以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお図中同一または相当部分には同一の符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態によるハイブリッド車両の全体構成を示すブロック図である。図1を参照して、ハイブリッド車両1は、エンジン100と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割装置4と、減速機5と、駆動輪6と、蓄電装置Bと、PCU(Power Control Unit)20と、制御装置200とを含む。
ハイブリッド車両1は、いわゆるプラグインハイブリッド自動車である。すなわち、ハイブリッド車両1は、エンジン100およびモータジェネレータMG2の少なくとも一方から出力される駆動力によって走行可能であるとともに、車両外部の系統電源600から供給される電力で蓄電装置Bを充電することが可能である。なお、以下では、車両外部の電源を「外部電源」とも称し、外部電源による蓄電装置Bの充電を「外部充電」とも称する。
エンジン100およびモータジェネレータMG1,MG2は、動力分割装置4を介して連結される。エンジン100が発生する駆動力は、動力分割装置4によって2経路に分割される。一方は減速機5を介して駆動輪6へ駆動力が伝達される経路であり、もう一方はモータジェネレータMG1へ駆動力が伝達される経路である。
蓄電装置Bは、充電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置Bは、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池または鉛蓄電池などの二次電池、あるいは電気二重層キャパシタなどの蓄電素子のセルを含んで構成される。蓄電装置Bは、モータジェネレータMG1,MG2を駆動するためのPCU20に接続される。そして、蓄電装置Bは、ハイブリッド車両1の駆動力を発生させるための電力をPCU20に供給する。また、蓄電装置Bは、モータジェネレータMG1,MG2で発電された電力を蓄電する。蓄電装置Bの出力は、たとえば200Vである。蓄電装置Bは、蓄電装置Bの電圧、電流、および温度を検出し、それらの検出値を制御装置200へ出力する。
PCU20は、蓄電装置Bから供給される直流電力を交流電力に変換し、モータジェネレータMG1,MG2を駆動する。また、PCU20は、モータジェネレータMG1,MG2が発電した交流電力を直流電力に変換し、蓄電装置Bを充電する。
ハイブリッド車両1は、外部充電を行うための構成として、充電装置500と、充電ポート510と、リレー71とをさらに含む。
充電ポート510は、車両外部の系統電源600からの電力(以下「外部電力」という)を受けるための電力インターフェースである。充電ポート510は、車両外部の系統電源600に接続されたコネクタ610と接続可能に構成される。
充電装置500は、充電ポート510と蓄電装置Bとの間に設けられる。充電装置500は、リレー71を介して蓄電装置Bに接続される。充電装置500は、制御装置200からの制御信号に基づいて、充電ポート510に入力された外部電力(交流)を蓄電装置Bに充電可能な電力(直流)に変換して蓄電装置Bに出力する。これにより、外部電力によって蓄電装置Bが充電される。
制御装置200は、各種センサ出力に基づいて、このハイブリッド車両1のモードの制御や、エンジン100の始動/停止判定、蓄電装置Bの充放電制御等の各種制御を行なう。制御装置200は、PCU20を制御するための制御指令値を生成し、その生成した制御指令値をPCU20へ出力する。制御装置200は、エンジン100を制御するための制御指令値を生成し、その生成した制御指令値をエンジン100へ出力する。制御装置200は、外部充電時、充電装置500を駆動するための信号を生成し、その生成した信号を充電装置500へ出力する。
図2は、図1に示すエンジン100の構成を示す図である。図2を参照して、エンジン100には、エアクリーナ102から空気が吸入される。吸入空気量は、スロットルバルブ104により調整される。スロットルバルブ104はスロットルモータ312により駆動される電機制御式スロットルバルブである。
インジェクタ108は、吸気ポートに向けて燃料を噴射する。吸気ポートにおいて燃料と混合された空気は、シリンダ106内へ導入される。
なお、本実施の形態においては、インジェクタ108の噴射孔が吸気ポート内に設けられたポート噴射式エンジンとしてエンジン100を説明するが、ポート噴射用のインジェクタ108に加えて、シリンダ106内へ直接燃料を噴射する直噴用のインジェクタを設けてもよい。さらに、直噴用のインジェクタのみを設けるようにしてもよい。
シリンダ106内の混合気は、点火プラグ110により着火され、燃焼する。燃焼後の混合気、すなわち排気ガスは、三元触媒112により浄化された後、車外に排出される。混合気の燃焼によりピストン114が押し下げられ、クランクシャフト116が回転する。
シリンダ106の頭頂部には、吸気バルブ118および排気バルブ120が設けられる。シリンダ106に導入される空気の量および時期は、吸気バルブ118により制御される。シリンダ106から排出される排気ガスの量および時期は、排気バルブ120により制御される。吸気バルブ118はカム122により駆動される。排気バルブ120はカム124により駆動される。
