JP6171733B2 - 熱線遮蔽分散体形成用塗布液および熱線遮蔽体 - Google Patents

熱線遮蔽分散体形成用塗布液および熱線遮蔽体 Download PDF

Info

Publication number
JP6171733B2
JP6171733B2 JP2013175982A JP2013175982A JP6171733B2 JP 6171733 B2 JP6171733 B2 JP 6171733B2 JP 2013175982 A JP2013175982 A JP 2013175982A JP 2013175982 A JP2013175982 A JP 2013175982A JP 6171733 B2 JP6171733 B2 JP 6171733B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat ray
ray shielding
heat
dispersion
fine particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013175982A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015044921A (ja
Inventor
美香 岡田
美香 岡田
矢吹 佳世
佳世 矢吹
英昭 福山
英昭 福山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2013175982A priority Critical patent/JP6171733B2/ja
Publication of JP2015044921A publication Critical patent/JP2015044921A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6171733B2 publication Critical patent/JP6171733B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、可視光領域の光は透過し近赤外線領域に吸収を持つ近赤外線遮蔽材料を用いた熱線遮蔽分散体、熱線遮蔽分散体形成用塗布液および熱線遮蔽体に関する。
太陽光線は、熱線(近赤外光)、可視光、紫外光の3つに大きく分けられる。熱線は熱エネルギーとして人体に感じる波長領域であり、夏季の室内の温度上昇の原因となる。また、紫外光領域は日焼けや皮膚ガン等、人体へ悪影響を及ぼすことが指摘されている。
近年、透明基材へ、熱線としての近赤外線を遮蔽することで保温や断熱の性能を付与することを求められる場合がある。このため、ガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の透明基材に近赤外線吸収能を付与することが求められる場合がある。
例えば、特許文献1では、透明なガラス基板上に、基板側より第1層として周期律表のIIIa族、IVa族、Vb族、VIb族およびVIIb族から成る群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを含有する複合酸化タングステン膜を設け、上記第1層上に第2層として透明誘電体膜を設け、第2層の透明誘電体膜上に第3層として周期律表のIIIa族、IVa族、Vb族、VIb族およびVIIb族から成る群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを含有する複合酸化タングステン膜を設け、かつ、上記第2層を構成する透明誘電体膜の屈折率を第1層および第3層の複合酸化タングステン膜の屈折率よりも低くすることにより、高い可視光透過率および良好な熱線遮蔽性能が要求される部位に好適に使用できる熱線遮断ガラスが提案されている。
また、特許文献2では、特許文献1と同様の方法で、透明なガラス基板上に、基板側より第1層として第1の誘電体膜を設け、この第1層上に第2層として酸化タングステン膜を設け、この第2層上に第3層として上記第1層と同じ誘電体膜を設けた熱線遮断ガラスが提案されている。
また、特許文献3では、特許文献1と同様な方法で、透明な基板上に、基板側より第1層として同様の金属元素を含有する複合酸化タングステン膜を設け、この第1層上に第2層として透明誘電体膜を設けた熱線遮断ガラスが提案されている。
さらに、特許文献4では、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム等の添加元素を含有する三酸化タングステン(WO)、三酸化モリブデン(MoO)、五酸化ニオブ(Nb)、五酸化タンタル(Ta)、五酸化バナジウム(V)および二酸化バナジウム(VO)の1種以上から選択された金属酸化物膜を、CVD法あるいはスプレー法でガラスシートに被覆し、かつ250℃程度で熱分解して形成された太陽光遮蔽特性を有する太陽光制御ガラスシートが提案されている。
特許文献5では、タングステン酸を加水分解して得られたタングステン酸化物を用い、このタングステン酸化物にポリビニルピロリドンという特定の構造の有機ポリマーを添加した太陽光可変調光断熱材料が提案されている。
また、特許文献6では、六塩化タングステンをアルコールに溶解し、そのまま溶媒を蒸発させるか、または加熱還流した後に溶媒を蒸発させ、その後100℃〜500℃で加熱することにより、三酸化タングステン若しくはその水和物または両者の混合物から成る粉末が得られることが記指されている。そして当該タングステン酸化物微粒子を用いてエレクトロクロミック素子が得られること、多層の積層体を構成し膜中にプロトンを導入したときに当該膜の光学特性を変化させること、等が提案されている。
また、特許文献7では、メタ型タングステン酸アンモニウムと水溶性の各種金属塩を原料とし、約300〜700℃に加熱しながらその混合水溶液の乾固物に対し、不活性ガス(添加量;約50vol%以上)または水蒸気(添加量;約15vol%以下)が添加された水素ガスを供給することにより、MWO(M;アルカリ、Ia族、IIa族、希土類等の金属元素、0<x<1)で表記される種々のタングステンブロンズを調製する方法が提案されている。
さらに、特許文献8には、タングステン酸化物微粒子および/または複合タングステン酸化物微粒子から成る近赤外線遮蔽材料微粒子を、樹脂、ガラス等の媒体中に分散させて成る近赤外線遮蔽材料微粒子分散体、この分散体から製造される近赤外線遮蔽体、上記近赤外線遮蔽材料微粒子の製造方法、および、近赤外線遮蔽材料微粒子が提案されている。
特許文献9には、複合タングステン酸化物微粒子を、紫外線硬化樹脂などの樹脂成分または金属アルコキシド等の媒体中に分散させた赤外線遮蔽材料微粒子分散剤と、それを用いた赤外線遮蔽膜、プラズマディスプレイ用赤外線吸収フィルターについて記載している。そして、当該赤外線遮蔽膜の経時的光学特性の低下防止を目的として、金属塩を添加することが提案されている。
