JP6198393B2 - 接触式三次元形状測定装置及びプローブ制御方法 - Google Patents

接触式三次元形状測定装置及びプローブ制御方法 Download PDF

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Description

本発明は接触式三次元形状測定装置及びプローブ制御方法に関する。
接触式のプローブを被測定物に対して接触させつつ走査するとともにプローブの三次元的な位置を計測することで、被測定物の形状を計測する形状測定装置が知られている。このような形状測定装置では、プローブの移動に伴う形状測定装置の機械共振の影響で振動的な測定誤差が生じるという問題がある。このため、従来では例えば、ハイカットフィルタや、ノッチフィルタ等のフィルタを適用することで測定誤差を低減させていた。従来の形状測定装置の制御システムとしては、例えば特許文献1に記載されているような測定器がある。その構造を図8に示す。図8において、ホストコンピュータは測定機本体を制御するためのものであり、駆動制御部と測定値取得部とフィルタ装置とを備える。フィルタ装置は測定値取得部にて取得される測定値にデジタルフィルタを適用して測定機本体のメカ共振周波数特性に基づく測定誤差の影響を低減する。フィルタ装置はパラメータ取得部と、フィルタ設計部と、フィルタ処理部とを備える。
パラメータ取得部は、プローブの種類、測定位置、測定機の姿勢、及び被測定物に対して付加する測定力に代表される測定条件など、測定機本体のメカ共振周波数特性を変化させる条件を取得する。測定機本体のメカ共振周波数特性は、このようにプローブの種類や測定条件等によってメカ共振周波数特性が変化する。
フィルタ設計部は、パラメータ取得部にてプローブの種類や測定条件等に基づいて、測定機のメカ共振周波数特性の変化に追従するデジタルフィルタを設計する。フィルタ処理部はフィルタ設計部にて設計されたデジタルフィルタを測定値取得部にて取得される測定値に適用する。
このような構成で、測定条件に応じて変化する測定機のメカ共振周波数特性を推定し、推定した測定機のメカ共振周波数特性の変化に追従するフィルタ処理をすることで測定誤差を低減させることができる。
特開2010−38779号公報
上記特許文献1に記載の従来例では、プローブの種類、測定位置、測定機の姿勢、被測定物に対して付加する測定力などの測定条件に応じて変化する測定機のメカ共振周波数特性の変動には対応できる。
しかしながら、測定機のメカ共振周波数の影響を受けて発生する制御振動に関してプローブと被測定物との傾斜角度及び方向によってXY方向の制御振動がZ方向であるプローブ押付け方向の制御振動に加わることへの対応は困難である。
測定機のメカ共振周波数特性に起因するプローブ押付け方向の周波数特性及び振幅特性、つまり制御振動特性は、プローブと被測定物との接触位置及び接触角度に依存して変化する。そのような特性を持った制御振動がプローブ押付け方向へ加わった場合、プローブ押付け圧に偏差が発生する。
このプローブ押付け圧の偏差が発生することに関係する以下のような問題点がある。プローブ制御系によってプローブを被測定物に対して押し付け圧を一定に保ちながら被測定物の表面形状に応じて速やかに移動制御する。しかしながら、連続的に被測定物表面を走査する場合にプローブ押し付け圧が変化することでプローブ押付け圧の偏差が発生して、プローブ押付け圧の変化に伴って被測定物の表面形状の変化や変形、プローブの倒れといった姿勢の変化、及びプローブの変形が生じる。プローブの位置をもって被測定物表面の形状とする三次元形状測定装置では、被測定物の表面形状の変化や変形、プローブの姿勢の倒れといった姿勢の変化及びプローブの変形が直接的に測定精度を低下させてしまう。
制御振動に対しては帯域阻止フィルタが有効であるが、周波数及び振幅を固定にしてフィルタを設計するため、特性が変化する制御振動に対しては効果が薄い。
本発明の目的は傾斜角に依存して測定機のメカ共振周波数特性が変化する条件下でもプローブ制御の押付け圧の偏差を発生させることなく、また偏差振幅が小さくするよう安定的な制御にすることで、測定機の測定精度への影響を最小限に抑えることである。
さらに被測定物の傾斜角に依存して周波数特性・振幅特性が変化する制御振動に対応した追従型のフィルタ処理をすることでプローブ偏差の発生を抑え、直接的に測定誤差を低減させることのできる接触式三次元形状測定装置及びプローブ制御方法を提供することを目的とするものである。
本発明の接触式三次元形状測定装置は、接触式プローブで被測定物の表面を走査することによって前記被測定物の三次元形状を測定する接触式三次元形状測定装置であって、被測定物に対する前記接触式プローブの押し付け圧を制御するプローブ制御部と、前記制御部の制御に応じて押し付け方向に前記接触式プローブを移動させるためのステージを駆動するガイドと、前記ステージの位置を検出する変位計と、メカ共振周波数特性を予め得る周波数特性計測器と、メカ共振周波数による制御振動を抑えるフィルタ装置と、前記被測定物の傾斜情報を得る手段と、前記被測定物の傾斜情報と前記メカ共振周波数特性から傾斜に応じたフィルタパラメータを得る手段と、前記フィルタパラメータを前記フィルタ装置に設定する手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のプローブ制御