吸気バルブ118は、後に詳細に説明するように、VVL(Variable Valve Lift)装置400によってリフト量および作用角が制御される。なお、排気バルブ120についても、リフト量および作用角を制御するようにしてもよい。また、開閉タイミングを制御するVVT(Variable Valve Timing)装置をVVL装置400に組み合わせもよい。
制御装置200は、エンジン100が所望の運転状態になるように、スロットル開度θth、点火時期、燃料噴射時期、燃料噴射量、吸気バルブの作動状態(開閉タイミング、リフト量、作用角等)を制御する。制御装置200には、カム角センサ300、クランク角センサ302、ノックセンサ304、およびスロットル開度センサ306から信号が入力される。
カム角センサ300は、カムの位置を表す信号を出力する。クランク角センサ302は、クランクシャフト116の回転数(エンジン回転数)およびクランクシャフト116の回転角度を表す信号を出力する。ノックセンサ304は、エンジン100の振動の強度を表す信号を出力する。スロットル開度センサ306は、スロットル開度θthを表す信号を出力する。
図3は、VVL装置400において実現されるバルブ変位量とクランク角の関係を示す図である。図3を参照して、排気行程において排気バルブ120が開いて閉じ、吸気行程において吸気バルブ118が開いて閉じる。排気バルブ120のバルブ変位量が波形EXに示されており、これに対して吸気バルブ118のバルブ変位量が波形IN1,IN2に示されている。
なお、バルブ変位量とは、吸気バルブ118が閉じた状態からの吸気バルブ118の変位量である。リフト量とは、吸気バルブ118の開度がピークに達したときのバルブ変位量である。作用角とは、吸気バルブ118が開いてから閉じるまでのクランク角度である。
吸気バルブ118の作動特性は、VVL装置400によって波形IN1,IN2の間で変化する。波形IN1は、リフト量および作用角が最小の場合を示す。波形IN2は、リフト量および作用角が最大の場合を示す。VVL装置400においては、リフト量が増大するにつれて、作用角も増大する。
図4は、吸気バルブ118のリフト量と作用角とを制御する装置の一例であるVVL装置400の正面図である。図4を参照して、VVL装置400は、一方向に延びる駆動軸410と、駆動軸410の外周面を覆う支持パイプ420と、支持パイプ420の外周面上で駆動軸410の軸方向に並んで配置された入力アーム430および揺動カム440とを備える。駆動軸410の先端には、駆動軸410を直線運動させるアクチュエータ(図示せず)が接続される。
VVL装置400には、各気筒に設けられた1つのカム122に対応して、1つの入力アーム430が設けられる。入力アーム430の両側には、各気筒に設けられた一対の吸気バルブ118のそれぞれに対応して、2つの揺動カム440が設けられる。
支持パイプ420は、中空円筒状に形成されており、カムシャフト130に対して平行に配置される。支持パイプ420は、軸方向へ移動したり、回転したりしないようにシリンダヘッドに固定される。
支持パイプ420の内部には、その軸方向に摺動可能なように駆動軸410が挿入される。支持パイプ420の外周面上には、駆動軸410の軸芯を中心として揺動可能で、かつ、その軸方向には移動しないように、入力アーム430および2つの揺動カム440が設けられる。
入力アーム430は、支持パイプ420の外周面から離れる方向に突出するアーム部432と、アーム部432の先端に回転可能に接続されたローラ部434とを有する。入力アーム430は、ローラ部434がカム122に当接可能な位置に配置されるように設けられる。
揺動カム440は、支持パイプ420の外周面から離れる方向に突出する略三角形状のノーズ部442を有する。ノーズ部442の一辺には、凹状に湾曲したカム面444が形成される。吸気バルブ118に設けられたバルブスプリングの付勢力により、ロッカアーム128に回転可能に取り付けられたローラがカム面444に押し付けられる。
入力アーム430および揺動カム440は、一体となって駆動軸410の軸芯を中心として揺動する。このため、カムシャフト130が回転すると、カム122に当接された入力アーム430が揺動し、この入力アーム430の動きに連動して揺動カム440も揺動する。この揺動カム440の動きが、ロッカアーム128を介して吸気バルブ118に伝わり、吸気バルブ118が開閉される。
VVL装置400は、さらに、支持パイプ420の軸芯周りにおいて、入力アーム430と揺動カム440との相対位相差を変更する装置を備える。相対位相差を変更する装置によって、吸気バルブ118のリフト量および作用角が適宜変更される。
つまり、両者の相対位相差を拡大すれば、入力アーム430および揺動カム440の揺動角に対するロッカアーム128の揺動角が拡大され、吸気バルブ118のリフト量および作用角が増大される。
また、両者の相対位相差を縮小すれば、入力アーム430および揺動カム440の揺動角に対するロッカアーム128の揺動角が縮小され、吸気バルブ118のリフト量および作用角が小さくされる。
図5は、VVL装置400を部分的に示した斜視図である。図5中では、内部構造が明確に把握できるように一部が破断されて表わされる。
図5を参照して、入力アーム430および2つの揺動カム440と、支持パイプ420の外周面との間に規定された空間には、支持パイプ420に対して、回転可能で、かつ軸方向に摺動可能に支持されたスライダギヤ450が収容される。スライダギヤ450は、支持パイプ420上を軸方向に摺動可能に設けられる。
スライダギヤ450には、その軸方向の中央部に位置して、右ねじ螺旋状のヘリカルスプラインが形成されたヘリカルギヤ452が設けられる。また、スライダギヤ450には、ヘリカルギヤ452の両側に位置し、ヘリカルギヤ452とは逆に左ねじ螺旋状のヘリカルスプラインが形成されたヘリカルギヤ454が各々に設けられる。
