JP6191330B2 - 車両用照明制御装置 - Google Patents
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Description
前記照明手段は、車両の前部に設けられ、ハイビーム照明とロービーム照明を切り替え可能である。
前記照明制御手段は、前記照明手段を前記ハイビーム照明又は前記ロービーム照明のいずれか一方に設定する。
前記第1照度検出手段は、前記照明手段によって照明される照射領域の照度を検出する。
前記第2照度検出手段は、前記照明手段によって照明されない非照射領域の照度を検出する。
前記霧検知手段は、前記第1照度検出手段により検出された前記照射領域の照度と、前記第2照度検出手段により検出された前記非照射領域の照度と、の差分に基づいて、前記車両の周囲に霧が発生しているか否かを判断する。
前記照明制御手段は、前記照明手段の点灯と消灯を、所定時間の間ドライバーの目視不可能な周期で繰り返す霧判断照明を実行する点消灯制御部と、前記霧検知手段によって前記車両の周囲に霧が発生していると判断されたとき、前記照明手段を前記ロービーム照明に設定するオートビーム制御部とを有する。
そして、前記霧検知手段は、前記霧判断照明が実行されているときに検出された照度の差分に基づいて、前記車両の周囲に霧が発生しているか否かを判断する。
すなわち、車両周囲に霧が発生していれば、照明手段は自動的にロービーム照明に設定され、この照明手段からの光が霧に反射して発生する反射光を抑制することができる。これにより、霧による反射光で運転が妨げられることを防止できる。
まず、実施例1の車両用照明制御装置における構成を「全体システム構成」、「照明制御処理構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1の車両用照明制御装置を示す全体システム図である。図2は、実施例1の車両用照明制御装置を搭載した車両を示す模式図である。以下、図1,2に基づき、実施例1の車両用照明制御装置の全体システム構成を説明する。
ここで、車両前方に霧が発生しているときには、霧によってヘッドライト4の照明光が反射される。また、ヘッドライト4は後述するように車両前方を照らす前照灯である。そのため、霧発生中にヘッドライト4が点灯しているときには、第1照度センサ2によって反射光が検出される。
ここで、霧発生中にヘッドライト4が点灯することで反射光が発生しているときであっても、車両上方から入射する光を受ける第2照度センサ3では反射光の照度は検出されない。
ここで、「ハイビーム照明」とは、車両正面を比較的遠く(約100m)まで照らすことができる照明であり、照明方向をほぼ水平に設定する。また、「ロービーム照明」とは、車両正面の比較的近傍(約40m)を照らすことができる照明であり、照明方向を水平方向よりも下方に向けて設定する。
すなわち、照度の差分が、霧判断照明時のヘッドライト4の点滅動作に同期して増減する場合には、車両前方に霧が発生していると判断する。一方、照度の差分が増減しなかったり、増減しても霧判断照明時のヘッドライト4の点滅動作に同期しない場合には、車両前方に霧が発生していないと判断する。なお、霧判断照明時のヘッドライト4の点滅動作は、予め霧判断部52に記憶されている。
この霧判断部52からの判断結果は、照明制御部6の後述する配光制御部62に入力される。
ここで、「点灯指令」は、消灯状態のヘッドライト4に対して出力し、ヘッドライト4を点灯させる。また、「消灯指令」は、点灯状態のヘッドライト4に対して出力し、ヘッドライト4を消灯する。また、「霧判断照明指令」は、ヘッドライト4の点消灯状態に拘らず所定時間が経過するごとに出力し、ヘッドライト4を人間の目に見えない周期(200Hz以上)で所定時間(1秒間)点滅させる。
また、この点消灯制御部61は、上記霧判断照明指令を出力したときに、霧検知制御部5の霧判断部52に対して、霧判断照明を実行したことを示す霧判断照明信号を出力する。
ここで、「ハイビーム設定指令」は、ヘッドライト4の配光状態をハイビーム照明に設定する。また、「ロービーム設定指令」は、ヘッドライト4の配光状態をロービーム照明に設定する。
図3は、実施例1の車両用照明制御装置において実行される照明制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図3に基づき、照明制御処理の各ステップについて説明する。なお、この照明制御処理は、イグニッションキーがONされてからOFFされるまでの間、継続して実行される。
