JP6198681B2 - 反射フィルムおよび反射フィルムを有するディスプレイ - Google Patents

反射フィルムおよび反射フィルムを有するディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、反射フィルムおよび反射フィルムを有するディスプレイに関する。
文字、図形等の手書き情報をデジタル化して情報処理装置に入力する光学ペンと手書き入力シートとを使用したシステムにおいては、手書き入力シートにおいて、光学ペンから照射された光を手書き入力シートに書き込まれた情報を反映させた光として光学ペンに内蔵されている撮像素子に戻すための反射フィルムが通常必要である。一例として、特許文献1には、一面側からの赤外線を反射すると共に、可視光を透過する特性を有する赤外線反射層が、座標情報および/またはコード情報が繰り返し定義されたドットパターンのドットが配置されたドットパターン層とともに設けられた情報入力補助シートについて記載がある。
特開2014−098943号公報
本発明は、新規な反射フィルムを提供することを課題とする。特に、上述の手書き入力シート等の構成部材として用いることができる新規な反射フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、従来から反射部材として用いることができることが知られているコレステリック液晶相を固定した層を利用して上記課題を解決することを試み、上記の用途に用いる場合のコレステリック液晶相を固定した層の光学特性として好ましい範囲について検討を重ね、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[10]を提供するものである。
[1]右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択されるいずれか一方の円偏光反射層を含み、
上記円偏光反射層は、コレステリック液晶相を固定した層を含み、
上記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を有し、
上記反射波長の非偏光に対して、右円偏光または左円偏光の一方を選択的に反射し、
上記反射波長が赤外線波長域にあり、
非偏光可視光の直透過率が50%以上であって、
ヘイズ値が5%以下である反射フィルム。
[2]上記反射波長の非偏光に対する正反射率が15%以下である[1]に記載の反射フィルム。
[3]上記円偏光反射層が、液晶化合物、キラル剤、および水平配向剤を含む液晶組成物から形成された層である[1]または[2]に記載の反射フィルム。
[4]上記円偏光反射層の最表面の液晶分子の面内配向方位がランダムである[3]に記載の反射フィルム。
[5]上記円偏光反射層の少なくとも一方の最表面でコステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有し、
上記の螺旋軸の傾きはそれぞれ面内で変化しており、
上記螺旋軸の傾きの最大値が20°以下である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の反射フィルム。
[6]透明層を含み、
上記透明層と上記円偏光反射層とが直接接している[1]〜[5]のいずれか一項に記載の反射フィルム。
[7]上記円偏光反射層が、重合性液晶化合物、キラル剤、および水平配向剤を含む液晶組成物から形成された層であり、
上記円偏光反射層が上記透明層の表面に直接塗布された上記液晶組成物から形成されている[6]に記載の反射フィルム。
[8]上記透明層が(メタ)アクリレートモノマーを含む非液晶性組成物を塗布硬化して得られた層である[6]または[7]に記載の反射フィルム。
[9]基材を含み、
上記基材、上記透明層、上記円偏光反射層を、この順に含む[6]〜[8]のいずれか一項に記載の反射フィルム。
[10][1]〜[9]のいずれか一項に記載の反射フィルムを有するディスプレイ。
本発明により、新規な反射フィルムが提供される。本発明の反射フィルムは、手書き情報をデジタル化して情報処理装置に入力する光学ペンを使用したシステムに使用される手書き入力シートの構成部材等として応用が可能である。本発明の反射フィルムは、可視光透過率が高く、ヘイズが低いので、本発明の反射フィルムを使用した手書き入力シートは、ディスプレイに貼り付けて、またはディスプレイと一体化して使用することができる。
実施例で作製した反射フィルムの透過スペクトルを示す図である。 コレステリック液晶層断面をTEM観察して観測される、明部と暗部との縞模様の模式図を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、例えば、「45°」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5度未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4度未満であることが好ましく、3度未満であることがより好ましい。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、円偏光につき「選択的」というときは、照射される光の右円偏光成分または左円偏光成分のいずれかの光量が、他方の円偏光成分よりも多いことを意味する。具体的には「選択的」というとき、光の円偏光度は、0.3以上であることが好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。実質的に1.0であることがさらに好ましい。ここで、円偏光度とは、光の右円偏光成分の強度をIR、左円偏光成分の強度をILとしたとき、|IR−IL|/(IR+IL)で表される値である。光の円偏光成分の比を表すため、本明細書においては、円偏光度を用いることがある。
