JP6203024B2 - 洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法 - Google Patents

洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法に係り、特に原子力発電所の洗濯設備に関連し、洗濯廃液処理装置の腐食抑制や放射性核種の高濃縮を抑制するため、洗濯廃液中の塩化物イオンや放射性核種などの不純物成分を高い効率で除去できる洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法に関する。
原子力発電所においては、管理区域で着用された作業用衣類等は洗濯設備で洗濯され、洗濯廃液の放射性核種濃度等を測定して十分に濃度が低いことを確認した後に、環境へ放出するか、または回収して再使用されている。洗濯廃液の性状は、洗濯方法にもよるが、現在は一般家庭で実施されているように、洗濯用洗剤を用いた水洗による洗濯が一般的である。
上記洗濯廃液を環境へ放出するか、あるいは回収して再使用する場合、前述の放射性核種濃度の他、pH、懸濁固形分濃度(SS濃度)、有機物濃度の指標である化学的酸素要求量(COD:Chemical Oxygen Demand)を放出あるいは回収基準値以下にする必要がある。また、洗濯廃液のpHに関しても一定の範囲内に制御調整する必要がある。
このために原子力発電所内には洗濯設備が装備されており、この洗濯設備は作業用衣類を洗濯する洗濯機と洗濯廃液処理装置とから構成されている。洗濯廃液処理装置は、主として廃液中に存在する放射性核種、懸濁固形分(SS分)およびCODを除去あるいは濃縮することを目的として設置されている。
洗濯廃液中に存在する放射性核種はクラッドと呼ばれる固形分に随伴しているものが大部分で、フィルタ(ろ過器)でろ過処理を実施することにより大部分を取り除くことができる。同様に、SS分についても、ろ過処理で除去することが可能である。一方、COD成分は洗剤として投入された界面活性剤を主体とし、その他、作業用衣類についた油脂類や人体からの皮脂成分などが含有される。
これらのCOD成分を除去するために、従来から種々の廃液処理装置および廃液処理方法が開発されてきた。COD成分は有機物であるため、活性炭に吸着して除去する方法(例えば特許文献1参照)や、過酸化水素などの酸化剤を添加してCOD成分を分解する方法(例えば特許文献2参照)、および低発泡性洗剤を使用することで洗濯廃液そのものを蒸発濃縮する方法などが開発されてきた。
本発明は、処理水を回収・再使用する場合に用いられている低発泡洗剤を用いた蒸発濃縮処理において、蒸発濃縮器の腐食抑制が可能であり、しかも濃縮液が過度の放射性核種濃度になることを抑制できる洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法を提供するものである。
特開平06−331792号公報 特開平07−027898号公報
蒸発濃縮処理は、放射性核種、SS分およびCODを含む洗濯廃液を蒸発濃縮器で濃縮するもので、全ての成分が液中に濃縮できるという優れた処理方法である。一方、被洗濯物である下着や靴下、手袋などは肌に直接触れているため、これらを洗濯することにより、人体から放出された汗成分も濃縮することになる。汗成分のうち塩化物イオン(Cl)(NaClとして排出)は蒸発濃縮器を腐食させるため、濃度上限値が定められている。通常は、濃縮液の塩化物イオン濃度が5,000ppmになった時点で蒸発濃縮器から濃縮液が排出される。特に、発汗が多い夏場では洗濯廃液の塩化物イオン濃度が高くなり、十分に濃縮できないまま濃縮液の排出が行われており、廃棄物の増大に繋がるという第一の課題があった。
また、被洗濯物のうち、作業衣の最も外側は放射性物質との接触により汚染する場合があり、放射性核種が洗濯廃液に混入する場合がある。混入した放射性核種は蒸発濃縮器で濃縮され、排出される濃縮液の放射性核種濃度が過度に高くなる恐れがあるという第二の課題も生起されている。
