<背景技術>
メッシュネットワークにおいて予備回線を設定するためのシェアードメッシュプロテクションは、例えば、IETFのRFC3209またはRFC4872で定義されているRSVP−TE(Resource Reservation Protocol-Traffic Engineering)のシグナリングにより実現される。RSVP−TEのシグナリングにおいては、パスメッセージおよびリザーブメッセージが使用される。
図1は、RSVP−TEを利用して回線を設定する手順を示す。図1においては、メッシュネットワーク内に設けられている多数のノードの一部(ノードA〜D)が描かれている。そして、ノードAからノードB、Cを経由してノードDへデータ信号を伝送するための回線(又は、パス)が設定されるものとする。以下の説明では、ノードx(xは、A、B、C、...)に設けられているノード装置を「ノード装置x」と呼ぶことにする。
ノード装置Aは、パスメッセージを生成して終点ノード(すなわち、ノードD)へ送信する。図1において、パスメッセージは、「Path」と表記されている。パスメッセージは、たとえば、図2に示すように、メッセージタイプ、始点ノード、終点ノード、経路情報、データ種別、現用/予備フラグ、アソシエーション情報、状態情報を含む。
メッセージタイプは、パスメッセージを識別する。始点ノードおよび終点ノードは、それぞれ、設定すべき回線の始点ノードおよび終点ノードを表す。経路情報は、設定すべき回線が通過する経路を表す。経路情報は、例えば、始点ノードと終点ノードとの間に存在するノードにより経路を表す。図1に示す例では、始点ノードは「A」であり、終点ノードは「D」であり、経路情報は「B、C」である。データ種別は、設定すべき回線を介して伝送されるデータ信号の種別を表す。OTN(Optical Transport Network)においては、データ種別は、例えば、ODU1、ODU2、ODUflex3等を識別する。現用/予備フラグ、アソシエーション情報、状態情報については、後で説明する。
ノード装置Aから送信されたパスメッセージは、そのパスメッセージの経路情報に従って、ノードB、Cを介してノードDへ伝送される。このとき、各ノード装置A〜Dは、それぞれ、パスメッセージのデータ種別に対応するリソースを予約する。なお、△印は、ノード装置がパスメッセージに従ってリソースを予約する処理を表している。
ノード装置Dは、受信したパスメッセージに対応するリザーブメッセージをノードAへ返送する。図1において、リザーブメッセージは、「Resv」と表記されている。ノード装置Dから送信されたパスメッセージは、ノードC、Bを介してノードAへ伝送される。各ノード装置D〜Aは、リザーブメッセージを受信すると、それぞれ、先に予約されているリソースを有効化する。なお、□印は、ノード装置がリザーブメッセージに従ってリソースを有効化する処理を表している。
上記シグナリングにより、ノードAからノードB、Cを介してノードDへデータ信号を伝送するための回線が設定される。また、ノードDからノードC、Bを介してノードAへデータ信号を伝送するための回線も、同様のシグナリングにより設定される。ただし、以下の記載では、説明を簡潔にするために、ノード間で双方向にデータ信号を伝送する回線が設定される場合であっても、一方の端点のノードを始点ノードと呼び、他方の端点のノードを終点ノードと呼ぶことがある。
各ノード装置は、複数のポートを有する。そして、各回線は、ポートを介して設定される。図1においては、ポートは、楕円形で表されている。
図3は、RSVP−TEを利用して現用回線および予備回線を設定する手順を示す。この例では、ノードAとノードDとの間に現用回線および予備回線が設定される。現用回線は、ノードB、Cを経由してノードAとノードDとの間でデータ信号を伝送する。また、予備回線は、ノードE、F、Gを経由してノードAとノードDとの間でデータ信号を伝送する。
現用回線は、図1を参照しながら説明したシグナリングによって設定される。ただし、現用回線を設定するためのシグナリングでは、パスメッセージの現用/予備フラグは「現用」を表す。また、アソシエーション情報は、対応する予備回線を表す。
予備回線は、同様のシグナリングによって設定される。ただし、図3に示す予備回線を設定するためのシグナリングでは、経路情報は「E、F、G」である。また、パスメッセージの現用/予備フラグは「予備」を表す。さらに、アソシエーション情報は、対応する現用回線を表す。
上述のようにして現用回線および予備回線が設定されると、ノードAに与えられるデータ信号は、現用回線を介してノードDへ伝送されると共に、予備回線を介してノードDへ伝送される。そして、ノード装置Dは、現用回線を介して受信するデータ信号を選択して不図示のクライアントへ転送する。
現用回線に障害が発生したときは、ノード装置Dは、予備回線を介して受信するデータ信号を選択する。このとき、予備回線は、上述のシグナリングによりデータ信号を伝送する状態に設定されており、現用回線と同じデータ信号を伝送している。したがって、現用回線に障害が発生したときは、短い時間で、現用回線から予備回線への切替えが実現される。
図4は、シェアードメッシュプロテクションの一例を示す。シェアードメッシュプロテクションにおいては、1つの予備回線が複数の現用回線により共有される。図4に示す例では、現用回線A−D(ノードB、Cを経由してノードAとノードDとの間でデータ信号を伝送する回線)および現用回線H−K(ノードI、Jを経由してノードHとノードKとの間でデータ信号を伝送する回線)が設定されている。そして、現用回線A−Dに対応する予備回線A−Dは、ノードE、F、Gを経由してノードAとノードDとの間でデータ信号を伝送する。また、現用回線H−Kに対する予備回線H−Kは、ノードE、F、Gを経由してノードHとノードKとの間でデータ信号を伝送する。このケースでは、ノードE、F、Gは、予備回線A−Dおよび予備回線H−Kを提供するために使用される。
図4に示す各回線(現用回線A−D、予備回線A−D、現用回線H−K、予備回線H−K)は、それぞれ上述したシグナリングで設定することが出来る。しかしながら、上述のシグナリングを単純にシェアードメッシュプロテクションに適用すると、競合が発生することがある。
例えば、図5に示すように、現用回線A−D、現用回線H−K、予備回線H−Kが既に設定されているものとする。これらの回線は、それぞれ、上述したシグナリングにより設定される。ここで、各ノード装置において回線を提供するための回路は、上述のシグナリングのリザーブメッセージに従って設定される。例えば、ノード装置A、B、C、Dの回路は、現用回線A−Kを提供するように設定される。
この後、予備回線A−Dを設定する場合、ノード装置AからノードEへパスメッセージが送信される。ところが、ノード装置Eの回路は、既に、予備回線H−Kを提供するように設定されている。すなわち、予備回線H−Kとの競合により、ノード装置Eは、予備回線A−Dを提供するためのリソースを予約することができない。したがって、ノード装置Eは、ノードAへエラーメッセージを返送する。
このように、シェアードメッシュプロテクションにおいては、複数の予備回線の経路が重複することがある。図4〜図6に示す例では、ノードE、F、Gにおいて、予備回線A−Dおよび予備回線H−Kが重複している。ところが、リソースの競合が生じる場合、同じ経路上に複数の回線を同時に設定できない。すなわち、図1に示すシグナリングを単純にシェアードメッシュプロテクションに適用することは困難である。
