JP6175339B2 - 樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

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本発明は、樹脂組成物及びその成形体に関する。
ポリプロピレン樹脂は、成形加工性、耐水性、耐油性、耐酸性及び耐アルカリ性などに優れた特性を有している。しかしながら、ポリプロピレン樹脂は、耐熱性、剛性及び耐衝撃性に劣る欠点を有するため、ポリフェニレンエーテル樹脂を配合した組成物とすることが知られている。該組成物においては、ポリプロピレン樹脂がマトリックス相を形成し、ポリフェニレンエーテル樹脂が分散相を形成することで、耐熱性及び剛性が改良された樹脂組成物となることが知られている。
特許文献1には、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリプロピレン樹脂と水添ブロック共重合体との組成物が提案されている。ここで、水添ブロック共重合体は、ポリプロピレン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂との混和剤として使用されている。
特許文献2には、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリプロピレン樹脂と水添ブロック共重合体と共役ジエン化合物との組成物が提案されている。ここで、共役ジエン化合物は、モルフォロジー変化を抑制するために使用されている。
特許文献3には、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリプロピレン樹脂と部分水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体とスチレン−ブタジエンブロック共重合体との組成物が、熱変形温度及び曲げ弾性率において、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリプロピレン樹脂と部分水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体との組成物、及びポリフェニレンエーテル樹脂とポリプロピレン樹脂と部分水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体とスチレン−ブタジエンブロック共重合体との組成物より優れる特性を示したことが開示されている。
上記のように、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリプロピレン系樹脂とをブレンドした樹脂組成物において、耐衝撃性が要求される場合には、水添ブロック共重合体などのエラストマー成分を用いることが提案されている。
国際公開第97/01600号 特開平11−43561号公報 特開平2−248447号公報
上記の特許文献1及び2に開示されているポリフェニレンエーテル樹脂とポリプロピレン樹脂と水添ブロック共重合体との組成物は、古典的なポリフェニレンエーテル樹脂組成物と比較すると、飛躍的に耐溶剤性が改良されるものの、引張伸び、低温での耐衝撃性及び荷重たわみ温度の点で改良の余地がある。また、特許文献3に開示されているポリフェニレンエーテル樹脂とポリプロピレン樹脂と部分水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体とスチレン−ブタジエンブロック共重合体との組成物は、引張伸びが十分ではない。
近年、自動車内外装部品(バンパー、インストルメントパネル、ガーニッシュ等)、テレビケース等の家電機器部品の各種工業部品用成形材料は、薄肉化、高機能化、大型化されているため、耐衝撃性と荷重たわみ温度との相反する特性を高い次元で併せ持つことが要求されている。
そこで、本発明は、ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とを含む樹脂組成物であって、引張伸び、低温での耐衝撃性及び荷重たわみ温度により一層優れる樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような現状に鑑み、ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とを含む組成物に高いレベルの引張伸び、低温での耐衝撃性及び荷重たわみ温度を付与させるため鋭意検討を重ねた結果、特定の水添ブロック共重合体系樹脂及び特定のブロック共重合体系樹脂の少なくとも1種ずつ含有させることにより、引張伸び、低温での耐衝撃性及び荷重たわみ温度により一層優れる樹脂組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(c)水添ブロ
ック共重合体系樹脂、及び(d)ブロック共重合体系樹脂を含み、
前記(c)成分が、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロック
Aと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロ
ック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体及び/又は該水添ブロック共重合
体の変性物であり、
前記(d)成分が、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロック
Aと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロ
ック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の変性物であり、
前記(c)成分中の共役ジエン化合物単位の全結合において、1,2−ビニル結合及び
3,4−ビニル結合の合計割合が45〜90%であり、
前記(d)成分が、ビニル芳香族化合物単位を10〜40質量%含み、
前記(d)成分の数平均分子量(Mnd)が、150,000以下であり、
前記(d)成分を形成する重合体ブロックAの数平均分子量(MndA)が、21,0
00以下であり、
前記(a)及び(b)成分の質量比率((a):(b))が、25:75〜40:60である、樹脂組成物。
[2]
前記(c)成分を形成する重合体ブロックAの数平均分子量(MncA)が、8,00
0以上である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
前記(c)成分が、ビニル芳香族化合物単位を30〜50質量%含む、[1]又は[2
]に記載の樹脂組成物。
[4]
前記(c)成分において、前記ブロック共重合体のエチレン性二重結合(共役ジエン化
合物単位における二重結合)に対する水素添加率が50〜100%である、[1]〜[3
]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]
前記(a)及び(b)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(c)及び(d)
成分の合計含有量が1〜50質量部であり、
記(c)及び(d)成分の質量比率((c):(d))が、1:99〜99:1であ
る、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]
前記(c)成分の数平均分子量(Mnc)が、100,000以下である、[1]〜[
5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]
前記(d)成分を形成する重合体ブロックAの数平均分子量(MndA)が、18,0
00以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]
前記(d)成分中の共役ジエン化合物単位の全結合において、1,2−ビニル結合及び
3,4−ビニル結合の合計割合が20%以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の
樹脂組成物。
[9]
前記(a)成分が、ホモポリプロピレン及び/又はブロックポリプロピレンであり、
前記(a)成分のメルトフローレート(MFR:JIS K7210に準拠し、230
℃、2.16kgの荷重で測定)が0.1〜100g/10分である、[1]〜[8]の
いずれかに記載の樹脂組成物。
[10]
前記(a)成分を含むマトリックス相と、前記(b)成分を含む分散相とを有する、[
1]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11]
下記測定方法により得られる−45℃の損失正接(−45℃tanδ)と、0℃の損失
正接(0℃tanδ)との比(−45℃tanδ/0℃tanδ)が0.41以上である
、[1]〜[10]のいずれかに記載の樹脂組成物;
<損失正接(tanδ)の測定>
樹脂組成物から得られるISO試験片について、粘弾性測定機を用いて、引張りモード、
振動周波数:10Hz、静的負荷歪み:0.2%、動的負荷歪み:0.1%、接触荷重:
0.5N、昇温速度:3℃/分、温度範囲:−100℃〜160℃の温度掃引モードにお
いて測定した際の−45℃及び0℃における損失正接(tanδ)。
[12]
[1]〜[11]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む成形体。