さらに、蒸発濃縮後の回収水は不純物を含まないため再使用可能であるが、頻繁に洗濯を繰返す場合は良いが、洗濯の間隔が長い場合には溜め置いた回収水が腐敗する場合があるという第三の課題も提起されている。これは、蒸発濃縮後の回収水(蒸留水、復水)には、水道水のように消毒成分が含まれていないために、空気中の菌類が混入して繁殖するためである。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、蒸発濃縮処理前に予め塩化物イオンや放射性核種を除去して洗濯廃液の十分な濃縮処理(高濃縮度処理)を可能とする洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る洗濯廃液処理装置は、原子力施設の管理区域で使用された作業用衣類を含む被洗濯物を、水のみを使用して洗浄する水洗浄工程と被洗濯物を水と洗剤とを使用して洗濯する洗濯工程とを実施する洗濯設備と、洗濯設備から排出された洗濯廃液の水分を蒸発させて濃縮する蒸発濃縮器と、蒸発濃縮器から蒸発し凝縮された復水中に含まれる不純物イオンを除去する第1脱塩塔と、洗濯設備の洗浄工程から排出された洗浄水の少なくとも一部を分取し、その洗浄水中に含有される塩化物イオンおよび界面活性剤を除去する活性炭吸着塔および第2脱塩塔と、分取した洗浄水中に含有される放射性核種を除去する放射性核種吸着塔と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る洗濯廃液処理方法は、原子力施設の管理区域で使用された作業用衣類を含む被洗濯物を、水のみを使用して洗浄する水洗浄工程と、被洗濯物を水と洗剤とを使用して洗濯する洗濯工程と、洗濯設備から排出された洗濯廃液の水分を蒸発させて濃縮する蒸発濃縮工程と、蒸発濃縮工程から蒸発し凝縮された復水中に含まれる不純物イオンを除去する第1脱塩処理工程と、上記洗浄工程から排出された洗浄水の少なくとも一部を分取し、その洗浄水中に含有される塩化物イオンおよび界面活性剤を除去する活性炭吸着処理工程および第2脱塩処理工程と、分取した洗浄水中に含有される放射性核種を除去する放射性核種吸着処理工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る洗濯廃液処理装置および洗濯廃液処理方法によれば、放射性物質および作業員の発汗等で汚染された被洗濯物を、水のみを使用して洗浄する洗浄工程から排出された洗浄水の少なくとも一部を分取し、その洗浄水中に含有される塩化物イオンおよび界面活性剤、および放射性核種が蒸発濃縮処理前に予め除去されているために、蒸発濃縮器に対する腐食負荷が少なく、しかも洗濯廃液の十分な濃縮処理(高濃縮度処理)が可能となるという優れた作用効果が発揮される。
従来の洗濯廃液処理装置の構成を示す系統図。 本発明に係る洗濯廃液処理装置の一実施例の構成を示す系統図。 被洗濯物が作業員の下着である場合において、洗浄廃水(すすぎ水)および洗濯廃液の塩化物イオン濃度を示すグラフ。 洗浄水(すすぎ水)の活性炭吸着塔出口および第2脱塩塔出口における塩化物イオン濃度およびCOD(化学的酸素要求量)を示すグラフ。 洗濯設備(洗濯機)の運転モードを示す説明図。 洗濯廃液処理装置において、塩化物イオンを含むすすぎ水の排出工程を示す系統図。 洗濯廃液処理装置において、洗濯設備からの洗濯廃液の排出工程を示す系統図。 洗濯廃液処理装置において、洗浄水(すすぎ水)に塩化物イオンを含む場合の移送処理ルートを示す系統図。 洗濯廃液処理装置において、洗浄水(すすぎ水)に塩化物イオンおよび放射性核種の両者を含む場合の移送処理ルートを示す系統図。 洗濯廃液処理装置において、洗浄水(すすぎ水)に塩化物イオンも放射性核種も含まない場合の移送処理ルートを示す系統図。 洗濯廃液処理装置において、洗濯廃液の濃縮処理工程を示す系統図。 洗濯廃液処理装置において、回収水を洗濯水としての再使用する場合の移送処理ルートを示す系統図。 、洗浄水(すすぎ水)からの塩化物イオンの除去の有無と濃縮液排出のインターバルとの関係を示すグラフ。 洗濯廃液処理装置において、第2脱塩塔として逆浸透膜装置を利用した場合の装置構成を示す系統図。 洗濯廃液処理装置において、第2脱塩塔として電解装置を利用した場合の装置構成を示す系統図。 電解装置の構造および処理液中で起こる反応を示す断面図。 洗濯廃液処理装置において、洗浄水(すすぎ水)中の塩化物イオン濃度および放射性核種濃度を測定する測定装置をすすぎ水受タンクに設置した場合の装置構成を示す系統図。