この問題は、例えば、図6に示す方法で解決され得る。すなわち、現用回線を設定するためのシグナリングにおいては、各ノード装置は、パスメッセージに従ってリソースを予約し、リザーブメッセージに従ってそのリソースを有効化する。すなわち、現用回線は、データ信号を伝送できる状態に設定される。一方、予備回線を設定するためのシグナリングでは、各ノード装置は、パスメッセージに従ってリソースを予約するが、リザーブメッセージを受信しても、そのリソースを有効化しない。この場合、ノード装置E、F、Gの回路は、予備回線のデータ信号を伝送する状態には設定されていない。
ただし、上述のシグナリングにより、ノード装置E、F、Gが予備回線のためのリソースを有していることは確認されている。そして、ノード装置E、F、Gは、予備回線A−Dおよび予備回線H−Kを予約している。したがって、現用回線に障害が発生した場合、ノード装置E、F、Gは、その現用回線のデータ信号を伝送するための予備回線を提供することができる。
図7は、シェアードメッシュプロテクションによる復旧手順の一例を示す。ここでは、図6に示すシーケンスで現用回線が設定され、また、予備回線が予約されているものとする。そして、現用回線A−Dにおいて障害が発生したものとする。
現用回線に障害が発生すると、その現用回線の両端のノード装置は、その障害を検出する。図7に示す例では、現用回線A−Dに障害が発生し、ノード装置A、Dは、それぞれその障害を検出する。そうすると、たとえば、ノード装置Aは、現用回線A−Dに対応する予備回線を有効化するためのシグナリングを開始する。このシグナリングにおいては、ノード装置A、Dは、それぞれ、現用回線A−Dから予備回線A−Dへの切替えを実行する。また、ノード装置E、F、Gは、それぞれ、予備回線A−Dを介してデータ信号を伝送するように回路を設定する。この結果、ノードA、D間のデータ信号は、予備回線A−Dを介して伝送される。
しかしながら、この方法では、現用回線に障害が発生した後に、各ノード装置の回路の設定が行われる。ここで、各ノード装置において、伝送すべきデータ信号に合わせて回路を設定するためには、ある程度の時間を要する。したがって、図7に示す方法では、現用回線から予備回線への切替えのために要する時間(即ち、データ信号が救済されるまでに要する時間)が長くなってしまう。
<本発明の実施形態>
図8は、本発明の実施形態に係わるネットワークシステムの一例を示す。実施形態に係わるネットワークシステム100は、複数のノードを有する。各ノードには、図8に示すように、ノード装置1が設けられている。なお、図8は、ネットワークシステム100のデータプレーンの一例を示している。すなわち、図8において、ノード間を接続するリンクは、データ信号を伝送する。リンクは、例えば、光ファイバにより実現される。また、データ信号は、例えば、クライアントデータを伝送する。
ネットワークシステム100は、メッシュネットワークである。各ノード装置1は、1または複数の他のノード装置1に接続されている。すなわち、ノード装置1は、1または複数の隣接ノードへデータ信号を送信することができる。また、ノード装置1は、1または複数の隣接ノードからデータ信号を受信することができる。
ネットワークシステム100は、ユーザにより指定される任意のノード間でデータ信号を伝送することができる。この場合、指定されたノード間に、図1を参照しながら説明したシグナリングで回線が設定される。データ信号は、WDM信号であってもよい。この場合、1つの波長チャネルで1または複数のデータ信号が伝送され得る。また、データ信号は、TDM(OTN(Optical Transport Network)、SONET(Synchronous Optical Network)、SDH(Synchronous Digital Hierarchy)など)信号であってもよい。
回線を設定するための制御信号(すなわち、シグナリングのメッセージ)は、例えば、図8に示すデータプレーンを介して伝送される。この場合、回線を設定するための制御信号も、データ信号を伝送するためのネットワークを介して伝送される。ただし、回線を設定するための制御信号は、データプレーンとは別に構築されるコントロールプレーンを使用して伝送されるようにしてもよい。
コントロールプレーンは、図9に示すように、データプレーンとは異なるトポロジを有していてもよい。また、図9に示す例では、各ノード装置1は、1または複数の他のノード装置1に接続されているが、コントロールプレーンは、他の構成で実現してもよい。例えば、コントロールプレーンは、ノード装置1が不図示のネットワーク管理システムを介して他のノード装置1と接続される構成であってもよい。
図10は、本発明の実施形態に係わるノード装置1の構成の一例を示す。ノード装置1は、図10に示すように、複数の入力部2(2a〜2m)、回線交換部3、複数の出力部4(4a〜4m)、制御部6を有する。なお、ノード装置1は、他の回路要素を有していてもよい。
入力部2は、隣接ノード装置から送信されるデータ信号を受信して終端する。したがって、入力部2は、データ信号を受信して終端するためのハードウェア回路を有する。このハードウェア回路は、データ信号の種別等に応じて、制御部6により設定される。また、各入力部2は、回線交換部3の対応する入力ポートに結合される。
回線交換部3は、複数の入力ポートおよび複数の出力ポートを有する。各入力ポートには、それぞれ入力部2が結合され得る。各出力ポートには、それぞれ出力部4が結合され得る。そして、回線交換部3は、制御部6からの指示に従って、入力ポートと出力ポートとの間を接続する。すなわち、回線交換部3は、制御部6からの指示に従って、任意の入力部2のデータ信号を指定された出力部4へ導くことができる。したがって、回線交換部3は、指定された入力ポートから指定された出力ポートへデータ信号を導くためのハードウェア回路を有する。このハードウェア回路も、データ信号の種別等に応じて、制御部6により設定される。
出力部4は、隣接ノード装置へデータ信号を送信する。したがって、出力部4は、データ信号を送信するためのハードウェア回路を有する。このハードウェア回路も、データ信号の種別等に応じて、制御部6により設定される。また、各出力部4は、回線交換部3の対応する出力ポートに結合される。さらに、出力部4は、信号処理部5を有する。信号処理部5は、制御部6からの指示に従って、ダミー信号を生成して回線へ送信することができる。
制御部6は、ノード装置1の動作を制御する。すなわち、制御部6は、少なくとも入力部2、回線交換部3、出力部4を制御する。また、制御部6は、データ信号を伝送する回線を設定するために、例えば、GMPLSをサポートする。この場合、制御部6は、例えば、LMP(Link Management Protocol)、OSPF−TE(Open Shortest Path First with Traffic Engineering)、RSVP−TE、PCEP(Path Communication Element Protocol)などを実装する。
制御部6は、ネットワークシステム100に接続される装置11(例えば、他のノード装置1またはネットワーク管理システム)との間で、GMPLSに従って回線を設定するための制御信号を送信および受信する。制御部6は、図8に示すデータプレーンを利用して制御信号を伝送してもよいし、図9に示すコンロトールプレーンを利用して制御信号を伝送してもよい。また、制御部6は、ユーザから入力されるコマンドを実行することもできる。例えば、制御部6は、LMPまたはOSPF−TEに係わるコマンドをユーザから受け取って実行してもよい。また、制御部6は、回線を設定するためのコマンド(RSVP−TEのコマンド等)を実行してもよい。