一方、スライダギヤ450を収容する空間を規定する入力アーム430および2つの揺動カム440の内周面には、ヘリカルギヤ452および454に対応したヘリカルスプラインがそれぞれ形成される。つまり、入力アーム430には、右ねじ螺旋状のヘリカルスプラインが形成されており、そのヘリカルスプラインがヘリカルギヤ452に噛み合っている。また、揺動カム440には、左ねじ螺旋状のヘリカルスプラインが形成されており、そのヘリカルスプラインがヘリカルギヤ454に噛み合っている。
スライダギヤ450には、一方のヘリカルギヤ454とヘリカルギヤ452との間に位置して、周方向に延びる長穴456が形成される。また、図示しないが、支持パイプ420には、長穴456の一部と重なるように、軸方向に延びる長穴が形成される。支持パイプ420の内部に挿通された駆動軸410には、これら長穴456および図示しない長穴の重なった部分を通じて突出する係止ピン412が一体に設けられる。
駆動軸410に連結されるアクチュエータ(図示せず)によって、駆動軸410がその軸方向に移動すると、スライダギヤ450が係止ピン412により押され、ヘリカルギヤ452および454が同時に駆動軸410の軸方向に移動する。このようなヘリカルギヤ452および454の移動に対して、これらにスプライン係合された入力アーム430および揺動カム440は、軸方向に移動しない。そのため、入力アーム430と揺動カム440は、ヘリカルスプラインの噛み合いを通じて駆動軸410の軸芯周りに回動する。
このとき、入力アーム430と揺動カム440とでは、形成されたヘリカルスプラインの向きが逆である。そのため、入力アーム430と揺動カム440の回動方向は互いに逆方向となる。これにより、入力アーム430と揺動カム440との相対位相差が変化し、既に説明したように吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更される。なお、VVL装置は、このような形式のものに限られない。たとえば、電気的にバルブを駆動するVVL装置や油圧を用いてバルブを駆動するVVL装置などを用いてもよい。
制御装置200は、駆動軸410を直線運動させるアクチュエータの操作量を調整することによって吸気バルブ118のリフト量および作用角を制御する。
図6は、吸気バルブ118の特性によるエンジントルクの違いを説明するグラフである。図6においては、横軸にはエンジン回転数が示され、縦軸にはエンジントルクが示される。なお、図6において、実線はリフト量および作用角が小さい場合を示し、破線はリフト量および作用角が大きい場合を示す。
図6を参照して、エンジン回転数が低い領域においては、リフト量および作用角が小さい場合が大きい場合よりも出力可能なエンジントルクが大きい。リフト量および作用角が大きい場合には、シリンダ内へ吸入された空気の一部がシリンダ外へ戻される。これに対し、リフト量および作用角が小さい場合には、吸気バルブ118が早く閉じられるためより多くの空気を導入することができ、エンジン100の出力可能なトルクが増加する。
一方、エンジン回転数が高い領域においては、リフト量および作用角が大きい場合が小さい場合よりも出力可能なエンジントルクが大きい。これは、リフト量および作用角が大きい場合には、空気の慣性力を利用してより多くの空気を導入することができるからである。
図7は、図1に示す制御装置200の機能ブロック図である。図7の機能ブロック図に記載された各機能ブロックは、制御装置200によるハードウェア的あるいはソフトウェア的な処理によって実現される。
図7を参照して、制御装置200は、動弁制御部210と、SOC算出部220と、外部充電制御部230と、モード制御部240と、充放電制御部250と、走行制御部260とを含む。
動弁制御部210は、エンジン100の回転数および負荷に応じて吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方を決定するようにVVL装置400を制御する。動弁制御部210は、VVL装置400を制御するための信号VLVをVVL装置400へ出力する。
また、動弁制御部210は、吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更不能であることを判定する。吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更不能である状態とは、VVL装置400によって吸気バルブ118のリフト量および作用角を変更できない状態である。また、吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更不能である状態は、VVL装置400によって吸気バルブ118のリフト量および作用角を所望の作動特性(たとえば、吸気バルブ118に要求される作動特性)に変更できない状態を含む。
一例として、動弁制御部210は、VVL装置400が故障した場合に、吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更不能であると判定することができる。また、動弁制御部210は、温度の低下によってVVL装置400の作動能力が低下する場合(たとえば、極低温時)に、吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更不能であると判定してもよい。動弁制御部210は、吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更不能であることを示す信号、および変更不能となった吸気バルブ118のリフト量および作用角を示す信号をモード制御部240へ出力する。
