JP6184697B2 - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェハーや液晶表示装置用ガラス基板等の薄板状の精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置および熱処理方法に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物の元素をイオン化させて高加速電圧でシリコンの半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。
そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置として、特許文献1,2には、フラッシュランプの発光回路に絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を接続し、フラッシュランプの発光を制御するものが開示されている。特許文献1,2に開示の装置においては、IGBTのゲートに所定のパルス信号を出力することによってフラッシュランプに流れる電流の波形を規定してランプ発光を制御し、半導体ウェハーの表面温度プロファイルを調整することができる。
特開2009−070948号公報 特開2009−099758号公報
特許文献1,2に開示される装置においては、30本のフラッシュランプに対して1対1で30個のIGBTを設け、それら30個のIGBTに共通のパルス信号を出力している。従って、30本のフラッシュランプには同一の波形にて電流が流れ、30本のフラッシュランプは同様の発光を行うこととなる。
しかし、複数本のフラッシュランプが同様の発光を行ったとしても、実際のフラッシュランプアニール装置においては、装置構成上の問題によって照度が不均一となり、その結果フラッシュ光照射時の半導体ウェハーの面内温度分布も不均一になるという問題が生じていた。一般的には、半導体ウェハーWの中央部近傍よりも周縁部の温度が低くなる傾向が認められる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュ加熱時における基板の面内温度分布を均一にすることができる熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板にフラッシュ光を照射する複数のフラッシュランプと、前記複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに流れる電流の波形を規定する複数のスイッチング素子と、前記複数のスイッチング素子の動作を個別に制御して前記複数のフラッシュランプの発光パターンを個別に規定する発光制御手段と、を備え、前記複数のフラッシュランプは複数のフラッシュランプ群に分割され、前記発光制御手段は、前記複数のフラッシュランプ群毎に発光パターンを規定するとともに、前記複数のフラッシュランプ群のうち前記複数のフラッシュランプの配列における端部のフラッシュランプ群に対応するスイッチング素子に出力するパルス信号のオン時間を相対的に長くして前記端部のフラッシュランプ群の発光強度を中央部のフラッシュランプ群の発光強度よりも強くすることを特徴とする。
た、請求項の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記保持手段に保持された基板の表面の異なる領域の温度を測定する複数の温度センサーをさらに備え、前記発光制御手段は、前記複数の温度センサーの測定結果に基づいて前記複数のスイッチング素子の動作を制御することを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項の発明に係る熱処理装置において、前記複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに電荷を供給する複数のコンデンサと、前記複数のコンデンサに1対1で対応して設けられ、前記複数のコンデンサに対して個別の電圧にて充電する複数のチャージ部と、をさらに備え、前記発光制御手段は、前記複数の温度センサーの測定結果に基づいて前記複数のチャージ部の充電電圧を個別に制御することを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記複数のフラッシュランプの配列の異なる領域の照度を測定する複数の照度センサーをさらに備え、前記発光制御手段は、前記複数の照度センサーの測定結果に基づいて前記複数のスイッチング素子の動作を制御することを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項の発明に係る熱処理装置において、前記複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに電荷を供給する複数のコンデンサと、前記複数のコンデンサに1対1で対応して設けられ、前記複数のコンデンサに対して個別の電圧にて充電する複数のチャージ部と、をさらに備え、前記発光制御手段は、前記複数の照度センサーの測定結果に基づいて前記複数のチャージ部の充電電圧を個別に制御することを特徴とする。
また、請求項の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、フラッシュ光を照射する複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに流れる電流の波形を規定する複数のスイッチング素子の動作を個別に制御して前記複数のフラッシュランプの発光パターンを個別に規定し、前記複数のフラッシュランプは複数のフラッシュランプ群に分割され、前記複数のフラッシュランプ群毎に発光パターンを規定するとともに、前記複数のフラッシュランプ群のうち前記複数のフラッシュランプの配列における端部のフラッシュランプ群に対応するスイッチング素子に出力するパルス信号のオン時間を相対的に長くして前記端部のフラッシュランプ群の発光強度を中央部のフラッシュランプ群の発光強度よりも強くすることを特徴とする。
た、請求項の発明は、請求項6の発明に係る熱処理方法において、フラッシュ光が照射された基板の表面の異なる領域の温度測定結果に基づいて前記複数のスイッチング素子の動作を制御することを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項の発明に係る熱処理方法において、前記複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに電荷を供給する複数のコンデンサに対する充電電圧を前記温度測定結果に基づいて個別に制御することを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項6の発明に係る熱処理方法において、前記複数のフラッシュランプの配列の異なる領域の照度測定結果に基づいて前記複数のスイッチング素子の動作を制御することを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項の発明に係る熱処理方法において、前記複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに電荷を供給する複数のコンデンサに対する充電電圧を前記照度測定結果に基づいて個別に制御することを特徴とする。
請求項1から請求項の発明によれば、複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられた複数のスイッチング素子の動作を個別に制御して複数のフラッシュランプの発光パターンを個別に規定するため、照度不足の領域に対応するフラッシュランプの照度を相対的に高めてフラッシュ加熱時における基板の面内温度分布を均一にすることができる。
特に、請求項の発明によれば、基板の表面の異なる領域の温度を測定する複数の温度センサーの測定結果に基づいて複数のスイッチング素子の動作を制御するため、温度低下が生じる基板の領域に対するフラッシュ光の照度を相対的に高めてフラッシュ加熱時における基板の面内温度分布を均一にすることができる。
特に、請求項の発明によれば、複数のフラッシュランプの配列の異なる領域の照度を測定する複数の照度センサーの測定結果に基づいて複数のスイッチング素子の動作を制御するため、照度の低い配列領域からのフラッシュ光の照度を相対的に高めてフラッシュ加熱時における基板の面内温度分布を均一にすることができる。
また、請求項から請求項10の発明によれば、複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられた複数のスイッチング素子の動作を個別に制御して複数のフラッシュランプの発光パターンを個別に規定するため、照度不足の領域に対応するフラッシュランプの照度を相対的に高めてフラッシュ加熱時における基板の面内温度分布を均一にすることができる。
特に、請求項の発明によれば、フラッシュ光が照射された基板の表面の異なる領域の温度測定結果に基づいて複数のスイッチング素子の動作を制御するため、温度低下が生じる基板の領域に対するフラッシュ光の照度を相対的に高めてフラッシュ加熱時における基板の面内温度分布を均一にすることができる。
