JP6199773B2 - 弾塑性ダンパーのせん断変形制限装置及び弾塑性ダンパー並びにせん断変形制限機能付き弾塑性ダンパー - Google Patents

弾塑性ダンパーのせん断変形制限装置及び弾塑性ダンパー並びにせん断変形制限機能付き弾塑性ダンパー Download PDF

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本発明は互いに分離した構造部材間の相対変位時に面内方向のせん断力を受けてせん断変形する弾塑性ダンパーのせん断変形量を制限する変形制限装置とそれが使用される弾塑性ダンパー、及び両者を合わせたせん断変形制限機能付き弾塑性ダンパーに関するものである。
面内方向にせん断力を受けてせん断変形するせん断変形型の弾塑性ダンパーはせん断力の作用方向に垂直な方向の両側部分の接合部において互いに分離している構造部材に接合されることで、両側部分に挟まれた中間部の領域である塑性変形部が構造部材間の相対変位に伴って面内方向の水平力をせん断力として受けたときにせん断変形し、あるいは曲げ変形を伴いながらせん断変形し、せん断降伏、もしくは曲げ降伏することにより振動エネルギを吸収する(特許文献1、2参照)。
但し、弾塑性ダンパーの塑性変形部での累積塑性変形による塑性座屈や塑性破断の危険性を回避する上では、弾塑性ダンパーに一定量を超える塑性変形量を制限する機能を付与することが求められる(特許文献2)。
せん断変形型弾塑性ダンパーの塑性変形部は上記のように分離した構造部材に接合される接合部に挟まれた領域になるが(特許文献1、2)、この塑性変形部の塑性変形量を制限する変形制限材、あるいは変形制限部は弾塑性ダンパー自体が一体的に有する場合(特許文献1の図3〜図5、特許文献2の図3、図4)と、弾塑性ダンパーとは別に構造部材間に跨るように付加される場合がある(特許文献2の図1、図2)。
特許文献2の図1、図2に示す例では変形制限材が弾塑性ダンパーが跨る構造部材間に跨って各構造部材に接合され、構造部材間の相対変位時に変形制限材が弾塑性ダンパーに接触することで、接触時以降の変形を制限するため、弾塑性ダンパーの形状を問わない利点がある。特許文献2の図3、図4に示す例では弾塑性ダンパーの塑性変形部の周辺部に変形制限部を一体的に形成するため、図1、図2に示す例のように弾塑性ダンパーの他に別の変形制限材を付加する必要がない利点がある。
特開2012−163133号公報(請求項1、段落0072〜0118、図1〜図5) 特開2012−225411号公報(請求項1〜3、段落0044〜0142、図1〜図4)
しかしながら、特許文献2の図1、図2の例と図3、図4の例(特許文献1の図3〜図5)のいずれも、変形制限材がダンパーに接触する等によりダンパーの変形を制限する結果、ダンパーの塑性変形の進行を防止しようとする機構であるため、変形制限材がダンパーに接触したとしても、ダンパーが跨る両構造部材の相対変位が進行する限り、ダンパーの塑性変形の進行を阻止することは難しい。
例えば特許文献2の図1、図2に示す例ではダンパーとは別に構造部材間に跨って設置された変形制限材がダンパーに接触した後にも変形制限材が弾性変形可能な範囲ではダンパーの塑性変形の進行を阻止することはできない(段落0056)。図3、図4の例ではせん断力の作用方向に直交する方向に長く形成された縦スリットの内周面が接触しきったときにダンパーのせん断変形が制限されるが(段落0079)、縦スリットの全長に亘って内周面が接触しきらない限り、せん断変形は制限されないため、縦スリットの全長が接触する前にはダンパーの塑性変形の進行を阻止することはできない。いずれの例においても塑性変形部の塑性変形の進行が阻止されなければ、塑性変形部を破断させる可能性がないとは言えない。
本発明は上記背景より、せん断変形型弾塑性ダンパーの一定量を超える塑性変形を確実に阻止し得るせん断変形制限装置とそれが使用される弾塑性ダンパー、及びせん断変形制限機能付き弾塑性ダンパーを提案するものである。
請求項1に記載の発明の弾塑性ダンパーのせん断変形制限装置は、板状の本体の中心部、もしくはその付近に位置し、互いに分離した構造部材間の相対変位時に面内方向のせん断力を負担してせん断降伏し得る塑性変形部と、前記せん断力の作用方向に垂直な方向の、前記塑性変形部の両側に位置し、前記分離した各構造部材に接合される接合部の3部分を備え、前記塑性変形部の前記せん断力作用方向両側の、前記両接合部間に、前記せん断力作用方向に垂直な方向に空隙が確保された形状をし、前記せん断力を受けてせん断変形する弾塑性ダンパーのせん断変形量を制限する装置であり、
前記弾塑性ダンパーの前記空隙内に納まり、前記分離した構造部材の内、一方の構造部材に接合される一方の係合部材と、この一方の係合部材と共に前記弾塑性ダンパーの前記空隙内に納まり、前記分離した構造部材の内、他方の構造部材に接合される他方の係合部材を備え、
前記一方の係合部材と前記他方の係合部材は平常時に前記せん断力作用方向に距離を確保した状態を維持し、前記両構造部材間のいずれかの向きの相対変位時に前記せん断力作用方向に互いに係合する状態にあることを構成要件とする。
