図1は、本発明に係る画像出力システムの一構成例を示す図である。図1で例示する画像出力システム(以下、「本システム」と言う)は、サーバと、そのサーバにクラウドのネットワークNを介して接続された複数の複合機(以下、「MFP」と言う)1とを備えたシステムである。
以下、このようなサーバの例として、認証サーバ2、クラウドサーバ3、及びコンテンツサーバ4を分散させて、クラウドのネットワークN上に配置した例を挙げて説明するが、分散させなくてもよい。また、MFP1は、CVSの各店舗に設置されており、少なくとも同じフランチャイズの店舗については或る程度の割合で設置しておくことで、利便性が得られる。但し、MFP1のCVS店舗への設置を前提として説明するが、本システムは官公庁や学校など様々な場所に設置することができる。
本システムは、MFP1とクラウドのシステムを連携させて、画像出力に際しての使用簡易性を含めたユーザビリティを向上させたものである。より具体的には、本システムは、CVSの店舗で設置されているMFP1を使用して、画像処理対象のコンテンツについてMFP1にて画像出力を行う画像処理サービス(画像処理対象のコンテンツの提供を行うサービスを含んでもよい)を提供する場合に、クラウドネットワークを使用して提供する。そして、本システムは、クラウドのシステムと連携させて何処の店舗でMFP1を使用しようとしても、使用ユーザが一度設定した操作に係るユーザカスタマイズ情報(オペレーションパネルカスタマイズ情報)などと即座に連携して煩わしさをなくすようにするものである。
ここで、画像出力とは、対象となるコンテンツの印刷(FAX受信データの印刷も含めてよい)、インターネットを介したFAX送信(インターネットFAX送信)、携帯端末装置5やMFP1に装着したUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体へのコピーなどが該当する。このコピーには、コンテンツ購入機能により購入したコンテンツのコピーが該当するだけでなく、後述するユーザ自身によって登録したコンテンツについても急にデータが必要になることがあるため該当する。本システムは、画像出力として印刷を含む場合には、ネットワークプリントシステムと呼ばれることもある。
MFP1は、全体を制御する主制御部10の他に、表示部及び操作部でなる操作パネル12、及び画像出力部14を有する。そして、本システムで使用するMFP1は、その主たる特徴として、後述する無線通信部11及び認証処理部13も備えるものとする。
以下、操作パネル12がタッチパネルを有し、操作部の一部も兼ねることを前提に説明するが、別途設けられた操作ボタンのみで表示のUI画像に基づく操作を行うようにしてもよい。画像出力部14としては、例えば印字部、ネットワークアダプタなどが該当する。主制御部10は、ハードウェアとプログラム(ファームウェア)とにより構成すればよい。このハードウェアとしては、マイクロコンピュータ、プログラム可能なICチップ等の汎用の集積回路/チップセットなどが挙げられる。プログラム(ファームウェア)としては、そのハードウェアにより各部11,12,14や図示しない他の部位を制御しながら、認証処理部13の処理を含めた本発明に係るMFP1側の処理を実行させるためのプログラムが該当する。また、主制御部10は、ハードウェアのみで構成してもよく、その場合、本発明に係るMFP1における各部11〜14や図示しない他の部位の制御を実行する専用のマイクロコンピュータ又は専用の集積回路/チップセットなどを搭載すればよい。
また、本発明では、携帯端末装置5でMFP1を操作可能なように構成する。この携帯端末装置5としては、携帯電話機(スマートフォンと呼ばれるものも含む)、携帯情報端末、モバイルPCなどが挙げられる。この携帯端末装置5は、全体を制御する主制御部50の他に、表示パネル52で例示した表示パネル52と、ユーザ操作を受け付ける操作部と、後述する無線通信部51を有する。
以下、表示パネル52がタッチパネルであって操作部も兼ねることを前提に説明するが、別途、操作ボタンが設けられ、その操作ボタンにより表示パネル52に表示されたUI画像に基づく操作を行うようにしてもよい。主制御部50も、主制御部10と同様に、ハードウェアとプログラムとにより構成すればよい。プログラム(ファームウェア又はソフトウェア)としては、そのハードウェアにより各部51,52や図示しない他の部位を制御しながら本発明に係る携帯端末装置5側の処理を実行させるためのプログラムが該当する。また、主制御部50も、主制御部10と同様に、ハードウェアのみで構成してもよく、その場合、本発明に係る携帯端末装置5における各部51,52や図示しない他の部位の制御を実行する専用のマイクロコンピュータ又は専用の集積回路/チップセットなどを搭載すればよい。
