ1512を支持してもよい。一例では、大容量流体リ
ザーバ1512は、サンプル流体および/または廃棄流体を保持するために用いられても
よい。底部基板1500の他の流体リザーバに関して、電極配列1510は、一列になっ
て配置された7つの中容量流体リザーバ1514等の複数の中容量流体リザーバ1514
を支持してもよい。一例では、中容量流体リザーバ1514は、洗浄試薬、溶離バッファ
ー試薬、バッファー試薬(液滴回収用の)、酵素試薬、所定のビーズ含有試薬等を保持す
るための試薬リザーバであってもよい。底部基板1500の他の流体リザーバに関して、
電極配列1510は、一列になって配置された7つの小容量流体リザーバ1516等の複
数の小容量流体リザーバ1516を支持してもよい。一例では、小容量流体リザーバ15
16は、所定の酵素試薬を保持するための試薬リザーバであってもよい。
加えて、底部基板1500の電極配列1510は、これらに限定されないが、8つの回
収リザーバ1518の列、8つの一時貯蔵リザーバ1520の列、および、8つのアダプ
ターリザーバ1522の列等の他のリザーバを支持してもよい。一時貯蔵リザーバ152
0は、一時液体保持リザーバである。一例では、一時貯蔵リザーバ1520は、一時的な
ビーズ溶液の保持のために用いられる。一例では、アダプターリザーバ1522は、アダ
プター溶液の保持のために用いられる。電極配列1510により支持されるアクチュエー
ターのリザーバの更なる詳細は、図16〜21を参照して記載される。
液滴操作電極1524(例えば、電気濡れ電極)の様々なライン、通路、および/また
は配列が用いられ、大容量流体リザーバ1512、中容量流体リザーバ1514、小容量
流体リザーバ1516、回収リザーバ1518、一時貯蔵リザーバ1520、および/ま
たはアダプターリザーバ1522を相互接続する。一例では、図15は、1つ以上の混合
閉回路1526を示し、当該閉回路は液滴操作電極1524の所定の配列により形成され
る。例えば、8つの混合閉回路1526の列が、個々の大容量流体リザーバ1512の近
くに実装される。他の例では、図15は、液滴操作電極1524の他の配列により形成さ
れる分配閉回路1528を示している。例えば、分配閉回路1528は、中容量流体リザ
ーバ1514および小容量流体リザーバ1516の近傍に実装されている。一例では、溶
離液滴は、分配閉回路1528で処理されてもよい。
一般的に、回収リザーバ1518、一時貯蔵リザーバ1520、およびアダプターリザ
ーバ1522は、8つの混合閉回路1526と分配閉回路1528との間に配置されてい
る。7つの中容量流体リザーバ1514および7つの小容量流体リザーバ1516が、分
配閉回路1528の一方の側面を提供している。8つの大容量流体リザーバ1512が、
それぞれ、8つの混合閉回路1526を提供している。
底部基板1500は、いくつかの入力/出力(I/O)パッド1530も含む。I/O
パッド1530は、PCBに配線することにより電極に電気的に接続されている電気接点
である。一例では、I/Oパッド1530は、液滴操作電極1524および/または任意
のリザーバ電極に電気濡れ電圧をかけるために用いられる。
加えて、図15は、複数の温度ゾーンを含んでいてもよい底部基板1500を示し、当
該ゾーンは、所定の温度制御素子(図示せず)で制御される。一例では、温度ゾーン15
40は、混合閉回路1526の領域で提供される。当該ゾーンは、例えば、指定逆転写(
RT)ゾーンであってもよい。加えて、温度ゾーン1542は、混合閉回路1526とア
ダプターリザーバ1522の領域で提供される。当該ゾーンは、例えば、指定加熱ゾーン
であってもよい。さらに、温度ゾーン1544は、一時貯蔵リザーバ1520と分配閉回
路1528の領域で提供される。当該ゾーンは、例えば、指定装填ゾーンであってもよい
。一例では、温度ゾーン1540は、約xx℃〜約xx℃で保持されてもよく、温度ゾー
ン1542は、約xx℃〜約xx℃で保持されてもよく、そして温度ゾーン1544は、
約xx℃〜約xx℃で保持されてもよい。
電極配列1510の部分Aおよび部分Bに関して、大容量流体リザーバ1512および
混合閉回路1526が部分Aにある。中容量流体リザーバ1514、小容量流体リザーバ
1516、回収リザーバ1518、一時貯蔵リザーバ1520、アダプターリザーバ15
22、および分配閉回路1528が、部分Bにある。
操作では、電極配列1510の部分Aで、酵素および/または結合反応が起こってもよ
い。混合および/またはサンプル濃縮工程が、大容量流体リザーバ1512で起こっても
よく、当該リザーバはサンプル流体および/または廃棄流体を保持していてもよい。加え
て、いくつかの保温操作(例えば、上限約30分の保温時間)が、部分Aで起こってもよ
い。
それと同時に、電極配列1510の部分Bで、いくつかの液滴が、試薬リザーバである
中容量流体リザーバ1514および小容量流体リザーバ1516から予備分配されてもよ
く、次いで、分配閉回路1528での処理を待つ。中容量流体リザーバ1514および小
容量流体リザーバ1516から予備分配された液滴は、作動するまでの時間を最小化する
(輸送および作業行程時間を最小化する)。
時々、長期間(例えば、3時間)、ビーズを懸濁に保つことは難しい場合もある。その
ため、電極配列1510の部分Bを用いて、ビーズの数滴(例えば、8液滴)をいずれか
のリザーバから一時貯蔵リザーバ1520まで予備分配してもよい。ビーズの体積が小さ
いほど、懸濁を保つのが容易である。一例では、回収リザーバ1518は、検査手順の最
終生成物である処理サンプルの回収のために用いられる。
頂部基板(図示せず)は、図15の底部基板1500に関連して配置され、液滴アクチ
ュエーターを形成する。図16は、電極配列1510により支持されたアクチュエーター
の流体リザーバを充填するための頂部基板(図示せず)の開口部に関連した図15の底部
基板1500の平面図を表している。例えば、図16は、複数の開口部1550を示し、
この開口部1550は、各流体リザーバに対して1つ設けられる。一例では、大容量流体
リザーバ1512、中容量流体リザーバ1514、および小容量流体リザーバ1516の
ための開口部1550は、約3ミリメートル(mm)の直径を有していてもよい。回収リ
ザーバ1518およびアダプターリザーバ1522のための開口部は、約2mmの直径を
有していてもよい。大容量流体リザーバ1512、中容量流体リザーバ1514、小容量
流体リザーバ1516、回収リザーバ1518、一時貯蔵リザーバ1520、およびアダ
プターリザーバ1522の更なる詳細は、図17,18,19,20、および21を参照
して記載される。
一の実施形態では、全ての操作は、リザーバ空間内で起こってもよい。例えば、全ての
混合および結合は、大容量流体リザーバ1512内で起こってもよい。例えば、大容量流
体リザーバ1512の前方部を用いて結合および溶離を行ってもよい。斯かる実施形態で
は、各サンプルレーンの混合閉回路1526は、追加のユニットセルを装着することがで
きる。
図17は、1つの大容量流体リザーバ1512を含む底部基板1500の一部の側面図
および平面図を表している。大容量流体リザーバ1512は、複数の別個に制御される電
極の配列から形成され、当該電極は、集合的に、図15の電極配列1510内に、大容量
流体リザーバ1512を形成する。
例えば、大容量流体リザーバ1512の中央に沿って、4つの区分けされたリザーバ電
極1560があってもよい。中央のこの4つの区分けされたリザーバ電極1560は、そ
の各側面が4つのより小さなリザーバ側面電極1562と面するように位置してもよい。
別個に制御される電極のこの配列は、液滴操作電極1524(例えば、電気濡れ電極)の
通路、ライン、および/または配列に関連して配置される。加えて、液滴操作電極152
4のラインは、各側面が1つ以上の通路側面電極1564と面するように位置していても
よい。さらに、装填電極1566は、大容量流体リザーバ1512の開口部1550に関
連して配置されてもよい。
本発明の大容量流体リザーバ1512の一態様では、当該リザーバが複数の別個に制御
される電極に区分けされている。区分けされた電極デザインの利点は、所定の電極活性シ
ークエンスを用いることで、複雑な混合操作を大容量流体リザーバ1512の複数のリザ
ーバ電極頂部で起こし得ることである。区分けされた電極デザインの他の利点は、大容量
流体リザーバ1512の区分けにより異なる体積の流体を扱う能力を提供することである
。一例では、大容量流体リザーバ1512は、約20マイクロリットル(μL)〜約13
0μLの範囲の体積の流体を扱ってもよい。実質的に開口部1550に位置している装填
電極1566は、流体の意図した最小体積(例えば、約20μL)を保持する大きさと形
状である。一例では、大容量流体リザーバ1512用の開口部1550の直径は、約3m
mである。
図17の側面図は、頂部基板1570に関連して、底部基板1500を示している。液
滴操作電極1524に沿った高さH1の間隙がある。この例では、頂部基板1570の側
面に段があり、複数のリザーバ電極の領域での間隙高さH2は、間隙高さH1よりも大き
い。頂部基板1570の側面をテーパー状として、間隙高さH2から間隙高さH1への変
移を容易にしてもよい。間隙高さの変化とテーパー状が、いずれのリザーバ電極を活性化
することなく流体をリザーバに引き戻すことに役立ち得る。一例では、H1は、約50〜
約600μm、または約200〜約400μm、または約300μmであってもよい。一
例では、H2は、約1000〜約5000μm、または約2000〜約3000μm、ま
たは約2800μmであってもよい。
図18は、1つの中容量流体リザーバ1514を含む底部基板1500の一部の側面図
および平面図を表している。中容量流体リザーバ1514も、複数の別個に制御される電
極の配列から形成され、当該電極は、集合的に、図15の電極配列1510内に、中容量
流体リザーバ1514を形成する。
図17の大容量流体リザーバ1512からは独特の大きさおよび/または形状となって
いるが、中容量流体リザーバ1514も、区分けされたリザーバ電極1560、リザーバ
側面電極1562、液滴操作電極1524、および通路側面電極1564を含む。中容量
流体リザーバ1514も、開口部1550に関連した装填電極1566を含む。中容量流
体リザーバ1514の区分けされた電極デザインの利点(例えば、混合能力および異なる
体積の流体を扱う能力)は、図17の大容量流体リザーバ1512に関して記載したもの
と実質的に同じである。
一例では、中容量流体リザーバ1514は、約8μL〜約100μLの範囲の体積の流
体を扱ってもよい。実質的に開口部1550に位置している装填電極1566は、流体の
意図した最小体積(例えば、約8μL)を保持する大きさと形状である。一例では、中容
量流体リザーバ1514用の開口部1550の直径は、約3mmである。
図18の側面図は、頂部基板1570に関連して、底部基板1500を示している。液
滴操作電極1524に沿った高さH1の間隙がある。この例では、頂部基板1570の側
面に段があり、複数のリザーバ電極の領域での間隙高さH2は、間隙高さH1よりも大き
い。頂部基板1570の側面をテーパー状として、間隙高さH2から間隙高さH1への変