ここで、「前回の霧判断が実行されたとき」とは、ヘッドライト4に霧判断照明指令が出力されたときである。つまり、霧判断照明指令が出力されてから所定時間が経過したか否を判断する。
ここで、「照度の差分演算」は、ヘッドライト4の点滅開始から点滅終了までの間における同時タイミングでの照度の差異を求めることである。
ここで、霧発生の判断は、ステップS6で求めた照度差分がヘッドライト4の点滅動作に同期して増減すれば、霧が発生していると判断し、照度差分の変化がヘッドライト4の点滅動作に同期しなければ、霧が発生していないと判断する。
実施例1の車両用照明制御装置における作用を、「霧発生時照明切替作用」と、「霧未発生時照明切替作用」に分けて説明する。
図4は、実施例1の照明制御装置において夜間霧発生時の、ヘッドライト入力指令、照射領域の照度、非照射領域の照度、照度の差分の各特性を示すタイムチャートである。以下、図4に基づき、実施例1の霧発生時照明切替作用について説明する。
すなわち、時刻t1から時刻t2までの間(ここでは1秒間)、ヘッドライト4に対して、人間の目に見えない200Hz以上の周期で点灯指令と消灯指令とが繰り返し出力される。
なお、図4では便宜上時刻t1から時刻t2までの間、点灯指令と消灯指令がそれぞれ5回ずつ出力された特性となっている。しかしながら、実際の特性は点灯指令と消灯指令が多数回出力される。
これにより、霧判断照明をしている間(時刻t1から時刻t2までの間)、照射領域Sの照度はヘッドライト4の点滅動作に同期して変動する。つまり、ヘッドライト4が点灯すれば反射光の発生によって照射領域Sの照度が高くなり、ヘッドライト4が消灯すれば反射光が発生しないため照射領域Sの照度は低くなる。一方、ヘッドライト4からの照明光は車両前方に向けられているので、このヘッドライト4が点滅しても車両上方から入射する光に変化はない。つまり、ヘッドライト4によって照明されない非照射領域Hの照度は低いままで変化しない。
なお、各照度の検出は霧判断照明をしている間(時刻t1から時刻t2までの間)に行われるため、時刻t1以前及び時刻t2では照度検出は実行されない。
このとき、図4に示すように、照射領域Sの照度はヘッドライト4の点滅動作に同期して増減するが、非照射領域Hの照度は変化しない。そのため、照度の差分もヘッドライト4の点滅動作に同期して増減する。すなわち、ヘッドライト4が点灯している間は照度差分が大きくなり、ヘッドライト4が消灯している間は照度差分が小さくなる。
このように、照度の差分がヘッドライト4の点滅動作に同期して増減することで、車両10の前方に霧が発生していると判断することができる。
図5は、実施例1の照明制御装置において夜間霧未発生時の、ヘッドライト入力指令、照射領域の照度、非照射領域の照度、照度の差分の各特性を示すタイムチャートである。以下、図5に基づき、実施例1の霧未発生時照明切替作用について説明する。
すなわち、時刻t3から時刻t4までの間(ここでは1秒間)、ヘッドライト4に対して、人間の目に見えない200Hz以上の周期で点灯指令と消灯指令とが繰り返し出力される。
なお、図5では便宜上時刻t3から時刻t4までの間、点灯指令と消灯指令がそれぞれ5回ずつ出力された特性となっている。しかしながら、実際の特性は点灯指令と消灯指令が多数回出力される。
これにより、霧判断照明をしている間(時刻t3から時刻t4までの間)にヘッドライト4が点滅しても、照射領域Sの照度は変化しない。一方、ヘッドライト4からの照明光は車両前方に向けられているので、このヘッドライト4が点滅しても車両上方から入射する光に変化はない。つまり、ヘッドライト4によって照明されない非照射領域Hの照度も低いままで変化しない。
このとき、図5に示すように、照射領域Sの照度及び非照射領域Hの照度は、いずれもヘッドライト4の点滅動作に拘らず変化しない。そのため、照度の差分もヘッドライト4の点滅動作に拘らず増減することはない。
このように、照度の差分の変動がヘッドライト4の点滅動作に同期しないことから、車両10の前方に霧が発生していないと判断することができる。
これにより、霧による反射光の発生を抑制でき、霧による反射光で運転が妨げられることを防止できる。また、自動的にロービーム照明に切り替わるため、配光状態の切り替え設定を手動で行う必要がなくなって、走行中の煩わしさを軽減することができる。
