JP6196043B2 - 帯鋸刃及びその使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属製の帯状の母材の一側縁に、例えばダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(CBN)や酸化アルミナ(Al23)などの超硬質の砥粒を電着等により固着させた切刃部とガレット部とを交互に備えた帯鋸刃及びその使用方法に係り、さらに詳細には、前記母材の疲労寿命を長くでき、かつワークの切断面の精度向上を図ることができる帯鋸刃及びその使用方法に関する。
金属製の帯状の母材の一側縁に、例えばダイヤモンド等の超硬砥粒を電着した帯鋸刃は、電着バンドソーなどとして知られている(例えば特許文献1、2、3参照)。
特開2005−145726号公報 特開2006−212958号公報 特開2008−44018号公報
前記特許文献1における図1(a),(b),(c)に示されているように、電着バンドソーには、帯状の母材の一側縁の全長に亘って砥粒を電着した構成のフラットタイプ(図1(a))、砥粒を電着した切刃部とガレット部を交互に備えたウエイブタイプ(図1(b))や、砥粒を電着した切刃部を適宜間隔に備えたパターンタイプ(図1(c))がある。さらに、電着バンドソーには、帯状の母材の一側縁に鋸歯を歯切りし、この鋸歯の先端側に砥粒を電着した鋸刃型などがある。
ところで、砥粒を電着した切刃部とガレット部を交互に備えた帯鋸刃には、図1に示すごとき構成のウエイブタイプの帯鋸刃がある。すなわち、帯鋸刃1は、金属製の帯状の母材3の一側縁に、砥粒を電着した切刃部5とガレット部7とを交互に備えた構成であって、前記切刃部5の、母材3の長手方向(図1(A)において左右方向)の長さは、ガレット部7の同方向の長さよりも長く構成してある。
上記構成の帯鋸刃1においては、前記切刃部5は母材3の厚さ方向(図1(A)において紙面に垂直な方向)への振り出しが電着の幅分Wであるので、ワークの切断面を良好な切断面とすることができる。また、ガレット7が存在することにより、切屑を効果的に排出することができ、例えば切削長の大きなワークの切断をも行うことができる。
しかし、前記構成の帯鋸刃1においては、帯状の母材3の一側縁にガレット部7を形成するものであるから、ガレット部7の部分における母材3の幅寸法(図1(A)においての上下方向の寸法)は、切刃部5の部分における母材3の幅寸法よりも小さなものである。そして、前記切刃部5は、例えばニッケルメッキ等によってダイヤモンド砥粒等を固定しているので、切刃部5はニッケルメッキやダイヤモンド砥粒分だけより厚くなっている。
したがって、前記帯鋸刃1をエンドレス状に形成して、帯鋸盤における駆動ホイール、従動ホイールに掛回すと、切刃部5の部分は、ガレット部7の部分に比較して駆動ホイール、従動ホイールの周面に沿って曲り難いものである。よって、ガレット部7の部分は切刃部5の部分に比較してきつく(曲率を大きく)湾曲されることになる。すなわち、帯鋸刃1においては、切刃部5の部分とガレット部7の部分とに曲りの差が存在し、ガレット部7の底部近くに曲げ応力の集中が発生して、この部分から破断を生じ易いという問題がある。
また、前記帯鋸刃1においては、図1(A)に示すように、正面視したとき、切刃部5における端縁の直線部9とガレット部7の曲線部11の端部における接線とはほぼ直角に交差する構成であって、上記交差部において、前記直線部9と前記曲線部11は曲率半径の小さな小曲線部13によって接続してある。上記小曲線部13の曲率半径を小さくするほど切刃部5の切れ味は向上するものの、チッピングを生じ易いという問題がある。さらに、前記小曲線部13の曲率半径を小さくすると、ダイヤモンドなどの砥粒を電着するとき、電解が集中し易く、メッキ層が他の部分よりも厚くなる傾向にある、という問題がある。
さらに、前記構成においては、ガレット部7における凹状の曲線部11の底部付近に対する接線15を節として、前記小曲線部13が母材3の厚さ方向(図1(A)において紙面に垂直な方向)に振動を生じ易く、切断面を粗くする原因になり易いという問題がある。
