JP6199013B2 - 洗浄剤及び洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄剤及び洗浄方法に関する。
二塩基酸エステルは、多種の汚れ(樹脂、インキ、ペースト、フラックス、ロジン、油等)に対する適度な溶解力を持ち、幅広い用途の洗浄剤の成分として有用である。
二塩基酸エステルを含む洗浄剤としては、二塩基酸エステル単独だけでなく、二塩基酸エステル以外の溶剤成分や、水を含む組成物が提案されている。
例えば、特許文献1においては、二塩基酸エステルと、特定の環状エステルとの組み合わせによるスクリーン版洗浄剤が記載されている。また、特許文献2においては、二塩基酸エステルと、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと、水との組み合わせによるスクリーン版用洗浄剤が記載されている。さらに、特許文献3においては、二塩基酸エステルと、グリコールエーテルとの組み合わせによる洗浄剤が記載されている。またさらに、特許文献4においては、二塩基酸エステルと、アセトフェノンとの組み合わせによるインキ洗浄用組成物が記載されている。さらにまた、特許文献5においては、二塩基酸エステルと、グリコールエーテルと、炭化水素との組み合わせによる洗浄剤組成物が記載されている。加えて、特許文献6においては、二塩基酸エステルのみによるミキシングノズル用洗浄剤組成物が記載されている。また、特許文献7においては、二塩基酸エステルと、グリコールエーテルとの組み合わせによるシール剤吐出ノズル部品の洗浄方法が記載されている。
工業用洗浄分野においては、洗浄対象物の材質、汚れが多種多様であり、また技術進歩による洗浄対象物の材質や汚れの変化もある。また、洗浄後の仕上がり状態に対する要求度はますます高まっており、単に汚れを除去するだけではなく、洗浄後の洗浄対象物表面のシミや変色のような変化を起こさない安定な仕上がりが継続することが求められている。
例えば、スクリーン印刷においては、印刷線幅の高精細化に伴い、印刷に用いるスクリーンメッシュが細かくなり、スクリーンメッシュ表面に生じるシミ、変色がより問題となる。また、スクリーンメッシュのゆがみを少なくするために、樹脂製のポリエステルメッシュからステンレス製メッシュ、さらにはニッケルメッキが施されたステンレスメッシュへとスクリーンメッシュの材質が変化している。ステンレスメッシュ表面のシミ、変色や、ニッケルメッキの変色は、インキ、ペーストの濡れ性を微妙に変化させ、印刷不良につながる。
特開2000−141939号公報 特開平7−62396号公報 特開平6−93292号公報 特開平6−93293号公報 特開2006−342247号公報 特開2005−47939号公報 特開2010−247123号公報
しかしながら、二塩基酸エステルを含む洗浄剤で、高精細化したスクリーン版のインキ、ペーストを洗浄した場合、特に、水を含有する洗浄剤において、スクリーン版にシミや変色を引き起こすという問題がある。また、フラックスの洗浄やディスペンサーの洗浄等においても同様の問題がある。
また、洗浄剤の使用開始時にはシミや変色が発生していなくとも、使用継続中にシミや変色が発生することがある。これは、初期には水を含有していない場合でも、洗浄後のリンス工程で使用されるリンス水の混入、外気の湿気の混入等により、使用前及び使用中に洗浄剤の中に水が混入する場合があるためである。そのため、洗浄条件によって安定な仕上がりを継続できないという観点でも問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、水が含まれない場合のみならず、工業用洗浄用途に有用である二塩基酸エステルを含む洗浄剤の欠点である、洗浄剤に水が含まれる場合にも、洗浄後に洗浄物に顕著に発生するシミ、変色を無くし、優れた洗浄力を発揮、維持しつつ、高度な仕上がりを安定して継続できる洗浄剤、及びそれを用いた洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を達成するため鋭意検討を重ねた結果、二塩基酸エステルを含み、イオウ含有量が一定濃度以下の洗浄剤を用いることにより上記問題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
二塩基酸エステル、水、及び式(1)で表されるグリコールエーテルを含み、
1O−(R2O)n−R3 (1)
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、R2は炭素数2〜5のアルキレン基であり、R3は水素、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、nは1〜4の整数を示す。)
前記二塩基酸エステルの含有量が、4.99〜95質量%であり、
前記水の含有量が、0.01〜30質量%であり、
前記グリコールエーテルの含有量が、4.99〜95質量%であり、
イオウ含有量が12ppm以下であり、
ニッケルメッキを施しているスクリーン版用ステンレス製メッシュの洗浄用である、洗浄剤。
〔2〕
前記二塩基酸エステルが、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、及びコハク酸ジメチルからなる群から選ばれる1種以上である、〔1〕に記載の洗浄剤。