本発明によれば、引張伸び、低温での耐衝撃性及び荷重たわみ温度により一層優れ、ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とを含む樹脂組成物、及びこれを用いた成形体を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの本実施の形態にのみ限定する趣旨ではない。そして、本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
≪樹脂組成物≫
本実施の形態の樹脂組成物は、
(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(c)水添ブロック共重合体系樹脂、及び(d)ブロック共重合体系樹脂を含み、
前記(c)成分が、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体及び/又は該水添ブロック共重合体の変性物であり、
前記(d)成分が、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の変性物であり、
前記(c)成分中の共役ジエン化合物単位の全結合において、1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合が45〜90%であり、
前記(d)成分が、ビニル芳香族化合物単位を10〜40質量%含み、
前記(d)成分の数平均分子量(Mnd)が、150,000以下であり、
前記(d)成分を形成する重合体ブロックAの数平均分子量(MndA)が、21,000以下である。
[(a)成分]
本実施の形態に用いる(a)ポリプロピレン系樹脂(以下、「(a)成分」ともいう。)は、特に限定されないが、例えば、後述する(a1)ポリプロピレン樹脂と(a2)変性ポリプロピレン樹脂とが挙げられる。
<(a1)ポリプロピレン樹脂>
(a1)ポリプロピレン樹脂とは、構成する単量体の50モル%以上がプロピレンである重合体をいい、それ以外は特に限定されない。例えば、結晶性プロピレンホモポリマー;重合の第一工程で得られる結晶性プロピレンホモポリマー部分と、重合の第二工程以降でプロピレン、エチレン及び/又は少なくとも1つの他のα−オレフィン(例えば、ブテン−1、ヘキセン−1等)を共重合して得られるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体部分とを有する、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体等の結晶性プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体が挙げられる。(a1)ポリプロピレン樹脂を構成する単量体においてプロピレンが占める割合は70モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。これらの(a1)ポリプロピレン樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合の例としては、特に限定されないが、例えば、結晶性プロピレンホモポリマーと結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体との混合物が挙げられる。(a1)ポリプロピレン樹脂としては、ホモポリプロピレン及び/又はブロックポリプロピレンであることが好ましい。
かかる(a1)ポリプロピレン樹脂の製造方法は特に限定されないが、例えば、三塩化チタン触媒又は塩化マグネシウム等の担体に担持したハロゲン化チタン触媒等とアルキルアルミニウム化合物との存在下に、重合温度0〜100℃の範囲で、重合圧力3〜100気圧の範囲で、プロピレンを含む単量体を重合する方法が挙げられる。この際、得られる重合体の分子量を調整するために水素等の連鎖移動剤を添加してもよい。
重合方法は特に限定されず、バッチ式、連続式いずれの方法でもよい。また、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の溶媒下での溶液重合;スラリー重合;無溶媒下モノマー中での塊状重合;ガス状モノマー中での気相重合方法等も適用できる。
さらに、得られる(a1)ポリプロピレン樹脂のアイソタクティシティと重合活性とを高めるため、上記重合触媒に触媒の第三成分として電子供与性化合物を内部ドナー成分又は外部ドナー成分として用いることができる。この電子供与性化合物の種類としては特に限定されず、公知のものを使用できる。例えば、ε−カプロラクトン、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、トルイル酸メチル等のエステル化合物;亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリブチル等の亜リン酸エステル;ヘキサメチルホスホルアミド等のリン酸誘導体;アルコキシエステル化合物、芳香族モノカルボン酸エステル、芳香族アルキルアルコキシシラン、脂肪族炭化水素アルコキシシラン、各種エーテル化合物、各種アルコール類及び/又は各種フェノール類等が挙げられる。
本実施の形態に用いる(a1)ポリプロピレン樹脂は、上記の方法等によって得ることができる。また、いかなる結晶性や融点を有する(a1)ポリプロピレン樹脂である場合でも、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(a1)ポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(MFR)(JIS K7210に準拠して、230℃、荷重2.16kgで測定した値)は、好ましくは0.1〜100g/10分であり、より好ましくは0.1〜80g/10分の範囲である。(a1)ポリプロピレン樹脂のMFRを上記範囲とすることによって、樹脂組成物の流動性や剛性のバランスが良好となる傾向にある。
(a1)ポリプロピレン樹脂のMFRを上記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、モノマーに対する水素の供給量比を制御する方法が挙げられる。
<(a2)変性ポリプロピレン樹脂>
(a2)変性ポリプロピレン樹脂とは、例えば、前記(a1)ポリプロピレン樹脂と、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とを、ラジカル発生剤の存在下又は非存在下に、溶融状態或いは溶液状態で30〜350℃で反応させることによって得られる樹脂をいう。(a2)変性ポリプロピレン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、前記(a1)ポリプロピレン樹脂に、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体が0.01〜10質量%グラフト化又は付加した変性ポリプロピレン樹脂が挙げられる。前記α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の例としては、特に限定されないが、例えば、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミドが挙げられる。
(a1)ポリプロピレン樹脂と(a2)変性ポリプロピレン樹脂とを併用する場合、(a)ポリプロピレン系樹脂中の(a1)ポリプロピレン樹脂と(a2)変性ポリプロピレン樹脂との混合割合は特に制限されず、任意に決定できる。
[(b)成分]
本実施の形態に用いる(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、単に「(b)成分」又は「PPE」ともいう。)は、特に限定されないが、例えば、後述する(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂と(b2)変性ポリフェニレンエーテル樹脂とが挙げられる。
<(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂>
(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂とは、下記式(1)で表される繰返し単位構造を含むホモ重合体及び/又は共重合体である。(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂の還元粘度(0.5g/dLのクロロホルム溶液、30℃測定)は、0.15〜2.50の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.30〜2.00、さらに好ましくは0.35〜2.00の範囲である。
式中、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜7の第1級若しくは第2級のアルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、又は少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される1価の基である。
本実施の形態に用いる(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂は、特に限定されないが、公知のポリフェニレンエーテル樹脂を用いることができる。(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、特に限定されないが、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、及びポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等のホモ重合体並びに、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール等)との共重合体が挙げられる。
