JP6195717B2 - 単層カーボンナノチューブ、垂直配向単層カーボンナノチューブの多層膜、及びこれらの製造方法 - Google Patents

単層カーボンナノチューブ、垂直配向単層カーボンナノチューブの多層膜、及びこれらの製造方法 Download PDF

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本発明は、少なくとも2つの領域を有し且つ該少なくとも2つの領域の特性が互いに異なる単層カーボンナノチューブ及びその製造方法に関する。また、本発明は、垂直配向した単層カーボンナノチューブ層を見かけ上、少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜及びその製造方法に関する。
単層カーボンナノチューブは、そのキラル依存電気伝導度により、次世代ナノデバイスへの応用が期待されている。単層カーボンナノチューブの垂直配向膜のCVD合成は以前から実現されている。特に、エタノールを炭素源としたCVD合成によって、高純度で平均直径2nm程度の垂直配向膜が実現している(例えば、非特許文献1を参照のこと)。
また、Nドープの炭素源を用いることにより、単層カーボンナノチューブの直径を制御することも可能となっていた(例えば、非特許文献2を参照のこと)。さらに,単層カーボンナノチューブ壁のNドープによって、n型又p型の半導体特性を付与することが可能となっている。
Murakami Y. et al., Chem. Phys. Lett. 2004, 385, 298-303。 Thurakitseree, T. et al., Diameter-Controlled and Nitrogen-Doped Vertically Aligned Single-Walled Carbon Nanotubes. Carbon 2012, 50, 2635-2640。
しかしながら、複数の領域を有し且つ該複数の領域が互いに異なる直径を有する、一本又は単鎖の単層カーボンナノチューブが得られた、という報告は、未だ為されていない。
また、上記のような複数の領域を有する単層カーボンナノチューブを束ねた膜が得られた、という報告も未だ為されていない。
複数の領域を有し且つ該複数の領域が互いに異なる直径を有する、一本又は単鎖の単層カーボンナノチューブ、もしくはそれを束ねた膜が得られれば、特異な電子特性及び/又は光学特性を有する材料を提供することができ、そのような材料の開発が望まれている。
例えば、p−n接合部やショットキー接合部を有する単層カーボンナノチューブはダイオードとなるとともに、光電変換素子ともなる。さらにこれらが束ねられた構造によって、大電流の素子として利用できる。p−n−p接合や金属・半導体・金属のナノチューブとするとソース・チャネル・ドレイン電極が1本のナノチューブにより形成できるため、従来のカーボンナノチューブ電界効果型トランジスター(FET)の最大の問題であるチャネルであるカーボンナノチューブと金属電極との接触抵抗を大幅に低減した材料を提供できる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決することにある。
具体的には、本発明の目的は、少なくとも2つの領域を有し且つ該少なくとも2つの領域の特性が互いに異なる単層カーボンナノチューブ及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記目的以外に、上記目的に加えて、垂直配向した単層カーボンナノチューブ層を見かけ上、少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、次の発明を見出した。
<1> 少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる上記単層カーボンナノチューブ。
<2> 上記<1>において、特性が単層カーボンナノチューブの平均直径であり、少なくとも2つの領域のうちの1つである第一の領域の平均直径が1.2nm以下、好ましくは0.75〜1.1nm、より好ましくは0.75〜0.85nmであるのがよい。
<3> 上記<2>において、少なくとも2つの領域のうち、第一の領域以外の1つである第二の領域の平均直径が1.5〜4nm、好ましくは1.5〜3nm、より好ましくは1.8〜2.2nm、最も好ましくは2nmであるのがよい。
<4> 上記<1>において、特性が光学バンドギャップであり、少なくとも2つの領域のうちの1つである第一の領域の光学バンドギャップが0.75eV以上、好ましくは0.8〜1.2eV、より好ましくは1〜1.2eVであるのがよい。
<5> 上記<4>において、少なくとも2つの領域のうち、第一の領域以外の1つである第二の領域の光学バンドギャップが0.2〜0.6eV、好ましくは0.3〜0.6eV、より好ましくは0.4〜0.5eVであるのがよい。
<6> 少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブの製造方法であって、
A)基板を準備する工程;
B)前記基板上に触媒を形成する工程;
C)得られた基板上に、炭素源の存在下、化学気相蒸着法により、垂直配向カーボンナノチューブを形成する工程;
を有し、
上記C)工程において、C)−1)窒素含有炭素源を用いて第一の領域を形成する工程;及び
C)−2)窒素フリー炭素源を用いて、第一の領域とは異なる特性を有する第二の領域を形成する工程;
を有し、C)−1)工程とC)−2)工程とは順不同で行うことができ、これらの工程により、上記単層カーボンナノチューブを得る、上記方法。
<7> 上記<6>において、窒素含有炭素源は、アンモニアを含有する炭素源、アセトニトリルを含有する炭素源、及びベンジルアミンを含有する炭素源からなる群から選ばれる少なくとも1種、好ましくはアセトニトリルを含有する炭素源であるのがよい。
<8> 上記<7>において、窒素含有炭素源がアンモニアを含有する炭素源であり、炭素源が窒素フリー炭素源であり、且つアンモニアを含有する炭素源全体を100vol%として、アンモニアを5vol%まで、好ましくは1vol%含有するのがよい。
<9> 上記<8>において、窒素含有炭素源がアセトニトリルを含有する炭素源であり、炭素源が窒素フリー炭素源であり、且つアセトニトリルを含有する炭素源全体を100vol%として、アセトニトリルを0vol%を超えて100vol%まで、好ましくは0.1〜10vol%、より好ましくは1〜6vol%含有するのがよい。
<10> 上記<8>において、窒素含有炭素源がベンジルアミンを含有する炭素源であり、炭素源が窒素フリー炭素源であり、且つベンジルアミンを含有する炭素源全体を100vol%として、ベンジルアミンを0vol%を超えて100vol%まで、好ましくは0.1〜10vol%、より好ましくは1〜5vol%含有するのがよい。