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、金属製の帯状の母材の一側縁に、砥粒を固着させた切刃部とガレット部とを交互に備えた帯鋸刃であって、前記切刃部は、前記母材の長手方向と平行な直線状の平面部を頂部に備えた形態であり、直線状の前記平面部の長さと前記ガレット部の長さとの比が60:40〜10:90の範囲、又は50:50〜20:80の範囲であり、かつ前記切刃部とガレット部は、前記平面部の端部に接続したガレット部の凸状の曲面部と前記ガレット部の凹状の曲面部とを接続した形態であることを特徴とするものである。
また、前記帯鋸刃において、前記切刃部は前記母材の長手方向と平行な直線状の平面部を当該切刃部の頂部に備え、前記ガレット部の底部に適宜に接続した凸状の曲面部と前記平面部との交差位置においての当該曲面部に対する接平面と前記直線状の平面部の延長部との間の角度は0°〜40°の範囲、又は10°〜30°の範囲であることを特徴とするものである。
また、前記帯鋸刃において、前記凸状の曲面部は、前記ガレット部の底部に接続した凹状の曲面部と接続してあることを特徴とするものである。
また、前記帯鋸刃において、前記切刃部における前記平面部の長さをXとしたとき、前記ガレット部の長さは2X/3〜9Xの範囲又はX〜4Xの範囲であることを特徴とするものである。
また、前記帯鋸刃の使用方法であって、帯鋸刃をエンドレス状に構成して帯鋸盤において所望時間使用した後、エンドレス状の帯鋸刃における内周面が外周面になるように内周面と外周面とを反転して再使用することを特徴とするものである。
また、前記帯鋸刃の使用方法であって、前記切刃部の両端側が帯鋸刃の走行方向の先頭になるように、帯鋸刃の走行方向を反転することを特徴とするものである。
本発明によれば、金属製の帯状の母材の一側縁に、砥粒を固着させた切刃部とガレット部とを交互に備えたウエイブタイプの帯鋸刃において、前記母材における疲労寿命の延長を図ることができると共に切断面の精度向上を図ることができ、前述したごとき問題を解消し得るものである。
従来のウエイブタイプの帯鋸刃の構成を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る帯鋸刃の構成を示す説明図である。 帯鋸刃における切刃部の長さとガレット部の長さとの比率と切れ刃寿命、可能切断速度との関係を示した説明図である。 帯状の母材の一側縁にダイヤモンド砥粒を電着した電着表層を備えた帯鋸刃の厚さ方向の断面説明図である。 図2に示した角度θの大きさの相違による切刃部の中央部と両端側のメッキ膜厚の差を示した説明図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る帯鋸刃について説明するに、前述した帯鋸刃1と同一機能を奏する構成要素には同一符号を付することとして重複した説明は省略する。
図2を参照するに、本発明の実施形態に係る帯鋸刃1は、前述した帯鋸刃と同様に母材3を備えており、この帯状の母材3の一側縁に砥粒を電着した切刃部5とガレット部7とを交互に備えている。前記切刃部5とガレット部7は次のように構成してある。すなわち、前記切刃部5とガレット部7は、小径の凸円弧状の小曲線部(凸状の曲面部)R1と大径の凹円弧状の大曲線部(凹状の曲面部)R2とを接続することによって形成してあり、前記切刃部5は、前記母材3の長手方向と平行な直線部(直線状の平面部)L1によって前記小曲線部R1の頂部を適宜高さ位置で切断した又は頂部に接した形態である。そして、前記ガレット部7は前記大曲線部R2によって円弧状の凹部に形成してある。したがって、前記切刃部5は等ピッチに形成してある。
ところで、前記直線部L1は、母材3の厚みがあるので、実際には直線状の平面を呈するものである。また、小曲線部R1及び大曲線部R2は、実際には曲面を呈するものである。しかし、図視的には、「面」よりも「線」を用いた説明の方が理解し易いと思われるので、直線部、曲線部のように「線」を使用した表現でもって説明する。