特開平8−59300号公報 特開平8−12378号公報 特開平8−283044号公報 特開2000−119045号公報 特開平9−127559号公報 特開2003−121884号公報 特開平8−73223号公報 特許第4096205号公報 特開2009−197146号公報
ところが本発明者らの検討によると、特許文献1〜3に記載の近赤外線遮蔽体(熱線遮断ガラス)は、主にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法および化学気相成長法(CVD法)等の真空成膜方式による乾式法を用いた方法で製造される。この為、成膜には、大型の製造装置を必要とし、製造コストが高くなるという問題がある。
また、上記真空成膜方法で製造されることから、近赤外線遮蔽体の基材が高温のプラズマに曝されたり、成膜後に加熱を必要としたりすることになる。この為、ガラスに替えてフィルム等の樹脂を基材とする場合には、別途、設備上、成膜条件の検討を行う必要があった。
特許文献4に記載の近赤外線遮蔽体(太陽光制御ガラスシート)は、原料である金属酸化物をCVD法またはスプレー法と熱分解法との併用によりガラス上に被膜形成する。しかし、金属酸化物の前駆体となる原料が高価であること、当該金属酸化物を高温で分解すること等から、ガラスシートに代えてフィルム等の樹脂を基材とする場合には、別途、成膜条件の検討を行う必要があった。
また、特許文献5に記載の太陽光可変調光断熱材料や、特許文献6に記載のエレクトロクロミック素子は、紫外線や電位差によりその色調を変化させる材料であり膜の構造が複雑である。この為、色調変化が望まれない用途分野には適用が困難という問題があった。
特許文献7にはタングステンブロンズの調製方法が記載されている。しかし、得られた粉体の粒子直径や光学特性の記載は皆無である。これは、特許文献7において、タングステンブロンズの用途として電解装置や燃料電池の電極材料および有機合成の触媒材料が考えられている為である。即ち、タングステンブロンズを、上述の近赤外線遮蔽体へ適用することを考えていないものである。
他方、特許文献8に記載のタングステン酸化物微粒子および/または複合タングステン酸化物微粒子は優れた可視光透過性と良好な近赤外線遮蔽効果とを有しているため、これらを樹脂、ガラス等の媒体中に分散させて成る近赤外線遮蔽材料微粒子分散体、この分散体から製造される近赤外線遮蔽体は、各種建築物や車両の窓材等の分野において好適に利用される近赤外線遮蔽体として有望である。
しかし、本発明者らの検討によると、これら近赤外線遮蔽材料微粒子分散体、この分散体から製造される近赤外線遮蔽体の膜強度、耐湿熱性については改善すべき余地がある。
特許文献9には、赤外線遮蔽材料微粒子分散剤へ金属塩を添加することで、赤外線遮蔽膜の経時的光学特性の低下防止が図れたことが記載されている。
しかしながら、特許文献9においては媒体として紫外線硬化樹脂などの樹脂成分または金属アルコキシド等を用いている為、赤外線遮蔽膜の膜強度が低く、プラズマディスプレイ用赤外線吸収フィルター等の用途以外への適用が困難であった。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、太陽光からの近赤外線の吸収能力を有し、膜強度が高く、耐湿熱性が高いという特徴を有する熱線遮蔽分散体と当該熱線遮蔽分散体の形成用塗布液、および当該熱線遮蔽分散体を用いた熱線遮蔽体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らが研究を行なった結果、近赤外線吸収材料である複合タングステン酸化物微粒子と、シラン化合物、ケイ酸塩、ポリリン酸塩、シリカアルミナ、チタニア、酸化セリウム、ジルコニア、等のいずれか1種類以上を含むバインダーとを、含む熱線遮蔽分散体へ、さらに、2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩から選択される1種類以上の塩を混合することで、可視光領域に透過率の極大を持つとともに近赤外領域に強い吸収を持ち、高い膜強度と耐湿熱性とを有する熱線遮蔽分散体が得られるとの知見を得た。本発明は、当該技術的知見に基づき完成されたものである。
即ち、本発明に係る第1の発明は、
一般式MWO(0.1≦Y≦0.5、2.2≦Z≦3.0)で示され、M元素がCs、Rb、Kのうちから選択される1種類以上であり、且つ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子と、
2−エチルヘキサン酸スズ、2−エチルヘキサン酸バリウム、ナフテン酸マグネシウムから選択される1種類以上の塩と、を含み、
前記2−エチルヘキサン酸スズ、2−エチルヘキサン酸バリウム、ナフテン酸マグネシウムから選択される1種類以上の塩に含まれる金属の重量が、前記複合タングステン酸化物微粒子の重量に対して、1質量%以上、6質量%以下であることを特徴とする熱線遮蔽分散体形成用塗布液である。
第2の発明は、
前記複合タングステン酸化物微粒子が、平均粒径40nm以下の微粒子であることを特徴とする第1の発明に記載の熱線遮蔽分散体形成用塗布液である。
第3の発明は、
第1または第2の発明に記載の熱線遮蔽分散体形成用塗布液であって、さらに、シラン化合物、ケイ酸塩、ポリリン酸塩、シリカアルミナ、チタニア、酸化セリウム、ジルコニアのいずれか1種類以上を含むバインダーとを、含むことを特徴とする熱線遮蔽分散体形成用塗布液である。
第4の発明は、
前記シラン化合物が、オルガノシラン、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシラン、テトラアルコキシシランのいずれか1種類以上を含むシリカバインダーであることを特徴とする第3の発明に記載の熱線遮蔽分散体形成用塗布液である。
第5の発明は、
透明基材の片面または両面に、第3または第4の発明に記載の熱線遮蔽分散体形成用塗布液の塗膜である熱線遮蔽分散体が形成されていることを特徴とする熱線遮蔽体である。
第6の発明は、
透明基材の片面または両面に、第1または第2の発明に記載の熱線遮蔽分散体形成用塗布液の塗膜である熱線遮蔽分散体が形成され、
前記熱線遮蔽分散体上に、シラン化合物、ケイ酸塩、ポリリン酸塩、シリカアルミナ、チタニア、酸化セリウム、ジルコニアのいずれか1種類以上を含むバインダー膜が形成されていることを特徴とする熱線遮蔽体である。
第7の発明は、
前記シラン化合物が、オルガノシラン、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシラン、テトラアルコキシシランのいずれか1種類以上を含むシリカバインダーであることを特徴とする第6の発明に記載の熱線遮蔽体である。
第8の発明は、
85℃、90%RHの環境下に7日間暴露したときの可視光透過率の変化が、3.5%以下であることを特徴とする第5から第7の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽体である。
本発明に係る熱線遮蔽分散体および熱線遮蔽体は、膜強度と耐湿熱性とが高く、高温高湿環境に暴露された後であっても、近赤外線吸収機能の低下が抑制されていた。