<11> 上記<6>〜<10>のいずれかにおいて、窒素フリー炭素源は、低級アルコール又はエーテル類からなる群から選ばれ、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、ジメチルエーテル又はジエチルエーテル、より好ましくはエタノール又はジメチルエーテルであるのがよい。
<12> 上記<6>〜<11>のいずれかにおいて、特性が単層カーボンナノチューブの平均直径であり、少なくとも2つの領域のうちの1つである第一の領域の平均直径が1.2nm以下、好ましくは0.75〜1.1nm、より好ましくは0.75〜0.85nmであるのがよい。
<13> 上記<12>において、少なくとも2つの領域のうち、第一の領域以外の1つである第二の領域の平均直径が1.5〜4nm、好ましくは1.5〜3nm、より好ましくは1.8〜2.2nm、最も好ましくは2nmであるのがよい。
<14> 上記<6>〜<13>のいずれかにおいて、特性が光学バンドギャップであり、少なくとも2つの領域のうちの1つである第一の領域の光学バンドギャップが0.75eV以上、好ましくは0.8〜1.2eV、より好ましくは1〜1.2eVであるのがよい。
<15> 上記<14>において、少なくとも2つの領域のうち、第一の領域以外の1つである第二の領域の光学バンドギャップが0.2〜0.6eV、好ましくは0.3〜0.6eV、より好ましくは0.4〜0.5eVであるのがよい。
<16> 垂直配向した単層カーボンナノチューブのみから本質的になる層を見かけ上少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜であって、
前記少なくとも2層は、垂直配向した単層カーボンナノチューブの垂直方向と同方向に見かけ上積層され、
前記少なくとも2層の垂直配向単層カーボンナノチューブの特性が互いに異なる、上記垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜。
<17> 上記<16>において、特性が垂直配向単層カーボンナノチューブの平均直径であり、少なくとも2層のうちの1つである第一の層の垂直配向単層カーボンナノチューブの平均直径が1.2nm以下、好ましくは0.75〜1.1nm、より好ましくは0.75〜0.85nmであるのがよい。
<18> 上記<17>において、少なくとも2層のうち、第一の層以外の1つである第二の層の垂直配向単層カーボンナノチューブの平均直径が1.5〜4nm、好ましくは1.5〜3nm、より好ましくは1.8〜2.2nm、最も好ましくは2nmであるのがよい。
<19> 上記<16>〜<18>のいずれかにおいて、特性が垂直配向単層カーボンナノチューブの光学バンドギャップであり、少なくとも2層のうちの1つである第一の層の垂直配向単層カーボンナノチューブの光学バンドギャップが0.75eV以上、好ましくは0.8〜1.2eV、より好ましくは1〜1.2eVであるのがよい。
<20> 上記<19>において、少なくとも2層のうち、第一の層以外の1つである第二の層の光学バンドギャップが0.2〜0.6eV、好ましくは0.3〜0.6eV、より好ましくは0.4〜0.5eVであるのがよい。
<21> 上記<16>〜<20>のいずれかにおいて、見かけ上少なくとも2層が、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブを有し、見かけ上少なくとも2層がそれぞれ少なくとも2つの領域に対応するのがよい。
<22> 上記<16>〜<20>のいずれかにおいて、見かけ上少なくとも2層が、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブから本質的になり、見かけ上少なくとも2層がそれぞれ少なくとも2つの領域に対応するのがよい。
<23> 上記<16>〜<20>のいずれかにおいて、見かけ上少なくとも2層が、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブのみからなり、見かけ上少なくとも2層がそれぞれ少なくとも2つの領域に対応するのがよい。
<24> 垂直配向した単層カーボンナノチューブのみから本質的になる層を見かけ上少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜の製造方法であって、
A)基板を準備する工程;
B)基板上に触媒を形成する工程;
C)得られた基板上に、炭素源の存在下、化学気相蒸着法により、垂直配向カーボンナノチューブを形成する工程;
を有し、
上記C)工程において、C)−1’)窒素含有炭素源を用いて見かけ上の第一の層を形成する工程;及び
C)−2’)窒素フリー炭素源を用いて、見かけ上の第一の層の垂直配向カーボンナノチューブとは異なる特性を有する見かけ上の第二の層を形成する工程;
を有し、C)−1’)工程とC)−2’)工程とは順不同で行うことができ、これらの工程により、上記垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜を得る、上記方法。
<25> 上記<24>において、窒素含有炭素源は、アンモニアを含有する炭素源、アセトニトリルを含有する炭素源、及びベンジルアミンを含有する炭素源からなる群から選ばれる少なくとも1種、好ましくはアセトニトリルを含有する炭素源であるのがよい。
<26> 上記<25>において、窒素含有炭素源がアンモニアを含有する炭素源であり、炭素源が窒素フリー炭素源であり、且つアンモニアを含有する炭素源全体を100vol%として、アンモニアを5vol%まで、好ましくは1vol%含有するのがよい。
<27> 上記<25>において、窒素含有炭素源がアセトニトリルを含有する炭素源であり、炭素源が窒素フリー炭素源であり、且つアセトニトリルを含有する炭素源全体を100vol%として、アセトニトリルを0vol%を超えて100vol%まで、好ましくは0.1〜10vol%、より好ましくは1〜6vol%含有するのがよい。
<28> 上記<25>において、窒素含有炭素源がベンジルアミンを含有する炭素源であり、炭素源が窒素フリー炭素源であり、且つベンジルアミンを含有する炭素源全体を100vol%として、ベンジルアミンを0vol%を超えて100vol%まで、好ましくは0.1〜10vol%、より好ましくは1〜5vol%含有するのがよい。
<29> 上記<24>〜<28>のいずれかにおいて、窒素フリー炭素源は、低級アルコール又はエーテル類からなる群から選ばれ、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、ジメチルエーテル又はジエチルエーテル、より好ましくはエタノール又はジメチルエーテルであるのがよい。