「本体の中心部」は弾塑性ダンパー本体の全体(立面)をせん断力作用方向とそれに垂直な方向の二方向に見たとき、せん断力作用方向の中間部の区間であると同時に、せん断力作用方向に垂直な方向の中間部の区間であり、二方向に区画された、ある面積を持った領域を指す。図1−(a)等では本体の中心部である塑性変形部31をハッチングで示しているが、中心部と中心部以外の領域との間に明確な境界がある訳ではない。
図1−(a)ではせん断力作用方向をX方向で示し、せん断力作用方向に垂直な方向をY方向で示している。せん断力作用方向は弾塑性ダンパー3が分離した構造部材1、2間に跨って設置された状態で、構造部材1、2間に相対変位が生じたときに、弾塑性ダンパー3に本体面内のせん断力が作用する方向を指す。「中心部、もしくはその付近」とは、塑性変形部31が本体の中心部に位置する場合と中心部からいずれかの側に偏って位置する場合があることを言う。
図面では塑性変形部31のせん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)の両側に位置する接合部32、33間に形成される空隙34、35のせん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)に、一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52からなるせん断変形制限装置4、5が納まり、係合部材41、51と他方の係合部材42、52が接合部32、33の空隙34、35側の内周面に接し得る程度の距離を与えているが、必ずしもその必要はない。
空隙34、35はその空隙34、35内で一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52が組み合わせられた状態で納まればよく、係合部材41、51と他方の係合部材42、52は接合部32、33の空隙34、35側の内周面に接触する必要はなく、接合部32、33の内周面と係合部材41、51と他方の係合部材42、52との間にクリアランスが存在することもある。以下では便宜的に空隙34、35の高さと幅、せん断変形制限装置4、5の高さと幅、及び塑性変形部31の高さと幅は弾塑性ダンパー3を図1の状態で見たときの高さと幅を言い、高さはせん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)の距離を、幅はせん断力作用方向(X方向)の距離を言う。
接合部32、33に挟まれた空隙34、35の幅(せん断力作用方向(X方向)の距離)にも制約はない。図面では空隙34、35の幅がせん断変形制限装置4、5の幅より小さくなっているが、空隙34、35の幅はせん断変形制限装置4、5の幅以上であることもある。
弾塑性ダンパー3は面内方向のせん断力を負担することによりせん断変形する関係で、基本的には板状の形状をする。弾塑性ダンパー3の空隙34内に納まる係合部材41、42の組と空隙35内に納まる係合部材51、52の組は各空隙34、35内で互いに係合し得る状態にあるため、係合部材41、42、51、52も基本的には板状に形成されるが、必ずしもその必要はなく、ブロック状に形成されることもある。
接合部32、33間の空隙34、35に面する内周面はせん断力作用方向(X方向)を向く(空隙34、35の高さ方向に沿った)内周面とせん断力作用に垂直な方向(Y方向(対向する接合部側))を向く(空隙の幅方向に沿った)内周面とに区分されるが、各方向の内周面の向きは上記の理由から、せん断変形制限装置4、5(両係合部材)とは無関係である。図面ではせん断力作用方向(X方向)を向く内周面と、せん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)を向く内周面の外形線は図面ではそれぞれせん断力作用方向(X方向)に垂直な直線と、せん断力作用方向(X方向)に平行な直線になっているが、空隙34、35に面する内周面は必ずしもせん断力作用方向に垂直な直線とせん断力作用方向に平行な直線である必要はない。
但し、せん断力作用方向(X方向)を向く内周面は塑性変形部31の領域をせん断力作用方向(X方向)に区画するため、塑性変形部31の立面形状に応じた直線、もしくは曲線を描くことになる。図面では塑性変形部31が長方形状であるため、せん断力作用方向(X方向)を向く内周面がせん断力作用方向に垂直な直線になっているが、例えば塑性変形部31がせん断力作用時の曲げモーメント分布に対応した鼓形状等である場合にはせん断力作用方向に屈曲した直線、もしくは曲線になる。
せん断変形制限装置4、5を構成する、対になる一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52の組は弾塑性ダンパー3の各空隙34、35内に納まった状態で、一方の構造部材1と他方の構造部材2に接合(固定)される。一方側の空隙34内では一方の係合部材41と他方の係合部材42が組み合わせられ、他方側の空隙35内では一方の係合部材51と他方の係合部材52が組み合わせられる。
一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52は空隙34、35内で、せん断力作用方向(X方向)に構造部材1、2間に相対変位が生じたときに互いに係合し得る状態に置かれる。一方の係合部材41、51とこれに組み合わせられる他方の係合部材42、52は相対的な関係にあるため、形態的な区別はない。図面では部品の兼用化を図るために、一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52を同一形状に形成しているが、必ずしもその必要もない。
