JP6189125B2 - 高光沢加飾シートの製造方法 - Google Patents
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(A)フィルム(1)と、表層側から順にフッ化ビニリデン系樹脂層と熱可塑性樹脂層とを有する積層体(2)のフッ化ビニリデン系樹脂層側とを、下記工程(E)において互いに剥離可能であるように貼り合わせて貼合フィルム(3)を得る工程;
ここでフィルム(1)は、少なくとも積層体(2)との貼合面は、平滑なフィルムであり;
(B)上記貼合フィルム(3)を、上記フッ化ビニリデン系樹脂の融点(Tm)以上、(Tm+80)℃以下の予熱温度(Tp)に予熱する工程;
(C)鏡面ロールを(Tm−100)℃以上、Tm未満の予熱温度(Te)に予熱する工程;
(D)上記工程(B)で予熱された貼合フィルム(3)のフィルム(1)側を、上記工程(C)で予熱された鏡面ロールにより押圧する工程;
(E)上記フィルム(1)と上記積層体(2)とを剥離する工程;
を含む方法である。
ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体などの(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体;エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体などの(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体;などのアクリル系樹脂(A1−1)の1種又は2種以上の混合物と、
メタクリル酸エステル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/エチレン・プロピレンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/アクリル酸エステルグラフト共重合体、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル・アクリロニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体などのコアシェルゴム(A1−2)の1種又は2種以上の混合物とを含む樹脂組成物をあげることができる。
下記工程(E)において、フィルム(1)8とフッ化ビニリデン系樹脂フィルム9との界面で互いに剥離可能であるように貼り合わせられて、貼合フィルム(3)11が形成される。
(イ)加工性
加工時のフィルム(1)、フッ化ビニリデン系樹脂フィルム、熱可塑性樹脂フィルム、及び高光沢加飾シートの状態を目視で観察し、以下の基準に従い評価した。
○:顕著な弛み、シワ、折れ、穴あき、変色、ガイドロールの汚染、ガイドロールへの付着、及びフィルム(1)の剥離などの発生はなく、問題なく長期連続生産できた。
△:時々顕著な弛み、シワ、折れ、穴あき、変色、ガイドロールの汚染、ガイドロールへの付着、及びフィルム(1)の剥離などの発生することがあった。
×:しばしば顕著な弛み、シワ、折れ、穴あき、変色、ガイドロールの汚染、ガイドロールへの付着、及びフィルム(1)の剥離などの発生することがあった。
JIS K 7105 −1981に従い、高光沢加飾シートのフッ化ビニリデン系樹脂層側の表面を測定した。
JIS K 5600−5−4に従い、750g荷重の条件で、三菱鉛筆株式会社の鉛筆「ユニ」(商品名)を用いて、高光沢加飾シートのフッ化ビニリデン系樹脂層側を評価した。
高光沢加飾シートを100mm×50mmの大きさに裁断し、日東電工株式会社の両面テープ「No.500A(商品名)」を用い、フッ化ビニリデン系樹脂層が表面側となるように、150mm×75mm×1mmの大きさのアルミ板の略中央に貼り付けて試験片とした。上記で得た試験片の略中央に、エタノール2mlを滴下し、室温で24時間放置した後、十分に水洗した。更に室温で1時間以上放置した後、試験片の外観を、以下の基準に従って目視及び光学顕微鏡で評価した。
○:変化が見られなかった。
△:肉眼では僅かな光沢低下や染みが確認される。また肉眼では確認出来ないが、光学顕微鏡を使用すると確認出来る程度の非常に小さい膨れ、剥れ、割れがある。
×:肉眼で膨れ、剥れ、割れが確認される。
上記(ニ)と同じ試験片を用い、これをサンシャインウェザオメーターで2000時間暴露した後、十分に水洗した。この試験片を更に室温で24時間以上放置した後、試験片の外観を、以下の基準に従って、目視及び光学顕微鏡で評価した。
○:変化が見られなかった。
△:肉眼では僅かな光沢低下や染みが確認される。また肉眼では確認出来ないが、光学顕微鏡を使用すると確認出来る程度の非常に小さい膨れ、剥れ、割れがある。
×:肉眼で膨れ、剥れ、割れが確認される。
高光沢加飾シートを500mm×500mmの大きさに裁断し、布施真空株式会社の真空圧空成形機「NGF−0912(商品名)」を用い、赤外線ヒーター加熱温度を120℃として120mm×120mmの大きさで厚さ1mmのアルミ板に被覆成形し試験片とした。この試験片と、成形前の高光沢加飾シートとを目視で観察し、色の変化の有無を確認した。目視で色の変化が認められる場合は、コニカミノルタ株式会社の分光測色計「CM600d(商品名)」を用いてL値、a値、b値を測定し、下記式により色差ΔEを算出した。評価は以下の基準に従った。