また、認証サーバ2や、クラウドサーバ3、コンテンツサーバ4は、主制御部を有する。この主制御部も、主制御部10と同様に、ハードウェアとプログラムとにより構成すればよい。プログラム(ソフトウェア)としては、そのハードウェアによりサーバ内の後述する各部や図示しない他の部位を制御しながら本発明に係る各サーバ側の処理を実行させるためのプログラムが該当する。また、この主制御部も、主制御部10と同様に、ハードウェアのみで構成してもよく、その場合、本発明に係る各サーバの後述する各部や図示しない他の部位の制御を実行する専用のマイクロコンピュータ又は専用の集積回路/チップセットなどを搭載すればよい。但し、サーバ用のコンピュータとしてはPC等の汎用コンピュータも適用できる。
本システムは、概略的にこのような構成を備える。以下、本システムにおける各装置の構成や機能の詳細について、図2〜図4も併せて参照しながら説明する。図2は、図1の画像出力システムにおけるMFPの操作パネルの一例を示す図で、図3は、図1の画像出力システムにおける携帯端末装置の表示パネルの一例を示す図である。また、図4は、図1の画像出力システムにおける携帯端末装置の表示パネルの他の例を示す図で、図3の例とは異なるユーザが使用している場合の例を示す図である。
まず、MFP1の無線通信部11は、携帯端末装置5と無線で通信するインターフェースである。この通信の相手が携帯端末装置5側に設けられた無線通信部51であり、この無線通信部51も無線で通信を行うインターフェースである。
無線通信部11と無線通信部51とは、少なくともMFP1が設置された屋内又は設置されたフロア内で通信可能であればよいが、MFP1に近接した位置に近寄らないと通信可能でならないような通信方式であってもよい。例えば、Wi−Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)などを利用してもよい。なお、無線通信部11及び無線通信部51の代わりに有線I/F及びケーブルを利用してもよいが、無線通信の方がケーブル接続の手間が省けるため、現実的である。
MFP1の認証処理部13は、携帯端末装置5から若しくはMFP1に設けられた操作部(図1では操作パネル12)から入力された、ユーザ識別情報(以下、「ユーザID」と言う)を少なくとも含むユーザ情報に基づき、サーバ(この例では認証サーバ2)にユーザ認証を要求する。なお、認証サーバ2をはじめ、クラウドサーバ3やコンテンツサーバ4との通信には、図示しないネットワークアダプタを各装置に設けておけばよい。
より具体的に認証処理部13の処理を説明する。認証処理部13は、携帯端末装置5からの無線通信による接続要求を受け付けた場合、ユーザID等のユーザ情報を携帯端末装置5に要求し、携帯端末装置5の表示パネル52から入力されたユーザID等のユーザ情報に基づき、認証サーバ2にユーザ認証を要求する。若しくは、認証処理部13は、操作パネル12から接続要求の操作を受け付けた場合、ユーザID等のユーザ情報を要求するUI画像を操作パネル12に表示し、操作パネル12から入力されたユーザID等のユーザ情報に基づき、認証サーバ2にユーザ認証を要求する。認証処理部13はこれらの処理の一方のみ可能としておいてもよいし、双方の処理を可能としておいてもよい。いずれの場合も、要求の結果としての認証結果は要求された側に返せばよく、返すだけでなくユーザに認証結果が分かるように表示させることが好ましい。
認証サーバ2は、MFP1からの要求に応じてユーザ認証を行うユーザ認証部21を有する。ユーザ認証部21は、ユーザ認証のために、ユーザIDとパスワードとを関連付けて格納している。ユーザIDとパスワードが上記ユーザ情報の例であるが、上記ユーザ情報としてはその他に住所、電話番号なども利用してもよい。なお、簡易なシステムで且つ本システムでの画像出力対象が本システムで提供するコンテンツのみである場合には、パスワードは使用しなくてもよい。
また、本システムにおけるサーバ(この例ではクラウドサーバ3)は、UI指示部31で例示したインターフェース指示部を有し、好ましくは後述する履歴格納部32も有する。UI指示部31は、ユーザ認証部21によるユーザ認証に成功した場合に、携帯端末装置5における表示部(以下、表示パネル52で例示)に表示してMFP1を操作するためのUI画像を、ユーザIDに応じて指定し、そのUI画像を携帯端末装置5に表示させるようMFP1に指示する。