特に、請求項の発明によれば、複数のフラッシュランプの配列の異なる領域の照度測定結果に基づいて複数のスイッチング素子の動作を制御するため、照度の低い配列領域からのフラッシュ光の照度を相対的に高めてフラッシュ加熱時における基板の面内温度分布を均一にすることができる。
本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 保持部の全体外観を示す斜視図である。 保持部を上面から見た平面図である。 保持部を側方から見た側面図である。 移載機構の平面図である。 移載機構の側面図である。 複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。 フラッシュランプの発光回路を示す図である。 半導体ウェハーの表面温度の変化を示す図である。 複数のフラッシュランプに流れる電流波形の一例を示す図である。 複数のフラッシュランプに図10の波形の電流が流れたときの半導体ウェハーの表面温度の変化を示す図である。 複数のフラッシュランプに流れる電流波形の他の例を示す図である。 複数のフラッシュランプに図12の波形の電流が流れたときの半導体ウェハーの表面温度の変化を示す図である。 複数のフラッシュランプを複数のフラッシュランプ群に分割した例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。本実施形態の熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである。熱処理装置1に搬入される前の半導体ウェハーWには不純物が注入されており、熱処理装置1による加熱処理によって注入された不純物の活性化処理が実行される。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。
チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。また、反射リング68,69の内周面は電解ニッケルメッキによって鏡面とされている。
また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガス(本実施形態では窒素ガス(N))を供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は窒素ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、窒素ガス供給源85から緩衝空間82に窒素ガスが送給される。緩衝空間82に流入した窒素ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。
一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、窒素ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場のユーティリティであっても良い。
また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。
図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。また、図3は保持部7を上面から見た平面図であり、図4は保持部7を側方から見た側面図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプター74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプター74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。
基台リング71は円環形状の石英部材である。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。円環形状を有する基台リング71の上面に、その周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。なお、基台リング71の形状は、円環形状から一部が欠落した円弧状であっても良い。
平板状のサセプター74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。サセプター74は石英にて形成された略円形の平板状部材である。サセプター74の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、サセプター74は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。サセプター74の上面には複数個(本実施形態では5個)のガイドピン76が立設されている。5個のガイドピン76はサセプター74の外周円と同心円の周上に沿って設けられている。5個のガイドピン76を配置した円の径は半導体ウェハーWの径よりも若干大きい。各ガイドピン76も石英にて形成されている。なお、ガイドピン76は、サセプター74と一体に石英のインゴットから加工するようにしても良いし、別途に加工したものをサセプター74に溶接等によって取り付けるようにしても良い。
基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプター74の周縁部の下面とが溶接によって固着される。すなわち、サセプター74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されており、保持部7は石英の一体成形部材となる。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、略円板形状のサセプター74は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプター74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。半導体ウェハーWは、5個のガイドピン76によって形成される円の内側に載置されることにより、水平方向の位置ずれが防止される。なお、ガイドピン76の個数は5個に限定されるものではなく、半導体ウェハーWの位置ずれを防止できる数であれば良い。
また、図2および図3に示すように、サセプター74には、上下に貫通して開口部78および切り欠き部77が形成されている。切り欠き部77は、熱電対を使用した接触式温度計130のプローブ先端部を通すために設けられている。一方、開口部78は、放射温度計120がサセプター74に保持された半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。さらに、サセプター74には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5の実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプター74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプター74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
図1に戻り、チャンバー6内には2つの放射温度計140,150が設けられている。上記の放射温度計120(図2)が半導体ウェハーWの下面の温度を測定するのに対して、放射温度計140,150は半導体ウェハーWの上面の温度を測定する温度センサーである。放射温度計140,150は、保持部7のサセプター74よりも上方に設置されている。また、放射温度計140,150は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射の障害とならないように、保持部7に保持される半導体ウェハーWの斜め上方に設置されている。放射温度計140,150は、凹部62の内側に設けられていても良い。
放射温度計140,150は、高速で応答する赤外光検出素子を備えている。放射温度計140,150の赤外光検出素子の測定波長域は、上側チャンバー窓63および下側チャンバー窓64を構成する材質(本実施形態では石英)が透過しない波長域であることが好ましい。放射温度計140,150は、保持部7に保持される半導体ウェハーWの上面から放射される赤外光を受光し、その強度(エネルギー量)からウェハー上面の温度を測定する。
放射温度計140と放射温度計150とは、半導体ウェハーWの上面における測定領域が異なる。放射温度計140は、保持部7に保持された半導体ウェハーWの周縁部から放射される赤外光を検出して当該周縁部の温度を測定する。一方、放射温度計150は、保持部7に保持された半導体ウェハーWの中央部近傍から放射される赤外光を検出して当該中央部近傍の温度を測定する。なお、半導体ウェハーWの上面温度を測定する放射温度計は2つに限定されるものではなく、3つ以上であっても良い。例えば、放射温度計140,150に加えて、半導体ウェハーWの周縁部と中央部との間の中間領域の温度を測定する放射温度計を設けるようにしても良いし、放射温度計140とは異なる周縁部を測定する放射温度計を設けるようにしても良い。すなわち、保持部7に保持された半導体ウェハーWの上面の異なる領域の温度を測定する少なくとも2個以上の放射温度計を設ける形態であれば良い。
チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
図8は、フラッシュランプFLの発光回路を示す図である。同図に示すように、1本のフラッシュランプFLに、コンデンサ93、コイル94およびスイッチング素子96がそれぞれ1個ずつ直列に接続されている。スイッチング素子96としては、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)が用いられる。また、図8に示すように、制御部3は、パルス発生器31および波形設定部32を備えるとともに、入力部33に接続されている。入力部33としては、キーボード、マウス、タッチパネル等の種々の公知の入力機器を採用することができる。波形設定部32は、入力部33からの入力内容に基づいて、或いは制御部3の演算処理結果等に基づいてパルス信号の波形を設定する。パルス発生器31は、波形設定部32が設定した波形に従ってパルス信号を発生する。
フラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部に陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)92と、該ガラス管92の外周面上に付設されたトリガー電極91とを備える。トリガー電極91にはトリガー回路97から高電圧を印加することができる。トリガー回路97がトリガー電極91に電圧を印加するタイミングは制御部3によって制御される。
また、フラッシュランプFLの発光回路において、コンデンサ93と並列に充電ユニット(チャージ部)95が設けられている。コンデンサ93には、充電ユニット95によって所定の電圧が印加され、その印加電圧(充電電圧)に応じた電荷が充電される。充電ユニット95がコンデンサ93に印加する充電電圧は制御部3によって制御される。
スイッチング素子96として用いられるIGBTは、ゲート部にMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field effect transistor)を組み込んだバイポーラトランジスタであり、大電力を取り扱うのに適している。スイッチング素子96であるIGBTのゲートには制御部3のパルス発生器31からパルス信号が印加される。スイッチング素子96のゲートに所定値以上の電圧(Highの電圧)が印加されるとスイッチング素子96がオン状態となり、所定値未満の電圧(Lowの電圧)が印加されるとスイッチング素子96がオフ状態となる。このようにして、フラッシュランプFLを含む発光回路はスイッチング素子96によってオンオフされる。スイッチング素子96がオンオフすることによってフラッシュランプFLと対応するコンデンサ93との接続が断続される。
コンデンサ93が充電された状態でスイッチング素子96がオン状態となってガラス管92の両端電極に高電圧が印加されたとしても、キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、通常の状態ではガラス管92内に電気は流れない。しかしながら、トリガー回路97がトリガー電極91に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には両端電極間の放電によってガラス管92内に電流が瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。
図8に示す発光回路は、30本のフラッシュランプFLのそれぞれに設けられている。すなわち、30本のフラッシュランプFLに1対1で対応して30個のスイッチング素子96、30個のコンデンサ93、30個のコイル94が設けられている。また、30個のコンデンサ93に1対1で対応して30個の充電ユニット95が設けられている。
また、図1のリフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射された光を保持部7の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
リフレクタ52の上面(フラッシュランプFLが設けられるのとは反対側の面)には2つの照度センサー240,250が設けられている。照度センサー240,250が設置されているリフレクタ52の箇所には小孔が穿設されている。照度センサー240,250は、リフレクタ52の上記小孔を介してフラッシュランプFLから出射された光を受光する。照度センサー240,250は、高速で応答する例えばフォトダイオードを備えており、フラッシュランプFLから出射される光の照度を測定する。
照度センサー240と照度センサー250とでは、30本のフラッシュランプFLの配列における照度測定領域が異なる。照度センサー240は、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍の上方に設けられており、その端部近傍のフラッシュ光の照度を測定する。一方、照度センサー250は、30本のフラッシュランプFLの配列における中央部近傍の上方に設けられており、その中央部近傍にフラッシュ光の照度を測定する。なお、照度センサーは2つに限定されるものではなく、3つ以上設けるようにしても良い。例えば、照度センサー240,250に加えて、30本のフラッシュランプFLの配列における端部と中央部との中間領域の照度を測定する照度センサーを設けるようにしても良い。すなわち、複数のフラッシュランプFLの配列における異なる領域の照度を測定する少なくとも2個以上の照度センサーを設ける形態であれば良い。
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4の内部には複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLが内蔵されている。複数のハロゲンランプHLはチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行う。図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。本実施形態では、上下2段に各20本ずつのハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも端部側の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段の各ハロゲンランプHLの長手方向と下段の各ハロゲンランプHLの長手方向とが直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。
また、制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えて構成される。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。また、図8に示したように、制御部3は、パルス発生器31および波形設定部32を備える。上述のように、制御部3の波形設定部32がパルス信号の波形を設定し、それに従ってパルス発生器31がスイッチング素子96のゲートにパルス信号を出力する。さらに、制御部3は、充電ユニット95がコンデンサ93に印加する充電電圧を制御する。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が導入されたシリコンの半導体基板である。その導入された不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89,192が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される。バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、バルブ89が開放されると、ガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。
また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からもチャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。なお、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスが熱処理空間65に継続的に供給されており、その供給量は処理工程に応じて適宜変更される。
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介してイオン注入後の半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプター74の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。