本発明は、一般式MWO(0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で示され、M元素がCs、Rb、K、Tlのうちから選択される1種類以上であり、且つ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子である熱線遮蔽材料微粒子が、シラン化合物、ケイ酸塩、ポリリン酸塩、シリカアルミナ、チタニア、酸化セリウム、ジルコニア、等のいずれか1種類以上を含むバインダー中に分散してなる熱線遮蔽分散体、当該熱線遮蔽分散体を形成する塗布液および当該熱線遮蔽分散体を所定の基材の片面または両面に設けた熱線遮蔽体である。
当該本発明に係る熱線遮蔽分散体、および当該熱線遮蔽分散体を所定の基材の片面または両面に設けた熱線遮蔽体は、膜強度と耐湿熱性とが高く、高温高湿環境下に暴露された後であっても、近赤外線吸収機能の低下が抑制されている。
本発明において耐湿熱性とは、熱線遮蔽分散体または熱線遮蔽体を、例えば85℃、90%RHという高温高湿環境下に暴露した場合において、暴露前と比較して、可視光透過率が低下する、日射透過率が上昇するといった光学的特性の劣化が抑制されていることを言う。つまり、本発明に係る熱線遮蔽分散体や熱線遮蔽体が、高温高湿環境下において耐久性を有することを言う。
以下、本発明について、(1)複合タングステン酸化物微粒子、(2)バインダー、(3)2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩、(4)複合タングステン酸化物微粒子分散液の製造方法、(5)熱線遮蔽分散体形成用塗布液とその製造方法、(6)熱線遮蔽分散体とその形成、(7)熱線遮蔽体とその形成、(8)まとめ、の順で詳細に説明する。
(1)複合タングステン酸化物微粒子
一般に、自由電子を含む物質は、プラズマ振動によって波長200nmから2600nmの太陽光線の領域周辺にある電磁波に反射吸収応答を示すことが知られている。このような物質の粉末を光の波長より小さい微粒子とすると、可視光領域(波長380nmから780nm)の幾何学散乱が低減されて可視光領域の透明性が得られる。
ここで、一般にはWO中に有効な自由電子が存在しないため、WOは近赤外線領域の吸収反射特性が少なく、近赤外線吸収材料としては有効ではない。一方、酸素欠損を持つ3酸化タングステンや、3酸化タングステンにNa等の陽性元素を添加したいわゆるタングステンブロンズは、導電性材料であり、自由電子を持つ材料である。そして、これらの物質の単結晶等を分析した結果から、赤外線領域の光に対する自由電子の応答が示唆されている。
本発明者等は、当該酸素欠損を持つ3酸化タングステンやタングステンブロンズにおいて、タングステンと酸素との組成範囲が特定範囲にあるとき、近赤外線吸収材料として特に有効なものとなることを見出した。
本発明に適用される近赤外線吸収機能を有する微粒子は、一般式MWO(0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で示され、且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子である。当該複合タングステン酸化物微粒子は、熱線遮蔽分散体や熱線遮蔽体に適用された場合、熱線吸収成分として有効に機能する。
当該一般式MWO(0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で示され、且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子としては、例えばM元素が、Cs、Rb、K、Tlのうちの1種類以上を含むような複合タングステン酸化物微粒子が挙げられる。添加元素Mの添加量は、0.1以上0.5以下が好ましく、更に好ましくは0.33付近が好ましい。これは六方晶の結晶構造から理論的に算出される値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるからである。典型的な例としてはCs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Tl0.33WOなどを挙げることができるが、Y,Zの値が上述の範囲に収まるものであれば、有用な熱線吸収特性を得ることができる。
さらに、熱線遮蔽分散体や熱線遮蔽体の意匠性を考慮すると、可視光領域の透明性を保持したまま近赤外線領域の効率良い遮蔽を行なうことが求められる。一方、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子を含有する近赤外線吸収材料は、近赤外線領域、特に波長900nmから2200nm付近の光を大きく吸収するため、その透過色調は青色系から緑色系となる物が多い。
また、当該複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径が800nmよりも小さい場合、可視光を遮蔽ないため、可視光領域の透明性を保持したまま効率良く近赤外線を遮蔽することが可能となる。尤も、特に可視光領域の透明性を重視する場合には、分散粒子径は200nm以下がよく、さらに好ましくは100nm以下がよい。
これは、微粒子の分散粒子径が小さいと、幾何学散乱もしくは回折散乱によって波長400nmから780nmの可視光領域の光を散乱して曇りガラスのようになり、十分な透明性が得られなくなる現象を回避出来るからである。さらに、分散粒子径が200nm以下になると、上述の散乱が低減してミー散乱もしくはレイリー散乱領域になる。特に、レイリー散乱領域まで分散粒子径が減少すると、散乱光は分散粒子径の6乗に反比例して低減するため、分散粒子径の減少に伴い散乱が低減し透明性が向上する。さらに、分散粒子径が100nm以下になると散乱光は非常に少なくなり好ましい。当該光の散乱を回避する観点からは、分散粒子径が小さい方が好ましい。一方、分散粒子径が1nm以上であれば工業的な製造は容易である。
また、複合タングステン酸化物微粒子の単位重量あたりの熱線吸収能力は非常に高く、ITO(インジウム錫酸化物)やATO(アンチモン錫酸化物)と比較して、4〜10分の1程度の使用量でその効果を発揮する。
(2)バインダー
本発明に係るバインダーとしては、シラン化合物、ケイ酸塩、ポリリン酸塩、シリカアルミナ、チタニア、酸化セリウム、ジルコニア、等のいずれか1種類以上を含むバインダーを用いることが出来る。
なかでも、シラン化合物は、金属元素または珪素が、酸素を介して互いに結合した構造を有する化合物を含むものである。金属元素または珪素が、酸素を介して互いに結合した構造をとることで、高い膜強度を有する熱線遮蔽分散体および熱線遮蔽体が得られるので好ましい。
さらに、当該シラン化合物は、オルガノシラン、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、等から選択される1種類以上を含むシリカバインダーである。好ましいシリカバインダーとして、オルガノシランを含むシリカバインダーが挙げられる。オルガノシランはシロキサン結合を持ち強度に優れる上、末端基にメチル基等の有機基を持つため、耐水性にも優れるからである。