上記の中でも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)がより好ましい。
(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂は、例えば、米国特許第3306874号明細書記載の第一銅塩とアミンとのコンプレックスを触媒として用い、例えば、2,6−キシレノールを酸化重合することにより容易に製造できる。また、(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂は、米国特許第3306875号明細書、米国特許第3257357号明細書、米国特許第3257358号明細書、特公昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報、特開昭63−152628号公報等に記載された方法等によっても製造できる。
<(b2)変性ポリフェニレンエーテル樹脂>
(b2)変性ポリフェニレンエーテル樹脂とは、例えば、前記(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂とスチレン系モノマー及び/又はα,β−不飽和カルボン酸若しくはその誘導体(例えば、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのビニル化合物等が挙げられる。)とを、ラジカル発生剤の存在下又は非存在下に、溶融状態、溶液状態又はスラリー状態で80〜350℃で反応させることによって得られる樹脂をいう。(b2)変性ポリフェニレンエーテル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、前記(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂に、スチレン系モノマー又はその誘導体が0.01〜10質量%グラフト化又は付加した変性ポリフェニレンエーテル樹脂が挙げられる。ここで、スチレン系モノマーとは、スチレン、又はスチレンの水素分子の単数若しくは複数個を、ハロゲン原子、炭素数1〜7の第1級若しくは第2級のアルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基又は少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される置換基で置換した化合物をいう。
(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂と(b2)変性ポリフェニレンエーテル樹脂とを併用する場合、(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂中の(b1)ポリフェニレンエーテル樹脂と(b2)変性ポリフェニレンエーテル樹脂との混合割合は制限されず、任意に決定できる。
[(c)成分]
本実施の形態に用いる(c)水添ブロック共重合体系樹脂(以下、「(c)成分」ともいう。)は、後述する(c1)水添ブロック共重合体及び/又は(c2)変性水添ブロック共重合体である。
<(c1)成分>
(c1)水添ブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとを含むブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体である。
前記(c1)成分中の共役ジエン化合物単位の全結合において、1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合は、45〜90%であり、50〜90%であることが好ましく、65〜90%であることがより好ましい。
1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合が上記範囲内である(c1)成分は(a)成分との相溶性が優れ、得られる樹脂組成物は機械的特性(特に引張伸び)が改善する。
1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合を上記範囲内に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、(c1)成分の製造において、1,2−ビニル結合量調節剤を添加する方法や、重合温度を調整する方法が挙げられる。
なお、本実施の形態において、1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合は、赤外分光光度計で測定することができる。具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(重合体ブロックA)
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAは、ビニル芳香族化合物のホモ重合体ブロック、又はビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。重合体ブロックAにおいて「ビニル芳香族化合物を主体とする」とは、重合体ブロックA中にビニル芳香族化合物単位を50質量%を超えて含有することを言い、ビニル芳香族化合物単位を70質量%以上含有することが好ましい。
前記ビニル芳香族化合物としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。上記の中ではスチレンが好ましい。前記共役ジエン化合物としては、後述の化合物が挙げられ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
(重合体ブロックB)
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、共役ジエン化合物のホモ重合体ブロック、又は共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体ブロックである。重合体ブロックBにおいて「共役ジエン化合物を主体とする」とは、重合体ブロックB中に共役ジエン化合物単位を50質量%を超えて含有することを言い、共役ジエン化合物単位を70質量%以上含有することが好ましい。
前記共役ジエン化合物としては、特に限定されないが、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。上記の中でも、ブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。前記ビニル芳香族化合物としては、前述の化合物が挙げられ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
重合体ブロックBが、ブタジエンを主体とする重合体ブロックである場合には、重合体ブロックBにおけるブタジエンの1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合が65〜90%であることが好ましい。
重合体ブロックBにおいて、前記共役ジエン化合物単位は隣接するモノマー単位との間で、1,2−ビニル結合、3,4−ビニル結合、又は1,4−共役結合のいずれかで結合している。これら3つの結合の合計量を「全結合量」とした時、重合体ブロックBとしては、共役ジエン化合物単位の全結合量に対する1,2−ビニル結合量と3,4−ビニル結合量との合計量(以下、「全ビニル結合量」ともいう。)の割合が45〜90%である単一の重合体ブロックであってもよく、前記全ビニル結合量の割合が45〜90%である共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB1と前記全ビニル結合量の割合が30%以上45%未満である共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックB2とを併せ持つ共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックであってもよい。
このようなブロック構造を示すブロック共重合体は、前記重合体ブロックAを「A」とし、前記重合体ブロックB1を「B1」とし、前記重合体ブロックB2を「B2」とすると、例えば、A−B2−B1−Aで示され、調整された各モノマー単位のフィードシーケンスに基づいて全ビニル結合量を制御した公知の重合方法によって得ることができる。
なお、本実施の形態において、前記共役ジエン化合物の全結合量に対する全ビニル結合量の割合は、赤外分光光度計で知ることができる。
(ブロック共重合体の構造)
ブロック共重合体としては、前記重合体ブロックAを「A」とし、前記重合体ブロックBを「B」とすると、例えばA−B−A型、A−B−A−B型、B−A−B−A型、(A−B−)n−X型(ここでnは1以上の整数、Xは四塩化ケイ素、四塩化スズなどの多官能カップリング剤の反応残基又は多官能性有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。)、A−B−A−B−A型等のブロック単位が結合した構造を有するビニル芳香族−共役ジエン化合物ブロック共重合体が好ましい。中でもA−B−A−B型、B−A−B−A型の構造を有するブロック共重合体は、A−B−A型の構造を有するブロック共重合体と比べ、(c)成分としての流動性に優れるためより好ましい。