<30> 上記<24>〜<29>のいずれかにおいて、特性が垂直配向単層カーボンナノチューブの平均直径であり、少なくとも2層のうちの1つである第一の層の垂直配向単層カーボンナノチューブの平均直径が1.2nm以下、好ましくは0.75〜1.1nm、より好ましくは0.75〜0.85nmであるのがよい。
<31> 上記<30>において、少なくとも2層のうち、第一の層以外の1つである第二の層の垂直配向単層カーボンナノチューブの平均直径が1.5〜4nm、好ましくは1.5〜3nm、より好ましくは1.8〜2.2nm、最も好ましくは2nmであるのがよい。
<32> 上記<24>〜<31>のいずれかにおいて、特性が垂直配向単層カーボンナノチューブの光学バンドギャップであり、少なくとも2層のうちの1つである第一の層の垂直配向単層カーボンナノチューブの光学バンドギャップが0.75eV以上、好ましくは0.8〜1.2eV、より好ましくは1〜1.2eVであるのがよい。
<33> 上記<32>において、少なくとも2層のうち、第一の層以外の1つである第二の層の光学バンドギャップが0.2〜0.6eV、好ましくは0.3〜0.6eV、より好ましくは0.4〜0.5eVであるのがよい。
<34> 上記<24>〜<33>のいずれかにおいて、見かけ上少なくとも2層が、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブを有し、見かけ上少なくとも2層がそれぞれ少なくとも2つの領域に対応するのがよい。
<35> 上記<24>〜<33>のいずれかにおいて、見かけ上少なくとも2層が、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブから本質的になり、見かけ上少なくとも2層がそれぞれ少なくとも2つの領域に対応するのがよい。
<36> 上記<24>〜<33>のいずれかにおいて、見かけ上少なくとも2層が、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブのみからなり、見かけ上少なくとも2層がそれぞれ少なくとも2つの領域に対応するのがよい。
本発明により、少なくとも2つの領域を有し且つ該少なくとも2つの領域の特性が互いに異なる単層カーボンナノチューブ及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明により、上記効果以外に、上記効果に加えて、垂直配向した単層カーボンナノチューブ層を見かけ上、少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜及びその製造方法を提供することができる。
実施例1及び2により得られたカーボンナノチューブのリアルタイムの成長速度を示すグラフである。 実施例1及び2により得られたカーボンナノチューブのSEM画像である。 実施例1及び2により得られたカーボンナノチューブのラマンスペクトルである。 実施例3により得られたカーボンナノチューブのSEM画像(a)及びラマンスペクトル(b)である。 実施例4により得られたカーボンナノチューブのリアルタイムの成長速度を示すグラフである。 実施例4で行った接着テープ界面試験に関連する図である。
以下、本願に記載する発明を詳細に説明する。
本願は、少なくとも2つの領域を有し且つ該少なくとも2つの領域の特性が互いに異なる単層カーボンナノチューブ及びその製造方法を開示する。
また、本願は、垂直配向した単層カーボンナノチューブ層を見かけ上、少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜及びその製造方法を開示する。
以下、上記の順序で説明する。
<A.少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブ>
本発明は、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブを開示する。
ここに規定する「単層カーボンナノチューブ」とは、一本又は単鎖の「単層カーボンナノチューブ」を意味する。なお、該「単層カーボンナノチューブ」の製造方法において記載するが、本願の「少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブ」は偶然にできたものではなく、再現性よく、意図して形成されるものである。
「少なくとも2つの領域」とは、2又は3以上の領域を有することを意味する。例えば、ある特性について、領域Aと領域Bとがある場合、さらに領域Cがある場合、さらに領域Dがある場合など、すべての場合が本願に含まれる。また、互いに特性が異なる領域Aと領域Bとがある場合、領域Aから領域Bへと変移する領域が領域Aと領域Bとの間に存在してもよい。変移する領域は、3以上の領域が有する場合にも、存在してもよい。
領域が3つある場合、それぞれの領域は、第1の特性を有する第一の領域、第一の特性とは異なる第二の特性を有する第二の領域、及び第一の特性とも第二の特性とも異なる第三の特性を有する第三の領域からなっていても、該第三の領域が上記第一の領域からなっていてもよい。なお、領域が4以上の場合も同様である。
「特性」は、種々の特性を含むことができる。例えば、単層カーボンナノチューブの直径、電子特性、光学特性、熱伝導特性、分子分離特性などを挙げることができるがこれらに限定されない。
例えば、特性が単層カーボンナノチューブの直径である場合、少なくとも2つの領域のうちの1つである第一の領域の平均直径が1.2nm以下、好ましくは0.75〜1.1nm、より好ましくは0.75〜0.85nmであるのがよい。
また、少なくとも2つの領域のうち、第一の領域以外の1つである第二の領域の平均直径が1.5〜4nm、好ましくは1.5〜3nm、より好ましくは1.8〜2.2nm、最も好ましくは2nmであるのがよい。
なお、単層カーボンナノチューブの直径は、ラマン分光分析の測定結果、及び/又は後述の光学バンドギャップの測定結果と対応することがわかっている(K. Sato, R. Saito, A.-R. T. Nugraha and S. Maruyama, Excitonic effects on radial breathing mode intensity of single wall carbon nanotubes, Chem. Phys. Lett., 497, 94-98 (2010)及びP. T. Araujo, S. K. Doorn, S. Kilina, S. Tretiak, E. Einarsson, S. Maruyama, H. Chacham, M. A. Pimenta, and A. Jorio, Phys. Rev. Lett. 98, 067401 (2007)を参照のこと。これらの文献は参照としてその全体が本明細書に含まれる)。したがって、本願においては、ラマン分光分析の結果から、単層カーボンナノチューブの直径を決定する。