(3)2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩
本発明において、複合タングステン酸化物微粒子やバインダーと伴に用いられる、2−エチルヘキサン酸塩やナフテン酸塩は、熱線遮蔽分散体や熱線遮蔽体の耐湿熱性を向上させる目的で添加するものである。当該熱線遮蔽分散体や熱線遮蔽体の耐湿熱性が向上することで、長期間使用された際の光学特性の変化を抑制することが出来るからである。
2−エチルヘキサン酸塩やナフテン酸塩の添加が、本発明に係る熱線遮蔽分散体や熱線遮蔽体の耐湿熱性を向上させる詳細理由については明らかではない。しかし、上述したシラン化合物、ケイ酸塩、ポリリン酸塩、シリカアルミナ、チタニア、酸化セリウム、ジルコニア、等のいずれか1種類以上を含むバインダーが、2−エチルヘキサン酸塩やナフテン酸塩と反応し、当該バインダーの膜が緻密化することで、熱線遮蔽体への湿熱の影響が低減することが原因だと推察される。
さらに、添加される2−エチルヘキサン酸塩やナフテン酸塩の金属の種類において、例えば、ナフテン酸マグネシウム塩は、特に耐湿熱性に優れ好ましい。また、2−エチルヘキサン酸スズや2−エチルヘキサン酸バリウムも、特に耐湿熱性に優れ好ましい。
(4)複合タングステン酸化物微粒子分散液の製造方法
(i)複合タングステン酸化物微粒子の分散液
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液は、以下の方法により得られる。
最初に、複合タングステン酸化物微粒子と溶媒と分散剤とを混合し、分散処理を行う。分散処理の方法については、複合タングステン酸化物微粒子が所望の分散粒子径となるものであれば、特に制限はない。当該分散処理は、複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径が200nm以下となるまで行う。複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径が100nm以下となればさらに好ましい。
これは複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径が小さいほど、最終的に得られる熱線遮蔽分散体や熱線遮蔽体の透明性が向上するためである。
複合タングステン酸化物微粒子分散液の製造に用いる分散剤としては、複合タングステン酸化物微粒子の分散性を向上させる効果が得られればよく、分散剤の種類に、特に制限はない。
複合タングステン酸化物微粒子分散液の製造に用いる溶媒としては、複合タングステン酸化物微粒子の分散が出来るものであれば、特に制限はない。例えば、水、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテルなどのエーテル類、エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類といった各種の有機溶媒も使用可能である。
(ii)2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩の添加
複合タングステン酸化物微粒子と、2−エチルヘキサン酸塩および/またはナフテン酸塩との混合は、まず複合タングステン酸化物微粒子を上述したように分散処理して分散液とした後に、当該複合タングステン酸化物微粒子分散液へ、2−エチルヘキサン酸塩および/またはナフテン酸塩を添加すれば良い。
また、予め、複合タングステン酸化物微粒子と、2−エチルヘキサン酸塩および/またはナフテン酸塩とを混合した後、当該混合物に対して、上述した分散処理を行って分散液としてもよい。
(iii)2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩の混合比率
複合タングステン酸化物微粒子と、2−エチルヘキサン酸塩および/またはナフテン酸塩の混合物との混合比率について説明する。
2−エチルヘキサン酸塩やナフテン酸塩に含有される金属元素の重量をWとするとき、複合タングステン酸化物微粒子の重量に対し、W/複合タングステン酸化物微粒子の重量=1質量%〜6質量%の範囲であることが好ましく、2質量%〜6質量%であることがより好ましい。
複合タングステン酸化物微粒子の重量に対する、2−エチルヘキサン酸塩および/またはナフテン酸塩の添加量が上述の範囲にあれば、上述した本発明に係るバインダーと組み合わせたときの複合タングステン酸化物微粒子の耐湿熱性向上の効果があり、且つ、製造される熱線遮蔽分散体や熱線遮蔽体における、膜強度を始めとする機械的特性や光学的特性に悪影響を及ぼすことがないからである。
また、必要に応じて、複合タングステン酸化物微粒子と、2−エチルヘキサン酸塩および/またはナフテン酸塩との混合物へ、酸やアルカリを添加してpH値を調整してもよい。さらに、複合タングステン酸化物微粒子分散液中における、複合タングステン酸化物微粒子の分散安定性を一層向上させるために、各種の界面活性剤、カップリング剤などを添加することも可能である。
(5)熱線遮蔽分散体形成用塗布液とその製造方法
上述の方法により製造された複合タングステン酸化物微粒子分散液を、上述したバインダーと混合し、必要に応じて溶媒で希釈することにより塗布液が得られる。
ここで、当該熱線遮蔽分散体形成用塗布液における上述したバインダーの混合量は、5質量%以上であることが好ましい。バインダーの量が5質量%以上あれば、熱線遮蔽効果の高い熱線遮蔽分散体の形成が容易である。
また、複合タングステン酸化物微粒子分散液に前記バインダーを添加せず、適宜、溶媒で希釈することで熱線遮蔽分散体形成用塗布液としても良い。この場合は、当該熱線遮蔽分散体形成用塗布液を用いて熱線遮蔽分散体を形成後に、前記バインダーを含む塗布液を塗布して、当該熱線遮蔽分散体に前記バインダーを含浸させれば良い。
熱線遮蔽分散体形成用塗布液の濃度については、塗布方法に合わせて、適宜、最適な濃度を選択することができる。
熱線遮蔽分散体形成用塗布液を、適宜、希釈するのに用いる溶媒としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテルなどのエーテル類、エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類といった各種の有機溶媒や、水が使用可能である。
また、必要に応じて、当該溶媒へ、酸やアルカリを添加してpH値を調整してもよい。
さらに、複合タングステン酸化物微粒子の分散安定性を一層向上させるために、各種の界面活性剤、カップリング剤などを添加することも可能である。
さらに、複合タングステン酸化物微粒子分散液の色調などの調整のため、各種顔料、染料を加えても良い。
(6)熱線遮蔽分散体の形成方法
熱線遮蔽分散体形成用塗布液を用いた、熱線遮蔽分散体の形成方法について説明する。