これにより、イメージセンサや車載カメラ、湿気センサ等の様々なセンサ類を不要とし、コストの増加を抑制して安価な構成で車両の周囲に霧が発生しているか否かを判断することができる。また、イメージセンサを用いないことで、雨天時の雨滴によって霧のセンシングが不可能になることがない。
そのため、照度の差分を複数回検出することができ、霧判断精度を向上することができる。しかも、この実施例1では、点灯と消灯を繰り返す周期は、ドライバーが目視不可能な周期となっているので、霧発生を判断するためにヘッドライト4による照明の状態を変化させても、目視することができない。これにより、ドライバーに煩わしさを与えることなく霧判断を行うことができる。
これにより、霧検知処理時の照射領域Sの照度と、非照射領域Hの照度とを精度よく切り分けて検出することができ、霧検知の検知精度を向上させることができる。
ここで、霧が発生していれば、車両周囲が明るくてもヘッドライト4を点灯した際に反射光が生じる。
このため、昼夜問わず、イメージセンサ等の複数のセンサ類を用いることなく、安価な構成で霧の発生を検知し、ヘッドライト4の配光状態を適切に切替制御して、運転しにくさを軽減することができる。
実施例1の車両用照明制御装置1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前記照明手段4の配光状態を前記ハイビーム照明又は前記ロービーム照明のいずれか一方に設定する照明制御手段(照明制御部)6と、
前記照明手段4によって照明される照射領域Sの照度を検出する第1照度検出手段(第1照度センサ)2と、
前記照明手段4によって照明されない非照射領域Hの照度を検出する第2照度検出手段(第2照度センサ)3と、
前記第1照度検出手段2により検出された前記照射領域Sの照度と、前記第2照度検出手段3により検出された前記非照射領域Hの照度と、の差分に基づいて、前記車両10の周囲に霧が発生しているか否かを判断する霧検知手段(霧検知制御部)5と、を備え、
前記照明制御手段6は、前記霧検知手段5によって前記車両10の周囲に霧が発生していると判断されたとき、前記照明手段4をロービーム照明に設定するオートビーム照明部62aを有する構成とした。
これにより、霧による反射光で運転が妨げられることを防止できる。また、自動的にロービーム照明に設定されるため、配光状態の切り替え設定を手動で行う必要がなくなって、走行中の煩わしさを軽減することができる。
前記非照射領域Hの照度を、前記照明手段4による照明方向とは異なる方向に沿って前記車両10に入射する光の照度とする構成とした。
これにより、上記(1)の効果に加え、霧検知処理時のヘッドライト4の反射光の照度と、車両周囲の照度とを切り分けて検出することができ、霧検知の検知精度を向上させることができる。
前記霧検知手段(霧検知制御部)5は、前記霧判断照明が実行されているときに検出された照度の差分に基づいて、前記車両10の周囲に霧が発生しているか否かを判断する構成とした。
これにより、上記(1)又は(2)の効果に加え、霧発生を判断するために照度領域Sの照度と非照度領域Hの照度との照度差分を複数回検出することができ、霧判断精度を向上することができる。
これにより、上記(3)の効果に加え、長時間にわたる運転中に霧が発生した場合であっても、霧の発生を検知することができる。
実施例2の車両用照明制御装置は、霧の発生を検知したときにオートハイビーム機能を停止する例である。
図7は、実施例2の車両用照明制御装置を示す全体システム図である。この図7に基づき、実施例2の車両用照明制御装置1Aの全体システム構成を説明する。なお、実施例1と同等の構成については、実施例1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
なお、このオートハイビーム制御部72aは、手動で操作する図示しない設定スイッチを有しており、この設定スイッチがON制御されたときに機能する。また、「ハイビーム条件」とは、例えば、夜間走行中であって、車両前方の照度が一定以下、対向車や街路灯が存在しない等、ハイビーム照明に切替可能な諸条件である。
ただし、ステップS17において、YES(車両の前方に霧が発生した)と判断した場合には、ステップS18へ進む。また、このステップS17においてNO(車両の前方に霧が発生していない)と判断した場合には、ステップS21へ進む。