移を容易にしてもよい。間隙高さの変化とテーパー状が、いずれのリザーバ電極を活性化
することなく、流体をリザーバに引き戻すことに役立ち得る。一例では、H1は、約50
〜約600μm、または約200〜約400μm、または約300μmであってもよい。
一例では、H2は、約500〜約1000μm、または約700〜約900μm、または
約800μmであってもよい。
図19は、1つの小容量流体リザーバ1516を含む底部基板1500の一部の側面図
および平面図を表している。小容量流体リザーバ1516も、複数の別個に制御される電
極の配列から形成され、当該電極は、集合的に、図15の電極配列1510内に、小容量
流体リザーバ1516を形成する。
図17の大容量流体リザーバ1512からは独特の大きさおよび/または形状となって
いるが、小容量流体リザーバ1516も、区分けされたリザーバ電極1560、リザーバ
側面電極1562、液滴操作電極1524、および通路側面電極1564を含む。小容量
流体リザーバ1516も、開口部1550に関連した装填電極1566を含む。小容量流
体リザーバ1516の区分けされた電極デザインの利点(例えば、混合能力および異なる
体積の流体を扱う能力)は、図17の大容量流体リザーバ1512に関して記載したもの
と実質的に同じである。
一例では、小容量流体リザーバ1516は、約6μL〜約20μLの範囲の体積の流体
を扱ってもよい。実質的に開口部1550に位置している装填電極1566は、流体の意
図した最小体積(例えば、約6μL)を保持する大きさと形状である。一例では、中容量
流体リザーバ1514用の開口部1550の直径は、約3mmである。
図19の側面図は、頂部基板1570に関連して、底部基板1500を示している。液
滴操作電極1524に沿った高さH1の間隙がある。この例では、頂部基板1570の側
面に段があり、複数のリザーバ電極の領域での間隙高さH2は、間隙高さH1よりも大き
い。頂部基板1570の側面をテーパー状として、間隙高さH2から間隙高さH1への変
移を容易にしてもよい。間隙高さの変化とテーパー状が、いずれのリザーバ電極を活性化
することなく、流体をリザーバに引き戻すことに役立ち得る。一例では、H1は、約50
〜約600μm、または約200〜約400μm、または約300μmであってもよい。
一例では、H2は、約500〜約1000μm、または約700〜約900μm、または
約800μmであってもよい。
液滴操作電極1524の側面に位置する通路側面電極1564は、電気濡れ力を増加さ
せ、電気濡れ領域を増加させることによりリザーバから分配領域まで液体を引く働きをす
る。この例では、液滴操作電極1524に関連した通路側面電極1564のずれが、液体
が隣接する電極に進行するのを補助する。
図20は、1つの回収リザーバ1518を含む底部基板1500の一部の側面図と平面
図を表している。回収リザーバ1518は、液滴操作電極1524の配列から形成される
。一例では、回収リザーバ1518用の開口部1550の直径は、約2mmである。図2
0の側面図は、頂部基板1570に関連して、底部基板1500を示している。液滴操作
電極1524に沿って高さH1の間隙がある。この例では、頂部基板1570の側面には
段がない。したがって、液滴操作電極1524に沿って実質的に均一な間隙高さH1があ
る。一例では、H1は、約50〜約600μm、または約200〜約400μm、または
約300μmであってもよい。
図21は、1つの一時貯蔵リザーバ1520と1つのアダプターリザーバ1522とを
含む底部基板1500の一部の側面図と平面図を表している。一時貯蔵リザーバ1520
とアダプターリザーバ1522も、複数の別個に制御される電極の配列から形成され、当
該電極は、集合的に、図15の電極配列1510内に、一時貯蔵リザーバ1520とアダ
プターリザーバ1522とを形成する。
図17の大容量流体リザーバ1512からは、独特の大きさおよび/または形状となっ
ているが、一時貯蔵リザーバ1520およびアダプターリザーバ1522も、区分けされ
たリザーバ電極1560を含む。この例では、区分けされたリザーバ電極1560は、例
えば、T型、Y型、H型、および/または他のいずれの形状であってもよいが、電気濡れ
の向上のために、液体が隣接する電極に接触するのを確実にする、または、少なくとも補
助する。一時貯蔵リザーバ1520およびアダプターリザーバ1522の区分けされた電
極デザインの利点(例えば、混合能力および異なる体積の流体を扱う能力)は、図17の
大容量流体リザーバ1512に関して記載したものと実質的に同じである。
一例では、一時貯蔵リザーバ1520およびアダプターリザーバ1522は、約1μL
〜約5.5μLの体積の流体を扱ってもよい。図17は、アダプターリザーバ1522に
関連して、開口部1550も示している。一例では、アダプターリザーバ1522用の開
口部1550の直径は、約2mmである。一時貯蔵リザーバ1520についての開口部1
550はない。
図21の側面図は、頂部基板1570と関連した底部基板1500を示している。液滴
操作電極1524に沿って高さH1の間隙がある。この例では、頂部基板1570の側面
には段があり、区分けされたリザーバ電極1560の領域での間隙高さH2は、間隙高さ
H1より大きい。頂部基板1570の側面をテーパー状として、間隙高さH2から間隙高
さH1への変移を容易にしてもよい。間隙高さの変化とテーパー状が、いずれのリザーバ
電極を活性化することなく流体をリザーバに引き戻すことに役立ち得る。一例では、H1
は、約50〜約600μm、または約200〜約400μm、または約300μmであっ
てもよい。一例では、一時貯蔵リザーバ1520でのH2は、約500〜約1000μm
、または約600〜約700μm、または約625μmであってもよく、アダプターリザ
ーバ1522でのH2は、約250〜約750μm、または約400〜約500μm、ま
たは約425μmであってもよい。
図15〜21に関して、開口部1550を供給するアクチュエーター外の流体リザーバ
(図示せず)は、底部基板1500に関連する頂部基板に組み込まれてもよい。したがっ
て、アクチュエーター外の流体リザーバは、これらに限定されないが、大容量流体リザー
バ1512、中容量流体リザーバ1514、小容量流体リザーバ1516、回収リザーバ
1518、一時貯蔵リザーバ1520、およびアダプターリザーバ1522等のアクチュ
エーターの流体リザーバと組み合わせて用いられる。
他の実施形態では、電気濡れ装置の液滴操作間隙での液滴操作を実行する方法が提供さ
れる。本発明の方法は、CYTOP(登録商標)(東京、旭硝子社から入手可能)等のア
モルファスフルオロポリマーで被覆された分配領域を有する装置を供給する工程、分配領
域で有機溶媒を分配する工程、およびCYTOP(登録商標)で被覆されていない領域に
有機溶媒を輸送する工程を含む。CYTOP(登録商標)で被覆されていない領域は、例
えば、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、DuPont社から入手可能なTEFLON(登録商標
)コーティング)等のフッ化炭素で被覆されていてもよい。有機溶媒は、いずれの有機溶
媒でもよいが、好適には極性プロトン性溶媒である。一の実施形態では、溶媒は、アルコ
ールおよび/またはカルボン酸である。他の実施形態では、溶媒は、1〜8の炭素、また
は1〜6の炭素を有するアルコールおよび/またはカルボン酸である。アルコールおよび
/またはカルボン酸は、環状、直線状、または分岐状であってもよい。例は、ヘキサノー
ル、ペンタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、メタノ
ール、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸を含む。
2つの基板は、当該2つの基板間に液滴操作間隙を開けたままにするいずれの方法で共
に結合されていてもよい。通常、液滴操作間隙は、周囲がシールされるが、これは常に必
要ではない。間隙の開口部は、液体を導入または移動するのに有用となり得る。例えば、
基板は機械的に結合されてもよく、液滴操作間隙は、ガスケットで周囲をシールされても
よい。液滴操作間隙の結合とシールは、例えば、接着材料を用いて達成されてもよい。P
CB基板は、液滴操作間隙の周囲もシールする接着剤を用いてプラスチック頂部基板に結
合されてもよい。PCB基板は、液滴操作間隙の周囲もシールする接着剤を用いてアクリ
ル頂部基板に結合されてもよい。PCB基板は、液滴操作間隙の周囲もシールするウレタ
ンメタクリレートポリマーを用いてプラスチック頂部基板に結合されてもよい。PCB基
板は、液滴操作間隙の周囲もシールするポリマーの接着剤を用いてアクリル頂部基板に結
合されてもよい。PCB基板は、液滴操作間隙の周囲もシールするウレタンメタクリレー
トポリマーを用いてアクリル頂部基板に結合されてもよい。ウレタンメタクリレートポリ
マーは、例えば、UV硬化性接着剤のPERMABOND(登録商標)UV648またはUV632を含む。
PCB基板は、液滴操作間隙の周囲もシールするポリマーの接着剤を用いてガラス頂部基
板に結合されてもよい。PCB基板は、液滴操作間隙の周囲もシールするUV硬化性エポ
キシ樹脂系ポリマーを用いてガラス頂部基板に結合されてもよい。好ましいUV硬化性エ
ポキシ樹脂系ポリマーの例は、NJ、Hackensack、Master Bond社から入手可能な当該ポリ
マー(例えば、MASTER BOND(登録商標)UV15x−5)を含む。ポリマーの接着剤を用いる
場合、ポリマーは、底部基板または頂部基板の周囲のビードラインに堆積され、その後、
他の表面(PCBまたはプラスチック)の位置決めがされてもよい。UV硬化性ポリマー
は、次いで、UV硬化のためにUV光に露光されてもよい。いくつかの実施形態では、接
着剤が、底部基板と頂部基板との間の液滴操作間隙の周囲をシールする。液滴操作間隙は
、シリコーンオイル等の充填流体で実質的に充填されてもよい。
他の実施形態では、頂部基板と底部基板は、アクリル接着剤等の接着剤で被覆されたテ
ープ等の接着テープで結合される。接着テープは、液滴操作間隙の周囲の一部または全て
をシールするのに好適な形状にカットされてもよい。好適な接着テープの例は、布テープ
、ポリエチレン発泡テープ、ウレタンテープ、紙テープ、ポリエステルテープ、ティシュ
ーテープ、およびビニルテープを含む。好ましい例は、3M(商標)300LSE接着剤の接着
剤転写テープ、:9453FL、9471FL、9472FL、;および3M(商標)VHB(商標)テープ
を含む。これらのおよび他の好適なテープは、TN、Nashville、Can-Do National Tape社
および他の供給業者から入手可能である。いくつかの実施形態では、テープが、底部基板
と頂部基板との間の液滴操作間隙の周囲をシールする。液滴操作間隙は、シリコーンオイ
ル等の充填流体で実質的に充填されてもよい。
一の実施形態では、PCB材料で作られた底部基板は、例えば、プラスチック頂部基板
に、PERMABOND(登録商標)UV648UV硬化性接着剤等のウレタンメタクリレートポリマー
を用いて結合されて、構造を形成してもよい。ポリマーは、底部基板または頂部基板の周
囲のビードラインに堆積され、その後、他の表面(PCBまたはプラスチック)の位置決