RSVP−TEで回線が設定される場合、制御部6は、パスメッセージを受信すると、入力部2、回線交換部3、出力部4の状態を確認し、そのパスメッセージで指定されているリソースを予約する。予約内容を表す情報は、例えば、データ種別を表す情報を含み、リソース管理部7に格納される。なお、パスメッセージで指定されているリソースを予約できないときは、制御部6は、エラーメッセージを返送する。また、制御部6は、リザーブメッセージを受信すると、パスメッセージに応じて予約したリソースを有効化する。このとき、制御部6は、予約内容に従って、入力部2、回線交換部3、出力部4のハードウェア回路を設定する。
例えば、OTNは、複数のデータレートをサポートする。具体的には、OTNは、ODU1、ODU2、ODUflex3等をサポートする。ここで、ODU1、ODU2、ODUflex3は、異なるクロックでフレーム信号が処理され、また、異なるオーバヘッドが使用される。よって、ノード装置1において、ODU1、ODU2、ODUflex3を処理するためのハードウェア回路は、互いに異なることになる。換言すれば、データ信号の種別(ここでは、ODU1、ODU2、ODUflex3)が指定されると、ノード装置1のハードウェア回路は、そのデータ信号の種別に応じて設定される。したがって、制御部6は、予約したリソースを有効化するときには、入力部2、回線交換部3、出力部4のハードウェア回路をデータ信号の種別に基づいて設定する。この結果、要求されたデータ信号の種別に対応する回線が設定され、そのデータ信号を伝送する状態が実現される。
図11は、回線の利用要求を受信したときのノード装置の動作を示すフローチャートである。以下の説明では、回線の利用要求は、RSVP−TEのパスメッセージであるものとする。
S1において、制御部6は、パスメッセージを受信する。パスメッセージは、この実施例では、図2に示すフォーマットを有しているものとする。S2において、制御部6は、パスメッセージの「現用/予備フラグ」を参照することにより、現用回線が要求されているのか、予備回線が要求されているのかを判定する。
パスメッセージにより現用回線が要求されたときは、制御部6は、S3において、要求された現用回線のためのリソースを予約できるか否かを判定する。このとき制御部6は、例えば、パスメッセージの「経路情報」及び「データ種別」、並びに入力部2、回線交換部3、出力部4の使用状態に基づいて、要求されたリソースを予約できるか否かを判定する。そして、要求されたリソースを予約できるときは、制御部6は、S4において、要求されたリソースを予約する。一方、要求されたリソースを予約できないときは、制御部6は、S5において、エラーメッセージを返送する。
パスメッセージにより予備回線が要求されたときは、制御部6の処理はS6へ進む。S6において、制御部6は、要求された回線の種別と同じ種別の予備回線が既に予約されているか否かを判定する。「回線の種別」は、この例では、回線を介して伝送されるデータ信号の種別で表されるものとする。要求された回線の種別と同じ種別の予備回線が既に予約されているときは、制御部6は、S7において、予備回線の予約数(新たに要求された予備回線を含む)がNを超えるか否かを判定する。Nは、予め指定された2以上の整数である。なお、Nは、1本の予備回線を共有可能な現用回線の数の最大値に相当する。
予備回線の予約数がNを超えていなければ、制御部6は、S8において、要求された予備回線のリソースを予約する。この場合、新たに要求された回線が設定される経路は、複数の予備回線によって共有されることになる。一方、予備回線の予約数がNを超えていれば、制御部6は、S9において、要求された回線を他の経路に割り当てる(或いは、エラーメッセージを返送する)。なお、要求された回線の種別と同じ種別の予備回線が設定されていないときも、S9が実行される。この場合、要求されたリソースを予約可能であれば、制御部6は、そのリソースを予約する。一方、要求されたリソースを予約できないときは、制御部6は、エラーメッセージを返送する。
このように、ネットワークシステム100の経路(あるいは、経路上のノード装置1)は、データ信号の種別が同じ予備回線によって共有され得る。1つの実施例として、図12に示すデータ信号#1〜#4を伝送するための予備回線が要求されるケースについて記載する。なお、図12は、データ信号をOTNのトリビュタリスロットTSに割り当てる例を示している。
例えば、先にデータ信号#1のための予備回線が要求され、OUD1に対応するリソースが予約されるものとする。ここで、データ信号#2、#3、#4は、いずれもODU1ではない。したがって、このケースでは、データ信号#2、#3、#4のための予備回線は、データ信号#1を伝送するための予備回線とは異なる経路に割り当てられる。
これに対して、先にデータ信号#2のための予備回線が要求されているときは、OUD2に対応するリソースが予約される。ここで、データ信号#4はODU2である。したがって、このケースでは、ノード装置は、データ信号#4のための予備回線を予約することができる。すなわち、同じ経路に対して、データ信号#2のための予備回線およびデータ信号#4のための予備回線が重複して予約される。
図13は、本発明の実施形態に係る予備回線設定方法によるシェアードメッシュプロテクションの一例を示す。なお、現用回線A−Dおよび現用回線H−Kを設定するための方法は、図4または図6を参照しながら説明した実施例と実質的に同じである。よって、現用回線を設定する方法については、説明を省略する。ただし、現用回線A−Dのデータ信号の種別および現用回線H−Kのデータ信号の種別は、互いに同じであるものとする。一例として、現用回線A−Dのデータ信号および現用回線H−Kのデータ信号は、いずれもODU2であるものとする。
以下の説明では、現用回線A−Dに対応する予備回線が要求され、その後に現用回線H−Kに対応する予備回線が要求されるものとする。この場合、まず、ノード装置Aは、下記のパスメッセージを生成する。なお、現用回線A−Dに対応する予備回線のデータ信号の種別は、現用回線A−Dのデータ信号の種別と同じである。
始点ノード:A
終点ノード:D
経路情報:E、F、G
データ種別:ODU2
現用/予備フラグ:予備
アソシエーション情報:現用回線A−D
状態情報:未使用
なお、状態情報は、回線を介して伝送されるデータ信号が、実際の通信で使用されるか否かを表す。例えば、対応する現用回線が正常に動作しているときは、予備回線を介して伝送されるデータ信号は使用されることなく破棄される。よって、この場合、この予備回線を設定するためのパスメッセージにおいて、状態情報は「未使用」を表す。
上述のパスメッセージは、経路情報に従って、ノードAからノードE、F、Gを経由してノードDへ伝送される。このとき、ノード装置A、E、F、G、Dは、それぞれ、パスメッセージにより要求されたメッセージを予約する。また、ノード装置Dは、受信したパスメッセージに対応するリザーブメッセージを返送する。そうすると、このリザーブメッセージは、経路情報に従って、ノードDからノードG、F、Eを経由してノードAへ伝送される。