以下、本発明に係る洗濯廃液処理装置およびその処理方法の実施例について、添付図面を参照して説明する。
まず本発明装置と従来装置とにおける差異を明確にするために、最初に図1を参照して従来装置について説明する。原子力発電所のような原子力施設において、使用済みの作業衣や下着、手袋、靴下などは種類別に収集され、同類のものを計量後、洗濯設備(洗濯機)2に投入される。この後、予め設定されたプログラム通りに水および蒸発濃縮用の低発泡性洗剤1が洗濯機に投入され洗濯が実施される。
上記洗濯の結果、排出される洗濯廃液は洗濯廃液配管3を経て、洗濯廃液収集タンク4に集められる。続いて、洗濯廃液は廃液ポンプ5によって蒸発濃縮器6に供給されて過熱器7で加温されて濃縮される。この濃縮された濃縮液8は蒸発濃縮器6から系外に排出される。そして、蒸発濃縮器6で発生した蒸発蒸気はデミスタ9を通過する際に、気相中に飛沫同伴された液体の粒子が捕捉される。このデミスタ9を通過した後、復水器10で水に戻されて蒸留水受タンク11に収集される。
復水器10で凝縮した水は、しかる後に、蒸留水ポンプ12を経て、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが混合された状態で充填された脱塩塔13に通水されて不純物が除去された後に、回収水タンク14に貯留される。貯留された回収水は、回収水ポンプ15で移送され、回収水配管16を通り再度洗濯機2で使用される。
特に作業者の下着に付着している塩化物イオンは洗濯廃液3にほぼ全量が移行して濃縮処理されるため、特に夏場など発汗の多い季節では蒸発濃縮器での濃縮液中の塩化物イオン濃度の増加が大きく、濃度上限値(Cl:5,000mg/L)に達する時間が短くなるという問題があった。
(実施例1)
上記課題を解決するために、本発明の一実施例に係る洗濯廃液処理装置は、図2に示すように、原子力施設の管理区域で使用された作業用衣類を含む被洗濯物を、水のみを使用して洗浄する水洗浄工程と、被洗濯物を水と洗剤1とを使用して洗濯する洗濯工程とを実施する洗濯設備2と、洗濯設備2から排出された洗濯廃液の水分を蒸発させて濃縮する蒸発濃縮器6と、蒸発濃縮器6から蒸発し凝縮された復水中に含まれる不純物イオンを除去する第1脱塩塔13と、洗濯設備2の洗浄工程から排出された洗浄水の少なくとも一部を分取し、その洗浄水中に含有される塩化物イオンおよび界面活性剤を除去する活性炭吸着塔20および第2脱塩塔21と、分取した洗浄水中に含有される放射性核種を除去する放射性核種吸着塔22と、を備えて構成される。
また、前記水洗浄工程から排出された洗浄水(すすぎ水)に含有され、蒸発濃縮器の腐食に影響する塩化物イオンと被洗濯物から溶出する界面活性剤成分との両者を除去するため、前記活性炭吸着塔20と前記第2脱塩塔21とを直列に配置して洗浄水を処理し、これらに通水した後の処理水を、水洗浄工程に続く洗濯工程から排出された洗濯廃液と合体して蒸発濃縮器6にて処理するように構成される。
さらに、前記水洗浄工程から排出された洗浄水が塩化物イオン、界面活性剤に加えて放射性物質を含有する場合には、前記活性炭吸着塔20および前記第2脱塩塔21に通水した処理液をさらに放射性核種吸着塔22に通水し、通水後の処理液を続いて洗濯工程から排出された洗濯廃液と合体して蒸発濃縮器6にて濃縮処理を実行するように構成しても良い。