前記重合体ブロックAと前記重合体ブロックBとを含むブロック共重合体の分子構造としては、特に制限されず、例えば、直鎖状、分岐状、放射状又はこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。重合体ブロックAと重合体ブロックBとは、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中のビニル芳香族化合物及び共役ジエン化合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組み合わせで構成されていてもよい。重合体ブロックA又は重合体ブロックBのいずれかが繰り返し単位中に2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれ同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
前記ブロック共重合体において、共役ジエン化合物の全結合量に対する全ビニル結合量の割合は、45〜90%であることが好ましく、50〜90%であることがより好ましく、65〜90%であることがさらに好ましい。当該全ビニル結合量の割合が90%を超える場合には工業的な生産が困難となる場合がある。
(水素添加率)
また、(c1)水添ブロック共重合体において、前記ブロック共重合体のエチレン性二重結合(共役ジエン化合物単位における二重結合)に対する水素添加率としては、50〜100%であることが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。該水素添加率が上記範囲内であると、良好な耐熱性及び耐候性を有する樹脂組成物を得る観点から好ましい。
該水素添加率を上記範囲内に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ブロック共重合体のエチレン性二重結合の水素添加反応において、消費水素量を所望の水素添加率の範囲に制御する方法が挙げられる。
なお、本実施の形態において、水素添加率は核磁気共鳴(NMR)によって測定することができる。具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(製造方法)
(c1)水添ブロック共重合体の製造方法としては、特に限定されず、公知の製造方法を用いることができる。公知の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、特開昭47−11486号公報、特開昭49−66743号公報、特開昭50−75651号公報、特開昭54−126255号公報、特開昭56−10542号公報、特開昭56−62847号公報、特開昭56−100840号公報、特開平2−300218号公報、英国特許第1130770号明細書、米国特許第3281383号明細書、米国特許第3639517号明細書、英国特許第1020720号明細書、米国特許第3333024号明細書及び米国特許第4501857号明細書に記載の方法が挙げられる。
<(c2)成分>
また、(c2)変性水添ブロック共重合体は、例えば、前記の(c1)水添ブロック共重合体と、α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体(エステル化合物や酸無水物化合物)とをラジカル発生剤の存在下又は非存在下に、溶融状態、溶液状態又はスラリー状態で、80〜350℃で反応させることによって得られる変性水添ブロック共重合体をいう。この場合、α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体が0.01〜10質量%の割合で前記(c1)水添ブロック共重合体にグラフト化又は付加していることが好ましい。
(c1)水添ブロック共重合体と(c2)変性水添ブロック共重合体とを併用する場合、(c)水添ブロック共重合体系樹脂中の(c1)水添ブロック共重合体と(c2)変性水添ブロック共重合体との混合割合は特に制限されず任意に決定できる。
<数平均分子量>
(c)成分の数平均分子量(Mnc)は、好ましくは5,000〜1,000,000であり、より好ましくは100,000以下である。Mncを1,000,000以下とすると、樹脂組成物における(c)水添ブロック共重合体系樹脂の役割があくまでも、ポリマー(ポリプロピレン)−ポリマー(ポリフェニレンエーテル)間の乳化分散剤(混和剤)としての役割となる傾向にある。すなわち、粘度が高いポリマー(ポリプロピレン)−ポリマー(ポリフェニレンエーテル)の溶融バルク状態での乳化の際に、乳化分散剤(混和剤)としての(c)水添ブロック共重合体系樹脂を、溶融混合系内で好ましく拡散させるため、(c)水添ブロック共重合体の溶融粘度を考慮して、(c)成分の数平均分子量(Mnc)は、5,000〜1,000,000であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましい。
(c)成分の数平均分子量(Mnc)を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、(c)成分の重合工程における触媒量を調整する方法が挙げられる。
なお、本実施の形態において、(c)成分の数平均分子量(Mnc)は、昭和電工(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー System21を用いて以下の条件で測定することができる。該測定において、カラムとして、昭和電工(株)製K−Gを1本、K−800RLを1本さらにK−800Rを1本の順番で直列につないだカラムを用い、カラム温度を40℃とし、溶媒をクロロホルムとし、溶媒流量を10mL/分とし、サンプル濃度を、水添ブロック共重合体1g/クロロホルム溶液1リットルとする。また、標準ポリスチレン(標準ポリスチレンの分子量は、3650000、2170000、1090000、681000、204000,52000、30200、13800,3360、1300,550)を用いて検量線を作成する。さらに、検出部のUV(紫外線)の波長は、標準ポリスチレン及び水添ブロック共重合体共に254nmに設定して測定する。
また(c)水添ブロック共重合体系樹脂を形成する重合体ブロックAの数平均分子量(MncA)は、例えば、(c)成分がA−B−A型構造の場合、上記した(c)成分の数平均分子量(Mnc)を基に、(c)成分の分子量分布が1、さらにビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの2つが同一分子量として存在することを前提とし、(MncA)=(Mnc)×結合ビニル芳香族化合物量の割合÷2の計算式で求めることができる。同様に、(c)成分がA−B−A−B−A型の水添ブロック共重合体の場合は、(MncA)=(Mnc)×結合ビニル芳香族化合物量の割合÷3の計算式で求めることができる。なお、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体を合成する段階で、上記したブロック構造A及びブロック構造Bのシーケンスが明確になっている場合は、上記計算式に依存せずに、測定した(c)成分の数平均分子量(Mnc)をベースにブロック構造Aの割合から算出しても構わない。
(c)水添ブロック共重合体系樹脂を形成する重合体ブロックAの数平均分子量(MncA)は、好ましくは8,000以上であり、より好ましくは9,000以上である。該数平均分子量(MncA)の上限は、特に限定されないが、例えば、40,000である。
該数平均分子量(MncA)が8,000以上である(c)水添ブロック共重合体系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との間の乳化分散において、ポリフェニレンエーテル系樹脂の良好な乳化分散を与え、得られる樹脂組成物の耐熱性、機械的特性及び耐衝撃性に大きな優位性を与える傾向にある。
該数平均分子量(MncA)を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、重合開始剤の量で調整する方法が挙げられる。
<ビニル芳香族化合物単位の含有量>
また、(c)成分中におけるビニル芳香族化合物単位(ビニル芳香族化合物由来の水添ブロック共重合体構成単位)の含有量は、30〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜48質量%、さらに好ましくは35〜45質量%である。該ビニル芳香族化合物単位の含有量が30質量%以上であると、樹脂組成物の機械的強度が向上する傾向にあり、該ビニル芳香族化合物単位の含有量が50質量%以下であると、耐熱性と耐衝撃性とのバランスに優れる樹脂組成物が得られる傾向にある。なお、本実施の形態において、ビニル芳香族化合物単位の含有量の測定は、紫外分光光度計(UV)によって行うことができる。具体的には、後述の実施例に記載の方法により行うことができる。
[(d)成分]
本実施の形態の樹脂組成物は、耐衝撃性改良の観点から、少なくとも1種の(d)ブロック共重合体系樹脂(以下、「(d)成分」ともいう。)をさらに含む。本実施の形態に用いる(d)成分は、後述する(d1)ブロック共重合体及び/又は(d2)変性ブロック共重合体である。
<(d1)成分>
(d1)ブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体であって、ビニル芳香族化合物単位(ビニル芳香族化合物由来のブロック共重合体構成単位)を10〜40質量%含み、数平均分子量(Mnd)が150,000以下である。また、前記重合体ブロックAの数平均分子量(MndA)は、21,000以下である。
(重合体ブロックA)