ノード装置D、G、F、E、Aは、リザーブメッセージを受信すると、それぞれ、先のパスメッセージに応じて予約したリソースを有効化する。すなわち、ノード装置D、G、F、E、Aは、それぞれ、ODU2を伝送するように、ハードウェア回路を設定する。例えば、ノード装置Aは、入力ODU2データ信号をノードBおよびノードEの双方へ送信するように、ハードウェア回路(入力部2、回線交換部3、出力部4)を設定する。ノード装置Eは、ノードAから受信するODU2データ信号をノードFへ転送するように、ハードウェア回路を設定する。ノード装置Fは、ノードEから受信するODU2データ信号をノードGへ転送するように、ハードウェア回路を設定する。ノード装置Gは、ノードFから受信するODU2データ信号をノードGおよびノードKの双方へ転送するように、ハードウェア回路を設定する。ノード装置Dは、ノード装置Gから送信されるODU2データ信号を受信するように、ハードウェア回路を設定する。ただし、ノード装置Dにおいて回線交換部3は、ノードGからのデータ信号ではなく、ノードCからのデータ信号を選択するように設定される。
上述のシグナリングにより、ノードAからノードE、F、Gを経由してノードDへ至る経路上に、現用回線A−Dに対応する予備回線A−Dが設定される。そして、この予備回線A−Dは、現用回線A−Dと同じデータ信号を伝送する。
この後、ノード装置Hは、現用回線H−Kに対応する予備回線を要求するために、下記のパスメッセージを生成する。なお、現用回線H−Kに対応する予備回線のデータ信号の種別は、現用回線H−Kのデータ信号の種別と同じである。
始点ノード:H
終点ノード:K
経路情報:E、F、G
データ種別:ODU2
現用/予備フラグ:予備
アソシエーション情報:現用回線H−K
状態情報:未使用
このパスメッセージは、経路情報に従って、ノードHからノードE、F、Gを経由してノードKへ伝送される。ここで、経路EFGは、現用回線A−Dに対応する予備回線(以下、予備回線A−D)により既に予約されている。ただし、予備回線A−Dのデータ信号の種別はODU2であり、新たなパスメッセージにより要求されるデータ信号の種別もODU2である。すなわち、新たなパスメッセージにより要求されるデータ信号の種別は、先に予約されている予備回線A−Dのデータ信号の種別と同じである。この場合、各ノード装置E、F、Gにおいて、図11のフローチャートのS6の判定結果は「Yes」である。よって、ノード装置E、F、Gは、それぞれ、パスメッセージにより要求された予備回線のリソースを予約する。このとき、ノード装置H、Kも、パスメッセージにより要求された予備回線のリソースを予約する。
ノード装置Kは、受信したパスメッセージに対応するリザーブメッセージを返送する。そうすると、このリザーブメッセージは、経路情報に従って、ノードKからノードG、F、Eを経由してノードHへ伝送される。
ノード装置K、G、F、E、Hは、リザーブメッセージを受信すると、それぞれ、先のパスメッセージに応じて予約したリソースを有効化する。すなわち、ノード装置K、G、F、E、Hは、それぞれ、ODU2を伝送するように、ハードウェア回路を設定する。
例えば、ノード装置Hは、入力ODU2データ信号をノードIおよびノードEの双方へ送信するように、ハードウェア回路(入力部2、回線交換部3、出力部4)を設定する。ノード装置Eは、ノードHから受信するODU2データ信号をノードFへ転送するように、ハードウェア回路を設定する。ノード装置Fは、ノードEから受信するODU2データ信号をノードGへ転送するように、ハードウェア回路を設定する。ノード装置Gは、ノードFから受信するODU2データ信号をノードGおよびノードKの双方へ転送するように、ハードウェア回路を設定する。ノード装置Kは、ノード装置Gから送信されるODU2データ信号を受信するように、ハードウェア回路を設定する。ただし、ノード装置Kにおいて回線交換部3は、ノードGからのデータ信号ではなく、ノードJからのデータ信号を選択するように設定される。
ただし、現用回線H−Kに対応する予備回線(以下、予備回線H−K)のシグナリングが実行されるとき、ノード装置E、F、Gのハードウェア回路は、既に、予備回線A−Dを提供するように設定されている。また、予備回線A−Dのデータ信号の種別および予備回線H−Kのデータ信号の種別は、互いに同じである。即ち、ノード装置E、F、Gにおいて、予備回線A−Dのためのハードウェア回路の設定と、予備回線H−Kのためのハードウェア回路の設定とは、互いに同じである。したがって、ノード装置E、F、Gは、予備回線H−Kを設定するためのリザーブメッセージを受信したとき、ハードウェア回路の再設定を行わなくてもよい。
この結果、ノードHからノードE、F、Gを経由してノードKへ至る経路上に、現用回線H−Kに対応する予備回線H−Kが設定される。そして、この予備回線H−Kは、現用回線H−Kと同じデータ信号を伝送する。
このように、図13に示す例では、経路EFGに対して、現用回線A−Dに対応する予備回線A−Dおよび現用回線H−Kに対応する予備回線H−Kが予約される。そして、実施形態の予備回線設定方法によれば、図6に示す方法とは異なり、予約された予備回線に対応するリソースは有効化される。ただし、複数の予備回線が予約されている経路EFGにおいて、1本の予備回線のみが有効化される。一例としては、後に処理されるリザーブメッセージに対応する予備回線を実現するように、その経路上のノード装置のハードウェア回路が設定される。
上述の実施例では、経路EFGに対して予備回線A−Dおよび予備回線H−Kが予約される。そして、経路EFGには、予備回線A−Dまたは予備回線H−Kが設定される。ここで、予備回線A−Dおよび予備回線H−Kのデータ信号の種別は、互いに同じである。すなわち、ノード装置E、F、Gにおいて予備回線A−Dを提供するためのハードウェア回路の設定と予備回線H−Kを提供するためのハードウェア回路の設定とは、互いに実質的に同じである。このため、経路EFGに予備回線A−Dが設定されたときであっても、その回線は、現用回線H−Kのデータ信号を伝送することができる。同様に、経路EFGに予備回線H−Kが設定されたときであっても、その回線は、現用回線A−Dのデータ信号を伝送することができる。すなわち、経路EFGに設定される回線は、現用回線A−Dおよび現用回線H−Kにより共有される「共有予備回線」として使用される。
図14は、図13に示すシェアードメッシュプロテクションによる復旧手順の一例を示す。この例では、図14に示すように、現用回線A−Dにおいて障害が発生したものとする。
現用回線に障害が発生すると、その現用回線の両端のノード装置は、その障害を検出する。図14に示す例では、現用回線A−Dに障害が発生し、ノード装置A、Dは、それぞれその障害を検出する。そうすると、例えば、ノード装置Aは、現用回線A−Dに対応する予備回線を設定するためのシグナリングを開始する。すなわち、ノード装置Aは、経路EFGに設定されている共有予備回線を、現用回線A−Dのデータ信号を伝送する予備回線として使用するためのシグナリングを開始する。この場合、ノード装置Aにより生成されるパスメッセージは、「状態情報:使用」を含む。