半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプター74に受け渡されて水平姿勢に保持される。半導体ウェハーWは、イオン注入がなされた表面を上面としてサセプター74に保持される。また、半導体ウェハーWは、サセプター74の上面にて5個のガイドピン76の内側に保持される。サセプター74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。
半導体ウェハーWが保持部7のサセプター74に載置されて保持された後、ハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプター74を透過して半導体ウェハーWの裏面から照射される。半導体ウェハーWの裏面とは、イオン注入がなされた表面とは反対側の主面である。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWの温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。
図9は、半導体ウェハーWの表面温度の変化を示す図である。半導体ウェハーWが搬入されてサセプター74に載置された後、制御部3が時刻t0に40本のハロゲンランプHLを点灯させてハロゲン光照射によって半導体ウェハーWを800℃以下の予備加熱温度T1(本実施形態では500℃)にまで昇温している。
ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が接触式温度計130によって測定されている。すなわち、熱電対を内蔵する接触式温度計130がサセプター74に保持された半導体ウェハーWの下面に切り欠き部77を介して接触して昇温中のウェハー温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、接触式温度計130による測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御している。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、接触式温度計130によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時刻t1にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を制御して半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。
このようなハロゲンランプHLによる予備加熱を行うことによって、半導体ウェハーWの全体を予備加熱温度T1に均一に昇温している。ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっている。このため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一なものとすることができる。さらに、チャンバー側部61に装着された反射リング69の内周面は鏡面とされているため、この反射リング69の内周面によって半導体ウェハーWの周縁部に向けて反射する光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布をより均一なものとすることができる。
次に、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時刻t2にフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射することによるフラッシュ加熱処理を実行する。なお、半導体ウェハーWの温度が室温から予備加熱温度T1に到達するまでの時間(時刻t0から時刻t1までの時間)および予備加熱温度T1に到達してからフラッシュランプFLが発光するまでの時間(時刻t1から時刻t2までの時間)はいずれも数秒程度である。フラッシュランプFLがフラッシュ光照射を行うに際しては、予め充電ユニット95によってコンデンサ93に電荷を蓄積しておく。そして、コンデンサ93に電荷が蓄積された状態にて、制御部3のパルス発生器31からスイッチング素子96にパルス信号を出力してスイッチング素子96をオンオフ駆動する。
パルス信号の波形は、パルス幅の時間(オン時間)とパルス間隔の時間(オフ時間)とをパラメータとして順次設定したレシピを入力部33から入力することによって規定することができる。このようなレシピをオペレータが入力部33から制御部3に入力すると、それに従って制御部3の波形設定部32はオンオフを繰り返すパルス波形を設定する。そして、波形設定部32によって設定されたパルス波形に従ってパルス発生器31がパルス信号を出力する。その結果、スイッチング素子96のゲートには設定された波形のパルス信号が印加され、スイッチング素子96のオンオフ駆動が制御されることとなる。具体的には、スイッチング素子96のゲートに入力されるパルス信号がオンのときにはスイッチング素子96がオン状態となり、パルス信号がオフのときにはスイッチング素子96がオフ状態となる。
また、パルス発生器31から出力するパルス信号がオンになるタイミングと同期して制御部3がトリガー回路97を制御してトリガー電極91に高電圧(トリガー電圧)を印加する。コンデンサ93に電荷が蓄積された状態にてスイッチング素子96のゲートにパルス信号が入力され、かつ、そのパルス信号がオンになるタイミングと同期してトリガー電極91に高電圧が印加されることにより、パルス信号がオンのときにはガラス管92内の両端電極間で必ず電流が流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。
このようにしてフラッシュランプFLが時刻t2に発光し、保持部7に保持された半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光が照射される。スイッチング素子96を使用することなくフラッシュランプFLを発光させた場合には、コンデンサ93に蓄積されていた電荷が1回の発光で消費され、フラッシュランプFLからの出力波形は幅が0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度のシングルパルスとなる。これに対して、本実施の形態では、回路中にスイッチング素子96を接続してそのゲートにパルス信号を出力することにより、コンデンサ93からフラッシュランプFLへの電荷の供給をスイッチング素子96によって断続してフラッシュランプFLに流れる電流を制御している。その結果、いわばフラッシュランプFLの発光がチョッパ制御されることとなり、コンデンサ93に蓄積された電荷が分割して消費され、極めて短い時間の間にフラッシュランプFLが点滅を繰り返す。なお、回路を流れる電流値が完全に”0”になる前に次のパルスがスイッチング素子96のゲートに印加されて電流値が再度増加するため、フラッシュランプFLが点滅を繰り返している間も発光出力が完全に”0”になるものではない。従って、スイッチング素子96によってフラッシュランプFLへの電荷の供給を断続することにより、フラッシュランプFLに流れる電流の波形を自在に規定することができる。その結果、フラッシュランプFLの発光パターンを自在に規定することができ、発光時間および発光強度を自由に調整することができる。もっとも、フラッシュランプFLの発光時間は長くても1秒以下である。
第1実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えており、30本のフラッシュランプFLに1対1で対応して30個のスイッチング素子96を設けている。そして、制御部3の波形設定部32は30個のスイッチング素子96のそれぞれについて個別にパルス波形を設定し、パルス発生器31は30個のスイッチング素子96に対して個別にパルス信号を出力する。すなわち、30個のスイッチング素子96に入力されるパルス信号は相互に独立しており、30個のスイッチング素子96に対して同一波形のパルス信号が同じタイミングで入力されても良いし、相互に異なる波形のパルス信号が入力されても良い。その結果、30個のスイッチング素子96の動作は個別に独立して制御されることとなり、30本のフラッシュランプFLの発光パターンも個別に規定される。
図10は、30個のスイッチング素子96に同一波形のパルス信号が同じタイミングで入力された場合における各フラッシュランプFLに流れる電流波形の一例を示す図である。スイッチング素子96のゲートに入力されるパルス信号の波形に従ってスイッチング素子96の動作がオンオフ駆動され、そのスイッチング素子96に対応するフラッシュランプFLに流れる電流の波形が規定される。スイッチング素子96に入力するパルス信号の波形を適宜に設定(具体的には、パルス数、各パルスのオン時間、パルス間隔の時間を設定)することによって、図10に示すような電流波形を規定することができる。図10に示す例では、30個のスイッチング素子96に同一波形のパルス信号が同じタイミングで入力されるため、30本のフラッシュランプFLに流れる電流の波形も同一となる。
