JP6189206B2 - 多周波共用アンテナ及びアンテナ装置 - Google Patents

多周波共用アンテナ及びアンテナ装置 Download PDF

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Description

本発明は、多周波共用アンテナ及びアンテナ装置に関するものである。
移動体通信等では、通信に使用される周波数帯として、800MHz帯、2.0GHz帯などの複数の周波数帯が割り当てられている。このため、1本のアンテナを複数の周波数で共用できれば有利である。特許文献1には、1本のアンテナを複数の周波数で共用できる多周波共用アンテナが記載されている。
特開2006−229337号公報
特許文献1記載の多周波共用アンテナは、それぞれ異なる周波数の電波を放射する複数の直線状のダイポール素子を有している。ダイポール素子は、素子長(ダイポール素子の長手方向長さ)として、通信周波数における1/2波長程度の長さを必要とする。
このため、複数の直線状のダイポール素子を有する多周波共用アンテナでは、ダイポール素子の素子長手方向において、通信に使用される複数の周波数における最大波長の1/2波長程度の長さを持つことになり、大型化しやすい。アンテナが大きくなると受風面積(荷重)が大きくなり、アンテナ取付支柱も強固なものが必要となるという問題がある。
そこで、本発明は、従来に比べて、小型化が可能な多周波共用アンテナを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも2個のアンテナ素子と、内導体及びその外周を覆う外導体を有し、前記各アンテナ素子に給電する同軸給電線と、を備え、前記各アンテナ素子は、一方が前記同軸給電線の内導体と電気的に接続され、他方が前記同軸給電線の外導体と電気的に接続された一対のアンテナ部を有し、これら両アンテナ部が給電点を挟んで互いに偏波方向に並ぶように配置されている多周波共用アンテナであって、前記各アンテナ部は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子、又はループ状に形成されたループアンテナ素子からなり、前記2個のアンテナ素子のうち、一方のアンテナ素子のアンテナ部が、他方のアンテナ素子のアンテナ部よりも内側に配置され、前記一方のアンテナ素子は、前記他方のアンテナ素子よりも高い周波数で共振するように構成されている多周波共用アンテナである。
他の観点からみた本発明は、上記の多周波共用アンテナを用いた垂直偏波用の第1多周波共用アンテナと、上記の多周波共用アンテナを用いた水平偏波用の第2多周波共用アンテナと、を備え、前記第1多周波共用アンテナ及び第2多周波共用アンテナは、互いに前後方向の位置をずらして配置されているアンテナ装置である。
本発明によれば、多周波共用アンテナの小型化が可能となる。
本発明の第1実施形態に係る多周波共用アンテナの斜視図である。 第1実施形態の多周波共用アンテナの側面図である。 第1実施形態のアンテナ本体の正面図である。 第1比較例に係るアンテナ本体の正面図である。 第1比較例のアンテナのリターンロス特性である。 第1実施形態のアンテナのリターンロス特性である。 第2比較例に係るアンテナ本体の断面図である。 第1実施形態のアンテナ本体の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る多周波共用アンテナの斜視図である。 第2実施形態の多周波共用アンテナの側面図である。 第2実施形態のアンテナ本体の正面図である。 本発明の第3実施形態に係るアンテナ装置の斜視図である。 第3実施形態に係るアンテナ装置の側面図である。 第3実施形態の反射素子の正面図である。 本発明の第4実施形態に係る多周波共用アンテナのアンテナ本体の正面図である。 本発明の第5実施形態に係る多周波共用アンテナの斜視図である。 第5実施形態に係る多周波共用アンテナの側面図である。 第5実施形態のアンテナ本体の正面図である。 第5実施形態の第1及び第2の線路と第1アンテナ素子との各接続部分を示す図18の要部拡大図である。 本発明の第6実施形態に係る多周波共用アンテナの斜視図である。 第6実施形態に係る多周波共用アンテナの側面図である。 第6実施形態のアンテナ本体の正面図である。 従来のアンテナのリターンロス特性である。 第6実施形態のアンテナのリターンロス特性である。 本発明の第7実施形態に係るアンテナ装置の斜視図である。 第7実施形態に係る多周波共用アンテナの側面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る多周波共用アンテナは、少なくとも2個のアンテナ素子と、内導体及びその外周を覆う外導体を有し、前記各アンテナ素子に給電する同軸給電線と、を備え、前記各アンテナ素子は、一方が前記同軸給電線の内導体と電気的に接続され、他方が前記同軸給電線の外導体と電気的に接続された一対のアンテナ部を有し、これら両アンテナ部が給電点を挟んで互いに偏波方向に並ぶように配置されている多周波共用アンテナであって、前記各アンテナ部は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子、又はループ状に形成されたループアンテナ素子からなり、前記2個のアンテナ素子のうち、一方のアンテナ素子のアンテナ部が、他方のアンテナ素子のアンテナ部よりも内側に配置され、前記一方のアンテナ素子が、前記一方のアンテナ素子は、前記他方のアンテナ素子よりも高い周波数で共振するように構成されている。
上記多周波共用アンテナによれば、少なくとも2個のアンテナ素子は、先端が曲げられた一対のダイポール素子、又はループアンテナ素子からなるため、直線状のダイポール素子のみからなる場合に比べて、偏波方向の長さを可及的に短くすることができる。これにより、多周波共用アンテナの小型化が可能となる。
(2)前記(1)の前記2個のアンテナ素子のアンテナ部のうち、少なくとも1つのアンテナ部は、前記一対のダイポール素子からなるのが好ましい。
この場合、少なくとも1つのアンテナ部は、先端が曲げられた一対のダイポール素子からなるため、直線状のダイポール素子のみからなる場合に比べて、偏波方向の長さを可及的に短くすることができる。
(3)前記(1)又は(2)の前記内導体と電気的に接続されているアンテナ部は、基板の一面に形成され、前記外導体と電気的に接続されているアンテナ部は、前記基板の一面と反対側の他面に形成され 前記一対のアンテナ部は、前記基板を挟んで互いに一部重なり合って配置されているのが好ましい。
この場合、両アンテナ部は基板の両面にそれぞれ形成されているため、基板の片面側にまとめて形成される場合に比べて、各アンテナ素子のインピーダンスの整合が容易となる。
(4)前記(3)の前記基板の前記他面は、前記同軸給電線が接続される接続面とされているのが好ましい。この場合、内導体及び外導体にそれぞれ接続される一対のアンテナ部を基板の両面に容易に形成することができる。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかの多周波共用アンテナは、前記2個のアンテナ素子のうち、少なくとも1つのアンテナ素子のアンテナ部の偏波方向に延びている部分を覆うように配置された第1無給電素子を更に備え、前記第1無給電素子の偏波方向の長さは、前記少なくとも2個のアンテナ素子のうち最も高い周波数で共振するアンテナ素子の波長の1/2よりも短い長さに設定されているのが好ましい。
この場合、第1無給電素子により覆われたアンテナ素子のリターンロスを改善することができる。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかの前記少なくとも2個のアンテナ素子のうち最も低い周波数で共振するアンテナ素子の一対のアンテナ部は、給電点を挟んで互いに偏波方向に隣接して配置されており、前記一対のアンテナ部のうち前記内導体と電気的に接続されているアンテナ部は、前記給電点側から偏波方向に対して傾斜する方向に延びる第1傾斜部を有し、前記一対のアンテナ部のうち前記外導体と電気的に接続されているアンテナ部は、前記給電点側から偏波方向に対して傾斜する方向に延びる第2傾斜部を有し、前記第1傾斜部及び第2傾斜部は、前記給電点から遠ざかるに従って、これら両傾斜部間の偏波方向の離反距離が徐々に長くなるように形成されているのが好ましい。
この場合、最も高い周波数で共振するアンテナ素子のリターンロスを改善することができる。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかの前記一対のダイポール素子は、給電点を含み且つ偏波方向に延びる仮想線を挟んで互いに線対称に形成されているのが好ましい。