図2に示す実施例1の処理装置と図1に示す従来の処理装置との相違点を以下に説明する。すなわち、従来装置との大きな相違点は、洗濯設備での洗濯モードの最初に水洗浄によるすすぎ工程を入れて、この時排出される洗浄水(すすぎ水)を受け入れるために、すすぎ水受タンク18を配備したことである。さらに、すすぎ水受タンク18に収集された廃液(すすぎ水)中に含まれる塩化物イオンを除去するために活性炭吸着塔20と第2脱塩塔21とを配備した。また、すすぎ水に含まれる放射性核種を除去するために放射性核種吸着塔22を備えている。
作業員が着用していた使用済みの下着を対象として、最初に水のみによるすすぎ洗浄工程で排出された廃液(すすぎ水)の塩化物イオン濃度と、水すすぎ洗浄後に洗剤を投入して洗濯した結果として排出された洗濯廃液の塩化物イオン濃度とを測定すると図3に示す結果となった。
すなわち、すすぎ水中に含まれる塩化物濃度は90〜100ppmであり、洗濯廃液に含まれる塩化物イオン濃度は5〜10ppmであるように、すすぎ水に含まれる塩化物濃度が高く、すすぎ水の塩化物イオンを除去すれば、蒸発濃縮器6へ供給した場合の塩化物イオン負荷が低減できる。
すすぎ水中に含まれる塩化物イオンの除去方法としては、硝酸銀を添加して難溶性の塩化銀沈殿を生成させて濾過操作によって沈殿物を回収する方法やビスマス系の無機イオン吸着剤で除去する方法などが考えられるが、前者の方法は試薬の価格が高くコスト的に適用が難しい問題がある。後者の吸着剤で除去する場合も吸着剤が微粉末であることから、フィルタで回収することが困難である。
最も一般的な方法として、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との両者を混合して充填した第2脱塩塔21が有効である。イオン交換樹脂は、塩化物イオンの吸着除去に対して性能面およびコスト面でも問題は少ない。第2脱塩塔21の前段に活性炭吸着塔20を装備した理由の一つは、すすぎ水中に含まれる微量のSS分(懸濁固形分)を除去するためであり、他の理由は、すすぎ水中に含まれる微量の界面活性剤を吸着除去するためである。被洗濯物は着用と洗濯とを繰返すため、洗剤成分の一部が作業衣などに残留し、水洗浄を実施すると洗剤成分がすすぎ水に溶出するので、この洗剤成分を除去するためである。
ここで、塩化物イオンは強塩基性陰イオン交換樹脂で吸着除去される。しかしながら、強塩基性陰イオン交換樹脂は界面活性剤などの有機物も吸着し易い性質があるために、塩化物イオンの除去性が阻害されることを防止する目的で活性炭により予め界面活性剤などの有機物を吸着除去することが好ましい。
図4はすすぎ水に含まれる塩化物イオン濃度およびCOD(化学的酸素要求量)を、活性炭吸着塔出口および第2脱塩塔出口において測定した結果を示すグラフである。CODは活性炭吸着塔にて効果的に除去できる。一方、塩化物イオンは、活性炭吸着塔での除去効果は少ないが、第2脱塩塔において効果的に除去できることが明白である。
以下に図5〜図12を参照して、一連の洗濯廃水処理工程を説明する。図5は洗濯設備(洗濯機)2の洗濯工程の概略フローを示したものであり、第一に予め計量された作業衣などの被洗濯物が洗濯機に投入される。続いて水注入と洗濯ドラムの回転による水洗浄工程が予め設定された時間だけ実施される。
この後、被洗濯物は遠心脱水される一方、すすぎ水は図6に示すすすぎ水配管17を経由してすすぎ水受タンク18に排出される。水によるすすぎ工程が終了したならば、図5に示すように、洗濯設備2に洗剤1が注入され、汚れを落とすための洗濯が実行される。洗濯工程にも「すすぎ−遠心脱水工程」などがあり、これらの洗濯廃液は図7に示す洗濯廃液配管3を経由して洗濯廃液収集タンク4に排出される。これらの水洗浄および洗剤1による洗濯を終了した後に、洗濯物は洗濯設備2から取り出され乾燥機で乾燥される。
すすぎ水受タンク18に収集された廃液(すすぎ水)は、衣類の種類、季節により塩化物イオンや放射性核種の濃度に高低差が出現するため、引き続き処理すべき工程が異なってくる。例えば、作業者の下着などのように、汗を吸収した衣類を洗濯した場合のように、すすぎ水の塩化物イオン濃度が高い一方で、放射性物質に汚染されていない場合は、図8に示すように、活性炭吸着塔20と第2脱塩塔21とを通水させて塩化物イオンを除去した後に、放射性核種吸着塔22をバイパスさせて洗濯廃液収集タンク4に移送する。