図11は、30本のフラッシュランプFLに図10の波形の電流が流れて発光したときの半導体ウェハーWの表面温度の変化を示す図である。同図において、実線は半導体ウェハーWの表面中央部の温度を示し、点線は半導体ウェハーWの表面周縁部の温度を示す。なお、図10および図11における時刻の単位はミリ秒であるのに対して図9における時刻の単位は秒であるため、図11の温度変化は図9の時刻t2にて瞬間的に生じるものである(換言すれば、図11は図9の時刻t2の近傍を拡大したものである)。
フラッシュランプFLに流れる電流の波形と、その電流が流れたときのフラッシュランプFLの発光パターンは概ね類似のものとなる。すなわち、図10に示すような波形の電流がフラッシュランプFLに流れることにより、フラッシュランプFLの発光パターンも図10に示すようなものとなる。そして、そのような発光パターンにて発光するフラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によって半導体ウェハーWの表面が加熱される。図10に示すような波形の電流がフラッシュランプFLに流れることにより、半導体ウェハーWの表面温度は予備加熱温度T1から処理温度T2にまで昇温された後、その処理温度T2に暫時維持され、さらにその後処理温度T2からの降温を開始する。処理温度T2は、不純物の活性化を実行することができる1000℃〜1200℃であり、本実施形態では1000℃としている。
ここで、30個のスイッチング素子96に同一波形のパルス信号を同じタイミングで入力し、30本のフラッシュランプFLに流れる電流の波形も同一とした場合には、図11に示すように、半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部の温度よりも低くなることがある。このように、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの面内温度分布が不均一であると、この半導体ウェハーWから製造されるトランジスタ等のデバイスの特性にバラツキが生じることとなる。
このため、第1実施形態においては、30本のフラッシュランプFLに流れる電流の波形を同一とした場合における半導体ウェハーWの面内温度分布を測定し、その測定結果に基づいて30個のスイッチング素子96の動作を制御している。また、当該測定結果に基づいて充電ユニット95がコンデンサ93に印加する充電電圧を制御している。
面内温度分布の測定結果に基づく30個のスイッチング素子96の動作制御の態様には以下に説明するような3通りがあり得る。まず、第1の態様としては、面内温度分布の測定結果に基づいて、制御部3が30個のスイッチング素子96のそれぞれに出力するパルス信号の波形を自動設定するというものである。具体的には、例えば試験用の半導体ウェハーWに対して上記のように30本のフラッシュランプFLに流れる電流の波形を同一としてフラッシュ光照射を行い、そのときの半導体ウェハーWの表面温度を放射温度計140および放射温度計150によって測定する。放射温度計140は、フラッシュ加熱される半導体ウェハーWの周縁部の温度を測定する。一方の放射温度計150は、フラッシュ加熱される半導体ウェハーWの中央部の温度を測定する。放射温度計140および放射温度計150の測定結果は制御部3の記憶部(メモリまたは磁気ディスク)に格納される。
制御部3の波形設定部32は、放射温度計140および放射温度計150の測定結果に基づいて30個のスイッチング素子96のそれぞれに出力するパルス信号の波形を設定する。図11に示すように、半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部の温度よりも低くなった場合、つまり放射温度計140の測定結果が放射温度計150の測定結果よりも低くなった場合には、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力するパルス信号のオン時間が相対的に長くなるように設定される。すなわち、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力するパルス信号のオン時間が当該配列における中央部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力するパルス信号のオン時間よりも長くなるように波形設定部32が各スイッチング素子96に出力するパルス信号の波形を設定するのである。
このようにして個別に波形設定したパルス信号を30個のスイッチング素子96のそれぞれに入力することにより、30本のフラッシュランプFLに流れる電流波形は図12に示すようなものとなる。同図において、実線は30本のフラッシュランプFLの配列における中央部近傍のフラッシュランプFLに流れる電流波形を示し、点線は端部近傍のフラッシュランプFLに流れる電流波形を示す。上記のようにして30個のスイッチング素子96に入力するパルス信号の波形を異なるものとした結果、図12に示すように、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに流れる電流が中央部近傍のフラッシュランプFLに流れる電流よりも大きくなる。従って、当該端部近傍のフラッシュランプFLの発光強度が中央部近傍のフラッシュランプFLの発光強度よりも強くなる。
図13は、30本のフラッシュランプFLに図12の波形の電流が流れて発光したときの半導体ウェハーWの表面温度の変化を示す図である。図12に示すような波形の電流がフラッシュランプFLに流れることにより、フラッシュランプFLの発光パターンも図12に示すようなものとなる。但し、フラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLの方が中央部近傍のフラッシュランプFLよりも発光強度が強い。そして、そのような発光パターンにて発光する30本のフラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によって半導体ウェハーWの表面が加熱される。図12に示すような波形の電流がフラッシュランプFLに流れることにより、半導体ウェハーWの表面温度は予備加熱温度T1から処理温度T2にまで昇温された後、その処理温度T2に暫時維持され、さらにその後処理温度T2からの降温を開始する。
図13に示す例では、フラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLの方が中央部近傍のフラッシュランプFLよりも発光強度が強いため、温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部における照度が高くなり、その結果としてフラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの面内温度分布が均一となっている。フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの面内温度分布が均一であれば、この半導体ウェハーWから製造されるデバイスの特性も均一となる。
次に、スイッチング素子96の動作制御の第2の態様は、面内温度分布の測定結果に基づいて、装置のオペレータが30個のスイッチング素子96のそれぞれに出力するパルス信号の波形を手動で設定するというものである。この場合も、第1の態様と同様に、例えば試験用の半導体ウェハーWに対して上記のように30本のフラッシュランプFLに流れる電流の波形を同一としてフラッシュ光照射を行い、そのときの半導体ウェハーWの表面温度を放射温度計140および放射温度計150によって測定する。放射温度計140は、フラッシュ加熱される半導体ウェハーWの周縁部の温度を測定し、放射温度計150は、その半導体ウェハーWの中央部の温度を測定する。放射温度計140および放射温度計150の測定結果は、例えば熱処理装置1の表示部(図示省略)等に表示される。
オペレータは、放射温度計140および放射温度計150の測定結果に基づいて30個のスイッチング素子96のそれぞれに出力するパルス信号の波形を設定する。このときの波形設定内容自体は上記の第1の態様と同様である。すなわち、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力するパルス信号のオン時間が当該配列における中央部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力するパルス信号のオン時間よりも長くなるように各スイッチング素子96に出力するパルス信号の波形が設定される。
オペレータが設定したパルス信号の波形のパラメータは入力部33から制御部3に入力される。そして、その入力内容に従って波形設定部32がパルス波形を設定することにより、第1の態様と同様に、30本のフラッシュランプFLに図12の波形の電流を流すことができ、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。
そして、スイッチング素子96の動作制御の第3の態様は、面内温度分布の測定結果に基づいて、制御部3が30個のスイッチング素子96のそれぞれをリアルタイムにフィードバック制御するというものである。この場合、処理対象となる半導体ウェハーWに対して30本のフラッシュランプFLからフラッシュ光照射を行いつつ、そのときの半導体ウェハーWの表面温度を放射温度計140および放射温度計150によって測定する。放射温度計140は、フラッシュ加熱される半導体ウェハーWの周縁部の温度を測定する。一方の放射温度計150は、フラッシュ加熱される半導体ウェハーWの中央部の温度を測定する。放射温度計140および放射温度計150の測定結果は制御部3に伝達される。
制御部3は、放射温度計140および放射温度計150の測定結果に基づいて30個のスイッチング素子96のそれぞれに出力中のパルス信号の波形に修正を加える。半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部の温度よりも低くなっている場合には、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力中のパルス信号のオン時間が相対的に長くなるように制御部3がパルス信号の波形を修正する。具体的には、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力中のパルス信号のオン時間を長くする、または、当該配列における中央部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力中のパルス信号のオン時間を短くする。
これにより、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに流れる電流が中央部近傍のフラッシュランプFLに流れる電流よりも相対的に大きくなり、当該端部近傍のフラッシュランプFLの発光強度が中央部近傍のフラッシュランプFLの発光強度よりも強くなる。その結果、温度低下が生じていた半導体ウェハーWの周縁部に対するフラッシュ光の照度が高くなり、フラッシュ加熱時における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。
但し、第3の態様においては、フラッシュランプFLの発光時間が極めて短い(1秒以下であり、一般には数ミリ秒〜数十ミリ秒)ため、制御部3の処理速度によっては演算処理が上記の修正処理に追随できないことも想定される。このような場合は、スイッチング素子96に出力するパルス信号の波形のパターンを予め複数準備しておいて制御部3の記憶部に格納しておく。昇温用の波形パターン、温度維持用の波形パターンなどを準備しておくのが望ましい。そして、複数パターン用意されているパルス信号の波形から放射温度計140および放射温度計150の測定結果に基づいて制御部3が最適な波形を選択するようにしても良い。このようにすれば、より短い演算処理時間で制御部3が30個のスイッチング素子96をリアルタイムにフィードバック制御することができる。
また、第1実施形態においては、半導体ウェハーWの面内温度分布の測定結果に基づいて充電ユニット95によってコンデンサ93に印加する充電電圧を制御部3が制御している。充電電圧の制御の態様にも以下に説明するような2通りがあり得る。第1の態様としては、面内温度分布の測定結果に基づいて、制御部3が30個のコンデンサ93のそれぞれの充電電圧を自動設定するというものである。上記と同様に、例えば試験用の半導体ウェハーWに対して上記のように30本のフラッシュランプFLに流れる電流の波形を同一としてフラッシュ光照射を行い、そのときの半導体ウェハーWの表面温度を放射温度計140および放射温度計150によって測定する。放射温度計140は、フラッシュ加熱される半導体ウェハーWの周縁部の温度を測定する。一方の放射温度計150は、フラッシュ加熱される半導体ウェハーWの中央部の温度を測定する。放射温度計140および放射温度計150の測定結果は制御部3の記憶部に格納される。
制御部3は、放射温度計140および放射温度計150の測定結果に基づいて30個のコンデンサ93への充電電圧を設定する。図11に示すように、半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部の温度よりも低くなった場合、つまり放射温度計140の測定結果が放射温度計150の測定結果よりも低くなった場合には、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに対応するコンデンサ93の充電電圧が相対的に高くなるように設定される。すなわち、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに対応するコンデンサ93の充電電圧が当該配列における中央部近傍のフラッシュランプFLに対応するコンデンサ93の充電電圧よりも高くなうように制御部3が各コンデンサ93についての充電電圧を設定する。
このようにして個別に設定した充電電圧にて30個のコンデンサ93に充電するように制御部3が30個の充電ユニット95を制御する。上記のようにして30個のコンデンサ93への充電電圧を異なるものとした結果、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLの発光強度が中央部近傍のフラッシュランプFLの発光強度よりも強くなる。その結果、温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に対するフラッシュ光の照度が高くなり、フラッシュ加熱時における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。
また、充電電圧制御の第2の態様は、面内温度分布の測定結果に基づいて、充電ユニット95がコンデンサ93に印加する充電電圧を装置のオペレータが手動で設定するというものである。この場合も、第1の態様と同様に、例えば試験用の半導体ウェハーWに対して上記のように30本のフラッシュランプFLに流れる電流の波形を同一としてフラッシュ光照射を行い、そのときの半導体ウェハーWの表面温度を放射温度計140および放射温度計150によって測定する。放射温度計140は、フラッシュ加熱される半導体ウェハーWの周縁部の温度を測定し、放射温度計150は、その半導体ウェハーWの中央部の温度を測定する。放射温度計140および放射温度計150の測定結果は、例えば熱処理装置1の表示部等に表示される。
オペレータは、放射温度計140および放射温度計150の測定結果に基づいて30個のコンデンサ93への充電電圧を設定する。このときの電圧設定内容自体は上記の第1の態様と同様である。すなわち、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに対応するコンデンサ93の充電電圧が当該配列における中央部近傍のフラッシュランプFLに対応するコンデンサ93の充電電圧よりも高くなうようにオペレータが各コンデンサ93についての充電電圧を設定する。
オペレータが設定した充電電圧の設定値は入力部33から制御部3に入力される。そして、その入力内容に従って各コンデンサ93に充電するように制御部3が充電ユニット95を制御することにより、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLの発光強度が中央部近傍のフラッシュランプFLの発光強度よりも強くなる。その結果、温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に対するフラッシュ光の照度が高くなり、フラッシュ加熱時における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。
以上のように、第1実施形態においては、30本のフラッシュランプFLに1対1で対応して30個のスイッチング素子96を設け、制御部3が30個のスイッチング素子96の動作を個別に制御して30本のフラッシュランプFLの発光パターンを個別に規定している。第1実施形態では、放射温度計140および放射温度計150を設けて半導体ウェハーWの面内温度分布を測定し、その測定結果に基づいて制御部3が30個のスイッチング素子96の動作を個別に制御している。また、当該測定結果に基づいて充電ユニット95がコンデンサ93に印加する充電電圧を制御部3が個別に制御している。複数本のフラッシュランプFLの発光パターンおよびそれら複数本のフラッシュランプFLに対応する複数のコンデンサ93への充電電圧を個別に制御することにより、温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの領域に対するフラッシュ光の照度を相対的に高めてフラッシュ加熱時における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。
図9に戻り、フラッシュ光照射が終了してフラッシュランプFLの発光が停止した後、所定時間が経過した時刻t3にハロゲンランプHLが消灯する。これにより、半導体ウェハーWが予備加熱温度T1から降温を開始する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプター74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプター74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の熱処理装置の構成は第1実施形態と全く同じである。また、第2実施形態における半導体ウェハーWの処理手順についても概ね第1実施形態と同じである。第1実施形態では半導体ウェハーWの面内温度分布の測定結果に基づいてスイッチング素子96の動作およびコンデンサ93の充電電圧を制御していたが、第2実施形態では30本のフラッシュランプFLの配列の照度分布の測定結果に基づいて同様の制御を行っている。具体的には、照度センサー240および照度センサー250の測定結果に基づいて制御部3が30個のスイッチング素子96の動作を制御するとともに、充電ユニット95によるコンデンサ93の充電電圧を制御する。
照度分布の測定結果に基づく30個のスイッチング素子96の動作制御の態様にも第1実施形態と同様に3通りがあり得る。第1の態様は、照度分布の測定結果に基づいて、制御部3が30個のスイッチング素子96のそれぞれに出力するパルス信号の波形を自動設定するというものである。30本のフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射したときに、フラッシュランプFLの配列の照度を照度センサー240および照度センサー250によって測定する。照度センサー240は、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍の照度を測定する。一方の照度センサー250は、30本のフラッシュランプFLの配列における中央部近傍の照度を測定する。
制御部3の波形設定部32は、照度センサー240および照度センサー250の測定結果に基づいて30個のスイッチング素子96のそれぞれに出力するパルス信号の波形を設定する。フラッシュランプFLの配列の中央部の照度が端部の照度よりも低かった場合、つまり照度センサー250の測定結果が照度センサー240の測定結果よりも低かった場合、その配列における中央部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力するパルス信号のオン時間が相対的に長くなるように設定される。すなわち、30本のフラッシュランプFLの配列における中央部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力するパルス信号のオン時間が当該配列における端部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力するパルス信号のオン時間よりも長くなるように波形設定部32が各スイッチング素子96に出力するパルス信号の波形を設定するのである。
このようにすることによって、30本のフラッシュランプFLの配列面における照度分布が均一となり、その結果としてフラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの面内温度分布も均一とすることができる。
スイッチング素子96の動作制御の第2の態様は、照度分布の測定結果に基づいて、装置のオペレータが30個のスイッチング素子96のそれぞれに出力するパルス信号の波形を手動で設定するというものである。第1実施形態におけるスイッチング素子96の動作制御の第2の態様と同様に、制御部3に代わってオペレータが照度分布の測定結果に基づいてパルス信号の波形を設定するものであり、その波形設定内容自体は上記の第1の態様と同様である。
スイッチング素子96の動作制御の第3の態様は、照度分布の測定結果に基づいて、制御部3が30個のスイッチング素子96のそれぞれをリアルタイムにフィードバック制御するというものである。第1実施形態におけるスイッチング素子96の動作制御の第3の態様と同様に、照度センサー240および照度センサー250の測定結果に基づいて制御部3が30個のスイッチング素子96のそれぞれに出力中のパルス信号の波形に修正を加える。例えば、フラッシュランプFLの配列の中央部の照度が端部の照度よりも低くなっている場合、その配列における中央部近傍のフラッシュランプFLに対応するスイッチング素子96に出力中のパルス信号のオン時間が相対的に長くなるように制御部3がパルス信号の波形を修正する。これにより、30本のフラッシュランプFLの配列面における照度分布が均一となり、その結果としてフラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの面内温度分布も均一とすることができる。
また、第2実施形態においては、30本のフラッシュランプFLの配列の照度分布の測定結果に基づいて充電ユニット95によってコンデンサ93に印加する充電電圧を制御部3が制御している。充電電圧の制御の態様にも第1実施形態と同様に2通りがあり得る。第1の態様としては、照度分布の測定結果に基づいて、制御部3が30個のコンデンサ93のそれぞれの充電電圧を自動設定するというものである。上記と同様に、30本のフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射したときに、フラッシュランプFLの配列の照度を照度センサー240および照度センサー250によって測定する。
制御部3は、照度センサー240および照度センサー250の測定結果に基づいて30個のコンデンサ93への充電電圧を設定する。照度センサー240の測定結果が照度センサー250の測定結果よりも低くなった場合には、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに対応するコンデンサ93の充電電圧が相対的に高くなるように設定される。すなわち、30本のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLに対応するコンデンサ93の充電電圧が当該配列における中央部近傍のフラッシュランプFLに対応するコンデンサ93の充電電圧よりも高くなうように制御部3が各コンデンサ93についての充電電圧を設定する。
このようにして個別に設定した充電電圧にて30個のコンデンサ93に充電するように制御部3が30個の充電ユニット95を制御する。上記のようにして30個のコンデンサ93への充電電圧を異なるものとした結果、30本のフラッシュランプFLの配列面における照度分布が均一となり、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの面内温度分布も均一にすることができる。
また、充電電圧制御の第2の態様は、面内温度分布の測定結果に基づいて、充電ユニット95がコンデンサ93に印加する充電電圧を装置のオペレータが手動で設定するというものである。第1実施形態における充電電圧制御の第2の態様と同様に、制御部3に代わってオペレータが照度分布の測定結果に基づいて30個のコンデンサ93への充電電圧を設定するものであり、その電圧設定内容自体は上記の第1の態様と同様である。
以上のように、第2実施形態においても、30本のフラッシュランプFLに1対1で対応して30個のスイッチング素子96を設け、制御部3が30個のスイッチング素子96の動作を個別に制御して30本のフラッシュランプFLの発光パターンを個別に規定している。第2実施形態では、照度センサー240および照度センサー250を設けて30本のフラッシュランプFLの配列の照度分布を測定し、その測定結果に基づいて制御部3が30個のスイッチング素子96の動作を個別に制御している。また、当該測定結果に基づいて充電ユニット95がコンデンサ93に印加する充電電圧を制御部3が個別に制御している。複数本のフラッシュランプFLの発光パターンおよびそれら複数本のフラッシュランプFLに対応する複数のコンデンサ93への充電電圧を個別に制御することにより、複数本のフラッシュランプFLの配列面における照度分布を均一にすることができ、その結果としてフラッシュ加熱時における半導体ウェハーWの面内温度分布も均一とすることができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記各実施形態においては、制御部3が30個のスイッチング素子96の動作を個別に制御して30本のフラッシュランプFLの発光パターンを個別に規定していたが、30本のフラッシュランプFLを複数のランプ群に分割してゾーン毎に制御するようにしても良い。
図14は、30本のフラッシュランプFLを複数のフラッシュランプ群に分割した例を示す図である。図14の例では、30本のフラッシュランプFLを5つのフラッシュランプ群に分割する。すなわち、30本のフラッシュランプFLの配列を中央ゾーンのフラッシュランプ群FG3、両端ゾーンのフラッシュランプ群FG1,FG5、および、それらの中間ゾーンのフラッシュランプ群FG2,FG4に分割する。5つのフラッシュランプ群FG1,FG2,FG3,FG4,FG5のそれぞれには6本のフラッシュランプFLが含まれている。そして、5つのフラッシュランプ群FG1,FG2,FG3,FG4,FG5のそれぞれに含まれる6本のフラッシュランプFLに対応する6個のスイッチング素子96には制御部3が同一波形のパルス信号を同じタイミングで出力する。このため、各フラッシュランプ群に含まれる6本のフラッシュランプFLの発光パターンは同一となる。このようにすれば、制御部3は、複数のフラッシュランプ群毎にスイッチング素子96の動作を制御して発光パターンを規定することができる。