なお、前記切刃部5の形態としては、前記形態に限ることなく、例えば前記直線部L1の長さ寸法のみを適宜に変更した形態とすることも可能である。また、ガレット部7においては、底部中央に直線部を備え、この直線部の長さのみを適宜に変更した形態とすることも可能である。すなわち、底部中央の直線部の両端部に前記大曲線部(凹状の曲面部)R2を接続した形態のガレット部7とすることにより、前記切刃部5を不等ピッチに形成することができるものである。さらに、前記ガレット部7の深さを所望深さとすることも可能である。
前記構成において、前記直線部L1の端部において前記小曲線部(凸状の曲面部)R1に接する接線Mと前記直線部L1の延長線との間の角度θは所望の角度に設定してある。なお、上記角度θは、0°〜90°の範囲に設定可能である。ところで、前記角度θが0°の場合には、前記小曲線部R1の頂部に直線部L1を接線方向に備えた形態となるものであって、切刃部5における直線部L1における端部(切刃部5の刃先)がなだらかになりすぎて切削(切断)抵抗が大きくなる。また、前記角度θが90°の場合には、前記切刃部5の刃先が鋭利になり、チッピングが生じ易くなると共に、ダイヤモンド砥粒等を電着するとき、電界が集中しメッキ層が厚くなる。また、前記切刃部5の刃先は、切刃部5によるワークの切断作業時に切削刃として最も働く部分であり、この刃先の角度が鋭利になると、図1において説明したように、刃先における母材3の厚さ方向の強度が低下し振動が発生し易くなる。
したがって、前記切刃部5における頂部に備えた前記直線部L1の延長線と前記接線Mとの間の角度θには適正な範囲が存在するものである。
ところで、前記構成において、切刃部5における直線部L1の長さが必要以上に長くなると、切刃部5に電着したダイヤモンド砥粒とワークとの接触面積が多くなり、切断抵抗が大きくなるので、切断速度を大きくすることが難しくなる。また、前述したように、大曲線部R2の凹曲面でもってガレット部7の部分を形成し、当該大曲線部R2に接続した凸曲面の小曲線部R1でもって切刃部5の刃先部分を一定ピッチで形成する場合、母材3の疲労寿命を考慮して大曲線部R2の半径を大きくすると、ガレット部7の深さが浅くなる。したがって、ガレット部7に対する切屑の充満が早くなり、切屑の排出を円滑に行うことが難しく、切断速度が遅くなる。また、前記大曲線部R2の半径を大きくしてガレット部7を深く形成すると、切刃部5における直線部L1が短くなり、切刃部5のダイヤモンド砥粒が少なくなって帯鋸刃の寿命が短くなる。
そこで、前記切刃部5における直線部L1の長さを一定に、かつピッチPを一定に保持して、切屑の排出を良好にするために、前記大曲線部R2の半径を小さくすると、長さ一定のガレット部7の深さを深くすることができるものの、母材3の疲労寿命が短くなる。この場合、ガレット部7の中央に直線部を備え、この直線部の両端部に大曲線部R2を接続した形態として、ガレット部7の容量を大きくすることも可能であるから、母材3の疲労寿命を比較的長くできる。
ところで、図2に示すように、切刃部5における直線部L1のピッチをPとし、切刃部5の直線部L1の長さをT、ガレット部7の長さをGとすると、P=T+Gとなる。そして、切刃部5における直線部L1の長さT、ガレット部7の大曲線部R2、小曲線部R1の曲率や半径は、前記ピッチPがガレット部7の深さ(ガレット深さ)の値を満たす範囲において設定されるものである。
前述したように、切刃部5のピッチPが一定の場合、P=T+Gで表わされるものであるから、切刃部5における直線部L1の長さTを大きくすると、ガレット部7の長さGが小さくなる。ここで、前記切刃部5における直線部L1の長さTが大きく(長く)なると、切刃部5の寿命が長くなるものの、切刃部5に電着したダイヤモンド砥粒と被削材(ワーク)との接触面積が多くなり、切断抵抗が上昇するために、切断速度(ワークに対する帯鋸刃の切込み速度及び帯鋸刃の走行速度)を速くすることは難しいものである。前述とは逆に、前記切刃部5における直線部L1の長さTが小さく(短く)なると、切刃部5に電着したダイヤモンド砥粒と被削材との接触面積が小さくなって切断抵抗が低下するものの、摩耗が早く切刃部5の寿命が短くなるものである。
