JP6195984B2 - カニューレ状の骨ねじ - Google Patents

Description

本発明は、ほ乳類の骨を補強するために使用される整形外科的器具に関する。本発明は特に、カニューレ状の骨ねじに関する。

骨ねじは、骨の少なくとも２つの部分を接合することにより、かつ／又は骨に骨プレート又はその他のパーツを保持することにより、骨を補強するために使用される。骨内に薬物材料及び／又は補強材料を供給することがしばしば望まれる。補強材料は任意の種類の骨セメント、骨補填材又は任意のその他類似の材料であってよい。特に、骨ねじの近位に接近する骨材料内に骨セメントを供給することにより、骨材料内における骨ねじの機械的定着は向上するだろう。

カニューレ状の骨ねじは米国特許第６０４８３４３号明細書により公知である。このねじは、ねじの周囲の骨内に骨セメントを供給するための横向き通路に連通する中央通路を形成する孔を有している。ねじを分配機器に接続するために、シール性のアダプタが設けられている。

中央通路を有する別の骨ねじが米国特許第７６０８０９７号明細書に開示されている。中央通路に接続された個々の側方の孔へ流体を選択供給するために、閉じた遠位側端部を有するスリーブをねじ内に挿入することができる。

別の骨ねじが欧州特許第１２１００１９号明細書に開示されている。ねじは、少なくとも１つの横向き通路に連通される内部の孔を有している。この孔は閉じられた端部を有しているので、ねじの先端から骨セメントを通すことはできない。

成長促進剤を供給するための貫通孔及び横向き開口を有した骨ねじが、米国特許出願公開第２００８／０２６９８９３号明細書に開示されている。このねじは骨から除去されないようになっている。骨がねじの構造内へと成長した後は除去は不可能である。

米国特許第８１９７５１７号明細書には、袋孔と横向き開口とを備えた骨ねじが開示されている。セメントがねじ内に導入されたならば、その後、除去することはできない。

国際公開第２０１１／０５４１２２号には、袋孔と横向き開口とを備えたさらなる骨ねじが開示されている。この孔は、横断面を減じ材料の供給を改善するための内部構造又はスライダを有している。セメントがねじ内に導入されたならば、その後、除去することはできない。

本発明が解決しようとする課題は、薬剤、治療用流体、又は任意の種類の骨セメントあるいは強化材料を供給するための通路又は内腔を有する骨ねじを提供することである。この骨ねじは、向上された保持力を提供し、骨構造にさらに損傷を与えることなくねじの除去を可能にする除去トルクを減じるのが望ましい。特に、セメントや類似の材料をねじを通して骨内に注入することにより骨にねじが固着した後で、又はねじ内に骨が成長した後で、骨ねじの除去が可能でなければならない。本発明の別の課題は、ねじの選択的な位置で材料を選択的に供給することができる骨ねじを提供することである。選択的な適用を単純化するためには特別な器具が設けられなければならない。解決すべき別の課題は、骨に骨プレートを保持する方法、かつ／又は骨ねじの使用により骨を補強する方法を改善することである。

上記課題の解決手段は独立請求項に記載されている。従属請求項は本発明のさらなる改良に関する。

第１の実施の形態では、骨ねじは、近位側区分と、中央区分と、ねじ山を有していない遠位側区分とを有する。近位側区分は、ほぼ円筒形であって第１の雄ねじ山を有している。雄ねじ山は、基本的に骨に接続するための、ねじの外面に設けられたねじ山であるとみなされる。選択的な態様では、近位側区分は第１の雄ねじ山を有していて円錐形であってよい。近位側区分は、ねじを使用して骨の表面に取り付けることができる骨プレートに連結するようになっている。ねじは、近位側区分から遠位側区分へと延在する通路を有していて、ねじ中心軸線を規定するこの通路は、遠位側区分を貫通し、遠位側開口で終わっていてよい。好適にはこの中空通路は円筒形で、中央区分と遠位側区分とでは一定の直径を有している。この直径は近位側区分では大きくなっていてよい。ねじは、骨プレートを使用せずに骨部分をまとめて固定又は保持するために使用することもできる。さらに近位側区分は、ねじを回すための少なくとも１つの手段を有している。