本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜780nmの波長域の光を示す。赤外線(赤外光)は可視光線より長く電波より短い波長域電磁波である。赤外線のうち、近赤外光とは700nm〜2500nmの波長域の電磁波である。
本明細書において、「拡散反射率」または「正反射率」は分光光度計と積分球ユニットを用いて測定した値に基づいて計算される値である。正反射率は積分球ユニットを用いて測定した値に基づく場合、測定の都合上、例えば入射角5°での測定値であればよい。拡散反射率は全反射率(積分球の全角度測定値)から正反射率を差し引いて算出することができる値である。直透過率は、積分球ユニットを用いて測定した値に基づく場合、0°での透過率である。
本明細書において、「ヘイズ値」は、日本電色工業株式会社製のヘーズメーターNDH−2000を用いて測定される値を意味する。
理論上は、ヘイズ値は、以下式で表される値を意味する。
(380〜780nmの非偏光の散乱透過率)/(380〜780nmの非偏光の散乱透過率+自然光の直透過率)×100%
散乱透過率は分光光度計と積分球ユニットを用いて、得られる全方位透過率から直透過率を差し引いて算出することができる値である。
本明細書において、単に「反射光」または「透過光」というときは、散乱光および回折光を含む意味で用いられる。
なお、光の各波長の偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がIR、左円偏光板を通して測定した光の強度がILに相当する。また、白熱電球、水銀灯、蛍光灯、LED等の通常光源は、ほぼ自然光を発しているが、これらに装着されたフィルムの偏光を作り出す特性は、例えば、AXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanなどを用いて測定することができる。
また、照度計や光スペクトルメータに、反射フィルムを取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。
(反射フィルムの光学的性質)
本発明の反射フィルムは、赤外線を反射することができるフィルムであり、非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を赤外線波長域に有する。また、本発明の反射フィルムは、上記反射波長の非偏光が入射したとき、右円偏光または左円偏光の一方を選択的に反射する。
本発明の反射フィルムが反射する赤外線の波長は特に限定されないが、反射フィルムの透過率スペクトルを確認したときに、750〜2000nmの範囲、好ましくは800〜1500nmの範囲に中心波長を有する反射波長帯域が確認できることが好ましい。上記反射波長は、組み合わせて用いられる光学ペンなどの光源の波長や撮像素子のセンサーが感知する赤外線の波長に従って選択されていることも好ましい。反射波長帯域の半値幅は50〜500nm、好ましくは100〜300nmであることが好ましい。
上記の拡散反射率が25%以上となる反射波長は、後述のコレステリック液晶層が選択反射を示す波長域のいずれかにあればよく、選択反射の中心波長に該当していてもよい。
特開2014−098943号公報の段落0391にも記載されているように、反射フィルムの反射が、鏡面反射であると、すなわち、拡散反射率が低いと、反射フィルムの反射光を利用してパターンの一部を情報として読み取る撮像素子の感度が悪くなってしまうという問題がある。本発明の反射フィルムは拡散反射率が25%以上となるようにフィルムを構成することにより、上記の問題を解消できる。拡散反射率は、さらに、30%以上、35%以上、40%以上であってもよく、47%以下、45%以下、42%以下等であってもよい。
本発明の反射フィルムは上記の反射波長において非偏光に対する正反射率が15%以下であることが好ましい。正反射率は、13%以下であることもより好ましい。
本発明の反射フィルムは、可視光領域において、透明であればよい。具体的には波長380〜780nmの非偏光可視光の直透過率が50%以上である。また、特に、ヘイズ値が5%以下である。ヘイズ値は3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。
本発明の反射フィルムは、赤外線領域の光に対して高い拡散反射率を有するとともに、ヘイズ値(可視光領域)が低い。そのため赤外線を照射する光学ペンとともに組み合わせて用いられる上述の手書き入力シートを特にテレビ等のディスプレイ表面に貼付して用いる場合に好ましく適用できる。
(反射フィルムの構成)
本発明の反射フィルムは、円偏光反射層として右円偏光を選択反射する右円偏光反射層または左円偏光を選択反射する左円偏光反射層のいずれかを含む。
本発明の反射フィルムは、右円偏光反射層または左円偏光反射層のいずれかを含んでいることによって、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射することが可能である。
(コレステリック液晶相を固定した層)