〔3〕
前記二塩基酸エステルが、下記(a)、(b)、及び(c)の混合物を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の洗浄剤。
(a)アジピン酸ジメチル 1〜60質量%
(b)グルタル酸ジメチル 10〜80質量%
(c)コハク酸ジメチル 5〜40質量%
〔4〕
前記二塩基酸エステルの含有量が、30〜60質量%であり、
前記水の含有量が、5〜15質量%であり、
前記グリコールエーテルの含有量が、30〜60質量%である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の洗浄剤。
〔5〕
ニッケルメッキを施したスクリーン版用ステンレス製メッシュを〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の洗浄剤で洗浄する、洗浄方法。
本発明により、水が含まれない場合のみならず、工業用洗浄用途に有用である二塩基酸エステルを含む洗浄剤の欠点である、水が含まれる場合にも、洗浄後に洗浄物に顕著に発生するシミ、変色を無くし、優れた洗浄力を発揮、維持しつつ、高度な仕上がりを安定して継続できる洗浄剤、及びそれを用いて簡便で安定した洗浄方法を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔洗浄剤〕
本実施形態の洗浄剤は、二塩基酸エステルを含み、イオウ含有量が12ppm以下である。
〔イオウ含有量〕
イオウ含有量が12ppm以下であることにより、洗浄物のシミ、発生を抑制できる。二塩基酸エステルを含む洗浄剤中のイオウ含有量は、好ましくは6ppm以下、より好ましくは2ppm以下である。また、イオウ含有量の下限値は特に制限されないが、少ないほど好ましく、より好ましくは0.01ppmである。なお、洗浄剤中のイオウ含有量は、燃焼−イオンクロマトグラフィーによって硫酸イオンとして検出し、測定できる。より詳細には、実施例に記載の方法により測定することができる。
洗浄剤中のイオウ含有量を12ppm以下に制御する方法としては、不純物として含まれるイオウ化合物が除去された二塩基酸エステルを用いることが挙げられる。
〔二塩基酸エステル〕
本実施形態に用いる二塩基酸エステルとしては、特に限定されないが、具体的には、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸等の二塩基酸のアルキルエステルであることが好ましい。アルキル基の具体例としては、特に限定されないが、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。このなかでも、炭素数4以下のアルキル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。二塩基酸エステルとしてはアジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、及びコハク酸ジメチルからなる群から選ばれる1種以上であることがより好ましい。このような二塩基酸エステルであれば、より優れた洗浄力を有する洗浄剤となる。
(二塩基酸エステルのイオウ含有量)
本実施形態の洗浄剤中のイオウ含有量が、二塩基酸エステルに不純物として含まれるイオウ化合物に由来している場合、二塩基酸エステルに含まれるイオウ含有量は、好ましくは20ppm以下、より好ましくは15ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。
(精製方法)
二塩基酸エステル中に不純物としてイオウ化合物が含まれる場合、公知の精製法を用いて精製することにより、二塩基酸エステル中のイオウ含有量を20ppm以下に調整することができる。例えば、二塩基酸エステルと水を混合、攪拌した後、分層して有機層を取り出し、有機層を蒸留することにより、二塩基酸エステル中のイオウ含有量を20ppm以下に調整することができる。二塩基酸エステルのイオウ含有量は、燃焼−イオンクロマトグラフィーによって硫酸イオンとして検出し、測定できる。
なお、二塩基酸エステルが複数の二塩基酸エステルの混合物である場合、上記の精製操作により混合物の組成が変化した場合は、イオウ含有量の少ない二塩基酸エステル単体を添加することにより組成を調整可能である。
二塩基酸エステルは単独で用いても混合物で用いてもよいが、混合物で用いることがより好ましい。具体的には、二塩基酸エステルが、(a)アジピン酸ジメチル、(b)グルタル酸ジメチル、及び(c)コハク酸ジメチルの混合物を含むことが好ましい。この場合の(a)〜(c)の含有率としては、
(a)アジピン酸ジメチル 1〜60質量%
(b)グルタル酸ジメチル 10〜80質量%
(c)コハク酸ジメチル 5〜40質量%
が好ましく、
(a)アジピン酸ジメチル 5〜50質量%
(b)グルタル酸ジメチル 20〜75質量%
(c)コハク酸ジメチル 10〜30質量%
がより好ましく、
(a)アジピン酸ジメチル 10〜40質量%
(b)グルタル酸ジメチル 40〜65質量%
(c)コハク酸ジメチル 15〜25質量%
がさらに好ましい。このような混合物であることにより、より優れた洗浄力を有する洗浄剤となる。