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAは、ビニル芳香族化合物のホモ重合体ブロック、又はビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物の共重合体ブロックである。重合体ブロックAにおいて「ビニル芳香族化合物を主体とする」とは、重合体ブロックA中にビニル芳香族化合物を50質量%を超えて含有することを言い、ビニル芳香族化合物を70質量%以上含有することが好ましい。
前記ビニル芳香族化合物としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。上記の中ではスチレンが好ましい。共役ジエン化合物としては、後述の化合物が挙げられ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
(重合体ブロックB)
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、共役ジエン化合物のホモ重合体ブロック又は共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体ブロックである。重合体ブロックBにおいて「共役ジエン化合物を主体とする」とは、重合体ブロックB中に共役ジエン化合物を50質量%を超えて含有することを言い、共役ジエン化合物を70質量%以上含有することが好ましい。
前記共役ジエン化合物としては、特に限定されないが、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。上記の中でも、ブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましく、ブタジエンが特に好ましい。前記ビニル芳香族化合物としては、前述の化合物が挙げられ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
このようなブロック構造を示すブロック共重合体は、調整された各モノマー単位のフィードシーケンスに基づいて全ビニル結合量を制御した公知の重合方法によって得ることができる。
((d1)ブロック共重合体の構造)
(d1)ブロック共重合体としては、前記重合体ブロックAを「A」とし、前記重合体ブロックBを「B」とすると、例えばA−B−A型、A−B−A−B型、B−A−B−A型、(A−B−)n−X型(ここでnは1以上の整数、Xは四塩化ケイ素、四塩化スズなどの多官能カップリング剤の反応残基又は多官能性有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。)、A−B−A−B−A型等のブロック単位が結合した構造を有するビニル芳香族−共役ジエン化合物のブロック共重合体が挙げられる。中でもA−B−A型ブロック共重合体が好ましい。
前記重合体ブロックAと前記重合体ブロックBとを含む(d1)ブロック共重合体の分子構造としては、特に制限されず、例えば、直鎖状、分岐状、放射状又はこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。重合体ブロックAと重合体ブロックBとは、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中のビニル芳香族化合物又は共役ジエン化合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組み合わせで構成されていてもよい。重合体ブロックA又は重合体ブロックBのいずれかが(d1)成分中に2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれ同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
(d1)成分中の共役ジエン化合物単位の全結合において、1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合は、好ましくは1〜90%であり、より好ましくは5〜60%、さらに好ましくは5〜40%、特に好ましくは5〜20%である。
1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合が上記範囲内である(d1)成分は(a)成分との相溶性が優れ、得られる樹脂組成物は機械的特性が改善する。
1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合を上記範囲内に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、(d1)成分の製造において、1,2−ビニル結合量調節剤を添加する方法や、重合温度を調整する方法が挙げられる。
なお、本実施の形態において、1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合は、赤外分光光度計で測定することができる。具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(d1)ブロック共重合体は、どのような製造方法で得られるものであってもかまわない。公知の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、特公昭40−23798号公報、米国特許第3595942号明細書及び同第4090996号明細書等に記載された方法が挙げられる。
<(d2)成分>
また、(d2)変性ブロック共重合体は、例えば、前記の(d1)ブロック共重合体と、α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶液状態、スラリー状態で80〜350℃の温度下で反応させることによって得られる変性ブロック共重合体をいう。この場合、α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体が0.01〜10質量%の割合で前記(d1)ブロック共重合体にグラフト化又は付加していることが好ましい。
(d1)ブロック共重合体と(d2)変性ブロック共重合体とを併用する場合、(d)ブロック共重合体系樹脂中の(d1)ブロック共重合体と(d2)変性ブロック共重合体との混合割合は特に制限されずに決定できる。
これらのビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体は、各々単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<ビニル芳香族化合物単位の含有量>
また、(d)成分中に結合したビニル芳香族化合物単位(ビニル芳香族化合物由来のブロック共重合体構成単位)の含有量は、10〜40質量%であり、好ましくは10〜35質量%、より好ましくは15〜33質量%である。当該ビニル芳香族化合物単位の含有量が10質量%以上であると、樹脂組成物の機械的強度が向上し、40質量%以下であると、耐熱性と耐衝撃性とのバランスに優れる樹脂組成物が得られる。なお、本実施の形態において、ビニル芳香族化合物単位の含有量の測定は、紫外分光光度計(UV)によって行うことができる。具体的には、後述の実施例に記載の方法により行うことができる。
<数平均分子量>
(d)成分の数平均分子量(Mnd)は、昭和電工(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー System21を用いて以下の条件で測定することができる。カラムとして、昭和電工(株)製K−Gを1本、K−800RLを1本さらにK−800Rを1本の順番で直列につないだカラムを用い、カラム温度を40℃とし、溶媒をクロロホルムとし、溶媒流量を10mL/分とし、サンプル濃度をブロック共重合体1g/クロロホルム溶液1リットルとする。また、標準ポリスチレン(標準ポリスチレンの分子量は、3650000、2170000、1090000、681000、204000,52000、30200、13800,3360、1300,550)を用いて検量線を作成する。検出部のUV(紫外線)の波長は、標準ポリスチレン及びブロック共重合体共に254nmに設定して測定する。また、(d)成分を形成する重合体ブロックAの数平均分子量(MndA)は、例えば、(d)成分がA−B−A型構造の場合、(d)成分の数平均分子量(Mnd)を基に、(d)成分の分子量分布が1、さらにビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの2つが同一分子量として存在することを前提とし、(MndA)=(Mnd)×結合ビニル芳香族化合物量の割合÷2の計算式で求めることができる。なお、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック共重合体を合成する段階で、上記したブロック構造A及びブロック構造Bのシーケンスが明確になっている場合は、上記計算式に依存せずに、測定した(d)成分の数平均分子量(Mnd)をベースにブロック構造Aの割合から算出しても構わない。
(d)成分中に含まれる重合体ブロックAの数平均分子量(MndA)は、21,000以下であり、好ましくは5,000以上21,000以下であり、より好ましくは18,000以下であり、さらに好ましくは16,000以下である。