円偏光反射層はコレステリック液晶相を固定した層を含む。コレステリック液晶相は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射する円偏光選択反射性を有することが知られている。円偏光選択反射性を示すフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶相を固定した層については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶相を固定した層とは、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶相を固定した層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶性化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
本明細書においてコレステリック液晶相を固定した層をコレステリック液晶層または液晶層ということがある。
コレステリック液晶相を固定した層は、コレステリック液晶の螺旋構造に由来した円偏光選択反射を示す。円偏光選択反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチ長P(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチ長を調節することによって、円偏光選択反射を示す波長を調整できる。すなわち、n値とP値を調節して、近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するようにするために、中心波長λが750nm〜2000nm、好ましくは800nm〜1500nmの波長域となるようにすることができる。コレステリック液晶相のピッチ長は重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチ長を得ることができる。なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。そのため、右円偏光反射層および左円偏光反射層としては、それぞれ螺旋のセンスが右および左であるコレステリック液晶層を用いればよい。反射フィルムは、コレステリック液晶層を1層含んでいてもよく、2層以上含んでいてもよい。2層以上含む場合は、例えば、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層して、左円偏光反射層が形成されていてもよく、周期Pが異なり、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層して、円偏光反射層が形成されていてもよい。コレステリック液晶層の積層の際は、別に作製したコレステリック液晶層を接着剤等を用いて積層してもよく、後述の方法で形成された先のコレステリック液晶層の表面に直接、重合性液晶化合物等を含む液晶組成物を塗布し、配向および固定の工程を繰り返してもよい。
また、円偏光選択反射を示す選択反射帯(円偏光反射帯)の半値幅Δλ(nm)
は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチ長Pに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
なお、コレステリック液晶層の反射中心波長と半値幅は下記のように求めることができる。
分光光度計UV3150(島津製作所)を用いて光反射層の透過スペクトルを測定すると、選択反射領域に透過率の低下ピークがみられる。この最も大きいピーク高さの1/2の高さの透過率となる2つの波長のうち、短波側の波長の値をλ1(nm)、長波側の波長の値をλ2(nm)とすると、反射中心波長と半値幅は下記式で表すことができる。
反射中心波長=(λ1+λ2)/2
半値幅=(λ2−λ1)
円偏光反射帯の幅(コレステリック液晶層の円偏光反射スペクトルプロファイルは方形であるため、通常、「幅」は「半値幅Δλ」と実質的に同じである。)は、通常1種の材料では50nm〜150nm程度である。選択波長域を広げるためには、周期Pを変えた反射光の中心波長が異なるコレステリック液晶層を2種以上積層すればよい。または、1つのコレステリック液晶層内において、周期Pを膜厚方向に対して緩やかに変化させることで制御波長域を広げることもできる。
(コレステリック液晶相を固定した層の作製方法)
以下、コレステリック液晶層の作製材料および作製方法について説明する。
上記コレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物を含む液晶組成物などがあげられる。液晶組成物は、キラル剤および水平配向剤を含んでいることが好ましい。液晶組成物は、さらに界面活性剤や重合開始剤を含んでいてもよい。
液晶組成物を、基材、透明層、または、下層となるコレステリック液晶層などに塗布し、コレステリック配向熟成後、固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。
重合性液晶化合物
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物があげられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
キラル剤(光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ、アゾキシ、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
重合開始剤
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等があげられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
架橋剤