また、廃液(すすぎ水)中の塩化物イオン濃度と放射性核種濃度とが双方とも高い場合には、図9に示すように、活性炭吸着塔20および第2脱塩塔21を通し、さらに放射性核種吸着塔22に通水した後、洗濯廃液収集タンク4に移送する。
ここで上記放射性核種吸着塔22に充填する吸着剤としては、ゼオライトやバーミキュライトのような無機イオン吸着体やフェロシアン化物のような合成吸着体などが選定できる。
すすぎ水が塩化物イオンや放射性物質を含有しないことが明白な場合は、図10に示すように活性炭吸着塔20、第2脱塩塔21および放射性核種吸着塔22を通さずに直接、洗濯廃液収集タンク4に移送する。
洗濯廃液収集タンク4に収集された洗濯廃液および処理済みすすぎ水は、図11に示すように、廃液ポンプ5によって蒸発濃縮器6へ供給されて濃縮処理され、蒸気はデミスタ9を通り、復水器10で水に戻されて蒸留水受タンク11で収集される。
蒸留水受タンク11に収集された蒸留水はアンモニアなどの揮発成分を除去するために、第1脱塩塔13で処理した後、回収水タンク14に回収される。回収水タンク14に回収された回収水は、図12に示すように、回収水ポンプ15により移送され、回収水配管16を通り洗濯設備2に還流されて、洗濯水として再利用される。
上記第1脱塩塔13には、塩化物イオンの除去装置と同様に、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との両者が混合した状態で充填されている。
図13は、従来の処理装置のようにすすぎ水処理をせずに直接蒸発濃縮処理した場合と、本実施例のようにすすぎ水を分別収集(分取)し、塩化物イオンを除去した後、洗濯廃液と統合して蒸発濃縮処理した場合とにおいて、濃縮液の排出インターバルを比較したグラフである。すすぎ水処理を実施せずに直接蒸発濃縮した場合には、濃縮液の排出インターバルは400時間程度であり、頻繁に排出操作をする必要がある。一方、本実施例のように、すすぎ水を分別収集して塩化物イオンを予め除去することにより、濃縮液の排出インターバルは約6倍の2,500時間となり、廃棄物発生量も減少した。
(実施例2)
次に図14を参照して実施例2を説明する。実施例2に係る洗濯廃液処理装置は、実施例1に係る洗濯廃液処理装置において、前記水洗浄工程から排出された洗浄水に含まれ、蒸発濃縮器の腐食に影響する塩化物イオンを除去するために、前記活性炭吸着塔と第2脱塩塔としての逆浸透膜装置とを直列に配置して構成される。
すなわち、先に示した実施例1の洗濯廃液処理装置と本実施例2に係る洗濯廃液処理装置との相違点は、実施例1において、すすぎ水に含まれる塩化物イオンを除去するために第2脱塩塔21を用いていたところを逆浸透膜装置21’に置き換えて構成されたものである。
上記逆浸透膜装置21’は主として海水淡水化の用途で使用されている脱塩装置であり、被処理液中に含まれる塩化物イオンを99%以上の除去率で除去することが可能である。イオン交換樹脂を用いた場合には吸着能力がなくなった時点で廃棄することになるが、逆浸透膜装置は長期間安定した運転が可能となる。
なお、前述の通り、すすぎ水には低濃度ながら界面活性剤が含まれているため、その悪影響を回避するために第2脱塩塔21を使用した場合と同様に、前段に活性炭吸着塔20を配備し、逆浸透膜装置21’に通水する前に予め活性炭吸着塔20で界面活性剤成分を除去しておくことが好ましい。すなわち、強塩基性陰イオン交換樹脂を使用した場合と同様に、逆浸透膜表面に有機物(この場合、界面活性剤)が吸着すると脱塩性能が低下するため、活性炭吸着塔20は必要である。
(実施例3)