めおよびUV硬化がされてもよい。他の実施形態では、ウレタンメタクリレートポリマー
は、底部基板と頂部基板との間に筺体を形成し、当該筺体はシリコーンオイル等のオイル
を含んでいてもよい。他の実施形態では、当該構造は、さらに基板の1つ以上の表面上に
電極を含み、電気濡れ媒介液滴操作および/または誘電泳動媒介液滴操作等の液滴操作を
実行するために配置されている。さらに他の実施形態では、当該構造は、微小流体装置を
含む。
本発明者らは、有機溶媒洗浄液滴は、液滴アクチュエーターで電気濡れ分配技術等を用
いて確実に分配することが困難であることを発見した。斯かる分配を向上させる溶液は、
本明細書に記載の充填流体配合および洗浄液滴配合である。充填流体配合溶液および液滴
配合溶液と別個にまたは一緒に用いてもよい他の溶液は、有機溶媒がCYTOP(登録商
標)コーティング(東京、旭硝子社から入手可能)等のアモルファスフルオロポリマーで
被覆された表面により確実に分散するという発見に起因する。一の実施形態では、分配の
間有機液滴に接触した液滴アクチュエーター表面(例えば、液滴分配領域の液滴操作間隙
に面した頂部基板および/または底部基板の表面)は、アモルファスフルオロポリマーで
被覆される一方、他の領域は非フルオロポリマーコーティングで被覆される。他の実施形
態では、分配の間有機液滴に接触した液滴アクチュエーター表面は、CYTOP(登録商
標)フルオロポリマーコーティングで被覆される一方、他の領域は別のフルオロポリマー
コーティングで被覆される。同様に、本発明は、アモルファスフルオロポリマーで被覆さ
れた分配領域で電気濡れ分配技術を用いて有機溶媒液滴を分配する工程、および分配され
た有機溶媒液滴をアモルファスフルオロポリマーで被覆されていない領域に輸送する工程
を含む。同様に、本発明は、CYTOP(登録商標)アモルファスフルオロポリマーで被
覆された分配領域で電気濡れ分配技術を用いて有機溶媒液滴を分配する工程、および分配
された有機溶媒液滴をCYTOP(登録商標)アモルファスフルオロポリマーで被覆され
ていない領域に輸送する工程を含む。同様に、本発明は、CYTOP(登録商標)アモル
ファスフルオロポリマーで被覆された分配領域で電気濡れ分配技術を用いて有機溶媒液滴
を分配する工程、および分配された有機溶媒液滴をTEFLON(登録商標)アモルファスフル
オロポリマーで被覆された領域に輸送する工程を含む。TEFLON(登録商標)ポリテトラフ
ルオロエチレンコーティングは、DE、Wilmington、E. I. DuPont de Nemours & Co社から
入手可能である。
7.4 磁石配列
液滴アクチュエーターは、磁石の配列を含んでもよく、または磁石の配列と結合されて
いてもよい。例えば、液滴アクチュエーターは、装置デッキ上に取り付けられてもよく、
液滴アクチュエーターは、装置デッキ上に収まるように設計され、当該デッキは、液滴ア
クチュエーターのいくつかの処理ゾーン内で温度を制御するための(i)磁石および、(
ii)ヒートシンクのヒーター等の温度制御装置、等の追加の機構を収容する。磁石は、
液滴アクチュエーターで磁気応答性ビーズの固定のために用いられてもよい。磁石は、液
滴アクチュエーターで液滴操作にかけられる液滴の磁気応答性ビーズの固定のために用い
られてもよい。磁石は、液滴アクチュエーターアセンブリの頂部基板に形成されたリザー
バ等の液滴アクチュエーターのリザーバ内で磁気応答性ビーズの固定のために用いられて
もよい。磁石を用いて、ビーズ洗浄工程の間のビーズの固定等、核酸ライブラリー構築手
順での様々な処理工程に必要とされる液滴操作のために磁気応答性ビーズを操作してもよ
い。磁石を用いて、娘液滴の1つにおける全てのまたは実質的に全てのビーズを保持する
ための液滴分割操作の間のビーズの固定等、核酸ライブラリー構築手順での様々な処理工
程に必要とされる液滴操作のために磁気応答性ビーズを操作してもよい。
いくつかの実施形態では、本発明は、可動式磁石を提供する。一例では、可動式磁石は
、サンプル濃縮の間に、核酸が付着したビーズの空間的な固定を確実にするように位置さ
れてもよい。サンプル濃縮は、例えば、ビーズ濃縮手順の単一の工程を用いて行われても
よい。サンプル濃縮は、一連の分配ビーズ濃縮手順を用いて行われてもよい。他の例では
、可動式磁石は、酵素反応間のビーズ洗浄の間に、核酸が付着したビーズの空間的な固定
を確実にするように位置されてもよい。他の例では、可動式磁石は、処理核酸の溶離後の
ビーズ除去の間に、ビーズの空間的な固定を確実にするように位置されてもよい。液滴操
作(電気濡れプログラム)のシークエンス、温度制御、および磁石位置は、例えば、調整
可能なソフトウェアおよびプログラム可能なソフトウェアインターフェースを用いてプロ
グラムされてもよい。
一例では、装置デッキは、液滴アクチュエーターの所定の処理ゾーンにそろって位置し
ている1つ以上の可動式磁石配列(例えば、Halbach配列)および1つ以上のヒーターア
センブリ(例えば、加熱棒)と同様に、電極の活性と非活性を制御するための電気的接続
、および液滴アクチュエーターの他の電気的機能(例えば、センサー)も含んでいてもよ
い。この例は、図22A、22B、および23を参照して記載されている。
図22Aおよび22Bは、磁石アクチュエーター2200の斜視図を表している。磁石
アクチュエーター2200は、フレーム構造2210を含んでいてもよく、当該フレーム
構造は、立方体磁石2214のセットを保持するためにフレーム構造に設置されたスライ
ド可能なプレート2212を有する。ソレノイド2216が、フレーム構造2210に固
定される。フレーム構造2210に対するスライド可能なプレート2212の位置が、ソ
レノイド2216で制御される。すなわち、ソレノイド2216のアクチュエーターが、
スライド可能なプレート2212の一部に対して圧力をかけ、立方体磁石2214をフレ
ーム構造2210に対して動かす。スライド可能なプレート2212および立方体磁石2
214の直線的な運動を制御するために、調整可能なネジ2218のセット等の所定の機
構が提供されてもよい。スライド可能なプレート2122は、溝形状およびスロット形状
等のフレーム2210構成要素と組み合わされてもよく、本明細書に記載の機能を達成す
るためにプレート2122の動きが特定の範囲に制約される。
操作では、スライド可能なプレート2212上の立方体磁石2214は、液滴アクチュ
エーター2220等の液滴アクチュエーターに近接して位置している。ソレノイド221
6は、立方体磁石2214を液滴アクチュエーターの表面に近づけるまたは遠ざけるため
に用いられる。図22Aは、非通電状態のソレノイド2216および、液滴アクチュエー
ター2220に関して非係合状態の立方体磁石2214を有するスライド可能なプレート
2212を示している。図22Bは、通電状態のソレノイド2216および、液滴アクチ
ュエーター2220に関して係合状態の立方体磁石2214を有するスライド可能なプレ
ート2212を示している。
図23は、1つ以上の磁石アクチュエーターおよび1つ以上のヒーター機構を保持する
ための機械的固定具2300の一例の平面図を表している。機械的固定具2300は、核
酸ライブラリーの構築のための液滴アクチュエーターでの核酸の処理での使用に好適であ
る。一例では、機械的固定具2300は、立方体磁石2214aのライン(line)を含む
磁石アクチュエーター2200aおよび立方体磁石2214bのラインを含む磁石アクチ
ュエーター2200b等の2つの磁石アクチュエーター2200を含む。立方体磁石22
14の各セットまたは各ラインは、例えば、図24A、24B、25A、および25Bに
関して記載したように、Halbach配列であってもよい。立方体磁石2214は、磁石アク
チュエーター2200の動作で液滴アクチュエーター(図示せず)に接近してまたは近傍
から離れて移動されてもよい。一例では、立方体磁石2214は、2.25mmの立方体
磁石であってもよい。他の例では、立方体磁石2214は、4.5mmの立方体磁石であ
ってもよい。
機械的固定具2300は、ヒーター2310a〜2310d等の1つ以上のヒーター2
310を含んでいてもよい。ヒーター2310は、例えば、加熱棒であってもよい。ヒー
ター2310を用いて、液滴アクチュエーターの指定温度制御ゾーン内の温度を制御して
もよい。例えば、一の温度制御ゾーンは、A−tail化反応のために37℃を提供して
もよく、または、3−温度PCRの実行のために適切な温度を提供してもよい。コントロ
ーラー(図示せず)を用いて、ヒーター2310の出力温度を制御してもよい。
他の実施形態では、機械的固定具2300は、(i)ヒートシンク、または、(ii)
ペルチェ素子等の熱電冷却装置、等の冷却装置を含んでいてもよい。冷却装置は、周囲の
温度よりも低い液滴アクチュエーターの領域の温度を維持するのに用いられてもよい。冷
却装置は、液滴アクチュエーターの他の領域の加熱の間、液滴アクチュエーターのある領
域が過熱するのを防ぐために用いられてもよい。ヒーターと冷却装置とを組み合わせて用
いることで、3−温度PCR反応の実行等の液滴アクチュエーターでの所望の温度プロフ
ィールが達成され得る。コントローラー(図示せず)を用いて、ヒーター2310および
ペルチェ素子を制御してもよい。
図23は、アセンブリ上で液滴アクチュエーターを所定位置に保持するためのクリップ
2320も示している。操作の間、液滴アクチュエーターアセンブリを傷つけることなく
、または操作を他に妨げることなく、液滴アクチュエーターアセンブリをしっかりと所定
位置に保持するように配置されている限りは、いずれの種類の拘束要素でも適用可能であ
る。
磁石を配置して、液滴アクチュエーターのビーズの固定が要求されている領域で磁場を
補強してもよい。磁石を配置して、液滴アクチュエーター内の磁場が所望の操作を別に妨
げる領域の磁場を取り消してもまたは消滅させてもよい。磁石を配置して、流束分布を作
り出し、液滴アクチュエーター内のビーズの固定が要求されている領域で磁場を補強し、
そして液滴アクチュエーター内の磁場が所望の操作を別に妨げる領域の磁場を消滅させて
もよい。
図24Aおよび24Bは、Halbach磁石配列2400の一例の斜視図を表している。図
24Aに関して一例では、Halbach磁石配列2400は、立方体磁石2410a〜241
0e等の複数の立方体磁石2410を含んでいてもよい。各立方体磁石2410の磁場の
方向が、矢印で示されている。立方体磁石2410の配列は、当該配列の一方の側面で磁
場が強められるのに対して、配列の他の側面では磁場がほぼゼロにまで取り消されるもの
である。配列は、任意の回数繰り返されて、任意の長さの磁石配列を提供してもよい。
図24Bは、集束磁石2412として役立つ1つ以上のポストを有するHalbach磁石配
列2400を表している。集束磁石2412は、Halbach磁石配列2400の特定の位置
に磁場をさらに集束させるために用いられる。例えば、Halbach磁石配列2400は、集
束磁石2412aおよび2412bを含む。また、各集束磁石2412の磁場の方向が、
矢印で示されている。
図25Aおよび25Bは、例えば、図24Aおよび24BのHalbach磁石配列2400
の、液滴アクチュエーター2500の電極に対する磁場の関係を表している。液滴アクチ