SOC算出部220は、図示されないセンサによって検出される蓄電装置Bの電圧Vbおよび電流Ibに基づいて、蓄電装置Bの充電状態を示すSOCを算出する。このSOCは、蓄電装置Bの満充電状態に対する蓄電量を0〜100%で表わしたものであり、蓄電装置Bの蓄電残量を示す。なお、SOCの算出方法については、種々の公知の手法を用いることができる。
外部充電制御部230は、充電ポート510(図1)に外部電源が接続されると、図示されないセンサによって検出される入力電圧Vacおよび入力電流Iacに基づいて、充電装置500を駆動するための制御信号を生成し、充電装置500へ出力する。そして、外部充電制御部230は、SOC算出部220から受ける蓄電装置BのSOCが所定の上限値に達すると、充電制御を終了するとともに充電終了を示す充電終了信号をモード制御部240へ出力する。
モード制御部240は、SOC算出部220によって算出されたSOCと、動弁制御部210から受ける信号とに基づいて、ハイブリッド車両1のモードを選択する。具体的には、モード制御部240は、蓄電装置BのSOCを所定の範囲内に維持するCSモードと、CSモードに比べて、SOCを消費することを優先するCDモードとのいずれかにモードを設定する。
図8は、CDモードおよびCSモードを説明するための図である。図8を参照して、外部充電により蓄電装置Bが満充電状態となった後(SOC=MAX)、CDモードで走行が開始されたものとする。
CDモードは、SOCを消費するモードであり、基本的には、蓄電装置Bに蓄えられた電力(主には外部充電による電気エネルギー)を消費するものである。CDモードでの走行時は、SOCを維持するためにはエンジン100は作動しない。これにより、車両の減速時等に回収される回生電力やエンジン100の作動に伴ない発電される電力により一時的にSOCが増加することはあるものの、結果的に充電よりも放電の割合の方が相対的に大きくなり、全体としては走行距離の増加に伴ないSOCが減少する。
CSモードは、SOCを所定の範囲に維持するモードである。一例として、時刻t1において、SOCの低下を示す所定値StgにSOCが低下すると、CSモードが選択され、その後のSOCが所定の範囲に維持される。具体的には、SOCが低下するとエンジン100が作動し、SOCが上昇するとエンジン100が停止する。すなわち、CSモードでは、SOCを維持するためにエンジン100が作動する。なお、特に図示しないが、運転者が操作可能なスイッチを設けて、SOCの低下に拘わらず運転者の意思によってモードを切替可能としてもよい。
このハイブリッド車両1では、走行パワーが所定のエンジン始動しきい値よりも小さいときは、エンジン100を停止してモータジェネレータMG2によって走行する(EV走行)。一方、走行パワーがエンジン始動しきい値を超えると、エンジン100を作動させて走行する(HV走行)。HV走行では、モータジェネレータMG2の駆動力に加えて、またはモータジェネレータMG2の代わりに、エンジン100の駆動力を用いてハイブリッド車両1が走行する。エンジン100の作動に伴ないモータジェネレータMG1が発電した電力は、モータジェネレータMG2に直接供給されたり、蓄電装置Bに蓄えられたりする。
ここで、CDモードにおけるエンジン始動しきい値は、CSモードにおけるエンジン始動しきい値よりも大きい。すなわち、CDモードにおいてハイブリッド車両1がEV走行する領域は、CSモードにおいてハイブリッド車両1がEV走行する領域よりも大きい。これにより、CDモードにおいては、エンジン100が始動する頻度が抑制される。一方、CSモードにおいては、エンジン100およびモータジェネレータMG2の両方を用いて効率よくハイブリッド車両1が走行するように制御される。
CDモードにおいても、走行パワーがエンジン始動しきい値を超えれば、エンジン100は作動する。なお、走行パワーがエンジン始動しきい値を超えていなくても、エンジン100を熱源とする温水暖房の要求時やエンジン100の暖機時などエンジン100の作動が許容される場合もある。一方、CSモードにおいても、SOCが上昇すればエンジン100は停止する。すなわち、CDモードは、エンジン100を常時停止させて走行するEV走行に限定されるものではなく、CSモードも、エンジン100を常時作動させて走行するHV走行に限定されるものではない。CDモードにおいても、CSモードにおいても、EV走行とHV走行とが可能である。
図9は、比較例における蓄電装置のSOCの時間変化の一例を示す図である。図9を参照して、実線は吸気バルブ118の作動特性が変更可能である場合のSOCの時間変化の一例を示し、破線は吸気バルブ118の作動特性が変更不能である場合のSOCの時間変化の一例を示す。
吸気バルブ118の作動特性が変更可能である場合には、CSモードにおいてSOCが所定値Stgの近傍に維持される。一方、故障等によって吸気バルブ118の作動特性が変更不能であると、CSモードにおいてSOCを所定値Stgの近傍に維持できない場合がある。
具体的には、故障等によって吸気バルブ118の作動特性が変更不能になると、エンジン100の出力が低下する場合がある。たとえば、図6に示されるように、吸気バルブ118のリフト量および作用角が大きい場合には、吸気バルブ118のリフト量および作用角が小さい場合に比べて低回転側で出力可能なトルクが低下する。一方、吸気バルブ118のリフト量および作用角が小さい場合には、吸気バルブ118のリフト量および作用角が大きい場合に比べて高回転側で出力可能なトルクが低下する。