近位側区分に続いて中央区分がある。中央区分は好適にはほぼ円筒形であり好適には第２のねじ山を有している。中央区分の直径は好適には、近位側のねじ山区分の直径よりも小さい。好適には、中央区分の第２の雄ねじ山のピッチは、近位側のねじ山付き区分の第１の雄ねじ山のピッチよりも大きい。このようなピッチの差により骨に骨プレートを密に固定することができ、又は少なくとも２つの骨片を結び付けることができる。選択的には、両ピッチは同じであってもよい。第２の雄ねじ山の遠位側には、骨内に雄ねじ山が切り込むのを容易にするための少なくとも１つの切欠が設けられていてよい。中央区分は、少なくとも１つの又は複数の横向き孔を有していてよく、これにより通路又は内腔から骨へと材料が流れることができる。

中央区分に続いて遠位側区分がある。遠位側区分はねじ山を有しておらず、好適にはほぼ円筒形であって、好適には、遠位側で骨内に材料を供給するために、ねじの通路に連通している中心に配置された遠位側開口を有している。遠位側区分はさらに、骨内に材料を供給するための横方向に向けられた孔を有していてよい。遠位側区分は好適には中央区分と同じ直径を有している。遠位側区分にはねじ山が設けられていない。遠位側区分は、遠位側開口を有さない閉鎖された端部を有していてもよい。

近位側のねじ山付き区分、中央区分、遠位側区分内には通路又は内腔が設けられている。好適には通路は円形の横断面を有する。この通路は好適には一定の直径を有している。この通路は横向き開口と遠位側区分の遠位側開口とに連通している。この通路はさらに、ねじの近位側端部における近位側開口に連通している。この通路は、例えば骨セメント（永久性又は生体吸収性）や薬物のような任意の材料を、周囲の骨材料内に供給するために使用されてよい。

好適には、中央区分及び／又は遠位側区分に設けられる側方開口は対になって設けられるので、結果としてねじを貫通する貫通孔となる。従って、好適には２つの側方開口は、ねじの中心軸線に対して垂直な１つの平面において互いに対して１８０°をなすように向けられている。選択的な態様では、同じ平面に３つ以上の側方開口があってもよい。好適には少なくとも１つの開口は中心軸線に対して細長い形を有している。この開口は好適には楕円形である。中心軸線に対して平行な開口の延在又はサイズが比較的大きいことにより、ねじの構造を大きく脆弱にすることなく総計して比較的大きな開口の横断面が得られる。側方開口のうちの少なくとも１つに少なくとも１つの切刃が設けられているとさらに好適である。この切刃により、好適には反時計回りに回すことによりねじを除去する際に、材料又は骨セメントを切り込むことができる。最も好適には、切刃の角度は９０°よりも小さい。最も好適には、側方開口のうちの少なくとも１つは、ねじの外側に向かって増大する直径を有する円錐形である。これにより切刃を形成することができ、骨内に材料を供給するための横断面をさらに増大させることができる。この場合、横断面という用語は、材料を供給することができる横断面に関する。

開口は、材料の骨内への流れを方向付けるのに適した方向に向けられていてよい。好適にはこれらの開口は、中心軸線に対して直交方向に、又は材料流を遠位側の方向に向けるように遠位側端部に向かって方向付けられている。

さらなる態様は、ねじの周りの骨内に材料を選択的に供給することのできる器具、好適にはスリーブに関する。この器具は好適には中空軸を有し、最も好適には材料供給用の内部通路を有する円筒形の軸を有している。スリーブの外径は骨ねじの通路内に嵌合するように適合されている。スリーブは、遠位側開口の近位にある、又は周囲の骨内に材料を選択的に供給できる任意の最適な側方開口の近位にある、様々な位置へと挿入されてよい。骨ねじ内へのスリーブの挿入深さを精密に調節するために、好適にはスリーブの外面にマーカが設けられていてよい。骨ねじ内へ挿入されるスリーブの深さ及び／又は位置を表示するその他任意の測定器具であってもよい。好適にはマーカは、これらの開口を通じて行われる材料供給のために特に適した開口に近接するスリーブの位置を表示する。好適には骨ねじの内腔の対向する側に２つの開口が存在しているので、骨内へと外側に向かう側方開口の横断面は好適には骨ねじの内腔の横断面よりも大きい。この結果、骨ねじの残りの通路を通る中央流と比較して、横向きに側方開口を通る側方流は明らかに大きくなる。これにより骨に対する材料の選択的に適用が可能になる。例えば、遠位側区分における開口を充填することなく中央区分における開口から材料を供給してもよい。これにより必要なところに骨セメントを適用できる。このような骨セメントの選択的な適用はねじを後から除去するのを容易にする。