ュエーター2500は、間隙2514で分離された底部基板2510および頂部基板25
12を含んでいてもよい。底部基板2510は、液滴操作電極2516(例えば、電気濡
れ電極)の通路または配列等の電極配列を含んでいてもよい。液滴操作は、液滴操作表面
上の液滴操作電極2516頂部で行われる。
この例では、Halbach磁石配列2400は、液滴アクチュエーター2500の下に位置
している。Halbach磁石配列2400は、複数の立方体磁石2410a〜2410nを含
んでいてもよい。図25Aおよび25Bで、立方体磁石2410で作られる磁力線は、Ha
lbach磁石配列2400および液滴アクチュエーター2500の頂部にかぶせて表現され
ている。立方体磁石2410は、例えば、4.5mm立方体磁石であってもよい。
図25Aおよび25Bの磁力線は、磁場が一つおきの立方体磁石2410(例えば、立
方体磁石2410a、2410c、2410e、2410g、2410i、2410k、
2410m)に集中していることを示している。好ましい実施形態では、これらの集中し
た磁場領域が、例えば、4.5mm立方体磁石2410について約4.5mmピッチで配
置されている周期的な電極レーンに実質的にそろっている。この例では、集中した磁場領
域が、約9mmごとにある。他の例では、2.25mm立方体磁石2410が用いられる
場合、集中した磁場領域は、約4.5mmごとにある。
図26Aおよび26Bは、図24Aおよび24BのHalbach磁石配列2400に関連し
た図25Aおよび25Bの液滴アクチュエーター2500の他の図(すなわち、平面図)
を表している。例えば、図26Aおよび26Bは、液滴操作電極2516のいくつかのラ
インに関連したHalbach磁石配列2400の立方体磁石2410を示している。図26A
は、集束磁石2412がないHalbach磁石配列2400を示す一方、図26Bは、集束磁
石2412があるHalbach磁石配列2400を示す。Halbach磁石配列2400の配列は、
立方体磁石2410の中央が液滴操作電極2516のラインにほぼ位置する配列である。
一の用途では、Halbach磁石配列2400は、サンプル濃縮の間等、所定の処理工程の間
に、磁気応答性ビーズの空間的な固定を確実にするように位置されている。サンプル濃縮
は、例えば、ビーズ濃縮手順の単一の工程を用いて行われてもよい。サンプル濃縮は、一
連の分配ビーズ濃縮手順を用いて行われてもよい。サンプル濃縮方法の一例が図27に関
して記載される。
図27は、液滴アクチュエーターでのサンプル濃縮の方法2700のフローチャートを
表している。例えば、方法2700は、図22A、22B、および23の1つ以上の磁石
アクチュエーター2200を利用して、液滴アクチュエーターに関連した可動式磁石を提
供してもよい。方法2700は、アクチュエーター外で上限50μLのサンプル体積から
始め、当該サンプルは、約50〜100ナノグラムの核酸を含む。次いで、アクチュエー
ター外で、サンプルは、結合バッファー溶液(50μL)中のビーズと混合される。その
結果、100μLの流体が、次いで、アクチュエーター外で一定時間(例えば、約10分
間)保温される。保温期間後に、その100μLの流体は、液滴アクチュエーターに装填
される。次いで、磁石(例えば、1つ以上の磁石アクチュエーター2200の立方体磁石
2214)がサンプル流体に近接するように移動される。結果として、実質的に全てのビ
ーズが、100μLのサンプル流体から引き抜かれ、立方体磁石2214の磁場内に濃縮
される。ビーズは、次いで、洗浄され、溶離される。核酸が溶離され、液滴がビーズをス
ナップオフしてもよい。バッファー液滴を用いて、ビーズを回収し、ビーズを、例えば、
廃棄リザーバまたは電極配列の未使用の領域に除去してもよい。
7.5 液滴アクチュエーターと共に使用するローラーアセンブリ
本発明のローラーアセンブリは、磁石およびヒーター等の液滴アクチュエーターに関連
した有用な所定の構成を収納する装置デッキ上に収まるように設計されている。本発明の
液滴アクチュエーターは、多数の異なる次世代配列決定プラットフォームでの使用に応用
され得るので、異なるライブラリー構築手順のために、装置構成の異なる配列が要求され
得る。
図28A〜28Dは、液滴アクチュエーターに関連した有用な他の構成の配列を含むロ
ーラーアセンブリ2800の側面図および断面図を表している。図28Aに関して、ロー
ラーアセンブリ2800は、ローラー本体2810を含んでいてもよい。ローラー本体2
810は、例えば、円筒状の形状であってもよい。ローラー本体2810は、取り付け棒
(または軸)2812で装置(図示せず)に接続されていてもよい。ローラーアセンブリ
2800の回転(例えば、時計回りまたは反時計回り)は、ステッピングモーター等のモ
ーター(図示せず)で制御されてもよい。図28Aおよび28Bに関して、ローラー本体
2810は、スロット2814a〜2814d等の1つ以上のスロット2814を含んで
いてもよく、当該スロットは、これらに限定されないが、磁石、温度制御装置、および超
音波処理装置等の1つ以上の構成を含んでいてもよい。一の実施形態では、磁石2816
a〜2816dは、スロット2814a〜2814dに、それぞれ位置されてもよい。各
磁石2816は、永久磁石または電磁石であってもよい。一例では、各磁石2816は、
棒磁石であってもよい。他の例では、各磁石2816は、複数のより小さい磁石(図示せ
ず)であってもよい。他の例では、磁石2816は、異なる磁気の強さを有していてもよ
い。単一のローラーアセンブリ2800は、異なる磁石、異なる磁気の強さ、異なる磁石
の配列等を有する複数の磁石のセットを含んでいてもよい。
図28Cおよび28Dに関して、ローラーアセンブリ2800は、液滴アクチュエータ
ー2818に近接して位置されてもよい。液滴アクチュエーター2818は、底部基板2
820を含んでいてもよい。底部基板2820は、液滴操作電極2822(例えば、電気
濡れ電極)の配列を含んでいてもよい。液滴操作は、液滴操作表面上の液滴操作電極28
22頂部で行われる。一例では、ローラーアセンブリ2800は、スロット2814aお
よび磁石2816aが所定の液滴操作電極2822にそろうように位置されてもよい。
操作では、磁気応答性ビーズ2826を含む液滴2824は、所定の液滴操作電極28
22上に位置して、ローラーアセンブリ2800の磁石2816aにそろってもよい。磁
石2816aの磁力のため、磁気応答性ビーズ2826は、液滴操作電極2822の表面
に保持される。ローラーアセンブリ2800は、磁石2816aが液滴2824から離れ
て移動されるように、例えば、反時計回りに回転されてもよい。ローラーアセンブリ28
00および磁石2816aが回転して液滴2824から離れるので、磁石2816aの磁
力の低減のため、磁気応答性ビーズ2826は液滴2824内で再び懸濁される。一例で
は、ローラーアセンブリ2800は、液滴2824が磁石2816aおよび2816bの
間に位置するように回転および停止されてもよい。この位置では、液滴2824は、磁石
2816aおよび2816bの磁場の外にあってもよい(すなわち、磁石2816aおよ
び2816bの磁場が、基本的に「遮断」されている)。
他の実施形態では、スロット2814内の1つ以上の磁石2816は、いくつかの反応
ゾーンおよび/または洗浄ゾーン内の温度を制御するために、ヒーターアセンブリまたは
冷却アセンブリ(例えば、熱電冷却器またはペルチェ素子)に置換されてもよい。他の実
施形態では、スロット2814内の1つ以上の磁石2816は、細胞***および核酸せん
断に用いられる音波処理器等の超音波処理装置に置換されてもよい。他の実施形態では、
磁石、ヒーター、冷却器、音波処理器、および他の構成の任意の組み合わせが、ローラー
アセンブリ2800内で用いられてもよい。ローラーアセンブリ2800の回転により、
様々な構成が所定の液滴操作領域に関する位置に対して近づけられ、および離れされ得る
ため、液滴アクチュエーター上の同じ領域が、デジタル微小流体検査で複数の異なる処理
に用いられてもよい。他の実施形態では、異なるローラーアセンブリ2800が、特定の
検査要求および/またはアクチュエーターサイズおよび構造に適合する特殊化した構成配
列に提供されてもよい。ローラーアセンブリ2800は、一のローラーアセンブリ280
0が、装置から容易に除去され、当該装置に異なるローラーアセンブリ2800が容易に
挿入されるように設計されていてもよい。
7.6 廃棄液滴の処分
図29Aおよび29Bは、それぞれ、液滴アクチュエーター2900の一部の一例の平
面図および断面図を表し、液滴を投棄して廃棄する方法を示している。液滴アクチュエー
ター2900は、間隙2914で分離された底部基板2910および頂部基板2912を
含んでいてもよい。間隙2914は、高さh1を有する。底部基板2910は、例えば、
PCBであってもよい。頂部基板2912は、例えば、ガラス、射出成型プラスチック、
ケイ素、および/またはITOから作られていてもよい。液滴アクチュエーター2900
は、液滴操作電極2916(例えば、電気濡れ電極)の配列を含んでいてもよい。液滴操
作は、液滴操作表面上の液滴操作電極2916頂部で行われる。
本発明の一態様は、頂部基板および/または底部基板に、および液滴操作電極に隣接し
て、液滴を投棄するための陥凹エリアを含む。一例では、図29Aおよび29Bは、陥凹
エリア2918をさらに含む頂部基板2912を示している。陥凹エリア2918で作ら
れる底部基板2910と頂部基板2912との間の空洞は、高さh2を有し、間隙291
4の高さh1より大きい。配列は、より大きい間隙高さの領域でよりエネルギー的に安定
なコンホメーションへの液滴の変形により引き起こされる移動の結果として、液滴が陥凹
エリアに入るように構成されていてもよい。
操作では、いくつかの液滴操作電極2916の電源がオンである限り、液滴は電極通路
にとどまる。しかしながら、電源がオンになっている液滴操作電極2916がない場合、
液滴にとってエネルギー的に安定な位置は、隣接する陥凹エリアにある。すなわち、毛管
力のために液滴は、この空間に引き込まれる。したがって、液滴は、もはや不要の場合は
、電極通路から投棄され得る。
例として、図29Aおよび29Bは、電極が電源オンになっているときに、所定の液滴
操作電極2916頂部に位置している所定の液滴2920を示している。図29Aおよび
29Bは、通路から投棄され、陥凹エリア2918にある液滴2922も示している。
陥凹エリア2918の形状は、例えば、階段状またはスロープ状であってもよく、当該
形状が、投棄された液滴が電極通路に干渉しないように、投棄された液滴が電極通路から
十分に離れた位置に保持されるのを補助する。同様に、液滴が容易に陥凹領域に移動し過
ぎる場合、液滴移動を遅くするために、頂部基板および/または底部基板に突起部または
障害物が含まれていてもよい。活性化された電極の存在下では液滴を電極通路に保持する
が、移動の結果として、液滴が陥凹領域に入り得るどのような移行領域であっても適用可
能である。
図30は、図29Aおよび29Bの液滴アクチュエーター2900の他の実施形態の断
面図を表している。この実施形態では、陥凹エリア2918が開口している(例えば、頂