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などがあげられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック液晶層の安定性を低下させてしまうことがある。
水平配向剤
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤としての水平配向剤を添加してもよい。水平配向剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などがあげられる。
なお、水平配向剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、水平配向剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
その他の添加剤
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
コレステリック液晶層は、重合性液晶化合物および重合開始剤、更に必要に応じて添加されるキラル剤、界面活性剤等を溶媒に溶解させた液晶組成物を、基材上に塗布し、乾燥させて塗膜を得、この塗膜に活性光線を照射してコレステリック液晶性組成物を重合し、コレステリック規則性が固定化されたコレステリック液晶層を形成することができる。なお、複数のコレステリック液晶層からなる積層膜は、コレステリック液晶層の製造工程を繰り返し行うことにより形成することができる。
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などがあげられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
基材上への液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などがあげられる。また、別途仮支持体上に塗設した液晶組成物を基材上へ転写することによっても実施できる。塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。
配向させた液晶化合物は、更に重合させればよい。重合は、熱重合、光照射による光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いことが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR吸収スペクトルを用いて決定することができる。
個々のコレステリック液晶層の厚みは、上記特性を示す範囲であれば、特に限定はされないが、好ましくは1.0μm以上150μm以下の範囲、より好ましくは4.0μm以上、100μm以下の範囲である。
本発明の反射フィルムのコレステリック液晶層の膜厚の総計は好ましくは2.0μm以上、300μm以下の範囲、より好ましくは8.0μm以上、200μm以下の範囲である。2.0μm以上の厚みで周期構造に基づく選択反射を十分に確保することができる。また、300μm以下の厚みで、可視光の透過性も十分確保することができる。
(コレステリック液晶層の拡散反射率の調整)
本発明者らの検討の結果、選択反射波長(赤外線波長域)における拡散反射率が高く、ヘイズ値が低いコレステリック液晶層は、層の少なくとも一方の表面、好ましくは層の両表面で液晶分子のチルト角が小さく、且つ液晶分子の面内配向方位をランダムとすることにより得られることが判明した。すなわち、上記のチルト角および面内配向方位を調整することにより、選択反射波長における拡散反射率を50%以上でありかつ非偏光可視光に対するヘイズ値が低い5%以下であるコレステリック液晶層を形成することができる。コレステリック液晶層表面近傍の液晶配向方向、チルト角はコレステリック液晶層断面の膜表面近傍を透過電子顕微鏡(TEM)像などで確認すればよい。
コレステリック液晶層表面の液晶分子のチルト角と面内配向方位とを上記のように調整することにより、最表面でコステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有する構成を実現することができる。螺旋軸の傾きを有するとは、後述の螺旋軸の傾きが2°以上である面内の位置があることを意味する。最表面でコステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有する構成によりコレステリック液晶相の螺旋軸は面内で僅かなうねりを持って分布させることができると考えられる。すなわち、層の法線方向から螺旋軸のずれを、生じさせることができる。この螺旋軸のずれにより、散乱性の層となる。この層の内部には、複数の配向欠陥が存在しうる。
コレステリック液晶層の最表面の螺旋軸の傾きは以下のように得ることができる。
コレステリック液晶層断面をTEM観察すると、明部と暗部との縞模様が観察できる。縞模様は、層面に略平行な方向に明部と暗部とが繰り返されるように観察される。図2に模式図を示す。この明部と暗部の繰り返し2回分(明部2つおよび暗部2つ)が螺旋1ピッチ分に相当する。縞模様の法線方向が螺旋軸となる。コレステリック液晶層の最表面の螺旋軸の傾きは、最表面11から1本目の暗部がなす線と同じ側の最表面との角度として得ることができる(図2の101)。
コレステリック液晶層を、最表面の螺旋軸の傾きが面内で変化しているように構成することにより、拡散反射率が高い散乱性の層とすることができる。なお、「螺旋軸の傾きが変化している」とは、例えば、表面の任意の直線上で一定間隔で螺旋軸の傾きを測定すると、直線進行方向で増加および減少が確認される状態を示す。増加および減少は、好ましくは繰り返されており、変化は好ましくは連続的である。
