JP6185808B2 - ケーブルの配索構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のサスペンション装置からみて車輪側に設けられるインホイールモータ駆動装置と、車体側に設けられる電源と、両者を連絡するケーブルの配置に関する。
インホイールモータ駆動装置は、電気駆動されることから環境に負荷を与えることが少ないばかりでなく、自動車の車輪内に設置されて当該車輪を駆動することから、エンジン自動車と比較して広い車室スペースを確保することができ、有利である。インホイールモータ駆動装置を車両のサスペンション装置に取り付けた構造として、例えば特開2006−27310号公報(特許文献1)のようにインホイールモータ駆動装置をトレーリングアーム式サスペンション装置に懸架する技術が提案されている。特許文献1記載の技術は、インホイールモータ駆動装置から車体側まで延びる電力線を、車両前後方向に延びるトレーリングアームに沿って設けるというものである。
特開2006−27310号公報 段落0036 図9
特許文献1にあっては以下に説明する問題が生じる。すなわち、トレーリングアームは、前端を基端とし、後端を遊端として上下方向に揺動する。このため、インホイールモータ駆動装置が上下方向にストロークする度に、電力線はトレーリングアームの前端で繰り返し曲げ伸ばしされる。また電力線は、トレーリングアームと車体との間で、引張力および圧縮力を受けてしまう。このように電力線に物理的な力が繰り返し作用すると電力線の強度が低下し、電力線の交換頻度が多くなって、不経済である。
本発明は、上述の実情に鑑み、インホイールモータ駆動装置と接続する信号線や電力線等のケーブルに、物理的な力が繰り返し作用することを抑制する構造を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるケーブルの配索構造は、インホイールモータ駆動装置と、遊端がインホイールモータ駆動装置に連結され、基端が車体側メンバに連結され、上下方向に揺動するサスペンション装置のアームと、インホイールモータ駆動装置から車体側メンバまで延び、アームに沿って設置される通電用のケーブルとを備え、アームは車幅方向外側面および車幅方向内側面を有し、ケーブルは、車体側メンバに沿って延びる固定領域と、アームの車幅方向内側面に沿って延びる揺動領域と、これら固定領域と揺動領域との間で屈曲して延びアームの基端を通過するアームの揺動軸線と交差する屈曲領域とを含み、車体側メンバにはケーブル固定領域と係合するクランプが設けられ、アームにはケーブル揺動領域と係合するクランプが設けられ、ケーブル揺動領域とケーブル屈曲領域とケーブル固定領域がU字状に配索される
かかる本発明によれば、ケーブルがアームの基端で揺動軸線と略交差することから、アームが揺動軸線回りに揺動する場合において、ケーブルが揺動軸線から離れて配索される場合よりも、ケーブルに作用する物理的な力を最小限に抑制することが可能となる。したがって、ケーブルの耐久性が向上し、長期間に亘ってケーブルを使用することができる。なお、略交差するとは、径寸法を有しないアームの揺動軸線と、所定の径寸法を有するケーブルとが交差する場合だけでなく、ケーブル表面からアームの揺動軸線までの距離がケーブルの断面寸法(被覆材を含む仕上径あるいは呼び径)の2倍以内を含む場合を含むと理解されたい。また複数本のケーブルを束ねたケーブル束にあっては、ケーブル束に含まれるいずれかの1本のケーブルが上述した条件を満足すればよい。なおケーブル断面形状は特に限定されず、円形でも扁平でもよい。アームは車体側メンバからみて揺動する部材であればよく、その延在方向は特に限定されない。また本発明によれば、アームが車幅方向外側面および車幅方向内側面を有し、ケーブルの揺動領域が車幅方向内側面に配置される。かかる本発明によれば、ケーブルが車両の車幅方向外側に露出しない。したがって例えば、路面に比較的に近いトレーリングアームにおいて、小石や泥水等、異物の飛来からケーブルを保護することができる。
アームの遊端はインホイールモータ駆動装置と連結固定あるいは一体結合してもよいし、あるいは相対回動可能に結合するものでもあってもよいし、特に限定されない。本発明の一実施形態として、アームの遊端は回動軸線を有し回動軸線を中心として相対回動可能にインホイールモータ駆動装置に連結され、ケーブルはアームの遊端を通過する回動軸線と略交差する。かかる実施形態によれば、ケーブルがアームの遊端で回動軸線と略交差することから、インホイールモータ駆動装置が回動軸線回りに回動する場合において、ケーブルが回動軸線から離れて配索される場合よりも、ケーブルに作用する物理的な力を最小限に抑制することが可能となる。したがって、ケーブルの耐久性が向上し、長期間に亘ってケーブルを使用することができる。なお、略交差するとは、径寸法を有しない回動軸線と、所定の径寸法を有するケーブルとが交差する場合と、ケーブル表面から回動軸線までの距離がケーブル断面寸法の2倍以内を含む場合とを意味する。また複数本のケーブルを束ねたケーブル束にあっては、ケーブル束に含まれるいずれかの1本のケーブルが上述した条件を満足すればよい。
発明の好ましい実施形態として、ケーブルは回動軸線でU字状に曲げ返されて配索される。かかる実施形態によれば、ケーブルがU字状に曲げ返されて配索されることから、ケーブルに上下方向の力が作用しなくなり、ケーブルにアームのストローク角に対応する回転力のみが作用する。したがってケーブルの耐久性が益々向上する。また揺動軸線または回転軸線の近傍で、十分なケーブル長さを確保することができる。したがって、ケーブルの耐久性が益々向上する。また、アームが特にトレーリングアームの場合において、インホイールモータ駆動装置の上方あるいは直上に、当該インホイールモータ駆動装置を駆動制御するインバータを設置することができる。なおU字状に曲げ返されるとは、略180°に曲げ返されるのみならず、120°〜270°の範囲で曲げ返される場合を含む。なお、ここでいう180°とは、ケーブルが当該軸線で半周の円弧を描くようにして延びることをいう。また、ここでいう120°とは、ケーブルが当該軸線で三分の一周の円弧を描くようにして延びることをいい、270°とは、ケーブルが当該軸線で四分の三周の円弧を描くようにして延びることをいう。またケーブルのU字状箇所におけるケーブル内側の直径寸法は特に限定されず、例えばケーブル直径5〜15mmの場合において70〜130mmであればよい。
アームおよびインホイールモータ駆動装置が相対回動可能に連結される実施形態において、好ましくは、回動軸線に沿って延びる回動軸、アームのうち回動軸線と隣り合う遊端部分、およびインホイールモータ駆動装置のうち回動軸線と隣り合う部位の少なくともいずれかには、ケーブルと係合するクランプが設けられる。かかる実施形態によれば、ケーブルの位置が揺動軸線または回転軸線からずれてしまうことを防止できる。また揺動軸線に沿って延びる揺動軸、アームのうち揺動軸線と隣り合う基端部分、および車体側メンバのうち揺動軸線と隣り合う部位の少なくともいずれかには、ケーブルと係合するクランプが設けられてもよい。
アームはサスペンション装置のサスペンション部材であればよく、特に限定されない。本発明の一実施形態としてアームはダブルウィッシュボーン式サスペンション装置のアッパーアームである。かかる実施形態によれば、ストローク角度が大きいアッパーアームであっても、ケーブルの耐久性を向上させることができる。またアッパーアームは路面から比較的に離れているため、ケーブルを異物の飛来から保護し易くなる。
あるいは本発明の一実施形態としてアームはトレーリングアーム式サスペンション装置のトレーリングアームである。かかる実施形態によれば、トレーリングアームに沿って設置されるケーブルの耐久性を向上させることができる。
このように本発明によれば、サスペンション装置のアームが揺動軸線回りに繰り返し揺動する場合において、アームに設置される電力用のケーブルが力を繰り返し受けることを抑制することができる。したがってケーブルの耐久性が良くなり、ケーブルの交換頻度を少なくすることができる。
本発明の一実施形態になるケーブルの配索構造を示す概略斜視図であり、下方からみた状態を示す。 同実施形態を示す概略斜視図であり、上方からみた状態を示す。 同実施形態を車幅方向内側からみた説明図である。 同実施形態を車両前方からみた説明図である。 同実施形態の平面図である。 トレーリングアームが上方へ揺動する様子を示す説明図である。 トレーリングアームが下方へ揺動する様子を示す説明図である。 比較例を示す説明図である。 変形例を示す説明図である。 別の変形例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態になるケーブルの配索構造を示す概略斜視図であり、下方からみた状態を示す。図2は同実施形態を示す概略斜視図であり、上方からみた状態を示す。図3は同実施形態を車幅方向内側からみた説明図である。図4は同実施形態を車両前方からみた説明図である。図5は同実施形態の平面図である。本実施形態では図1に示すように、車体に揺動可能に取り付けられたトレーリングアーム34と、このトレーリングアーム34に連結するインホイールモータ駆動装置11と備える。そしてインホイールモータ駆動装置11から車体69へ延びるケーブル21が、トレーリングアーム34に取り付けられている。
まずインホイールモータ駆動装置11から説明すると、インホイールモータ駆動装置11は、インホイールモータ駆動装置11の軸線方向に順次直列配置されたモータ部11A、減速部11B、および図示しないハブ部を備える。これらモータ部11A、減速部11B、およびハブ部は、回転部材であるハブ部の軸線O方向に順次直列に配置され、かつ同軸に配置される(図4参照)。なお、図面にはモータ部11Aおよび減速部11Bが表されるが、ハブ部は後輪101と減速部11Bの間に位置して、図面には表れない。ハブ部に隣接する減速部11Bは、ハブ部よりも大径にされる。減速部11Bに隣接するモータ部11Aは、減速部11Bよりも大径にされる。
インホイールモータ駆動装置11は、車両の車幅方向外側に配置される後輪101を駆動するものであり、後輪101のロードホイールの内空領域に設けられる。インホイールモータ駆動装置11の外郭をなすケーシングは、車幅方向内側で相対的に大きな外径を有するモータ部11Aのモータ部ケーシングと、車幅方向外側で相対的に小さな外径を有する減速部11Bの減速部ケーシングとを含む。そして減速部ケーシングは、トレーリングアーム34と一体結合する。
モータ部11Aの前側には端子ボックス11Tが設けられる。端子ボックス11Tはモータ部ケーシングの外周面から前方へ突出する直方体である。そして端子ボックス11Tの車両前方側の端面には3本のケーブル21が差し込まれる。ケーブル21は金属製の導線を芯とし、かかる芯は絶縁体からなる被覆材に覆われる。3本のケーブル21はインホイールモータ駆動装置11に三相交流電流を供給する。
次にインホイールモータ駆動装置11を車体69に取り付けるためのサスペンション装置について説明する。
トレーリングアーム34は、車両前後方向に延び、その後端34bが減速部ケーシングの外周面と一体に結合するとともに、その前端34aにピボットの軸35が設けられる。軸35は、図2に示すように、車幅方向に延びる仮想直線である揺動軸線Xを有する。そして軸35の両端部がボルト等によって車体69に確りと連結固定される。また軸35の中央部はトレーリングアーム34の前端34aに設けられた貫通孔を貫通する。これによりトレーリングアーム34は、前端34aを基端とし、後端34bを遊端として、揺動軸線X回りに上下方向に揺動可能とされる。
なおインホイールモータ駆動装置11の減速部ケーシングは後輪101の内空領域に位置する。このためトレーリングアーム34の遊端側は、減速部ケーシングから前方へ延びつつも車幅方向内側へ延び、後輪101との干渉を回避する。またトレーリングアーム34の遊端側は、インホイールモータ駆動装置11のモータ部11Aと離隔する。
トレーリングアーム34の断面は、例えば矩形であり、上面34l、下面34m、車幅方向外側面、および車幅方向内側面34nを有する(図3参照)。そして車幅方向内側面34nには、後述するケーブル21が配置される。
インホイールモータ駆動装置11は、図1に示すように、トレーリングアーム34の他に、第1〜3リンク61〜63を介して、車体側に連結される。第1〜3リンク61〜63は車幅方向に延び、車幅方向外側端を遊端とし、車幅方向内側端を基端として、上下方向に揺動可能である。第1リンク61〜第3リンク63の車幅方向内側端は、発明の理解を容易にするため図示を省略しているが、図示しない軸を介して車体側メンバに回動可能にそれぞれ連結される。図示しない軸は車両前後方向に延びる。なおここでいう車体側メンバは車体69の一部である。
また第1リンク61〜第3リンク63の車幅方向外側端は、車両前後方向に延びる軸を介して、インホイールモータ駆動装置11の減速部ケーシングの外周面に形成されたブラケットに回動可能にそれぞれ連結される。これにより第1リンク61〜第3リンク63は、トレーリングアーム34の車幅方向位置を規制しつつ、上下方向の揺動を許容する。
第1リンク61はインホイールモータ駆動装置11の前側の下部と連結する。第2リンク62はインホイールモータ駆動装置11の上部と連結する。第3リンク63はインホイールモータ駆動装置11の後側の下部と連結する。
次にケーブルの配索構造につき説明する。本実施形態のインホイールモータ駆動装置11は、3本のケーブル21と、1本の信号線26によってインバータと接続する。
ケーブル21は、図3に示すように、インホイールモータ駆動装置11の端子ボックス11Tから、トレーリングアーム34に沿って前方へ延び、次に上方へ向きを変えるよう屈曲して延びて軸35の仮想軸線と交差し、次に車体69(図1参照)に沿って後方へ延び、車体69に搭載されたインバータ71に差し込まれる。説明の便宜上、トレーリングアーム34に沿って延びるケーブル部分を揺動領域21sと呼ぶ場合がある。また車体69に沿って延びるケーブル部分を固定領域21fと呼ぶ場合がある。そして揺動領域21sと固定領域21fとの間でU字状に曲げ返されて軸35の仮想軸線と交差する部分を屈曲領域21bと呼ぶ場合がある。
なお固定領域21fは、単に車両後方に延びるだけではなく、途中で数箇所屈曲して、車体69の車幅方向中央部に向かって延びる。そして車体69に設けられた貫通孔70(図1参照)を通って車体69の外部から内部へさらに延び、車体69に搭載されたインバータ71に接続する。インバータ71の両側には、ケーブル21が3本ずつ差し込まれる。このようにしてインバータ71は、インホイールモータ駆動装置11の上方の車体69上に設置されている。そして、図4に示すように、車体69の車幅方向両側に配置された右側のインホイールモータ駆動装置11と、図示しない左側のインホイールモータ駆動装置とがそれぞれインバータ71に接続する。またインバータ71は車体69の車幅方向中央部に配置されるとよく、左右のインホイールモータ駆動装置の間に配置されるとよい。
信号線26は、インホイールモータ駆動装置11の回転数等のデータやその他の制御信号を伝達するものであって、複数の芯線およびこれら芯線を包囲する被覆材を備えたケーブルである。また信号線26は、大電流が流れるケーブル21よりも小径である。図2に示すように、端子ボックス11Tの車両前方側の端面には、信号線26の一端と接続するための接続部26pが設けられる。信号線26もケーブル21と同様に、インホイールモータ駆動装置11から車体69まで延び、トレーリングアーム34に沿って設置される。そして信号線26の他端はインバータ71と接続する。3本のケーブル21および信号線26は、例えば結束バンド等で束にまとまっている。図5に示すように、複数のケーブル21および信号線26からなるケーブル束は、トレーリングアーム34の前端34aを通過するトレーリングアーム34の揺動軸線Xと交差する。
図3に示すようにケーブル束は、揺動軸線Xに沿って延びる軸35で、U字状に曲げ返されて配索される。トレーリングアーム34は、車幅方向視において、上縁が内径側となり下縁が外径側となるよう湾曲して延びる。これによりケーブル束は、揺動領域21sで緩やかに弧を描いて延び、屈曲領域21bに滑らかに接続する。これによりケーブル束は屈曲領域21bに曲げ応力を集中的に受けることなく、屈曲領域21b全体が容易にU字状に曲げ返される。
本実施形態では、トレーリングアーム34にクランプ36が設けられる。クランプ36は、ケーブル21および信号線26を束ねて、これらのケーブル束をトレーリングアーム34に係合する。クランプ36の上端部はボルト37によって上面34lに取付固定される。またクランプ36の下端部は、下面34mの近傍で、ボルト38によって車幅方向内側面34nに取付固定される。クランプ36は、車両前後方向に間隔を空けて1個ないし複数個(例えば図3に示すように3個)設けられる。揺動軸線Xに最も近い位置に配設されるクランプ36は、屈曲領域21bと揺動領域21sの境界をなす。トレーリングアーム34の上側寄りに配置されたクランプ36,36,36によって、3本のケーブル21の揺動領域21sおよび信号線26の揺動領域は、断面コの字状に形成されたトレーリングアーム34の内側の窪みに配置される。
図1、図2に示すように、車体69にはクランプ68が設けられる。クランプ68は、ケーブル21および信号線26を束ねて、これらのケーブル束を車体69に係合する。クランプ68は、揺動軸線Xから所定距離離れた位置に設けられる。かかる所定距離は、揺動軸線Xから揺動軸線Xに最も近いクランプ36までの距離と略等しい。そして揺動軸線Xから所定距離だけ離れたクランプ36およびクランプ68によって、屈曲領域21bは略半円弧を構成するとともに、揺動軸線Xと交差する。
クランプ68は、図3に示すように屈曲領域21bと固定領域21fの境界をなす。なお図示はしなかったが、クランプ68よりもインバータ71側にクランプをさらに配設して、ケーブル21の複数個所を車体69に取り付けてもよい。
クランプ36によって、ケーブル21の揺動領域21sおよび信号線26の揺動領域はトレーリングアーム34に固定され、トレーリングアーム34に対して位置がずれることがなく、トレーリングアーム34とともに揺動する。またクランプ68によって、ケーブル21の固定領域21fおよび信号線26の固定領域は車体69に固定され、車体69に対して位置がずれることがない。そしてクランプ36,68間で、ケーブル21の屈曲領域21bおよび信号線26の屈曲領域は、トレーリングアーム34の上下方向の揺動に追従して、繰り返し屈曲運動可能とされる。
すなわち図6に示すように、トレーリングアーム34が上方へ揺動してインホイールモータ駆動装置11が上方へストロークする場合、上述のようにクランプ36、68で固定されたケーブル21および信号線26は、トレーリングアーム34の揺動軸線Xと略交差しているので、ケーブル21の屈曲領域21b全体および信号線26の屈曲領域全体が曲がって、当該ストロークに伴うケーブル21等の屈曲運動を吸収する。したがって屈曲領域21bのうちの特定箇所が折れ曲がることがない。
反対に図7に示すように、トレーリングアーム34が下方へ揺動してインホイールモータ駆動装置11が下方へストロークする場合も、ケーブル21および信号線26は、トレーリングアーム34の揺動軸線Xと略交差しているので、ケーブル21の屈曲領域21b全体および信号線26の屈曲領域全体が曲がって、当該ストロークに伴うケーブル21等の屈曲運動を吸収する。したがって本実施形態によれば、ケーブル21に作用する曲げ応力が抑制され、屈曲領域21bのうちの特定箇所が折れ曲がることがない。またケーブル21に引張力および圧縮力が殆ど作用しない。
比較例として、図8に示すようにケーブル束(ケーブル21および信号線26)を軸35の揺動軸線Xから離隔して配索する場合、トレーリングアーム34が上下に揺動すると、ケーブル束に引張力および圧縮力が加わり、あるいは、ケーブル束の長手方向において特定の箇所のみが繰り返し曲げ伸ばしされて、ケーブル束が上述した本実施形態よりも早期に劣化する。
また本実施形態では、ケーブル21の揺動領域21sが、図5に示すようにトレーリングアーム34の車幅方向内側に取り付けられる。これにより路面から飛来する小石などの異物から、揺動領域21sを保護することができる。
次に本発明の変形例につき説明する。
図9は変形例を示す平面図である。変形例では、ケーブル21および信号線26を、トレーリングアーム34に取り付ける代わりに、第1リンク61〜第3リンク63のいずれかに取り付けてもよい。代表的に、ケーブル束を第2リンク62に取り付ける場合について説明すると、減速部11Bの減速部ケーシングの外周面の上側には、上方へ向かって突出するブラケット41(図2参照)が一体に形成される。また第2リンク62の車幅方向外側端62a(遊端)は、車両前後方向に延びる回動軸線Wを有し、ブラケット41と連結する。これにより車幅方向外側端62aは、この回動軸線Wを中心として相対回動可能にインホイールモータ駆動装置11に連結される。
ケーブル21は減速部11Bの外周面の上側と接続する。ケーブル21と減速部11Bとの接続箇所は、回動軸線Wよりも車幅方向外側に位置する。信号線26も同様である。ケーブル21および信号線26を束ねたケーブル束は、車幅方向外側端62aの近傍を通過して延び、車両前後方向に延びる回動軸線Wと交差する。そしてケーブル束のうち回動軸線Wと交差する領域は、円弧を描くように曲げられる。
またケーブル束は、第2リンク62の車幅方向内側端62b(基端)の近傍を通過して延び、車幅方向内側端62bの揺動軸線Yと交差する。揺動軸線Yは車両前後方向に延び、第2リンク62は揺動軸線Y回りに上下に揺動する。ケーブル束の揺動領域21sは、第2リンク62に沿って車幅方向に延びる。ケーブル束の固定領域21fは、車体69(図1参照)の底面に沿って車両前後方向に延びる。そして揺動軸線Yと交差するケーブル束の屈曲領域21bは、円弧を描くように曲げられる。
かかる変形例によれば、インホイールモータ駆動装置11が上下方向にストロークして、車幅方向外側端62aを通る回動軸線回りにインホイールモータ駆動装置11が回動する場合であっても、引張力および圧縮力がケーブル21および信号線26に殆ど作用しない。またケーブル21および信号線26は路面から比較的高い位置に設置されることから、飛び石から保護される。
また変形例においても、ケーブル21および信号線26は、車幅方向内側端62bを通過する揺動軸線Yで曲げられて配索される。これによりインホイールモータ駆動装置11のストローク時には、ケーブル21および信号線26の屈曲領域21b全体が屈曲運動して、ケーブル21および信号線26に作用する曲げ応力を抑制することができる。
また変形例においても、第2リンク62には、ケーブル21および信号線26と係合するクランプ36が設けられる。クランプ36は第2リンク62の車幅方向中央部と、車幅方向内側寄りと、車幅方向外側寄りとにそれぞれ配設される。これによりケーブル21および信号線26の位置が、車幅方向外側端62aを通る回転軸線と、揺動軸線Yからずれてしまうことを防止できる。なお変形例のクランプ36の数量は特に限定されない。また変形例でも車体69にはクランプ68が設けられている。
次に図10に示す説明図を参照して、本発明の別の変形例につき説明する。
図10はインホイールモータ駆動装置11を車両前後方向にみて、前輪102および車体69を断面にして表す図である。別の変形例では、ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置を用いて、インホイールモータ駆動装置11を車体69に取り付ける。ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置は、上側および下側で車幅方向に延びるアッパーアーム64およびロアアーム65を有する。
アッパーアーム64の車幅方向外側端64aはボールジョイントを介してインホイールモータ駆動装置11の減速部ケーシングの上端部に回動可能に固定される。またロアアーム65の車幅方向外側端65aはボールジョイントを介してインホイールモータ駆動装置11の減速部ケーシングの下端部に回動可能に固定される。アッパーアーム64の車幅方向内側端64bは、車両前後方向に延びる揺動軸線Zを有し、かかる揺動軸線Z回りに揺動可能に車体69のブラケット69bに連結される。これによりアッパーアーム64は、車幅方向内側端64bを基端とし、車幅方向外側端64aを遊端として、上下に揺動可能である。ロアアーム65についても同様である。これら車幅方向外側端64a、65aのボールジョイントは特定の回動軸線を有さないことから、インホイールモータ駆動装置11はアッパーアーム64およびロアアーム65に転舵可能かつ揺動可能に連結される。
ケーブル21および信号線26は、ダブルウィッシュボーン式サスペンション装置のアッパーアーム64に沿って設置される。ケーブル21および信号線26を束ねたケーブル束は、車幅方向内側端64bを通過する揺動軸線Zと交差する。またケーブル束は、車幅方向外側端64aのボールジョイントに隣接配置される。
別の変形例によれば、ケーブル21および信号線26は路面から比較的高い位置に設置されることから、飛び石から保護される。ケーブル21および信号線26を束ねたケーブル束の屈曲領域21bは、車幅方向内側端64bの揺動軸線Zと交差し、インホイールモータ駆動装置11が上下にストロークする際、ケーブル21の屈曲領域21b全体および信号線26の屈曲領域全体が曲がって、当該ストロークに伴うケーブル21等の屈曲運動を吸収する。したがって本実施形態によれば、ケーブル21等に作用する曲げ応力が抑制され、屈曲領域21bのうちの特定箇所が折れ曲がることがない。またケーブル21等に引張力および圧縮力が殆ど作用しない。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるケーブルの配索構造は、電気自動車や、車輪の駆動源としてモータおよび内燃機関を併用するハイブリッド車両において有利に利用される。
11 インホイールモータ駆動装置、 11A モータ部、
11B 減速部、 11T 端子ボックス、 21 ケーブル、
21b 屈曲領域、 21f 固定領域、 21s 揺動領域、
26 信号線、 26p 接続部、 34 トレーリングアーム、
34a 前端、 34b 後端、 34l 上面、 34m 下面、
34n 車幅方向内側面、 35 軸、 36 クランプ、
41 ブラケット、 61〜63 リンク、 61 第1リンク、
62 第2リンク、 62a 車幅方向外側端、 63 第3リンク、
68 クランプ、 69 車体、 70 貫通孔、 71 インバータ、
101 後輪、 W 回動軸線、 X,Y,Z 揺動軸線。

Claims (4)

  1. インホイールモータ駆動装置と、
    遊端が前記インホイールモータ駆動装置に連結され、基端が車体側メンバに連結され、上下方向に揺動するサスペンション装置のアームと、
    インホイールモータ駆動装置から車体側メンバまで延び、前記アームに沿って設置される通電用のケーブルとを備え、
    前記アームは、車幅方向外側面および車幅方向内側面を有し、
    前記ケーブルは、前記車体側メンバに沿って延びる固定領域と、前記アームの前記車幅方向内側面に沿って延びる揺動領域と、前記固定領域と前記揺動領域との間で屈曲して延び前記アームの基端を通過する前記アームの揺動軸線と交差する屈曲領域とを含み、
    前記車体側メンバには前記固定領域と係合するクランプが設けられ、前記アームには前記揺動領域と係合するクランプが設けられ、前記揺動領域と前記屈曲領域と前記固定領域がU字状に配索される、ケーブルの配索構造。
  2. 前記アームの前記遊端は、回動軸線を有し、前記回動軸線を中心として相対回動可能にインホイールモータ駆動装置に連結され、
    前記ケーブルは、前記アームの遊端を通過する前記回動軸線と略交差する、請求項1に記載のケーブルの配索構造。
  3. 前記ケーブルは、前記回動軸線でU字状に曲げ返されて配索される、請求項に記載のケーブルの配索構造。
  4. 前記回動軸線に沿って延びる回動軸、前記アームのうち前記回動軸線と隣り合う遊端部分、および前記インホイールモータ駆動装置のうち前記回動軸線と隣り合う部位の少なくともいずれかには、前記ケーブルと係合するクランプが設けられる、請求項2または3に記載のケーブルの配索構造。
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