部基板2912の開口部2930)。図30は、液滴アクチュエーター2900内の充填
流体2932も示している。頂部基板2912内に開口部2930が存在するため、液滴
は、毛管誘電泳動または他の処理のために、例えば、ピペットで、または他の装置もしく
はこの装置の一部に、回収され得る。
7.7 PCR増幅および高分解能融解(HRM)分析
1つ以上の目的遺伝子内でのシークエンスバリエーション(例えば、単一ヌクレオチド
多型、ヌクレオチド反復多型、突然変異走査、および核酸メチル化の評価)の検出のため
に、HRM分析は、PCR増幅と組み合わせて用いられてもよい。PCRアンプリコンは
、飽和核酸挿入蛍光染料、5’−標識されたプライマー、または標識されたプローブを用
いて、増幅の間、蛍光標識されてもよい。様々な実施形態で、本発明は、液滴アクチュエ
ーター系サンプル調製および同じ液滴アクチュエーターでのシークエンスバリエーション
の検出をも提供する。
一の実施形態では、本発明の液滴アクチュエーター装置および方法は、(i)核酸の調
製、(ii)ターゲットPCR増幅および(iii)脆弱X症候群の遺伝子型決定をする
ためのHRM分析、に用いられてもよい。
目的遺伝子内のシークエンスバリエーション(例えば、多型、突然変異、およびメチル
化)の検出用のデジタル微小流体手順は、ターゲットシークエンスのPCR増幅と、単一
の液滴アクチュエーターでのターゲットアンプリコンの高分解能溶融(HRM)分析とを
組み合わせる。HRM分析は、目的遺伝子の二本鎖ターゲットシークエンス(すなわち、
アンプリコン)についての核酸溶融温度の物理的特性に基づいている。生物体の各遺伝子
(個々の)は、通常、2つ(またはそれ以上)のコピー、すなわち、2つの対立遺伝子が
存在する。対立遺伝子は、同一、すなわち同型接合性であってもよく、または異なって、
すなわち異型接合性であってもよい。核酸サンプルの増幅の間、両方の対立遺伝子が増幅
される。増幅された核酸は、変性され、PCR後にHRM分析のために冷却されるので、
アニールされた二本鎖アンプリコンの異なる組み合わせが形成され得る。同型接合性サン
プルは、ホモ二本鎖となる。シークエンスの組成の違いのため、異なる同型接合性サンプ
ルは、異なる溶融曲線をもたらす異なる変性温度を有する。異型接合性サンプルは、2つ
の異なる対立遺伝子を含み、2つの異なる対立遺伝子はホモ二本鎖(すなわち、2つのホ
モ二本鎖生成物)とヘテロ二本鎖(すなわち、2つのヘテロ二本鎖生成物)の両方を形成
する。ヘテロ二本鎖は、核酸の非相補鎖のアニーリングから生じ、核酸の非相補鎖は、例
えば、サンプルの急冷の間に形成する。ヘテロ二本鎖内の誤対合領域のため、二本鎖アン
プリコンは不安定であり、そのため、低温で解離する。低い溶融温度は、異なる溶融曲線
プロフィールを作成する。異なる溶融曲線プロフィールが作成されるため、異型接合性サ
ンプルは、同型接合性サンプルから区別され得る。
デジタル微小流体手順では、急速なPCR熱サイクルが、各サイクルで反応液滴がオイ
ルが充填された液滴アクチュエーター内の異なる温度ゾーン間を循環的に輸送されるフォ
ーマットを経たフローで行われてもよい。PCR反応のモニターと続くHRM分析のため
に、ターゲットアンプリコンへの蛍光標識の組み込みを用いてもよい。一の実施形態では
、ターゲットアンプリコンは、LCGreen(UT、Salt Lake City、 Idaho Technology社から
入手可能)、EvaGreen(CA、Hayward、Biotium社から入手可能)、またはSYTO 9(CA、Ca
rlsbad、Life Technology社のInvitrogen(商標)から入手可能)等の飽和二本鎖核酸挿
入染料を用いたPCR増幅の間、蛍光標識されてもよい。他の実施形態では、5−蛍光標
識されたプライマーを用いてターゲットアンプリコンを標識してもよい。他の実施形態で
は、蛍光標識されたプローブを用いてターゲットアンプリコンを標識してもよい。最適な
循環パラメーターと試薬濃度とを含む確立されたPCR手順が、各目的遺伝子のために選
択されてもよく、当該試薬は、Taqポリメラーゼ、バッファーおよびプライマー(順方
法のプライマーと逆方向のプライマー)を含む。例えば、順方法のプライマーと逆方向の
プライマーのシークエンスおよび長さを選択して、対立遺伝子の正確な識別に十分な長さ
のアンプリコンを作製してもよい。各プライマーの濃度、プライマーアニーリング温度お
よびマグネシウム濃度を選択して、高収率での目的遺伝子の特有の増幅を提供してもよい
。アニーリング時間/延長時間および熱サイクルの数を選択して、高品質アンプリコンと
PCR−HRM一体手順での迅速な処理能力を提供してもよい。
対立遺伝子識別のための確立されたHRM手順は、液滴アクチュエーター1,2での使
用に応用されてもよい。例えば、HRM分析の前に、増幅された核酸は、通常、ヘテロ二
本鎖形成を高めるように選択された変性およびアニーリングの最終ラウンドにかけられる
。変性と冷却の速度は、ヘテロ二本鎖の実質的な形成のために選択されてもよい。一例で
は、より高い加熱速度(例えば、0.4℃/秒)および急速な冷却速度(例えば、約0.
1℃/秒より大きく、約5℃/秒未満)を選択して、対立遺伝子のより正確な識別のため
のより多くのヘテロ二本鎖を作製してもよい。他の例では、アニーリングバッファーのイ
オン強度(例えば、低イオン強度)が、ヘテロ二本鎖の実質的な形成のために選択されて
もよい。直接溶融、すなわち、選択した温度遷移速度(例えば、0.05℃/秒)での約
50℃〜約95℃の核酸アンプリコンの正確な加温を用いて、最終HRM分析が、二本鎖
核酸アンプリコンについて行われてもよい。
7.8 液滴分配電極構成
図31は、電極配列3100の一例の一部の平面図および2倍液滴分配のためのリザー
バ分配シークエンスを表している。電極配列3100は、(流体リザーバの)分配電極3
110を含んでいてもよく、当該分配電極は、複数の別個に制御される電極に区分けされ
ている。例えば、分配電極3110の中心に沿って、区分けされたリザーバ電極3112
A、3112B、3112C、および3112Dがあってもよい。より小さなリザーバ側
面電極3114A、3114B、3114C、および3114Dが、区分けされたリザー
バ電極3112A、3112B、3112C、および3112Dの一方の側面に配置され
ていてもよい。より小さなリザーバ側面電極3114AA、3114BB、3114CC
、および3114DDが、区分けされたリザーバ電極3112A、3112B、3112
C、および3112Dの他の側面に配置されていてもよい。分配電極3110の区分けさ
れたリザーバ電極3112Dは、液滴操作電極(例えば、電気濡れ電極)の通路、ライン
、および/または配列に関連して配置されている;以降、通路電極3116という。加え
て、通路側面電極3118Aが、通路電極3116の一方の側面に配置されてもよく、一
方、通路側面電極3118Bが、通路電極3116の他の側面に配置されてもよい。液滴
操作は、液滴操作表面上のこれら様々な電極頂部で行われる。複数の別個に制御される電
極を含む分配電極3110は、複雑な液滴混合操作および/または液滴分配操作を行うよ
う設計された流体リザーバを支持する。
本発明の区分けされた分配電極3110の一態様は、リザーバが十分に充填されていな
いとき、様々な大きさの液滴を分配するために、流体のより小さな体積が、分配電極31
10の分配末端に移動され得るというものである。加えて、通路電極3116の側面にあ
る通路側面電極3118は、活性化されて、分配電極3110の液体を引き抜き、電極通
路上に移すのを補助してもよい。次いで、通路側面電極3118が非活性化され、次いで
、通路上の中間電極が非活性化され、分配された液滴を生成する。リザーバ分配シークエ
ンスの例が、図31、32、および33を参照して示されている。
再び図31に関して、2倍液滴分配のためのリザーバ分配シークエンスの一例は、これ
らに限定されないが、以下の工程を含んでいてもよい。
工程1では、区分けされたリザーバ電極3112A、3112B、および3112Cが
非活性化される;リザーバ側面電極3114A、3114B、3114C、3114AA
、3114BB、および3114CCが非活性化される;区分けされたリザーバ電極31
12Dが活性化される;そして、リザーバ側面電極3114Dおよび3114DDが活性
化される。このようにして、一定量の流体(図示せず)が、分配電極3110の分配末端
に引かれ得る。分配電極3110の分配末端は、通路電極3116のラインに最も近い端
である。
工程2では、区分けされたリザーバ電極3112A、3112B、および3112Cが
非活性化されたままである;リザーバ側面電極3114A、3114B、3114C、3
114AA、3114BB、および3114CCが非活性化されたままである;区分けさ
れたリザーバ電極3112Dが活性化されたままである;そして、リザーバ側面電極31
14Dおよび3114DDが活性化されたままである。加えて、ラインの初めの4つの通
路電極3116が活性化され、通路側面電極3118Aおよび3118Bの両方が活性化
される。結果として、所定体積の流体(図示せず)が、さらに通路電極3116のライン
上に引かれ得る。
工程3では、区分けされたリザーバ電極3112A、3112B、および3112Cが
非活性化されたままである;リザーバ側面電極3114A、3114B、3114C、3
114AA、3114BB、および3114CCが非活性化されたままである;区分けさ
れたリザーバ電極3112Dが活性化されたままである;そして、リザーバ側面電極31
14Dおよび3114DDが活性化されたままである。ラインの初めの4つの通路電極3
116が活性化されたままである。通路側面電極3118Aおよび3118Bの両方が活
性化されたままである。加えて、ラインの隣(5番目)の通路電極3116が、活性化さ
れ、所定体積の流体(図示せず)が、さらに通路電極3116のライン上に引かれる。
工程4では、全てのリザーバ側面電極3114が非活性化される;区分けされたリザー
バ電極3112Dを除いて、全ての区分けされたリザーバ電極3112が、非活性化され
る;そして、通路側面電極3118Aおよび3118Bも非活性化される。区分けされた
リザーバ電極3112Dおよび5つの通路電極3116のみが活性化されたままである。
これにより、所定体積の流体が、5つの通路電極3116のラインに沿って、分配電極3
110の区分けされたリザーバ電極3112Dに集中する。
工程5では、区分けされたリザーバ電極3112Aおよび3112Bが非活性化される
;リザーバ側面電極3114A、3114B、3114AA、および3114BBが非活
性化される;区分けされたリザーバ電極3112Cおよび3112Dが活性化される;そ
して、側面電極3114C、3114D、3114CC、および3114DDが活性化さ
れる。加えて、通路側面電極3118Aおよび3118Bが、非活性化されたままである
。さらに、ラインの3番目の通路電極3116が非活性化されるのに対し、1番目、2番
目、4番目、および5番目の通路電極3116は活性化されたままである。中間通路電極
3116の1つが電源オフになり、2倍液滴(図示せず)が例えば、4番目と5番目の通
路電極3116頂部に残されるため、結果として、液滴分割操作が起こる。