次に図15を参照して実施例3を説明する。実施例3に係る洗濯廃液処理装置は、実施例1に係る洗濯廃液処理装置において、前記水洗浄工程から排出された洗浄水に含まれ、蒸発濃縮器の腐食に影響する塩化物イオンを除去するために、前記活性炭吸着塔と第2脱塩塔としての電解装置21”とを直列に配置して構成される。さらに電解装置21”の陽極室で生成する次亜塩素酸を腐敗抑制のために回収水に添加する殺菌剤供給装置28を備えて構成されている。
本実施例3に係る洗濯廃液処理装置では、すすぎ水中の塩化物イオンを除去処理するために電解装置21”を使用したことが大きな特徴である。このように、塩化物イオンを含有するすすぎ水を電解処理することにより、殺菌剤として利用することが可能な次亜塩素酸ナトリウムが得られる。
実施例2の逆浸透膜装置21’を使用した場合と同様に、活性炭吸着塔20の後段に電解装置21”を配備し、電解装置21”で生成された次亜塩素酸ナトリウムは、次亜塩素酸配管25を経由して殺菌剤タンク23に供給される。殺菌剤タンク23に供給された次亜塩素酸ナトリウムは、殺菌剤移送ポンプ24により移送され、回収水タンク14内の回収水に添加されて殺菌効果を発揮し、回収水の腐敗を効果的に防止する。
図16は電解装置21”の内部構造と液中での反応を示す。陰イオン交換膜で隔てられた2室型の電解装置の陰極室に、活性炭吸着塔20で処理された廃液(すすぎ水)が導入される。そして陰極表面での水の電気分解により陰極室の廃液はアルカリ性となり、廃液中の塩化物イオンは陰イオンのみを透過させる陰イオン交換膜を通過して陽極室に移動する。陽極室に移動した塩化物イオンの一部は塩素ガスとして気中に散逸するが、大部分は次亜塩素酸となり液中に存在する。
ここで電解装置21”の陽極室に生成した次亜塩素酸は、殺菌剤タンク23に移送され、さらに殺菌剤移送ポンプ24により回収水へ注入される。上記注入された次亜塩素酸の殺菌効果によって、回収水の腐敗防止効果が達成される。上記次亜塩素酸は、もともと作業員の汗に含有されている塩化物イオンを殺菌剤として利用したものであるために、別途に殺菌剤の購入は不要となる。
(実施例4)
次に図17を参照して実施例4を説明する。実施例4に係る洗濯廃液処理装置は、実施例1に係る洗濯廃液処理装置において、前記水洗浄工程から排出された洗浄水に含まれる塩化物イオン濃度、放射性核種濃度の両者を予め測定する塩化物イオン濃度および放射性核種濃度の測定装置26を設け、測定された各濃度に応じて活性炭吸着処理、脱塩処理および放射性核種吸着処理の各処理工程の選定組合せを自動的に実施する制御装置を設けて構成される。
なお、実施例1〜4に係る洗濯廃液処理装置を構成する活性炭吸着塔20、第2脱塩塔21および放射性核種吸着塔22の各処理装置には、各装置内に被処理液を導入する処理配管と被処理液がバイパスするバイパス配管とがそれぞれ設けられており、さらに図示は省略しているが、各処理配管およびバイパス配管には、その流量を制御する流量調整弁がそれぞれ介装されている。
上記実施例4に係る洗濯廃液処理装置において、すすぎ水に含まれる塩化物イオンと放射性核種濃度との両者の濃度が測定され、その濃度値に応じて制御装置が各バイパス配管と各処理配管とに介装された流量調整弁の開度を調整制御し、すすぎ水の処理工程を自動化したものである。
具体的には、すすぎ水受タンク18に小ループをつくり、その小ループに塩化物イオン濃度および放射性核種濃度の測定装置26が設置されている。例えば、塩化物イオン濃度が10mg/L以下ならば活性炭吸着塔20および第2脱塩塔21での処理ルートを通さないように制御装置が各処理配管に介装された流量調整弁を閉止する。
一方、すすぎ水に含まれる放射性核種濃度が1E−4Bq/ml以下の場合には、放射性核種吸着塔への通水ルートにすすぎ水を通さないというロジックを予め設定することにより、各処理工程の選択が自動的に実施できるようになる。