この場合、各ダイポール素子の先端からそれぞれ放射される不要な電波同士が互いに打ち消し合うため、各ダイポール素子から不要な方向に電波が放射されるのを抑制することができる。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかの多周波共用アンテナは、前記他方のアンテナ素子が、2つの周波数で共振するものであり、前記他方のアンテナ素子のアンテナ部よりも外側に配置された第2無給電素子を更に備えているのが好ましい。
この場合、第2無給電素子により前記他方のアンテナ素子のリターンロスを改善することができる。
(9)前記(1)〜(8)のいずれかの前記他方のアンテナ素子が、2つの周波数で共振するものであり、前記他方のアンテナ素子のアンテナ部の偏波方向に沿った部分の素子幅が、当該アンテナ部の給電点側の素子幅よりも太いのが好ましい。
この場合、前記他方のアンテナ素子が2つの周波数で共振するための帯域幅を広くすることができる。
(10)前記(9)の前記他方のアンテナ素子のアンテナ部は、その給電点側から偏波方向に沿った部分へ向かうに従って素子幅が徐々に太くなるように形成されているのが好ましい。
この場合、前記他方のアンテナ素子のアンテナ部における給電点側から偏波方向に沿った部分へ向かうに従って、不平衡モードから平衡モードへと伝搬モードを徐々に変換することができる。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかの前記少なくとも2個のアンテナ素子のうち、一のアンテナ素子のアンテナ部の一部が、他の一のアンテナ素子のアンテナ部よりも内側に配置され、かつ前記一のアンテナ素子のアンテナ部の他の一部が、前記他の一のアンテナ素子のアンテナ部よりも外側に配置されているのが好ましい。
この場合、一のアンテナ素子の全部を他の一のアンテナ素子よりも内側に配置する場合に比べて、これらのアンテナ素子の形状や配置の自由度を高めることができる。
(12)前記(1)〜(10)のいずれかの前記少なくとも2個のアンテナ素子のうち、最も高い周波数で共振するアンテナ素子のアンテナ部が最も内側に配置され、最も低い周波数で共振するアンテナ素子のアンテナ部が最も外側に配置されているのが好ましい。
この場合、多周波共用アンテナのさらなる小型化が可能となる。
(13)他の観点からみた本発明の実施形態に係るアンテナ装置は、前記(1)に記載の多周波共用アンテナを用いた垂直偏波用の第1多周波共用アンテナと、前記(1)に記載の多周波共用アンテナを用いた水平偏波用の第2多周波共用アンテナと、を備え、前記第1多周波共用アンテナ及び第2多周波共用アンテナは、互いに前後方向の位置をずらして配置されている。
上記アンテナ装置によれば、前記(1)の多周波共用アンテナと同様の作用効果を奏する。
(14)前記(13)のアンテナ装置は、前記第1多周波共用アンテナ及び第2多周波共用アンテナのうち、前側に配置された多周波共用アンテナにおける一部の周波数の電波、及び後側に配置された多周波共用アンテナにおける全ての周波数の電波を反射させるように形成された単一の反射板と、前記前側に配置された多周波共用アンテナにおける一部の周波数の電波を反射させるように形成された反射素子とを更に備えているのが好ましい。
この場合、反射板と反射素子により、前後方向に配置された第1及び第2多周波共用アンテナの全ての周波数の電波を反射させることができる。
(15)前記(14)の前記反射素子の偏波方向の長さは、前記前側に配置された多周波共用アンテナの最も低い周波数で共振するアンテナ素子の波長の1/2の長さよりも短く設定され、かつ当該多周波共用アンテナの最も高い周波数で共振するアンテナ素子の波長の1/2の長さよりも長く設定されているのが好ましい。
この場合、反射板と反射素子により、前後方向に配置された第1及び第2多周波共用アンテナの全ての周波数の電波を効果的に反射させることができる。
(16)前記(13)〜(15)のいずれかのアンテナ装置は、前記第1多周波共用アンテナの同軸給電線の外導体と、前記第2多周波共用アンテナの同軸給電線の外導体とを短絡している短絡導体を更に備えているのが好ましい。この場合、第1多周波共用アンテナと第2多周波共用アンテナとの間のアイソレーションを改善することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態:垂直偏波用アンテナ]
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係る多周波共用アンテナ1を示している。この多周波共用アンテナ1は、携帯電話などの移動端末との間で無線通信を行う基地局のアンテナ(送受信アンテナ)として好適に用いられる。なお、第1実施形態の多周波共用アンテナ1は、垂直偏波用であるが、水平偏波用として用いることも可能である。
多周波共用アンテナ1は、複数のアンテナ素子(放射素子)11,12,13を有するアンテナ本体10と、このアンテナ本体10の給電点15に給電する同軸給電線20と、アンテナ本体10の後側に設けられた反射板30と、アンテナ本体10の前側に設けられた一対の第1無給電素子40とを備えている。なお、本実施形態では、後述するZ軸方向のうち、正方向(図2の上側)を「前側」とし、負方向(図2の下側)を「後側」とする(後述する他の実施形態も同様)。
反射板30は、主反射板30aと、この主反射板30aの両側縁の前側において、当該主反射板30aに対して垂直に配置された一対の副反射板30bとからなる。副反射板30bは、図示しない止めネジにより主反射板30aに固定されている。
同軸給電線20は、同軸ケーブルからなり、図示しない内導体及びその外周を覆う外導体を有している。なお、同軸給電線20は、主反射板30aから給電点15に至るように配置されており、複数の周波数の信号が混在した状態で流れる。
なお、図1に示すように、本明細書では、同軸給電線20が延びる方向をZ軸方向とし、反射板30の副反射板30bに沿う方向をX軸方向とし、X軸方向及びZ軸方向の双方に直交する方向をY軸方向とする。
複数のアンテナ素子11,12,13としては、800MHz、1.5GHz、2.0GHzの3つの周波数で共振し、それらの周波数の電波を放射するため、3種類設けられている。そのうち、最も高い周波数(2.0GHz帯)に対応した第3アンテナ素子13は最も内側に配置され、最も低い周波数(800MHz帯)に対応した第1アンテナ素子11は最も外側に配置されている。したがって、1.5GHz帯の周波数に対応した第2アンテナ素子12は、第1アンテナ素子11と第3アンテナ素子13との間に配置されている。なお、アンテナ素子の数は、複数であれば特に限定されるものではない。
各アンテナ素子11,12,13は、同軸給電線20の内導体と電気的に接続されるとともに同軸給電線20の外導体と電気的に接続されていない第1アンテナ部111,121,131と、同軸給電線20の外導体と電気的に接続されるとともに同軸給電線20の内導体と電気的に接続されていない第2アンテナ部112,122,132とを有している。第1アンテナ部111,121,131と、これに対応する第2アンテナ部112,122,132とは、給電点15を挟んで互いに偏波方向に並ぶように配置され、かつ互いに対称に形成されている。ここで、本実施形態において「偏波方向」とは、各アンテナ素子11,12,13から電波を放射したときに電界が振動する方向であり(後述する他の実施形態も同様)、本実施形態ではX軸方向となる。
図3は、アンテナ本体10の正面図である。図2及び図3に示すように、アンテナ本体10を構成するアンテナ素子11,12,13は、平面状の基板10aに形成されている。各アンテナ素子11,12,13の第1アンテナ部111,121,131は、基板10aの前面(一面)10a1に形成され、第2アンテナ部112,122,132は、基板10aの後面(他面)10a2に形成されている。
基板10aの後面10a2は、同軸給電線20が接続される接続面とされている。具体的には、基板10aの後面10a2には、同軸給電線20の外導体が、突き当てられた状態で固定され、第2アンテナ部112,122,132と電気的に接続されている。また、同軸給電線20の内導体は、基板10aを厚さ方向に貫通して前面10a1において第1アンテナ部111,121,131と電気的に接続されている。
なお、第1アンテナ部111,121,131、及び第2アンテナ部112,122,132は、基板10aの前後逆に形成されたり、基板10aの前後いずれかにまとめて形成されたりしてもよい。
基板10aは、主反射板30aに取り付けられた支持部50によって、主反射板30aから所定間隔をもって支持されている。なお、図1では、基板10a及び支持部50は省略されている。
複数のアンテナ素子11,12,13のうち、最も低い周波数(800MHz帯)に対応した第1アンテナ素子11の第1アンテナ部111は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子からなる。この一対のダイポール素子111は、給電点15を含み且つ偏波方向に延びる仮想線Kを挟んで互いに線対称に形成されている。各ダイポール素子111は、偏波方向に真っ直ぐ延びる直線部111bと、直線部111bの先端から内側に直角に折り曲げられた曲げ部111aと、直線部111bの基端から当該直線部111bに対して傾斜するように折り曲げられた傾斜部(第1傾斜部)111cとからなる。
