JP6185451B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は所定のインナーライナー用ゴム組成物で構成されるインナーライナーを備えるタイヤに関する。
近年、タイヤの低燃費化への要請はますます強くなり、タイヤの内側に配置され、空気入りタイヤの内部から外部への空気漏れを低減して耐空気透過性を向上させる働きを有するインナーライナーにも低燃費化が求められている。
現在、インナーライナー用ゴム組成物は、ブチル系ゴムを主成分とするゴム成分を含有するゴム組成物とすることで耐空気透過性を向上させることが行われている。しかし、ブチル系ゴムを多く含有するゴム組成物は、低燃費性が劣る、他部材との接着性に劣るなどの問題がある。
特許文献1には、ブチル系ゴムより耐空気透過性に優れる熱可塑性樹脂を含むポリマー混合物を主成分とするポリマー組成物を用いたインナーライナーとすることで、インナーライナーの厚みを薄くすることができ、これによるタイヤの軽量化によって低燃費化を図る技術が記載されている。しかし、樹脂を主成分とするインナーライナーは、一般に破断伸びが小さいなど、ゴム成分を主成分とする他のタイヤ部材と大きく物性が異なるため、加工性が悪く、隣接部材との接着性に劣るという問題があり、さらに、耐屈曲亀裂成長性にも問題がある。
特許文献2および3には、天然ゴムを主成分とするゴム組成物をインナーライナーに用いることで石油資源の使用量を低減し、環境にやさしく、加工性や耐屈曲亀裂成長性を向上させたインナーライナーが記載されているが、低燃費性には改善の余地がある。
特開2011−057788号公報 特開2006−249147号公報 特開2008−297462号公報
本発明は、耐空気透過性および耐久性を維持しながら、操縦安定性、低燃費性および物性バランスに優れたインナーライナー用ゴム組成物で構成されるインナーライナーを備えたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分および添加剤を含有し、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%にて測定した動的弾性率E*(MPa)および損失正接tanδが、下記式(1)〜(3)を満たし、空気透過係数が、12.00×10-14cm3・cm/(cm2・s・Pa)以下であり、JIS K6251に準じて測定した破断強度TB(MPa)および破断時伸びEB(%)が、下記式(4)および(5)を満たすインナーライナー用ゴム組成物で構成されるインナーライナーを備えるタイヤに関する。
式(1) E*/tanδ>17
式(2) 2.5<E*<5
式(3) tanδ<0.15
式(4) EB>450
式(5) TB×EB>10000
前記ゴム組成物のJIS K6253のタイプA法に準じて測定した23℃でのゴム硬度Hsが60以下であることが好ましい。
前記添加剤がシリカを含有することが好ましい。
前記添加剤がn種(nは2以上の整数)のシリカを含有し、
シリカの含有量およびBET比表面積が、下記式(6)および(7)を満たすことが好ましい。
式(6) 10<X1+X2+・・・+Xn<40
式(7) 0.20<X1/Y1+X2/Y2+・・・+Xn/Yn<0.30
(式中、X1、X2、・・・Xnは各シリカのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)、Y1、Y2、・・・Ynは各シリカのBET比表面積(m2/g)を示す。)
前記ゴム成分がブチル系ゴムを実質的に含有しないことが好ましい。
前記添加剤がアロマオイルおよびミネラルオイルを実質的に含有しないことが好ましい。
前記ゴム成分が主鎖にシリカとの親和性を有する官能基を有するジエン系ゴムを50質量%以上含むことが好ましい。
前記添加剤がベンゾチアゾリルスルフェンイミド類を含有することが好ましい。
本発明によれば、ゴム成分および添加剤を含有し、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%にて測定した動的弾性率E*(MPa)および損失正接tanδが、所定の式を満たし、空気透過係数が所定の範囲であり、JIS K6251に準じて測定した破断強度TB(MPa)および破断時伸びEB(%)が、所定の式を満たすインナーライナー用ゴム組成物で構成されるインナーライナーを備えるタイヤとすることにより、耐空気透過性および耐久性を維持しながら、操縦安定性、低燃費性および物性バランスに優れたインナーライナー用ゴム組成物で構成されるインナーライナーを備えるタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤは、ゴム成分および添加剤を含有し、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%にて測定した動的弾性率E*(MPa)および損失正接tanδが、所定の式を満たし、空気透過係数が所定の範囲であり、JIS K6251に準じて測定した破断強度TB(MPa)および破断時伸びEB(%)が、所定の式を満たすインナーライナー用ゴム組成物で構成されるインナーライナーを備える。
本発明に係るインナーライナー用ゴム組成物は、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%にて測定した動的弾性率E*(MPa)および損失正接tanδが、下記式(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