また、例えば、特性が光学バンドギャップである場合、少なくとも2つの領域のうちの1つである第一の領域の光学バンドギャップが0.75eV以上、好ましくは0.8〜1.2eV、より好ましくは1〜1.2eVであるのがよい。
また、少なくとも2つの領域のうち、第一の領域以外の1つである第二の領域の光学バンドギャップが0.2〜0.6eV、好ましくは0.3〜0.6eV、より好ましくは0.4〜0.5eVであるのがよい。
なお、光学バンドギャップについて、T. Thurakitseree, C. Kramberger, P. Zhao, S. Chiashi, E. Einarsson, S. Maruyama, Tuning sub-nm diameter of single-walled carbon nanotubes via feedstock, phys. stat. sol. (b), 249, 2404-2407 (2012)において、E11 が光学バンドギャップに対応することを開示する(この文献は参照としてその全体が本明細書に含まれる)。また、光学バンドギャップが単層カーボンナノチューブの直径と関連することが、P. T. Araujo, S. K. Doorn, S. Kilina, S. Tretiak, E. Einarsson, S. Maruyama, H. Chacham, M. A. Pimenta, and A. Jorio, Phys. Rev. Lett. 98, 067401 (2007)に開示される。さらに、ラマン分光分析の結果が、単層カーボンナノチューブの直径と関連することが、上述したようにわかっている。したがって、本願においては、ラマン分光分析の結果から、単層カーボンナノチューブの直径及び光学バンドギャップを決定する。
このように、単鎖の単層カーボンナノチューブにおいて、2以上の領域で異なる光学バンドギャップを有することにより、ミクロなpn接合、pnp接合、ショットキー接合を提供することができ、新規な電子材料、光学材料を提供することができる。
さらに、例えば、特性として、カーボンナノチューブ壁のドープを挙げることができる。特性がカーボンナノチューブ壁のドープである場合も、上述の直径、光学バンドギャップと同様に説明することができる。即ち、少なくとも2つの領域のうちの1つである第一の領域のカーボンナノチューブ壁が窒素ドープされているのがよく、好ましくは窒素ドープが原子置換のドープであるのがよい。また、少なくとも2つの領域のうち、第一の領域以外の1つである第二の領域のカーボンナノチューブ壁はドープがなく炭素のみからなるのがよい。
なお、本願の実施例において、後述の窒素含有炭素源であるアセトニトリルを5vol%及びエタノールを95vol%からなる炭素源を用いているが、窒素含有炭素源を用いる場合、カーボンナノチューブ壁に窒素ドープがなされることが確認されている(非特許文献2を参照のこと)。
このように、単鎖の単層カーボンナノチューブにおいて、2以上の領域で異なるカーボンナノチューブ壁のドープを有することにより、ミクロなpn接合、pnp接合、ショットキー接合を提供することができ、新規な電子材料、光学材料を提供することができる。
<B.少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブの製造方法>
上記少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブは、例えば、次のような製造方法により製造することができる。
即ち、
A)基板を準備する工程;
B)基板上に触媒を形成する工程;
C)得られた基板上に、炭素源の存在下、化学気相蒸着法により、垂直配向カーボンナノチューブを形成する工程;
を有し、
上記C)工程において、C)−1)窒素含有炭素源を用いて第一の領域を形成する工程;及び
C)−2)窒素フリー炭素源を用いて、第一の領域とは異なる特性を有する第二の領域を形成する工程;
を有することにより、上記単層カーボンナノチューブを得ることができる。
なお、C)−1)工程とC)−2)工程とは順不同で行うことができる。
上記製造方法により、上述の少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブを、偶然ではなく、再現性よく、意図して得ることができる。
A)工程は、基板を準備する工程である。
基板は、SiOを表面に有するSi、石英、水晶、又はサファイアなど従来公知のものを用いることができる。
基板は、所望により、B)工程の前に、種々の洗浄工程及び/又は焼成工程に付すことができる。なお、洗浄工程、焼成工程として、従来公知の手法を用いることができる。例えば、洗浄処理として、用いる基板、後に用いる触媒などに依存するが、昇温焼成洗浄、アンモニア及び過酸化水素水による洗浄、Oプラズマ洗浄、強酸(例えば硫酸、硫酸及びKMnO)による洗浄、UVエキシマ洗浄、低圧水銀灯洗浄、アルカリ洗浄、超音波洗浄、メガソニック洗浄、コロナ処理、グロー洗浄、スクラブ洗浄、オゾン洗浄、水素水洗浄、マイクロバブル洗浄、フッ素系洗浄などを挙げることができるが、これらに限定されない。
B)工程は、基板上に触媒を形成する工程である。
例えば、触媒含有液を基板に塗布することにより、B)工程を行うことができる。
ここで、触媒含有液は、用いる基板、用いる溶媒などに依存するが、Fe、Co、Ni及びMoからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の塩を有するのがよい。
特に、触媒含有液は、Coのみの塩を有する溶液、Co及びMoの塩を有する溶液、Fe及びCoの塩を有する溶液、Fe及びNiの塩を有する溶液、又はNi及びCoの塩を有する溶液であるのがよく、好ましくはCoのみの塩を有する溶液、又はCo及びMoの塩を有する溶液であるのがよい。
塩は、酢酸塩、硝酸塩、塩化物塩、又はアンモニウム塩であるのがよく、例えば酢酸コバルト、酢酸モリブデン、アンモニウムジモリブデート((NHMo)であるのがよい。
触媒含有液の溶媒は、上記塩を溶解する低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノールであるのがよく、好ましくはエタノールであるのがよい。
好ましくは、触媒含有液は、酢酸コバルトのエタノール溶液であるか、又は酢酸コバルトのエタノール溶液と酢酸モリブデンのエタノール溶液との双方を用いるのがよい。酢酸コバルトのエタノール溶液と酢酸モリブデンのエタノール溶液との双方を用いる場合、酢酸モリブデンのエタノール溶液を塗布し、乾燥した後、酢酸コバルトのエタノール溶液を塗布するのがよい。