ノード装置AからノードE、F、Gを経由してノードDへパスメッセージが伝送され、ノード装置DからノードG、F、Eを経由してノードAへリザーブメッセージが返送される。ところが、経路EFG上には既に共有予備回線が設定されている。また、この共有予備回線は、現用回線A−Dのデータ信号を伝送することができる。すなわち、ノード装置E、F、Gのハードウェア回路は、既に、現用回線A−Dのデータ信号を伝送可能な状態に設定されている。したがって、ノード装置E、F、Gは、共有予備回線を介して現用A−Dのデータ信号を伝送するために、ハードウェア回路を再設定する必要はない。したがって、図7に示す方法と比較すると、実施形態に係る方法においては、現用回線を予備回線に切り替えるためのシグナリングに要する時間が短くなる。すなわち、予備回線の立上げの高速化が実現される。
図15は、予備回線を設定するための要求を受信したノード装置の処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、予備回線を設定するためのリザーブメッセージを受信したノード装置において、制御部6により実行される。
S11において、制御部6は、リザーブメッセージにより指定されたデータ種別に対応する予備回線が設定されているか否かを判定する。対応する予備回線が設定されていないときは、制御部6は、S12において、リザーブメッセージにより指定されたデータ種別に対応する予備回線を提供するように、ハードウェア回路(入力部2、回線交換部3、出力4)を設定する。一方、対応する予備回線が設定されているときは、制御部6は、S12の処理をスキップする。そして、制御部6は、S13において、受信したリザーブメッセージを次のノードへ転送する。
ただし、スイッチノード装置および終点ノード装置は、必要に応じて、受信信号を選択する回路を再設定する。ここで、「スイッチノード装置」は、この実施例では、複数の回線を介して信号が入力されるノードに設けられているノード装置を意味する。例えば、ノードAからノードDへデータ信号が伝送され、ノードHからノードKへデータ信号が伝送されるときは、ノード装置Eは、スイッチノード装置として動作する。この場合、ノード装置Eは、図14に示すシグナリングにおいて、ノードAおよびノードHから受信するデータ信号のうち、いずれか一方のノードから受信するデータ信号を選択するようにハードウェア回路(回線交換部3)を設定する。また、終点ノード装置として動作するノード装置Dは、ノードGから受信する信号を選択するように、ハードウェア回路(回線交換部3)を設定する。
このように、実施形態の予備回線設定方法によるシェアードメッシュプロテクションにおいては、現用回線に障害が発生したときに、予備回線が設定されるべき経路上のノード装置のハードウェア回路は、対応する現用回線のデータ信号を伝送可能な状態に予め設定されている。これに対して、図6に示す方法では、現用回線に障害が発生した後に各ノード装置のハードウェア回路が設定される。したがって、図6に示す方法と比較して、実施形態の予備回線設定方法によれば、障害が発生したときからデータ伝送が復旧されるまでの時間は短い。すなわち、実施形態の予備回線設定方法によれば、現用回線から予備回線への切替え時間が短くなる。
<ミスコネクションについて>
上述のように、実施形態の予備回線設定方法によれば、複数の現用回線により共有される共有予備回線が設定される。例えば、図13〜図14に示す例では、経路EFGには、現用回線A−Dおよび現用回線H−Kにより共有される共有予備回線が設定される。この場合、共有予備回線は、現用回線A−Dのデータ信号または現用回線H−Kのデータ信号を伝送する。
図16(a)に示す例では、現用回線A−Dを介してノードAからノードDへデータ信号Aが伝送され、現用回線H−Kを介してノードHからノードKへデータ信号Hが伝送されている。また、スイッチノード装置として動作するノード装置Eは、データ信号Aおよびデータ信号Hを受信し、それらのうちからデータ信号Hを選択している。よって、共有予備回線を介してノードEからノードGへデータ信号Hが伝送される。そして、ブリッジノード装置として動作するノード装置Gは、共有予備回線を介して受信するデータ信号Hを、ノードDおよびノードKへ転送する。ただし、障害が発生していないときは、ノード装置Dは、現用回線A−Dを介して伝送されるデータ信号Aを選択して対応するクライアントへ導き、ノード装置Kは、現用回線H−Kを介して伝送されるデータ信号Hを選択して対応するクライアントへ導く。
なお、「ブリッジノード装置(または、分岐ノード装置)」は、入力回線を分岐して複数のノードへ導くノードに設けられているノード装置を意味する。ただし、この実施例では、共有予備回線を分岐して複数のノードに導くノードに設けられているノード装置を意味する。例えば、図16(a)においては、共有予備回線は、ノードGにおいて分岐されて、予備回線A−Dに対応するノードDおよび予備回線H−Kに対応するノードKに導かれている。よって、この場合、ノード装置Gは、ブリッジノード装置として動作する。
上述の動作環境において、図16(b)に示すように、現用回線A−Dにおいて障害が発生したものとする。ノード装置A、Dは、それぞれその障害を検出する。そうすると、例えば、ノード装置Aは、現用回線A−Dに対応する予備回線を設定するためのシグナリングを開始する。すなわち、ノード装置Aは、経路EFGに設定されている共有予備回線を、現用回線A−Dのデータ信号を伝送するための予備回線として使用するためのシグナリングを開始する。
ところが、実施形態の予備回線設定方法により予備回線が設定されているネットワークシステムにおいては、上述にように、いずれか1つの現用回線のデータ信号が予備回線を介して流れている。したがって、障害が発生したときから、現用回線から予備回線への切替えが完了するまでの期間は、誤ったデータ信号がクライアントへ導かれてしまうおそれがある。
図16(b)に示す例では、障害が発生したときに、データ信号HがノードE、F、Gを介してノードDへ伝送されている。このため、現用回線から予備回線への切替えが完了するまでの期間、データ信号HがノードDに接続されるクライアントに導かれてしまうおそれがある。また、ノード装置は、現用回線の受信レベルが閾値以下に低下したときに、自動的に現用回線から予備回線への切替えを実行することができる。この場合、例えば、図16(b)に示すノード装置Dは、現用回線A−Dの障害を検出すると、即座に、ノード装置Gから受信するデータ信号Hを対応するクライアントへ導いてしまう。
このように、実施形態の予備回線設定方法により予備回線が設定されているネットワークシステムにおいては、障害発生時に、データ信号が不適切な宛先へ伝送されるおそれがある。以下、このような状態と「ミスコネクション」と呼ぶことがある。そして、実施形態の予備回線設定方法は、ミスコネクションを回避するため方法を提供する。
図17は、ミスコネクション回避方法の一例を示す。この方法では、通常動作時は、ブリッジノード装置は、予備回線を介してダミー信号を送信する。すなわち、図17(a)に示すように、ノード装置Gは、ノードDおよびノードKへダミー信号を送信する。
ここで、図10を参照しながら、ノード装置Gがダミー信号を生成して出力する動作を説明する。以下の説明では、ノードFから送信される信号は、入力部2aにより終端されるものとする。また、出力部4a、4bから出力される信号は、それぞれ、ノードD、Kへ導かれるものとする。この場合、回線交換部3は、制御部6からの指示により、入力部2aと出力部4a、4bとの間にパスを提供する。したがって、ノード装置Gにおいて、ノードFから受信する信号(図17(a)では、データ信号H)は、回線交換部3により出力部4a、4bに導かれる。
ところが、ノード装置Gは、ブリッジノード装置として動作している。ここで、制御部6は、例えば、1つのデータ信号が複数の出力部4を介して複数の隣接ノードへ送信されるときに、ノード装置がブリッジノード装置であると判定することができる。よって、この場合、制御部6は、各出力予備回線に結合されている出力部4の信号処理部5に、ダミー信号を生成させる。すなわち、各出力部4a、4bにおいて、信号処理部5は、受信信号を廃棄し、ダミー信号を出力する。この結果、ノード装置GからノードD、Kへダミー信号が送信される。
ダミー信号は、この実施例では、「受信データ信号とは異なる信号」を意味する。図17(a)に示す例では、ノード装置Gにおいて、ダミー信号として、データ信号Hとは異なる信号が生成される。ダミー信号は、例えば、予め決められたテストパターン信号、すべてのビットが「ゼロ」を表すオールゼロ信号、すべてのビットが「1」を表すオール1信号、PRBS(Pseudorandom Binary Sequence)信号により実現される。
図17(a)に示すネットワークシステムにおいて、現用回線A−Dに障害が発生したものとする。この場合、ノード装置Aおよびノード装置Dは、その障害を検出する。そうすると、ノード装置Dは、この実施例では、図17(b)に示すように、現用回線から予備回線への切替えを実行する。すなわち、ノード装置Dは、ノードGから受信する信号を選択して対応するクライアイントへ導く。ところが、このとき、ノード装置Dは、ノードGからダミー信号を受信している。したがって、ノード装置Dにおいて現用回線から予備回線への切替えが実行されたとき、ノードDに接続されるクライアントにデータ信号Hが導かれることはない。すなわち、データ信号が不適切な宛先へ伝送されるミスコネクションは回避される。
ノード装置Aは、現用回線から予備回線への切替えを行うためのシグナリング(すなわち、経路EFGに設定されている共有予備回線を、現用回線A−Dを救済するための予備回線として使用するためのシグナリング)を開始する。このシグナリングにより、ノード装置Eは、図17(c)に示すように、ノードAから受信するデータ信号Aを選択する。また、ノード装置Gは、予備回線を介して伝送されるデータ信号Aを、ノードD、Kへ導く。この結果、ノード装置Dは、対応するクライアントへデータ信号Aを送信することができる。すなわち、ノードA、D間のデータ伝送が復旧する。
なお、現用回線から予備回線への切替えにおいて、ブリッジノード装置は、現用回線を復旧する予備回線へ対応するデータ信号を送信し、他の予備回線にはダミー信号を送信してもよい。図17に示す例では、現用回線A−Dの復旧において、ノード装置Gは、共有予備回線から受信するデータ信号AをノードDへ導くと共に、ノードKへはダミー信号を送信してもよい。
また、現用回線から予備回線への切替えにおいて、スイッチノード装置による切替え処理が完了した後に、ブリッジノード装置がダミー信号を停止することが好ましい。図17に示す例では、ノード装置Eがデータ信号Aを選択した後、ノード装置Gが、ダミー信号を停止することが好ましい。この動作を実現するためには、例えば、ノードDからノードG、F、Eを経由してノードAへリザーブメッセージが転送されるときに、ノード装置Gは、リザーブメッセージを転送してから所定時間が経過した後にダミー信号を停止する。
図18は、ミスコネクション回避方法の他の例を示す。図18に示す方法では、ブリッジノード装置は、出力予備回線を設定しない。すなわち、図18(a)に示すように、ノード装置Gは、ノードGからノードDへ信号を伝送する回線を設定しない。また、ノード装置Gは、ノードGからノードKへ信号を伝送する回線も設定しない。この状態は、例えば、ブリッジ装置において、制御部6が対応する出力部4の出力を停止することにより実現される。
図18(a)に示すネットワークシステムにおいて、現用回線A−Dに障害が発生したものとする。この場合、ノード装置Aおよびノード装置Dは、その障害を検出する。そうすると、この実施例では、ノード装置Dは、現用回線から予備回線への切替を実行する。すなわち、ノード装置Dは、ノードGからノードDへ信号を伝送する回線を選択しようとする。ところが、このとき、図18(b)に示すように、ノードGからノードDへ信号を伝送するための回線は設定されていない。したがって、ノード装置Dにおいて現用回線から予備回線への切替えが実行されても、ノードDに接続されるクライアントにデータ信号Hが導かれることはない。すなわち、データ信号が不適切な宛先へ伝送されるミスコネクションは回避される。
一方、ノード装置Aは、図17に示すケースと同様に、現用回線から予備回線への切り替えるためのシグナリングを開始する。このシグナリングにより、図18(c)に示すように、ノード装置Eは、ノードAから受信するデータ信号Aを選択する。また、ノード装置Gは、ノードG、D間に回線を設定し、予備回線を介して伝送されるデータ信号AをノードDへ導く。この結果、ノード装置Dは、対応するクライアントへデータ信号Aを送信することができる。すなわち、ノードA、D間のデータ伝送が復旧する。なお、ノード装置Gは、ノードG、K間に回線を設定してもよいし、設定しなくてもよい。
このように、実施形態の予備回線設定方法は、共有予備回線を介して伝送されるデータ信号が現用回線上のノードに導かれないように、分岐ノード装置の回路を設定する手順を含む。したがって、実施形態の予備回線設定方法によれば、ミスコネクションは回避される。
なお、ミスコネクションは、現用回線の障害に起因しない要因によっても発生し得る。例えば、図19(a)に示すように、現用回線A−D(ノードB、Cを経由してノードAとノードDとの間でデータ信号を伝送する回線)および予備回線A−D(ノードE、F、Gを経由してノードAとノードDとの間でデータ信号を伝送する回線)が設定されているものとする。そして、現用回線H−K(ノードI、Jを経由してノードHとノードKとの間でデータ信号を伝送する回線)が設定される前に、予備回線H−K(ノードE、F、Gを経由してノードHとノードKとの間でデータ信号を伝送する回線)が設定されるものとする。この場合、ノード装置EがノードAから来るデータ信号Aを選択するように設定されているときは、ノード装置Kは、ノードKに接続されているクライアントへデータ信号Aを導いてしまう。また、図19(b)に示すように、誤った設定によりノード装置Kが現用回線ではなく予備回線を選択するときも、ノード装置Kは、ノードKに接続されているクライアントへデータ信号Aを導いてしまう。
これらのケースに対しても、図17または図18に示す手順は有効である。すなわち、実施形態の予備回線設定方法によれば、現用回線の障害に起因するミスコネクションだけでなく、任意の要因(例えば、図19(a)または図19(b)に示すケース)に起因するミスコネクションも回避することができる。
<第1の実施形態>
第1の実施形態では、図17に示す方法でネットワークシステムが設定される。すなわち、第1の実施形態では、ダミー信号を使用することによりミスコネクションが回避される。
図20は、第1の実施形態において、予備回線の設定要求を受信したノード装置の動作を示すフローチャートである。この要求は、例えば、RSVP−TEのリザーブメッセージにより実現される。以下の説明では、予備回線の設定を要求するリザーブメッセージを受信したノード装置の動作を記載する。
S21において、制御部6は、予備回線の設定を要求するリザーブメッセージを受信する。なお、パスメッセージの終点ノードにおいては、制御部6は、予備回線の設定を要求するリザーブメッセージを生成する。
S22において、制御部6は、リザーブメッセージによる要求が、ブリッジノードを構成するトリガであるか否かを判定する。すなわち、制御部6は、リザーブメッセージにより要求される回線を設定することにより、1本の入力回線が複数の出力回線へ導かれる構成が実現されるか否かを判定する。
リザーブメッセージによる要求がブリッジノードを構成しないときは、制御部6は、S23において、要求された予備回線を設定する。一方、リザーブメッセージによる要求がブリッジノードを構成するときは、制御部6は、S24において、要求された予備回線を設定すると共に、各予備回線を介してダミー信号を出力する。この後、制御部6は、S25において、受信したリザーブメッセージを次のノードへ転送する。
図21は、第1の実施形態において、予備回線の設定解除要求を受信したノード装置の動作を示すフローチャートである。この要求は、例えば、RSVP−TEのリザーブメッセージにより実現される。以下の説明では、予備回線の解除を要求するリザーブメッセージを受信したノード装置の動作を記載する。
S31において、制御部6は、予備回線の解除を要求するリザーブメッセージを受信する。なお、パスメッセージの終点ノードにおいては、制御部6は、予備回線の解除を要求するリザーブメッセージを生成する。
S32において、制御部6は、リザーブメッセージによる要求が、ブリッジノードを非ブリッジノードへ変更するトリガであるか否かを判定する。すなわち、制御部6は、リザーブメッセージにより要求される回線を解除することにより、1本の入力回線が複数の出力回線へ導かれる構成が消滅するか否かを判定する。
ノードが非ブリッジノードであったとき、または、リザーブメッセージによる要求がブリッジノードを非ブリッジノードに変更させないときは、制御部6は、S33において、要求された予備回線を解除する。一方、リザーブメッセージによる要求がブリッジノードを非ブリッジノードに変更させるときは、制御部6は、S34において、要求された予備回線を解除すると共に、各予備回線のダミー信号を停止する。この後、制御部6は、S35において、受信したリザーブメッセージを次のノードへ転送する。
次に、第1の実施形態において予備回線を設定する方法の一例を説明する。ここでは、図22に示す現用回線A−Dおよび現用回線H−Kが既に設定されているものとする。そして、現用回線A−Dに対応する予備回線A−Dおよび現用回線H−Kに対応する予備回線H−Kが予約されるものとする。予備回線A−Dおよび予備回線H−Kが重複して予約される経路(共有経路)上には、共有予備回線が設定される。共有予備回線は、予備回線A−Dまたは予備回線H−Kとして信号を伝送することができる。すなわち、共有予備回線が予備回線A−Dとして使用されるときは、共有予備回線は、現用回線A−Dのデータ信号を伝送する。一方、共有予備回線が予備回線H−Kとして使用されるときは、共有予備回線は、現用回線H−Kのデータ信号を伝送する。なお、各回線は、双方向に信号を伝送するものとする。
以下の例では、予備回線A−Dを設定するためのシグナリングが行われ、その後、予備回線H−Kを設定するためのシグナリングが行われるものとする。シグナリングは、上述のパスメッセージおよびリザーブメッセージを含む。各ノード装置は、パスメッセージを受信すると、そのパスメッセージにより要求されるリソースを提供できるか否かを判定する。そして、ノード装置は、要求されるリソースを提供できないときは、エラーメッセージを返送する。ただし、以下の説明では、各ノード装置は、パスメッセージにより要求されるリソースを提供できるものとする。
ノード装置Aは、予備回線A−Dを設定するためのパスメッセージを生成する。このとき、ノード装置Aは、予備回線A−Dのためのリソースを予約する。そして、ノード装置Aは、そのパスメッセージをノードEへ送信する。ノード装置Eは、受信したパスメッセージに基づいてリソースを予約し、そのパスメッセージをノードFへ転送する。ノード装置Fは、受信したパスメッセージに基づいてリソースを予約し、そのパスメッセージをノードGへ転送する。ノード装置Gは、受信したパスメッセージに基づいてリソースを予約し、そのパスメッセージをノードDへ転送する。
ノード装置Dは、受信したパスメッセージに基づいてリソースを予約する。ここで、ノードDは、このパスメッセージの終点ノードである。このため、ノード装置Dは、受信パスメッセージに対応するリザーブメッセージを生成すると共に、予約したリソースを有効化する。このとき、ノード装置Dにおいて予備回線A−Dが設定されると、ノード装置Dは、2本の回線(現用回線A−Dおよび予備回線A−D)を介して同じ信号(すなわち、ノードA宛てのデータ信号)を送信するようになる。すなわち、ノード装置Dにおいて予備回線A−Dが設定されることを契機として、ノード装置Dは、ブリッジノード装置として動作するようになる。
したがって、ノード装置Dは、図20のS24において、予備回線を介してダミー信号を送信する。すなわち、ノード装置Dは、ノードGへダミー信号を送信する。また、ノード装置Dは、生成したリザーブメッセージをノードGへ送信する。
ノード装置Gは、受信したリザーブメッセージに基づいてリソースを有効化し、そのパスメッセージをノードFへ転送する。ノード装置Fは、受信したリザーブメッセージに基づいてリソースを予約し、そのパスメッセージをノードEへ転送する。ノード装置Eは、受信したパスメッセージに基づいてリソースを予約し、そのパスメッセージをノードAへ転送する。リソースの有効化は、上述したように、要求されたデータ信号を伝送するようにハードウェア回路を設定する処理に相当する。したがって、リザーブメッセージがノードDからノードAへ返送されると、ノードE、F、Gを介してノードA、D間で信号を伝送するための予備回線が設定される。
ノード装置Aは、受信したリザーブメッセージに基づいてリソースを有効化する。このとき、ノード装置Aにおいて予備回線A−Dが設定されると、ノード装置Aは、2本の回線(現用回線A−Dおよび予備回線A−D)を介して同じ信号(すなわち、ノードD宛てのデータ信号)を送信するようになる。すなわち、ノード装置Aにおいて予備回線A−Dが設定されることを契機として、ノード装置Aは、ブリッジノード装置として動作するようになる。したがって、ノード装置Aは、ノード装置Dと同様に、予備回線を介してダミー信号を送信する。すなわち、ノード装置Aは、ノードEへダミー信号を送信する。
ノード装置Hは、予備回線H−Kを設定するためのパスメッセージを生成する。予備回線H−Kを設定するためのパスメッセージをノードHからノードKへ伝送する動作は、予備回線A−Dを設定するためのパスメッセージをノードAからノードDへ伝送する動作と実質的に同じである。したがって、ノード装置H、E、F、G、Kは、それぞれ、予備回線H−Kのためのリソースを予約する。
ノード装置Kは、ノード装置Dと同様に、受信パスメッセージに対応するリザーブメッセージを生成すると共に、予約したリソースを有効化する。このとき、ノード装置Kにおいて予備回線H−Kが設定されると、ノード装置Kは、2本の回線(現用回線H−Kおよび予備回線H−K)を介して同じ信号(すなわち、ノードH宛てのデータ信号)を送信するようになる。すなわち、ノード装置Kにおいて予備回線H−Kが設定されることを契機として、ノード装置Kは、ブリッジノード装置として動作するようになる。したがって、ノード装置Kは、ノード装置Dと同様に、予備回線を介してダミー信号を送信する。すなわち、ノード装置Kは、ノードGへダミー信号を送信する。