1…洗剤、2…洗濯設備(洗濯機)、3…洗濯廃液配管、4…洗濯廃液収集タンク、5…洗濯廃液移送ポンプ、6…蒸発濃縮器、7…過熱器、8…濃縮液、9…デミスタ、10…復水器、11…蒸留水受タンク、12…蒸留水移送ポンプ、13…第1脱塩塔、14…回収水タンク、15…回収水移送ポンプ、16…回収水配管、17…すすぎ水配管、18…すすぎ水受タンク、19…すすぎ水移送ポンプ、20…活性炭吸着塔、21…第2脱塩塔、21’…逆浸透膜装置、21”…電解装置、22…放射性核種吸着塔、23…殺菌剤タンク、24…殺菌剤移送ポンプ、25…次亜塩素酸配管、26…塩化物イオン濃度および放射性核種濃度の測定装置、27…すすぎ水ポンプ、28…殺菌剤供給装置。

Claims (8)

  1. 原子力施設の管理区域で使用された作業用衣類を含む被洗濯物を、水のみを使用して洗浄する水洗浄工程と、被洗濯物を水と洗剤とを使用して洗濯する洗濯工程とを実施する洗濯設備と、洗濯設備から排出された洗濯廃液の水分を蒸発させて濃縮する蒸発濃縮器と、
    蒸発濃縮器から蒸発し凝縮された復水中に含まれる不純物イオンを除去する第1脱塩塔と、洗濯設備の洗浄工程から排出された洗浄水の少なくとも一部を分取し、その洗浄水中に含有される塩化物イオンおよび界面活性剤を除去する活性炭吸着塔および第2脱塩塔と、
    分取した洗浄水中に含有される放射性核種を除去する放射性核種吸着塔と、
    を備えたことを特徴とする洗濯廃液処理装置。
  2. 前記水洗浄工程から排出された洗浄水に含有される、蒸発濃縮器の腐食に影響する塩化物イオンと被洗濯物から溶出する界面活性剤成分との両者を除去するため、前記活性炭吸着塔と前記第2脱塩塔とを直列に配置して洗浄水を処理し、これらに通水した後の処理水を、水洗浄工程に続く洗濯工程から排出された洗濯廃液と合体して蒸発濃縮器にて処理することを特徴とする請求項1記載の洗濯廃液処理装置。
  3. 前記水洗浄工程から排出された洗浄水が塩化物イオン、界面活性剤に加えて放射性物質を含有する場合には、前記活性炭吸着塔および前記第2脱塩塔に通水した処理液をさらに放射性核種吸着塔に通水し、通水後の処理液を続いて洗濯工程から排出された洗濯廃液と合体して蒸発濃縮器にて濃縮処理を実行することを特徴とする請求項2記載の洗濯廃液処理装置。
  4. 前記水洗浄工程から排出された洗浄水に含まれ、蒸発濃縮器の腐食に影響する塩化物イオンを除去するために、前記活性炭吸着塔と第2脱塩塔としての逆浸透膜装置とを直列に配置したことを特徴とする請求項2記載の洗濯廃液処理装置。
  5. 前記水洗浄工程から排出された洗浄水に含まれ、蒸発濃縮器の腐食に影響する塩化物イオンを除去するために、前記活性炭吸着塔と第2脱塩塔としての電解装置とを直列に配置したことを特徴とする請求項2記載の洗濯廃液処理装置。
  6. 前記水洗浄工程から排出された洗浄水に含まれ、蒸発濃縮器の腐食に影響する塩化物イオンを除去するために、前記活性炭吸着塔と第2脱塩塔としての電解装置とを直列に配置し、さらに電解装置の陽極室で生成する次亜塩素酸を腐敗抑制のために回収水に添加する殺菌剤供給装置を備えることを特徴とする請求項5記載の洗濯廃液処理装置。
  7. 前記水洗浄工程から排出された洗浄水に含まれる塩化物イオン濃度、放射性核種濃度の両者を予め測定し、その各濃度に応じて活性炭吸着処理、脱塩処理および放射性核種吸着処理の各処理工程の選定組合せを自動的に実施する制御装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の洗濯廃液処理装置。
  8. 原子力施設の管理区域で使用された作業用衣類を含む被洗濯物を、水のみを使用して洗浄する水洗浄工程と、被洗濯物を水と洗剤とを使用して洗濯する洗濯工程と、洗濯設備から排出された洗濯廃液の水分を蒸発させて濃縮する蒸発濃縮工程と、蒸発濃縮工程から蒸発し凝縮された復水中に含まれる不純物イオンを除去する第1脱塩処理工程と、上記洗浄工程から排出された洗浄水の少なくとも一部を分取し、その洗浄水中に含有される塩化物イオンおよび界面活性剤を除去する第2脱塩処理工程と、分取した洗浄水中に含有される放射性核種を除去する放射性核種吸着処理工程と、を備えることを特徴とする洗濯廃液処理方法。
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