この指示としては、(a)MFP1にUI画像を送信して提供してもよいし、(b)MFP1に予め格納してあるUI画像のどれをどの手順で表示させるかを指示してもよいし、(c)MFP1を経由して、携帯端末装置5に予め格納してあるUI画像のどれをどの手順で表示させるかを指示してもよい。手順については、一連のUI画像及びユーザ操作によってどのようなUI画像が遷移するかのデータなどがあればよい。
ここで、上記(b)の場合、MFP1に要素となるアイコンなどのアイテムを保存しておき、そのようなアイテムをファームウェアにより読み出し可能に格納しておいてもよい。上記(c)の場合、携帯端末装置5に要素となるアイコンなどのアイテムを保存しておいてもよいし、そのようなアイテムをファームウェア又はソフトウェアにより読み出し可能に格納しておいてもよい。上記(a)〜(c)のいずれの場合でも、UI指示部31では、ユーザIDとそのユーザに対応するUI画像(又はそのUI画像を特定するための情報)とを関連付けて格納しておけば、ユーザIDに応じた指定は可能である。
UI指示部31による上述のような指示に従って、MFP1の主制御部10は無線通信によりこの指示を携帯端末装置5に伝える。この指示に従った携帯端末装置5側での表示及び表示例については、本発明の主たる特徴の一つであり、その詳細を後述する。
また、このとき、MFP1の操作パネル12における性能等により、もしこの指示に従ったUI画像が操作パネル12でも表示可能であれば、図2のUI画像60で例示するように操作パネル12の表示部に表示させることが好ましい。但し、このような表示は行わなくてもよく、その場合、操作パネル12の表示部にはMFP1の基本画面のUI画像や所定の画面のUI画像を表示させておけばよい。
なお、図2の例における操作パネル12では、画像出力をカラーモードで実行するためのスタートボタン65、画像出力をモノクロモードで実行するためのスタートボタン66も設けられている。また、操作パネル12において、赤外線送受信部、Bluetooth(登録商標)通信部のアンテナ部、或いはWi−Fi(登録商標)のアンテナ部67も設けられており、これは無線通信部11に該当する。
UI画像60は、ユーザaaaaaがサービス(サービス名は○○)を利用して画像出力を行う場合のUI画像の例で、このユーザaaaaa用にカスタマイズされた操作領域61を有する。UI指示部31は、携帯端末装置5や他の情報処理装置(PC等)から機能の順番を設定することやUI画像そのものを選択することができるように構成しておく。そして操作領域61は、このユーザaaaaaが事前にUI指示部31に対して設定した或いは後述するように操作履歴に基づき決定された機能の順番で、且つ同じく事前に設定した或いは操作履歴に基づき決定された1つの機能が予め選択された状態となっている。
さらに、各機能には同じくユーザaaaaaが事前に設定した或いは操作履歴に基づき決定された画像出力設定が対応しており、1つの機能(例えば「Copy1」)を選択すると図示しない設定画面UIに遷移して、その機能の画像出力設定をその場でも変えることが可能となっている。また、1つの機能(「Copy1」で例示)を選択してグレイアウトした状態でスタートボタン65又は66を選択すると、その機能及び画像出力設定(例えばA4用紙に2 in 1で割付印刷する設定)で、カラー又はモノクロで印刷される。このような画像出力は、何処のCVS店舗に設置されたMFP1であっても可能であるが、カラーに非対応の機器であればモノクロのみ対応とすればよい。
また、操作パネル12にはスタートボタン65,66も設けてあるため、最終的な画像出力の指示の方法を示唆する説明文62を、図2のUI画像60に表示しておくことが好ましい。また、コンテンツサーバ4にて画像出力用として提供するコンテンツについてのコンテンツ情報63やそのコンテンツに対する割引情報64も表示させておいてもよい。ユーザは、コンテンツ情報63に含まれる選択領域、この例ではお得情報、ライブ情報、観光スポットの中から望む選択領域を選択してUI画像の下層に遷移して、最終的に画像出力対象とするコンテンツを選択することができる。