最表面はコレステリック液晶層の少なくともいずれか一方(最上面または最下面)であってもよく、両方(最上面まおよび最下面)であってもよいが、両方であることが好ましい。
さらに螺旋軸の傾きの最大値を20°以下とすることにより、ヘイズ値(可視光波長域)を5%以下程度に低く調整することができる。螺旋軸の傾きの最大値は2°以上20°以下であればよく、5°以上20°以下であることが好ましい。
本明細書において、「チルト角」とは、傾斜した液晶分子が層平面となす角度を意味し、液晶化合物の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向が層平面となす角度のうち、最大の角度を意味する。従って、正の光学的異方性を持つ棒状液晶化合物では、チルト角は棒状液晶化合物の長軸方向すなわちダイレクター方向と層平面とのなす角度を意味する。
液晶分子の面内配向方位とは、液晶分子の上記の最大の屈折率の方向最大の屈折率の方向の、層と平行な面内での方位を意味する。面内配向方位がランダムであるとは、面内の液晶化合物分子の面内配向方位の平均方位と4°以上異なる面内配向方位を有する液晶分子がTEMにて10%以上20%以下で確認できる状態を意味する。
なお、本明細書において、液晶分子というとき、液晶組成物においては重合性液晶化合物の分子を意味し、重合性液晶化合物が液晶組成物の硬化反応により高分子化している場合は、上記重合性液晶化合物分子に該当する部分構造を意味する。
コレステリック液晶層の形成の際の重合性液晶化合物の配向の際の、下層側表面にある液晶分子のチルト角は0度〜20度の範囲が好ましく、0度〜10度がより好ましい。上記の値にチルト角を制御することにより配向欠陥の密度と、螺旋軸の傾斜角度分布を好ましい範囲とすることができる。
コレステリック液晶層の形成の際の重合性液晶化合物の配向の際は、下層側表面の液晶分子のチルト角(プレチルト角)を上記のように低く、好ましくは水平にし、且つ液晶分子の配向均一性を低下させるために、液晶組成物を塗布する後述の透明層や基材、または他のコレステリック液晶層の表面にラビングなどの配向処理をしないことが好ましい。コレステリック液晶層の空気界面側の液晶分子を水平にするために、前述の水平配向剤を使用することが好ましい。
(透明層)
本発明の反射フィルムは、コレステリック液晶層の形成の際に液晶組成物が塗布される下層として、透明層を含んでいてもよい。透明層は、その表面に設けられる液晶組成物中の重合性液晶化合物分子に対して低いプレチルト角を与える材料からなる層を好ましく用いることができる。
透明層としては、例えば、(メタ)アクリレートモノマー、ゼラチン、ウレタンモノマーなどを含む非液晶性の重合性組成物を塗布硬化したものを用いることができる。例えば、(メタ)アクリレートモノマーを含む層を塗布硬化して得られるアクリル層は面内において等方的であるため、アクリル層表面にラビング処理を施さずに液晶層を形成すると、アクリル層に接している液晶の面内配向方位はランダムとなる。
そのためアクリル層表面に液晶組成物を塗布して形成されるコレステリック液晶層を配向欠陥を有する層とすることができる。
そして、配向欠陥を有する液晶層上に液晶層を形成すると、同様に配向欠陥を有する液晶層を形成することができる。
透明層としてはそのほか、ポリイミド(日産化学社製ポリイミドワニスのサンエバー130など)、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂などを用いてもよい。拡散反射率の高いコレステリック液晶層の形成のため、液晶組成物を塗布する透明層の表面はラビング処理(例えば、ポリマー層の表面を、紙または布等で一定方向に、擦ることによるラビング処理)を行わないことが好ましい。
透明層の厚さは0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜20μmであることがさらに好ましい。
(基材)
本発明の反射フィルムは、コレステリック液晶層の支持体として基材を含んでいてもよい。基材は上記の透明層を兼ねていてもよい。
基材は特に限定されない。基材としては、プラスチックフィルムを用いることができる。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどがあげられる。
基材の膜厚としては、5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜90μmである。
なお、コレステリック液晶層の形成のために用いられる支持体は、コレステリック液晶層形成後に剥離される仮支持体であってもよく、コレステリック液晶層形成の後、コレステリック液晶層が基材に転写されてもよい なお、仮支持体としては上記のプラスチックフィルムの他、ガラス等を用いてもよい。
(接着層)
本発明の反射フィルムは、各層の接着のための接着層を含んでいてもよい。
接着層は接着剤から形成されるものであればよい。
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリルレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
(反射フィルムの用途)
本発明の反射フィルムの用途としては特に限定されないが、例えば、手書き情報をデジタル化して情報処理装置に入力する光学ペンを使用したシステムで用いられる手書き入力シートの反射フィルムとして用いることができる。使用の際は光学ペンから照射される赤外線の波長が反射フィルムが反射を示す波長となるように、コレステリック液晶層の組成を調整して用いられる。具体的にはコレステリック液晶相の螺旋ピッチを上述の方法で調整すればよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