一対のダイポール素子111の各曲げ部111aは、中心線Cから偏波方向に約0.14λ800M(λ800M=800MHzの波長=355mm)離れた地点で内側に折り曲げられ、その内側に延びる長さは約0.23λ800Mに設定されている。ここで、中心線Cは、給電点15を通過するとともに偏波方向と同一面内で直交する方向に延び、各アンテナ素子11,12,13を偏波方向に二等分する線である。
傾斜部111cは、給電点15側から直線部111b側に遠ざかるに従って、第2アンテナ部112の傾斜部112c(後述)との間における偏波方向の離反距離Lが徐々に長くなるように形成されている。本実施形態における傾斜部111cは、直線部111bに対して45度傾斜するように形成されている。なお、ダイポール素子111は、全体が折り曲げ形成されているが、円弧状や楕円状に湾曲形成されていてもよい。
第1アンテナ素子11の第2アンテナ部112は、前記中心線Cを挟んで第1アンテナ部111と対称に形成されている。すなわち、第2アンテナ部112は、一対のダイポール素子からなり、各ダイポール素子112は、曲げ部112aと、直線部112bと、傾斜部(第2傾斜部)112cとからなる。これら曲げ部112a、直線部112b、及び傾斜部(第2傾斜部)112cは、第1アンテナ部111の曲げ部111a、直線部111b、及び傾斜部111cと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
複数のアンテナ素子11,12,13のうち、1.5GHz帯の周波数に対応した第2アンテナ素子12の第1アンテナ部121は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子からなる。この一対のダイポール素子121は、前記仮想線Kを挟んで互いに線対称に形成されている。各ダイポール素子121は、偏波方向に真っ直ぐ延びる直線部121bと、直線部121bの先端から内側に直角に折り曲げられた曲げ部121aとからなる。
各直線部121bの基端部は、第1アンテナ素子11の傾斜部111cの基端部に接続されている。各曲げ部121aは、前記中心線Cから偏波方向に約0.13λ1.5G(λ1.5G=1.5GHzの波長=203mm)離れた地点で内側に折り曲げられ、その内側に延びる長さは約0.12λ1.5Gに設定されている。
第2アンテナ素子12の第2アンテナ部122は、前記中心線Cを挟んで第1アンテナ部121と対称に形成されている。すなわち、第2アンテナ部122は、一対のダイポール素子からなり、各ダイポール素子122は、曲げ部122aと直線部122bとからなる。これら曲げ部122a及び直線部122bは、第1アンテナ部121の曲げ部121a及び直線部121bと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
複数のアンテナ素子11,12,13のうち、最も高い周波数(2.0GHz帯)に対応した第3アンテナ素子13の第1アンテナ部131は、ループ状に形成されたループアンテナ素子からなる。このループアンテナ素子131は、1波長ループアンテナである。つまり、第1アンテナ部131の周長(ループ1周分の長さ)は、2.0GHzの約1波長(λ2.0G=149.6mm)分の長さを有している。
図示のループアンテナ素子131は、一対の長辺131dと一対の短辺131eとにより矩形状のループとして形成されており、各長辺131dの長さは約0.39λ2.0G、各短辺131eの長さは約0.11λ2.0Gに設定されている。一対の長辺131dのうちの一方は、その長手方向中央部において給電点15を通過するように、前記中心線Cに沿って配置されている。これにより、ループアンテナ素子131は、給電点15を介して同軸給電線20の内導体と接続されている。
給電点15を通過する長辺131dの両端部は、各短辺131eよりも外側に延び、第2アンテナ素子12の第1アンテナ部121における一対の直線部121b、及び第1アンテナ素子11の第1アンテナ部111における一対の傾斜部111cにそれぞれ接続されている。つまり、給電点15を通過する長辺131dは、給電点15から第1アンテナ素子11の第1アンテナ部121及び第2アンテナ素子12の第1アンテナ部121に給電するための線路として兼用されている。
第3アンテナ素子13の第2アンテナ部132は、前記中心線Cを挟んで第1アンテナ部131と対称に形成されている。すなわち、第2アンテナ部132は、ループアンテナ素子からなり、ループアンテナ素子132は、一対の長辺132dと一対の短辺132eとからなる。一対の長辺132dのうちの一方は、その長手方向中央部において給電点15を通過するように、前記中心線Cに沿って配置されている。これにより、ループアンテナ素子132は、給電点15を介して同軸給電線20の外導体と接続されている。第1及び第2アンテナ部131,132の給電点15を通過する長辺131d,132d同士は、図3の正面視において前後方向に重なり合って配置されている。第2アンテナ部132のその他の構成は、第1アンテナ部131と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
なお、ループアンテナ素子131,132の具体的形状やその寸法は、特に限定されるものではなく、円形状又は楕円状のループなどの他の形状を採用することもできる。また、本実施形態の複数のアンテナ素子11,12,13は、ダイポール素子とループアンテナ素子により構成されているが、ダイポールアンテナ素子のみ、又はループアンテナ素子のみにより構成されていてもよい。
図3に示すように、アンテナ本体10の前側に設けられた一対の第1無給電素子40は、給電点15を挟んで偏波方向と同一面内で直交する方向に互いに対称に配置されている。各第1無給電素子40は、中心線Cを跨いで、第3アンテナ素子13の偏波方向に延びている部分である短辺131e,132eを覆うように配置されている。第1無給電素子40は、図2に示すように、基板41上に形成されている。この基板41は、アンテナ本体10が形成されている基板10aの前面10a1に取り付けられた支持部42によって、当該基板10aから所定間隔をもって支持されている。
第1無給電素子40の偏波方向の長さは、最も高い周波数で共振する第3アンテナ素子13の2.0GHzの波長(λ2.0G)の1/2(=λ2.0G/2=75mm)よりも短い長さに設定されている。本実施形態の第1無給電素子40の偏波方向の長さは、約0.33λ2.0Gに設定されている。なお、図1では、基板41及び支持部42は省略されている。なお、第1無給電素子40は、第3アンテナ素子13の短辺131e,132eを覆っているが、第1アンテナ素子11の直線部111b,112b、又は第2アンテナ素子12の直線部121b,122bを覆うものであってもよい。また、第1無給電素子40は、アンテナ本体10の前側に配置されているが、アンテナ本体10の後側に配置されていてもよい。
以上、第1実施形態の多周波共用アンテナ1によれば、複数のアンテナ素子11,12,13は、先端が曲げられた一対のダイポール素子及びループアンテナ素子からなるため、直線状のダイポール素子のみからなる場合に比べて、偏波方向の長さを可及的に短くすることができる。これにより、多周波共用アンテナ1の小型化が可能となる。
また、各アンテナ素子11,12,13を構成する第1アンテナ部111,121,131及び第2アンテナ部112,122,132は、基板10aの前面10a1及び後面10a2にそれぞれ形成されているため、基板10aの前面10a1又は後面10a2にまとめて形成される場合に比べて、各アンテナ素子11,12,13のインピーダンスの整合が容易となる。
また、同軸給電線20の外導体に接続される第2アンテナ部112,122,132を形成した基板10aの後面10a2が、同軸給電線20が接続される接続面とされているため、第1アンテナ部111,121,131及び第2アンテナ部112,122,132を、基板10aの両面に容易に形成することができる。
また、第3アンテナ素子13の偏波方向に延びている一対の短辺131e,132eを覆うように第1無給電素子40を配置しているため、第3アンテナ素子13のリターンロスを改善することができる。
また、第1及び第2アンテナ素子11,12の一対のダイポール素子は、給電点15を含み且つ偏波方向に延びる仮想線Kを挟んで互いに線対称に形成されているため、各ダイポール素子の先端からそれぞれ放射される不要な電波同士が互いに打ち消し合うことで、各ダイポール素子から不要な方向に電波が放射されるのを抑制することができる。