洗浄剤中の二塩基酸エステルの含有量は、洗浄用途によって調整されるが、好ましくは4.99〜95質量%であり、より好ましくは10〜80質量%であり、さらに好ましくは30〜60質量%である。上記好ましい範囲であることにより、より優れた洗浄力を有する洗浄剤となる。
〔水〕
本実施形態の洗浄剤は、水溶性汚れの溶解性向上、引火点を無くすため等の目的で水を含むことが好ましい。水の含有量としては、洗浄用途によって調整されるが好ましくは0.01〜30質量%であり、より好ましくは1〜25質量%であり、さらに好ましくは5〜15質量%である。上記好ましい範囲であることにより、水溶性汚れに対しより優れた洗浄力を有し、また、引火点が高い若しくは引火点を有さない洗浄剤となる。また、このように水が含まれたとしても、本実施形態の洗浄剤は、洗浄物にシミ、変色が発生しない高度な仕上がりを可能とする。
〔グリコールエーテル〕
また、本実施形態の洗浄剤は、汚れに対する洗浄性向上のため、式(1)のグリコールエーテルを含むことが好ましい。
1O−(R2O)n−R3 (1)
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、R2は炭素数2〜5のアルキレン基であり、R3は水素、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、nは1〜4の整数を示す。)
式(1)中、R1は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
2は炭素数2〜5のアルキレン基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。
3は、水素又は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、具体的には、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
式(1)のグリコールエーテルとしては、特に限定されないが、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールの、モノアルキルエーテル、ジアルキルエーテル、モノシクロアルキルエーテル、及びシクロアルキルアルキルジエーテル等が挙げられる。なお、グリコールエーテルは単独で用いても2種以上で用いてもよい。
より具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。このなかでも、好ましくは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルが用いられる。
洗浄剤中のグリコールエーテルの含有量は、洗浄用途によって適宜調整されるが、好ましくは4.99〜95質量%、より好ましくは20〜90質量%であり、さらに好ましくは30〜60質量%である。上記好ましい範囲であることにより、より優れた洗浄力を有する洗浄剤となる。
〔その他の成分〕
本洗浄剤には、その他公知の添加剤として、界面活性剤、防錆剤、安定剤、酸化防止剤等を、必要に応じて添加することも可能である。界面活性剤としては、公知の界面活性剤を使用できる。このような界面活性剤としては、特に限定されないが、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
防錆剤としては、特に限定されないが、具体的には、脂肪酸、金属石けん、アミン類、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、ジイソプロピルアミン亜硝酸塩、ジシクロヘキシルアミンカプレート、ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
安定剤としては、特に限定されないが、具体的には、2,5−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブロピオネート、及び4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)等の酸化防止剤;ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸塩、リシノール酸塩、2−エチル−ヘキシル酸塩、イソデカン酸塩、ネオデカン酸塩、及び安息香酸カルシウム等の熱安定剤を挙げることができる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、具体的には、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物等を挙げることができる。
〔洗浄剤の製造方法〕
本実施形態の洗浄剤は、上記各成分を公知の方法により混合することにより製造することができる。
〔用途〕
本実施形態の洗浄剤は、スクリーン版印刷等に付着したインキ、ペースト除去用の洗浄剤に用いることができる。本実施形態の洗浄剤は、インキ、ペーストに含まれる樹脂成分、溶剤成分を溶解、分散し、効率良くインキ、ペースト汚れを除去することができる。インキ、ペースト用の洗浄剤は、必要に応じて、水、グリコールエーテル、及びモノエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含んでもよい。この場合水の好ましい割合としては、0.01〜30質量%、グリコールエーテルの好ましい割合としては4.99〜95質量%、モノエステルの好ましい割合としては40〜70質量%である。モノエステルとしては、特に限定されないが、具体的には、γ−ブチロラクトン、3−メトキシ−3−メチルアセテート、グリコールエーテルアセテート、酢酸アルキルエステル、乳酸アルキルエステル等が挙げられる。