(d)成分の数平均分子量(Mnd)は、150,000以下であり、好ましくは5,000〜150,000、より好ましくは10,000〜140,000、さらに好ましくは30,000〜130,000である。Mndをこの範囲とすると、樹脂組成物における(d)ブロック共重合体系樹脂の役割があくまでも、(a)ポリプロピレン系樹脂、(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(c)水添ブロック共重合体系樹脂からなる群より選択される2種以上の樹脂間の耐衝撃付与剤としての役割となる。すなわち、粘度が高いポリマー(ポリプロピレン)−ポリマー(ポリフェニレンエーテル)−ポリマー(水添ブロック共重合体系樹脂)の溶融バルク状態での乳化の際に、耐衝撃付与剤としての(d)成分が溶融混合系内で好ましく拡散させるため、(d)ブロック共重合体系樹脂の溶融粘度を考慮して、(d)成分の数平均分子量(Mnd)は上記範囲であることが好ましい。
(d)成分の数平均分子量(Mnd)を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、(d)成分の重合工程における触媒量を調整する方法が挙げられる。
また、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAの数平均分子量(MndA)が前記範囲内であるブロック共重合体は、良好な耐衝撃性を与える機能を有し、得られる樹脂組成物の耐衝撃性に大きな優位性を与えることができる。
該数平均分子量(MndA)を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、重合開始剤の量で調整する方法が挙げられる。
[各成分の含有割合]
本実施の形態の樹脂組成物において、(c)水添ブロック共重合体系樹脂と併用可能な上記の(d)ブロック共重合体系樹脂との質量比率((c):(d))は、(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂が(a)ポリプロピレン系樹脂を含むマトリックス相中に安定した乳化分散状態となったポリマーアロイを得る観点から、好ましくは1:99〜99:1であり、より好ましくは10:90〜90:10であり、さらに好ましくは20:80〜80:20であり、特に好ましくは30:70〜70:30である。
また、本実施の形態の樹脂組成物において、前記(c)及び(d)成分の合計含有量は、前記(a)及び(b)成分の合計含有量100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部であり、より好ましくは2〜45質量部であり、更に好ましくは3〜40質量部であり、特に好ましくは10〜30質量部である。前記(c)及び(d)成分の合計含有量が前記範囲内であると、樹脂組成物における耐熱性と耐衝撃性とのバランスの観点で好ましい。
さらに、本実施の形態の樹脂組成物において、前記(a)及び(b)成分の質量比率((a):(b))は、好ましくは25:75〜99:1であり、より好ましくは27:73〜95:5であり、さらに好ましくは26:74〜92:8であり、特に好ましくは、30:70〜90:10である。前記(a)及び(b)成分の質量比率が前記範囲内であると、樹脂組成物の耐熱性及び耐衝撃性の点で好ましい。
[モルフォロジー]
本実施の形態の樹脂組成物は、(a)成分を含むマトリックス相と、(b)成分を含む分散相とを有することが好ましい。このようなモルフォロジーは、透過型電子顕微鏡によって確認することができる。
マトリックス相は、(a)成分単独から構成されていてもよい。分散相は、(b)成分単独でもよいし、例えば、(b)成分と、(c)成分及び(d)成分とから構成されていてもよい。この場合、本実施の形態の樹脂組成物は、マトリックス相((a)成分)と、分散相((b)成分単独、又は(b)成分、(c)成分及び(d)成分等)を構成する分散粒子を有する。(c)成分、(d)成分は、分散相中に包含されているだけでなく、本実施の形態の効果が損なわれない程度に、マトリックス相中にも包含されていてもよい。本実施の形態の樹脂組成物において、このようなモルフォロジーをとることで、マトリックス相及び/又は分散相に含まれる(c)成分、(d)成分が、一層耐衝撃性の向上に有効な分散状態をとることができ、本実施の形態の効果が一層向上するものと推測される(但し、本実施の形態の作用はこれに限定されない。)。
<(e)他の成分>
本実施の形態の樹脂組成物においては、(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン及びハイインパクトポリスチレンからなる群より選択される少なくとも1種との混合物も好適に用いることができる。
より好適には、(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン及びハイインパクトポリスチレンからなる群より選択される少なくとも1種が、好ましくは400質量部以下、より好ましくは100質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下、特に好ましくは10質量部以下の範囲で混合した混合物を用いることができる。
本実施の形態の樹脂組成物においては、上記の成分の他に、本実施の形態効果を損なわない範囲で、必要に応じて他の付加的成分を添加してもかまわない。このような他の付加的成分としては、特に限定されないが、例えば、(d)成分に該当しないビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体、(c)成分に該当しないビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物の水素添加ブロック共重合体、オレフィン系エラストマー(エチレン−α−オレフィン共重合体等)、酸化防止剤、金属不活性化剤、熱安定剤、難燃剤(有機リン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム系化合物、ポリリン酸メラミン系化合物、ホスフィン酸塩類、水酸化マグネシウム、芳香族ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤等)、フッ素系ポリマー、可塑剤(低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐候(光)性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリップ剤、無機又は有機の充填材や強化材(チョップドストランドガラス繊維、ガラス長繊維、CF長繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ウィスカ、クレイ、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム及びその繊維、シリカ、ワラストナイト導電性金属繊維、導電性カーボンブラック等)、各種着色剤、離型剤等が挙げられる。
[損失正接(tanδ)]
本実施の形態に係わる樹脂組成物は、下記測定方法により得られる−45℃の損失正接(−45℃tanδ)と、0℃の損失正接(0℃tanδ)との比(−45℃tanδ/0℃tanδ)が、好ましくは0.41以上、より好ましくは0.45以上、さらに好ましくは0.47以上である。
<損失正接(tanδ)の測定>
樹脂組成物から得られるISO試験片について、粘弾性測定機を用いて、引張りモード、振動周波数:10Hz、静的負荷歪み:0.2%、動的負荷歪み:0.1%、接触荷重:0.5N、昇温速度:3℃/min、温度範囲:−100℃〜160℃の温度掃引モードにおいて測定した際の−45℃及び0℃における損失正接(tanδ)。
当該比(−45℃tanδ/0℃tanδ)は高いほど好ましいが、上限としては、例えば1.50である。当該比(−45℃tanδ/0℃tanδ)を0.41以上にすることにより、0℃以下の樹脂組成物の耐衝撃性を向上させることができる。
≪樹脂組成物の製造方法≫
本実施の形態の樹脂組成物は、例えば、上述した(a)〜(d)成分を含む原料を溶融混練して得られる。溶融混練機は、特に限定されず、公知の混練機を用いることができ、例えば、単軸押出機、二軸押出機を含む多軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練機が挙げられる。上記の中でも、二軸押出機が好ましい。具体的には、コペリオン社製のZSKシリーズ、東芝機械(株)製のTEMシリーズ、日本製鋼所(株)製のTEXシリーズ等を用いることができる。
また、押出機を用いる場合であれば、その種類や規格等は特に限定されず、適宜に公知の押出機を用いることができる。押出機のL/D(バレル有効長/バレル内径)は、好ましくは20以上75以下の範囲であり、より好ましくは30以上60以下の範囲である。
押出機は原料の流れ方向に対し上流側に第1原料供給口、これより下流に第1真空ベント、その下流に第2原料供給口を設け、さらにその下流に第2真空ベントを設けた押出機や、上流側に第1原料供給口、これより下流に第1真空ベント、その下流に第2及び第3原料供給口を設け、さらにその下流に第2真空ベントを設けた押出機等が好ましい。
上記の中でも、第1真空ベントの上流にニーディングセクションを設け、第1真空ベントと第2原料供給口との間にニーディングセクションを設け、さらに第2原料供給口と第2真空ベントとの間にニーディングセクションを設けた押出機や、第1真空ベントの上流にニーディングセクションを設け、第1真空ベントと第2原料供給口との間にニーディングセクションを設け、さらに第2原料供給口と第3原料供給口との間にニーディングセクションを設け、第2原料供給口と第2真空ベントとの間にニーディングセクションを設けた押出機がより好ましい。
また、第2及び第3原料供給口への原料供給方法は、特に限定されず、押出機の第2及び第3原料供給口の開放口からの単なる添加供給よりも、押出機サイド開放口から強制サイドフィーダーを用いて供給する方が安定で好ましい。