この場合、エンジン100の出力の低下によって蓄電装置BからモータジェネレータMG2への供給電力が大きくなるため、CSモードが選択されたときに、SOCを維持することが困難となる。よって、CSモードによる走行中にSOCが下限付近まで低下することによって走行性能を確保できない可能性がある。
本実施の形態では、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときは、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更可能であるときよりもCDモードをCSモードに切り替えるための切替条件をCSモードに切り替わりやすいように変更するような制御が実行される。これにより、CSモードが開始されるときのSOCを高くして走行性能を確保する。
具体的には、図10に示されるように、モード制御部240は、CDモードにて走行している場合に、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更可能であるときは、SOCが所定値Xを下回るとCSモードを選択する。一方、モード制御部240は、CDモードにて走行している場合に、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときは、所定値Xよりも大きい所定値YをSOCが下回るとCSモードを選択する。モード制御部240は、選択されたモードを示す信号を充放電制御部250、および走行制御部260へ出力する。
充放電制御部250は、SOC算出部220から蓄電装置BのSOCを受け、モードを示す信号をモード制御部240から受ける。充放電制御部250は、CSモードが選択されている場合に、これらの信号に基づいて、SOCを所定の目標値に維持するように蓄電装置Bの充放電量を制御する。
具体的には、充放電制御部250は、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更可能であるときは、SOCを所定値Xに維持し、充放電制御部250は、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときは、SOCを所定値Yに維持するように蓄電装置Bの充放電要求量を算出する。充放電制御部250は、算出された充放電要求量を走行制御部260へ出力する。
走行制御部260は、モードと、要求充放電量と、運転者からの要求駆動力とに基づいてPCU20およびエンジン100を制御する。具体的には、モードがCDモードである場合には、SOCが維持されないため、基本的には、要求駆動力に基づいて蓄電装置Bから出力されるエネルギによってモータジェネレータMG2が駆動される。
一方、モードがCSモードである場合には、SOCを維持するようにエンジン100および蓄電装置Bの出力が制御される。具体的には、走行制御部260は、要求充放電量と、要求駆動力とに基づいて要求エンジンパワーを算出する。走行制御部260は、要求エンジンパワーに基づいてエンジン100を制御するとともに、要求駆動力に基づいてモータジェネレータMG2の出力を制御する。
図11は、図1に示す制御装置200が実行する走行制御の制御構造を示すフローチャートである。図11に示すフローチャートは、制御装置200に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である(以降に説明する図14および図16に示されるフローチャートについても同様である)。
図11を参照して、制御装置200は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、CDモードが選択されているか否かを判定する。CDモードが選択されていないと判定された場合は(S100にてNO)、制御装置200は、CDモードが選択されるまで待機する。
CDモードが選択されていると判定された場合は(S100にてYES)、制御装置200は、吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更不能であるか否かを判定する(S110)。吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更可能であると判定された場合は(S110にてNO)、制御装置200は、CDモードをCSモードに切り替えるためのしきい値を所定値Xに設定する(S120)。吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更不能であると判定された場合は(S110にてYES)、制御装置200は、CDモードをCSモードに切り替えるためのしきい値を所定値Xよりも大きい所定値Yに設定する(S130)。
続いてS140にて、制御装置200は、蓄電装置BのSOCがしきい値よりも小さいか否かを判定する。蓄電装置BのSOCがしきい値よりも小さいと判定された場合は(S140にてYES)、制御装置200は、CSモードを選択する(S150)。蓄電装置BのSOCがしきい値以上であると判定された場合は(S140にてNO)、制御装置200は、CDモードを維持する(S160)。
以上のように、この実施の形態においては、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときは、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更可能であるときよりも高いSOCにてCDモードからCSモードへの切り替えが行なわれるように、CDモードからCSモードへの切替条件が変更される。吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときは、エンジン100の出力が低下する可能性がある。エンジン100の出力が低下すると、必要な走行駆動力を満足するためにモータジェネレータMG2の走行駆動力が増大する。よって、蓄電装置BからモータジェネレータMG2へ供給される電力が増加するため、CSモードにてSOCを維持できない可能性がある。
吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときには、より高いSOCにてCSモードに切り替えられるため、CDモードにおいてSOCが消費されることが抑制される。よって、SOCの低下による走行性能の悪化を抑制することができる。したがって、この実施の形態によれば、吸気バルブ118の作動特性を変更するための可変動弁装置を有するハイブリッド車両において、吸気バルブ118の作動特性を所望の作動特性に変更できない場合における走行性能を確保することができる。
また、この実施の形態においては、CDモードが選択されている場合にSOCが所定のSOCまで低下すると、CDモードをCSモードに切り替え、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときは、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更可能であるときよりも上記所定のSOCが高くされる。これにより、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときには、より高いSOCにてCSモードに切り替えられる。よって、SOCの低下による走行性能の悪化を抑制することができる。
また、この実施の形態においては、VVL装置400が故障している場合には、VVL装置400が正常である場合よりも高いSOCにてCDモードからCSモードへの切り替えが行なわれるように、CDモードからCSモードへの切替条件が変更されてもよい。この場合、VVL装置400が故障している場合における走行性能を確保することができる。
なお、吸気バルブ118のリフト量および作用角は、連続的に(無段階に)変更されてもよいし、離散的に(段階的に)変更されてもよい。
図12は、吸気バルブ118の作動特性を3段階に変更可能なVVL装置400Aにおいて実現されるバルブ変位量とクランク角の関係を示す図である。VVL装置400Aは、第1〜第3の特性のいずれかに作動特性を変更可能に構成される。第1の特性は、波形IN1aで示される。第2の特性は、波形IN2aで示され、作動特性が第1の特性であるときよりもリフト量および作用角が大きい。第3の特性は、波形IN3aで示され、作動特性が第2の特性であるときよりもリフト量および作用角が大きい。
図13は、図12に示す作動特性を有するVVL装置400Aを備えるエンジン100Aの動作線を示す図である。図13においては、横軸にはエンジン回転数が示され、縦軸にはエンジントルクが示される。なお、図13における一点鎖線は、第1〜第3の特性(IN1a〜IN3a)に対応するトルク特性を示す。また、図13において実線で表わされる円は、等燃費線を示す。等燃費線は、燃料消費量が等しい点を結んだ線であり、円の中心に近づくほど、燃費が向上する。エンジン100Aは、基本的には、図13に実線で表わされるエンジン動作線上で運転されるものとする。
ここで、領域R1で示される低回転域では、エンジン始動時のショックを低減することが重要となる。また、EGR(Exhaust Gas Recirculation)ガスの導入が停止され、アトキンソンサイクルによる燃費の向上が図られる。よって、リフト量および作用角が大きくなるように吸気バルブ118の作動特性として第3の特性(IN3a)が選択される。領域R2で示される中回転域では、EGRガスの導入量の増加による燃費の向上が図られる。よって、リフト量および作用角が中間となるように吸気バルブ118の作動特性として第2の特性(IN2a)が選択される。
すなわち、吸気バルブ118のリフト量および作用角が大きい場合(第3の特性)は、EGRガスの導入による燃費向上よりもアトキンソンサイクルによる燃費向上が優先される。一方、中間のリフト量および作用角が選択された場合(第2の特性)は、アトキンソンサイクルによる燃費向上よりもEGRガスの導入による燃費向上が優先される。
領域R3で示される高回転域では、吸気慣性によって多量の空気をシリンダ内へ導入し、実圧縮比の上昇による出力性能の向上が図られる。よって、リフト量および作用角が大きくなるように吸気バルブ118の作動特性として第3の特性(IN3a)が選択される。
また、エンジン100Aが低回転域において高負荷運転されるとき、エンジン100Aが極低温において始動されるとき、または触媒が暖機されるときは、リフト量および作用角が小さくなるように吸気バルブ118の作動特性として第1の特性(IN1a)が選択される。このように、エンジン100Aの運転状態に応じてリフト量および作用角が決定される。
図14は、図12に示す作動特性を有するVVL装置400Aを制御する制御装置200Aが実行する走行制御の制御構造を示すフローチャートである。図14を参照して、S100,S120〜S160については、図11に示されるフローチャートと同様であるので説明は繰り返さない。
S100にて、CDモードが選択されていると判定された場合は(S100にてYES)、制御装置200Aは、吸気バルブ118の作動特性が第1の特性(IN1a)または第3の特性(IN3a)に固定されているか否かを判定する(S115)。すなわち、制御装置200Aは、吸気バルブ118の作動特性が第1の特性(IN1a)または第3の特性(IN3a)から変更不能であるか否かを判定する。
吸気バルブ118の作動特性が第1の特性(IN1a)および第3の特性(IN3a)のいずれにも固定されていないと判定された場合は(S115にてNO)、制御装置200Aは、CDモードをCSモードに切り替えるためのしきい値を所定値Xに設定する(S120)。吸気バルブ118の作動特性が第1の特性(IN1a)または第3の特性(IN3a)に固定されていると判定された場合は(S115にてYES)、制御装置200Aは、CDモードをCSモードに切り替えるためのしきい値を所定値Xよりも大きい所定値Yに設定する(S130)。
このような構成においては、吸気バルブ118のリフト量および作用角の作動特性が3つに限られるため、吸気バルブ118のリフト量および作用角が連続的に変化する場合に比べ、エンジン100の運転状態を制御するための制御パラメータの適合に要する時間を低減することができる。さらに、吸気バルブ118のリフト量および作用角を変更するためのアクチュエータに必要とされるトルクが低減するため、アクチュエータを小型化し軽量化することができる。このため、アクチュエータの製造コストを低減することができる。
また、吸気バルブ118の作動特性が第1の特性または第3の特性のいずれかに固定されたときにエンジン100の出力が低下しやすい領域がある。よって、吸気バルブ118の作動特性が第1の特性または第3の特性のいずれかに固定されたときにのみCSモードが選択されるので、CDモードによる走行が必要以上に制限されることを抑制することができる。
図15は、吸気バルブ118の作動特性を2段階に変更可能なVVL装置400Bにおいて実現されるバルブ変位量とクランク角の関係を示す図である。VVL装置400Bは、第1および第2の特性のいずれかに作動特性を変更可能に構成される。第1の特性は、波形IN1bで示される。第2の特性は、波形IN2bで示され、作動特性が第1の特性であるときよりもリフト量および作用角が大きい。
このような構成においては、吸気バルブ118のリフト量および作用角の作動特性が2つに限られるため、エンジン100の運転状態を制御するための制御パラメータの適合に要する時間をさらに低減することができる。さらに、アクチュエータの構成をより簡素化することができる。なお、吸気バルブ118のリフト量および作用角の作動特性は、2段階または3段階に変更される場合に限られず、4段階以上の任意の段階に変更されてもよい。
[変形例1]
図16は、この発明の実施の形態の変形例1による制御装置200Bが実行する走行制御の制御構造を示すフローチャートである。なお、実施の形態の変形例1による制御装置200Bの他の構成は、実施の形態と同様である。
図16を参照して、制御装置200Bは、S200にて、CDモードが選択されているか否かを判定する。CDモードが選択されていないと判定された場合は(S200にてNO)、制御装置200Bは、CDモードが選択されるまで待機する。
CDモードが選択されていると判定された場合は(S200にてYES)、制御装置200Bは、吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更不能であるか否かを判定する(S210)。制御装置200Bは、吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更不能であると判定された場合は(S210にてYES)、制御装置200Bは、CSモードを選択する(S220)。
吸気バルブ118のリフト量および作用角が変更可能であると判定された場合は(S210にてNO)、制御装置200Bは、蓄電装置BのSOCがしきい値よりも小さいか否かを判定する(S230)。蓄電装置BのSOCがしきい値よりも小さいと判定された場合は(S230にてYES)、制御装置200Bは、CSモードを選択する(S220)。蓄電装置BのSOCがしきい値以上であると判定された場合は(S230にてNO)、制御装置200Bは、CDモードを維持する(S240)。
以上のように、この実施の形態の変形例1においては、CDモードが選択されている場合に吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能となると、CSモードへ切り替えられる。よって、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときに即座にCSモードが選択されるため、CDモードにてSOCが消費されることを抑制することができる。
[変形例2]
図17は、この発明の実施の形態の変形例2による制御装置200Cが実行する走行制御の制御構造を示すフローチャートである。なお、実施の形態の変形例2による制御装置200Cの他の構成は、実施の形態と同様である。
図17を参照して、S100〜S120,S130,S140〜S160については、実施の形態と同様であるので説明を繰り返さない。S120にてCDモードをCSモードに切り替えるためのしきい値が所定値Xに設定されると、制御装置200Cは、SOCの制御範囲を所定範囲R1に設定する(S121)。なお、SOCの制御範囲とは、CSモードにおいてSOCが維持される範囲である。制御装置200Cは、設定された制御範囲内にSOCを維持するように蓄電装置Bの充放電量を制御する。
S130にてCDモードをCSモードに切り替えるためのしきい値が所定値Yに設定されると、制御装置200Cは、SOCの制御範囲を所定範囲R1よりも広い所定範囲R2に設定する(S131)。これにより、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときには、CSモードにおいてSOCを制御範囲内に維持するために生じる制約が緩和される。よって、蓄電装置Bの充放電能力を積極的に使用することによってモータジェネレータMG2の走行駆動力をより活用しやすくすることができる。
以上のように、この実施の形態の変形例2においては、制御装置200Cは、CSモードにおいて蓄電装置BのSOCを所定の範囲内に維持し、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときの所定の範囲を、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更可能であるときの所定の範囲よりも広くする。
これにより、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときには、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更可能であるときよりもSOCの変動を許容することによってモータジェネレータMG2の走行駆動力をより活用しやすくすることができる。よって、エンジン100の出力が低下した状態で走行する退避走行を柔軟に実行することができる。
[変形例3]
図18は、この発明の実施の形態の変形例3による制御装置200Dが実行する走行制御の制御構造を示すフローチャートである。なお、実施の形態の変形例3による制御装置200Dの他の構成は、実施の形態と同様である。
図17を参照して、S100〜S120,S130,S140〜S160については、実施の形態と同様であるので説明を繰り返さない。S120にてCDモードをCSモードに切り替えるためのしきい値が所定値Xに設定されると、制御装置200Dは、SOCの制御中心を所定値C1に設定する(S122)。一例として、所定値C1として、しきい値(所定値X)が設定される。なお、SOCの制御中心とは、CSモードにおいてSOCが維持される範囲の中心である。制御装置200Dは、SOCが維持される範囲の中心が設定された制御中心となるように蓄電装置Bの充放電量を制御する。
S130にてCDモードをCSモードに切り替えるためのしきい値が所定値Yに設定されると、制御装置200Dは、SOCの制御中心をしきい値(所定値Y)以上の値である所定値C2に設定する(S132)。すなわち、CDモードからCSモードへの切替時のSOC以上の値に制御中心が設定される。これにより、CSモードにおけるSOCをより高く維持することができる。
以上のように、この実施の形態の変形例3においては、制御装置200Dは、CSモードにおいて蓄電装置BのSOCを所定の範囲内に維持し、吸気バルブ118のリフト量および作用角の少なくとも一方が変更不能であるときの所定の範囲の中心を、CDモードからCSモードへの切替時のSOC以上にする。
これにより、CSモードにおけるSOCをより高く維持することができる。その結果、エンジン100の出力の低下をモータジェネレータMG2の走行駆動力で補うことによって走行性能の悪化を抑制することができる。
なお、上記の実施の形態においては、吸気バルブ118のリフト量とともに作用角が変更される場合を説明したが、この発明は、吸気バルブ118のリフト量のみが変更可能な構成にも適用可能であり、吸気バルブ118の作用角のみが変更可能な構成にも適用可能である。吸気バルブ118のリフト量および作用角のいずれかが変更可能な構成においても、吸気バルブ118のリフト量および作用角の双方が変更可能である場合と同様な効果を得ることができる。なお、吸気バルブ118のリフト量および作用角のいずれかが変更可能な構成は、周知の技術を利用して実現することができる。
なお、上記の実施の形態においては、動力分割装置4によりエンジン100の動力を駆動輪6とモータジェネレータMG1,MG2とに分割して伝達可能なシリーズ/パラレル型のハイブリッド車両について説明したが、この発明は、その他の形式のハイブリッド車両にも適用可能である。すなわち、たとえば、モータジェネレータMG1を駆動するためにのみエンジン100を用い、モータジェネレータMG2でのみ車両の駆動力を発生する、いわゆるシリーズ型のハイブリッド車両や、エンジン100が生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが電気エネルギーとして回収されるハイブリッド車両、エンジンを主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド車両などにもこの発明は適用可能である。また、モータを切り離してエンジンのみの動力によって走行するハイブリッド車両にもこの発明は適用可能である。
また、系統電源600から充電ポート510に電力を供給する方法は、系統電源600に接続されるコネクタ610が充電ポート510と接触することによる接触式の送電方法に限定されない。たとえば、電磁誘導を用いた送電、電磁波を用いた送電、あるいはいわゆる共鳴法による送電などの非接触式の送電方法を用いてもよい。
なお、上記において、エンジン100は、この発明における「内燃機関」の一実施例に対応し、モータジェネレータMG2は、この発明における「回転電機」の一実施例に対応する。また、VVL装置400は、この発明における「可変動弁装置」の一実施例に対応する。
以上のように本発明の実施の形態および変形例1〜変形例3について説明を行なったが、実施の形態および変形例1〜変形例3の構成を適宜組合せてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。