JP6176461B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
このように構成された本発明では、自車両が対向車線を横切ろうとしており、且つ、対向車線が渋滞している場合に、自車両が対向車両の側端部に対応する位置よりも先に進入することを制限するので、自車両のドライバの注意を適切に喚起させることができる。具体的には、対向車両を追い越してくる移動体(二輪車など)が存在する可能性、換言すると対向車両を追い越した移動体と自車両が衝突する危険性に関して、ドライバの注意を喚起させることができる。これにより、自車両が渋滞している対向車線を横切るときに、自車両と、自車両が前方を横切る対向車両の後方の移動体との衝突を適切に防止することが可能となる。
また、本発明では、自車両が対向車線を横切っている間に、自車両が対向車両の側端部に対応する位置よりも先に進入することを制限すべく、自車両の動力源(エンジンやモータ)から発生させる駆動力を抑制する制御を行うので、自車両のドライバへの注意喚起を適切に実現することができる。また、このように駆動力を抑制すると、自車両が渋滞している対向車線を横切るときの速度が低下するため、自車両が対向車両の側端部に対応する位置よりも先に勢いよく飛び出して、自車両が、対向車両を追い越した二輪車と衝突することを防止することが可能となる。
このように構成された本発明においては、動力源から発生させる駆動力を抑制している状態で自車両が対向車線を横断している間に、自車両の前端部に設けられたセンサを用いて、対向車両を追い越そうとする移動体が存在するか否かを判定する。これにより、安全性が確保された状態で、対向車両を追い越そうとする移動体の存在を適切に判定することができる。また、このような判定の結果、対向車両を追い越そうとする二輪車が存在しないと判定された場合に、動力源から発生させる駆動力を抑制する制御を終了するので、ドライバのアクセル操作に応じた要求駆動力へと適切に復帰させることが可能となる。
このように構成された本発明においても、安全性が確保された状態で、自車両の前端部に設けられたセンサを用いて、対向車両を追い越そうとする移動体の存在を適切に判定することができる。また、このような判定の結果、対向車両を追い越そうとする二輪車が存在すると判定された場合に、動力源から発生させる駆動力を抑制する度合いを強める制御を行うので、自車両の速度を大きく低下させることができ、自車両と対向車両を追い越した移動体とが衝突してしまうことを適切に防止することが可能となる。
このように構成された本発明においては、上記した動力源から発生させる駆動力を抑制する度合いを強める制御に加えて、自車両に対して制動力を付与する制御を更に行うので、自車両の速度をより大きく低下させることができ、自車両と対向車両を追い越した二輪車とが衝突してしまうことを確実に防止することが可能となる。
このように構成された本発明においては、対向車両の速度が所定速度以上である場合に、動力源から発生させる駆動力を抑制する度合いを弱めるので、所定速度以上で走行する対向車両の前方を自車両が横切るときに駆動力を大きく抑制することで発生し得る不具合を防止することができる。例えば、移動している対向車両の前方を自車両が低速で横切ることで、対向車両が自車両に衝突してしまうことを防止することができる。また、ドライバが、自車両が速やかに横断するようにアクセルペダルを大きく操作したにも関わらずに、自車両の速度が上がらないという大きな違和感を覚えてしまうことを抑制することができる。
このように構成された本発明においては、対向車両の路肩側の道路端と当該対向車両の側部との道路幅方向に沿った距離が所定値未満である場合には、対向車両の路肩側の側方のスペースが狭いため、移動体が対向車両の側方をすり抜けて追い越す可能性が低く、自車両が移動体と衝突する可能性が低いものとして、動力源から発生させる駆動力を抑制する度合いを弱める。これにより、動力源から発生させる駆動力を無駄に大きく低減してしまうことを抑制することができる。
このように構成された本発明においては、自車両のドライバに対して報知を行うことで、ドライバの注意を適切に喚起させることができる。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態による車両の制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