触媒含有液の塗布法は、従来公知の種々の方法を用いることができる。例えば、塗布法として、ディップコーティング、スピンコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティングなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
C)工程は、B)工程によって得られた基板上に、炭素源の存在下、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition, CVD)により、垂直配向カーボンナノチューブを形成する工程である。
C)工程は、例えば、特許文献1(WO2003-068676公報)又は特許文献2(US 2006/0024227 A1)(特許文献1及び2は、その全体を本明細書に参照として含まれる)の手法により、行うことができる。
ただし、従来の手法と異なる点は、C)工程において、C)−1)窒素含有炭素源を用いて第一の領域を形成する工程;及びC)−2)窒素フリー炭素源を用いて、第一の領域とは異なる特性を有する第二の領域を形成する工程;を有する点にある。
ここで、「第一の領域」及び「第二の領域」の「第一」及び「第二」は、「窒素含有」炭素源を用いて得られる領域であるか、又は「窒素フリー」炭素源を用いて得られる領域であるかを区別するために用いたもので、領域の作製順序を示すものではない。上述のように、C)−1)工程とC)−2)工程とは順不同で行うことができる。
C)−2)工程の「窒素フリー」炭素源として、従来公知の炭素源を用いることができる。具体的には、低級アルコール又はエーテル類からなる群から選ばれ、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、ジメチルエーテル又はジエチルエーテル、より好ましくはエタノール又はジメチルエーテルであるのがよい。
C)−2)工程は、化学気相蒸着法を減圧下、好ましくは3kPa以下、より好ましくは1.3kPa以下、500℃以上、好ましくは700℃以上、より好ましくは800℃の温度で行うのがよい。
他方、C)−1)工程の「窒素含有」炭素源は、アンモニアを含有する炭素源、アセトニトリルを含有する炭素源、及びベンジルアミンを含有する炭素源からなる群から選ばれる少なくとも1種、好ましくはアセトニトリルを含有する炭素源であるのがよい。
アンモニアを含有する炭素源は、炭素源として上述の「窒素フリー」炭素源を用い、且つアンモニアを含有する炭素源全体を100vol%として、アンモニアを5vol%まで、好ましくは1vol%含有するのがよい。
アセトニトリルを含有する炭素源は、アセトニトリルのみからなってもよく、上述の「窒素フリー」炭素源を有してもよい。即ち、アセトニトリルを含有する炭素源は、炭素源として上述の「窒素フリー」炭素源を用い、且つアセトニトリルを含有する炭素源全体を100vol%として、アセトニトリルを、0vol%を超えて100vol%まで、好ましくは0.1〜10vol%、より好ましくは1〜6vol%含有するのがよい。
ベンジルアミンを含有する炭素源は、ベンジルアミンのみからなってもよく、上述の「窒素フリー」炭素源を有してもよい。即ち、ベンジルアミンを含有する炭素源は、炭素源として上述の「窒素フリー」炭素源を用い、且つベンジルアミンを含有する炭素源全体を100vol%として、ベンジルアミンを、0vol%を超えて100vol%まで、好ましくは0.1〜10vol%、より好ましくは1〜5vol%含有するのがよい。
C)−1)工程は、C)−2)工程と同様の条件で行うことができる。即ち、減圧下、好ましくは3kPa以下、より好ましくは1.3kPa以下、500℃以上、好ましくは700℃以上、より好ましくは800℃の温度で行うのがよい。なお、実際に行うC)−1)工程の条件は、C)−2)工程と全く同じであっても、上述の条件下においてC)−2)工程とは異なる条件であってもよい。
上述の製造方法は、所望により、上記A)〜C)工程以外の工程を設けてもよい。
例えば、上述したように、基板の洗浄工程などを有してもよい。また、C)工程後に、基板上に得られた単層カーボンナノチューブを剥離する工程を有してもよい。剥離する工程は、例えば、特許第4374456号(この文献は、その全体を本明細書に参照として含まれる)に記載した方法を用いることができる。なお、上記A)〜C)工程以外の工程として、上述したものに限定されない。
<C.垂直配向した単層カーボンナノチューブのみから本質的になる層を見かけ上少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜>
本願は、垂直配向した単層カーボンナノチューブのみから本質的になる層を見かけ上少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜を提供する。
ここで、少なくとも2層は、垂直配向した単層カーボンナノチューブの垂直方向と同方向に見かけ上積層される。また、少なくとも2層の垂直配向単層カーボンナノチューブの特性が互いに異なる。
ここで、「のみから本質的になる」とは、少なくとも2層を見かけ上有する該層が単層カーボンナノチューブのみからなるが、該単層カーボンナノチューブの特性に悪影響を及ぼさない物質を含んでもよいことを意味する。例えば、少量の少層(few-walled)カーボンナノチューブを含んでもよい。少なくとも2層を見かけ上有する該層は、単層カーボンナノチューブのみからなるのがよい。
「見かけ上」とは、外観上、具体的には電子顕微鏡像により、より具体的には走査型電子顕微鏡(SEM)像により、層状になしていることをいう。
例えば、X)上述の一本又は単鎖の「少なくとも2つ以上の領域を有する単層カーボンナノチューブ」のみが多数、束ねられ、該2つ以上の領域が、外観上、2つ以上の層として電子顕微鏡により観察される場合も、本願の「見かけ上」に該当する。
また、Y)上述の一本又は単鎖の「少なくとも2つ以上の領域を有する単層カーボンナノチューブ」のみに限らず、上述の一本又は単鎖の「少なくとも2つ以上の領域を有する単層カーボンナノチューブ」を有する場合であっても、外観上、2つ以上の層として観察されれば、本願の「見かけ上」に該当する。
さらに、Z)1つの領域のみからなる単層カーボンナノチューブが、垂直方向に2本鎖又は複数鎖積層される場合、外観上、2つ以上の層として電子顕微鏡により観察される場合、本願の「見かけ上」に該当する。
また、上記X)の状態、上記Y)の状態、上記Z)の状態が、混合した状態の場合であっても、外観上、2つ以上の層として電子顕微鏡により観察される場合、本願の「見かけ上」に該当する。なお、ここでは、説明の簡略化のため、「単層カーボンナノチューブ」「のみからなる」としたが、これに限定されないのは上述した通りである。
「少なくとも2層」は、「少なくとも2つの領域」と、同じように説明することができる。即ち、「少なくとも2層」は、2又は3以上の層を有することを意味する。例えば、ある特性について、層Aと層Bとがある場合、さらに層Cがある場合、さらに層Dがある場合など、すべての場合が本願に含まれる。特性との関係も、<A.少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブ>の「少なくとも2つの領域」で上述した通りに説明することができるので、説明を割愛する。
少なくとも2層の垂直配向単層カーボンナノチューブの「特性」についても、<A.少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブ>で上述したものと同じである。
例えば、特性が垂直配向単層カーボンナノチューブの平均直径であり、少なくとも2層のうちの1つである第一の層の垂直配向単層カーボンナノチューブの平均直径が1.2nm以下、好ましくは0.75〜1.1nm、より好ましくは0.75〜0.85nmであるのがよい。また、少なくとも2層のうち、第一の層以外の1つである第二の層の垂直配向単層カーボンナノチューブの平均直径が1.5〜4nm、好ましくは1.5〜3nm、より好ましくは1.8〜2.2nm、最も好ましくは2nmであるのがよい。
なお、ここでは「垂直配向単層カーボンナノチューブの平均直径」については詳細に説明したが、それ以外の「特性」の説明は、<A.少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブ>で上述した通りであるので、割愛する。
このように、垂直配向した単層カーボンナノチューブのみから本質的になる層を見かけ上少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜は、pn接合、pnp接合、ショットキー接合を提供することができ、新規な電子材料、光学材料を提供することができる。
<D.垂直配向した単層カーボンナノチューブのみから本質的になる層を見かけ上少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜の製造方法>
上記垂直配向した単層カーボンナノチューブのみから本質的になる層を見かけ上少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜は、例えば、次のような製造方法により製造することができる。
即ち、
A)基板を準備する工程;
B)基板上に触媒を形成する工程;
C)得られた基板上に、炭素源の存在下、化学気相蒸着法により、垂直配向カーボンナノチューブを形成する工程;
を有し、
上記C)工程において、C)−1’)窒素含有炭素源を用いて見かけ上の第一の層を形成する工程;及び
C)−2’)窒素フリー炭素源を用いて、見かけ上の第一の層の垂直配向カーボンナノチューブとは異なる特性を有する見かけ上の第二の層を形成する工程;
を有することにより、上記垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜を得ることができる。
なお、C)−1’)工程とC)−2’)工程とは順不同で行うことができる。
上記製造方法は、上述の<B.少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブの製造方法>と、A)工程及びB)工程は同一であるので、その説明は割愛する。
また、C)−1’)工程及びC)−2’)工程は、C)−1)工程及びC)−2)工程とほぼ同一であり、違いはその工程により得られるものが「領域」と「層」との違いだけであるため、その説明についても割愛する。
上記製法の条件により、X)上述の一本又は単鎖の「少なくとも2つ以上の領域を有する単層カーボンナノチューブ」のみが多数、束ねられ、該2つ以上の領域が、外観上、2つ以上の層を形成するもの、即ち、見かけ上少なくとも2層が、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブのみからなり、見かけ上少なくとも2層がそれぞれ少なくとも2つの領域に対応するものを得ることができる。
また、条件により、見かけ上少なくとも2層が、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブを有し、見かけ上少なくとも2層がそれぞれ少なくとも2つの領域に対応するものを得ることができる。
さらに、条件により、見かけ上少なくとも2層が、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブから本質的になり、見かけ上少なくとも2層がそれぞれ少なくとも2つの領域に対応するものを得ることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
<見かけ上2層膜の調製:炭素源−1st:エタノール;2nd:5%AcN>
<<基板>>
Si基板又は石英基板(寸法25mm×50mm×0.5mm)を準備し、特開2010-202422号公報に記載されるのと同様の方法により、該基板を洗浄し、洗浄後の基板を以降、用いた。
<<触媒塗布工程>>
単層カーボンナノチューブの成長のための触媒を、上記基板上にディップコーティング法により調製した。即ち、0.01wt%酢酸コバルト(w又はw/o酢酸モリブデン)のエタノール溶液(wt%は、所望に応じて変更可能)を準備した。
上記基板を、この溶液に0〜10分間浸漬し、モーターを用いて6cm/分で引き上げた。基板を乾燥し(通常10秒以内)、その後、空気中、400℃で5分間焼成した。なお、ディップコーティング法は、2段階で行った。まず、酢酸モリブデンを用い、次いで酢酸コバルトを用いた。第1のディップコーティング(即ち、酢酸モリブデンのエタノール溶液でのディップコーティング)を行った後、乾燥し、その後、焼成しないで、第2のディップコーティング(即ち、酢酸コバルトのエタノール溶液でのディップコーティング)を行い、その後、基板を、空気中、400℃で5分間焼成した。
<<単層カーボンナノチューブのCVD成長工程>>
単層カーボンナノチューブのCVD成長を、特許文献2(US 2006/0024227 A1)に開示されるACCVD法を用いて、石英管内で行った。ただし、本実施例においては、フローのないCVD法を用いた。以下に詳細に説明する。
上記<触媒塗布工程>で得られた基板を、石英管の中央に配置し、該チャンバーへ、300sccmでアルゴン/H(3vol%H)を流しながら、石英管を30分間で800℃まで加熱した。
<<<炭素源の導入>>>
その後、チャンバーを真空にし、その後、バルブを2分間、開いて、純粋なエタノール40μlをチャンバー内に導入した。その後、チャンバー内を27Paとなるまで約90秒間、真空にし、チャンバー内を密封した後、エタノール95vol%及びアセトニトリル5vol%からなる液(以下、単に「5%AcN」と略記する)40μlを90秒間、導入し、バルブを閉じ、成長が止まるまでその状態とした。その後、チャンバーを、Ar流下で冷却した。
<<垂直配向カーボンナノチューブの成長速度>>
石英基板に調製される垂直配向カーボンナノチューブの高さを、He/Ne(633nm)レーザにより測定した。詳細には、該石英基板を介してHe/Ne(633nm)レーザの減衰度を更正することにより、垂直配向カーボンナノチューブの調製時の高さをリアルタイムに測定した。その結果を図1の「Ex.1」に示す。なお、図1には、後述の実施例2の結果も同時に示す。
図1の「Ex.1」から、炭素源としてエタノールを用いたとき、成長速度が3μm/分であり、炭素源として5%AcNを用いたとき、成長速度が1.5μm/分であることがわかる。
<<SEM画像>>
得られたカーボンナノチューブを走査型電子顕微鏡(SEM)(加速電圧1kV、日立社製S-4800)で確認した。図2の左欄は、該SEM画像を示す。なお、図2は、図1と同様に、後述の実施例2の結果(右欄)も示す。図2の左欄から、得られたカーボンナノチューブが垂直配向していることがわかる。また、図2の左欄の矢印部が示す境界が見えることから、垂直配向カーボンナノチューブが見かけ上2層からなることがわかる。
<<ラマンスペクトル>>
得られた、見かけ上2層からなる垂直配向カーボンナノチューブの、それぞれの層についてのラマンスペクトルを測定した(Chromex 501及びDV401-FI)。図3は、得られたラマンスペクトルを示す図である。
図3は、左欄が100〜1700cm−1の結果、右欄が2500〜2800cm−1の結果を示す。
また、左欄は、最上段がエタノールのみ(「EtOH」及び一点鎖線で示す)及び5%AcNのみ(「5%AcN」及び実線で示す)の結果を示す。また、中段が本実施例の結果を示し、最初にエタノールを供給した箇所の結果(「1st feed」及び一点鎖線で示す)及び次いで5%AcNを供給した箇所の結果(「2nd feed」及び実線で示す)の結果を示す。さらに、最下段が、後述の実施例2の結果を示す。
右欄についても、左欄と同様に、最上段がエタノールのみ(「EtOH」で示す)及び5%AcNのみ(「5%AcN」で示す)の結果を示す。また、中段が本実施例の結果を示す(エタノールを供給した箇所の「1st feed」及び5%AcNを供給した箇所の「2nd feed」で示す)。さらに、最下段が、後述の実施例2の結果を示す(5%AcNを供給した箇所の「1st feed」及びエタノールを供給した箇所の「2nd feed」で示す)。
図3の中段から、得られたカーボンナノチューブが単層(single-walled)であることがわかる。また、ほぼ単層カーボンナノチューブのみからなることがわかる。さらに、上層、即ち炭素源をエタノールとしたときに形成された層の単層カーボンナノチューブ(以下、単に「Et−SWNT」と略記する)は、その平均直径が2nmであり、下層、即ち炭素源を5%AcNとしたときに形成された層の単層カーボンナノチューブ(以下、単に「Ac−SWNT」と略記する)は、その平均直径が1.2nm以下、具体的には0.8nmであることがわかる。
さらに、上述した、単層カーボンナノチューブの直径と光学バンドギャップとの関係から、上層の光学バンドギャップが0.45eV、下層の光学バンドギャップが1.13eVであることがわかる。
<<TEM>>
さらに、得られた見かけ上2層からなる垂直配向カーボンナノチューブの、それぞれの層の単層カーボンナノチューブについて、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。その結果、上述の平均直径であることを確認した。
これらの結果から、本実施例により、互いに直径が異なる、見かけ上2層からなる垂直配向単層カーボンナノチューブ膜が形成されたことがわかる。
<見かけ上2層膜の調製:炭素源−1st:5%AcN;2nd:エタノール>
実施例1の<<単層カーボンナノチューブのCVD成長工程>>の<<<炭素源の導入>>>の順序を、逆にした以外、即ち、はじめに5%AcNを導入し、その後にエタノールを導入した以外、実施例1と同様の方法により、カーボンナノチューブを得た。
実施例1と同様に、カーボンナノチューブの成長速度、SEM画像、及びラマンスペクトルを観察した。その結果を、それぞれ図1の「Ex.2」、図2の右欄、及び図3の最下段に示す。
これらの図から、実施例1と同様に、実施例2で得られたカーボンナノチューブは、互いに直径が異なる、見かけ上2層からなる垂直配向単層カーボンナノチューブ膜が形成されたことがわかる。実施例2の膜は、上層がAc−SWNTであり且つその平均直径が1.2nm以下、具体的には0.8nmであり、下層がEt−SWNTであり且つその平均直径が2nmであり、この点が実施例1の膜と異なっていた。
また、実施例1と実施例2とを比較すると、炭素源の導入順序を変えることにより、層の順序が逆になる、見かけ上2層の膜が形成されることがわかる。
<見かけ上3層膜の調製:炭素源−1st:5%AcN;2nd:エタノール;3rd:5%AcN>
実施例2の<<<炭素源の導入>>>において、さらに、5%AcNを導入する工程を設けた以外、実施例2と同様の方法により、カーボンナノチューブを得た。
実施例2と同様に、SEM画像、及びラマンスペクトルを観察した。その結果を、それぞれ図4に示す。図4中、左欄はSEM画像、右欄はラマンスペクトルを示す。なお、右欄のラマンスペクトルは、左欄の「1」〜「7」の箇所についてそれぞれ測定したことを示す。
図4から、実施例3で得られたカーボンナノチューブは、互いに直径が異なる、見かけ上、3層からなる垂直配向単層カーボンナノチューブ膜が形成されたことがわかる。
具体的には、実施例3の膜は、最上層、即ち基板から一番遠い層である第1層がAc−SWNTであり且つその平均直径が1.2nm以下、具体的には0.8nmであり、中段層(第2層)がEt−SWNTであり且つその平均直径が2nmであり、最下層(第3層、基板に近い層)がAc−SWNTであり且つその平均直径が1.2nm以下、具体的には0.8nmであることがわかる。
本実施例からも、実施例1及び2からと同様に、炭素源の導入順序により、層の順序が決まることがわかる。また、本実施例により、見かけ上3層の膜が形成されることがわかる。