(a)〜(d)成分を含む原料を溶融混練する方法としては、複数のフィード口を有する二軸押出機を用い、下記の(1−1)工程と(1−2)工程と、を含む方法1が好ましい。
(1−1):(b)成分の全量と、(a)成分の一部又は全量と、(c)成分の一部又は全量と、(d)成分の一部又は全量とを溶融混練する工程(ただし、(a)成分、(c)成分及び(d)成分からなる群より選択される少なくとも一成分は、一部だけ用いる。)。
(1−2):(1−1)工程で得られた混練物に対して、(a)成分、(c)成分及び(d)成分からなる群より選択される少なくとも一成分の残量を溶融混練する工程。
また、(a)〜(d)成分を含む原料を溶融混練する方法として、複数のフィード口を有する二軸押出機を用い、下記の(2−1)工程〜(2−3)工程と、を含む方法2がより好ましい。
(2−1):(b)成分の全量と、(a)成分の一部又は全量と、(c)成分の一部又は全量とを溶融混練する工程。
(2−2):(2−1)工程で得られた混練物に対して、(a)成分及び(c)成分からなる群より選択される少なくとも一成分の残量と、(d)成分の一部又は全量を添加し、溶融混練する工程。
(2−3):(2−2)工程で得られた混練物に対して、(d)成分の残量を添加し、溶融混練する工程(ただし、(2−2)工程でd)成分の全量を添加した場合を除く。)。
また、(a)〜(d)成分を含む原料を溶融混練する方法として、複数のフィード口を有する二軸押出機を用い、下記の(3−1)工程〜(3―3)工程と、を含む方法3がさらに好ましい。
(3−1):(b)成分の全量と、(a)成分の一部又は全量と、(c)成分の一部又は全量とを溶融混練する工程。
(3−2):(3−1)工程で得られた混練物に対して、(a)成分及び(c)成分からなる群より選択される少なくとも一成分の残量を添加し、溶融混練する工程。
(3―3):(3−2)工程で得られた混練物に対して、(d)成分の全量を添加し、溶融混練する工程。
溶融混練温度、スクリュー回転数は特に限定されないが、通常、溶融混練温度200〜370℃、スクリュー回転数100〜1200rpmの中から適宜に選ぶことができる。なお、原料中に(e)成分を含む場合、(e)成分の投入方法は特に限定されないが、第2原料供給口及び/又は第3原料供給口とから投入することが好ましい。
≪成形体≫
本実施の形態の成形体は、上述した樹脂組成物を含む。
また、本実施の形態の成形体は、例えば、上述した樹脂組成物を成形することにより得ることができる。当該成形方法としては、特に限定されず、従来から公知の種々の方法、例えば、射出成形、押出成形、押出異形成形、中空成形が挙げられる。このような成形方法により得られる本実施の形態の成形体は、各種部品の成形品、又はシート、フィルムとして用いることができる。これら各種部品としては、特に限定されないが、例えば自動車部品が挙げられ、具体的には、バンパー、フェンダー、ドアーパネル、各種モール、エンブレム、エンジンフード、ホイールキャップ、ルーフ、スポイラー、各種エアロパーツ等の外装部品や、インストゥルメントパネル、コンソールボックス、トリム等の内装部品等に適している。
さらに、本実施の形態の成形体は、電気機器の内外装部品としても好適に使用でき、具体的には、各種コンピューター及びその周辺機器、その他のOA機器、テレビ、ビデオ、各種ディスクプレーヤー等のキャビネット、シャーシ、冷蔵庫、エアコン、液晶プロジェクターが挙げられる。また、電気機器用のリチウムイオン電池のセパレータ、金属導体又は光ファイバーに被覆して得られる電線・ケーブルにも適している。またさらに、本実施の形態の成形体は、工業用部品用途では各種ポンプケーシング、ボイラーケーシング等の部品用途に適している。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
各材料の各物性の測定は以下のとおりに行った。
[数平均分子量]
各成分の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(移動相:クロロホルム、標準物質:ポリスチレン)により測定した。具体的には、昭和電工(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー System21を用いて以下の条件で測定した。該測定において、カラムとして、昭和電工(株)製K−Gを1本、K−800RLを1本さらにK−800Rを1本の順番で直列につないだカラムを用い、カラム温度を40℃とし、溶媒をクロロホルムとし、溶媒流量を10mL/分とし、サンプル濃度を、水添ブロック共重合体1g/クロロホルム溶液1リットルとした。また、標準ポリスチレン(標準ポリスチレンの分子量は、3650000、2170000、1090000、681000、204000,52000、30200、13800,3360、1300,550)を用いて検量線を作成した。さらに、検出部のUV(紫外線)の波長は、標準ポリスチレン及び水添ブロック共重合体共に254nmに設定して測定した。
[結合スチレン量の測定]
水添ブロック共重合体系樹脂における結合スチレン量(ビニル芳香族化合物単位の含有量)は、当該水添ブロック共重合体系樹脂を紫外線分光光度計(島津製作所製、UV−2450)により測定した。
[全ビニル結合量の測定]
水添ブロック共重合体系樹脂中の共役ジエン化合物単位における全ビニル結合量(全結合に対する1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合)は、当該水添ブロック共重合体系樹脂の水添前のブロック共重合体を赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−230)により測定し、ハンプトン法で算出した。
[水素添加率の測定]
ブロック共重合体のエチレン性二重結合(共役ジエン化合物単位における二重結合)に対する水素添加率は、当該水添ブロック共重合体系樹脂を核磁気共鳴(NMR)(装置名:DPX−400 BRUKER社製)により測定した。
[融点]
各成分の融点は、示差走査熱量計により測定した。
[メルトフローレート(MFR)]
ポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K7210に準拠し、230℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
[還元粘度]
ポリフェニレンエーテル系樹脂の還元粘度は、0.5g/dLのクロロホルム溶液、30℃の条件で測定した。
[樹脂組成物の製造]
1.(a)成分(ポリプロピレン系樹脂)
下記(a−1)及び(a−2)成分を(a)成分として用いた。
(a−1)プロピレンホモポリマー(融点:167℃、MFR:0.4g/10分)
(a−2)プロピレンホモポリマー(融点:165℃、MFR:6.0g/10分)
2.(b)成分(ポリフェニレンエーテル系樹脂)
2,6−キシレノールを酸化重合してポリフェニレンエーテルホモポリマーを得た。得られたポリフェニレンエーテルホモポリマーを(b)成分として用いた。該ポリフェニレンエーテルホモポリマーの還元粘度は0.42であった。
3.(c)成分(水添ブロック共重合体系樹脂)
水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン(1)−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン(2)のB−A−B−A型の構造を有する水添ブロック共重合体を常法によって合成した。合成した水添ブロック共重合体を(c)成分として用いた。該水添ブロック共重合体系樹脂の特性を以下に示す。
結合スチレン量:43質量%
水添ブロック共重合体中のポリブタジエン単位における全ビニル結合量(全結合に対する1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合):75%
数平均分子量(Mnc):98,000
ポリスチレンブロック(1)の数平均分子量(MncA):20,000
ポリスチレンブロック(2)の数平均分子量(MncA):22,000
ブロック共重合体のエチレン性二重結合(ポリブタジエン単位における二重結合)に対する水素添加率:99.9%
4.(d)成分(ブロック共重合体系樹脂)
下記(d−1)〜(d−4)成分を(d)成分等として用いた。
(d−1)
ポリスチレン(1)−ポリブタジエン−ポリスチレン(2)のA−B−A型の構造を有するブロック共重合体を常法によって合成した。該ブロック共重合体(d−1)の特性を以下に示す。
結合スチレン量:30質量%
ポリブタジエン単位における全ビニル結合量(全結合に対する1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合):12%
数平均分子量(Mnd):91,000
ポリスチレンブロック(1)の数平均分子量(MndA):13,300
ポリスチレンブロック(2)の数平均分子量(MndA):14,000
(d−2)
ポリスチレン(1)−ポリブタジエン−ポリスチレン(2)のA−B−A型の構造を有するブロック共重合体を常法によって合成した。該ブロック共重合体(d−2)の特性を以下に示す。
結合スチレン量:30%
ポリブタジエン単位における全ビニル結合量(全結合に対する1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合):11%
数平均分子量(Mnd):136,000
ポリスチレンブロック(1)の数平均分子量(MndA):20,800
ポリスチレンブロック(2)の数平均分子量(MndA):20,000
(d−3)
ポリスチレン(1)−ポリブタジエン−ポリスチレン(2)のA−B−A型の構造を有するブロック共重合体を常法によって合成した。該ブロック共重合体(d−3)の特性を以下に示す。