図面では一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52が空隙34、35内で、せん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)互いに接触し得る状態にあるが、必ずしもその必要はない。一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52がせん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)互いに接触し得る状態にある場合には、せん断力作用方向(X方向)の構造部材1、2間の相対変位時に、一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52が両者間の相対移動を互いに案内する働きをすることになる。
図示する例では一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52は構造部材1、2間の相対変位時に、図1−(b)、(c)に示すようにせん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)を向いた面同士が互いに接触したまま、構造部材1、2間の相対変位方向であるせん断力作用方向(X方向)に相対移動する。「せん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)を向いた面」とは、面の外形線がせん断力作用方向に平行な直線、もしくは平行に近い直線、あるいは曲線を描く面を指す。
対になる一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52の組が塑性変形部31両側の各空隙内34、35に納まった状態で、構造部材1、2間に相対変位が生じていない平常時には図1−(a)に示すように一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52間には構造部材1、2間の相対変位方向(せん断力作用方向)に、構造部材1、2間の相対変位を許容するための一定の距離が確保される。この距離は一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52がせん断力作用方向(X方向)に対向する面間に確保される。図面では一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52がせん断力作用方向(X方向)に対向する面の外形線がせん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)を向いた直線になっているが、必ずしもその必要はなく、せん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)に対して傾斜した直線、もしくは曲線であることもある。
構造部材1、2間の相対変位は図1−(b)、(c)に示すように一方が他方に対し、せん断力作用方向の正負の向きに交互に生じるため、塑性変形部31の一方側の空隙34内に納まる一方の係合部材41と他方の係合部材42の組と、他方側の空隙35内に納まる一方の係合部材51と他方の係合部材52の組は図1−(a)に示すように塑性変形部31の中心を通り、せん断力作用方向に垂直な方向を向く直線に関して線対称の状態に配置される。すなわち、一方側の空隙34内の一方の係合部材41と他方の係合部材42の組と、他方側の空隙35内の一方の係合部材51と他方の係合部材52の組は塑性変形部31の中心を通り、せん断力作用方向に垂直な方向を向く直線に関して互いに逆向きに配置される。
更に言い換えれば、図1−(b)に示すようにせん断力作用方向(X方向)のいずれか一方の向きに一方の構造部材2(1)が他方の構造部材1(2)に対して相対変位したときに、塑性変形部31を挟んだいずれか他方側(右側)の空隙35内の一方の係合部材51と他方の係合部材52が互いに係合し、(c)に示すようにせん断力作用方向の他方の向き(逆向き)に一方の構造部材2が他方の構造部材1に対して相対変位したときに、塑性変形部31を挟んだ一方側(左側)の空隙34内の一方の係合部材41と他方の係合部材42が互いに係合する状態に各空隙34、35内の一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52が組み合わせられる。図1−(b)に示すようにせん断力作用方向のいずれか一方の向きに一方の構造部材2(1)が他方の構造部材1(2)に対して相対変位し、他方側(右側)の空隙35内の一方の係合部材51と他方の係合部材52が互いに係合したときには、一方側(左側)の空隙34内の一方の係合部材41と他方の係合部材42は平常時より互いに遠ざかった状態になる。