UI画像60のようなUI画像としては、同じユーザ、同じ事前設定等の場合、何処にあるMFP1でもできる限り同じものを提供できることが好ましいが、MFPは機種の違いにより無理な場合やそのような処理にファームウェアを書き換えることが難しいことが多い。上述したように、MFP1にこのような表示を行う機能がない場合などは、デフォルトの画面用画像(例えば初期画面のUI画像)そのものを用いてもよいが、例えば表示から図2ではスタートボタンの説明文62のみを無くすなどしてもよい。
このようなMFP1の機種の違いを補うため、本システムでは、上述したように携帯端末装置5に指示を出し、以下に説明するように、表示に関してはより汎用的な機器が流通している携帯端末装置5の表示パネル52でユーザに応じたUI画像を表示させる。
携帯端末装置5では、主制御部50が、MFP1からの上述のような指示に従って、表示パネル52にそのUI画像を表示させる。また、UI画像の解像度については指定してもよいが、その場合には汎用的な表示部付きの携帯端末装置で表示可能な解像度にしておけばよい。無論、解像度は特に指定しなくてもよく、表示パネル52に一杯になるように拡大又は縮小して表示するなど、携帯端末装置5側で調整することもできる。
このようにして携帯端末装置5の表示パネル52には、図3で例示するようなUI画像60が表示される。図3のUI画像60は、図2のUI画像60と基本的に同じとする。但し、図3のUI画像60を表示パネル52に表示させることが第1目的であり、その表示さえできればユーザは携帯端末装置5からMFP1を操作できるようになるため、上述したように図2の操作パネル12には同じUI画像を表示する必要は必ずしもない。
そして、MFP1は、UI指示部31による指示に基づき携帯端末装置5に図3で例示したようなUI画像(つまりユーザIDに応じたUI画像)60を表示させた状態で、無線通信部11を介して携帯端末装置5から受け付けたユーザによる操作に従って、サーバ(この例ではコンテンツサーバ4)から取得したコンテンツについて画像出力を実行する。
これにより、上述したように、対象となるコンテンツの印刷(FAX受信データの印刷も含めてよい)、対象となるコンテンツのインターネットFAX送信、携帯端末装置5やMFP1に装着した可搬記録媒体へのコピーなどが実行できる。また、UI画像60からは、インターネットFAXの宛先の設定やアドレス帳の表示の他、インターネットFAXの受信設定(これはコンテンツとして受信ファクシミリ画像の印刷又は可搬記録媒体へのコピーに該当する)やインターネットFAXの送信設定が可能となっており、これらの設定内容についてもユーザによる事前設定等により決まっており、さらにこのUI画像60からの変更も可能となっている。
図3のUI画像60について説明する。図3のUI画像60は、操作パネル12においてスタートボタン65,66を設け且つそのいずれかの選択により画像出力を実行するようにしているため、最終的な画像出力の指示の方法を示唆する説明文62を図3のUI画像60に表示しておけばよい。これにより、操作パネル12におけるスタートボタン65,66を最終的に押して処理が実行される。若しくは、UI画像60にスタートボタン65,66のようなアイコンを含めてもよい。これにより、操作パネル12におけるスタートボタン65,66を押下するか、図3のUI画像60に付加して表示パネル52に表示させたスタートボタン65,66のアイコンを選択することで、すなわちMFP1或いは携帯端末装置5のいずれかで最終的な開始操作を行うことで、画像出力が実行される。いずれかの方法により、ユーザが画像出力を迷うことなく実行させることができる。
また、図3のUI画像60では、図2のUI画像60と同様のコンテンツ情報63や割引情報64も表示させておいてもよい。ユーザは、UI画像60の下層に遷移して、最終的に画像出力対象とするコンテンツを選択することができる。
図4で例示するUI画像60aは、ユーザbbbbbが事前に設定した或いは操作履歴に基づき決定された機能及び画像出力設定が表示されたものであり、図3のUI画像60とは異なる。この例では、単に操作領域61における「Copy1」,「Copy2」,「Print1」,「Print2」の順番が「Print1」,「Print2」,「Copy1」,「Copy2」と変わった例を挙げているが、このような単純な相違だけでなく、ユーザIDに応じて各機能の選択領域の配置や、さらにはコンテンツ情報63や割引情報64を表示するか否かなどについても、ユーザIDに応じて決めてもよい。