結合スチレン量:42%
ポリブタジエン単位における全ビニル結合量(全結合に対する1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合):9%
数平均分子量(Mnd):110,000
ポリスチレンブロック(1)の数平均分子量(MndA):22,000
ポリスチレンブロック(2)の数平均分子量(MndA):24,000
(d−4)
ポリスチレン(1)−ポリブタジエン−ポリスチレン(2)のA−B−A型の構造を有するブロック共重合体を常法によって合成した。該ブロック共重合体(d−4)の特性を以下に示す。
結合スチレン量:26%
ポリブタジエン単位における全ビニル結合量(全結合に対する1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合の合計割合):14%
数平均分子量(Mnd):173,000
ポリスチレンブロック(1)の数平均分子量(MndA):22,000
ポリスチレンブロック(2)の数平均分子量(MndA):23,000
[実施例1〜6、参考例7、実施例8及び比較例1〜5]
第一原料供給口、第二原料供給口(押出機のほぼ中央に位置する)及び第三原料供給口
を有する二軸押出機(コペリオン社製 ZSK−25)を用い、上記(a)〜(d)の各
成分を、表1に示した組成で、押出機の第一〜第三原料供給口に供給して溶融混練し、樹
脂組成物をペレットとして得た。なお、前記二軸押出機は、バレル温度270〜320℃
、スクリュー回転数300rpmに設定した。得られた樹脂組成物の各物性の評価を以下
のとおりに行った。測定結果を表1に示す。
<引張伸び>
実施例及び比較例で得た樹脂組成物のペレットを、240〜280℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60℃の条件で射出成形することにより、引伸び度測定用試験片を作成した。作成した試験片を、ギアオーブンを用い80℃の環境下に24時間静置し熱履歴処理を行った。熱履歴処理を行った試験片について、ISO527に準じて引張伸びを測定した。このとき、試験片10本の引張伸びの値から標準偏差を計算した。
<シャルピー衝撃強度(Charpy)>
実施例及び比較例で得た樹脂組成物のペレットを、240〜280℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60℃の条件で射出成形することにより、シャルピー衝撃強度測定用テストピースを得た。得られたテストピースを、ギアオーブンを用い80℃の環境下に24時間静置し熱履歴処理を行った。熱履歴処理後のテストピースについて、23℃及び−40℃環境下にてISO179に準じてシャルピー衝撃強度を測定した。
<荷重たわみ温度(DTUL)>
実施例及び比較例で得た樹脂組成物のペレットを、240〜280℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60℃の条件で射出成形することにより、DTUL測定用テストピースを得た。得られたテストピースを、ギアオーブンを用い80℃の環境下に24時間静置し熱履歴処理を行った。熱履歴処理後のテストピースを用いて、ISO75に準拠し、1.8MPa荷重及び0.45MPa荷重での荷重たわみ温度(DTUL)を測定した。
<損失正接(tanδ)の測定>
実施例及び比較例で得た樹脂組成物ペレットを、240〜280℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60℃の条件で射出成形することにより、ISO試験片を作製した。当該試験片を粘弾性測定機「EPLEXOR500N(GABO社製)」に装着し、引張りモード、振動周波数が10Hz、静的負荷歪みを0.2%、動的負荷歪みを0.1%、接触荷重を0.5N、昇温速度が3℃/分、温度範囲が−100℃〜160℃の温度掃引モードにおいて測定し、−45℃及び0℃における読み取ったtanδ値からtanδ比(−45℃tanδ/0℃tanδ)を算出した。
実施例で得られた樹脂組成物は比較例で得られた樹脂組成物と比較して、シャルピー衝撃強度と荷重たわみ温度とのバランスに優れることがわかった。
本発明の樹脂組成物及び成形体は、自動車用部品、耐熱部品、電子機器用部品、工業用部品、被覆材としての産業上の利用可能性を有している。

Claims (12)

  1. (a)ポリプロピレン系樹脂、(b)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(c)水添ブロ
    ック共重合体系樹脂、及び(d)ブロック共重合体系樹脂を含み、
    前記(c)成分が、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロック
    Aと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロ
    ック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体及び/又は該水添ブロック共重合
    体の変性物であり、
    前記(d)成分が、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロック
    Aと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロ
    ック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の変性物であり、
    前記(c)成分中の共役ジエン化合物単位の全結合において、1,2−ビニル結合及び
    3,4−ビニル結合の合計割合が45〜90%であり、
    前記(d)成分が、ビニル芳香族化合物単位を10〜40質量%含み、
    前記(d)成分の数平均分子量(Mnd)が、150,000以下であり、
    前記(d)成分を形成する重合体ブロックAの数平均分子量(MndA)が、21,0
    00以下であり、
    前記(a)及び(b)成分の質量比率((a):(b))が、25:75〜40:60である、樹脂組成物。
  2. 前記(c)成分を形成する重合体ブロックAの数平均分子量(MncA)が、8,00
    0以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(c)成分が、ビニル芳香族化合物単位を30〜50質量%含む、請求項1又は2
    に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(c)成分において、前記ブロック共重合体のエチレン性二重結合(共役ジエン化
    合物単位における二重結合)に対する水素添加率が50〜100%である、請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記(a)及び(b)成分の合計含有量100質量部に対して、前記(c)及び(d)
    成分の合計含有量が1〜50質量部であり、
    記(c)及び(d)成分の質量比率((c):(d))が、1:99〜99:1であ
    る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記(c)成分の数平均分子量(Mnc)が、100,000以下である、請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記(d)成分を形成する重合体ブロックAの数平均分子量(MndA)が、18,0
    00以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記(d)成分中の共役ジエン化合物単位の全結合において、1,2−ビニル結合及び
    3,4−ビニル結合の合計割合が20%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載
    の樹脂組成物。
  9. 前記(a)成分が、ホモポリプロピレン及び/又はブロックポリプロピレンであり、
    前記(a)成分のメルトフローレート(MFR:JIS K7210に準拠し、230
    ℃、2.16kgの荷重で測定)が0.1〜100g/10分である、請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記(a)成分を含むマトリックス相と、前記(b)成分を含む分散相とを有する、請
    求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. 下記測定方法により得られる−45℃の損失正接(−45℃tanδ)と、0℃の損失
    正接(0℃tanδ)との比(−45℃tanδ/0℃tanδ)が0.41以上である
    、請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物;
    <損失正接(tanδ)の測定>
    樹脂組成物から得られるISO試験片について、粘弾性測定機を用いて、引張りモード、
    振動周波数:10Hz、静的負荷歪み:0.2%、動的負荷歪み:0.1%、接触荷重:
    0.5N、昇温速度:3℃/分、温度範囲:−100℃〜160℃の温度掃引モードにお
    いて測定した際の−45℃及び0℃における損失正接(tanδ)。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む成形体。
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