既に理解されるように、一定ピッチPの範囲内においては、切刃部5における直線部L1の長さTを長くすると、ガレット部7の長さGは短くなるものである。そして、切刃部5の長さTと切れ刃寿命との間には因果関係があり、切刃部5の長さTと切断速度との間には因果関係があることから、切刃部5の長さTとガレット部7の長さGとの関係は前記切れ刃寿命と可能切断速度に影響することを見出した。
ところで、帯鋸刃1を帯鋸盤に備えた駆動ホイール、従動ホイールに掛回してワークの切断を行うとき、切断抵抗が過大になって大きな切曲りを起こさず、また切屑排出ができずに大きく振動したりして、切断面の切断精度が低下しないように、帯鋸刃1の切断速度、すなわちワークに対する帯鋸刃の切込み速度及び帯鋸刃の走行速度を適正に設定する必要がある。ここで、上記適正切断速度の最大値は、可能切断速度の最大値となるものであり、この可能切断速度の最大値を越える切断速度でもってワークの切断加工を行うと、例えば切曲り等を生じて、不良品を生じることになるものである。
そこで、P=T+Gを一定の条件として、切刃部5の長さTとガレット部7の長さGとの比率を50%、すなわちT:G=50:50のときにおける切れ刃寿命及び可能切断速度の最大値を100%としたとき、前記長さTと長さGとの比率を種々変更した場合に、前記切れ刃寿命と可能切断速度とがどのように変化するかを、帯鋸刃の走行速度を一定に保持し、ワークに対する帯鋸刃の切込み速度を種々変えて実験したところ、図3に示すとおりであった。なお、上記実験に際しては、図4に示すように、母材3における切刃部5からガレット部7の底部に亘って適宜幅でもってダイヤモンド砥粒を電着した電着表層17を備えた帯鋸刃1を使用した。そして、前記切刃部5における直線部L1の長さ(切刃部5の長さ)T、ガレット部7の長さG及び前記小曲線部R1、大曲線部R2の半径は、前記電着表層17を備えた帯鋸刃1において測定した。
図3から明らかなように、T:G=50:50における切れ刃寿命及び可能切断速度を100%とした場合、T:Gが40:60〜10:90に変化すると、切れ刃寿命が次第に小さくなり、可能切断速度が次第に大きくなることが分かる。すなわち、切刃部5の長さTが短くなると、切断抵抗が小さくなって可能切断速度を大きくすることができるものの、長さTが短いことにより、切れ刃寿命が小さくなるものである。
また、前記T:Gが60:40〜80:20に変化すると、切れ刃寿命は次第に大きくなる傾向にあり、可能切断速度が次第に小さくなる傾向にあることが分かる。すなわち、切刃部5の長さTが長くなると、切れ刃寿命が大きくなるものの、切刃部5におけるダイヤモンド砥粒とワークとの接触面積が大きくなって切断抵抗が大きくなり、可能切断速度を大きくすることが難しいことが分かる。
図3に示す実験結果から、切刃部5の長さTとガレット部7の長さGとの比率T:Gが70:30や80:20になると、切れ刃寿命が長くなるものの、切れ刃寿命が大きくなる比率と可能切断速度が小さくなる比率とを比較すると、切断可能速度が小さくなる割合が大きなものであるから、ワークの切断加工能率を考慮すると、T:Gの比率は60:40〜10:90の範囲が望ましいものである。なお、切れ刃寿命の変化率と可能切断速度の変化率を考慮し、かつ切断加工能率を考慮すると、前記T:Gの比率は50:50〜20:80の範囲が好ましいものである。
ところで、前述の説明は、ピッチPが一定の場合について例示した。しかし、帯鋸刃にはピッチPが種々変化する帯鋸刃がある。この場合、切刃部5における直線部L1の長さTが一定でガレット部7の長さGが変化するものとすると、T:Gは60:40〜10:90の範囲が望ましく、さらには50:50〜20:80の範囲が望ましいものである。換言すれば、切刃部5における直線部L1の長さをXとした場合、ガレット部7の長さGは2X/3〜9Xの範囲で、より好ましくはX〜4Xの範囲であることが望ましいものである。