また、図4のUI画像60aのコンテンツ情報63では図3のUI画像60のコンテンツ情報63と店舗名が異なるが、これは単にユーザ毎にコンテンツの提供用のUI部分を事前設定可能にしておけば可能である。例えばコンテンツ購入機能を事前設定可能にしておき、その機能を生かすように設定しておけばよい。また、後述するように、ユーザのWeb店舗の閲覧や利用の履歴に応じて好ましい店舗を表示するようにしておいても履歴に応じて変えることができる。
また、MFP1が画像出力対象のコンテンツを決定するタイミングについては、コンテンツを複数ユーザが登録した場合の複数のコンテンツや、コンテンツサーバ4で店舗側がサービスとして提供するコンテンツに対しては、画像出力対象のコンテンツを選択するUI画像を表示させてユーザ操作に従って画像出力対象を決定すればよい。ユーザがコンテンツを登録した場合で且つ登録したコンテンツが1つである場合には、自動的にそれを画像出力対象として決定することができるし、事前に一度ファイル名などを確認させて確認の操作を受け付けた段階でそれに決定してもよい。
また、MFP1が画像出力対象のコンテンツを取得するタイミングは、スタートボタン65,66がMFP1で押下されたとき、若しくは同様のボタンを表示パネル52にも表示させていた場合にはそのボタンがタッチされたときでよい。また、画像出力対象のコンテンツがコンテンツサーバ4に格納されたコンテンツである場合、コンテンツサーバ4から直接MFP1に送信するようにしておけばよいが、コンテンツサーバ4から携帯端末装置5に送信し、携帯端末装置5がMFP1に送信するようにしてもよい。
このように、UI画像を見ながらユーザは携帯端末装置5でMFP1を操作して画像出力するように構成しているため、高機能の操作パネルが設けられていないMFPでもあたかも高機能の操作パネル12があるかのように携帯端末装置5で操作することができる。また、例えばユーザの事前設定に基づいて、印刷機能、インターネットFAX送信機能などの画像出力機能のうち、スタートボタン65,66等によるワンクリックでユーザが望む機能を実行できるようなUIを提供することも可能になる。
次に、クラウドサーバ3が備える履歴格納部32について説明する。履歴格納部32は、携帯端末装置5からのユーザ操作の履歴(操作履歴)をMFP1から、ユーザ操作毎に又は一連のユーザ操作が終わった後に取得して、ユーザIDに関連付けて格納する。そして、UI指示部31は、格納してあるユーザ操作の履歴に従って、つまり自動的に学習して、ユーザIDに応じて指定するUI画像を変更する。変更する際に参照する履歴は、統計をとって頻度の高い機能や頻度の高い画像出力設定を採用してもよいし、最新の機能や画像出力設定を採用してもよい。
このように履歴格納部32を設けることで、UI指示部31で指定されるUI画像をユーザ操作に応じて変更することができるようになり、ユーザがMFP1でユーザが操作した今までの使用履歴・集計を元にしてUI画像をカスタマイズすることができる。例えば、ユーザの今までの使用履歴に基づいて、印刷機能、インターネットFAX送信機能などの画像出力機能のうち、スタートボタン65,66等によるワンクリックでユーザが望む機能を実行できるようなUIを提供することも可能になる。また、MFP1でのユーザ操作のみならず、例えばMFP1が設置された店舗を経営する企業が提供するWeb上の販売サイトなどでの閲覧履歴や購入履歴も参照して、UI指示部31がUI画像を指定することで、例えば図2〜図4のようにコンテンツ情報63を閲覧履歴や購入履歴に基づき提示することができる。
また、本システムではコンテンツを提供するサーバ(この例ではコンテンツサーバ4)を備えることが好ましく、このコンテンツサーバ4について説明する。このコンテンツサーバ4はコンテンツ登録部41を有する。コンテンツ登録部41は、携帯端末装置5又は携帯端末装置とは異なる情報処理装置(PC等)から、ネットワークNを介し且つユーザID等のユーザ情報を指定してなされた、コンテンツの登録処理を受け付け、コンテンツをユーザIDに関連付けて格納する。これにより、MFP1は、コンテンツをコンテンツサーバ4から取得し、取得したコンテンツについて画像出力を実行することができる。
コンテンツ登録部41は、登録処理に際し、コンテンツに関連付けてコンテンツに関する画像出力設定を登録すること、つまり、ユーザからは、コンテンツ登録時に画像出力設定も登録可能にしておくことが好ましい。これにより、ユーザが微調整した用紙サイズ情報や色合い情報(濃度や解像度など)もクラウドサーバ3からアクセス可能な状態で管理してユーザがどこの店舗からアクセスしても同じ情報を取得してプリントアウトすることができる。