上述の方法により製造された熱線遮蔽分散体形成用塗布液を、適宜な透明基材上に塗布し、分散媒を蒸発させ、加熱硬化させる。これにより、複合タングステン酸化物微粒子と、バインダーと、2−エチルヘキサン酸塩および/またはナフテン酸塩とを含む熱線遮蔽分散体が得られる。
(7)熱線遮蔽体とその形成
適宜な透明基材表面へ熱線遮蔽分散体を形成することで、熱線遮蔽体を製造することが出来る。
適宜な透明基材表面への熱線遮蔽分散体形成用塗布液の塗布方法としては、均一に塗布できれば特に制限はなく、例えば、バーコート法、グラビヤコート法、スプレーコート法、ディップコート法、フローコート法、スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、ブレードコート法などを用いることができる。
これらの塗布方法により形成された複合タングステン酸化物微粒子を含有する熱線遮蔽分散体の層は、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法および化学気相成長法(CVD法)などの乾式法や、スプレー法で製造した層(膜)に比べて、光の干渉効果を用いなくても、特に近赤外線領域の光を効率よく吸収する。同時に当該層は、可視光領域の光を透過させることができる。
適宜な透明基材表面への熱線遮蔽分散体形成用塗布液の塗布後、100℃以上、200℃未満の加熱をすることが好ましい。透明基材加熱温度を100℃以上とすることで、熱線遮蔽分散体中に含まれる本発明に係るバインダーの重合反応を殆ど完結させることが出来る。当該重合反応を殆ど完結させることで、熱線遮蔽分散体中に水や有機溶媒が残留することによる、可視光透過率の低減の原因を回避できる。当該観点からは、さらに好ましい加熱温度は150℃以上である。
また、基材加熱温度を200℃未満とすることで、複合タングステン酸化物微粒子の酸化を回避し、熱線遮蔽能の損失を回避することが出来る。
上述の方法により製造された熱線遮蔽体や熱線遮蔽分散体は、膜強度が高く、耐湿熱性に優れている。
具体的には、本発明に係る熱線遮蔽分散体の表面硬度は、JIS K 5600塗料一般試験方法の4.4引っかき強度(鉛筆法)で評価した。熱線遮蔽体の表面硬度は2H以上となり、さらには4H以上であった。
そして、上述の方法により製造された熱線遮蔽体や熱線遮蔽分散体は、高温高湿環境下(例えば85℃、90%RH)に暴露された後であっても、近赤外線吸収機能の低下が抑制されていた。
具体的には、85℃、90%RH環境下に7日間暴露した際に、可視光透過率の変化が3.5%以下、さらには2.5%以下。また、日射透過率の変化は3.5%以下、さらには3.0%以下であった。
さらに、上記方法で得られた本発明に係る熱線遮蔽分散体膜において、複合タングステン酸化物微粒子は導電性材料であるため、当該微粒子が連接して連続的な膜となっている場合には、携帯電話等の電波を吸収反射して妨害する恐れがある。しかし、複合タングステン酸化物微粒子を、例えばビーズミルを用いて分散することで、微粒子としてマトリックス中に分散した場合には、粒子一つ一つが孤立した状態で分散しているため、電波透過性を発揮することができ、汎用性を有している。
熱線遮蔽体に用いる透明基材としては、例えば、フィルム、樹脂基板もしくはガラス基板等が挙げられる。但し、これらの材料を基材として用いる場合は、それぞれの使用状況に応じた機械的強度を有することが求められる。
樹脂基板もしくはフィルムであれば、一般的に、透過性があり散乱の少ない、無色透明の樹脂が適しており、用途に適した樹脂を選択すればよい。具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ふっ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられるが、中でもポリエチレンテレフタレート樹脂が好適である。
また、これら樹脂基板もしくはフィルムを用いる場合、その表面は、無機バインダーとの結着性向上を目的とした表面処理が施されていてもよく、その代表的な処理方法としては、コロナ表面処理、プラズマ処理、スパッタリング処理等の放電処理、火炎処理、金属ナトリウム処理、プライマー層コート処理等が挙げられる。
樹脂基板もしくはフィルムの意匠性を重視する場合には、あらかじめ着色された基材や、型どりされた基材を使用することもできる。
樹脂基板上、または、フィルム上等に形成された分散体を、ガラス等の基材に貼り付けるため、接着面に接着層と離型フィルム層とを積層してもよい。自動車のバックウィンドウのように曲面に貼り付け易いように、ドライヤーなどの熱で簡単に軟化するフィルムを使用してもよい。
接着剤中に紫外線遮蔽剤を添加すれば、フィルムや樹脂の紫外線劣化を防止できる。紫外線吸収剤には、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や、CeO、TiO、ZnO等が挙げられる。
また、熱線遮蔽分散体形成用塗布液が、本発明に係るバインダーを含まない場合、透明基材上に得られる熱線遮蔽分散体の膜は、前記複合タングステン酸化物微粒子と2−エチルヘキサン酸塩、および/またはナフテン酸塩のみが堆積した膜構造になる。この場合、当該膜上へ、さらに本発明に係るバインダーを含む塗布液を塗布して多層膜とする。当該構成を採ることにより、本発明に係るバインダー成分が、第1層のタングステン酸化物の微粒子の堆積した間隙を埋めて成膜されるため、膜のヘイズが低減して可視光透過率が向上し、また微粒子の基材への結着性が向上する。
(8)まとめ
上述したように本発明によれば、複合タングステン酸化物微粒子と本発明に係るバインダーとの中に、2−エチルヘキサン酸塩、および/またはナフテン酸塩とを含有させることで、太陽光からの近赤外線の吸収能力を有し、膜強度が高く、耐湿熱性が高い上、簡便な方法で製造でき、低コストである熱線遮蔽分散体および熱線遮蔽体を提供することを可能とした。
本発明の熱線遮蔽分散体および熱線遮蔽体は、自動車のはめ込みガラス、サイドガラスおよびリヤガラス、鉄道車両の扉ガラスや窓ガラスおよび室内ドアガラス、ビル等の建物における窓ガラスおよび室内ドアガラス等、室内展示用ショーケースおよびショーウィンドー等、種々の用途に使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
本実施例において、可視光透過率、日射透過率は、日立製作所製の分光光度計を用いて波長200〜2500nmの光の透過率を測定し、JIS R 3106に従って算出した。なお、当該日射透過率は、熱線遮蔽分散体および熱線遮蔽体の熱線遮蔽性能を示す指標である。
微粒子の分散粒子径は、日機装製のマイクロトラック粒度分布計を用いて測定を行った。散粒子の平均粒径はD50とした。
熱線遮蔽体における光学特性変化の耐湿熱性の評価は、試験サンプル(熱線遮蔽体)を85℃、90%RH環境に設定した恒温恒湿槽に7日間暴露し、当該耐湿熱性の加速試験前後における可視光透過率、日射透過率の変化を測定することにより行なった。
熱線遮蔽体における表面硬度の評価は、試験サンプル(熱線遮蔽体)をJIS K 5600塗料一般試験方法の4.4引っかき強度(鉛筆法)に従って評価した。