方法は、接触式プローブで被測定物の表面を走査することによって前記被測定物の三次元形状を測定する三次元形状測定装置において前記接触式プローブを制御する、プローブ制御方法であって、被測定物に対する前記接触式プローブの押し付け圧を制御すること、前記制御工程での制御量に応じて押し付け方向に前記接触式プローブを移動させるためのステージを駆動すること、前記ステージの移動量を検出すること、予め得たメカ共振周波数特性を基に、メカ共振周波数による制御振動をフィルタ装置によって抑えること、前記被測定物の傾斜情報を得ること、前記被測定物の傾斜情報と前記メカ共振周波数特性から傾斜に応じたフィルタパラメータを得ること、得られた前記フィルタパラメータを前記フィルタ装置に設定することを備え、それにより前記メカ共振周波数の制御振動を抑制することを特徴とする。
以上説明したように、本発明のプローブ制御方法によれば、予め角度情報及びスキャン制御系のXY位置指令情報を基にプローブ制御部がプローブと被測定物との接触角度及び接触方向を把握できる。
それによって、メカ共振周波数の影響を受けて発生するプローブ制御振動を帯域阻止する帯域阻止フィルタを設定することができる。さらにプローブと被測定物との接触角度及び接触方向の変化に伴う制御振動周波数及び振幅の変化に追従した帯域阻止フィルタを設定してプローブ制御が可能となる。それにより、プローブと被測定物との接触角度及び接触方向の変化に伴う制御振動を常に抑制するので、従来よりも更にプローブ制御のロバスト性が向上し、測定機の形状測定データ誤差を低減する効果を奏する。
本発明の実施例に係るプローブ制御方法の制御ブロック図である。 接触式三次元形状測定装置と接触式プローブの構造を示す俯瞰図である。 接触式三次元形状測定装置と接触式プローブの構造を示す概略側断面図である。 接触式三次元形状測定装置と接触式プローブ位置計測方法の構造を示す俯瞰図である。 接触式三次元形状測定装置のメカ共振周波数特性を取得可能とする構造の側断面図とメカ共振周波数を示すグラフである。 接触式プローブおよび被測定物のモデルとプローブ接触角度および接触方向変化の様子を示す概念図である。 接触式三次元形状測定装置のプローブ制御周波数特性を取得可能とする構造の側断面図とプローブ制御周波数特性を示すグラフである。 従来の形状測定装置の制御システムブロック図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明を適用できるプローブ制御方法の制御ブロックである。図1において、プローブ制御ブロック11はフィルタ設定部12とプローブ制御部13で構成されている。
プローブ制御方法は、後述する接触式三次元形状測定装置200に適用可能である。フィルタ設定部12は、XYスキャン軸制御装置121が指令するスキャン方向位置指令のX方向指令122とY方向指令123と測定管理装置124の被測定物の傾斜情報が保持する被測定物の傾斜角を入力するのに適用可能な傾斜演算部125を備える。被測定物の傾斜情報は、傾斜角度及び傾斜方向を含む。
フィルタ設定部12は、さらにXYZ方向によって振幅成分および周波数成分が異なるメカ共振周波数をX方向、Y方向、Z方向それぞれに帯域阻止できる帯域阻止フィルタのパラメータを保持するフィルタテーブル126を備える。
フィルタテーブル126について、複数のメカ共振周波数を同時に帯域阻止するために、複数の帯域阻止フィルタ(バンドストップフィルタ、帯域除去フィルタとも称する)のパラメータをフィルタテーブル126の一パターンに持たせることも可能である。フィルタテーブル126は、後述する接触式プローブ228と被測定物26との接触角度及び接触方向によって変化するメカ共振周波数を最適にした状態で、帯域阻止可能な帯域阻止フィルタのパラメータをXYZ方向と傾斜角度および傾斜方向でパターン化して保持している。
以下、本発明の実施形態では「フィルタパラメータ」の語は、例えば帯域阻止フィルタにおける阻止帯域など、フィルタ装置におけるフィルタリング機能の設定値を指す用語として説明を行う。
なお、上述の先行技術1における「パラメータ」の語は、プローブの種類、測定位置、測定機の姿勢、及び被測定物に対して付加する測定力に代表される測定条件など測定機本体のメカ共振周波数特性を変化させる条件を指している点で全く異なる。
帯域阻止フィルタのパラメータ取得及び前記パラメータのパターン化に際しては、接触式三次元形状測定装置200のメカ共振周波数の特性を予め測定・分析してフィルタパラメータを得ることが必要である。
プローブ制御部13は、現在のプローブ押付け圧を測定するのに適用可能なスケール(SCL)131とスケール131の値をディジタル値へ変換する変換部132、ディジタル値に変換された現在のプローブ押付け圧133をフィードバックするフィードバックループを備える。
プローブ制御部13は、さらに現在のプローブ押付け圧と目標プローブ押付け圧134からプローブ押付け圧偏差135を得る減算器136を備える。プローブ制御部13は、プローブ押付け圧偏差135からプローブ押付け圧操作量137を演算するのに適用可能なプローブ操作量の制御演算部138を備える。プローブ制御部13は、プローブ押付け圧操作量140から特定のメカ共振周波数を低いレベルに減衰させる帯域阻止フィルタ処理をするフィルタ部139をさらに備える。