富士フイルム製PET(厚み75μm)のPET面に、表1に示す塗布液Bを乾燥後の乾膜の厚みが8μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射しアクリル層を得た。上記で得られたアクリル層上にラビング処理を施さずに表1に示す塗布液A−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。得られた塗布膜を上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、液晶層を作製し、反射フィルムを得た。
フィルム評価方法
JASCO製の分光光度計V−670を用い、作製した反射フィルムの透過スペクトルを測定した。得られた透過スペクトルを図1に示す。波長850nmを中心波長とし、半値幅が117nmとなる反射を示す透過率の減少が見られた。
JASCO製の分光光度計V−670を用い反射フィルムの各物性値を求めた。正反射率は絶対反射率測定ユニットARV474S型を組み合わせて、反射の全角度測定値(全反射率)は積分球ユニットISN723型を組み合わせて測定した。正反射率は入射角5°での測定値である。拡散反射率は上記の全角度測定値から正反射率を差し引いて算出した。正反射率および全反射率は波長850nmの光を用いて測定した。
直透過率、直透過率は入射角0°での測定値であり、波長380〜780nmの非偏光の直透過率は、測定した380〜780nmの透過率を平均して算出した。
ヘイズ値は日本電色工業株式会社製のヘーズメーターNDH−2000を用いて測定した。
結果は以下の通りであった。

正反射率(850nm):11.0%
拡散反射率(850nm):35.6%
波長380〜780nmの非偏光の直透過率:85.5%
ヘイズ値:2.2%
11 コレステリック液晶層の最表面
101 最表面の螺旋軸の傾き

Claims (9)

  1. 右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択されるいずれか一方の円偏光反射層を含み、
    前記円偏光反射層は、コレステリック液晶相を固定した層を含み、
    前記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を有し、
    前記反射波長の非偏光に対して、右円偏光または左円偏光の一方を選択的に反射し、
    前記反射波長が赤外線波長域にあり、
    非偏光可視光の直透過率が50%以上であって、
    ヘイズ値が5%以下であり、
    前記円偏光反射層が、液晶化合物、キラル剤、および水平配向剤を含む液晶組成物から形成された層であり、
    前記円偏光反射層の最表面の液晶分子の面内配向方位がランダムである、
    反射フィルム。
  2. 透明層を含み、
    前記透明層と前記円偏光反射層とが直接接している請求項1に記載の反射フィルム。
  3. 前記円偏光反射層が前記透明層の表面に直接塗布された前記液晶組成物から形成されている請求項2に記載の反射フィルム。
  4. 前記透明層が(メタ)アクリレートモノマーを含む非液晶性組成物を塗布硬化して得られた層である請求項2または3に記載の反射フィルム。
  5. 右円偏光を選択反射する右円偏光反射層および左円偏光を選択反射する左円偏光反射層からなる群より選択されるいずれか一方の円偏光反射層を含み、
    前記円偏光反射層は、コレステリック液晶相を固定した層を含み、
    前記円偏光反射層が選択反射を示す波長域において非偏光に対する拡散反射率が25%以上となる反射波長を有し、
    前記反射波長の非偏光に対して、右円偏光または左円偏光の一方を選択的に反射し、
    前記反射波長が赤外線波長域にあり、
    非偏光可視光の直透過率が50%以上であって、
    ヘイズ値が5%以下であり、
    さらに透明層を含み、
    前記透明層と円偏光反射層とが直接接しており、
    前記透明層が(メタ)アクリレートモノマーを含む非液晶性組成物を塗布硬化して得られた層であり、
    前記円偏光反射層が、重合性液晶化合物、キラル剤、および水平配向剤を含む液晶組成物から形成された層であり、
    前記円偏光反射層が前記透明層の表面に直接塗布された前記液晶組成物から形成されている、反射フィルム。
  6. 基材を含み、
    前記基材、前記透明層、前記円偏光反射層を、この順に含む請求項2〜5のいずれか一項に記載の反射フィルム。
  7. 前記反射波長の非偏光に対する正反射率が15%以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載の反射フィルム。
  8. 前記円偏光反射層の少なくとも一方の最表面でコレステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有し、
    前記螺旋軸の傾きはそれぞれ面内で変化しており、
    前記螺旋軸の傾きの最大値が20°以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載の反射フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の反射フィルムを有するディスプレイ。
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