図4は、第1比較例に係る多周波共用アンテナ1のアンテナ本体10を示している。第1実施形態と第1比較例とが相違する点は、第1アンテナ素子11の形状である。第1比較例における第1アンテナ素子11の第1アンテナ部111及び第2アンテナ部112は、曲げ部111a,112aと直線部111b,112bとからなり、第1実施形態のように傾斜部111c,112cを有していない。
図5は、第1比較例の多周波共用アンテナ1のリターンロス特性を示している。また、図6は、第1実施形態の多周波共用アンテナ1のリターンロス特性を示している。
図5に示すように、第1比較例では、2.0GHz帯におけるリターンロスは、−6〜−2dB程度となっており、特性が悪いのが分かる。一方、図6に示すように、第1実施形態では、2.0GHz帯におけるリターンロスは、−39〜−12dB程度となっており、特性が改善しているのが分かる。
つまり、第1比較例のように、第1アンテナ素子11の第1及び第2アンテナ部111,112に傾斜部111c,112cを設けていない場合は、2.0GHz用の第3アンテナ素子13のリターン特性が劣化するのに対し、第1実施形態のように、第1アンテナ素子11の第1及び第2アンテナ部111,112に傾斜部111c,112cを設けることで、2.0GHz用の第3アンテナ素子13のリターン特性を改善することができる。
図7は、第2比較例に係るアンテナ本体10のXZ面の断面図である。また、図8は、第1実施形態のアンテナ本体10のXZ面の断面図である。第1実施形態と第2比較例とが相違する点は、第3アンテナ素子13における第1アンテナ部131の給電点15を通過する長辺131dと、第2アンテナ部132の給電点15を通過する長辺132dとの形成位置である。
図7に示すように、第2比較例における第3アンテナ素子13の第1アンテナ部131及び第2アンテナ部132は、基板10aの前面10a1に並べて配置されている。この場合、第1及び第2アンテナ部131,132は、図7の断面視において互いに平行線となる対向面131d1,132d1を有する(図中の矢印は電界方向を示している)。複数のアンテナ素子11,12,13は、給電点15から第1及び第2アンテナ部131,132を介して同位相で給電されるため、各アンテナ素子11,12,13のインピーダンスを前記平行線の特性インピーダンスと整合させる必要がある。しかし、前記対向面131d1,132d1同士の対向面積は小さいため、前記平行線の特性インピーダンスが高くなり、各アンテナ素子11,12,13のインピーダンスの整合が困難となる。
一方、図8に示すように、第1実施形態では、基板10aの前面10a1及び後面10a2に、第1アンテナ部131及び第2アンテナ部132を個別に配置し、図8の断面視において互いに平行線となる対向面131d2,132d2を有している(図中の矢印は電界方向を示している)。この対向面131d2,132d2同士の対向面積は、第2比較例の対向面積と比べて大きいため、平行線の特性インピーダンスを低くすることができる。
つまり、第2比較例のように、複数のアンテナ素子11,12,13に給電される線路として用いられる第1及び第2アンテナ部131,132の各長辺131d,132dを、基板10aの一面にまとめて配置する場合は、各アンテナ素子11,12,13のインピーダンスの整合が困難となるのに対し、第1実施形態のように、各長辺131d,132dを基板10aの両面に互いに重なり合うように配置することで、各アンテナ素子11,12,13のインピーダンスの整合が容易となる。
なお、図8では、一方の対向面131d2を他方の対向面132d2の真上に配置しているが、これらの対向面積が図7の対向面積よりも大きくなっていれば、両対向面131d2,132d2を図8の左右方向にずらして配置してもよい。
[第2実施形態:水平偏波用アンテナ]
図9及び図10は、本発明の第2実施形態に係る多周波共用アンテナ1を示している。また、図11は、そのアンテナ1のアンテナ本体10の正面図である。第1実施形態と第2実施形態とが主に相違する点は、アンテナ本体10の複数のアンテナ素子11,12,13の構成である。なお、第2実施形態の多周波共用アンテナ1は、水平偏波用であるが、垂直偏波用として用いることも可能である。
図11に示すように、複数のアンテナ素子11,12,13のうち、最も低い周波数(800MHz帯)に対応した第1アンテナ素子11の第1及び第2アンテナ部111,112は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子からなる。ダイポール素子111,112の各曲げ部111a,112aは、給電点15を通過する中心線Cから、偏波方向(本実施形態ではY軸方向)に約0.17λ800M離れた地点で内側に折り曲げられ、その内側に延びる長さは約0.04λ800Mに設定されている。
複数のアンテナ素子11,12,13のうち、1.5GHz帯の周波数に対応した第2アンテナ素子12の第1及び第2アンテナ部121,122は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子からなる。ダイポール素子121,122の各曲げ部121aは、前記中心線Cから偏波方向に約0.15λ1.5G離れた地点で内側に折り曲げられ、その内側に延びる長さは約0.10λ1.5Gに設定されている。
複数のアンテナ素子11,12,13のうち、最も高い周波数(2.0GHz帯)に対応した第3アンテナ素子13の第1アンテナ部131は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子からなる。この一対のダイポール素子131は、給電点15を含み且つ偏波方向に延びる仮想線Kを挟んで互いに線対称に形成されている。各ダイポール素子131は、偏波方向に真っ直ぐ延びる直線部131bと、直線部131bの先端から内側に直角に折り曲げられた曲げ部131aとからなる。
各曲げ部131aは、前記中心線Cから偏波方向に約0.17λ2.0G離れた地点で内側に折り曲げられ、その内側に延びる長さは約0.14λ2.0Gに設定されている。
第3アンテナ素子13の第2アンテナ部132は、前記中心線Cを挟んで第1アンテナ部131と対称に形成されている。すなわち、第2アンテナ部132は、一対のダイポール素子からなり、各ダイポール素子132は、曲げ部132aと直線部132bとからなる。これら曲げ部132a及び直線部132bは、第1アンテナ部131の曲げ部131a及び直線部131bと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の複数のアンテナ素子11,12,13は、いずれもダイポール素子により構成されているが、そのうちの一部又は全部がループ状に形成されたループアンテナ素子により構成されていてもよい。
図11に示すように、アンテナ本体10は、給電点15から各第1アンテナ部111,121,131に向けて延び、各第1アンテナ部111,121,131に接続される一対の第1の線路16と、給電点15から各第2アンテナ部112,122,132に向けて延び、各第2アンテナ部112,122,132に接続される一対の第2の線路17とを備えている。第1の線路16と第2の線路17とは、中心線Cを挟んで互いに対称に形成されている。
一対の第1の線路16は、基板10aの前面10a1において、給電点15を挟んで偏波方向と同一面内で直交する方向に互いに対称に形成され、給電点15を介して同軸給電線20の内導体と接続されている。第1の線路16は、給電点15を起点として、第3アンテナ素子13の第1アンテナ部131の直線部131b、第2アンテナ素子12の第1アンテナ部121の直線部121b、第1アンテナ素子11の第1アンテナ部111の傾斜部111cに至る。本実施形態の第1の線路16は、給電点15から遠ざかるに従って、中心線Cから離反するように、当該中心線Cに対して若干傾斜するように形成されている。
一対の第2の線路17は、基板10aの後面10a2において、給電点15を挟んで偏波方向と同一面内で直交する方向に互いに対称に形成され、給電点15を介して同軸給電線20の外導体と接続されている。第2の線路17は、給電点15を起点として、第3アンテナ素子13の第2アンテナ部132の直線部132b、第2アンテナ素子12の第2アンテナ部122の直線部122b、第1アンテナ素子11の第2アンテナ部112の傾斜部112cに至る。本実施形態の第2の線路17は、第1の線路16と同様に、中心線Cに対して若干傾斜するように形成されており、給電点15付近において第1の線路16と前後方向に互いに重なり合って配置されている。
図11に示すように、アンテナ本体10の前側に設けられた一対の第1無給電素子40は、中心線Cを跨いで、第3アンテナ素子13の第1及び第2アンテナ部131,132の各直線部131b,132bを覆うように配置されている。第1無給電素子40の偏波方向の長さは、約0.30λ2.0Gに設定されている。