フィルタ部139は、傾斜演算部138によってXY方向指令パルスと被測定物情報から求められるプローブと被測定物26との接触傾斜角度及び傾斜方向を基に最適な帯域阻止フィルタのフィルタパラメータをフィルタテーブル126から選択する。
フィルタ部139により選択された帯域阻止フィルタパラメータを、プローブ制御開始前にフィルタ部139に設定し、プローブ制御部13の制御ループ内でフィルタ処理をさせる。
本発明のプローブ制御方法を適用可能な接触式三次元形状測定装置200においては、XYスキャン動作時にX方向指令値、Y方向指令値からプローブと被測定物26との接触傾斜角度および接触傾斜方向を算出する。例えば接触傾斜角度および接触傾斜方向によってメカ共振周波数が変化した場合でも、その変化に追従する。
プローブ制御部13は、フィルタ部139によってフィルタ処理されたフィルタ処理後のプローブ押付け圧操作量140をアナログ変換処理する変換部141と、ステージ操作量142を生成するのに適用可能なアンプ143を備える。接触式プローブ228を押し付け方向に移動させるためのステージを操作して得られるステージ操作量142を接触式プローブ228が取り付けられたZ軸に伝えることで一定のプローブ押付け量を制御することが可能なアクチュエータ(M)144を備える構成となっている。
X方向指令値、Y方向指令値からプローブ228と被測定物26との接触傾斜角度および接触傾斜方向を算出するタイミングは、例えばリアルタイムに行ってもよい。
帯域阻止フィルタをフィルタ設定部12のフィルタテーブル126からプローブ制御部13のフィルタ部139に設定するタイミングは、例えばリアルタイムに行ってもよい。
図2及び図3は、本発明を適用及び本発明のプローブ制御方法の効果を確認可能な接触式三次元形状測定装置と接触式プローブの構造を示すものである。図2は、本発明の実施形態となる3次元形状測定装置の構成を示す斜視図であり、図3は、図2の概略側断面図である。
図2及び図3において、3次元形状測定装置200の基部を構成する除振台215a,215b,215c上には、装置全体の基台となるベッド216が配置され、これらの除振台215a,215b,215cにより3ヶ所で支持されている。この構造により床面の微小制御振動は減衰し、ベッド216までは伝わらない。
ベッド216はベース定盤21を支持するための支持面244を有し、この支持面244上の3ヵ所の支持点においてベース定盤21を支持する。第1の支持点はベース定盤21の底面と支持面244の両方に略円錐形状の窪み245を設け、球247aを挟む。第2の支持点は、第1の支持点を通るY軸に平行な直線上に位置し、ベース定盤21の底面と支持面244の両方に、Y軸の方向に稜線の方向を一致させた略3角柱形状の窪み246を設け、球247bを挟む。第3の支持点は、第1及び第2の支持点からXX軸方向に所定距離だけ離間した位置にあり、ベース定盤21の底面と支持面244の両方の平面の間に球247cを挟む。
この構成により、第1の支持点においてはXYZ方向を拘束し、第2の支持点においてはXZ方向を拘束し、第3の支持点においてはZ方向を拘束する。ここで、ベッド216が変形し、3つの支持点間の距離が変化した場合を考える。第1の支持点と第2の支持点間の距離の変化に対しては、第2の支持点に配置された球247bが3角柱形状の窪み246に沿って移動するため、ベース定盤21には、ベッド216の変形によって引き起こされる不要な力が伝達されない。
また、ベッド216の第2の支持点と第3の支持点間の距離、及び第1の支持点と第3の支持点間の距離が変化しても、ベース定盤21の第3の支持点はベッド216に対してXY平面内で自由に移動可能であるため、ベース定盤21にベッド216の変形によって引き起こされる不要な力が伝達されない。従って、ベッド216が変形しても、ベース定盤21が変形することが防止できる。
ベース定盤21上には、被測定物26を固定し、また3本の支柱25a、25b、25cを固定し、この支柱上の3ヵ所において基準鏡保持フレーム232を支持する。第1の支柱25a上の第1の支持部229では、基準鏡保持フレーム232を堅固に固定する。第2の支柱25b上の第2の支持部231は、第1の支持部229を通るY軸に平行な直線上にあり、断面がXX軸方向に長くY軸方向に薄い四角柱状(薄板状)に形成されている。また、第3の支持部230は、第1の支持部229からX軸方向に所定距離だけ離間した位置にあり、直径の小さい円柱状に形成されている。
この構成により、第1の支持部229においては、ベース定盤21に対して基準鏡保持フレーム232をXYZ方向に拘束し、第2の支持部231においては、第2の支持部231を構成する薄板状の柱がY方向に容易に曲げ変形するのでXZ方向を拘束する。さらに、第3の支持部230においては、第3の支持部230を構成する細い円柱状の柱がX方向及びY方向に容易に曲げ変形するためZ方向のみを拘束する。
ここで、ベース定盤21が被測定物26の自重などの影響により変形し、3ヵ所の支持点間の距離が変化した場合を考える。第1の支持点と第2の支持点間の距離の変化に対しては、第2の支持点がY方向に移動可能であるため、基準鏡保持フレーム232には、ベース定盤21の変形によって引き起こされる不要な力が伝達されない。また、第2の支持点と第3の支持点間の距離、及び第1の支持点と第3の支持点間の距離が変化しても、第3の支持点はベース定盤21に対してXY平面内で容易に移動可能であるため、基準鏡保持フレーム232にベース定盤21の変形によって引き起こされる不要な力が伝達されない。従って、ベース定盤21が変形しても、基準鏡保持フレーム232が変形することが抑制できる。