本実施形態の洗浄剤は、電子部品に付着したハンダ付けに用いられるフラックス除去用の洗浄剤に用いることができる。本実施形態の洗浄剤は、フラックスに含まれるロジン成分を溶解、分散し、効率良くフラックスの汚れを除去することができる。フラックス用の洗浄剤は、必要に応じて、水、グリコールエーテル、及びモノエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含んでもよい。この場合、水の好ましい割合としては、0.01〜30質量%、グリコールエーテルの好ましい割合としては4,99〜95質量%、モノエステルの好ましい割合としては40〜70質量%である。モノエステルとしては、前記同様のものが挙げられる。
本実施形態の洗浄剤は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の液状樹脂を混合吐出するディスペンサーに付着した樹脂除去用の洗浄剤に用いることができる。本実施形態の洗浄剤は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の液状樹脂を溶解、分散し、効率よく樹脂汚れを除去することができる。ディスペンサー用の洗浄剤は、必要に応じて、グリコールエーテル、モノエステル、炭化水素、及びアミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含んでもよい。この場合、グリコールエーテルの好ましい割合としては4.99〜95質量%、モノエステルの好ましい割合としては40〜70質量%、炭化水素の好ましい割合としては、10〜40質量%、アミド化合物の好ましい割合としては、10〜40質量%である。モノエステルの例としては、前記同様のものが挙げられる。炭化水素としては、特に限定されないが、具体的には、デカン、ドデカン、テトラデカン等の飽和炭化水素;1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン等の不飽和炭化水素が挙げられる。また、アミド化合物としては、特に限定されないが、具体的には、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジアルキル−3−メトシキプロピオンアミド、N,N−ジアルキル−3−ブトキシキプロピオンアミド等が挙げられる。
〔洗浄方法〕
本実施形態の洗浄方法は、上記洗浄剤を用いる。以下に本実施形態の洗浄剤を用いる洗浄方法について説明する。なお、本実施形態の洗浄剤を用いる洗浄方法は、公知の洗浄用の用具、洗浄機を用いて行うことができる。
例えば、超音波発振子を備えた洗浄槽に洗浄液を満たし、スクリーン版、メタルマスク版、電子部品、ディスペンサー部品を浸漬して、超音波洗浄し、洗浄後、エアブローや熱風で乾燥する方法が挙げられる。必要に応じて、洗浄と乾燥の間に、超音波発振子を設けたリンス槽で水リンスを加えることも挙げられる。
また、超音波洗浄の代わりに、洗浄液をポンプで汲み上げ、スクリーン版、メタルマスク版、電子部品、ディスペンサー部品に吹き付けて洗浄するスプレー洗浄も挙げられる。
ディスペンサー洗浄の場合は、樹脂混合タンク内に洗浄液を注入し、ディスペンサー自身の攪拌翼で攪拌して樹脂混合タンク内を洗浄し、洗浄後、洗浄液を樹脂混合タンク内から排液する方法も挙げられる。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1〜36及び比較例1〜36]
表1に示す二塩基酸エステル1〜36を調製した。表1中、アジピン酸ジメチル(インビスタジャパン株式会社製;DBE−6)をDMA、グルタル酸ジメチル(インビスタジャパン株式会社製;DBE−5)をDMG、コハク酸ジメチル(インビスタジャパン株式会社製;DBE−4)をDMSと略する。調整はDMA、DMG、DMSの単体及びDMA、DMG、DMSの混合物(インビスタジャパン株式会社製;DBE)を適宜測量して行った。表1中の各成分の数値は、二塩基酸エステル全体に対する質量%を示した。
二塩基酸エステル1〜36を用いて、表2に示す洗浄剤A1〜X1、表3に示す洗浄剤A2〜X2、表4に示す洗浄剤A3〜X3を調製した。
表2中、ジエチレングリコールブチルエーテル(日本乳化剤株式会社製;BDG)をBDGと略した。表2中の各成分の数値のうち、イオウ含有量は洗浄剤全体に対する含有量(ppm)を示し、その他の成分の値は洗浄剤全体に対する質量%を示した。
表3中、ジプロピレングリコールメチルエーテル(ダウケミカル日本株式会社製;ダワノールDPM)をDPMと略した。表3中の各成分の数値のうち、イオウ含有量は洗浄剤全体に対する含有量(ppm)を示し、その他の成分の値は洗浄剤全体に対する質量%を示した。
表4中、ジプロピレングリコールプロピルエーテル(ダウケミカル日本株式会社製;ダワノールDPnP)をDPPと略した。表4中の各成分の数値のうち、イオウ含有量は洗浄剤全体に対する含有量(ppm)を示し、その他の成分の値は洗浄剤中全体に対する質量%を示した。
洗浄剤A1〜X1を用いて下記試験(1)、(2)を行い、結果を表5にまとめた。洗浄剤A2〜X2を用いて下記試験(1)、(3)を行い、結果を表6にまとめた。洗浄剤A3〜X3を用いて下記試験(1)、(4)を行い、結果を表7にまとめた。
〔イオウ含有量の測定方法〕
洗浄剤中、及び二塩基酸エステル中のイオウ含有量は、燃焼−イオンクロマトグラフィーによって硫酸イオンとして検出し、測定した。
(1)シミ、変色試験
400メッシュのスクリーン版用ステンレス製ニッケルメッキメッシュに表2、表3、表4に示す洗浄剤を塗布し、80℃で熱風乾燥した。乾燥後のメッシュ表面を目視観察し、メッシュ表面の外観変化を下記基準で判定した。シミ、変色の区別は、外観変化部分をエタノールで拭き取り、消失した場合をシミ、残留した場合を変色と判断した。
◎:シミ無し ◎:変色無し
○:ほとんどシミ無し ○:ほとんど変色無し
×:明らかにシミ有り ×:明らかに変色有り
(2)洗浄性;フラックス洗浄試験
フラックス成分であるロジン(和光純薬工業株式会社製;ロジン)約0.1gを溶融塗布したガラスエポキシ製基板を表2の洗浄剤に浸漬した。浸漬中、5分間、周波数40kHz、温度50℃の条件で超音波洗浄を行い、次いで1分間超音波仕上げ洗浄を行った。その後に、エアブローで液を切り、乾燥後の基板表面のロジン残渣を目視観察し、下記基準で洗浄性を判定した。
◎:ロジン残渣無し
○:ほとんどロジン残渣無し
×:明らかにロジン残渣有り
(3)洗浄性;インキ、ペースト洗浄試験
インキ(太陽インキ製;S−100Y)約0.1gを200メッシュのステンレス製メッシュに付着させ、表3の洗浄剤に浸漬した。浸漬中、5分間、周波数40kHz、温度35℃の条件で超音波洗浄を行い、次いで1分間超音波仕上げ洗浄を行った。その後に、エアブローで液を切り、80℃の温風で10分間乾燥後のメッシュ表面のインキ残渣を目視観察し、下記基準で洗浄性を判定した。
◎:インキ残渣無し
○:ほとんどインキ残渣無し
×:明らかにインキ残渣有り
(4)洗浄性;ディスペンサー洗浄試験
内径0.3mmのディスペンサーノズルに、シール剤(協立化学産業株式会社製;熱硬化型シール剤ワールドロック780P)を塗布し、表4の洗浄剤に浸漬した。浸漬中、周波数28kHz、温度30〜40℃の条件で30分間超音波洗浄を行い、次いで30分間超音波仕上げ洗浄を行った後に、エアブローで液を切り、乾燥後のノズルのシール剤残渣を目視観察し、下記基準で洗浄性を判定した。
◎:シール剤残渣無し
○:ほとんどシール剤残渣無し
×:明らかにシール剤残渣有り
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本発明の洗浄剤、洗浄方法は、金属製部品、プラスチック製部品、ガラス製部品、スクリーン版、メタルマスク、樹脂液吐出ディスペンサー部品、電子部品、電子回路基板等の工業用洗浄に用いられる洗浄剤、洗浄方法として好適である。

Claims (5)

  1. 二塩基酸エステル、水、及び式(1)で表されるグリコールエーテルを含み、
    1O−(R2O)n−R3 (1)
    (式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、R2は炭素数2〜5のアルキレン基であり、R3は水素、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、nは1〜4の整数を示す。)
    前記二塩基酸エステルの含有量が、4.99〜95質量%であり、
    前記水の含有量が、0.01〜30質量%であり、
    前記グリコールエーテルの含有量が、4.99〜95質量%であり、
    イオウ含有量が12ppm以下であり、
    ニッケルメッキを施しているスクリーン版用ステンレス製メッシュの洗浄用である、洗浄剤。
  2. 前記二塩基酸エステルが、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、及びコハク酸ジメチルからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の洗浄剤。
  3. 前記二塩基酸エステルが、下記(a)、(b)、及び(c)の混合物を含む、請求項1又は2に記載の洗浄剤。
    (a)アジピン酸ジメチル 1〜60質量%
    (b)グルタル酸ジメチル 10〜80質量%
    (c)コハク酸ジメチル 5〜40質量%
  4. 前記二塩基酸エステルの含有量が、30〜60質量%であり、
    前記水の含有量が、5〜15質量%であり、
    前記グリコールエーテルの含有量が、30〜60質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄剤。
  5. ニッケルメッキを施したスクリーン版用ステンレス製メッシュを請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄剤で洗浄する、洗浄方法。
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