ここで、画像出力設定をコンテンツサーバ4で管理する例を挙げているが、クラウドサーバ3で管理していてもよく、その場合、ユーザIDだけでなくコンテンツを示す情報(コンテンツIDなど)と共に関連付けておけば、コンテンツサーバ4上に登録したコンテンツの画像出力時に適用してUI画像を表示させることができる。また、ユーザがコンテンツサーバ4に登録したコンテンツに対して画像出力設定も登録した例を挙げているが、ユーザがクラウドシステム以外で取得するか作成したコンテンツが登録対象となるだけではない。
それ以外のコンテンツも登録対象となり、画像出力設定の登録対象とすることもできる。上述した画像出力設定は、図2〜図4を参照しながら説明した画像出力設定と基本的に同じであるが、コンテンツ登録部41で登録するように説明した画像出力設定は、ユーザが登録する一意に定まるコンテンツに対する画像出力設定である点が異なる。図2〜図4を参照しながら説明した画像出力設定は、一般的に使用できる画像出力設定であり、ユーザがUI指示部31に事前に設定しておきそれを読み出すか、UI指示部31が履歴格納部32を参照して履歴に基づいて決定するようにしておけばよい。事前の設定は、コンテンツ登録部41において、「任意のコンテンツ」を仮想的に登録して、それに対して画像出力設定を行うように構成することでも実現できる。同様の考えにより、店舗側が提供するコンテンツを指定することでコンテンツ登録を行い、それに対して画像出力設定を登録するよう構成することもできる。
以上、本システムによれば、どのような機種のMFPでも、MFP1に対してクラウドサーバ3からユーザカスタマイズされたUI画像を提供できるようになり、ユーザカスタマイズされたUI画像で操作させることを、容易に可能にする。さらに各機能において画像出力設定を予め登録しておけば、その設定に合致した画像出力を行うこともできる。そして、メーカーはそのようなMFP1について機種展開が容易に行えたり、単純に無線通信部を設けておくという共通仕様により主制御部10のファームウェアのバージョンアップだけで、この機能を付加することもできる。特に、機種によって操作パネルの大きさが異なるといったラインナップでも、気にすることなくこのサービスを提供できる。
また、図2で例示したように、本システムでもMFP1の機種(少なくとも表示性能)を揃えることで、クラウドの機能を用いてCVS店舗の場所などの環境に依存することなく、ユーザが事前登録したユーザID等を元にしてそのユーザに合致したUI画像をMFP1の操作パネル12に提供するように構成することもできる。すなわち、本システムにより、MFP1に対してクラウドサーバ3からユーザカスタマイズされたUI画像を提供できるようになり、例えばユーザによる今までの使用履歴に基づいて、印刷機能、インターネットFAX送信機能などの画像出力機能のうち、ワンクリックでユーザが望む機能を実行できるようなUIを提供することも可能になる。
次に、図5及び図6を参照しながら、本システムでの画像出力の流れの一例について説明する。図5は、図1の画像出力システムを利用してユーザが画像出力を行う場合の流れの一例を説明するためのフロー図で、図6は、図1の画像出力システムにおけるMFPの動作の一例を説明するためのフロー図である。
まず、図5に基づきユーザの作業の流れを説明する。ユーザは、専用Webサイト(例えばクラウドサーバ3上に設けたサイト)において、本システムで提供するサービスの会員登録を行う(ステップS1)。その際、例えば10桁の英数字などのユーザIDを発行する、若しくはユーザが重複を避けるように決める。このユーザIDは図1〜図4を参照しながら説明したものであり、登録内容はユーザ認証部21等に格納される。
そして、会員登録時、若しくは後日、ユーザは使用するコンテンツサービスを設定する(ステップS2)。ここでの設定は例えば使用する可能性のあるサービスを設定する。有料の場合にはサービスの数によって対価を異ならせてもよい。そして、ステップS2と同時に若しくは後日、ユーザは事前に一番使用する可能性のある機能(この例ではプリンティング機能、つまり印刷機能)を設定する(ステップS3)。このとき、印刷対象のコンテンツの登録も行う。
ユーザは、クラウド連携したMFP1が設置されたCVS店舗に出向き(ステップS4)、クラウドサービスに既に登録している場合(ステップS5でYESの場合)、ステップS7〜S11の操作を行う。一方でステップS1等により登録を行っていない場合(ステップS5でNOの場合)、クラウドサービスに登録するか否かを判断し(ステップS12)、登録するのであれば(ステップS12でYESの場合)、MFP1から又は所持している携帯端末装置5からステップS2〜S3と同様の作業を行う(ステップS13〜S15)。ステップS12でNOの場合、少なくともサービスを利用するために仮IDをクラウドサーバ3から取得するなどしてから(ステップS16)、ステップS14,S15の作業を行う。ステップS16の後は、ステップS6へ進む。
ステップS6では、その段階では既にクラウドサービスに登録又は仮登録済みであるため、出向いたMFP1の操作パネル12において又は携帯端末装置5の表示パネル52において、ログイン画面であるネットワーク設定画面を表示させる操作を行う(ステップS6)。MFP1に直接、ユーザIDを入力すると判断した場合(ステップS7で「直接入力」の場合)、操作パネル12からユーザIDを入力してユーザ認証を行う(ステップS8)。一方、携帯端末装置5からユーザIDを入力すると判断した場合(ステップS7で「無線通信」の場合)、操作パネル12の近くで、携帯端末装置5からユーザIDを入力し、無線通信を介したユーザ認証を行う(ステップS10)。ステップS8,S10の処理後は、いずれも入力したユーザIDに対応したUI画像が表示パネル52(及び操作パネル12)に表示され、それを操作して登録済みのコンテンツの印刷を実行する(ステップS9,S11)。ステップS9とステップS11は別に記載しているが同じ処理である。
次に、図6に基づき、本システムでの処理としてMFP1での処理を中心に説明する。
まず、MFP1は、ステップS6に対応してネットワーク設定画面を操作パネル12に表示させると共に、無線通信により表示パネル52にも表示させる(ステップS21)。MFP1は、ユーザIDが直接操作パネル12で入力されたか、携帯端末装置5の表示パネル52で入力されたかを判定し(ステップS22)、前者の場合にステップS23〜S25の処理を実行し、後者の場合にステップS29〜S31の処理を実行する。
ステップS23では、そのユーザIDの入力を受け付けて、認証サーバ2に対してユーザ認証を要求する。そして、この要求に従い、クラウドシステムがクラウド連携を行うことで、認証サーバ2がユーザ認証を行い、失敗すれば失敗である旨を通知し、成功すればクラウドサーバ3でそのユーザIDに応じたUI画像を指定してその表示指示をMFP1に行う(ステップS24)。次に、MFP1は、可能であれば操作パネル12にそのUI画像を表示すると共に、携帯端末装置5の表示パネル52にはそのUI画像を表示させる(ステップS25)。
ステップS25及び後述のステップS31で表示されるUI画像については、図5のステップS2,S3での設定に基づき、UI画像に表示させる機能や一番選択し易いところで既に選択した状態で表示する機能(この例では印刷機能)が決まることになる。但し、ユーザ操作の履歴を考慮する場合、UI画像の表示後、もしユーザが選んだ機能が異なれば、次回にはその選んだ機能が一番選択し易いところに表示されるようにすればよい。
ステップS25に続き、MFP1は、操作パネル12又は表示パネル52から受け付けたユーザ操作に従って、画像出力を行う(ステップS26)。また、MFP1は、UI画像における機能の使用履歴やコンテンツ提供サービスにおけるアクセス履歴(どの種類のコンテンツにアクセスしたかなど)を、クラウドサーバ3に送信する(ステップS27)。そして、クラウド連携により、クラウドサーバ3が履歴の集計を行う(ステップS28)。
また、ステップS29では、そのユーザIDの入力を無線通信により受け付けて、認証サーバ2に対してユーザ認証を要求する。そして、この要求に従い、クラウドシステムがクラウド連携を行うことで、認証サーバ2がユーザ認証を行い、失敗すれば失敗である旨を通知し、成功すればクラウドサーバ3でそのユーザIDに応じたUI画像を指定してその表示指示をMFP1に行う(ステップS30)。次に、MFP1は、既に携帯端末装置5の表示パネル52からユーザは操作を望んでいるため、操作パネル12にそのUI画像を表示することなく、表示パネル52のみにそのUI画像を表示させる(ステップS31)。その後、ステップS26へ進む。
このような処理により、ユーザは携帯端末装置5からユーザカスタマイズされたUI画像でMFP1を操作してクラウドサービスを利用することができる。また、ユーザが使用した機能やアクセスしたサービスの情報をネットワーク経由にてクラウドサーバにて収集することにも連携可能であるため、ユーザニーズを即座に収集・集計して顧客満足度の充実のためのデータに集計することができる。