ノード装置Kから送信されるリザーブメッセージは、ノードG、F、Eを介してノードHへ伝送される。このとき、ノード装置G、F、E、Hは、先に予約したリソースを有効化する。この結果、予備回線H−Kが設定される。ただし、この例では、ノードA、D間で伝送されるデータ信号の種別とノードH、K間で伝送されるデータ信号の種別は、互いに同じである。すなわち、予備回線A−Dを設定するためのリソースおよび予備回線H−Kを設定するためのリソースは同じである。よって、予備回線H−Kを設定しても、ノードE、G間の回線の状態は変化しない。
ただし、ノード装置Gにおいて予備回線H−Kが設定されると、ノード装置Gは、1つの信号(すなわち、ノードFから受信する信号)を2本の回線(予備回線A−Dおよび予備回線H−K)を介して送信するようになる。すなわち、ノード装置Gにおいて予備回線H−Kが設定されることを契機として、ノード装置Gは、ブリッジノード装置として動作するようになる。したがって、ノード装置Gは、各予備回線を介してダミー信号を送信する。すなわち、ノード装置Kは、ノードDおよびノードKへダミー信号を送信する。
同様に、ノード装置Eも、ノードAおよびノードHへダミー信号を送信する。また、ノード装置Hは、ノード装置Kと同様に、ノードEへダミー信号を送信する。
図23(a)は、第1の実施形態において予備回線が設定された状態を示す。上述したように、共有経路(すなわち、経路EFG)上には、1本の予備回線が設定されている。そして、ブリッジノード装置として動作するノード装置A、D、E、G、H、Gは、それぞれ、予備回線を介してダミー信号を送信する。
この後、ノードB、C間の現用回線A−Dに障害が発生したものとする。そうすると、ノード装置Aは、現用回線A−Dの代わりに予備回線A−Dを使用してデータ信号を伝送するためのシグナリングを開始する。すなわち、ノード装置Aは、予備回線A−Dの使用を指示するパスメッセージを生成する。なお、予備回線の使用の指示は、例えば、パスメッセージの状態情報で表される。
このパスメッセージは、ノードAからノードE、F、Gを介してノードDまで伝送される。このとき、各ノード装置は、要求されたリソースを提供可能か否かを確認した後、そのリソースを予約する。
ノード装置Dは、受信パスメッセージに対応するリザーブメッセージを生成するとともに、予約したリソースを有効化する。このとき、ノード装置Dは、予備回線A−Dを使用するために、ノードGから送信される信号を受信し、且つ、送信信号をノードGへ導くように、ハードウェア回路を設定する。また、ノード装置Dは、予備回線へダミー信号を送信する動作を停止する。すなわち、ノード装置Dは、ノードGへダミー信号を送信する動作を停止する。
ノード装置Gは、リザーブメッセージに従ってリソースを有効化する。このとき、ノード装置Gは、予備回線A−Dを使用するために、ノードDおよびノードKから送信される信号のうちでノードDから送信される信号を受信するように、ハードウェア回路を設定する。また、ノード装置Gは、予備回線A−Dへダミー信号を送信する動作を停止する。すなわち、ノード装置Gは、ノードDへダミー信号を送信する動作を停止する。なお、ノード装置Gは、ノードKへダミー信号を送信する動作を停止してもよいし、停止しなくてもよい。
ノード装置Eは、ノード装置Gと同様に、予備回線A−Dを使用するために、ノードAおよびノードHから送信される信号のうちでノードAから送信される信号を受信するように、ハードウェア回路を設定する。また、ノード装置Eは、予備回線A−Dへダミー信号を送信する動作を停止する。すなわち、ノード装置Eは、ノードAへダミー信号を送信する動作を停止する。なお、ノード装置Eは、ノードHへダミー信号を送信する動作を停止してもよいし、停止しなくてもよい。
ノード装置Aは、ノード装置Dと同様に、予備回線A−Dを使用するために、ノードEから送信される信号を受信し、且つ、送信信号をノードEへ導くように、ハードウェア回路を設定する。さらに、ノード装置Aは、ノードEへダミー信号を送信する動作を停止する。
上記シグナリングの結果、図23(b)に示す状態が得られる。すなわち、ノードA、D間のデータ信号は、予備回線A−Dを介して(即ち、ノードE、F、Gを介して)伝送される。
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、図18に示す方法でネットワークシステムが設定される。すなわち、第2の実施形態では、ブリッジノード装置において予備回線を設定しないことによりミスコネクションが回避される。
図24は、第2の実施形態において、予備回線の設定要求を受信したノード装置の動作を示すフローチャートである。この要求は、例えば、RSVP−TEのリザーブメッセージにより実現される。以下の説明では、予備回線の設定を要求するリザーブメッセージを受信したノード装置の動作を記載する。
S41〜S45の処理は、図21に示す第1の実施形態のS21〜S25と類似している。すなわち、S41〜S43、S45は、S21〜S23、S25と実質的に同じである。但し、リザーブメッセージによる要求がブリッジノードを構成するときは(S42:Yes)、制御部6は、S44において、いずれの予備回線も設定されないように、ハードウェア回路を設定する。このとき、制御部6は、先に設定されている予備回線を解除する。
図25は、第2の実施形態において、予備回線の設定解除要求を受信したノード装置の動作を示すフローチャートである。この要求は、例えば、RSVP−TEのリザーブメッセージにより実現される。以下の説明では、予備回線の解除を要求するリザーブメッセージを受信したノード装置の動作を記載する。
S51〜S55の処理は、図22に示す第2の実施形態のS31〜S35と類似している。すなわち、S51〜S53、S55は、S31〜S33、S35と実質的に同じである。但し、リザーブメッセージによる要求がブリッジノードを非ブリッジノードに変更させるときは(S52:Yes)、制御部6は、S54において、受信したリザーブメッセージが要求する予備回線以外の予備回線を設定する。
第2の実施形態において予備回線を設定する方法の一例を説明する。ここでは、第1の実施形態の説明と同様に、図22に示す現用回線A−Dおよび現用回線H−Kが既に設定されているものとする。そして、現用回線A−Dに対応する予備回線A−Dおよび現用回線H−Kに対応する予備回線H−Kが予約されるものとする。
第1の実施形態では、ブリッジノード装置として動作するノード装置(即ち、A、D、E、G、H、K)は、予備回線を介してダミー信号を送信する。これに対して第2の実施形態では、ブリッジノード装置として動作するノード装置は、既に設定されている予備回線を解除し、新たな予備回線も設定しない。すなわち、図22に示す例では、ノード装置A、D、E、G、H、Kは、それぞれ、先に設定されている予備回線を解除すると共に、要求された予備回線を設定しない。
この後、現用回線A−Dに障害が発生すると、第1の実施形態と同様のシグナリングが実行される。ただし、第2の実施形態では、ノード装置A、D、E、Gは、予備回線A−Dを介してデータ信号が伝送されるように、ハードウェア回路を設定する。すなわち、ノードA、E間、およびノードG、D間には、現用回線A−Dのデータ信号を伝送するための回線が設定される。したがって、ノードE、F、Gを介してノードA、D間でデータ信号を伝送するための予備回線A−Dが設定される。