既に理解されるように、前述とは逆に、ガレット部7の長さをYとして一定に保持し、切刃部5の長さTが変化するものとすると、T=3Y/2〜Y/9の範囲で、より好ましくはT=Y〜Y/4の範囲であることになる。このように、切刃部5の長さを種々変化させた構成とすることにより、各切刃部5の部分における重量が異なり共振を防止でき、ワークの切断加工時に発生する振動を効果的に抑制できることとなる。なお、ガレット部7の長さGよりも切刃部5の長さTが長くなる場合、可能切断速度は(切粉排除能力等に関連し)ガレット部7の最も短い部分に制約されるので、切断速度が制約されることがある。したがって、この場合には、切刃部5の長さTは、ガレット部7の長さGの±30%以内、より好ましくは±20%以内であることが望ましいものである。
前述したように、切刃部5とガレット部7とを交互に備えたウエイブタイプの帯鋸刃1において、前記切刃部5における直線部L1の両端部において前記小曲線部R1と接する接線Mと前記直線部L1の延長線とが角度θでもって交差する構成であることにより、切刃部5とガレット部7との境界をはっきりさせることができ、ガレット部7の働きを良くすることができる。すなわち、前記切刃部5が、直線部L1の長手方向の中心部を中心として対称形状であり、また前記ガレット部7がガレット部7の長手方向の中心部を中心として対称形状である場合、前記切刃部5とガレット部7とのそれぞれの中央部の境界でもって切刃部5の働きとガレット部7の働きとを明確化し易いものである。
前記構成において、前記切刃部5の両端部(刃先)がワークの切断加工に最もよく寄与する部分である。この場合、前記小曲線部R1の一部も前記刃先として機能するものであり、切断性能に重要な構成要素である。すなわち、前記小曲線部R1の径を大きくすると、前記切刃部5における長手方向の中央部と両端部側における電着表層におけるメッキ膜厚の差を小さくすることができる。この場合、前記角度θが小さくなり、ワークの切断加工時に、刃先でもってワークに対して与える衝撃が小さくなり、前記小曲線部R1の切れ刃として働く部分が増加し、換言すれば切れ刃部5の長さTが長くなるため、切断抵抗が増加する傾向にあるので、角度θを小さくすることは望ましくないものである。
そこで、前記小曲線部R1の径を小さくして前記角度θを大きくすると、ワークの切断加工時に前記刃先の位置で生じた切屑はガレット部7に誘導され易く、刃先による切断加工位置からの切屑の除去が容易であり、切断速度を速くすることができる。しかし、前記小曲線部R1の径を小さくすると、切刃部5における中央部と両端側のメッキ膜厚の差が大きくなり、また刃先のチッピングを生じ易いものである。したがって、前記角度θを必要以上に大きくすること、または、前記小曲線部R1の径を必要以上に小さくすることは望ましくないものである。
上記に鑑み、望ましい角度θを見出すべく、母材3の厚さ1.0mm、小曲線部R1の半径を3mm、切刃部5における直線部L1の長さ5mmに設定し、前記角度θと切刃部5の中央部と両端側とのメッキ膜厚の差を実験的に求めたところ、図5に示すとおりのデータが得られた。図5より明らかなように、角度θが40°以上になると、切刃部5における直線部L1の両端部が鋭利になり、ダイヤモンド砥粒の電着時に電界が集中してメッキ膜が厚くなる傾向が大きくなる。この現象を抑制するには、電着メッキの速度を遅くする必要があり、加工時間が長くなってコストアップになり易い。したがって、前記角度θは40°以下であって、より好ましくは30°以下であることが望ましいものである。
ところで、前記角度θを小さくすると、ピッチPが小さな場合であって前記大曲線部R2の径を一定に保持した場合、ガレット部7の深さが不充分になる。ここで、前記大曲線部R2の径を小さくしてガレット部7を深くすると、母材3の幅寸法が小さくなると共にガレット部7に応力が集中し易くなり、母材3の疲労寿命が短くなる傾向にある。なお、前記角度θを適宜に設定することで、前記小曲線部R1、大曲線部R2の径は所望径とすることができ、かつ前記切刃部5における直線部L1の長さ及びガレット部7の長さ、深さは所望寸法とすることができるものである。
ところで、前記帯鋸刃1における前記切刃部5は、直線部L1の両端部に刃先を備えた構成であるから、上記刃先を有効に使用するために、帯鋸刃1を正方向へ回転することと逆方向へ回転することとを、適宜時間毎に繰り返すなど、帯鋸刃1の走行方向を反転して使用することも可能である。上述のように、帯鋸刃1の走行方向を反転するには、帯鋸盤に備えたモータを正逆回転することや、エンドレス状の帯鋸刃における内周面が外周面になるように、内周面と外周面とを反転して使用することも可能である。
以上のごとき説明より明らかなように、本実施形態に係る帯鋸刃1は、母材の長手方向における前記切刃部の長さと前記ガレット部の長さとの比が60:40〜10:90の範囲、又は50:50〜20:80の範囲であり、前記切刃部は前記母材の長手方向と平行な直線状の平面部を当該切刃部の頂部に備え、前記ガレット部の底部に適宜に接続した凸状の曲面部と前記平面部との交差位置においての当該曲面部に対する接平面と前記直線状の平面部の延長部との間の角度は0°〜40°の範囲、又は10°〜30°の範囲である。
したがって、帯鋸刃における母材の疲労寿命の延長を図ることができると共に、ワークの切断面における切断精度の向上を図ることができるものである。
1 帯鋸刃
3 母材
5 切刃部
7 ガレット部
17 電着表層
R1 小曲線部(凸状の曲面部)
R2 大曲線部(凹状の曲面部)
L1 直線部
M 接線

Claims (6)

  1. 金属製の帯状の母材の一側縁に、砥粒を固着させた切刃部とガレット部とを交互に備えた帯鋸刃であって、前記切刃部は、前記母材の長手方向と平行な直線状の平面部を頂部に備えた形態であり、直線状の前記平面部の長さと前記ガレット部の長さとの比が60:40〜10:90の範囲、又は50:50〜20:80の範囲であり、かつ前記切刃部とガレット部は、前記平面部の端部に接続したガレット部の凸状の曲面部と前記ガレット部の凹状の曲面部とを接続した形態であることを特徴とする帯鋸刃。
  2. 請求項1に記載の帯鋸刃において、前記切刃部は前記母材の長手方向と平行な直線状の平面部を当該切刃部の頂部に備え、前記ガレット部の底部に適宜に接続した凸状の曲面部と前記平面部との交差位置においての当該曲面部に対する接平面と前記直線状の平面部の延長部との間の角度は0°〜40°の範囲、又は10°〜30°の範囲であることを特徴とする帯鋸刃。
  3. 請求項2に記載の帯鋸刃において、前記凸状の曲面部は、前記ガレット部の底部に接続した凹状の曲面部と接続してあることを特徴とする帯鋸刃。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の帯鋸刃において、前記切刃部における前記平面部の長さをXとしたとき、前記ガレット部の長さは2X/3〜9Xの範囲又はX〜4Xの範囲であることを特徴とする帯鋸刃。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の帯鋸刃の使用方法であって、帯鋸刃をエンドレス状に構成して帯鋸盤において所望時間使用した後、エンドレス状の帯鋸刃における内周面が外周面になるように内周面と外周面とを反転して再使用することを特徴とする帯鋸刃の使用方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の帯鋸刃の使用方法であって、前記切刃部の両端側が帯鋸刃の走行方向の先頭になるように、帯鋸刃の走行方向を反転することを特徴とする帯鋸刃の使用方法。
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