このように、本システムは、ユーザビリティが向上し、何処のCVS等の店舗や施設等であっても簡単スタート行えるサービスに適用できる。ここで、CVSに置かれることをメインとして考えた場合、ユーザ操作の履歴からユーザがよく使うコンテンツ情報や類似コンテンツ情報を提供したり、クーポン情報、ポイントの有効期限情報などCVS店舗などで使えるサービスも提供することができる。これについては、図2〜図4のコンテンツ情報63や割引情報64で例示した通りである。また、店舗が提供している様々なコンテンツのコンテンツサーバ4ともクラウドサーバ3は連携させることができるため、集計したアクセス頻度に応じて各ユーザが欲している情報をユーザに提供することができ、結果としてユーザの要求をキャッチアップして新たな機能創出生み出していくこともできる。またこれらのユーザ操作の履歴からある程度の日単位、ユーザ単位での情報集計ができ、サービスマンによるメンテナンス時やユーザのニーズ抽出などにも役に立てることができる。このように、店舗側がサービスとして提供する上述のような情報は、各CVS店舗でのニーズ分析やCVS全体としてのニーズ分析にも役立てることができ、それらもクラウドサーバ3などで一括管理するように構成することができる。
また、ユーザが使用した機能などのユーザ操作の履歴は、特に店舗側がコンテンツサーバ4から提供したコンテンツが画像出力された場合、販売実績情報として利用することができる。従って、このサービスをユーザが享受したときに、店舗等から取得情報(ユーザの年齢を判断した年齢情報等)をPOS(Point Of Sale)サーバに供給するようにして
おくと共に、クラウドサーバ3における上記ユーザ操作の履歴の情報をPOSサーバに自動的に供給するようにしておけば、販売実績情報がPOSサーバに蓄積できる。
また、MFP1は、サービスマンがメンテナンスを行うことがあるが、ユーザがサービスマンコールをMFP1から直接又は携帯端末装置5を介してクラウドシステム側に送信可能としておけばよい。そして、ユーザと同様に、サービスマン用にカスタマイズされたUI画像も表示できるように構成しておき、サービスマンがメンテナンス実施時に、メンテナンス中であることを操作パネル12又は同様のサービスマン用にカスタマイズされたUI画像からクラウドサーバ3に送信するようにしておく。この送信に応答して、クラウドサーバ3は、それまでに発生したサービスマンコールなどのアラート情報を集計して、MFP1に必要な消耗品やメンテナンスが必要となる部位などを、即座に操作パネル12又は表示パネル52に表示させるようにMFP1に返信するよう、構成することもできる。
以上、本発明に係るサーバ(図1の例ではコンテンツサーバ4)が、画像出力対象のコンテンツを格納することを前提として説明したが、本システムはそのような例に限らず、画像出力対象のコンテンツは携帯端末装置5に格納してあるものであってもよい。
つまり、MFP1は、画像出力を行う際、携帯端末装置5から取得したコンテンツについて画像出力を実行する。無論、この場合にも表示パネル52にUI画像を表示させた状態で、ユーザ操作を携帯端末装置5で受け付け、そのユーザ操作に従ってMFP1がそのコンテンツの画像出力を実行する。コンテンツは、MFP1から取得要求を出してもよいし、逆に携帯端末装置5側からMFP1に送信するようにしてもよい。
その他、画像出力対象のコンテンツは、例えばMFP1に装着したUSBメモリなどの可搬記録媒体から読み出したものであってもよい。また、これらの例でも、MFP1の操作パネル12からのユーザ操作によっても、コンテンツの画像出力が可能に構成しておいてもよい。
以上、本発明に係る画像出力システムについて説明したが、本発明は、上述したシステムにおいて、画像出力を行う画像出力方法としての形態も採用することができる。その方法や応用例については、画像出力システムについて説明した通りであり、その説明を省略する。また本発明は、このような画像出力方法における各装置内のコンピュータに実行させるためのプログラムとしての形態も採り得る。各装置内のコンピュータとしては、上述したようにマイクロコンピュータやプログラム可能な汎用の集積回路/チップセットなど、様々な形態のコンピュータが適用できる。上述したように、サーバ用のコンピュータとしては汎用コンピュータも適用できる。またこれらのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して、また放送波を介して、さらには可搬の記録媒体を介して流通させることができる。