(実施例1)
Cs0.33WO微粒子20質量%、分散媒として4−メチル−2−ペンタノン70質量%、微粒子分散用分散剤10質量%を混合し、媒体攪拌ミルで分散処理を行ない、平均分散粒子径80nmのCs0.33WO微粒子の分散液を製造した(以下、「A液」と記載する場合がある)。
同様に、市販の2−エチルヘキサン酸スズ(液体)を用意した(以下、「B液」と記載する場合がある)。
このA液とB液とを、B液中のSn重量/A液中のCs0.33WO重量=1質量%となるように混合した。当該混合物へ、固形分25%のシリカバインダーを、複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対しシリカバインダーの固形分が292.5重量部となるよう混合して塗布液とした。
この塗布液を、バーコーター(No.20)を用いて基材(無機ガラス)上に塗布、成膜した。この膜を180℃で30分間乾燥し、分散媒を蒸発させて硬化させ、熱線遮蔽体を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性、引っかき強度(鉛筆法)を表1に示す。
製造された熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。そして、当該耐湿熱性の加速試験前後における可視光透過率の変化を算出した。この結果を表1に示す。
(実施例2)
A液とB液とを、B液中のSn重量/A液中のCs0.33WO重量=2質量%となるように混合した以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る熱線遮蔽体を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された実施例2に係る熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(実施例3)
A液とB液とを、B液中のSn重量/A液中のCs0.33WO重量=6質量%となるように混合した以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る熱線遮蔽体を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された実施例3に係る熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(実施例4)
市販の2−エチルヘキサン酸バリウム(液体)(以下、「C液」と記載する場合がある)を用い、このA液とC液とを、C液中のBa重量/A液中のCs0.33WO重量=1質量%となるように混合した以外は実施例1と同様にして実施例4に係る熱線遮蔽耐を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された実施例4に係る熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(実施例5)
A液とC液とを、C液中のBa重量/A液中のCs0.33WO重量=2質量%となるように混合した以外は、実施例3と同様にして実施例5に係る熱線遮蔽耐を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された実施例5に係る熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(実施例6)
A液とC液とを、C液中のBa重量/A液中のCs0.33WO重量=6質量%となるように混合した以外は、実施例3と同様にして実施例6に係る熱線遮蔽耐を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された実施例6に係る熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(実施例7)
市販のナフテン酸マグネシウム(液体)(以下、「D液」と記載する場合がある)を用い、A液とD液とを、D液中のMg重量/A液中のCs0.33WO重量=1質量%となるように混合した以外は実施例1と同様にして実施例7に係る熱線遮蔽耐を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された実施例7に係る熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(実施例8)
A液とD液とを、D液中のMg重量/A液中のCs0.33WO重量=2質量%となるように混合した以外は、実施例3と同様にして実施例8に係る熱線遮蔽耐を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された実施例8に係る熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(実施例9)
A液とD液とを、D液中のMg重量/A液中のCs0.33WO重量=6質量%となるように混合した以外は、実施例3と同様にして実施例9に係る熱線遮蔽耐を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された実施例9に係る熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(比較例1)
B液を混合しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1に係る熱線遮蔽体を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された比較例1に係る熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(比較例2)
市販の2−エチルヘキサン酸マンガン(液体)(以下、「E液」と記載する場合がある)を用意し、A液とE液とを、E液中のMn重量/A液中のCs0.33WO重量=2質量%となるように混合した以外は、実施例1と同様にして熱線遮蔽体を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(比較例3)
市販の2−エチルヘキサン酸インジウム(液体)(以下、「F液」と記載する場合がある)を用意し、A液とF液とを、F液中のIn重量/A液中のCs0.33WO重量=2質量%となるように混合した以外は、実施例1と同様にして熱線遮蔽体を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(比較例4)
A液とB液とを、B液中のSn重量/A液中のCs0.33WO重量=0.5質量%となるように混合し混合した以外は、実施例1と同様にして熱線遮蔽体を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(比較例5)
A液とB液とを、B液中のSn重量/A液中のCs0.33WO重量=10質量%となるように混合した場合、塗布液がゲル化し塗膜が作製できなかった。