ΔE=〔(L1−L0)2+(a1−a0)2+(b1−b0)2〕1/2
ここで
L0、a0、b0
は、成型前の高光沢加飾シートの測定値である。
L1、a1、b1
は、試験片の測定値である。
○:目視で色の変化は認められなかった。
△:目視では色の変化が確認できたが、ΔEは5未満であった。
×:目視で顕著な色の変化が確認でき、ΔEは5以上であった。
(a)フッ化ビニリデン系樹脂フィルム
(a−1)ダイキン工業株式会社のフッ化ビニリデン系樹脂「ネオフロンPVDF VP−810(商品名)」(融点165℃)を用い、Tダイ押出製膜装置を使用し、Tダイ出口樹脂温度240℃の条件で、厚み10μmの透明な樹脂フィルムを得た。
(b)アクリル系樹脂フィルム
(b−1)株式会社カネカのアクリル系樹脂フィルム「サンデュレン010NRT(商品名)」厚み125μm。
(c)フィルム(1)
(c−1)東レ株式会社の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム「ルミラーT60(商品名)」厚み50μm。
概略図1に示す構成の装置を用いた。表面温度120℃に予熱された金属表面を有する予熱ロール1と、表面温度120℃に予熱されたシリコンゴム表面を有する予熱ロールを兼ねる受けロール2との間に、上記(c−1)と上記(a−1)と上記(b−1)とを重ねて、(c−1)が予熱ロール1側となるように供給し、押圧して積層した。続いて、上記で得られた積層体を、積層体の(c−1)層側から赤外線ヒーター3を用いて220℃に予熱した後、表面温度100℃の金属表面を有する鏡面ロール4と、シリコンゴム表面を有する受けロール5との間に積層体を、積層体の(c−1)層が鏡面ロール5側となるように供給し、押圧した後、ガイドロール6及び7において(c−1)を剥離し、高光沢加飾シートを得た。上記(イ)〜(へ)の評価を行った。結果を表1に示す。
表1又は表2に示すようにTp、Teを変更したこと以外は、全て実施例1と同様に行った。結果を表1又は表2に示す。
フィルム(1)を用いなかったこと以外は、全て実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
概略図1に示す構成の装置を用いた。表面温度120℃に予熱された金属表面を有する予熱ロール1と、表面温度120℃に予熱されたシリコンゴム表面を有する予熱ロールを兼ねる受けロール2との間に、上記(a−1)と上記(b−1)とを重ねて、(a−1)が予熱ロール1側となるように供給し、押圧して積層した。続いて、上記で得られた積層体を、積層体の(a−1)層側から赤外線ヒーター3を用いて220℃に予熱した後、積層体の(a−1)層側に、上記(c−1)を更に積層した。得られた積層体を、表面温度100℃の金属表面を有する鏡面ロール4と、シリコンゴム表面を有する受けロール5との間に、積層体の(c−1)層が鏡面ロール5側となるように供給し、押圧した後、ガイドロール6及び7において(c−1)を剥離し、高光沢加飾シートを得た。上記(イ)〜(へ)の評価を行った。結果を表2に示す。
2:予熱ロール1の受けロール
3:予熱ヒーター
4:鏡面ロール
5:鏡面ロール4の受けロール
6:ガイドロール
7:ガイドロール
8:フィルム(1)
9:フッ化ビニリデン系樹脂フィルム
10:アクリル系樹脂フィルム
11:積層体(3)
12:高光沢加飾シート
Claims (5)
- 高光沢加飾シートの製造方法であって、
(A)フィルム(1)と、表層側から順にフッ化ビニリデン系樹脂層と熱可塑性樹脂層とを有する積層体(2)のフッ化ビニリデン系樹脂層側とを、下記工程(E)において互いに剥離可能であるように貼り合わせて貼合フィルム(3)を得る工程;
ここでフィルム(1)は、少なくとも積層体(2)との貼合面は、平滑な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり;
(B)上記貼合フィルム(3)を、上記フッ化ビニリデン系樹脂の融点(Tm)以上、(Tm+80)℃以下の予熱温度(Tp)に予熱する工程;
(C)鏡面ロールを(Tm−100)℃以上、Tm未満の予熱温度(Te)に予熱する工程;
(D)上記工程(B)で予熱された貼合フィルム(3)のフィルム(1)側を、上記工程(C)で予熱された鏡面ロールにより押圧する工程;
(E)上記フィルム(1)と上記積層体(2)とを剥離する工程;
を含む方法。
- 上記鏡面ロールの予熱温度(Te)が、(Tm−90)℃〜(Tm−20)℃であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 上記フッ化ビニリデン系樹脂層の厚みが3〜25μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 上記積層体(2)の熱可塑性樹脂層がアクリル系樹脂層又はポリ塩化ビニル系樹脂層であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
- 加飾シートと物品とが積層一体化された成形品を生産する方法であって、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法により高光沢加飾シートを生産する工程、及び上記工程で生産された高光沢加飾シートを使用する工程を含む方法。
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