<見かけ上5層膜の調製:炭素源−1st:エタノール;2nd:5%AcN;3rd:エタノール;4th:5%AcN;5th:エタノール>
実施例1の<<<炭素源の導入>>>において、1番目:エタノール;2番目:5%AcN;3番目:エタノール;4番目:5%AcN;及び5番目:エタノールとした以外、実施例1と同様の方法により、カーボンナノチューブを得た。
実施例1と同様に、カーボンナノチューブの成長速度、及びSEM画像を観察した。その結果を、それぞれ図5に示す。図5中、グラフの破線は炭素源がエタノールである場合、実線は炭素源が5%AcNである場合を示す。また、「stop」の記載は炭素源供給がなかったことを示す。
図5、特に、SEM画像から、実施例4で得られたカーボンナノチューブは、互いに直径が異なる、見かけ上、5層からなる垂直配向単層カーボンナノチューブ膜が形成されたことがわかる。
具体的には、実施例4の膜は、最上層、即ち基板から一番遠い層である第1層がEt−SWNTであり且つその平均直径が2nmであり、
第2層がAc−SWNTであり且つその平均直径が1.2nm以下、具体的には0.8nmであり、
第3層がEt−SWNTであり且つその平均直径が2nmであり、
第4層がAc−SWNTであり且つその平均直径が1.2nm以下、具体的には0.8nmであり、
第5層、即ち基板に近い層がEt−SWNTであり且つその平均直径が2nmであった。
本実施例からも、実施例1〜3からと同様に、炭素源の導入順序により、層の順序が決まることがわかる。また、本実施例により、見かけ上5層の膜が形成されることがわかる。さらに、実施例1〜4から、見かけ上多層の膜が形成されることがわかる。
<接着テープ界面試験>
実施例4で得られた、見かけ上5層からなる垂直配向単層カーボンナノチューブについて、見かけ上5層の「層」についての知見を得るために、接着テープ界面試験を行った。
得られたカーボンナノチューブ膜の上面、即ち第1層のEt−SWNTの面に第1の接着テープ(応研商事株式会社製SEM用カーボン両面テープ(アルミ基材))を付着させて、基板から剥離させた。また、剥離した他の面、即ち第5層のAc−SWNTの面に、第1の接着テープと同じものからなる第2の接着テープを付着させ、その後、第1及び第2の接着テープを剥がすように、膜を引張り、得られたものについて、以下の観察を行った。
図6は、接着テープ界面試験に関する図である。図6(a)は、上述した接着テープ界面試験を模式的に示す図である。図6(b)及び(c)は、図6(a)における「A」で示した側のSEM画像を示す。図6(d)は、5層膜をエタノール中で超音波洗浄器で数分間分散させて、TEMグリッドに乗せたものの低角度散乱暗視野走査透過型電子顕微鏡(LAADF−STEM)による画像を示す。図6(e)及び(f)は、高解像度透過型電子顕微鏡(HRTEM)による画像を示す。
図6(b)及び(c)から、特に「B」で示した箇所から、見かけ上の数層にわたって存在する単層カーボンナノチューブの存在が確認できる。一方、図6(b)及び(c)の「A」で示した箇所から、見かけ上の5層のうち1層又は2層にだけに存在する単層カーボンナノチューブも存在することが確認できる。
図6(d)のLAADF−STEM画像から、5層の界面がそれぞれ確認できた。
図6(e)のHRTEM画像から、見かけ上の数層にわたって存在する単層カーボンナノチューブの存在が確認できる。特に、直径が1.2nmから0.8nmへと変化する単層カーボンナノチューブの存在が確認できる。
図6(f)のHRTEM画像から、見かけ上の数層にわたって存在する単層カーボンナノチューブの存在が確認できる。特に、直径が2.4nmから1.1nmへと変化する単層カーボンナノチューブの存在が確認できる。
図6から、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域の直径が互いに異なる単層カーボンナノチューブが、本実施例によって調製できたことがわかる。
また、そのような、少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブが、見かけ上、5層からなる垂直配向単層カーボンナノチューブ膜に含まれていることがわかる。

Claims (4)

  1. 少なくとも2つの領域を有する単層カーボンナノチューブであって該少なくとも2つの領域は互いにその特性が異なる単層カーボンナノチューブの製造方法であって、
    A)基板を準備する工程;
    B)前記基板上に触媒を形成する工程;
    C)得られた基板上に、炭素源の存在下、化学気相蒸着法により、垂直配向カーボンナノチューブを形成する工程;
    を有し、
    上記C)工程において、C)−1)窒素含有炭素源を用いて第一の領域を形成する工程;及び
    C)−2)窒素フリー炭素源を用いて、第一の領域とは異なる特性を有する第二の領域を形成する工程;
    を有し、前記C)−1)工程と前記C)−2)工程とは順不同で行うことができ、これらの工程により、上記単層カーボンナノチューブを得る、上記方法。
  2. 前記窒素含有炭素源は、アンモニアを含有する炭素源、アセトニトリルを含有する炭素源、及びベンジルアミンを含有する炭素源からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項記載の方法。
  3. 垂直配向した単層カーボンナノチューブのみから本質的になる層を見かけ上少なくとも2層有する垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜の製造方法であって、
    A)基板を準備する工程;
    B)前記基板上に触媒を形成する工程;
    C)得られた基板上に、炭素源の存在下、化学気相蒸着法により、垂直配向カーボンナノチューブを形成する工程;
    を有し、
    上記C)工程において、C)−1’)窒素含有炭素源を用いて見かけ上の第一の層を形成する工程;及び
    C)−2’)窒素フリー炭素源を用いて、見かけ上の第一の層の垂直配向カーボンナノチューブとは異なる特性を有する見かけ上の第二の層を形成する工程;
    を有し、C)−1’)工程とC)−2’)工程とは順不同で行うことができ、これらの工程により、上記垂直配向単層カーボンナノチューブ多層膜を得る、上記方法。
  4. 前記窒素含有炭素源は、アンモニアを含有する炭素源、アセトニトリルを含有する炭素源、及びベンジルアミンを含有する炭素源からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項記載の方法。
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