基準鏡保持フレーム232には、3つのX基準鏡27、Y基準鏡28、Z基準鏡29が取り付けられる。
次に、被測定物26に接触して被測定物26の表面形状を測定するための測定子の構成について説明する。
図2及び図3において、ベッド216上にはX軸スライドガイド217が固定されており、X軸スライドガイド217上には、Xスライド23がX軸方向に摺動自在に支持されている。Xスライド23は、Xスライド駆動用モータ218とボールネジ219により摺動駆動される。Xスライド23には、Y軸方向に沿ってY軸スライドガイド220が固定されており、Y軸スライドガイドには、Yスライド22がY軸方向にスライド自在に支持されている。
Yスライド22は、Yスライド駆動用モータ221とボールネジ222により摺動駆動される。さらに、Yスライド22には、Z軸方向に沿ってZ軸スライドガイド223が固定されており、Z軸スライドガイド223には、Zスライド24がZ軸方向にスライド自在に支持されている。Zスライド24は、Zスライド駆動用モータ224とボールネジ225により摺動駆動される。Zスライド駆動用モータ224には、このモータの回転角を検出するエンコーダ245が設けられている。さらにZスライド24には、接触式プローブ228が支持されたハウジング226が固定されている。以上の構成により、接触式プローブ228を、ベッド216に対してXYZ方向に3次元的に動かすことができる。
接触式プローブ228は、被測定物26の表面に接触して被測定物表面のZ軸方向の高さを測定する。接触式プローブ228は平行板バネ227a〜227dを介してZ軸方向にのみ移動可能にハウジング226に支持されている。接触式プローブ228の下端には形状精度が高いことが補償されている球であるマスターボール240が取り付けられ、上部には鏡241が設けられている。Zスライド24の接触式プローブ228の直上方の位置には光干渉計である変位計214が設けられており、Z基準鏡28とプローブ228の上部の鏡229との間の距離Z1(図4)を測定する。
ハウジング226には、鏡229の位置を検出する変位センサー(不図示)が設けられており、ハウジング226に対する接触式プローブ228の相対変位を検出する。変位センサーの出力信号は、不図示の接触圧制御回路に入力され、接触圧制御回路は、変位センサーが検出するプローブ228の相対変位量に基づいて平行板バネ227a〜227dの変形量を検出し、プローブ228の被測定物26への押付け圧が一定になる様にZスライド24の位置を制御する信号を出力する。この制御信号は、不図示のモータ用アンプに入力され、このモータ用アンプを介してZスライド駆動モータ224が駆動される。
また、エンコーダ245の出力信号は、Zスライド24のZ軸方向の位置を制御する図示しない位置制御回路に入力され、図示しない位置制御回路は、エンコーダ245が検出するZスライド駆動モータ224の回転角に基づいて、Zスライド24の位置を制御する信号を出力する。この制御信号は、モータ用アンプ(不図示)に入力され、このアンプを介してZスライド駆動モータ224が駆動される。
上記の接触式プローブ228の接触圧を制御する状態と、Zスライド24の位置を制御する状態とは、図示しないスイッチにより切り替えられる。そして、図示しないスイッチの動作は、さらに装置全体の制御を行う図示しない総合制御装置により制御される。
Zスライド24の先端部には、Zスライド24のX方向の距離を測定するための光干渉計である変位計210,211(図4参照)が設けられており、Zスライド24の上下の2ヶ所の点とX基準鏡27との間の距離X1,X2を測定する。Y方向についても同様な光干渉計である変位計212,213(図4参照)が設けられており、Zスライド24の上下の2ヶ所の点とYY基準鏡28との間の距離を測定する。
ここで、図4に示すようにX1の測定軸とY1の測定軸はZ1の測定軸上の点C1で交わり、X2の測定軸とY2の測定軸はZ1の測定軸上の点C2で交わる様に各測定軸を設定する。C1とC2の間の距離をL1とし、C2とプローブ228の上端に固定した鏡241の間の距離をL2とし、そこからプローブ先端のマスターボール240の中心C3までの距離をL3とする。
この条件のもとにおいて、プローブ228の先端のマスターボール240の中心位置座標(Xp,Yp,Zp)は、次の式によりもとめられる。
Xp=X1+(X2−X1)×(L1+L2+L3)÷L1+δX (1)
Yp=−Y1−(Y2−Y1)×(L1+L2+L3)÷L1+δY(2)
Zp=−Z1+δZ (3)
ただし、δX,δY,δZは定数である。
ここで、上記の式の意味について説明する。既に説明したような、Xスライド、Yスライド、Zスライドを用いた3次元移動機構においては、プローブ228を移動させるとき、各スライドの移動誤差により、Zスライドには移動誤差が生ずる。一般に移動誤差とは軸の移動によって定義される次の6つの誤差である。
(A)位置誤差
3次元位置の誤差で、XYZ方向の3種類があり、ΔX,ΔY,ΔZと記述する。
(B)姿勢誤差
姿勢誤差とは、回転に関する誤差でXYZ軸回りの3種類があり、ΔθX,ΔθY,ΔθZと記述する。
以上の6種類の移動誤差成分が、XYZスライドのそれぞれに関して生じるため、その先端に配置されているプローブの位置及び姿勢は、それらの移動誤差の積み重ねに影響され、XYZ軸の移動にともなって変化する。
上記の式(1)乃至式(3)を用いてプローブの位置を算出することにより、この移動誤差に影響されずにプローブ先端のマスターボールの中心位置を測定できることを以下に示す。
(位置誤差について)
XYZ方向の位置誤差ΔX,ΔYは、そのまま光干渉計などの変位計で測定する長さX1,X2に反映されるので、プローブ位置の測定誤差にはならない。また、変位計の測定する長さZ1は、プローブとZ基準鏡との間の距離であるため、ΔZはZ方向の測定値に影響しない。
(姿勢誤差について)
例えば、Y軸回りの姿勢誤差ΔθYが生じると、点C1の位置からみてマスターボール230の中心位置(点C3)はΔθY×(L1+L2+L3)だけX方向にずれる。従って、マスターボール中心(点C3)のX方向の正しい位置Xpは、点C1のX方向位置がX1なので、
Xp=X1+ΔθY×(L1+L2+L3)+δX (4)
と表わされる。ここで、δXは、被測定物26の取り付け位置誤差等に起因する誤差であり、変化するものではなく定数である。
一方、点C1の位置から見ると、姿勢誤差ΔθYにより点C2もΔθY×L1だけX方向にずれることになる。ここで、点C2のX方向位置は、変位計によりX2として測定されるので、点C2のX方向のズレ量ΔθY×L1は、
ΔθY×L1=(X2−X1)と表わされる。この式からΔθYを求めると、
ΔθY=(X2−X1)÷L1となる。これを、上記の式(4)に代入すれば、Xpは、
Xp=X1+(X2−X1)×(L1+L2+L3)÷L1+δX
となり、上記の式(1)が求められることとなる。
X軸回りの姿勢誤差ΔθXについても、同様に考えれば、マスターボール中心のY方向の正しい位置は、式(2)の様に求められる。
さらに、Z軸回りの姿勢誤差ΔθZについては、プローブの先端が球であるので、測定誤差にはならない。
なお、式(1),(2),(3)において、δX,δY,δZは、被測定物26の取り付け位置誤差等に起因する定数誤差であり、未知であるが、被測定物26の形状を測定する目的のためには相対的な位置が分かれば十分なので問題はない。言い換えれば、被測定物が、測定基準である3つの基準鏡に対してどこに固定されているかは正確に知る必要はない。
このように、上記の式(1)乃至(3)を用いれば、移動軸の移動誤差に影響されないで、プローブの3次元位置を測定することができる。
次に、上記の構成において、被測定物26の形状を測定する手順について説明する。
まず、被測定物26をベース定盤21に取り付ける。この際、ベース定盤21は被測定物26の重量により変形する。しかし、前述した様に3ヶ所の支持点229,230,231の作用により、基準鏡保持フレーム232は変形が抑制され、従って、3次元形状測定装置の位置の基準である3つの基準鏡27,28,29の相対的な位置は変化しない。また、環境温度の変化によるベース定盤21の変形に対しても同様の作用により、基準鏡保持フレーム232は変形が抑制される。
次に、図示しないスイッチにより、図示しない位置制御回路を選択し、プローブ228のZ軸方向の位置を被測定物26から離れた所定の位置に制御する(ステップS1)。次に、Xスライド23及びYスライド22を駆動して、被測定物26の最初の測定ポイントの上方にプローブ228を移動させる(ステップS2)。このとき、X及びYスライドの移動にともなって、スライド22の重量がベッド216に作用する位置が変化するため、ベッド216が変形する。しかし、前述した様に3ヶ所の支持点245,246,247の作用により、ベース定盤21は変形しない。これはZスライドが移動した場合も同様であり、Zスライドの移動にともなってベッド216が変形しても、ベース定盤21は変形しない。さらに、環境温度の変化によるベッド216の変形に対しても、同様の作用によりベース定盤21は変形しない。
次に、Zスライド24を駆動して被測定物26の表面にプローブ228の先端が接触するまで、下降させる(ステップS3)。このとき、変位センサー231の出力をモニターし、平行板バネ227a〜227dの変位量、言い換えればプローブ228の被測定物26への接触圧が所定の値になるまでZスライド24を下降させる(ステップS4)。平行板バネ227a〜227dの変位量が所定値になったところで、図示しないスイッチを切り替えて接触圧制御回路239を選択し、変位センサー231の出力が一定になる様に、言い換えればプローブ228の接触圧が一定になる様にZスライド24の位置を制御する(ステップS5)。
次に、光干渉計である変位計210,211,212,213,214の出力から、式(1)乃至(3)を用いてプローブ先端のマスターボール230の位置を算出する(ステップS6)。そして、この算出した座標位置を図示しない総合制御装置内のメモリに保存する(ステップS7)。
次に、Xスライド23及びYスライド22を駆動して、プローブ228を被測定物26の表面に接触した状態で走査しながら、プローブ228の位置を順次測定し、総合制御装置290内のメモリに記憶していく(ステップS8)。そして、全部の測定領域を走査し終えたかを判定し(ステップS9)、走査が終了していなければステップS6に戻り、走査が終了していればステップS10に進む。ステップS10では、図示しないスイッチを切り替えて、プローブ228を位置制御の状態とし、さらにプローブ228を被測定物26から退避させて測定を終了する(ステップS11)。
以上説明した様に、上記の実施形態によれば、ベッド216に対して、ベース定盤21を3点で支持し、そのうちの1点では、ベース定盤21を強固に固定し、他の1点ではY軸方向のみに可動に支持し、残りの1点ではXY方向に可動に支持することにより、ベッド216の変形がベース定盤21に伝達されず、高精度な測定が可能となる。
また、ベース定盤21に対して、基準鏡保持フレーム232を3点で支持し、そのうちの1点では、基準鏡保持フレーム232を強固に固定し、他の1点ではY軸方向のみに可動に支持し、残りの1点ではXY方向に可動に支持することにより、ベース定盤21の変形が基準鏡保持フレーム232に伝達されず、高精度な測定が可能となる。
基準鏡27,28,29を3ヶ所の押し当て点と、3ヶ所以上の引っ張り点で基準鏡保持フレーム232に保持しているので、基準鏡の自重による変形を小さくすることができ、高精度な測定が可能となる。
また、ベース、基準鏡保持フレーム、及び基準鏡を熱膨張係数の小さい材料を用いて形成することにより、環境温度が変化した場合でも、これらの部材の変形量を小さく抑えることができ、高精度な測定が可能となる。
また、Zスライドの位置を5ヶ所の変位計で測定しているので、これらの測定値を用いることにより、X軸、Y軸及びZ軸の移動誤差に影響されない高精度な位置測定が可能となる。
Z軸の基準鏡29の鏡面が下向きに配置されているので、空気中の塵等の堆積により基準鏡の性能が劣化することを防止できる。
また、XYZ移動機構の末端部に設けられた最も重量の軽いZスライド24が、プローブ228を被測定物26の高さ方向に追従させるため、被測定物26の高さ方向へのプローブの追従性能が高く、高速で精度の高い測定が可能となる。
なお、上記の実施形態においては、第3の支持点230を細い円柱状に形成する様に説明したが、断面積が小さければ、正方形などの正多角形の断面の柱でも同じことである。また、第2の支持点231を薄板状に形成する様に説明したが、これに限らず、Y方向に変形しやすい断面形状であればよく、楕円形の断面の柱などでもよい。
また、上記の実施形態では5つの光干渉計等の変位計を用いて測定した5つの長さを位置測定のよりどころとしているが、干渉計で測定する長さの精度は、使用する光源の波長に依存している。そこで、市販されている波長補正用の干渉計を加えて6つの干渉計のシステムとすれば、形状測定中の気温、気圧の変動による波長の変化にも影響されない形状測定が可能となる。
また、変位センサー231の出力をフィードバック回路239及び図示しないスイッチを介してZ軸駆動用モータ224に導く回路は、プローブ228の押付け力を一定に保つために必要なものであり、前述した様に高い応答性が必要である。そこで、Z軸の応答性能を高めるために、例えば、スライドガイド223をエアーベアリングとして摩擦を低減したり、回転するモータとボールネジによる駆動方式をリニアモータに置き換え、バックラッシュなど非線形的な要素をなくす構成としてもよい。
また、本実施形態では、プローブの移動にXYZ軸の3軸を用い、被測定物の表面を2次元的に走査する様にしているが、X軸を省略し、Y軸、Z軸のみを用いて被測定物表面の1断面のみ走査する構成でもよい。
また本発明の測定機への適用事例を挙げたが、測定機に限定しなくても構わず、測定機と近似した構成をもつ装置例えば加工機への適用も可能である。
図5は、接触式三次元形状測定装置のメカ共振周波数特性を取得可能とする構造の側断面図であり、予めメカ共振周波数の計測及びメカ共振周波数を分析して帯域阻止可能な帯域阻止フィルタのパラメータを取得可能とする装置構成である。図6はそのメカ共振周波数を示すグラフであり、接触式三次元形状測定装置、メカ共振周波数分析用周辺機器および、接触式三次元形状測定装置において取得可能なメカ共振周波数特性の特性例を示す。
図5において、接触式三次元形状測定装置は少なくとも三次元形状測定動作時には使用しないメカ共振周波数を測定可能とする外部計測機器であるXYZ方向加速度センサー250と周波数特性計測器251を接続する。
メカ共振周波数特性の測定のため、Z方向可動ステージを被測定物とは接触しないある位置で位置制御した状態で、図示しない加振器のスイープサイン波形アナログ信号252を加算器253によってZ方向アクチュエータ−駆動用アンプ出力信号に加算する。アンプ出力信号にアナログ信号を加算することでアクチュエータ224をスイープサイン波形状に回転し、回転力が直動方向に変換されることによりZ方向可動ステージ24をプローブ押付け方向にスイープサイン波形状に移動する。
そのとき、XYZ方向加速度センサーをプローブ支持体のプローブ先端に限りなく近い側で取り付け可能な位置に取り付けたXYZ方向加速度センサーからのXYZ方向加速度信号出力254をコンディショナー255によって増幅する。
その状態で、Z方向可動ステージ24がプローブ押付け方向にスイープサイン波形状に動いている状態で発生するXYZ方向加速度信号を取得する。そのとき、XYZ方向加速度センサーのXYZ方向加速度信号とスイープサイン波形アナログ信号を周波数特性計測器251に入力し、XYZ方向加速度信号とスイープサイン波形アナログ信号とを周波数特性計測器251によってFFT解析する。
それにより、接触式三次元形状測定装置のXYZ方向メカ共振周波数を取得できる。図5(a)は、接触式三次元形状測定装置のX方向に取得したメカ共振周波数をボード線図で表示したものである。図5(b)は、接触式三次元形状測定装置のY方向に取得したメカ共振周波数をボード線図で表示したものである図5(c)は、接触式三次元形状測定装置のZ方向に取得したメカ共振周波数をボード線図で表示したものである。さらに前記フィルタテーブルの調整設定手順として、フィルタテーブルには帯域阻止フィルタを5ないし6個を上限に複数パターン設定できる。すなわち最適に帯域阻止可能な帯域阻止フィルタを図5(a)(b)(c)からメカ共振周波数のうち、振幅が大きいものを傾斜角度及び傾斜方向に合わせて組み合わせることでフィルタテーブルに実装できる。
上述の説明において、ばねは、例えば板ばねであり、ガイドは、例えばリニアガイドである。また、Z方向アクチュエータは、例えばサーボモーターであり、変位計は、例えば非接触式レーザー変位計である。更に、周波数特性計測器は、例えばFFTアナライザであり、図示しない加振器は、例えばFFTアナライザが備える。
図6は、接触式プローブおよび被測定物のモデルとプローブ接触角度および接触方向変化の様子を示す概念図である。図7は、接触式三次元形状測定装置のプローブ制御周波数特性を取得可能とする構造の側断面図とプローブ制御周波数特性を示すグラフである。図6において、例えば凹球形状の被測定物26を接触式プローブ228にて三次元形状測定する場合に、被測定物と接触式プローブ228との接触角度および接触方向状態が被測定物26のXYZ位置によって変化する。このような状態においても最適にメカ共振周波数の帯域阻止をするため、予めa1からh4までの32パターンの傾斜角度及び傾斜方向によってフィルタパラメータを用意する。
フィルタパラメータは、被測定物26および接触式プローブ228とのX方向接触角度の正接を積算した値、すなわちプローブ押付け方向へ変換された値が、プローブ押付け方向へ図5(b)のX方向メカ共振周波数特性による制御振動が加わることを阻止するように設定される。
同様にフィルタパラメータは、被測定物26および接触式プローブ228とのY方向接触角度の正接を積算した値、すなわちプローブ押付け方向へ変換された値が、プローブ押付け方向へ図5(c)のY方向メカ共振周波数特性による制御振動が加わることを阻止する。同様にフィルタパラメータは、被測定物26および接触式プローブ228とのZ方向接触角度の正弦で除算した値、すなわちプローブ押付け方向へ変換された値が、プローブ押付け方向へ図5(d)のZ方向メカ共振周波数特性による制御振動が加わることを阻止する。
図6において、例えば被測定物26から606という断面を抽出すると、位置602で得られる接触角度及び接触方向は凹面形状のXY水平位置によって位置603、604、605のように変化する。位置602においてはフィルタパラメータのパターンa1が最も帯域阻止の効果を発揮するが、位置603ではフィルタパラメータのパターンa2が最も効果を発揮して帯域阻止する。
このように傾斜角演算部が接触角度及び接触方向の二つのパラメータを基にフィルタパラメータをフィルタ部に設置することで、被測定物26の測定中にメカ共振周波数の影響を受けて発生するプローブの押付け方向制御振動を抑止することを可能とする。
上述の説明では、一例として凹球形状被測定物によって説明したが、凸球形状、非球面形状など被測定物の形状に依らず適用可能である。
被測定物26は、剛体物体で例えばガラスレンズや金型である。
フィルタテーブルは、例えば32パターンに分けたが、プローブ制御部を処理する図示しない制御機器の処理能力が許す限りの個数を設定しても構わない。
また、フィルタテーブルは、例えば被測定物26の直径方向にパターン分けをしたが、どのようなパターンの分け方をしても構わず、被測定物26に応じてどのようなパターン分けをしても構わない。
次に、図7を参照して接触式三次元形状測定装置200の接触式プローブ228の周波数特性を取得可能な構成を説明する。
図7(a)において、被測定物26の面に接触式プローブ228を接触させてプローブ制御を掛けた状態で周波数特性計測器251の図示しない加振器のスイープサイン波形アナログ信号252を加算器253によってZ方向アクチュエータ−駆動用アンプ出力信号に加算する。アンプ出力信号にアナログ信号を加算することでアクチュエータ224をスイープサイン波形状に回転し、回転力が直動方向に変換されることによりZ方向可動ステージ24をプローブ押付け方向にスイープサイン波形状に移動する。そのときプローブ変位を検出する変位計214が出力するプローブ変位信号256を、信号変換部257を経由して周波数特性計測器251に取り込む。変位計のプローブ変位信号とスイープサイン波形アナログ信号を周波数特性計測器251に入力し、プローブ変位信号とスイープサイン波形アナログ信号とを周波数特性計測器251によってFFT解析する。それによって接触式三次元形状測定装置200の接触式プローブ制御の周波数特性を取得できる。
例えば図7(b)において、例えば被測定物26の凹面の傾斜地点AからH、凹面の頂点となる平面地点Iに接触式プローブ228を接触させたときに得られるプローブ制御周波数特性を図7(c)(d)のようにボード線図で得ることができる。
図7(c)は、メカ共振周波数を考慮せず、フィルタテーブルを作成せずに帯域阻止フィルタをフィルタ部に設定して得たボード線図である。
図7(d)では、メカ共振周波数を考慮してフィルタテーブルを作成して帯域阻止フィルタをフィルタ部に設定して得たボード線図である。
メカ共振周波数を考慮しない場合は、変位計214をフィードバック信号として周波数解析したデータを基に、固定の一パターンで帯域阻止フィルタを設計してフィルタをプローブ制御部で機能させる。しかしながら、その場合にはメカ共振周波数の影響を受けた制御振動モードが多く、制御振動モードが発振状態のものが残存する。つまり接触式三次元形状測定装置200の接触式プローブ228の周波数特性から帯域阻止フィルタを固定の一パターンで設定するだけでは、接触式プローブ制御を安定状態にできない。
これに対してメカ共振周波数を考慮した場合は、前述のとおりメカ共振周波数から帯域阻止フィルタを前記フィルタテーブルで設計しフィルタ部へ設定してフィルタをプローブ制御部で機能させる。その場合、メカ共振周波数を考慮しない従来方法と比べてメカ共振周波数による制御振動モードがなくなり、接触式プローブ制御を安定状態にできる。
周波数特性の安定状態を確認できない場合、フィルタテーブルのフィルタパラメータの組み合わせを調整することで、図7(d)のように接触式プローブ制御を安定状態にできる。
取得したフィルタパラメータを、接触式プローブと被測定物との接触角度及び接触方向と関連付けてパターン化してフィルタテーブル126へ記録することで、周波数特性を常に安定にできるフィルタテーブルを作成できる。
帯域阻止フィルタは、例えば5ないし6個を上限としたが、プローブ制御部を処理する図示しない制御機器の処理能力が許す限りの個数を設定しても構わない。
11 プローブ制御ブロック
12 フィルタ設定部
13 プローブ制御部
26 被測定物
121 XYスキャン軸制御装置
122 X方向指令
123 Y方向指令
124 被測定物情報
125 傾斜演算部
126 フィルタテーブル
131 プローブ用スケール
132 スケール変換部
133 現在のプローブ押し付け圧
134 目標プローブ押し付け圧
135 プローブ押付け圧偏差
136 減算器
137 プローブ押付け圧操作量
138 制御演算部
139 フィルタ部
140 プローブ押付け圧操作量
141 アナログ変換部
142 ステージ操作量
143 アンプ
144 アクチュエータ
200 接触式三次元形状測定装置
228 接触式プローブ

Claims (7)

  1. 測定物の三次元形状を測定する形状測定装置であって、
    前記被測定物の表面に接触するプローブと、
    前記プローブの前記被測定物に対する押し付け圧を制御する制御部と、
    前記制御部にて、前記プローブの押し付け圧の制御へのメカ共振周波数による影響を低減するために用いるフィルタのフィルタパラメータを設定するフィルタ設定部と、
    前記被測定物の表面と前記プローブとの接触位置を制御する駆動部と、
    前記接触位置における、前記被測定物の表面と前記プローブとの接触角および接触方向を取得する取得手段と、
    を有しており、
    前記フィルタ設定部は、
    前記被測定物の表面と前記プローブとの前記接触角および接触方向と、前記フィルタパラメータとを対応づけたフィルタテーブルを備え、
    前記取得手段にて取得した前記接触角および接触方向と前記フィルタテーブルとに基づいて、前記フィルタパラメータを設定することを特徴とする形状測定装置。
  2. 前記フィルタテーブルは、前記被測定物の表面と前記プローブとの前記接触角および接触方向と、前記プローブの押し付け圧の制御への前記メカ共振周波数による影響を低減させるフィルタパラメータとを対応づけたテーブルであることを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  3. 前記制御部は、前記接触位置における、前記被測定物の表面に対する前記プローブの押し付け圧が一定となるよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の形状測定装置。
  4. 前記メカ共振周波数の特性を予め得る周波数特性計測器を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の形状測定装置。
  5. 前記周波数特性計測器は、FFTアナライザであることを特徴とする請求項に記載の形状測定装置。
  6. 前記FFTアナライザは加振器を備えていることを特徴とする請求項5に記載の形状測定装置。
  7. 被測定物に対するプローブの押し付け圧を制御し、前記プローブを前記被測定物の表面で走査させて、前記被測定物の三次元形状を測定する形状測定方法であって、
    予め前記被測定物の表面と前記プローブとの接触角および接触方向と、前記プローブの押し付け圧の制御へのメカ共振周波数による影響を抑制するために用いるフィルタのフィルタパラメータと、を対応づけたフィルタテーブルを用意しておき、
    前記プローブの走査位置における、前記被測定物の表面と前記プローブとの前記接触角および接触方向を取得し、
    取得した前記接触角および接触方向と前記フィルタテーブルとに基づいて前記フィルタパラメータを設定し、前記プローブの押し付け圧を制御することを特徴とする形状測定方法。
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