図32は、図31の電極配列3100の平面図および1倍液滴を分配するためのリザー
バ分配シークエンスを表している。1倍液滴分配のためのリザーバ分配シークエンスの一
例は、これらに限定されないが、以下の工程を含んでいてもよい。
工程1では、区分けされたリザーバ電極3112A、3112B、および3112Cが
非活性化される;リザーバ側面電極3114A、3114B、3114C、3114AA
、3114BB、および3114CCが非活性化される;区分けされたリザーバ電極31
12Dが活性化される;そして、リザーバ側面電極3114Dおよび3114DDが活性
化される。このようにして、一定量の流体(図示せず)が、分配電極3110の分配末端
に引かれ得る。分配電極3110の分配末端は、通路電極3116のラインに最も近い端
である。
工程2では、区分けされたリザーバ電極3112A、3112B、および3112Cが
非活性化されたままである;リザーバ側面電極3114A、3114B、3114C、3
114AA、3114BB、および3114CCが非活性化されたままである;区分けさ
れたリザーバ電極3112Dが活性化されたままである;そして、リザーバ側面電極31
14Dおよび3114DDが活性化されたままである。加えて、ラインの初めの4つの通
路電極3116が活性化され、通路側面電極3118Aおよび3118Bの両方が活性化
される。さらに、ラインの5番目の通路電極3116が非活性化される。結果として、所
定体積の流体(図示せず)が、さらに通路電極3116のライン上に引かれ得る。
工程3では、全てのリザーバ側面電極3114が非活性化される;区分けされたリザー
バ電極3112Dを除いて、全ての区分けされたリザーバ電極3112が、非活性化され
る;そして、通路側面電極3118Aおよび3118Bも非活性化される。区分けされた
リザーバ電極3112Dおよび5つの通路電極3116のうち初めの4つのみが活性化さ
れたままである。これにより、4つの通路電極3116のラインに沿って、所定体積の流
体が、分配電極3110の区分けされたリザーバ電極3112Dに集中する。
工程4では、区分けされたリザーバ電極3112Aおよび3112Bが非活性化される
;リザーバ側面電極3114A、3114B、3114AA、および3114BBが非活
性化される;区分けされたリザーバ電極3112Cおよび3112Dが活性化される;そ
して、側面電極3114C、3114D、3114CC、および3114DDが活性化さ
れる。加えて、通路側面電極3118Aおよび3118Bが、非活性化される。ラインの
1番目、2番目、および4番目の通路電極3116は活性化されたままである。さらに、
ラインの3番目の通路電極3116が非活性化されるのに対し、ラインの1番目、2番目
、および4番目の通路電極3116は活性化されたままである。中間通路電極3116の
2つが電源オフになり、1倍液滴(図示せず)が例えば、4番目の通路電極3116頂部
に残されるため、結果として液滴分割操作が起こる。
図33は、図31の電極配列3100の他の実施形態の平面図および1倍液滴を分配す
るための他のリザーバ分配シークエンスを表している。電極配列3100のこの実施形態
では、示したように、通路側面電極3118Aおよび3118Bの大きさと、分配電極3
110の区分けされたリザーバ電極3112Dに関連した通路電極3116の位置が、若
干変更されている。より詳細には、通路電極3116に関連した通路側面電極3118A
および3118Bのずれが、液体が隣接する電極に進行するのを補助する。すなわち、1
倍液滴を分配するためのリザーバ分配シークエンスの他の例は、これらに限定されないが
、以下の工程を含んでいてもよい。
工程1では、区分けされたリザーバ電極3112Aおよび3112Bが非活性化される
;リザーバ側面電極3114A、3114B、3114AA、および3114BBが非活
性化される;区分けされたリザーバ電極3112C、3112Dが活性化される;そして
、側面電極3114C、3114D、3114CC、および3114DDが活性化される
。加えて、通路側面電極3118Aおよび3118Bが非活性化される。さらに、通路電
極3116が非活性化される。このようにして、一定量の流体(図示せず)が、分配電極
3110の分配末端に引かれ得て、分配電極3110の分配末端は、通路電極3116の
ラインに最も近い端である。
工程2では、区分けされたリザーバ電極3112A、3112B、および3112Cが
非活性化される;リザーバ側面電極3114A、3114B、3114C、3114AA
、3114BB、および3114CCが非活性化される;区分けされたリザーバ電極31
12Dが活性化されたままである;そして、リザーバ側面電極3114Dおよび3114
DDが活性化されたままである。加えて、ラインの初めの2つの通路電極3116が活性
化され、通路側面電極3118Aおよび3118Bの両方が活性化される。結果として、
所定体積の流体(図示せず)が、さらに通路電極3116のライン上に引かれ得る。
工程3では、区分けされたリザーバ電極3112A、3112B、および3112Cが
非活性化されたままである;リザーバ側面電極3114A、3114B、3114C、3
114AA、3114BB、および3114CCが非活性化されたままである;そして、
区分けされたリザーバ電極3112Dが活性化されたままである。リザーバ側面電極31
14Dおよび3114DDが今度は非活性化される。加えて、今度はラインの初めの3つ
の通路電極3116が活性化される。これにより、流体(図示せず)が、通路電極311
6のラインに集中し、同様に、分配電極3110の区分けされたリザーバ電極3112D
上ならびにリザーバ側面電極3114Dおよび3114DD上にも集中する。
工程4では、全てのリザーバ側面電極3114が非活性化される;区分けされたリザー
バ電極3112Dを除いて、全ての区分けされたリザーバ電極3112が、非活性化され
る;そして、通路側面電極3118Aおよび3118Bも非活性化される。区分けされた
リザーバ電極3112Dおよび初めの3つの通路電極3116が活性化されたままである
。これにより、所定体積の流体が、初めの3つの通路電極3116に沿って、分配電極3
110の区分けされたリザーバ電極3112Dに集中する。
工程5では、区分けされたリザーバ電極3112Aおよび3112Bが非活性化される
;リザーバ側面電極3114A、3114B、3114AA、および3114BBが非活
性化される;区分けされたリザーバ電極3112Cおよび3112Dが活性化される;そ
して、側面電極3114C、3114D、3114CC、および3114DDが活性化さ
れる。加えて、通路側面電極3118Aおよび3118Bが非活性化されたままである。
さらに、通路電極3116のラインの2番目の通路電極3116が非活性化されるのに対
し、1番目および3番目の通路電極3116は活性化されたままである。中間通路電極3
116の1つが電源オフになり、1倍液滴(図示せず)が例えば、3番目の通路電極31
16頂部に残されるため、結果として液滴分割操作が起こる。
図34A〜34Eは、液滴アクチュエーターの電極配列3400の一部の一例の平面図
を表し、液滴アクチュエーターでの対立遺伝子識別のためのPCR増幅およびHRM分析
を一体化する方法を示している。図34A〜34Eの本発明の方法は、増幅およびHRM
分析手順の一例であり、ここでターゲットアンプリコンは、LCGreen等の飽和二本鎖核酸
挿入染料を用いたPCR増幅の間、蛍光標識されてもよい。挿入染料は、二本鎖核酸に特
異的に結合する。挿入染料が二本鎖核酸に結合すると、蛍光シグナルが作られる。HRM
分析の間、二本鎖核酸が加熱され、核酸の二本鎖が溶離し、二本鎖核酸の存在が減少し、
その結果として蛍光シグナルが少なくなる。蛍光の減少速度は、通常、PCR生成物の溶
融温度(Tm)近くで最大である。溶融温度は、GC−含有量(TmはGCリッチなPC
R生成物でより高い)、長さ、およびシークエンス含有量を含むPCR生成物特性の関数
である。データは、取得し、相対的な蛍光対温度、および/または、派生溶融ピークを示
す溶融曲線としてプロットしてもよい。
電極配列3400は、PCR増幅とHRM分析用に構成された液滴操作電極3410の
配列を含んでいてもよい。液滴操作は、液滴操作表面上の液滴操作電極3410頂部で行
われる。温度制御ゾーン3412aおよび3412b等の2つの温度制御ゾーン3412
は、電極配列3400と関連してもよい。温度制御素子(図示せず)は、温度制御ゾーン
3412aおよび3412b周辺の充填流体(図示せず)の温度を制御する。例えば、温
度制御ゾーン3412aは、約95℃まで加熱されてもよく、当該温度は、二本鎖核酸の
変性に十分な温度である。温度制御ゾーン3412bは、例えば、約55℃まで加熱され
てもよく、当該温度は、プライマーアニーリングと延長に十分な温度である。
一例では、温度制御ゾーン3412aおよび3412bは、PCR熱サイクルのために
用いられてもよい。他の例では、温度制御ゾーン3412bの熱条件は、HRM分析用の
溶融曲線の取得のために調整されてもよい。2つの温度制御ゾーン3412を示したが、
任意の数の温度制御ゾーン3412が、電極配列3410と関連してもよい。検出スポッ
ト3414は、温度制御ゾーン3412b内の液滴操作電極3410Dに近接して配置さ
れてもよい。
PCR増幅およびHRM分析の一般的な方法の一例は、これらに限定されないが、以下
の工程を含んでいてもよい。
一の工程では、図34Aは、温度制御ゾーン3412a内の所定の液滴操作電極341
0に位置しているサンプル液滴3416を示している。サンプル液滴3416は、例えば
、増幅のための核酸テンプレート(核酸ターゲット)を含んでいてもよい。一例では、核
酸テンプレートは、特定遺伝子用の目的変異領域を含んでいてもよい。サンプル液滴34
16が温度制御ゾーン3412a内にあるため、核酸テンプレートは変性(一本鎖)され
る。
他の工程では、図34Bおよび34Cは、保温方法を示し、当該方法で、試薬液滴34
18が、液滴操作を用いて温度制御ゾーン3412a内のサンプル液滴3416と混合さ
れ、反応液滴3420を生成する。試薬液滴3418は、ターゲット増幅用のプライマー
およびPCR試薬(例えば、dNTPs、バッファー、DNAポリメラーゼ)を含んでい
てもよい。試薬液滴3418は、LCGreen等の蛍光飽和DNA挿入染料を含んでいてもよ
い。反応液滴3420は、液滴操作を用いて温度制御ゾーン3412b内の特定の液滴操
作電極3410に輸送される。反応液滴3420は、温度制御ゾーン3412bで、プラ
イマーアニーリング/延長および蛍光挿入染料の組み込みに十分な期間保温される。反応
液滴3420は、ターゲット核酸のPCR増幅のために、温度反応ゾーン3412bおよ
び3412aの間を液滴操作を用いて任意の数のサイクルを前後して繰り返し輸送されて
もよい。
図34Cに関して、反応液滴3420は、液滴操作を用いて液滴操作電極3410Dに
輸送されてもよく、当該電極は、検出スポット3414の範囲内にある。検出スポット3
414に近接して配置された画像化装置(例えば、蛍光光度計、図示せず)を用いて、反
応液滴3420の蛍光の量を捕捉および定量化してもよい。増幅された核酸は、任意の数
の増幅サイクル後(すなわち、リアルタイムまたは完了点)に検出されてもよい。
図34Dは、PCR増幅の完了後に、液滴操作を用いて温度制御ゾーン3412a内の
特定の液滴操作電極3410に輸送された反応液滴3420を示している。この工程では
、反応液滴3420内の増幅された核酸の最終変性および冷却が行われ、対立遺伝子のよ
り正確な識別のための多数のヘテロ二本鎖を生成する。一例では、温度制御ゾーン341
2a内の温度を調整して、ヘテロ二本鎖の形成を高める、より高い加熱速度(例えば、0
.4℃/秒)および急速な冷却速度(例えば、約0.1℃/秒より大きく、約5℃/秒未
満)を提供してもよい。
図34Eは、液滴操作を用いて温度制御ゾーン3412b内の液滴操作電極3410D
に輸送された反応液滴3420を示し、当該電極は、検出スポット3414の範囲内にあ
る。この工程では、HRM分析が行われる。一例では、温度制御ゾーン3412b内の温
度は、傾斜速度0.2℃/秒で約50℃〜約95℃で調整されていてもよい。検出スポッ
ト3414に近接して配置された画像化装置(例えば、蛍光光度計、図示せず)を用いて
、温度の上昇に伴い反応液滴3420の蛍光の量を連続して捕捉および定量化する。
本発明は、液滴アクチュエーターでの脆弱X症候群の検出用の一体化されたPCR増幅
およびHRM分析方法を提供する。脆弱X症候群は、X染色体上の脆弱なX−精神遅滞1
(FMR1)遺伝子の5’−未翻訳領域での単一CGGトリヌクレオチド反復の延長と関
連している。この遺伝子でエンコードされたFMR1タンパク質は、正常な神経発達に要
求される。脆弱X突然変異がない人々の間で、CGG反復の数は、6〜約40まで異なる
。脆弱X突然変異は、増大したCGG反復の数を伴う。順列と呼ばれる約55〜約200
のCGG反復の増大が、影響を受けないキャリアで見られる。約40〜約55の反復は、
正常な大きさの範囲および順列の大きさの範囲が重なる「グレーゾーン」と考えられる。
完全順列と呼ばれる200反復を超える増大は、核酸のその領域の増大したメチル化に関
連し、当該メチル化はFMR1タンパク質の発現を効果的に抑制する。
一の実施形態では、本発明は、液滴系の一体化された、PCR増幅およびHRM検査の
ための方法を提供する。当該一体化されたHRM検査は、FRM1アンプリコン溶融点と
CGG反復ドメインの長さとが相互に関連する。核酸分子の溶融温度は、核酸分子の長さ
と、核酸分子の特定のヌクレオチドシークエンス構成(例えば、より高いTmは、より高
いGC含有量と関連する)との両方に依存する。一例では、PCRプライマーを選択して
、脆弱X症候群と関連することが示されたFMR1対立遺伝子のCGG反復ドメインの領
域を増幅してもよい。プライマー対(順方向のプライマーおよび逆方向のプライマー)を
選択して、多型CGG領域内での対立遺伝子の正確な識別のための十分な長さのアンプリ
コンを作製してもよい。PCR増幅およびHRM分析は、図1に関して記載したように行
われてもよい。
他の実施形態では、本発明は、液滴系の一体化された、PCR増幅およびHRM検査用
の方法を提供する。当該一体化されたHRM検査は、FRM1アンプリコン溶融点とFR
M1対立遺伝子のメチル化とが相互に関連する。メチル化固有溶融曲線分析による、高メ
チル化されたFMR1対立遺伝子の検出に基づく脆弱X症候群のための既存の検査は、液
滴アクチュエーターでの使用に適応されてもよい。一般的に、メチル化固有溶融曲線分
析は、PCR増幅の前に、分離された核酸の亜硫酸水素ナトリウム処理を用いる。亜硫酸
水素塩処理は、メチル化されていないシトシンをウラシルに変換するのに用いられるが、
メチル化されたシトシンは未変化のままである。続くPCR増幅の間、ウラシルは、次
いでチミンに変換されるのに対し、メチルシトシンは、シトシンとして増幅される。メチ
ルシトシンの異なる含有量を有する亜硫酸水素塩処理された核酸テンプレートから生成し
たPCR生成物は、溶融温度で違いを示し、その違いは、溶融分析で解決され得る。溶融
プロフィールを用いて、4つの異なるメチル化状態を区別してもよい:メチル化されてい
ない対立遺伝子は、単一の低い溶融ピークを生成し、完全メチル化対立遺伝子は、単一の
高い溶融ピークを生成し、メチル化されていない対立遺伝子と完全メチル化対立遺伝子と
の混合物は、低い溶融ピークと高い溶融ピークの両方を生成し、そして、不均一にメチル
化された対立遺伝子は、低い溶融ピークと高い溶融ピークの間に位置する幅広の溶融ピ
ークを生成する。
一例では、シリカ超常磁性応答ビーズ(SSBs)を用いた核酸メチル化の単一チュ
ーブ分析は、液滴アクチュエーター上での使用に適応されてもよい。メチル化固有溶融曲
線分析のためのデジタル微小流体手順の一例は、これに限定されないが、以下を含んでい
てもよい:核酸は、口腔内擦過物からの液滴アクチュエーターで、CHARGESWITCH(登録商
標)ビーズ等の超常磁性応答ビーズを用いて調製されてもよい。磁気応答性ビーズ上の精
製された核酸と共に磁気応答性ビーズを含むサンプル液滴は、液滴操作を用いて、分配さ
れ、温度制御ゾーンまで輸送され、精製された核酸は、例えば、42℃でのアルカリ処理
(NaOH)を用いて変性される。その中に変性された核酸を有するサンプル液滴は、液
滴操作を用いて亜硫酸水素塩試薬液滴と混合され、反応液滴を生成する。反応液滴は、例
えば、55℃で、メチル化されていないシトシンがウラシルに変換するのに十分な期間保
温される。亜硫酸水素塩変換の後、反応液滴は、液滴操作を用いて磁石のある所まで輸送
され、混合および分割洗浄手順を用いて洗浄されて、変換された核酸が精製される。精製
された核酸は、次いで、CHARGESWITCH(登録商標)ビーズから、10mMのトリスHCl、1mMの
EDTAを用いてpH7.4で溶離される。CHARGESWITCH(登録商標)ビーズを囲む液滴に含まれ
る溶離核酸は、次いで、液滴系の一体化されたPCR増幅およびHRM分析を行うために
、ビーズから離して輸送されてもよい。図1に関して記載したように、変換されたサンプ
ル液滴についてPCR増幅およびHRM分析が行われてもよい。PCR増幅のために、メ
チル化非感受性増幅用またはメチル化感受性増幅用のプライマーが選択されてもよい。
7.9 システム
ライブラリー構築カートリッジに関して、ユーザーは、カートリッジを再使用しようと
試みることがあり、または、24のサンプルが入手可能な場合、ユーザーは、いくつかの
サンプルを今実行し、残りのサンプルを後で実行しようとすることがある。このことは、
品質保証等の多くの理由から、望ましいことではない場合がある。一の実施形態では、P
CBで、またはカートリッジ内でヒューズが飛ぶことがある。ヒューズは、PCBにはん
だづけされた電子部品であったり、またはPCB上の配線(例えば、銅以外の材料で形成
された)かもしれない。ヒューズは、例えば、装置全体で物理的に好ましい頂部プレート
への通路に置かれてもよい。装置の物理的な無力化に代わる手段として、ヒューズは少し
のデータを保存するのに用いられることがある。この場合、制御者は、運転を進める前に
、ヒューズの状態を調べる。この場合、「ヒューズ」は、制御者に書かれたまたは読まれ
たその電気状態を有することがあり、例えば、静電容量の変化は、状態を表す開路/ショ
ートの代わりに用いられることがある。他の実施形態では、装置は、金属化されたブリス
ターパックであってもよく、または、他の使い捨ての特徴を有していてもよく、使用状態
またはカートリッジの耐久性を検出するのに用いられる電気的痕跡を生成し得る。この場
合、「書き込み」は、カートリッジの通常の使用を通じて作製され、装置は検出機能のみ
を実行する。他の実施形態では、複数のデータがカートリッジ内でエンコードされてもよ
い。例えば、カートリッジは、他のデータと同様に、カートリッジの使用状態をエンコー
ドするのに用いられEEPROMを含み得る。一の実施形態では、EEPROM認証シス
テムは、カートリッジの再使用を避けるように設計され、ユーザーの次善策としてのEE
PROMのクローン作製および置換にも抵抗する。使用状態以外の他の多くの種類のデー
タがEEPROMに含まれ得る。1つの特徴は、バーコードナンバーを含んでいてもよい
。カートリッジのバーコードステッカーは、バーコードリーダーで、研究所の自動システ
ムに対してカートリッジを同定するために用い得る。他の実施形態では、核酸用途につい
て追加の代替策は、再使用を防ぐためにカートリッジ内部表面を意図的に汚染することで
ある。例えば、最終工程として、高濃度の核酸を含む液滴を、以前に未使用の領域も含め
てカートリッジ全体を送ることができる。したがって、意図的にカートリッジ内部表面を
汚染し、再使用を防ぐ。1999年8月19日に出願された題名「Indicator Components
For Microfluidic Sytems」の米国特許第6,495,104号明細書の開示全体を参照して、カ
ートリッジが使用されたか否かを特定するために有用で好適な指示素子に関する教示が参
照により本明細書に援用される。
本発明の様々な態様が、方法、システム、コンピューターで読み取り可能な媒体、およ
び/またはコンピュータープログラム製品として実施されてもよいことが理解される。本
発明の態様は、ハードウェアの実施形態、ソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常
駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、または通常、本明細書で「回路」、「モジ
ュール」または「システム」として言及した全てのソフトウェアおよびハードウェアの態
様を組み合わせた実施形態を取り得る。さらに、本発明の方法は、コンピューターで使用
可能なストレージ媒体でのコンピュータープログラムプロダクトの形態を取ってもよく、
当該媒体は、当該媒体で実施されるコンピューターで使用可能なプログラムコードを有す
る。
本発明のソフトウェアの態様について、任意の好適なコンピューターで使用可能な媒体
が利用されてもよい。コンピューターで使用可能なまたはコンピューターで読み取り可能
な媒体は、例えば、これらに限定されないが、電気的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外
線の、もしくは半導体の、システム、機器、装置、または伝播媒質であってもよい。コン
ピューターで読み取り可能な媒体は、一時的および/または持続的実施形態を含んでいて
もよい。コンピューターで読み取り可能な媒体のより詳細な例(非包括的なリスト)は、
以下の一部または全部を含む:1つ以上の配線を有する電気的接続、ポータブルコンピュ
ーターディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオン
リーメモリー(ROM)、イレーザブル(消去可能)プログラマブルリードオンリーメモ
リー(EPROMまたはフラッシュメモリー)、光ファイバー、ポータブルコンパクトデ
ィスクリードオンリーメモリー(CD−ROM)、光学ストレージデバイス、インターネ
ットまたはイントラネットをサポートする伝送媒体等の伝送媒体、または磁気ストレージ
デバイス。プログラムが、例えば、紙または他の媒体の光学スキャンを経て電子的に保存
され、次いで蓄積され、読み取られ、または好適な手法で他に処理され、必要ならば、次
いでコンピューターのメモリーに保存されるので、コンピューターで使用可能なまたはコ
ンピューターで読み取り可能な媒体は、紙またはプログラムが印刷された他の好適な媒体
であってもよい。本文書の文脈では、コンピューターで使用可能なまたはコンピューター
で読み取り可能な媒体は、指示実行システム、機器、もしくは装置により、または、指示
実行システム、機器、もしくは装置に関連して、使用プログラムを含み、保存し、通信し
、伝搬し、または伝送し得るいずれの媒体であってもよい。
本発明の操作を実行するためのプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++等のオブジ
ェクト指向プログラム言語で書かれていてもよい。しかしながら、本発明の操作を実行す
るためのプログラムコードは、「C」プログラム言語または同様のプログラム言語等の従
来の手続のプログラム言語で書かれていてもよい。プログラムコードは、プロセッサー、
特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプログラムコードを実行する他の構成で実行
されてもよい。プログラムコードは、メモリー(上述したコンピューターで読み取り可能
な媒体等)に保存されるソフトウェアアプリケーションと単に呼ばれるものであってもよ
い。プログラムコードは、プロセッサー(または他のプロセッサー制御装置)にグラフィ
カルユーザーインターフェース(「GUI」)を生成させてもよい。グラフィカルユーザ
ーインターフェースは、ディスプレイ装置に視覚的に生成されてもよく、さらにグラフィ
カルユーザーインターフェースは、可聴式特徴を有していてもよい。しかしながら、プロ
グラムコードは、コンピューター、サーバー、携帯情報端末、電話、テレビ、またはプロ
セッサーおよび/またはデジタル信号プロセッサーを利用するいずれのプロセッサー制御
装置等のいずれのプロセッサー制御装置内で操作してもよい。
プログラムコードは、局所的または遠隔的に実行されてもよい。プログラムコードは、
例えば、全体または一部がプロセッサー制御装置のローカルメモリーに保存されてもよい
。しかしながら、プログラムコードは、少なくとも部分的に、プロセッサー制御装置に、
遠隔的に、保存され、アクセスされ、およびダウンロードされてもよい。ユーザーのコン
ピューターは、例えば、プログラムコードを全て実行してもよいし、またはプログラムコ
ードを一部のみ実行してもよい。プログラムコードは、少なくとも一部がユーザーのコン
ピューターにあるスタンドアローンソフトウェアパッケージであってもよく、および/ま
たは、リモートコンピューターで部分的に実行されてもよいし、またはリモートコンピュ
ーターもしくはサーバーで全て実行されてもよい。後者の状況では、リモートコンピュー
ターは、ユーザーのコンピューターにコミュニケーションネットワークを通じて接続され
ていてもよい。
本発明は、ネットワーク環境に関わらず適用してもよい。コミュニケーションネットワ
ークは、無線周波数ドメインおよび/またはインターネットプロトコル(IP)ドメイン
のケーブルネットワーク操作であってもよい。しかしながら、コミュニケーションネット
ワークは、インターネット(時々、代替的に「ワールドワイドウェブ」として知られてい
る)、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、および/または広域ネ
ットワーク(WAN)等の分散コンピューティングネットワークを含んでいてもよい。コ
ミュニケーションネットワークは、同軸ケーブル、銅線、光ファイバー線、および/また
はハイブリッド同軸線を含んでいてもよい。コミュニケーションネットワークは、電磁気
スペクトルのいずれかの部分およびシグナリング標準(標準のIEEE802ファミリー、G
SM/CDMA/TDMAまたはセルラー方式標準、および/またはISM帯等)のいずれかを利用す
る無線部分を含んでいてもよい。コミュニケーションネットワークは、電力線部分を含ん
でいてもよく、そこで信号は電気配線を通じて伝えられる。本発明は、物理的構成部品、
物理的構成、またはfunctionコミュニケーション標準に関わらず、いずれの無線/有線コ
ミュニケーションネットワークに適用してもよい。
本発明のいくつかの態様は、様々な方法および方法の工程を参照して記載されている。
各方法の工程が、プログラムコードにより、および/または機械命令により実施され得る
ことが理解される。プログラムコードおよび/または機械命令は、方法に固有の機能/動
作を実施するための手段を作り出してもよい。
プログラムコードは、コンピューターで読み取り可能なメモリーに保存されてもよく、
当該メモリーは、コンピューターで読み取り可能なメモリーに保存されたプログラムコー
ドが、様々な方法の工程の態様を実施する指示手段を含む製品を作成または変換するよう
に、プロセッサー、コンピューター、または他のプログラム可能なデータを処理する機器
を特定の方法で機能するように指示することができる。
プログラムコードは、コンピューターまたは他のプログラム可能なデータを処理する機
器に搭載され、プログラムコードが本発明の方法で規定された様々な機能/動作を実施す
るための工程を提供するように、プロセッサー/コンピューターが実施する処理を生成す
るように行われる一連の操作工程を引き起こしてもよい。
8 結び
実施形態のこれまでの詳細な説明は、添付の図面を参照し、当該図面は、本発明の特定
の実施形態を表し、説明のためのみのものである。本発明の範囲から逸脱しない異なる構
造および操作を有する他の実施形態は、本記載の観点から当業者に容易に理解される。用
語「発明」等は、本明細書で説明した出願人の発明の多くの代替の態様または実施形態の
いくつかの特定の例を参照して用いられ、その使用または欠如が出願人の発明の範囲また
はクレームの範囲を限定する意図ではない。本明細書は、読者の便宜のためのみにセクシ
ョンに分割されている。見出しは、発明の範囲を限定するものとして解釈すべきでない。
定義は本発明の記載の一部として意図されている。本発明の範囲を逸脱することなく本発
明の様々な詳細を変更してもよいことが理解される。

Claims (22)

  1. (a)液滴アクチュエーターを準備する工程であり、
    液滴アクチュエーターが、
    (i)液滴操作間隙を形成するように構成されている1以上の基板、及び
    (ii)1以上の基板の少なくとも1つと結合し、液滴操作間隙で液滴操作を実行するために構成される、電気濡れ電極(electrowetting electrode)の配列を含み、
    液滴操作間隙間が、オイルを含む、工程;
    (b)DNAサンプルの処理のために、トランスポザーゼ液滴及びDNAサンプル液滴を、オイルと接触した液滴操作間隙中に分配する工程;
    (c)トランスポザーゼ及びトランスポゾン末端を含む前記トランスポザーゼ液滴を、オイルと接触した前記DNAサンプル液滴と混合して、標識DNA断片を含む結合液滴を生成する工程;
    (d)標識DNA断片のPCR増幅を実行する工程;
    (e)標識DNA断片を精製する工程;
    (f)精製標識DNA断片を、サンプル回収出力を介して除去する工程;及び
    (g)精製標識DNA断片をシークエンサー上で配列決定する工程;
    を含む、核酸ライブラリーの作製方法。
  2. 標識DNA断片を精製する工程が、
    (a)標識DNA断片を含む液滴を、標識DNA断片を捕捉するためのビーズを含むビーズ液滴と混合する工程;
    (b)洗浄バッファー液滴を用いる液滴系洗浄手順によりビーズを洗浄し、標識DNA断片を含む洗浄されたビーズを含む液滴を生成する工程;
    (c)洗浄されたビーズを含む液滴を溶離バッファー液滴と混合して、溶離された標識DNA断片を含む溶離液滴を生成する工程;及び
    (d)標識DNA断片をビーズから分離して、オイル中に精製標識DNA断片を含む液滴を生成する工程;
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 液滴系洗浄手順が、液滴系混合および分割洗浄手順を含む、請求項2に記載の方法。
  4. トランスポザーゼの断片が、DNAサンプルを標識化して、標識DNA断片を生産する、請求項1に記載の方法。
  5. トランスポゾン末端が、配列決定プライマー部位に付加される、請求項1に記載の方法。
  6. サンプル回収出力が、出力回収リザーバを含む、請求項1に記載の方法。
  7. サンプル回収出力での回収前に、液滴アクチュエーターにおいて、液滴操作を用いて、1以上の異なる核酸ライブラリーを有する前記精製標識DNA断片を貯蔵する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  8. DNAサンプルの処理の前に、各サンプルの入力DNAの濃度を決定するために、DNAサンプルの定量手順を更に実行する、請求項1に記載の方法。
  9. 標識DNA断片のPCR増幅を実行する工程が、バーコードを付加するプライマーを用いることを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 標識DNA断片のPCR増幅を実行する工程が、プラットフォーム固有オリゴヌクレオチドアダプターを付加するプライマーを用いることを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 標識DNA断片のPCR増幅を実行する工程が、バーコード及びプラットフォーム固有オリゴヌクレオチドアダプターを付加するプライマーを用いることを含む、請求項1に記載の方法。
  12. トランスポザーゼが、Tn5の活動亢進誘導体を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 標識DNA断片の5’末端が、トランスポゾンシークエンスで標識される、請求項1に記載の方法。
  14. 標識DNA断片が、4つのプライマー反応と共に抑制PCRを用いて、オリゴヌクレオチドアダプターとも標識される、請求項1に記載の方法。
  15. オリゴヌクレオチドアダプターが、トランスポゾンシークエンスから上流である、請求項14に記載の方法。
  16. バーコードが、標識DNA断片に、アダプターとトランスポゾンとの間に付加される、請求項14に記載の方法。
  17. 標識DNA断片が、更に、洗浄手順を用いて精製され、組み込まれなかったアダプター及びバーコードが除去され、それにより、濃縮された2標識DNAライブラリーを製造する、請求項16に記載の方法。
  18. 洗浄手順が、ビーズ系洗浄手順を含む、請求項17に記載の方法。
  19. オリゴヌクレオチドアダプターが、フローセルブリッジPCRプライマー(bPCR)シークエンスを含む、請求項14に記載の方法。
  20. オリゴヌクレオチドアダプターが、付加した配列決定プライマー部位を更に含む、請求項14に記載の方法。
  21. 分配工程及び混合工程が、液滴操作を用いて実行される、請求項1に記載の方法。
  22. 液滴操作が、電気濡れ電極(electrowetting electrode)によって実行される、請求項21に記載の方法。
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