(比較例6)
A液とC液とを、C液中のBa重量/A液中のCs0.33WO重量=0.5質量%となるように混合し混合した以外は、実施例1と同様にして熱線遮蔽体を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(比較例7)
A液とC液とを、C液中のBa重量/A液中のCs0.33WO重量=10質量%となるように混合した以外は、実施例1と同様に熱線遮蔽体の製造を試みた。しかし、塗布液がゲル化し塗膜が作製できなかった。
(比較例8)
A液とD液とを、D液中のMg重量/A液中のCs0.33WO重量=0.5質量%となるように混合し混合した以外は、実施例1と同様にして熱線遮蔽体を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
(比較例9)
A液とD液とを、D液中のMg重量/A液中のCs0.33WO重量=10質量%となるように混合した場合、塗布液がゲル化し塗膜が作製できなかった。
(比較例10)
A液もB液も混合せず、シリカバインダーの代わりに、アクリル樹脂を固形分として100%含む有機樹脂バインダーを用いた以外は、実施例1と同様にして熱線遮蔽体を製造した。製造された熱線遮蔽体の光学特性を表1に示す。
製造された熱線遮蔽体を試験サンプルとし、85℃、90%RH環境下に7日間暴露し、耐湿熱性の加速試験後の可視光透過率、日射透過率を測定した。耐湿熱性の加速試験前後のこの結果を表1に示す。
[評価]
実施例1〜9においては、高い可視光透過性と、優れた熱線遮蔽特性とを有する熱線遮蔽体が得られた。また、本発明に係るバインダーを用いることで、表面硬度が6Hの熱線遮蔽体が得られた。さらに、オクチル酸塩、および/またはナフテン酸塩が添加されたことで、高温高湿条件下に曝された複合タングステン酸化物微粒子の経時劣化が抑制され、光学特性変化が少ないという高い耐湿熱性を有する熱線遮蔽体が得られた。当該熱線遮蔽体は、例えば屋外のような過酷な使用条件において好適に使用できる熱線遮蔽体である。
比較例1は、耐湿熱性試験において可視光透過率の変化が大であった。2−エチルヘキサン酸塩を添加しなかった為と考えられる。
次に、比較例2、3は、耐湿熱性試験において、可視光透過率や日射透過率の変化が十分に抑制できなかった。2−エチルヘキサン酸塩を添加したが、マンガン塩、インジウム塩を用いた為と考えられる。
また、比較例4、6、8では、可視光透過率や日射透過率の変化が十分に抑制できなかった。2−エチルヘキサン酸塩やナフテン酸塩の添加量が、過少であった為と考えられる。
また、比較例5、7、9では、塗布液がゲル化し評価できなかった。2−エチルヘキサン酸塩やナフテン酸塩の添加量が、過多であった為と考えられる。
また、比較例10では、可視光透過率や日射透過率の変化が大きく、且つ、表面硬度もHと低かった。2−エチルヘキサン酸塩を添加せず、且つ、バインダーとして樹脂バインダーを用いた為と考えられる。
Figure 0006171733

Claims (8)

  1. 一般式MWO(0.1≦Y≦0.5、2.2≦Z≦3.0)で示され、M元素がCs、Rb、Kのうちから選択される1種類以上であり、且つ、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子と、
    2−エチルヘキサン酸スズ、2−エチルヘキサン酸バリウム、ナフテン酸マグネシウムから選択される1種類以上の塩と、を含み、
    前記2−エチルヘキサン酸スズ、2−エチルヘキサン酸バリウム、ナフテン酸マグネシウムから選択される1種類以上の塩に含まれる金属の重量が、前記複合タングステン酸化物微粒子の重量に対して、1質量%以上、6質量%以下であることを特徴とする熱線遮蔽分散体形成用塗布液。
  2. 前記複合タングステン酸化物微粒子が、平均粒径40nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の熱線遮蔽分散体形成用塗布液。
  3. 請求項1または2に記載の熱線遮蔽分散体形成用塗布液であって、さらに、シラン化合物、ケイ酸塩、ポリリン酸塩、シリカアルミナ、チタニア、酸化セリウム、ジルコニアのいずれか1種類以上を含むバインダーとを、含むことを特徴とする熱線遮蔽分散体形成用塗布液。
  4. 前記シラン化合物が、オルガノシラン、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシラン、テトラアルコキシシランのいずれか1種類以上を含むシリカバインダーであることを特徴とする請求項3に記載の熱線遮蔽分散体形成用塗布液。
  5. 透明基材の片面または両面に、請求項3または4に記載の熱線遮蔽分散体形成用塗布液の塗膜である熱線遮蔽分散体が形成されていることを特徴とする熱線遮蔽体。
  6. 透明基材の片面または両面に、請求項1または2に記載の熱線遮蔽分散体形成用塗布液の塗膜である熱線遮蔽分散体が形成され、
    前記熱線遮蔽分散体上に、シラン化合物、ケイ酸塩、ポリリン酸塩、シリカアルミナ、チタニア、酸化セリウム、ジルコニアのいずれか1種類以上を含むバインダー膜が形成されていることを特徴とする熱線遮蔽体。
  7. 前記シラン化合物が、オルガノシラン、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシラン、テトラアルコキシシランのいずれか1種類以上を含むシリカバインダーであることを特徴とする請求項6に記載の熱線遮蔽体。
  8. 85℃、90%RHの環境下に7日間暴露したときの可視光透過率の変化が、3.5%以下であることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の熱線遮蔽体。
JP2013175982A 2013-08-27 2013-08-27 熱線遮蔽分散体形成用塗布液および熱線遮蔽体 Expired - Fee Related JP6171733B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013175982A JP6171733B2 (ja) 2013-08-27 2013-08-27 熱線遮蔽分散体形成用塗布液および熱線遮蔽体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013175982A JP6171733B2 (ja) 2013-08-27 2013-08-27 熱線遮蔽分散体形成用塗布液および熱線遮蔽体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015044921A JP2015044921A (ja) 2015-03-12
JP6171733B2 true JP6171733B2 (ja) 2017-08-02

Family