式(1) E*/tanδ>17
式(2) 2.5<E*<5
式(3) tanδ<0.15
インナーライナーは、外部環境および走行時間に依存し、0℃以下から100℃近くまでさまざまな使用温度にさらされるが、一般的に走行時の温度は70℃付近になることが多く、ブチル系ゴムを含有しない他のタイヤ部材との追従性は温度依存性が低いという理由から、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%にて測定した動的弾性率E*(MPa)および損失正接tanδが前記式(1)〜(3)を満たすことにより、他のタイヤ部材と追従性の良いゴム物性と低燃費性とを両立させることができる。
本明細書中のE*は、粘弾性スペクトロメータにより温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件で測定された伸長時の動的弾性率を示す。動的弾性率E*は、周期的に与えられた歪みに対する応力を示すため、E*の値が大きいほどゴム弾性が良好であり、他のタイヤ部材と追従性の良いゴム物性であることを表す。また、本明細書中のtanδは、粘弾性スペクトロメータにより温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件で測定された伸長時の損失正接を示す。損失正接tanδは、歪みが与えられる過程で消費されたエネルギーの大きさを示し、この消費されたエネルギーは熱に変わる。つまりtanδの値が小さいほど、優れた低発熱性を示し、低燃費性が優れていることを表す。よって、式(1)中のE*/tanδの値が大きいほど、優れたゴム物性と低燃費性とが両立されていることを表す。
式(1)中のE*/tanδは、17超であり、18以上が好ましい。E*/tanδが式(1)を満たすことにより、優れたゴム物性と低燃費性を両立させることができる。
式(2)中のE*は、2.5MPa超であり、2.6MPa以上が好ましい。また、E*は5MPa未満であり、4.9MPa以下が好ましい。E*が前記範囲内であれば、加工性が良好で均一なゴム物性を得ることができる。結果、インナーライナーと隣接部材との物性バランスが良くなり、他のタイヤ部材と追従性の良いインナーライナーとなるため、タイヤの操縦安定性や耐久性が良好となる。
式(3)中のtanδは、0.150未満であり、0.145以下が好ましく、0.140以下がより好ましい。また、tanδの下限は特に限定されない。tanδが前記範囲内であれば、優れた低燃費性を得ることができる。
以上のように、本発明に係るインナーライナー用ゴム組成物は、式(1)〜(3)を満たすことにより、他のタイヤ部材と追従性の良いゴム物性と低燃費性とを両立させることができる。
また、本発明に係るインナーライナー用ゴム組成物は、タイヤの内腔面をなすように形成され、空気透過量を低減してタイヤ内圧を保持する働きを行うインナーライナーに用いられるため、優れた耐空気透過性が求められる。
前記ゴム組成物の空気透過係数は、インナーライナーに求められる優れた耐空気透過性を得られるという理由から、12.00×10-14cm3・cm/(cm2・s・Pa)以下であり、11.70×10-14cm3・cm/(cm2・s・Pa)以下が好ましい。
さらに、本発明に係るインナーライナー用ゴム組成物は、JIS K6251に準じて測定した破断時伸びEB(%)および破断強度TB(MPa)が、下記式(4)および(5)を満たすことを特徴とする。これにより、耐破壊特性(耐久性)に優れたゴム組成物とすることができる。
式(4) EB>450
式(5) TB×EB>10000
本明細書中のEBは、JIS K6251に準じて測定された破断時伸びを示す。破断時伸びEBは、試料を引っ張って破断した際の伸び率(%)を示し、EBの値が大きいほど耐疲労特性が優れていることを表す。
前記EBは、式(4)を満たす450%超であり、500%以上が好ましく、550%以上がより好ましい。EBが450%以下の場合は、耐疲労特性が十分に得られない傾向がある。また、EBの上限は特に限定されない。
また、本明細書中のTBは、JIS K6251に準じて測定された破断強度を示す。破断強度TBは、試料を引っ張って破断するために必要な力(MPa)を示し、TBの値が大きいほど耐破壊強度が優れていることを表す。
前記TB×EBは、式(5)を満たす10000超であり、10500が好ましく、11000がより好ましい。TB×EBが10000以下の場合は、十分な耐破壊特性が得られない傾向がある。また、TB×EBの上限は特に限定されない。
以上のように、本発明に係るインナーライナー用ゴム組成物は、式(4)および(5)を満たすことにより、耐破壊特性(耐久性)に優れることを示す。
本発明に係るインナーライナー用ゴム組成物のゴム硬度Hsは、加工性や操縦安定性の観点から、30以上が好ましく、35以上がより好ましく、40以上がさらに好ましい。またHsは、耐屈曲亀裂成長性や耐疲労特性の観点から、60以下が好ましく、55以下がより好ましく、50以下がさらに好ましい。なお、本明細書におけるゴム組成物のゴム硬度HsはJIS−A硬度であり、JIS K6253に準じて23℃の環境下で測定される値である。
本発明に係るインナーライナー用ゴム組成物は、ゴム成分および添加剤を含有する。
前記ゴム成分としては、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などのジエン系ゴム、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴムなどのブチル系ゴムなどが挙げられる。これらのゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
但し、ゴム成分としてブチル系ゴムを実質的に含まないことが好ましく、含有しないこと(0質量部)がより好ましい。ブチル系ゴムを実質的に含有しないとは、ブチル系ゴムのゴム成分中の含有量が、20質量%以下であることを表す。ブチル系ゴムは前述のように、耐空気透過性には非常に優れるが、低燃費性や隣接部材との接着性に劣るという問題がある。しかし、本発明に係るインナーライナー用ゴム組成物は、インナーライナーに求められる耐空気透過性を得ることができ、さらに、隣接部材との接着性や物性バランスに優れているため、インナーライナー剥離が起こりにくく、またタイヤが屈曲した際の追従性にも優れるため、操縦安定性も向上する。
前記ジエン系ゴムとしては、低燃費性および隣接部材との接着性の観点から、主鎖にシリカとの親和性を有する官能基を有するジエン系ゴムを含有することが好ましい。
シリカとの親和性を有する官能基としては、エポキシ基、シリル基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、アミド基、メルカプト基などが挙げられる。なかでも、シリカとの親和性、ポリマーへの導入のコントロールのしやすさから、エポキシ基、シリル基、アミノ基がより好ましく、エポキシ基が特に好ましい。
主鎖にシリカと親和性を有する官能基を有するジエン系ゴムとしては、エポキシ基を有するジエン系ゴム(エポキシ化ジエン系ゴム)が好ましく、なかでも、エポキシ化天然ゴム(ENR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)がより好ましく、環境への配慮、耐空気透過性の点からENRがさらに好ましい。
エポキシ化ジエン系ゴムのエポキシ化率は、50モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましい。またエポキシ化率は、1モル%以上が好ましく、2モル%以上がより好ましい。エポキシ化率が前記範囲内であれば、低燃費性とゴム強度を高度に両立させることができる。
主鎖にシリカとの親和性を有する官能基を有するジエン系ゴムを含有する場合のゴム成分中の含有量は、低燃費性、耐空気透過性およびゴム強度の観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
前記添加剤としては、タイヤ工業において一般に使用される、補強性フィラー、カップリング剤、弱補強性フィラー、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、可塑剤、ワックス、硫黄等の加硫剤、各種加硫促進剤などが挙げられ、適宜配合することができる。
前記補強性フィラーとしては、シリカ、カーボンブラックなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ゴム強度と低燃費性の両立の観点から、シリカを含有することが好ましく、BET比表面積の異なるn種(nは2以上の整数)のシリカを含有することがさらに好ましい。
前記シリカとしては、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水ケイ酸)、湿式法により調製されたシリカ(含水ケイ酸)などを用いることができる。表面のシラノール基が多く、シランカップリング剤との反応点が多いという理由から、湿式法により調製されたシリカを用いることが好ましい。
シリカのBET比表面積は、十分なシリカの補強効果が得られるという理由から、50m2/g以上が好ましく、60m2/g以上がより好ましい。また、シリカのBET比表面積は、シリカの分散性が良好である、低燃費性に優れるという理由から、350m2/g以下が好ましく、340m2/g以下がより好ましい。なお、本明細書におけるシリカのBET比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、低燃費性とゴム強度の両立の観点から、10〜40質量部が好ましく、12〜38質量部がより好ましい。
n種(nは2以上の整数)のシリカを含有する場合のシリカの含有量およびBET比表面積は、下記式(6)および(7)を満たすことが好ましい。
式(6) 10<X1+X2+・・・+Xn<40
式(7) 0.20<X1/Y1+X2/Y2+・・・+Xn/Yn<0.30
式中、X1、X2、・・・Xnは各シリカのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)、Y1、Y2、・・・Ynは各シリカのBET比表面積(m2/g)を示す。
式(6)中のX1+X2+・・・+Xnは、n種の各シリカのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)の合計を示す。n種のシリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対するn種のシリカの合計含有量は、10質量部を超えることが好ましく、20質量部以上がより好ましく、25質量部以上がさらに好ましく、30質量部以上がさらに好ましく、35質量部以上が最も好ましい。また、n種のシリカの合計含有量は、40質量部未満であることが好ましい。n種のシリカの合計含有量が前記範囲内であること、すなわち式(6)を満たすことで、ゴム強度と低燃費性とを両立させることができる。
式(7)中のX1/Y1+X2/Y2+・・・+Xn/Ynは、n種の各シリカの「ゴム成分100質量部に対する含有量/BET比表面積」の合計を示す。n種のシリカを含有する場合の式(7)中の該合計の値は、0.20を超えることが好ましく、0.21以上がより好ましく、0.22以上がさらに好ましい。また、式(7)中の該合計は、0.30未満であることが好ましい。各シリカの「ゴム成分100質量部に対する含有量/BET比表面積」の合計が式(7)を満たすことで、低燃費性、耐破壊特性、耐屈曲性をバランスよく改善することができる。
また、補強性、帯電防止などの観点から、補強性フィラーとしてカーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなど、タイヤ工業において一般的なものを用いることができ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いても良い。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、十分な補強効果が得られるという理由から、10m2/g以上が好ましく、20m2/g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのN2SAは、低燃費性の観点から、200m2/g以下が好ましく、150m2/g以下がより好ましく、100m2/g以下がさらに好ましく、80m2/g以下がさらに好ましく、50m2/g以下が最も好ましい。なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217のA法に準じて測定される値である。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、耐候性、帯電防止、ゴム強度の向上の観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。また、カーボンブラックの含有量は、低燃費性の観点から、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
前記カップリング剤としては、シランカップリング剤などが挙げられ、シリカを含有する場合は、シリカとともにシランカップリング剤を使用することが好ましい。従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。商品名としてはSi69、Si266、Si363(EVONIK−DEGUSSA社製)や、NXT、NXT−LV、NXTULV、NXT−Z(Momentive社製)などがある。これらのカップリング剤は、単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、シリカを良好に分散させることができるという理由から、0.5質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、2.5質量部以上がさらに好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、コストの増加に見合ったシリカの分散効果が得られる、スコーチタイムが短くなり過ぎず混練工程や押出工程での加工性が良好であるという理由から、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましい。
前記弱補強性フィラーとしては、瀝青炭粉砕物、タルク(偏平でない通常タルク、偏平タルク)、マイカ、ハードクレーなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いても良い。これらの弱補強性フィラーは、混練工程時にポリマーゲルを形成しないため、含有することで良好なシート加工性が得られる。なかでも、シート加工性やコストの観点からは、瀝青炭粉砕物、通常タルク、ハードクレーが好ましく、耐空気透過性の観点からは、偏平率の大きいマイカ、偏平タルクが好ましい。
タルクの平均粒子径は、低燃費性の観点から、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。また、タルクの平均粒子径の下限は特に限定されないが、好ましくは1μm以上である。
マイカの平均粒子径は、低燃費性の観点から、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。また、マイカの平均粒子径の下限は特に限定されないが、好ましくは1μm以上である。
ハードクレーの平均粒子径は、低燃費性の観点から、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。また、ハードクレーの平均粒子径の下限は特に限定されないが、好ましくは1μm以上である。
なお、本明細書における弱補強性フィラーの平均粒子径は、JIS Z 8815−1994に準拠して測定される粒度分布から算出された質量基準の平均粒子径である。
弱補強性フィラーを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量(併用する場合は合計含有量)は、シート加工性や耐空気透過性の観点から、3質量部以上が好ましく、8質量部以上がより好ましい。また、弱補強性フィラーの含有量は、十分な破断伸びを得られるという理由から、45質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましい。
前記可塑剤としては特に限定されないが、ゴム強度と低燃費性の両立の観点から、アロマオイルおよびミネラルオイルを実質的に含有しないことが好ましく、含有しないこと(0質量部)がより好ましい。アロマオイルおよびミネラルオイルを実質的に含有しないとは、アロマオイルおよび/またはミネラルオイルの含有量が、ゴム成分100質量部に対して10質量部以下であることを表す。
可塑剤としては、アロマオイルおよびミネラルオイル以外の可塑剤を用いることが好ましい。アロマオイルおよびミネラルオイル以外の可塑剤としては、液状ポリマー、液状樹脂、植物オイル、エステル系可塑剤などが使用でき、なかでも、低燃費性および加工性の観点から、エステル系可塑剤が好ましい。エステル系可塑剤としては、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジ2−エチルへキシル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等が挙げられ、低燃費性に優れるという理由から、DOSが好ましい。
可塑剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、低燃費性と加工性の両立という理由から、3質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましい。また、可塑剤の含有量は、ゴム強度の低下を抑制するという理由から、40質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましい。
前記加硫促進剤としては、ベンゾチアゾール類、ベンゾチアゾリルスルフェンアミド類、ベンゾチアゾリルスルフェンイミド類などが挙げられる。なかでも、優れた加硫特性と環境への配慮の観点から、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンイミド(TBSI)が好ましい。加硫促進剤は、ベンゾチアゾリルスルフェンイミド類とその他の加硫促進剤とを併用しても良いが、低燃費性とゴム強度の両立という理由から、ベンゾチアゾリルスルフェンイミド類を単独で用いることが好ましい。
加硫促進剤としてベンゾチアゾリルスルフェンイミド類を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加硫速度が適度となり、十分に加硫できるという理由から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、ベンゾチアゾリルスルフェンイミド類の含有量は、加硫速度が適度となり、スコーチングし難いという理由から、4.0質量部以下が好ましく、3.0質量部以下がより好ましい。
本発明に係るインナーライナー用ゴム組成物の製造方法としては特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明に係るインナーライナー用ゴム組成物は、例えば、特開2008−291091号公報の図1、特開2007−160980号公報の図1〜2などに示されるインナーライナーに使用されるものである。
本発明のタイヤは、本発明に係るインナーライナー用ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、所定のゴム組成物を、未加硫の段階でインナーライナーの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともにタイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを成形する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより本発明のタイヤを得ることができる。
本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ等として好適に用いられ、特に乗用車用タイヤとしてより好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例、参考例および比較例で使用した各種薬品をまとめて説明する。
ENR25:クンプーランガスリー社(KumpulanGuthrieBerhad)(マレーシア)製のエポキシ化天然ゴム(エポキシ化率25モル%)
ENR5:下記製造例にて製造したENR(エポキシ化率5モル%)
NR:TSR20
クロロブチルゴム:エクソンモービル社製のクロロブチルHT1066
シリカ1:ローディア社製のZEOSIL 115GR(BET:112m2/g)
シリカ2:エボニックデグッサ社製のウルトラシルVN3(BET:210m2/g)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN550(N2SA:40m2/g)
マイカ:レブコ社製のマイカ(雲母)S−200HG(フロゴバイト、平均粒子径50μm、アスペクト比55)
シランカップリング剤1:EVONIK−DEGUSSA社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
シランカップリング剤2:Momentive社製のNXT(3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)
エステル系可塑剤:新日本理化(株)製のサンソサイザーDOS(セバシン酸ジ2−エチルヘキシル)
液状ポリマー:(株)クラレ製のLIR−410
ミネラルオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルPA32
老化防止剤1:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−p−フェニレンジアミン、6PPD)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、TMQ)
ステアリン酸カルシウム:日油(株)製のステアリン酸カルシウム
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:フレキシス(株)製のサントキュアーTBSI(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンイミド、TBSI)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、TBBS)
SIBS:(株)カネカ製のシブスターSIBSTAR 102(スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体)
PA:宇部興産(株)製のUBESTA XPA 9040(ポリアミド系ポリマー)
ENR5の製造例
高アンモニアタイプの天然ゴムラテックス(野村貿易(株)製のHytex、固形分60%)1750gを5Lのガラス容器に入れ、攪拌羽で攪拌し、固形分が30%になるように蒸留水1500gを加えて希釈した。これにノニオン系乳化剤(花王(株)製のエマルゲン106)21gを攪拌しながら加えた。次に、別の容器で過酸化水素(和光純薬工業(株)製の過酸化水素、試薬1級、有効成分35%)108gと無水酢酸(和光純薬工業(株)製の無水酢酸、試薬1級、有効成分93%)115gを反応させて過酢酸を作製し、作製した過酢酸を前記5Lのガラス容器にゆっくりと添加した。添加後、室温で30分反応させた後、アンモニア(和光純薬工業(株)製のアンモニア水、試薬1級、有効成分25%)で中和し、メタノールでゴム成分のみを凝固させたのち、水道水で洗浄し、乾燥させてENR5を作製した。得られたENR5のエポキシ化率は5モル%であった。
エポキシ化率の測定(単位:モル%)
得られた乾燥ゴム(ENR)を重水素化クロロホルムに溶解し、NMR(日本電子(株)製のJNM−ECAシリーズ)を用いた核磁気共鳴分光分析により、炭素−炭素二重結合部と脂肪族部の積分値h(ppm)の比から以下の計算式を用いて算出した。
エポキシ化率(モル%)=3×h(2.69)/(3×h(2.69)+3×h(5.14)+h(0.87))×100
実施例1〜4、6、、参考例5および比較例1、2
表1および2に示す配合処方に従い、1.7Lのバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度150℃で5分間混練りし、混練物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を150℃の条件下で30分間プレス加硫し、試験用加硫ゴムシートを得た。
比較例3
表1に示す配合処方にしたがったポリマー混合物および軟化剤を、インジェクションプレスの回転ローター内(100rpm、長さ1m)へ投入しブレンドしたのち、プレスに13cm×13cm×厚み2mmの金型を装着し、金型ヘッド圧力100kgf、ヘッド温度220℃、インジェクション速度80mm/秒、ローター回転数100rpmの条件で押し出すことにより、比較例3の樹脂シートを作製した。
また、得られた各未加硫ゴム組成物または樹脂シートをインナーライナーの形状となるように成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間プレス加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を得た。
得られた試験用加硫ゴムシート、樹脂シートおよび試験用タイヤを用いて以下に示す方法により評価を行った。評価結果を表1および2に示す。
<粘弾性試験>
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータVESを用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪み10%、動歪2%の条件下で、各試験用加硫ゴムシートおよび樹脂シートの動的弾性率E*および損失正接tanδを測定した。得られた値より、式(1)中のE*/tanδの値を算出した。
<空気透過係数>
ASTM D−1434−75M法に従い、各試験用加硫ゴムシートおよび樹脂シートの空気透過量を測定し、空気透過係数を算出した。空気透過係数が小さいほど、耐空気透過性に優れていることを示す。
<引張試験>
JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、各試験用加硫ゴムシートおよび樹脂シートからなる3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施し、各試験用加硫ゴムシートおよび樹脂シートの破断伸びEBおよび破断強度TBを測定した。得られた値より、式(5)中のTB×EB値を算出した。