次に、本発明の実施形態においてコントローラ8が行う制御について具体的に説明する。
こうするのは、前方を自車両V1が横切ろうとしている対向車両V2が移動している場合には、自車両V1が対向車両V2を横切るときにエンジン出力を大きく抑制してしまうと、移動している対向車両V2の前方を自車両V1が低速で横切ることで、対向車両V2が自車両V1に衝突してしまう可能性があるからである。また、ドライバは、自車両V1が速やかに横断するようにアクセルペダルを大きく操作したにも関わらずに、自車両の速度が上がらないという大きな違和感を覚えてしまうからである。
次に、本発明の実施形態による車両の制御装置の作用効果について説明する。
以下では、上記した実施形態の変形例について述べる。以下で述べる変形例は、適宜組み合わせて上記した実施形態に適用することができる。
上記した実施形態では、エンジン出力を抑制する制御を行って、自車両が対向車両の側端部に対応する位置よりも先に進入することを制限していたが、他の例では、エンジン出力を抑制する制御を行う代わりに、自車両のドライバの注意を喚起するための報知を行って、自車両が対向車両の側端部に対応する位置よりも先に進入することを制限するようにしてもよい。例えば、対向車両を追い越してくる二輪車が存在する可能性、換言すると対向車両を追い越した二輪車と自車両が衝突する危険性に関して、車内の表示部に所定の画像を表示させたり、車内のスピーカから音声を出力させたりして、ドライバに報知してもよい。
上記した実施形態では、対向車両の速度が所定速度以上である場合に、エンジン出力を抑制する度合いを弱めていたが、他の例では、対向車両の速度が所定速度以上である場合に、エンジン出力を抑制する制御を一切行わずに、変形例1で述べたように、自車両のドライバの注意を喚起するための報知のみを行うこととしてもよい。
更に他の例では、対向車両の速度が所定速度以上である場合に、上記した実施形態と同様にエンジン出力を抑制する制御を行うが、この制御中にドライバによってアクセルペダルが踏み込まれた場合に、エンジン出力を抑制する制御を終了することとしてもよい。つまり、いわゆるアクセルオーバーライドの制御を適用してもよい。
上記した実施形態では、対向車両の速度が所定速度以上である場合に、エンジン出力を抑制する度合いを弱めていたが、他の例では、この場合以外にも、自車両が横切ろうとしている対向車両の路肩側の道路端と当該対向車両の側部との道路幅方向に沿った距離が所定値(例えば0.5m)未満である場合に、この距離が当該所定値以上である場合よりも、エンジン出力を抑制する度合いを弱めてもよい、若しくはエンジン出力の抑制を行わなくてもよい。このような場合には、対向車両の路肩側の側方のスペースが狭いため、移動体が対向車両の側方をすり抜けて追い越す可能性が低く、自車両が移動体と衝突する可能性が低いからである。
なお、自車両が横切ろうとしている対向車両の路肩側の道路端と当該対向車両の側部との道路幅方向に沿った距離は、対向車線内の対向車両の位置に基づいて推定すればよい。また、対向車線内の対向車両の位置は、前方カメラ21からの画像信号S21に対応する画像を分析することで求めればよい。
なお、自車両が進入制限場所を横切ろうとしているか否かは、GPS受信機が受信した自車両の現在位置と、ナビゲーション装置が記憶している地図データとに基づいて判定すればよい。つまり、ナビゲーション装置が記憶している地図データを参照して、GPS受信機が受信した自車両の現在位置の周辺に、進入制限場所に対応する地図データが存在するかを判定すればよい。
上記した実施形態では、コントローラ8の渋滞判定部8bは、VICS受信機などの渋滞情報取得部27から供給された渋滞情報に基づき、対向車線が渋滞しているか否かを判定していたが、他の例では、渋滞判定部8bは、前方カメラ21からの画像信号S21に対応する画像を分析することで、対向車線が渋滞しているか否かを判定してもよい。その場合、前方カメラ21の撮影画像に含まれる対向車線についての画像を抽出して、対向車線の交通量を判定すればよい。
上記した実施形態では、車両が左側通行を行う地域を想定して、本発明を、自車両が対向車線を右折して横切ろうとしている場合に適用していたが、車両が右側通行を行う地域では、自車両が対向車線を左折して横切ろうとしている場合に、本発明を適用すればよい。