このように塑性変形部31を挟んだ両側の各空隙34、35内の一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52の組は、構造部材1、2間の相対変位時に塑性変形部31を挟んだ一方側の空隙34内で一方の係合部材41が他方の係合部材42に係合したときに、他方側の空隙35内で一方の係合部材51と他方の係合部材52が互いに遠ざかる関係にあるため、図2−(a)に示すように図1における一方側の空隙34内での一方の係合部材41と他方の係合部材42の配置と他方側の空隙35内での一方の係合部材51と他方の係合部材52の配置が塑性変形部31に関して逆になっても図1と同じ結果になる。
図1の例では図中、下側の構造部材2が上側の構造部材1に対して右側へ相対変位したときに、右側の空隙35内の一方の係合部材51と他方の係合部材52が互いに係合し、下側の構造部材2が上側の構造部材1に対して左側へ相対変位したときに、左側の空隙34内の一方の係合部材41と他方の係合部材42が互いに係合する状態になる。これに対し、図2の例では下側の構造部材2が上側の構造部材1に対して右側へ相対変位したときには左側の空隙34内の一方の係合部材41と他方の係合部材42が互いに係合し、下側の構造部材2が上側の構造部材1に対して左側へ相対変位したときに、右側の空隙35内の一方の係合部材51と他方の係合部材52が互いに係合する状態になる。
弾塑性ダンパー3はせん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)の両側に形成された接合部32、33において各構造部材1、2に接合されるため、両構造部材1、2間の相対変位時には、図1−(b)、(c)、図2−(b)、(c)に示すように接合部32、33間に相対変位が生じ、塑性変形部31がせん断変形する。
弾塑性ダンパー3の各空隙34、35内に納まり、対になる一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52の内、一方の係合部材41、51は一方の構造部材1(2)に接合(固定)され、他方の係合部材42、52は他方の構造部材2(1)に接合(固定)されるため、両構造部材1、2間の相対変位時には各係合部材41、42、51、52が各構造部材1、2の変位に追従して両係合部材41、42(51、52)間に構造部材1、2間の相対変位量と同じ量の相対変位が生じる。
図3−(a)、(b)に示すように各空隙34(35)内で対になる一方の係合部材41(51)と他方の係合部材42(52)の内、各一方の係合部材41、51は一方の構造部材1に接合され、各他方の係合部材42、52は他方の構造部材2に接合されるため、一方の構造部材1(2)が他方の構造部材2(1)に対してせん断力作用方向のいずれかの向きに相対変位したときには、図1−(b)、(c)、図2−(b)、(c)に示すように一方側の空隙34(35)内で対になる一方の係合部材41(51)と他方の係合部材42(52)が互いに接近し、他方側の空隙35(34)内で対になる一方の係合部材51(41)と他方の係合部材52(42)は互いに遠ざかる。互いに接近する関係になる一方の係合部材41(51)と他方の係合部材42(52)は互いに係合することにより係合時以降の一方の構造部材1(2)の他方の構造部材2(1)に対する相対変位を制限する。
一方の構造部材1(2)が他方の構造部材2(1)に対してせん断力作用方向のいずれかの向きへ相対変位することと、他方の向きへ相対変位することは交互に生じるため、一方側の空隙34(35)内で一方の係合部材41(51)と他方の係合部材42(52)が互いに係合した直後には他方の空隙35(34)内で一方の係合部材51(41)と他方の係合部材52(42)が互いに係合する状態になる。
一方の係合部材41(51)と他方の係合部材42(52)は平常時に両者間に確保されている距離が狭まる向きに両構造部材1、2が相対変位したときに互いに係合するため、それぞれが係合部41b、42b(51b、52b)を有する。一方側の空隙34(35)内の一方の係合部材41(51)と他方の係合部材42(52)の各係合部41b、42b(51b、52b)が互いに係合するときには、他方側の空隙35(34)内の一方の係合部材51(41)と他方の係合部材52(42)の各係合部51b、52b(41b、42b)が互いに遠ざかる。
一方の係合部材41(51)と他方の係合部材42(52)の係合により係合時以降の両構造部材1、2間の相対変位が制限されることで、弾塑性ダンパー3の塑性変形部31の変形の程度に関係なく、塑性変形部31の塑性変形の進行が完全に阻止されるため、塑性変形部31の一定量を超える塑性変形を確実に防止することが可能になり、塑性変形部31を破断させる事態を回避することが可能になる。
一方の係合部材41(51)と他方の係合部材42(52)の係合した後には弾塑性ダンパー3の塑性変形部31がせん断力により塑性変形することにより構造物に入力した振動エネルギを吸収する。その後は塑性変形部31の塑性変形の進行が阻止されるため、構造部材1、2自体に生じ得る塑性変形により振動エネルギが消費される。
請求項1に記載のせん断変形制限装置4、5は、板状の本体の中心部、もしくはその付近に位置し、互いに分離した構造部材1、2間の相対変位時に面内方向のせん断力を負担してせん断降伏し得る塑性変形部31と、せん断力作用方向に垂直な方向の、塑性変形部31の両側に位置し、分離した各構造部材1、2に接合される接合部32、33の3部分を備え、塑性変形部31のせん断力作用方向両側の、両接合部32、33間に、せん断力作用方向に垂直な方向に、せん断変形制限装置4、5が納まる空隙34、35が確保された形状をした弾塑性ダンパー3に使用される(請求項2)。