<ゴム硬度Hs測定>
JIS K6253に準拠し、デュロメータータイプAを用いて、各試験用加硫ゴムシートおよび樹脂シートの温度23℃でのゴム硬度Hsを測定した。
<操縦安定性試験>
各試験用タイヤを国産FF2000ccの全輪に装着してテストコースを実車走行し、蛇行運転をした際の試験開始直後と開始30分後の操縦安定性をドライバーの官能評価により評価した。前記評価を総合的に、比較例1の操縦安定性を100点として相対評価を行った。点数が高いほど操縦安定性に優れることを示す。
<タイヤ耐久性試験>
各試験用タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、空気圧150kPa、荷重6.96kNの試験条件下で、室温(38℃)にて、φ1707mmドラム上で、速度80km/hで走行させた。インナーライナー内側の割れ、はがれに由来する空気漏れ、概観サイドウォールに膨れの発生があれば停止させた。その膨れの発生までの距離を測定し、タイヤの耐久性を下記の評価基準で評価した。○以上を性能目標とする。
○:3万km以上走行してもサイドウォールに膨れが発生しなかった
△:走行距離1万km以上3万km未満でサイドウォールに膨れが発生した
×:走行距離1万km未満でサイドウォールに膨れが発生した
<タイヤ空気保持性>
各試験用タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、初期空気圧300kPaを封入して90日間室温で放置した。その後、空気圧の低下率(%)を測定し、1月当たりの空気圧の低下率(%/月)を算出した。タイヤの空気保持性を下記の評価基準で評価した。○以上を性能目標とする。
◎:4%/月 以下
○:4%/月 を超え、5%/月 以下
×:5%/月 を超える
<低燃費性指数>
転がり抵抗試験機を用い、各試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1を100として指数表示した。低燃費性指数が大きいほど低燃費性が良好であることを示す。
Figure 0006185451
Figure 0006185451
表1および2の結果より、ゴム成分および添加剤を含有し、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%にて測定した動的弾性率E*(MPa)および損失正接tanδが、所定の式を満たし、空気透過係数が所定の範囲であり、JIS K6251に準じて測定した破断強度TB(MPa)および破断時伸びEB(%)が、所定の式を満たすゴム組成物で構成されるインナーライナーを備えるタイヤは、耐空気透過性およびタイヤ耐久性を維持しながら、操縦安定性、低燃費性および物性バランスに優れることがわかる。

Claims (7)

  1. ゴム成分および添加剤を含有し、
    温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%にて測定した動的弾性率E*(MPa)および損失正接tanδが、下記式(1)〜(3)を満たし、
    空気透過係数が、12.00×10-14cm3・cm/(cm2・s・Pa)以下であり、
    JIS K6251に準じて測定した破断強度TB(MPa)および破断時伸びEB(%)が、下記式(4)および(5)を満たす
    インナーライナー用ゴム組成物で構成されるインナーライナーを備えるタイヤであって、
    前記添加剤がアロマオイルおよびミネラルオイルを実質的に含有せず、
    前記添加剤がカーボンブラックを含み、前記カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量が1〜15質量部であるタイヤ
    式(1) E*/tanδ>17
    式(2) 2.5<E*<5
    式(3) tanδ<0.15
    式(4) EB>450
    式(5) TB×EB>10000
  2. 前記ゴム組成物のJIS K6253のタイプA法に準じて測定した23℃でのゴム硬度Hsが60以下である請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記添加剤がシリカを含有する請求項1または2記載のタイヤ。
  4. 前記添加剤がn種(nは2以上の整数)のシリカを含有し、
    前記シリカの含有量およびBET比表面積が、下記式(6)および(7)を満たす、請求項1または2記載のタイヤ。
    式(6) 10<X1+X2+・・・+Xn<40
    式(7) 0.20<X1/Y1+X2/Y2+・・・+Xn/Yn<0.30
    (式中、X1、X2、・・・Xnは各シリカのゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)、Y1、Y2、・・・Ynは各シリカのBET比表面積(m2/g)を示す。)
  5. 前記ゴム成分がブチル系ゴムを実質的に含有しない請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ。
  6. 前記ゴム成分が主鎖にシリカとの親和性を有する官能基を有するジエン系ゴムを50質量%以上含む請求項1〜のいずれか1項に記載のタイヤ。
  7. 前記添加剤がベンゾチアゾリルスルフェンイミドを含有する請求項1〜のいずれか1項に記載のタイヤ。
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