上記した実施形態では、本発明における「移動体」の一例として二輪車(図2及び図4参照)を示したが、本発明は、二輪車以外の移動体にも適用可能である。具体的には、本発明は、対向車両を後方から追い越すことが可能な種々の移動体に適用可能である。例えば、本発明は、原動機付きの自動二輪車以外の二輪車(つまり軽車両としての二輪車(自転車))や、三輪車や、走者や、歩行者などの、対向車両の路肩側の道路端と対向車両の側部との間をすり抜けて追い越すことが可能な移動体に適用可能である。これらの移動体は、対向車両が片側一車線の道路を走行している場合を想定して、対向車両の路肩側の道路端と対向車両の側部との間をすり抜けて追い越すことが可能な対象に限定したものである。
7 ブレーキ
8 コントローラ
8a 自車両横断判定部
8b 渋滞判定部
8c 移動体判定部
8d 制御部
21 前方カメラ
23 前方レーダ
25 ウインカースイッチ
27 渋滞情報取得部
V1 自車両
V2、V3 対向車両
V4 二輪車
Claims (7)
- 車両の制御装置であって、
自車両が対向車線を横切ろうとしているか否かを判定する自車両横断判定手段と、
対向車線が渋滞しているか否かを判定する渋滞判定手段と、
上記自車両横断判定手段によって自車両が対向車線を横切ろうとしていると判定され、且つ、上記渋滞判定手段によって対向車線が渋滞していると判定された場合に、前方を自車両が横切ろうとしている対向車両の路肩側の側端部に対応する位置よりも先に、自車両が進入することを制限するための制御を行う制御手段と、
を有し、
上記制御手段は、
自車両が対向車線を横切っている間に、自車両の動力源から発生させる駆動力を抑制する制御を行って、自車両が上記対向車両の側端部に対応する位置よりも先に進入することを制限し、
上記動力源から発生させる駆動力を抑制する度合いを、所定条件に基づいて弱める、
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 自車両の前端部に設けられたセンサの出力に基づき、前方を自車両が横切ろうとしている対向車両を追い越そうとする移動体が存在するか否かを判定する移動体判定手段を更に有し、
上記制御手段は、上記動力源から発生させる駆動力を抑制する制御を実行している間に、上記移動体判定手段によって上記移動体が存在しないと判定されたときに、上記動力源から発生させる駆動力を抑制する制御の実行を終了する、請求項1に記載の車両の制御装置。 - 自車両の前端部に設けられたセンサの出力に基づき、前方を自車両が横切ろうとしている対向車両を追い越そうとする移動体が存在するか否かを判定する移動体判定手段を更に有し、
上記制御手段は、上記動力源から発生させる駆動力を抑制する制御を実行している間に、上記移動体判定手段によって上記移動体が存在すると判定された場合、上記動力源から発生させる駆動力を抑制する度合いを強める制御を行う、請求項1又は2に記載の車両の制御装置。 - 上記制御手段は、上記動力源から発生させる駆動力を抑制する度合いを強める制御を行うときに、自車両に対して制動力を付与する制御を更に行う、請求項3に記載の車両の制御装置。
- 上記制御手段は、前方を自車両が横切ろうとしている対向車両の速度が所定速度以上である場合には、この対向車両の速度が上記所定速度未満である場合よりも、上記動力源から発生させる駆動力を抑制する度合いを弱める、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
- 上記制御手段は、前方を自車両が横切ろうとしている対向車両の路肩側の道路端と当該対向車両の側部との道路幅方向に沿った距離が所定値未満である場合には、この距離が上記所定値以上である場合よりも、上記動力源から発生させる駆動力を抑制する度合いを弱める、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
- 上記制御手段は、自車両が上記対向車両の側端部に対応する位置よりも先に進入することを制限するように、自車両のドライバの注意を喚起するように報知を行う、請求項1に記載の車両の制御装置。
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