請求項1に記載のせん断変形制限装置4、5と請求項2に記載の弾塑性ダンパー3はせん断変形制限機能付き弾塑性ダンパーを構成する(請求項3)。
弾塑性ダンパーの変形制限装置は弾塑性ダンパーの塑性変形部のせん断力作用方向両側に位置する接合部間に確保された空隙内に納まりながら、互いに分離した各構造部材に接合される一方の係合部材と他方の係合部材から構成され、両係合部材が両構造部材間の相対変位時にせん断力作用方向に互いに係合することで、係合時以降の両構造部材間の相対変位を制限するため、弾塑性ダンパーの塑性変形部の変形の程度に関係なく、弾塑性ダンパーの塑性変形部の塑性変形の進行を完全に阻止することができる。この結果、塑性変形部の一定量を超える塑性変形を確実に防止することができるため、塑性変形部を破断に至らせる事態を回避することができる。
(a)は弾塑性ダンパーと変形制限装置を分離した構造部材に接合した状態で、構造部材間に相対変位が生じていないときの様子を示した立面図、(b)は一方の構造部材が他方の構造部材に対して一方側に相対変位したときの様子を示した立面図、(c)は一方の構造部材が他方の構造部材に対して他方側に相対変位したときの様子を示した立面図である。 (a)は図1に示す弾塑性ダンパーの各空隙内の変形制限装置(両係合部材)を上下に入れ替えた場合の、構造部材間に相対変位が生じていないときの様子を示した立面図、(b)は一方の構造部材が他方の構造部材に対して一方側に相対変位したときの様子を示した立面図、(c)は一方の構造部材が他方の構造部材に対して他方側に相対変位したときの様子を示した立面図である。 (a)は図1−(a)に示す弾塑性ダンパーの各空隙内の変形制限装置が各構造部材に接合されている様子を示した立面図、(b)は図2−(a)に示す弾塑性ダンパーの各空隙内の変形制限装置が各構造部材に接合されている様子を示した立面図である。 (a)は構造部材が軸方向中間部で互いに分離した梁部材である場合に、両梁部材に跨って弾塑性ダンパーと変形制限装置を設置し、接合した様子を示した立面図、(b)は右側の梁部材が左側の梁部材に対して相対的に上向きに相対変位したときの様子を示した立面図である。 (a)は図4に示す弾塑性ダンパーと変形制限装置を上下階の分離した梁部材間に設置した様子を示した立面図、(b)は上下階の梁の中間部に接続し、互いに分離した間柱間に弾塑性ダンパーと変形制限装置を設置した様子を示した立面図、(c)は上階の柱・梁接合部に接続したブレースと下階の梁の中間部との間に弾塑性ダンパーと変形制限装置を設置した様子を示した立面図である。 (a)は柱から張り出した梁用のブラケットと梁部材との間に弾塑性ダンパーと変形制限装置を設置した様子を示した立面図、(b)は梁から張り出した間柱用のブラケットと柱部材との間に弾塑性ダンパーと変形制限装置を設置した様子を示した立面図、(c)は(b)と同様に間柱用のブラケットと柱部材との間、及び柱部材間に弾塑性ダンパーと変形制限装置を設置した様子を示した立面図である。
図1−(a)は板状の本体の中心部、もしくはその付近に位置し、互いに分離した構造部材1、2間の相対変位時に面内方向のせん断力を負担してせん断降伏し得る塑性変形部31と、せん断力の作用方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)の、塑性変形部31の両側に位置し、分離した各構造部材1、2に接合される接合部32、33の3部分を備えた弾塑性ダンパー3のせん断変形量を制限するせん断変形制限装置4、5と、弾塑性ダンパー3を分離した構造部材1、2に接合した様子を示す。弾塑性ダンパー3は塑性変形部31のせん断力作用方向(X方向)両側の、両接合部32、33間に、せん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)に、前記せん断変形制限装置4、5がそれぞれ納まる空隙34、35が確保された形状をし、両構造部材1、2間の相対変位に伴い、塑性変形部31が図1−(b)、(c)に示すようにせん断力を受けてせん断変形する。
図1では構造部材1、2間に横方向(水平方向)に相対変位が生じたときに弾塑性ダンパー3がせん断力を負担する状態にあるが、弾塑性ダンパー3の構造部材1、2への接合状態での向きは構造部材1、2が梁等の水平材であるか、柱等の鉛直材であるかに応じて決まり、構造部材1、2が図4に示すように梁(水平材)である場合には図1に示す弾塑性ダンパー3は90度、回転した状態で接合状態になる。
弾塑性ダンパー3の本体の中心部に位置する塑性変形部31のせん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)の両側に接合部32、33が連続し、この接合部32、33が塑性変形部31のせん断力作用方向(X方向)の両側に張り出す形で形成され、塑性変形部31のせん断力作用方向(X方向)の両側に空隙34、35が形成されることで、弾塑性ダンパー3は概略的にH形の形状をする。図面では塑性変形部31の両側の空隙34、35が長方形状に形成されているが、空隙34、35の形状は塑性変形部31の形状に応じて任意に決められ、長方形以外の多角形状に形成されることもある。