なお、第2実施形態において説明を省略した点は、第1実施形態と同様である。
[第3実施形態:水平・垂直偏波用アンテナ]
図12及び図13は、水平偏波及び垂直偏波に対応したアンテナ装置100を示している。アンテナ装置100は、機能的には、第1実施形態の多周波共用アンテナ1と第2実施形態の多周波共用アンテナ1とを二つ組み合わせたものに相当する。つまり、アンテナ装置100は、垂直偏波用の第1多周波共用アンテナ1−1と、水平偏波用の第2多周波共用アンテナ1−2とを、前後方向の位置をずらして組み合わせたものである。
垂直偏波用のアンテナ本体10と水平偏波用のアンテナ本体10とを前後方向にずらした場合において、単一の反射板30しか設けない場合、2つのアンテナ本体10,10のうちの一方が、反射板30との間の間隔が不適切になる。そこで、本実施形態のアンテナ装置100は、反射板30とは別に、反射板として機能する反射素子31を備えている。
反射板30は、垂直偏波用のアンテナ本体10の全てのアンテナ素子11,12,13、及び水平偏波用のアンテナ本体10の第1アンテナ素子11の反射板として機能している。
図14は、反射素子31の正面図である。図13及び図14に示すように、反射素子31は、基板33上に所定間隔をもって一対形成されている。各反射素子31は、水平偏波用の第2アンテナ素子12の直線部121b,122b、及び第3アンテナ素子13の直線部131b,132bの後側に配置されるように、偏波方向に延びて形成されている。これにより、一対の反射素子31は、水平偏波用の第2及び第3アンテナ素子12,13の反射板として機能している。
反射素子31の偏波方向の長さは、水平偏波用の第1アンテナ素子11の800MHzの波長(λ800M)の1/2(=λ800M/2=177.5mm)の長さよりも短く設定され、かつ水平偏波用の第3アンテナ素子13の波長(λ2.0G)の1/2(=λ2.0G/2=75mm)の長さよりも長く設定されている。本実施形態の反射素子31の偏波方向の長さは、約0.67λ2.0Gに設定されている。
なお、基板33の一対の反射素子31の間には、後述する第1及び第2同軸給電線21,22を貫通して配置するための貫通孔33aが形成されている。
図13に示すように、アンテナ装置100は、反射板30の前側に、反射素子31、垂直偏波用のアンテナ本体10、及び水平偏波用のアンテナ本体10がこの順に配置されて構成されている。なお、垂直偏波用のアンテナ本体10及び水平偏波用のアンテナ本体10は、前後逆に配置されていてもよい。この場合、反射素子31は、その長手方向の向きを90度変えて、前側に配置された垂直偏波用のアンテナ本体10の偏波方向に沿うように配置することで、当該アンテナ本体10の第1アンテナ素子11の反射板として機能する。
反射素子31が形成されている基板33は、第1支持部51によって反射板30から所定間隔をもって支持されている。また、垂直偏波用のアンテナ本体10の基板10aは、第2支持部52によって前記基板33から所定間隔をもって支持されている。さらに、水平偏波用のアンテナ本体10の基板10aは、第3支持部53によって垂直偏波用の基板10aから所定間隔をもって支持されている。なお、図12では、基板10a,33、第1〜第3支持部51〜53は省略されている。
図13に示すように、アンテナ装置100は、垂直偏波用のアンテナ本体10の給電点15に給電する第1同軸給電線21と、水平偏波用のアンテナ本体10の給電点15に給電する第2同軸給電線22とを備えている。第1及び第2同軸給電線21,22は、いずれも同軸ケーブルからなり、図示しない内導体及びその外周を覆う外導体を有している。第1同軸給電線21は、反射板30から基板33を貫通して、垂直偏波用のアンテナ本体10の給電点15に至るように配置されている。第2同軸給電線22は、反射板30の第1同軸給電線21に隣接する位置から、基板33及び垂直偏波用の基板10aを貫通して、水平偏波用のアンテナ本体10の給電点15に至るように配置されている。
アンテナ装置100は、第1多周波共用アンテナ1−1と第2多周波共用アンテナ1−2との間のアイソレーションを改善するために、第1同軸給電線21の外導体と第2同軸給電線22の外導体とを短絡させる短絡導体23を備えている。短絡導体23は、垂直偏波用の基板10aの後側において、第1同軸給電線21の外導体と第2同軸給電線22の外導体とを連結するように配置されている。
なお、第3実施形態において、説明を省略した点については、第1及び第2実施形態と同様である。
[第4実施形態:水平偏波用アンテナ]
図15は、本発明の第4実施形態に係る多周波共用アンテナ1のアンテナ本体10を示している。この多周波共用アンテナ1は、第2実施形態の多周波共用アンテナ1の変形例であり、アンテナ素子を2個にした点で、第2実施形態の多周波共用アンテナ1と相違する。具体的には、第4実施形態における多周波共用アンテナ1は、2つのアンテナ素子11,12を備え、第2実施形態におけるアンテナ素子13(図11参照)を備えていない。なお、第4実施形態の多周波共用アンテナ1は、水平偏波用であるが、垂直偏波用として用いることも可能である。
2つのアンテナ素子11,12のうち、高い周波数(1.5GHz帯)に対応した第2アンテナ素子12は、低い周波数(800MHz帯)に対応した第1アンテナ素子11よりも内側に配置されている。具体的には、第2アンテナ素子12のアンテナ部121は、第1アンテナ素子11のアンテナ部111よりも内側に配置され、第2アンテナ素子12のアンテナ部122は、第1アンテナ素子11のアンテナ部112よりも内側に配置されている。また、アンテナ本体10の前側に設けられた一対の無給電素子40は、中心線Cを跨いで、第2アンテナ素子12の第1及び第2アンテナ部121,122の各直線部121b,122bを覆うように配置されている。
なお、第4実施形態において説明を省略した点については、第2実施形態と同様である。
[第5実施形態:水平偏波用アンテナ]
図16及び図17は、本発明の第5実施形態に係る多周波共用アンテナ1を示している。この多周波共用アンテナ1は、第4実施形態の多周波共用アンテナ1の変形例であり、1つのアンテナ素子が2つの周波数で共振するようになっている点で、第4実施形態の多周波共用アンテナ1と相違する。なお、第5実施形態の多周波共用アンテナ1は、水平偏波用であるが、垂直偏波用として用いることも可能である。
2つのアンテナ素子11,12としては、700MHz、800MHz、1.5GHz及び2.0GHzの4つの周波数で共振し、それらの周波数の電波を放射するため、2種類設けられている。そのうち、第2アンテナ素子12は、第1アンテナ素子11よりも内側に配置されており、2つの高い周波数(1.5GHz帯及び2.0GHz帯)で共振するようになっている。また、第1アンテナ素子11は、他の2つの低い周波数(700MHz帯及び800MHz帯)で共振するようになっている。
各アンテナ素子11,12は、同軸給電線20の内導体と電気的に接続されるとともに同軸給電線20の外導体と電気的に接続されていない第1アンテナ部111,121と、同軸給電線20の外導体と電気的に接続されるとともに同軸給電線20の内導体と電気的に接続されていない第2アンテナ部112,122とを有している。第1アンテナ部111,121と、これに対応する第2アンテナ部112,122とは、給電点15を挟んで互いに偏波方向(本実施形態ではY軸方向)に並ぶように配置され、かつ互いに対称に形成されている。
図18は、アンテナ素子11,12により構成されるアンテナ本体10の正面図である。図18に示すように、2つのアンテナ素子11,12のうち、低い周波数(700MHz帯及び800MHz帯)に対応した第1アンテナ素子11の第1アンテナ部111は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子からなる。この一対のダイポール素子111は、給電点15を含み且つ偏波方向に延びる仮想線Kを挟んで互いに線対称に形成されている。各ダイポール素子111は、偏波方向に真っ直ぐ延びる直線部111bと、直線部131bの先端から内側に直角に折り曲げられた曲げ部111aと、直線部111bの基端から当該直線部111bに対して傾斜するように折り曲げられた傾斜部(第1傾斜部)111cとからなる。傾斜部111cは、給電点15側から直線部111b側に遠ざかるに従って、第2アンテナ部112の傾斜部112c(後述)との間における偏波方向の離反距離Lが徐々に長くなるように形成されている。
第1アンテナ素子11の第2アンテナ部112は、前記中心線Cを挟んで第1アンテナ部111と対称に形成されている。すなわち、第2アンテナ部112は、一対のダイポール素子からなり、各ダイポール素子112は、曲げ部112aと、直線部112bと、傾斜部(第2傾斜部)112cとからなる。これら曲げ部112a、直線部112b、及び傾斜部(第2傾斜部)112cは、第1アンテナ部111の曲げ部111a、直線部111b、及び傾斜部111cと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態のアンテナ素子11,12は、いずれもダイポール素子により構成されているが、そのうちの一部又は全部がループ状に形成されたループアンテナ素子により構成されていてもよい。