ここで、オートハイビーム制御部72aのON設定は、図示しない設定スイッチを手動により操作することで行われる。
ここで、オートハイビーム制御部72aが停止しているとの判断は、オートビーム制御部72bからオートハイビーム停止指令が出力されていることで行われる。つまり、オートハイビーム停止指令が出力されていなければ、オートハイビーム制御部72aは停止状態ではないと判断される。
これにより、ハイビーム条件が成立すれば、ヘッドライト4はハイビーム設定を継続し、ハイビーム条件が成立しなければ、ヘッドライト4はロービーム照明に自動的に切り替え設定される。
前記オートビーム制御部72bは、前記霧検知手段(霧検知制御部)5によって前記車両10の周囲に霧が発生していると判断されたとき、前記オートハイビーム制御部72aによる前記ハイビーム照明の設定を停止すると共に、前記照明手段4を前記ロービーム照明に設定する構成とした。
これにより、上記(1)〜(4)のいずれかの効果に加え、霧の発生が検知されれば、自動的にハイビーム照明に設定するオートハイビーム制御部72aが停止され、手動によってロービーム照明に切替設定する必要がなくなり、走行中の煩わしさを軽減することができる。
この場合であっても、霧を検知したときには自動的にハイビーム照明になることを停止(禁止)することで、走行中の煩わしさを軽減することができる。
10 車両
11 フロントガラス
12 フロントフード
2 第1照度センサ(第1照度検出手段)
3 第2照度センサ(第2照度検出手段)
4 ヘッドライト(照明手段)
5 霧検知制御部(霧検知手段)
51 照度比較部
52 霧判断部
6 照明制御部(照明制御手段)
61 点消灯制御部
62 配光制御部
62a オートビーム制御部
Claims (4)
- 車両の前部に設けられ、ハイビーム照明とロービーム照明を切り替え可能な照明手段と、
前記照明手段を、前記ハイビーム照明又は前記ロービーム照明のいずれか一方に設定する照明制御手段と、
前記照明手段によって照明される照射領域の照度を検出する第1照度検出手段と、
前記照明手段によって照明されない非照射領域の照度を検出する第2照度検出手段と、
前記第1照度検出手段により検出された前記照射領域の照度と、前記第2照度検出手段により検出された前記非照射領域の照度と、の差分に基づいて、前記車両の周囲に霧が発生しているか否かを判断する霧検知手段と、を備え、
前記照明制御手段は、前記照明手段の点灯と消灯を、所定時間の間ドライバーの目視不可能な周期で繰り返す霧判断照明を実行する点消灯制御部と、前記霧検知手段によって前記車両の周囲に霧が発生していると判断されたとき、前記照明手段を前記ロービーム照明に設定するオートビーム制御部とを有し、
前記霧検知手段は、前記霧判断照明が実行されているときに検出された照度の差分に基づいて、前記車両の周囲に霧が発生しているか否かを判断する
ことを特徴とする車両用照明制御装置。 - 請求項1に記載された車両用照明制御装置において、
前記照射領域の照度は、前記照明手段による照明方向に沿って前記車両に入射する光の照度とし、
前記非照射領域の照度は、前記照明手段による照明方向とは異なる方向に沿って前記車両に入射する光の照度とする
ことを特徴とする車両用照明制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載された車両用照明制御装置において、
前記点消灯制御部は、前記車両が走行している間、予め定めた一定周期で前記霧判断照明を実行する
ことを特徴とする車両用照明制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された車両用照明制御装置において、
前記配光制御部は、予め設定したハイビーム条件が成立した際に、前記照明手段を前記ハイビーム照明に設定するオートハイビーム制御部を有し、
前記オートビーム制御部は、前記霧検知手段によって前記車両の周囲に霧が発生していると判断されたとき、オートハイビーム制御部による前記ハイビーム照明の設定を停止すると共に、前記照明手段を前記ロービーム照明に設定する
ことを特徴とする車両用照明制御装置。
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