弾塑性ダンパー3の接合部32、33はそれぞれ構造部材1、2にボルトにより、または溶接等により接合されるが、図面では接合部32、33に構造部材1、2にボルト接合されるための複数の挿通孔32a、33aを形成している。挿通孔32a、33aは各接合部32、33のせん断力作用方向に分散し、せん断力作用方向に垂直な方向に1段、もしくは複数段、形成される。
せん断変形制限装置4、5は弾塑性ダンパー3の各空隙34、35内に納まり、一方の構造部材1に接合される一方の係合部材41、51と、この一方の係合部材41、51と共に各空隙34、35内に納まり、一方の係合部材41、51に接し得る状態で他方の構造部材2に接合される他方の係合部材42、52から構成される。一方の係合部材41(51)と他方の係合部材42(52)の組は平常時に図1−(a)に示すようにせん断力作用方向(X方向)に距離を確保した状態を維持し、両構造部材1、2間のいずれかの向きの相対変位時にせん断力作用方向(X方向)に互いに係合する状態にある。係合部材41、42、51、52も構造部材1、2にはボルト、もしくは溶接等により接合されるが、図面では各係合部材41、42、51、52に構造部材1、2にボルト接合のための複数の挿通孔41a、42a、51a、52aを形成している。
各接合部32、33の空隙34、35側には対向する接合部33、32側を向く内周面があり、塑性変形部31の空隙34、35側にはせん断力作用方向(X方向)を向く内周面がある。図面では各空隙34、35内で図1−(a)に示すように一方の係合部材41、51が接合部32の空隙34、35側の内周面に接触し得、他方の係合部材42、52が接合部33の空隙34、35側の内周面に接触し得る状態で、一方の係合部材41、51に互いに接触した状態で納まっているが、係合部材41、42、51、52は接合部32、33の内周面には接触している必要はない。
図示するように一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52がせん断力作用方向に垂直な方向(Y方向)を向いた面において互いに接触している場合、その各接触面は構造部材1、2間のせん断力作用方向の相対変位時に互いに接触し続けることで、係合部材41、42同士、及び係合部材51、52同士がせん断力作用方向に相対移動するように案内する役目を果たす。この場合、一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52は各接触面においてせん断力作用方向(X方向)に互いに摺動、もしくは滑動自在になる。
各空隙34、35内に一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52が対になって納まった状態では、構造部材1、2間に相対変位が生じていない平常時に、せん断力作用方向(X方向)に一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52との間に、両者が接近する向きの構造部材1、2間の相対変位時にその相対変位量を決定付ける間隔(クリアランス)が確保される。一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52は両者間にせん断力作用方向に確保された間隔の大きさまでその方向に相対変位可能であり、その大きさを超える相対変位は両係合部材41、42(51、52)が互いに接触し、係合することにより防止される。
両係合部材41、42(51、52)が互いに係合した後の相対変位が防止されることは、一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52が接合される構造部材1、2間の相対変位が防止されることであるから、一方の係合部材41、51と他方の係合部材42、52との間に確保される間隔は構造部材1、2間に許容される相対変位量に応じて決められる。構造部材1、2間に許容される相対変位量は弾塑性ダンパー3の塑性変形部31に許容される塑性変形量に応じた大きさになる。
構造部材1、2間の相対変位はせん断力作用方向(X方向)の正負の向きに交互に繰り返されるから、構造部材1、2間にせん断力作用方向の一方側に相対変位が生じ、図1−(b)に示すようにいずれか一方側の空隙34(35)内で両係合部材41、42(51、52)がせん断力作用方向に係合した後には構造部材1、2間には逆向きの相対変位が生じるため、(c)に示すように他方側の空隙35(34)内で両係合部材51、52(41、42)がせん断力作用方向に係合する状態に移行する。この各空隙34、35内で係合部材41、42の組と係合部材51、52の組が交互に係合する状態は構造部材1、2間に相対変位が生じている間、繰り返される。
構造部材1、2間の相対変位に伴い、各空隙34、35内で係合部材41、42の組と係合部材51、52の組がせん断力作用方向に交互に係合することから、一方の係合部材41、42と他方の係合部材51、52は互いに係合し合う、係合部41b、42b、51b、52bを有する形状に形成される。図面では一方の係合部材41、42と他方の係合部材51、52の形状を統一できるよう、L字形の形状に形成しているが、両係合部材41、42(51、52)の形状は任意であり、一方の係合部材41、42、または他方の係合部材51、52を、L字形をせん断力作用方向に垂直な方向の直線に関して対称形にした溝形状に、他方の係合部材51、52、または一方の係合部材41、42を同様に対称形にしたT字形状等に形成することもできる。いずれの形状の場合も組になる係合部材41、42(51、52)は係合部41b、42b(51b、52b)が対になる係合部材42、41(52、51)側を向いて配置される。
弾塑性ダンパー3の塑性変形部31を挟んだ両側の空隙34、35内に納まる両係合部材41、42(51、52)が交互に係合する状態になる関係から、塑性変形部31の中心を通り、せん断力作用方向に垂直な方向の直線に関して線対称になるように各空隙34、35内の両係合部材41、42(51、52)が配置される。図1は上側の構造部材1に接合される係合部材41、51の係合部41b、51bを塑性変形部31に関して外側に配置し、下側の構造部材2に接合される係合部材42、52の係合部42b、52bを塑性変形部31寄りに配置した場合の例を示す。図2は逆に上側の構造部材1に接合される係合部材41、51の係合部41b、51bを塑性変形部31寄りに配置し、下側の構造部材2に接合される係合部材42、52の係合部42b、52bを塑性変形部31に関して外側に配置した場合の例を示す。
図1の例では下側の構造部材2が上側の構造部材1に対して右側に相対変位したときに(b)に示すように相対変位側の空隙35内に納まっている両係合部材51、52が互いに係合し、反対側の空隙34内に納まっている両係合部材41、42間の距離がせん断力作用方向に拡大する。(c)に示すように下側の構造部材2が左側に相対変位したときにはその側の空隙34内の両係合部材41、42が互いに係合し、反対側の空隙35内の両係合部材51、52間の距離が拡大する。図2の例では図1の例とは逆の状況になる。
図1、図2中、塑性変形部31と空隙34、35との間の境界付近にせん断力作用方向に垂直な方向を向いて突設されたリブは塑性変形部31に、塑性変形部31のせん断力作用方向の曲げ剛性を高め、塑性変形部31がせん断降伏に先行して曲げ降伏が発生しないように補強するための縦補剛材36、36である。この並列する縦補剛材36、36間にせん断力作用方向を向いて突設されたリブはせん断力の作用に伴って塑性変形部31に生ずる斜張力の作用により発生する可能性があるせん断座屈の発生を抑制、もしくは防止するための座屈補剛材37である。
縦補剛材36は塑性変形部31に作用するせん断力に対して塑性変形部31を曲げ降伏させないように曲げ変形に対して補剛する働きをするから、図1−(a)に示すように縦補剛材37の中心(軸)が主に塑性変形部31のせん断力作用方向両側の空隙34、35に面する内周面の平行に向けられているが、必ずしもその必要はない。せん断力の作用に伴って塑性変形部31に生じる斜張力は塑性変形部31の領域内にせん断力作用方向(X方向)に対して45度等、交差する方向に生ずるため、座屈補剛材37は塑性変形部31の領域内に、斜張力の作用方向に交差する方向に配置されればよい。
図4−(a)は構造部材1、2が材軸方向の中間部で分離した梁部材である場合の弾塑性ダンパー3とせん断変形制限装置4、5の構造部材1、2への接合状態を示す。弾塑性ダンパー3は図1−(a)、図2−(a)に示すように塑性変形部31において両構造部材1、2に跨って設置され、各接合部32、33において各構造部材1、2に重なってボルト等により接合される。
せん断変形制限装置4、5を構成する一方の係合部材41、51は弾塑性ダンパー3の空隙34、35内に納まりながら、一方の構造部材1に重なって接合され、他方の係合部材42、52は空隙34、35内に納まりながら、他方の構造部材2に重なって接合される。
弾塑性ダンパー3は柱・梁のフレームで言えば、弾塑性ダンパー3の面内方向に相対変位を生じるフレームの構面内方向を向く構造部材1、2の板要素間に跨って設置されるため、構造部材1、2が梁部材の場合には、梁部材の成方向を向くウェブに接合される。弾塑性ダンパー3が柱・梁のフレーム内に設置される場合には、構造部材1、2が図5−(b)、(c)に示す間柱、またはブレースである場合も同様である。
構造部材1、2が梁部材の図4に示す例の場合、フレームの構面内方向に直交する方向を向く構造部材(梁部材)1、2のフランジには、分離した構造部材1、2を接続するための継手プレート6が両構造部材1、2に跨って設置され、各構造部材1、2にボルト7等により接合される。
図4−(b)は弾塑性ダンパー3に関して右側に位置する構造部材(梁部材)2が左側の構造部材(梁部材)1に対して相対的に上向きに相対変位したときの状況を示す。図4の例では空隙34内に納まる係合部材41、42の組み合わせと空隙35内に納まる係合部材51、52の組み合わせが図2−(a)に示す係合部材41、42、51、52と同じ状況であるため、図4−(b)の係合部材41、42と係合部材51、52の状況は図2−(b)に示す状況と同じである。図4−(a)に示す弾塑性ダンパー3とせん断変形制限装置4、5は図2−(a)に示す弾塑性ダンパー3とせん断変形制限装置4、5を構造部材1、2と共に、塑性変形部31の中心に関して時計回り、もしくは反時計回りに90度、回転させた状態に当たる。