アンテナ本体10は、給電点15から各第1アンテナ部111,121に向けて延び、各第1アンテナ部111,121に接続される一対の第1の線路16と、給電点15から各第2アンテナ部112,122に向けて延び、各第2アンテナ部112,122に接続される一対の第2の線路17とを備えている。第1の線路16と第2の線路17とは、中心線Cを挟んで互いに対称に形成されている。
図19は、第1及び第2の線路16,17と第1アンテナ素子11との各接続部分を示す図18の要部拡大図である。図19に示すように、第1の線路16の線路幅D1は、インピーダンスを高くするために、第1アンテナ素子11の第1アンテナ部111における直線部111bの素子幅Wb1よりも細く形成されている。同様に、第2の線路17の線路幅D2は、インピーダンスを高くするために、第1アンテナ素子11の第2アンテナ部112における直線部112bの素子幅Wb2よりも細く形成されている。
第1アンテナ素子11の第1アンテナ部111における傾斜部111cは、その給電点15側である第1の線路16との接続端部111c1から、偏波方向に沿った部分である直線部111bへ向かうに従って、素子幅Wc1が徐々に太くなるように形成されている。これにより、第1アンテナ素子11の第1アンテナ部111の偏波方向に沿った部分(直線部111b)の素子幅Wb1は、第1アンテナ部111の給電点15側(接続端部111c1)の素子幅Wc1よりも太くなっている。
第1アンテナ素子11の第2アンテナ部112における傾斜部112cは、傾斜部111cと同様に、その給電点15側である第2の線路17との接続端部112c1から、偏波方向に沿った部分である直線部112bへ向かうに従って、素子幅Wc2が徐々に太くなるように形成されている。これにより、第1アンテナ素子11の第2アンテナ部112の偏波方向に沿った部分(直線部112b)の素子幅Wb2は第2アンテナ部112の給電点15側(接続端部112c1)の素子幅Wc1よりも太くなっている。
また、第1アンテナ素子11の第1アンテナ部111における曲げ部111aの素子幅Wa1は、給電点15側の素子幅Wc1よりも太く形成されている。同様に、第1アンテナ素子11の第2アンテナ部112における曲げ部112aの素子幅Wa2は、給電点15側の素子幅Wc2よりも太く形成されている。
以上のように、第1アンテナ素子11の各アンテナ部111,112の偏波方向に沿った部分の素子幅Wb1,Wb2は、給電点15側の素子幅Wc1,Wc2よりも太いため、第1アンテナ素子11が2つの周波数(700MHz帯及び800MHz帯)で共振するための帯域幅を広くすることができる。
また、第1アンテナ素子11の各アンテナ部111,112における曲げ部111a,112aの素子幅Wa1,Wa2は、給電点15側の素子幅Wc1,Wc2よりも太いため、第1アンテナ素子11が2つの周波数(700MHz帯及び800MHz帯)で共振するための帯域幅をさらに広くすることができる。
また、第1アンテナ素子11の第1アンテナ素子11の各アンテナ部111,112は、その給電点側から偏波方向に沿った部分へ向かうに従って素子幅が徐々に太くなるように形成されているため、各アンテナ部111,112における給電点15側から偏波方向に沿った部分へ向かうに従って、不平衡モードから平衡モードへと伝搬モードを徐々に変換することができる。
2つのアンテナ素子11,12のうち、高い周波数(1.5GHz帯及び2.0GHz帯)に対応した第2アンテナ素子12の第1アンテナ部121は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子からなる。この一対のダイポール素子121は、前記仮想線Kを挟んで互いに線対称に形成されている。各ダイポール素子121は、偏波方向に真っ直ぐ延びる直線部121bと、直線部121bの先端から内側に直角に折り曲げられた曲げ部121aとからなる。
第2アンテナ素子12の第2アンテナ部122は、前記中心線Cを挟んで第1アンテナ部121と対称に形成されている。すなわち、第2アンテナ部122は、一対のダイポール素子からなり、各ダイポール素子122は、曲げ部122aと直線部122bとからなる。これら曲げ部122a及び直線部122bは、第1アンテナ部121の曲げ部121a及び直線部121bと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
図16及び図18に示すように、アンテナ本体10の前側に設けられた一対の第1無給電素子40は、中心線Cを跨いで、第1アンテナ素子11の第1及び第2アンテナ部111,112の各直線部111b,112bと、第2アンテナ素子12の第1及び第2アンテナ部121,122の各直線部121b,122bとの間において、偏波方向に延びて配置されている。
なお、第5実施形態において説明を省略した点については、第2実施形態と同様である。
[第6実施形態:垂直偏波用アンテナ]
図20及び図21は、本発明の第6実施形態に係る多周波共用アンテナ1を示している。この多周波共用アンテナ1は、第1実施形態の多周波共用アンテナ1の変形例であり、アンテナ本体10の複数のアンテナ素子11,12,13の構成が異なる点で、第1実施形態の多周波共用アンテナ1と相違する。なお、第6実施形態の多周波共用アンテナ1は、垂直偏波用であるが、水平偏波用として用いることも可能である。
複数のアンテナ素子11,12,13としては、700MHz、800MHz、1.5GHz及び2.0GHzの4つの周波数で共振し、それらの周波数の電波を放射するため、3種類設けられている。そのうち、第2及び第3アンテナ素子12,13は、第1アンテナ素子11よりも内側に配置されており、それぞれ高い周波数である1.5GHz帯及び2.0GHz帯で共振するようになっている。また、第1アンテナ素子11は、単体で他の2つの低い周波数(700MHz帯及び800MHz帯)で共振するようになっている。
各アンテナ素子11,12,13は、同軸給電線20の内導体と電気的に接続されるとともに同軸給電線20の外導体と電気的に接続されていない第1アンテナ部111,121,131と、同軸給電線20の外導体と電気的に接続されるとともに同軸給電線20の内導体と電気的に接続されていない第2アンテナ部112,122,132とを有している。第1アンテナ部111,121,131と、これに対応する第2アンテナ部112,122,132とは、給電点15を挟んで互いに偏波方向(本実施形態ではX軸方向)に並ぶように配置され、かつ互いに対称に形成されている。
図22は、アンテナ素子11,12,13により構成されるアンテナ本体10の正面図である。図22に示すように、複数のアンテナ素子11,12,13のうち、低い周波数(700MHz帯及び800MHz帯)に対応した第1アンテナ素子11の第1アンテナ部111は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子からなる。この一対のダイポール素子111は、給電点15を含み且つ偏波方向に延びる仮想線Kを挟んで互いに線対称に形成されている。各ダイポール素子111は、偏波方向に真っ直ぐ延びる直線部111bと、直線部131bの先端から内側に直角に折り曲げられた曲げ部111aと、直線部111bの基端から当該直線部111bに対して傾斜するように折り曲げられた傾斜部(第1傾斜部)111cとからなる。傾斜部111cは、給電点15側から直線部111b側に遠ざかるに従って、第2アンテナ部112の傾斜部112c(後述)との間における偏波方向の離反距離Lが徐々に長くなるように形成されている。
第1アンテナ素子11の第2アンテナ部112は、前記中心線Cを挟んで第1アンテナ部111と対称に形成されている。すなわち、第2アンテナ部112は、一対のダイポール素子からなり、各ダイポール素子112は、曲げ部112aと、直線部112bと、傾斜部(第2傾斜部)112cとからなる。これら曲げ部112a、直線部112b、及び傾斜部(第2傾斜部)112cは、第1アンテナ部111の曲げ部111a、直線部111b、及び傾斜部111cと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
アンテナ本体10は、給電点15から各第1アンテナ部111,121,131に向けて延び、各第1アンテナ部111,121,131に接続される一対の第1の線路16と、給電点15から各第2アンテナ部112,122,132に向けて延び、各第2アンテナ部112,122,132に接続される一対の第2の線路17とを備えている。第1の線路16と第2の線路17とは、図22の正面視において前後方向に重なり合って配置されている。
複数のアンテナ素子11,12,13のうち、1.5GHz帯の周波数に対応した第2アンテナ素子12の第1及び第2アンテナ部121,122は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子からなる。これら一対のダイポール素子121,122は、前記仮想線Kを挟んで互いに線対称に形成されている。各ダイポール素子121,122は、偏波方向に真っ直ぐ延びる直線部121b,122bと、直線部121bの先端から内側に直角に折り曲げられた曲げ部121a,122aとからなる。
複数のアンテナ素子11,12,13のうち、最も高い周波数(2.0GHz帯)に対応した第3アンテナ素子13の第1アンテナ部131は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子からなる。この一対のダイポール素子131は、前記仮想線Kを挟んで互いに線対称に形成されている。各ダイポール素子131は、偏波方向に真っ直ぐ延びる直線部131bと、直線部131bの先端から内側に直角に折り曲げられた曲げ部131aとからなる。各直線部131bは、その中間部131b1において第2アンテナ素子12のアンテナ部121の曲げ部121aと交差するように配置されている。これにより、各直線部131bの中間部131b1よりも基端部側は、第2アンテナ素子12のアンテナ部121よりも内側に配置され、当該アンテナ部121の直線部121bと互いに密着して配置されている。また、各直線部131bの中間部131b1よりも先端部側は、第2アンテナ素子12のアンテナ部121よりも外側に配置されている。
第3アンテナ素子13の第2アンテナ部132は、前記中心線Cを挟んで第1アンテナ部131と対称に形成されている。すなわち、第2アンテナ部132は、一対のダイポール素子からなり、各ダイポール素子132は、曲げ部132aと直線部132bとからなる。各直線部132bは、その中間部132b1において第2アンテナ素子12のアンテナ部122の曲げ部122aと交差するように配置されている。これら曲げ部132a及び直線部132bは、第1アンテナ部131の曲げ部131a及び直線部131bと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
以上のように、第3アンテナ素子13のアンテナ部131,132の一部を、第2アンテナ素子12のアンテナ部121,122よりも内側に配置し、第3アンテナ素子13のアンテナ部131,132の他の一部を、第2アンテナ素子12のアンテナ部121,122よりも外側に配置しているため、第3アンテナ素子13のアンテナ部131,132の全部を第2アンテナ素子12のアンテナ部121,122よりも内側に配置する場合に比べて、第2アンテナ素子12及び第3アンテナ素子13の形状や配置の自由度を高めることができる。
なお、本実施形態の複数のアンテナ素子11,12,13は、いずれもダイポール素子により構成されているが、そのうちの一部又は全部がループ状に形成されたループアンテナ素子により構成されていてもよい。
また、本実施形態のアンテナ素子11は、2つの周波数に対応しているが、これらの各周波数にそれぞれ対応した2個のアンテナ素子を設けるようにしてもよい。この場合、前記2個のアンテナ素子は、本実施形態の第2アンテナ素子12及び第3アンテナ素子13のように、互いにアンテナ素子の一部を交差するように配置してもよい。
図21及び図22に示すように、アンテナ本体10の前側に設けられた一対の第1無給電素子40は、中心線Cを跨いで、第2アンテナ素子12の第1及び第2アンテナ部121,122の各直線部121b,122bを覆うように配置されている。また、基板10aの前面10a1上には、第1アンテナ素子11のアンテナ部111,112よりも外側に、一対の第2無給電素子45がそれぞれ配置されている。一対の第2無給電素子45は、給電点15を挟んで偏波方向と同一面内で直交する方向に互いに対称に配置されている。各第2無給電素子45は、アンテナ部111,112の直線部111b,112bの外側に所定間隔をおいて配置され、中心線Cを跨いで偏波方向に延びている。第2無給電素子45の偏波方向の長さは、第1アンテナ素子11の周波数の波長に対して0.3波長の長さに設定されている。
なお、第6実施形態において説明を省略した点については、第2実施形態と同様である。
図23は、従来の第2無給電素子45を備えていない多周波共用アンテナのリターンロス特性を示している。また、図24は、第6実施形態の多周波共用アンテナ1のリターンロス特性を示している。
図23に示すように、従来の多周波共用アンテナでは、800MHz帯におけるリターンロスは、−22〜−10dB程度となっており、良好な特性を示しているが、700MHz帯におけるリターンロスは、−4〜−1dB程度となっており、特性が悪いのが分かる。一方、図24に示すように、第6実施形態の多周波共用アンテナ1では、800MHz帯におけるリターンロスは、従来とほぼ変わらずに良好な特性を示しており、且つ700MHz帯におけるリターンロスは、−36〜−10dB程度となっており、従来よりも特性が改善しているのが分かる。
すなわち、従来のように、第2無給電素子45を備えていない場合は、700MHz帯及び800MHz帯の2つの周波数で共振する第1アンテナ素子11の700MHz帯のリターンロス特性が劣化しているのに対し、第6実施形態のように、第2無給電素子45を備えることで、第1アンテナ素子11において、800MHz帯のリターンロス特性を維持しつつ、700MHz帯のリターンロス特性を改善することができる。
[第7実施形態:水平・垂直偏波用アンテナ]
図25及び図26は、水平偏波及び垂直偏波に対応したアンテナ装置100を示している。このアンテナ装置100は、第3実施形態のアンテナ装置100の変形例であり、機能的には、第6実施形態の多周波共用アンテナ1と第5実施形態の多周波共用アンテナ1とを二つ組み合わせたものに相当する。つまり、アンテナ装置100は、垂直偏波用の第1多周波共用アンテナ1−1と、水平偏波用の第2多周波共用アンテナ1−2とを、前後方向の位置をずらして組み合わせたものである。
図26に示すように、アンテナ装置100は、反射板30の前側に、反射素子31、垂直偏波用のアンテナ本体10、及び水平偏波用のアンテナ本体10がこの順に配置されて構成されている。なお、垂直偏波用のアンテナ本体10及び水平偏波用のアンテナ本体10は、前後逆に配置されていてもよい。この場合、反射素子31は、その長手方向の向きを90度変えて、前側に配置された垂直偏波用のアンテナ本体10の偏波方向に沿うように配置することで、当該アンテナ本体10の第1アンテナ素子11の反射板として機能する。
なお、第7実施形態において説明を省略した点については、第3実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 多周波共用アンテナ
10 アンテナ本体
10a 基板
10a1 前面(一面)
10a2 後面(他面)
11 第1アンテナ素子
12 第2アンテナ素子
13 第3アンテナ素子
15 給電点
16 第1の線路
17 第2の線路
20 同軸給電線
21 第1同軸給電線
22 第2同軸給電線
23 短絡導体
30 反射板
30a 主反射板
30b 副反射板
31 反射素子
33 基板
33a 貫通孔
40 第1無給電素子
41 基板
42 支持部
45 第2無給電素子
50 支持部
51 第1支持部
52 第2支持部
53 第3支持部
100 アンテナ装置
111 第1アンテナ部
111a 曲げ部
111b 直線部
111c 傾斜部(第1傾斜部)
111c1 接続端部
112 第2アンテナ部
112a 曲げ部
112b 直線部
112c 傾斜部(第2傾斜部)
112c1 接続端部
121 第1アンテナ部
121a 曲げ部
121b 直線部
122 第2アンテナ部
122a 曲げ部
122b 直線部
131 第1アンテナ部
131a 曲げ部
131b 直線部
131b1 中間部
131d 長辺
131d1 対向面
131d2 対向面
131e 短辺
132 第2アンテナ部
132a 曲げ部
132b 直線部
132b1 中間部
132d 長辺
132d1 対向面
132d2 対向面
132e 短辺
1−1 第1多周波共用アンテナ
1−2 第2多周波共用アンテナ
C 中心線
D1 線路幅
D2 線路幅
K 仮想線
L 離反距離
Wa1 素子幅
Wa2 素子幅
Wb1 素子幅
Wb2 素子幅
Wc1 素子幅
Wc2 素子幅

Claims (14)

  1. 少なくとも2個のアンテナ素子と、
    内導体及びその外周を覆う外導体を有し、前記各アンテナ素子に給電する同軸給電線と、を備え、
    前記各アンテナ素子は、一方が前記同軸給電線の内導体と電気的に接続され、他方が前記同軸給電線の外導体と電気的に接続された一対のアンテナ部を有し、これら両アンテナ部が給電点を挟んで互いに偏波方向に並ぶように配置されている多周波共用アンテナであって、
    前記各アンテナ部は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子、又はループ状に形成されたループアンテナ素子からなり、
    前記2個のアンテナ素子のうち、一方のアンテナ素子のアンテナ部が、他方のアンテナ素子のアンテナ部よりも内側に配置され、
    前記一方のアンテナ素子は、前記他方のアンテナ素子よりも高い周波数で共振するように構成されており、
    前記他方のアンテナ素子が、2つの周波数で共振するものであり、
    前記他方のアンテナ素子のアンテナ部よりも外側に配置された第2無給電素子を更に備えている多周波共用アンテナ。
  2. 少なくとも2個のアンテナ素子と、
    内導体及びその外周を覆う外導体を有し、前記各アンテナ素子に給電する同軸給電線と、を備え、
    前記各アンテナ素子は、一方が前記同軸給電線の内導体と電気的に接続され、他方が前記同軸給電線の外導体と電気的に接続された一対のアンテナ部を有し、これら両アンテナ部が給電点を挟んで互いに偏波方向に並ぶように配置されている多周波共用アンテナであって、
    前記各アンテナ部は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子、又はループ状に形成されたループアンテナ素子からなり、
    前記2個のアンテナ素子のうち、一方のアンテナ素子のアンテナ部が、他方のアンテナ素子のアンテナ部よりも内側に配置され、
    前記一方のアンテナ素子は、前記他方のアンテナ素子よりも高い周波数で共振するように構成されており、
    前記他方のアンテナ素子が、2つの周波数で共振するものであり、
    前記他方のアンテナ素子のアンテナ部の偏波方向に沿った部分の素子幅が、当該アンテナ部の給電点側の素子幅よりも太い多周波共用アンテナ。
  3. 前記2個のアンテナ素子のアンテナ部のうち、少なくとも1つのアンテナ部は、前記一対のダイポール素子からなる請求項1又は2に記載の多周波共用アンテナ。
  4. 前記内導体と電気的に接続されているアンテナ部は、基板の一面に形成され、
    前記外導体と電気的に接続されているアンテナ部は、前記基板の一面と反対側の他面に形成され、
    前記一対のアンテナ部は、前記基板を挟んで互いに一部重なり合って配置されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の多周波共用アンテナ。
  5. 前記基板の前記他面は、前記同軸給電線が接続される接続面とされている請求項に記載の多周波共用アンテナ。
  6. 前記2個のアンテナ素子のうち、少なくとも1つのアンテナ素子のアンテナ部の偏波方向に延びている部分を覆うように配置された第1無給電素子を更に備え、
    前記第1無給電素子の偏波方向の長さは、前記少なくとも2個のアンテナ素子のうち最も高い周波数で共振するアンテナ素子の波長の1/2よりも短い長さに設定されている請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の多周波共用アンテナ。
  7. 前記少なくとも2個のアンテナ素子のうち最も低い周波数で共振するアンテナ素子の一対のアンテナ部は、給電点を挟んで互いに偏波方向に隣接して配置されており、
    前記一対のアンテナ部のうち前記内導体と電気的に接続されているアンテナ部は、前記給電点側から偏波方向に対して傾斜する方向に延びる第1傾斜部を有し、
    前記一対のアンテナ部のうち前記外導体と電気的に接続されているアンテナ部は、前記給電点側から偏波方向に対して傾斜する方向に延びる第2傾斜部を有し、
    前記第1傾斜部及び第2傾斜部は、前記給電点から遠ざかるに従って、これら両傾斜部間の偏波方向の離反距離が徐々に長くなるように形成されている請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の多周波共用アンテナ。
  8. 前記一対のダイポール素子は、給電点を含み且つ偏波方向に延びる仮想線を挟んで互いに線対称に形成されている請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の多周波共用アンテナ。
  9. 前記他方のアンテナ素子のアンテナ部は、その給電点側から偏波方向に沿った部分へ向かうに従って素子幅が徐々に太くなるように形成されている請求項に記載の多周波共用アンテナ。
  10. 前記少なくとも2個のアンテナ素子のうち、一のアンテナ素子のアンテナ部の一部が、他の一のアンテナ素子のアンテナ部よりも内側に配置され、かつ前記一のアンテナ素子のアンテナ部の他の一部が、前記他の一のアンテナ素子のアンテナ部よりも外側に配置されている請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の多周波共用アンテナ。
  11. 前記少なくとも2個のアンテナ素子のうち、最も高い周波数で共振するアンテナ素子のアンテナ部が最も内側に配置され、最も低い周波数で共振するアンテナ素子のアンテナ部が最も外側に配置されている請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の多周波共用アンテナ。
  12. 少なくとも2個の垂直偏波用のアンテナ素子と、内導体及びその外周を覆う外導体を有しており前記垂直偏波用の各アンテナ素子に給電する垂直偏波用の同軸給電線と、を備え、前記垂直偏波用の各アンテナ素子は、一方が前記垂直偏波用の同軸給電線の内導体と電気的に接続され、他方が前記垂直偏波用の同軸給電線の外導体と電気的に接続された一対の垂直偏波用のアンテナ部を有し、これら垂直偏波用の両アンテナ部が給電点を挟んで互いに偏波方向に並ぶように配置されている垂直偏波用の第1多周波共用アンテナと、
    少なくとも2個の水平偏波用のアンテナ素子と、内導体及びその外周を覆う外導体を有しており前記水平偏波用の各アンテナ素子に給電する水平偏波用の同軸給電線と、を備え、前記水平偏波用の各アンテナ素子は、一方が前記水平偏波用の同軸給電線の内導体と電気的に接続され、他方が前記水平偏波用の同軸給電線の外導体と電気的に接続された一対の水平偏波用のアンテナ部を有し、これら水平偏波用の両アンテナ部が給電点を挟んで互いに偏波方向に並ぶように配置されている水平偏波用の第2多周波共用アンテナと、を備え、
    前記第1多周波共用アンテナ及び第2多周波共用アンテナは、互いに前後方向の位置をずらして配置されているアンテナ装置であって、
    前記垂直偏波用の各アンテナ部は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子、又はループ状に形成されたループアンテナ素子からなり、
    前記2個の垂直偏波用のアンテナ素子のうち、一方の垂直偏波用のアンテナ素子のアンテナ部が、他方の垂直偏波用のアンテナ素子のアンテナ部よりも内側に配置され、
    前記一方の垂直偏波用のアンテナ素子は、前記他方の垂直偏波用のアンテナ素子よりも高い周波数で共振するように構成されており、
    前記水平偏波用の各アンテナ部は、先端同士が互いに近づくように曲げられた一対のダイポール素子、又はループ状に形成されたループアンテナ素子からなり、
    前記2個の水平偏波用のアンテナ素子のうち、一方の水平偏波用のアンテナ素子のアンテナ部が、他方の水平偏波用のアンテナ素子のアンテナ部よりも内側に配置され、
    前記一方の水平偏波用のアンテナ素子は、前記他方の水平偏波用のアンテナ素子よりも高い周波数で共振するように構成されており、
    前記第1多周波共用アンテナの同軸給電線の外導体と、前記第2多周波共用アンテナの同軸給電線の外導体とを短絡している短絡導体を更に備えているアンテナ装置
  13. 前記第1多周波共用アンテナ及び第2多周波共用アンテナのうち、前側に配置された多周波共用アンテナにおける一部の周波数の電波、及び後側に配置された多周波共用アンテナにおける全ての周波数の電波を反射させるように形成された単一の反射板と、
    前記前側に配置された多周波共用アンテナにおける他の周波数の電波を反射させるように形成された反射素子とを更に備えている請求項12に記載のアンテナ装置。
  14. 前記反射素子の偏波方向の長さは、前記前側に配置された多周波共用アンテナの最も低い周波数で共振するアンテナ素子の波長の1/2の長さよりも短く設定され、かつ当該多周波共用アンテナの最も高い周波数で共振するアンテナ素子の波長の1/2の長さよりも長く設定されている請求項13に記載のアンテナ装置
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