別の態様は、上述したような少なくとも１つの骨ねじと、本明細書に記載したようなスリーブであってよい少なくとも１つの器具を有したツールキットに関する。少なくとも１つのスリーブは少なくとも１つのねじの通路内に嵌合するように適合されている。さらに、少なくとも１つのスリーブの外面のマーカが、少なくとも１つのねじに適合するならば好適である。

本明細書には、骨ねじを骨に固定する方法も記載されている。この方法は、骨内に孔を穿孔するステップと、ねじを回すことにより前記孔内にねじをねじ込むステップと、ねじの通路にスリーブを挿入するステップと、少なくとも１つの所望の開口に極めて近接するようにスリーブを位置決めするステップと、スリーブを通して、ねじを介して骨内に材料を供給するステップとを有する。本明細書には、骨ねじを通じて骨セメントのような材料を選択的に供給する改良された方法も記載されている。この方法は、ねじの通路にスリーブを挿入するステップと、少なくとも１つの所望の開口に極めて近接するようにスリーブを位置決めするステップと、スリーブを通して、ねじを介して骨内に材料を供給するステップとを有する。本明細書には、上述したねじを骨に及び／又は骨片に及び／又は骨プレートに固定することにより、骨片を固定する方法及び／又は骨に、好適には上腕骨頭に骨プレートを固定する方法も記載されている。材料を供給するプロセスは、Ｘ線撮影用の造影剤を供給するステップと、ＮａＣｌを含んでよいすすぎ液を供給するステップと、最終的に骨セメントを供給するステップとを有していてよい。

以下では、図面に関連する実施形態の複数の例に基づいて、一般的な発明の概念を制限することなく、例として本発明を説明する。

骨ねじの好適な態様を示す図である。 図１の態様の断面図である。 骨ねじの別の態様を示す図である。 図３の態様の断面図である。 好適な態様の遠位側区分を示す断面図である。 好適な態様の別の断面図である。 別の態様の遠位側区分を示す断面図である。 骨ねじの開口を通る材料流を示す図である。 骨進入領域を示す平面図である。 材料供給スリーブを示す図である。 骨ねじ内に挿入されたスリーブを示す図である。 複数の側方開口を備えた別の態様を示す図である。 図１２の態様の断面図である。 複数の側方開口を備えた別の好適な態様を示す図である。 図１４の好適な態様の断面図である。 骨ねじによって取り付けられた骨プレートと共に上腕骨頭を示す図である。

図１には、骨ねじ１０の好適な実施の形態が示されている。骨ねじ１０は、好適にはねじ山付きの近位側区分１１、中央区分１２、遠位側区分１３を有している。骨ねじはさらに、中心軸線１９を規定する、近位側区分から遠位側区分まで通じる中空通路３０を有している。近位側区分１１は好適にはほぼ円筒形である。近位側区分１１は挿入を容易にするために円錐形であってもよい。近位側区分１１は第１の雄ねじ山４０を有していて、この雄ねじ山４０は好適には後に図示するような骨プレート１５０に連結するように設計されている。中央区分１２は好適には円筒形であり、少なくとも部分的に第２の雄ねじ山４１が設けられている。第２の雄ねじ山は、ねじを挿入する際に骨材内への雄ねじ山の切り込みを向上させるように少なくとも１つの切欠４４を有している。第２の雄ねじ山４１と連結する骨に対して、第１の雄ねじ山４０と連結する骨プレート１５０を押し付けることができるように、好適には第１の雄ねじ山４０のピッチは第２の雄ねじ山４１のピッチよりも少なくなっている。遠位側区分１３にはねじ山が設けられておらず、少なくとも１つの側方開口３３，３４，３５を有している。これらの側方開口は好適には、ねじの外側に向かって増大する直径を有する円錐形である。

図２には、この好適な実施の形態の断面図が示されている。骨ねじ１０は、中心軸線１９にほぼ同心的な通路又は内腔３０を有している。通路３０は、近位側区分１１、中央区分１２、遠位側区分１３を貫通している。この通路３０は、遠位側区分１３の遠位側開口３１で終わっている。さらにこの通路３０は、遠位側区分又は中央区分に設けられていてよい少なくとも１つの側方開口３２，３３，３５に接続されている。ねじを回転させるために、ドライバ工具を取り付ける手段４２が、ねじ回し、レンチ、又はその他任意の工具と連結するために設けられている。

図３には、骨ねじ２０のさらに好適な形態が示されている。このねじ２０は、図１の態様と比べて異なる形状の側方開口３６，３７，３９を有している。この場合、これらの開口は、材料流を遠位側の方向に向けるように遠位側端部に向かって方向付けられている。さらに、第２の雄ねじ山４１の長さは、図１の雄ねじ山よりも短い。複数の好適な態様があるが、この文書に示したねじ山や側方開口のような任意の部分は限定されることなく組み合わせることができる。

図４には、骨ねじ２０のさらなる実施の形態の断面図が示されている。この図面により、図２の側方開口３２，３３に対比して、異なる構造の側方開口３５，３６を見ることができる。この図面に示された側方開口は、前述の態様と比較して僅かにより遠位方向へと材料流を供給する。この図面には、側方開口３７に対向する側方開口３８が示されている。

図５には、好適な態様の遠位側区分１３の断面図が示されている。第１の側方開口３２は、第２の側方開口３３に対向して位置している。側方開口３２，３３の上方に別の側方開口３４が設けられている。この側方開口３４は基本的にその他の側方開口と同じ大きさを有しているが、任意の異なる大きさを有することができる。

側方開口３２，３３は高さ６１，６２を有している。参照符号６３は通路３０の幅を示していて、この幅は、この態様では遠位側開口３１の直径と同じである。高さ６１，６２と幅６３とによって規定される、対向する２つの側方開口３２，３３の横断面は、通路の直径６４によって規定される遠位側の方向における通路の横断面よりも明らかに大きい。これにより、制御された横向き流を側方開口に通し、材料の最小流を内腔３０に通すことが可能になる。これについては詳しく後述する。

図６には、図５のＡ−Ａ部分のさらなる詳細が示されている。側方開口３２，３３の外面は、例えば除去のために骨ねじを回転させる際に骨セメントに切り込む切刃７１，７２を成している。これらの切刃はねじの除去トルクを明らかに減じており、骨材料の深刻な損傷を回避する助けとなる。好適には、最大の切り込み効率を得るために、切刃の角度７３，７４は９０°よりも小さい。この態様では切刃７１，７２が最も重要である。何故ならば、これら切刃７１，７２は、除去のためにねじを反時計回りに回すとき開口内部の材料と最初に接触するからである。好適には、ねじの中心軸線に対して開口３２，３３の中心軸線７５，７６をずらしてこれら軸線が交差しないようにすることによって、９０°よりも小さい角度を得ることができる。角度７３，７４は、通路３０の内壁に対する接線７７，７８と、点７１，７２において交差するねじのボディの前縁との間によって規定することができる。この態様は、除去のために反時計回りに回すべきねじに適用される。

図７には、別の態様の遠位側区分の断面図が示されている。この場合、側方開口３５，３６，３８は僅かに異なる方向を有している。前述したように、ここで再度、側方開口の寸法６１，６２，６３により規定される横断面は、通路３０の横断面６４よりも大きいことを述べる。

図８には骨セメントのような材料が骨１００内に流れる例が示されている。骨ねじ１０の側方開口３２，３３の形状により、骨の所定の領域に骨セメントのような材料が進入する。第１の進入領域は、遠位側開口３１によって供給される。第２及び第３の進入領域８２，８３は、側方開口３２，３３によって供給される。好適にはこれらの進入領域はオーバーラップして、付加的な凝固を達成する。第１の中央の進入領域を実現するための、遠位側開口３１に起因して、骨ねじを付加的に保持する力を得ることができる。進入領域８２，８３との接続により、この保持力は明らかに増大する。遠位側開口に近い側方開口と遠位側開口自体との間には雄ねじ山領域はなく、又は１つの雄ねじ山さえないということが重要である。というのも雄ねじ山は、ねじの表面に沿った、特に骨材料の密度が高いところにおける滑らかな材料の流れを妨げるからである。従って、雄ねじ山を設けないことにより、遠位側区分の端部を完全に取り囲み、骨への良好な接続が達成される。材料の充填を最適にするために、第１の材料は、後で遠位側開口に極めて接近して示すように、スリーブ５０を配置することにより遠位側開口３１を通して注入される。次のステップでは、遠位側開口の近くの側方開口から材料を供給するために、スリーブは僅かに引っ込められる。

図９には、骨進入領域の平面図が示されている。この図では、拡大された骨への進入と中央の進入領域８１による進入領域８２，８３の接続とが良好に示されている。

図１０には、スリーブ５０のような材料供給器具が示されている。このスリーブは骨ねじ１０又は２０内に挿入されてよい。スリーブ５０は、スリーブがねじ内に挿入され、その結果、骨ねじの通路３０内へスリーブが位置決めされるときに、ねじに対して相対的なスリーブの位置を表示する少なくとも１つのマーカ５２を有していてよい。

図１１には、骨ねじ１０内に挿入されたスリーブ５０が示されている。スリーブは矢印５１で示された方向に動かされてよく、スリーブの端部を任意の所望の位置に配置するために、好適には任意の所望の開口の近くに配置するために、内腔内へと押し込まれてもよいし、又は内腔から外へ引き出されてもよい。これにより、遠位側開口又は任意の側方開口を通して材料流を方向付けることができる。高さの表示はマーカ５２によって与えられる。任意の材料、好適には骨セメントをスリーブによって骨ねじ内に供給することができる。流れは矢印５３，５４，５５によって示されている。側方開口を通る側方流５３，５４と、通路３０の方向への別の中央流５５とがある。側方開口の横断面の方が大きいために、側方流５３，５４は中央流５５よりも明らかに大きい。これは、必要とされるところで個々の側方孔による材料の選択的な供給を可能にする。好適な方法では、第１に遠位側区分の孔から骨セメントを供給し、その後、中央区分における離れた孔への材料の供給が行われる。この場合、骨への材料の供給に使用される孔の間に位置するその他の孔は使用されなくてもよい。これは、ねじの周囲に堅固な骨区分があり、骨折が存在しない場合のことである。

図１２には、複数の側方開口を備えた態様が示されている。近位側区分と遠位側区分とは図３の態様と類似している。中央区分はさらに側方開口９０，９１，９２を有している。側方開口９２と側方開口９０，９１との間にさらなる雄ねじ山区分９３がある。側方開口９０，９１の下方には別の雄ねじ山区分９４がある。間に雄ねじ山区分を有する又は有していない、ここに図示した任意の側方開口の任意の組み合わせも可能である。通常は、ねじ山が設けられていない区分における開口のみが存在する。

図１３には上記態様が断面図で示されている。この図面には、側方開口９２に対向する別の側方開口９４が示されている。

図１４には、遠位側区分に複数の側方開口を備えた別の好適な態様が示されている。側方開口（１０１〜１０６）は、周囲を完全に取り囲むように材料を骨内へ進入させることができるように様々な方向に向けられている。

図１５には上記態様が断面図で示されている。この図面には、数対の対向する側方開口（３５，３６；１０５，１０４）が示されている。

図１６には、上腕骨頭１００が、骨ねじ１０と標準的な骨ねじ１１０とによって取り付けられた骨プレート１５０と共に示されている。

この例では、骨ねじ１０の使用を要する上腕骨頭の骨折が示される。この骨ねじ１０は内腔を有していて、骨折した上腕骨頭をさらに安定させるために骨ねじの内腔を通してセメントが供給される。骨幹は骨折していないので、骨プレートを骨にさらに保持するために通常のねじ１１０を使用してよい。

１０ 骨ねじ
１１ 近位側区分
１２ 中央区分
１３ 遠位側区分
１９ 中心軸線
２０ 骨ねじ
３０ 通路
３１ 遠位側開口
３２〜３９ 側方開口
４０ 第１の雄ねじ山
４１ 第２の雄ねじ山
４２ ドライバ工具を取り付ける手段
４４ 切欠
５０ 器具
５１ 器具の動き
５２ マーカ
５３，５４ 側方流
５５ 中央流
５８ スリーブの遠位側端部
６１，６２ 側方開口の高さ
６３ 側方開口の幅
６４ 通路直径
７１，７２ 切刃
７３，７４ 切刃の角度
７５，７６ 開口軸線
７７，７８ 通路に対する接線
８０〜８２ 骨進入領域
９０，９１ さらなる側方開口
９３，９４ さらなる雄ねじ山区分
１００ 骨
１５０ 骨プレート

Claims (11)

1. 第１の雄ねじ山（４０）と、ドライバ工具を取り付ける手段（４２）とを有した近位側区分（１１）と、
   前記近位側区分よりも小さい直径を有し、さらに第２の雄ねじ山（４１）を有する円筒形の中央区分（１２）と、
   少なくとも１つの側方開口（３２〜３９）を備えた、ねじ山が設けられていない遠位側区分（１３）と、
   を少なくとも有する骨ねじ（１０）であって、
   該骨ねじはさらに前記近位側区分から前記遠位側区分まで延在する、前記中央区分と前記遠位側区分とにおいて一定の直径を有する中空通路（３０）と、該通路によって規定される中心軸線（１９）とを有しており、９０°よりも小さいエッジ角度を有する少なくとも１つの切刃（７１，７２）が、前記側方開口（３２〜３９）のうちの少なくとも１つに設けられており、少なくとも２つの側方開口（３２〜３９）が、前記中心軸線に対して直角を成す平面内に設けられていて、該少なくとも２つの側方開口の横断面の合計が、遠位側区分における前記中空通路（３０）の横断面よりも大きいことを特徴とする、骨ねじ。
2. 少なくとも２つの側方開口が、前記中空通路の対向する側に位置している、請求項１記載の骨ねじ。
3. 前記中央区分（１２）における前記第２の雄ねじ山（４１）が少なくとも１つの切欠（４４）を有している、請求項１または２記載の骨ねじ。
4. 前記遠位側区分（１３）が中央の遠位側開口（３１）を有している、請求項１から３までのいずれか１項記載の骨ねじ。
5. 前記第２の雄ねじ山（４１）のピッチが、前記第１の雄ねじ山（４０）のピッチよりも大きいか、又は、前記第１の雄ねじ山（４０）のピッチと同じである、請求項１から４までのいずれか１項記載の骨ねじ。
6. 前記側方開口のうちの少なくとも１つは円錐形である、請求項１から５までのいずれか１項記載の骨ねじ。
7. 前記側方開口のうちの少なくとも１つは楕円形である、請求項１から６までのいずれか１項記載の骨ねじ。
8. 前記側方開口のうちの少なくとも１つは遠位側に向けられている、請求項１から７までのいずれか１項記載の骨ねじ。
9. 前記側方開口（３２，３３）のうちの少なくとも１つは、前記骨ねじの前記中心軸線（１９）に交差しない中心軸線（７５，７６）を有している、請求項１から８までのいずれか１項記載の骨ねじ。
10. 請求項１から９までのいずれか１項記載の少なくとも１つの骨ねじ（１０）と、前記少なくとも１つの骨ねじの前記中空通路（１９）内に嵌合する中空軸を有する少なくとも１つの器具（５０）と、を有する、ツールキット。
11. 前記少なくとも１つの器具（５０）は、前記ねじ内に挿入される際に前記ねじ内の前記器具の深さを示す少なくとも１つのマーカ（５２）を有している、請求項１０記載のツールキット。

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