図5−(a)は図4−(a)に示す弾塑性ダンパー3とせん断変形制限装置4、5をフレームを構成し、材軸方向に分離した構造部材1、2としての上階の梁部材と下階の梁部材間に設置した例を、(b)は上下階の梁の中間部に接続し、互いに分離した構造部材1、2としての間柱間に設置した例を、(c)は上階の柱・梁接合部に接続した、一方の構造部材1としてのブレースと下階の梁の中間部に突設された、他方の構造部材2としてのブラケットとの間に設置した例を示す。
図6−(a)は図4−(a)に示す弾塑性ダンパー3とせん断変形制限装置4、5をフレームの柱から張り出した、一方の構造部材1としての梁用のブラケットと他方の構造部材2としての梁部材との間に設置した例を示す。(b)は上階側の梁と下階側の梁から対向する側へ張り出した、一方の構造部材1としての間柱用のブラケットと他方の構造部材2としての柱部材との間に図4−(a)に示す弾塑性ダンパー3とせん断変形制限装置4、5を設置した例を示す。(c)は上下階の梁から張り出した、一方、もしくは他方の構造部材1(2)としての間柱用のブラケットと他方、もしくは一方の構造部材2(1)としての柱部材との間、及び一方、もしくは他方の構造部材1(2)としての柱部材と他方、もしくは一方の構造部材2(1)としての柱部材との間に図4−(a)に示す弾塑性ダンパー3とせん断変形制限装置4、5を設置した例を示す。図6−(a)〜(c)では弾塑性ダンパー3とせん断変形制限装置4、5を纏めて長方形で示している。
1……構造部材、2……構造部材、
3……弾塑性ダンパー、31……塑性変形部、32……(一方の)接合部、32a……挿通孔、33……(他方の)接合部、33a……挿通孔、34……(一方側の)空隙、35……(他方側の)空隙、36……縦補剛材、37……座屈補剛材、
4……(空隙34に納まる)せん断変形制限装置、41……(一方の)係合部材、41a……挿通孔、41b……係合部、42……(他方の)係合部材、42a……挿通孔、42b……係合部、
5……(空隙35に納まる)せん断変形制限装置、51……(一方の)係合部材、51a……挿通孔、51b……係合部、52……(他方の)係合部材、52a……挿通孔、52b……係合部、
6……継手プレート、7……ボルト。

Claims (3)

  1. 板状の本体の中心部、もしくはその付近に位置し、互いに分離した構造部材間の相対変位時に面内方向のせん断力を負担してせん断降伏し得る塑性変形部と、前記せん断力の作用方向に垂直な方向の、前記塑性変形部の両側に位置し、前記分離した各構造部材に接合される接合部の3部分を備え、前記塑性変形部の前記せん断力作用方向両側の、前記両接合部間に、前記せん断力作用方向に垂直な方向に空隙が確保された形状をし、前記せん断力を受けてせん断変形する弾塑性ダンパーのせん断変形量を制限する装置であり、
    前記弾塑性ダンパーの前記空隙内に納まり、前記分離した構造部材の内、一方の構造部材に接合される一方の係合部材と、この一方の係合部材と共に前記弾塑性ダンパーの前記空隙内に納まり、前記分離した構造部材の内、他方の構造部材に接合される他方の係合部材を備え、
    前記一方の係合部材と前記他方の係合部材は平常時に前記せん断力作用方向に距離を確保した状態を維持し、前記両構造部材間のいずれかの向きの相対変位時に前記せん断力作用方向に互いに係合する状態にあることを特徴とする弾塑性ダンパーのせん断変形制限装置。
  2. 互いに分離した構造部材間の相対変位時に面内方向のせん断力を受けてせん断変形し、請求項1に記載のせん断変形制限装置が使用される弾塑性ダンパーであり、
    板状の本体の中心部、もしくはその付近に位置し、互いに分離した構造部材間の相対変位時に面内方向のせん断力を負担してせん断降伏し得る塑性変形部と、前記せん断力作用方向に垂直な方向の、前記塑性変形部の両側に位置し、前記分離した各構造部材に接合される接合部の3部分を備え、前記塑性変形部の前記せん断力作用方向両側の、前記両接合部間に、前記せん断力作用方向に垂直な方向に、前記せん断変形制限装置が納まる空隙が確保された形状をしていることを特徴とする弾塑性ダンパー。
  3. 板状の本体の中心部、もしくはその付近に位置し、互いに分離した構造部材間の相対変位時に面内方向のせん断力を負担してせん断降伏し得る塑性変形部と、前記せん断力の作用方向に垂直な方向の、前記塑性変形部の両側に位置し、前記分離した各構造部材に接合される接合部の3部分を備え、前記塑性変形部の前記せん断力作用方向両側の、前記両接合部間に、前記せん断力の作用方向に垂直な方向に空隙が確保された形状をし、前記せん断力を受けてせん断変形する弾塑性ダンパーと、
    前記弾塑性ダンパーの前記空隙内に納まり、前記分離した構造部材の内、一方の構造部材に接合される一方の係合部材と、この一方の係合部材と共に前記弾塑性ダンパーの前記空隙内に納まり、前記分離した構造部材の内、他方の構造部材に接合される他方の係合部材とを備えた変形制限機能付き弾塑性ダンパーであり、
    前記一方の係合部材と前記他方の係合部材は平常時に前記せん断力の作用方向に距離を確保した状態を維持し、前記両構造部材間のいずれかの向きの相対変位時に前記せん断力の作用方向に互いに係合する状態にあることを特徴とするせん断変形制限機能付き弾塑性ダンパー。
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