一方、第1および第2実施形態では、制御部3が30個のスイッチング素子96の動作を個別に制御して30本のフラッシュランプFLの発光パターンを個別に規定するものであるため、30個のスイッチング素子96の全てに異なるパルス波形のパルス信号を出力して30本のフラッシュランプFLの全てを異なる発光パターンとしても良い。
集約すれば、フラッシュ光照射時に温度低下が生じる半導体ウェハーWの領域、または、照度低下が生じるフラッシュランプFLの配列の領域に対応するフラッシュランプFLの照度が相対的に高くなるように制御部3が30個のスイッチング素子96の動作を個別に制御すれば良い。
また、第1および第2実施形態では、制御部3が30個のスイッチング素子96の動作を制御するとともに、充電ユニット95によるコンデンサ93の充電電圧を制御していたが、これらのうちのいずれか一方のみの制御を行うようにしても良い。もっとも、充電電圧を変化させるとフラッシュランプFLに流れる電流の波形の形状も変化するため、フラッシュランプFLの発光パターンの制御が難しくなる。このため、少なくとも制御部3による30個のスイッチング素子96の個別動作制御は行うようにするのが好ましい。
また、上記各実施形態においては、ハロゲンランプHLからのハロゲン光照射によって半導体ウェハーWを予備加熱するようにしていたが、予備加熱の手法はこれに限定されるものではなく、ホットプレートに載置することによって半導体ウェハーWを予備加熱するようにしても良い。
また、上記各実施形態においては、パルス信号がオンになるタイミングと同期してトリガー電極91に電圧を印加するようにしていたが、トリガー電圧を印加するタイミングはこれに限定されるものではなく、パルス信号の波形とは無関係に一定間隔で印加するようにしても良い。また、パルス信号の間隔が短く、あるパルスによってフラッシュランプFLを流れた電流の電流値が所定値以上残っている状態で次のパルスによって通電を開始されるような場合であれば、そのままフラッシュランプFLに電流が流れ続けるため、パルス毎にトリガー電圧を印加する必要はない。つまり、パルス信号がオンになるときに、フラッシュランプFLに電流が流れるタイミングであれば、トリガー電圧の印加タイミングは任意である。
また、上記各実施形態においては、スイッチング素子96としてIGBTを用いていたが、これに代えてゲートに入力された信号レベルに応じて回路をオンオフできる他のトランジスタを用いるようにしても良い。もっとも、フラッシュランプFLの発光には相当に大きな電力が消費されるため、大電力の取り扱いに適したIGBTやGTO(Gate Turn Off)サイリスタをスイッチング素子96として採用するのが好ましい。
また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
また、本発明に係る熱処理装置によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。
1 熱処理装置
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
31 パルス発生器
32 波形設定部
65 熱処理空間
93 コンデンサ
95 充電ユニット
96 スイッチング素子
140,150 放射温度計
240,250 照度センサー
FG1,FG2,FG3,FG4,FG5 フラッシュランプ群
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー

Claims (10)

  1. 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された基板にフラッシュ光を照射する複数のフラッシュランプと、
    前記複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに流れる電流の波形を規定する複数のスイッチング素子と、
    前記複数のスイッチング素子の動作を個別に制御して前記複数のフラッシュランプの発光パターンを個別に規定する発光制御手段と、
    を備え
    前記複数のフラッシュランプは複数のフラッシュランプ群に分割され、
    前記発光制御手段は、前記複数のフラッシュランプ群毎に発光パターンを規定するとともに、前記複数のフラッシュランプ群のうち前記複数のフラッシュランプの配列における端部のフラッシュランプ群に対応するスイッチング素子に出力するパルス信号のオン時間を相対的に長くして前記端部のフラッシュランプ群の発光強度を中央部のフラッシュランプ群の発光強度よりも強くすることを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記保持手段に保持された基板の表面の異なる領域の温度を測定する複数の温度センサーをさらに備え、
    前記発光制御手段は、前記複数の温度センサーの測定結果に基づいて前記複数のスイッチング素子の動作を制御することを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項記載の熱処理装置において、
    前記複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに電荷を供給する複数のコンデンサと、
    前記複数のコンデンサに1対1で対応して設けられ、前記複数のコンデンサに対して個別の電圧にて充電する複数のチャージ部と、
    をさらに備え、
    前記発光制御手段は、前記複数の温度センサーの測定結果に基づいて前記複数のチャージ部の充電電圧を個別に制御することを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記複数のフラッシュランプの配列の異なる領域の照度を測定する複数の照度センサーをさらに備え、
    前記発光制御手段は、前記複数の照度センサーの測定結果に基づいて前記複数のスイッチング素子の動作を制御することを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項記載の熱処理装置において、
    前記複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに電荷を供給する複数のコンデンサと、
    前記複数のコンデンサに1対1で対応して設けられ、前記複数のコンデンサに対して個別の電圧にて充電する複数のチャージ部と、
    をさらに備え、
    前記発光制御手段は、前記複数の照度センサーの測定結果に基づいて前記複数のチャージ部の充電電圧を個別に制御することを特徴とする熱処理装置。
  6. 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、
    フラッシュ光を照射する複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに流れる電流の波形を規定する複数のスイッチング素子の動作を個別に制御して前記複数のフラッシュランプの発光パターンを個別に規定し、
    前記複数のフラッシュランプは複数のフラッシュランプ群に分割され、
    前記複数のフラッシュランプ群毎に発光パターンを規定するとともに、前記複数のフラッシュランプ群のうち前記複数のフラッシュランプの配列における端部のフラッシュランプ群に対応するスイッチング素子に出力するパルス信号のオン時間を相対的に長くして前記端部のフラッシュランプ群の発光強度を中央部のフラッシュランプ群の発光強度よりも強くすることを特徴とする熱処理方法。
  7. 請求項6記載の熱処理方法において、
    フラッシュ光が照射された基板の表面の異なる領域の温度測定結果に基づいて前記複数のスイッチング素子の動作を制御することを特徴とする熱処理方法。
  8. 請求項記載の熱処理方法において、
    前記複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに電荷を供給する複数のコンデンサに対する充電電圧を前記温度測定結果に基づいて個別に制御することを特徴とする熱処理方法。
  9. 請求項6記載の熱処理方法において、
    前記複数のフラッシュランプの配列の異なる領域の照度測定結果に基づいて前記複数のスイッチング素子の動作を制御することを特徴とする熱処理方法。
  10. 請求項記載の熱処理方法において、
    前記複数のフラッシュランプに1対1で対応して設けられ、対応するフラッシュランプに電荷を供給する複数のコンデンサに対する充電電圧を前記照度測定結果に基づいて個別に制御することを特徴とする熱処理方法。
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