ID=52670704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013175982A Expired - Fee Related JP6171733B2 (ja) 2013-08-27 2013-08-27 熱線遮蔽分散体形成用塗布液および熱線遮蔽体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6171733B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20170362119A1 (en) 2016-06-17 2017-12-21 Corning Incorporated Transparent, near infrared-shielding glass ceramic
US10450220B2 (en) 2017-12-13 2019-10-22 Corning Incorporated Glass-ceramics and glasses
US10246371B1 (en) 2017-12-13 2019-04-02 Corning Incorporated Articles including glass and/or glass-ceramics and methods of making the same

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5070796B2 (ja) * 2006-10-19 2012-11-14 住友金属鉱山株式会社 日射遮蔽膜形成用塗布液および日射遮蔽膜ならびに日射遮蔽機能を有する基材
JP2008194563A (ja) * 2007-02-08 2008-08-28 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 日射遮蔽膜および波長選択型遮蔽膜
EP2650266B1 (en) * 2010-12-09 2019-01-16 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer for laminated glass, and laminated glass
EP2650267A1 (en) * 2010-12-10 2013-10-16 Kuraray Co., Ltd. Laminated glass interlayer, method for producing same, and laminated glass using same
JP5305050B2 (ja) * 2011-04-14 2013-10-02 住友金属鉱山株式会社 熱線遮蔽微粒子含有組成物の製造方法および熱線遮蔽微粒子含有組成物、当該熱線遮蔽微粒子含有組成物を用いた熱線遮蔽膜および当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材
JP5344261B2 (ja) * 2011-04-14 2013-11-20 住友金属鉱山株式会社 熱線遮蔽膜とその製造方法、および熱線遮蔽合わせ透明基材
JP5903810B2 (ja) * 2011-09-09 2016-04-13 住友金属鉱山株式会社 赤外線遮蔽材料微粒子分散液とその製造方法および熱線遮蔽膜と熱線遮蔽合わせ透明基材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015044921A (ja) 2015-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6269780B2 (ja) 混合分散液
AU2017232748B2 (en) Near-infrared shielding material fine particle dispersion body, near-infrared shielding body and near-infrared shielding laminated structure, and method for producing the same
AU2017232747B2 (en) Near-infrared shielding material fine particles and method for producing the same, and near-infrared shielding material fine particle dispersion liquid
TWI402218B (zh) 透明隔熱材料、其製造方法以及透明隔熱結構
KR100701735B1 (ko) 적외선 차폐재료 미립자 분산체, 적외선 차폐체, 및 적외선차폐재료 미립자의 제조방법, 및 적외선 차폐재료 미립자
JP5245283B2 (ja) 熱線遮蔽塩化ビニルフィルム製造用組成物およびその製造方法、並びに、熱線遮蔽塩化ビニルフィルム
JP5050470B2 (ja) 日射遮蔽分散体、日射遮蔽体、および、それらの製造方法
JP6201152B2 (ja) 熱線遮蔽膜、熱線遮蔽透明基材、自動車および建造物
JP2005226008A (ja) 日射遮蔽体形成用分散液及び日射遮蔽体並びにその製造方法
JP5387925B2 (ja) 赤外線遮蔽材料微粒子分散体、赤外線遮蔽体、及び赤外線遮蔽材料微粒子の製造方法、並びに赤外線遮蔽材料微粒子
JP6171733B2 (ja) 熱線遮蔽分散体形成用塗布液および熱線遮蔽体
JP4904714B2 (ja) 赤外線遮蔽材料微粒子分散体、赤外線遮蔽体、及び赤外線遮蔽材料微粒子の製造方法、並びに赤外線遮蔽材料微粒子
JP2011063493A (ja) 近赤外線遮蔽材料微粒子分散体および近赤外線遮蔽体および近赤外線遮蔽材料分散体の製造方法
JP2008230954A (ja) 日射遮蔽体形成用アンチモン含有酸化錫微粒子の製造方法、日射遮蔽体形成用分散液、日射遮蔽体、および、日射遮蔽用基材
JP2015044922A (ja) 熱線遮蔽分散体、熱線遮蔽分散体形成用塗布液および熱線遮蔽体
JP2011063484A (ja) 近赤外線遮蔽材料微粒子とその製造方法および近赤外線遮蔽材料微粒子分散体と近赤外線遮蔽体
JP7367686B2 (ja) 赤外線吸収材料微粒子分散液とその製造方法
JP2018077301A (ja) 近赤外線吸収性光学部材、およびこれを用いた画像表示デバイス
JP6575443B2 (ja) 熱線遮蔽フィルムおよび熱線遮蔽ガラス
JP2012082109A (ja) 高耐熱性熱線遮蔽体形成用タングステン酸化物微粒子の製造方法、高耐熱性熱線遮蔽体形成用タングステン酸化物微粒子および高耐熱性熱線遮蔽体形成用分散液、並びに高耐熱性熱線遮蔽体
JP2017222540A (ja) 熱線遮蔽微粒子および熱線遮蔽微粒子分散液
JP2011001532A (ja) 赤外線と紫外線の吸収・遮蔽機能を有するコーティング剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6171733

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees