以下の実施形態に示す検針システムは、外部の供給事業者から供給される電力、ガス、水道、熱などの資源の需要家を対象として、各需要家での資源の消費量を計測した検針データを遠隔地にあるサーバで取得するためのシステムである。以下では、需要家が集合住宅の各住戸である場合について例示するが、この例に限らず、需要家はたとえば戸建て住宅、事務所、工場などであってもよい。また、以下では、資源が電力である場合を例として説明するが、電力に限らず、電力以外の資源の消費量についても検針システムの検針対象とすることは可能である。
(実施形態1)
本実施形態の検針システム1は、図1に示すように、複数の通信装置201,202,…20n(以下、各々を区別しないときには単に「通信装置2」という)と、親機としてのコンセントレータ3と、サーバ4とを備えている。
通信装置2は集合住宅10の各需要家に設けられている。各通信装置201,202,…20nは、それぞれ各需要家での資源の消費量を計測する計測器5に付設されている。コンセントレータ3は、集合住宅10ごとに設けられており、同じ集合住宅10における複数の需要家に設けられた複数の通信装置2を管理下として、これら管理下の複数の通信装置2と通信可能に構成されている。サーバ4は、コンセントレータ3を介して複数の通信装置2から計測器5の計測結果を含む検針データを取得するように構成されている。
検針システム1は、実際には複数台のコンセントレータ3を備え、これら複数台のコンセントレータ3の各々の管理下にある通信装置2からの検針データを、1台のサーバ4で取得できるように構成されている。コンセントレータ3は、集合住宅10ごとに設けられる構成に限らず、たとえば需要家を複数含んだ地域ごと、あるいは集合住宅10のフロアごとに設けられていてもよい。ただし、本実施形態では、1つの集合住宅10のみに着目して、コンセントレータ3が1台の場合をモデルとして検針システム1の構成および機能を説明する。
以下に、計測器5、通信装置2、コンセントレータ3、サーバ4の各々の具体的な構成について図1を参照して説明する。
計測器5は、電力の供給事業者からの電力(資源)が供給される配電線L1に接続されており、各需要家での使用電力量(資源の消費量)を計測する電力メータである。計測器5は、通信装置2と共にスマートメータ6を構成し、配電線L1に接続されているコンセントレータ3と通信装置2とが通信を行うことにより遠隔検針等を可能にする。スマートメータ6は、通信装置2と計測器5とが筐体(図示せず)を共用することが好ましいが、通信装置2と計測器5とが別に筐体を有していてもよい。
通信装置2とコンセントレータ3との間の通信は、配電線L1を伝送媒体に用いて通信を行う電力線搬送通信(PLC:Power Line Communications)技術を用いて実現される。つまり、通信装置2とコンセントレータ3との間には、配電線L1を伝送媒体に用いた通信路が形成されている。通信装置2は、この通信路(配電線L1)を通してコンセントレータ3との間で電力線搬送通信を行うことにより、検針データをコンセントレータ3に送信する。ここでいう検針データは、少なくとも計測器5で所定期間内に測定された使用電力量を含んでいる。なお、通信装置2は、コンセントレータ3との間で電力線搬送通信を行う構成に限らず、その他の有線通信、あるいは無線通信を行う構成であってもよい。
そのため、通信装置2は、コンセントレータ3との通信を行う(第3)通信インターフェイス(以下、インターフェイスを「I/F」と表記する)21と、計測器5から測定結果を取得する検針部22と、各部の動作を制御する(第1)制御部23とを有している。なお、図1では、通信装置201についてのみ、通信I/F21、検針部22、制御部23を図示しているが、他の通信装置202,…20nも同様の構成である。
通信I/F21は、上述したように計測器5の上流側の配電線L1を伝送媒体に用いて、コンセントレータ3との間で双方向に電力線搬送通信を行うように構成されている。検針部22は、たとえば計測器5の拡張端子(図示せず)に有線接続される構成により、計測器5との間でデータの授受を可能とする。なお、検針部22は、計測器5と有線接続される構成に限らず、たとえば計測器5と無線通信や光通信を行う構成でもよい。
制御部23は、プログラムに従って動作するプロセッサを備えたマイコン(マイクロコンピュータ)のようなデバイスを主構成とし、所定のプログラムを実行することにより種々の機能を実現する。ここでは、制御部23は、少なくとも検針部22が取得した計測器5の計測結果に基づいて検針データを生成し、この検針データを通信I/F21からコンセントレータ3に送信する機能を有している。さらに、通信装置2は、メモリ(図示せず)を有し、一定時間(たとえば1分、5分、10分等)ごとの検針データを一定期間(たとえば1日)分、メモリに記憶するように構成されている。
コンセントレータ3は、集合住宅10の管理人室あるいは電気室などに配置されている。コンセントレータ3は、自らの管理下となる集合住宅10における複数の需要家の通信装置2から検針データを取得し、取得した検針データをサーバ4に転送する。
そのため、コンセントレータ3は、サーバ4との通信を行う第1通信I/F31と、通信装置2との通信を行う第2通信I/F32と、各部の動作を制御する(第2)制御部33とを有している。
第1通信I/F31は、光ファイバ等を用いた専用回線NT1に接続されており、この専用回線NT1を介してサーバ4との間で双方向に通信を行うように構成されている。第2通信I/F32は、上述したように計測器5の上流側の配電線L1を伝送媒体に用いて、通信装置2との間で双方向に電力線搬送通信を行うように構成されている。なお、コンセントレータ3は、専用回線NT1を介してサーバ4との間の通信を行う構成に限らず、インターネットのような公衆網を介して、あるいは無線通信によりサーバ4と通信する構成であってもよい。
制御部33は、プログラムに従って動作するプロセッサを備えたマイコンのようなデバイスを主構成とし、所定のプログラムを実行することにより種々の機能を実現する。ここでは、制御部33は、少なくとも集合住宅10における複数の需要家の通信装置2から第2通信I/F32で検針データを取得し、取得した検針データを第1通信I/Fからサーバ4に送信する機能を有している。
サーバ4は、管理範囲内の複数の需要家から検針データを収集するサーバコンピュータからなり、供給事業者である電力会社や、電力会社に代わって節電に係る管理や支援を行う節電事業者(節電アグリゲータ)、その他のサービス提供事業者によって運営されている。ここで、サーバ4は、自らの管理下にある需要家の検針データを定期的に収集する遠隔検針の機能を持つ。つまり、サーバ4は、専用回線NT1を通してコンセントレータ3と通信を行うことにより、このコンセントレータ3の管理下の複数の通信装置2から、コンセントレータ3を介して検針データを収集することができる。
具体的には、サーバ4は、定期的に(たとえば30分周期で)コンセントレータ3経由で通信装置2に検針要求を送信するように構成されている。通信装置2は、サーバ4からの検針要求を受信すると、この検針要求への応答としてコンセントレータ3経由で検針データをサーバ4に送信するように構成されている。したがって、サーバ4は、コンセントレータ3を介して定期的に複数の通信装置2から検針データを取得することができる。このようにサーバ4が定期的に検針要求を送信して複数の通信装置2から検針データを取得する処理を、以下では「定期検針」という。
ここで、定期検針においては、サーバ4は、予め定められている定期検針時刻(たとえば0:00,0:30,1:00,…)になると、複数の通信装置201,202,…20nの各々に対して検針要求を順次送信する。このとき、サーバ4は、検針要求を送信するタイミングが通信装置201,202,…20nごとに異なるように、たとえばスマートメータ6に固有の識別子(メータ番号)に基づいて、あるいはランダムに、検針要求を送信するタイミングを決定する。
なお、サーバ4は、供給事業者等によって運営される上位サーバの下位となり、地域ごとに設けられるエリア管理サーバであってもよい。この場合、サーバ4は、地域ごとにコンセントレータ3から検針データを収集し、上位サーバへ送信するように構成される。これにより、供給事業者等によって運営される上位サーバは、複数のサーバ4から検針データを収集することにより、複数地域の需要家の検針データを効率的に収集することができる。また、サーバ4はこのようなエリア管理サーバと上位サーバとの両方を含んでいてもよい。
ところで、本実施形態の検針システム1は、通信状況などにより定期検針においてサーバ4が取得した検針データに脱漏が生じた場合でも、脱漏している検針データを補完するための検針(以下、「バックアップ検針」という)が行われるように構成されている。以下では特に、サーバ4とコンセントレータ3との間の通信異常期間中にサーバ4が取得できなかった検針データを、通信異常の解消時にサーバ4が取得するバックアップ検針のための構成について詳述する。
コンセントレータ3は、サーバ4との間の通信異常の有無を判断する判断部34を有している。判断部34は、たとえば一定時間ごとにサーバ4から送信されるキープアライブ信号の受信状況に基づいて、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の有無を判断する。つまり、判断部34は、キープアライブ信号を正常に受信できていれば通信異常なし、キープアライブ信号を正常に受信できなくなると通信異常ありと判断する。
さらに、コンセントレータ3は、サーバ4との間の通信異常の発生期間中にサーバ4の代わりに検針データを収集し、収集した検針データを通信異常の解消時にサーバ4に送信するバックアップ部35を有している。バックアップ部35は、収集部351と記憶部352と通知部353とを具備している。
収集部351は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中に複数の通信装置2から検針データを収集するように構成されている。ここで、収集部351は、判断部34の判断結果を受けて通信異常の発生を検知しており、判断部34で通信異常が発生したと判断されると、コンセントレータ3の管理下(つまり同じ集合住宅10)の複数の通信装置2の全てから検針データを収集する。
記憶部352は、収集部351で収集された検針データをバックアップデータとして記憶するように構成されている。つまり、バックアップ部35は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中に、収集部351が複数の通信装置2から収集した検針データを、バックアップデータとして記憶部352に記憶する。記憶部352は、バックアップデータを、収集部351で収集された時間と対応付けて時系列に記憶する。なお、記憶部352は、コンセントレータ3に設けられているメモリ(図示せず)の記憶領域の一部が割り当てられていてもよい。
通知部353は、記憶部352に記憶されたバックアップデータを通信異常の解消時にサーバ4に送信するように構成されている。ここで、通知部353は、判断部34の判断結果を受けて通信異常の解消を検知しており、判断部34で通信異常が解消したと判断されると、この通信異常期間中に収集された(つまり記憶部352に記憶された)バックアップデータをサーバ4に送信する。
さらに詳しく説明すると、コンセントレータ3は、サーバ4と通信装置2との間で検針要求や検針データを中継する通常モードと、サーバ4の代わりに通信装置2から検針データを収集する非常モードとの2つの動作モードを切替可能に構成されている。コンセントレータ3は、通常時には通常モードで動作し、サーバ4との間の通信異常の発生時に非常モードに移行する。
本実施形態では、コンセントレータ3は、非常モードにおいて、ポーリング方式で検針データを収集するべく、自身の管理下の複数の通信装置2の各々に収集部351から検針要求を送信する。各通信装置2は、コンセントレータ3の収集部351から検針要求を受信すると、その応答としてコンセントレータ3に対して検針データを送信するように構成されている。つまり、収集部351は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中に、複数の通信装置2の各々に検針要求を送信し、検針要求への応答として複数の通信装置2の各々から送信される検針データを収集し、記憶部352に記憶する。
ここで、収集部351は、定期検針時におけるサーバ4と同様に、予め定められている定期検針時刻(たとえば0:00,0:30,1:00,…)になると、複数の通信装置201,202,…20nの各々に対して検針要求を順次送信する。このとき、収集部351は、検針要求を送信するタイミングが通信装置201,202,…20nごとに異なるように、たとえばスマートメータ6に固有の識別子(メータ番号)に基づいて、あるいはランダムに、検針要求を送信するタイミングを決定する。
また、通知部353は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常が解消したと判断部34で判断された時点で、バックアップ検針用のバックアップデータをサーバ4に送信するが、通信状況などによりバックアップデータがサーバ4に届かないことがある。そこで、通知部353は、サーバ4からバックアップ要求を受けると、このバックアップ要求への応答としてバックアップデータをサーバ4に送信する機能も有している。サーバ4は、脱漏している検針データがあるにもかかわらず、コンセントレータ3との間の通信異常の解消後、一定時間が経過してもバックアップデータを受信できなければ、バックアップ要求をコンセントレータ3に送信する。これにより、サーバ4は、一回目のバックアップ検針でコンセントレータ3からバックアップデータを取得するのに失敗しても、バックアップ要求を送信することで必要なバックアップデータを確実に取得可能になる。
なお、サーバ4は、上述のように通信異常の解消後、一定時間が経過してもバックアップデータを受信できないことをトリガにバックアップ要求を送信する構成に限らず、他の事象をコンセントレータ3へバックアップ要求を送信するためのトリガにしてもよい。たとえば、サーバ4は、定期検針時にある通信装置2から取得した検針データを、同じ通信装置2から既に取得済みの検針データと照らし合わせて、検針データの脱漏があれば、そのことをトリガにしてバックアップ要求を送信するように構成される。一例として、サーバ4は、ある通信装置2から0:00の検針データの次に1:00の検針データを取得した場合、この通信装置2からの0:30の検針データが脱漏しているので、この通信装置2の上位のコンセントレータ3へバックアップ要求を送信する。
次に、本実施形態の検針システム1の動作について図2を参照して説明する。
コンセントレータ3が通常モードにある場合、サーバ4は、現在時刻が定期検針時刻になると、検針データを取得するための検針要求を、コンセントレータ3を介して通信装置201,202,…20nに対して順次送信する(S1,S3)。検針要求を受信した通信装置201,202,…20nは、コンセントレータ3を介してサーバ4に検針データを順次送信する(S2,S4)。このように、定期検針時には、サーバ4はコンセントレータ3を介して複数の通信装置201,202,…20nから検針データを順次取得する。
一方、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常が発生すると(S5)、コンセントレータ3は、判断部34の判断結果に従って動作モードを通常モードから非常モードに切り替える(S6)。非常モードにおいては、コンセントレータ3は、現在時刻が定期検針時刻になると、収集部351にてサーバ4の代わりに検針要求を通信装置201,202,…20nに対して順次送信する(S7,S9)。検針要求を受信した通信装置201,202,…20nは、コンセントレータ3に検針データを順次送信する(S8,S10)。このとき、コンセントレータ3は通信装置201,202,…20nから受信した検針データを、サーバ4に転送することなく、収集部351にてバックアップデータとして記憶部352に記憶する(S11)。
サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常が解消し通信が復旧すると(S12)、コンセントレータ3は、通信異常期間中に記憶部352に記憶されたバックアップデータを通知部353にてサーバ4に送信する(S13)。その後、コンセントレータ3は、動作モードを非常モードから通常モードに切り替える(S14)。
なお、サーバ4は、通信状況などにより通知部353から送信されたバックアップデータを正常に受信できなかった場合、通信異常の解消後一定時間が経過すると、コンセントレータ3にバックアップ要求を送信し、その応答としてバックアップデータを取得する。
以上説明した検針システム1によれば、コンセントレータ3は、通信異常期間中に検針データを収集する収集部351と、バックアップデータを記憶する記憶部352と、通信異常の解消時にバックアップデータをサーバ4に送信する通知部353とを有している。すなわち、コンセントレータ3は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常期間中には、サーバ4の代わりに複数の通信装置2から検針データを収集して記憶部352に記憶し、収集した検針データを通信異常の解消時にサーバ4に一括して送信する。これにより、検針システム1は、サーバ4による定期検針に失敗した場合でも、脱漏している検針データを補完するためのバックアップ検針が可能になる。
したがって、サーバ4−コンセントレータ3間で通信異常が発生し、サーバ4において多数の検針データの脱漏が生じた場合でも、サーバ4は、コンセントレータ3との通信だけで脱漏している通信異常期間中の検針データを一括して取得することができる。その結果、サーバ4は、通信異常の解消後、脱漏している検針データを各通信装置2から個別に取得する必要がなく、脱漏している検針データを全て取得するのに掛かる時間を短縮でき、よって、通信異常期間中の検針データを効率よく取得できる。
また、本実施形態では、バックアップ検針のためのバックアップ部35(収集部351と記憶部352と通知部353)はコンセントレータ3に設けられている。収集部351は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中に、複数の通信装置2の各々に検針要求を送信し、検針要求への応答として複数の通信装置2の各々から送信される検針データを収集し記憶部352に記憶する。つまり、通信装置2は、バックアップ検針時でも、定期検針時と同様に検針要求への応答としてコンセントレータ3に検針データを送信すればよいので、仕様を変更せずに既設の通信装置を用いることができる。
さらに、通知部353は、サーバ4からバックアップ要求を受けると、このバックアップ要求への応答としてバックアップデータをサーバ4に送信する。そのため、サーバ4は、コンセントレータ3からバックアップデータを取得するのに失敗しても、バックアップ要求を送信することで必要なバックアップデータを確実に取得可能となる。
(実施形態2)
本実施形態の検針システム1は、収集部351がイベント駆動方式にて検針データを収集する点で、収集部351が複数の通信装置2の各々に検針要求を送信することでポーリング方式にて検針データを収集する実施形態1の検針システム1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では、通信装置2は、サーバ4からの検針要求を受信すると検針要求への応答として検針データをサーバ4に送信する通常モードと、検針データをコンセントレータ4に能動的に送信する非常モードとの2つの動作モードを切替可能に構成されている。通信装置2は、通常時には通常モードで動作しており、コンセントレータ3からの遮断通知を受信すると非常モードに移行し、コンセントレータ3からの復旧通知を受信すると通常モードに移行する。
収集部351は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生時に、複数の通信装置2に遮断通知を送信し、非常モードに移行した複数の通信装置2から送信される検針データを収集し記憶部352に記憶するように構成されている。つまり、コンセントレータ3は、サーバ4との間の通信異常の発生時に、イベント駆動方式で検針データを収集するべく、自身の管理下の複数の通信装置2に遮断通知を一斉に送信し、これらの全ての通信装置2の動作モードを非常モードに移行させる。これにより、各通信装置2は、能動的にコンセントレータ3へ検針データを送信するので、収集部351は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中に、複数の通信装置2の各々から送信される検針データを収集することができる。収集部351は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の解消時に、複数の通信装置2に復旧通知を一斉に送信し、これらの全ての通信装置2の動作モードを通常モードへ移行させる。
なお、収集部351は、遮断通知や復旧通知を、管理下にある複数の通信装置2に対してマルチキャストで一斉に送信する構成に限らず、これら複数の通信装置2の各々に対してユニキャストで個別に送信する構成であってもよい。
ここで、非常モードで動作中の通信装置2は、定期検針時と同様に、予め定められている定期検針時刻(たとえば0:00,0:30,1:00,…)になると、検針要求を受信しなくても自動的にコンセントレータ3へ検針データを送信する。このとき、通信装置2は、検針データを送信するタイミングが通信装置201,202,…20nごとに異なるように、たとえばスマートメータ6に固有の識別子(メータ番号)に基づいて、あるいはランダムに、検針データを送信するタイミングを決定する。
次に、本実施形態の検針システム1の動作について図3を参照して説明する。
通信装置2が通常モードにある場合、サーバ4は、現在時刻が定期検針時刻になると、検針データを取得するための検針要求を、コンセントレータ3を介して通信装置201,202,…20nに対して順次送信する(S101,S103)。検針要求を受信した通信装置201,202,…20nは、コンセントレータ3を介してサーバ4に検針データを順次送信する(S102,S104)。このように、定期検針時には、サーバ4はコンセントレータ3を介して複数の通信装置201,202,…20nから検針データを順次取得する。
一方、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常が発生すると(S105)、コンセントレータ3は、判断部34の判断結果に従って遮断通知を複数の通信装置201,202,…20nに一斉送信する(S106)。これにより、通信装置201,202,…20nはいずれも動作モードが通常モードから非常モードに切り替わる(S107)。非常モードにおいては、通信装置201,202,…20nは、現在時刻が定期検針時刻になると、自動的にコンセントレータ3へ検針データを順次送信する(S108,S109)。このとき、コンセントレータ3は通信装置201,202,…20nから受信した検針データを、サーバ4に転送することなく、収集部351にてバックアップデータとして記憶部352に記憶する(S110)。
サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常が解消し通信が復旧すると(S111)、コンセントレータ3は、復旧通知を複数の通信装置201,202,…20nに一斉送信する(S112)。これにより、通信装置201,202,…20nはいずれも動作モードが非常モードから通常モードに切り替わる(S113)。このとき、コンセントレータ3はさらに、通信異常期間中に記憶部352に記憶されたバックアップデータを通知部353にてサーバ4に送信する(S114)。
なお、サーバ4は、通信状況などにより通知部353から送信されたバックアップデータを正常に受信できなかった場合、通信異常の解消後一定時間が経過すると、コンセントレータ3にバックアップ要求を送信し、その応答としてバックアップデータを取得する。
以上説明した本実施形態の検針システム1によれば、収集部351は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生時に、複数の通信装置2に遮断通知を送信し、これらの全ての通信装置2の動作モードを非常モードに移行させる。これにより、各通信装置2は、能動的にコンセントレータ3へ検針データを送信するので、収集部351は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中に、検針要求を送信することなく複数の通信装置2から検針データを収集できる。したがって、コンセントレータ3は、通信装置2との間の通信トラフィックの低減を図ることができる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態の検針システム1は、バックアップ検針のためのバックアップ部がコンセントレータ3でなく特定の通信装置2に設けられている点で実施形態1の検針システム1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
ここで、特定の通信装置2は、コンセントレータ3の管理下の複数の通信装置2の中から選択される任意の通信装置2であるが、コンセントレータ3からの通信距離が最短となる通信装置2であることが好ましい。たとえば、集合住宅10であれば、特定の通信装置2は、配電線L1の幹線におけるコンセントレータ3に最も近い位置に接続されている通信装置2(図4では通信装置201)であることが好ましい。また、コンセントレータ3と通信装置2との通信に、複数の通信装置2を中継してデータを伝送するマルチホップ通信を用いている場合には、特定の通信装置2は、コンセントレータ3からのホップ数が最小となる最上位の通信装置2であることが望ましい。
特定の通信装置2は、コンセントレータ3から判断部34での判断結果を受信するように構成されている。特定の通信装置2とそれ以外の通信装置2とは、共通の装置からなり、各装置に設けられた設定スイッチ(図示せず)の状態によって特定の通信装置2か否かが設定される。つまり、たとえば検針システム1の導入時、作業者は、任意の通信装置2の設定スイッチを操作することにより、この通信装置2を特定の通信装置2として機能させることが可能である。特定の通信装置2は、1台に限らず複数台であってもよい。
なお、通信装置2は、設定スイッチによる設定に限らず、たとえばサーバ4や保守端末(図示せず)からの切替信号によって、特定の通信装置2か否かの切り替えが行われる構成であってもよい。ここでいう保守端末は、通信装置2と数メートル程度の近距離でのみ通信可能な通信機能を有しており、一般的には、電力会社等の作業者に携行されて計測器5および通信装置2の保守、点検に用いられる。この場合、作業者は、サーバ4や保守端末の操作によって、いずれの通信装置2を特定の通信装置2として機能させるか決めることができる。
本実施形態では、図4に示すように、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中にサーバ4の代わりに検針データを収集し、収集した検針データを通信異常の解消時にサーバ4に送信するバックアップ部24は、通信装置201に設けられている。なお、特定の通信装置201以外の通信装置2の構成は、図1に示した通信装置2と同様である。
バックアップ部24は、収集部241と記憶部242と通知部243とを具備している。基本的な構成および機能については、収集部241は実施形態1の「収集部351」と、記憶部242は実施形態1の「記憶部352」と、通知部243は実施形態1の「通知部353」とそれぞれ共通である。
つまり、収集部241は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中に複数の通信装置2から検針データを収集する。ここで、収集部241は、コンセントレータ3からの遮断通知を受けて通信異常の発生を検知しており、通信異常が発生すると、同じ集合住宅10における他の(特定の通信装置201以外の)通信装置2の全てから検針データを収集する。
バックアップ部24は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中に、収集部241が複数の通信装置2から収集した検針データを、バックアップデータとして記憶部242に記憶する。このとき、収集部241は、特定の通信装置201自身の検針データについても、他の通信装置2から収集した検針データと共にバックアップデータとして記憶部242に記憶する。記憶部242は、バックアップデータを、収集部241で収集された時間と対応付けて時系列に記憶する。なお、記憶部242は、通信装置2に設けられているメモリ(図示せず)の記憶領域の一部が割り当てられていてもよい。
通知部243は、記憶部242に記憶されたバックアップデータを通信異常の解消時にコンセントレータ3を介してサーバ4に送信する。通知部243は、コンセントレータ3からの復旧通知を受けて通信異常の解消を検知しており、通信異常が解消すると、この通信異常期間中に収集された(つまり記憶部242に記憶された)バックアップデータをコンセントレータ3経由でサーバ4に送信する。
さらに詳しく説明すると、本実施形態においては、バックアップ部24は、実施形態2で説明したように、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中に、イベント駆動方式で検針データを収集するように構成されている。
つまり、通信装置2は、サーバ4からの検針要求を受信すると検針要求への応答として検針データをサーバ4に送信する通常モードと、検針データを特定の通信装置201に能動的に送信する非常モードとの2つの動作モードを切替可能に構成されている。なお、特定の通信装置201は、非常モードにおいては検針データを自身の記憶部242にバックアップデータとして記憶することになる。
収集部241は、特定の通信装置201がコンセントレータ3から遮断通知を受けて非常モードに移行すると、非常モードに移行した他の複数の通信装置2から送信される検針データを収集し記憶部352に記憶するように構成されている。特定の通信装置201は、コンセントレータ3から復旧通知を受けると、通知部243により記憶部242に記憶されたバックアップデータをコンセントレータ3を介してサーバ4に送信した後、通常モードに移行する。
次に、本実施形態の検針システム1の動作について図5を参照して説明する。
通信装置2が通常モードにある場合、サーバ4は、現在時刻が定期検針時刻になると、検針データを取得するための検針要求を、コンセントレータ3を介して通信装置201,202,…20nに対して順次送信する(S201,S203)。検針要求を受信した通信装置201,202,…20nは、コンセントレータ3を介してサーバ4に検針データを順次送信する(S202,S204)。このように、定期検針時には、サーバ4はコンセントレータ3を介して複数の通信装置201,202,…20nから検針データを順次取得する。
一方、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常が発生すると(S205)、コンセントレータ3は、判断部34の判断結果に従って遮断通知を複数の通信装置201,202,…20nに一斉送信する(S206)。これにより、通信装置201,202,…20nはいずれも動作モードが通常モードから非常モードに切り替わる(S207)。非常モードにおいては、通信装置202,…20nは、現在時刻が定期検針時刻になると、自動的に特定の通信装置201へ検針データを順次送信する(S208,S209)。このとき、特定の通信装置201は他の通信装置202,…20nから受信した検針データを、サーバ4に転送することなく、収集部241にて自身の検針データと併せてバックアップデータとして記憶部242に記憶する(S210)。
サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常が解消し通信が復旧すると(S211)、コンセントレータ3は、復旧通知を複数の通信装置201,202,…20nに一斉送信する(S212)。このとき、特定の通信装置201は、通信異常期間中に記憶部242に記憶されたバックアップデータを通知部243にてコンセントレータ3を介してサーバ4に送信する(S213)。その後、通信装置201,202,…20nはいずれも動作モードが非常モードから通常モードに切り替わる(S214)。
なお、サーバ4は、通信状況などにより通知部243から送信されたバックアップデータを正常に受信できなかった場合、通信異常の解消後一定時間が経過すると、特定の通信装置201にバックアップ要求を送信し、その応答としてバックアップデータを取得する。
また、バックアップ部24は、上述したようなイベント駆動方式に限らず、実施形態1で説明したように、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中に、ポーリング方式で検針データを収集するように構成されていてもよい。この場合、特定の通信装置2は、サーバ4からの検針要求を受信すると検針要求への応答として検針データをサーバ4に送信する通常モードと、サーバ4の代わりに通信装置2から検針データを収集する非常モードとの2つの動作モードを切替可能に構成される。特定の通信装置2は、通常時には通常モードで動作し、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生時に非常モードに移行する。
そして、特定の通信装置2は、非常モードにおいて、同じ集合住宅10における他の(特定の通信装置2以外の)複数の通信装置2の各々に収集部241から検針要求を送信する。各通信装置2は、特定の通信装置2の収集部241から検針要求を受信すると、その応答として特定の通信装置2に対して検針データを送信するように構成されている。つまり、収集部241は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中に、他の複数の通信装置2の各々に検針要求を送信し、検針要求への応答としてこれら複数の通信装置2の各々から送信される検針データを収集し、記憶部242に記憶する。
また、本実施形態においては、特定の通信装置2は、定期検針時に検針データと一緒にバックアップデータをサーバ4へ送信するように構成されている。すなわち、通知部243は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の解消後、特定の通信装置2がサーバ4からの検針要求を受信したときに、通常の(定期検針用の)検針データと併せて、記憶部242に記憶されたバックアップデータをサーバ4に送信する。
ここで、通知部243は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の解消時に、一度バックアップデータをサーバ4に送信するように構成されており、そのため、検針要求への応答として検針データと一緒に送るのは未送信のバックアップデータのみとする。具体的には、通知部243は、バックアップデータを構成する検針データの各々について送信済・未送信の別を示すフラグを記憶部242に記憶している。通知部243は、通信状況などによりバックアップデータの一部または全部の送信に失敗して未送信のバックアップデータが残っている場合に限り、定期検針時に検針要求への応答としてバックアップデータを送信する。
ところで、本実施形態の検針システム1は、上記構成に加えて、コンセントレータ3と通信装置2との間の通信異常の発生期間中にも、バックアップ検針で対応できるように以下の構成を採用している。
すなわち、図4に示すように、特定の通信装置201は、コンセントレータ3との間の通信異常の有無を判断する副判断部25を有している。副判断部25は、たとえば一定時間ごとにコンセントレータ3から送信されるキープアライブ信号の受信状況に基づいて、コンセントレータ3−特定の通信装置201間の通信異常の有無を判断する。つまり、副判断部25は、キープアライブ信号を正常に受信できていれば通信異常なし、キープアライブ信号を正常に受信できなくなると通信異常ありと判断する。
さらに、特定の通信装置201は、コンセントレータ3との間の通信異常の発生期間中にサーバ4の代わりに検針データを収集し、収集した検針データを通信異常の解消時にサーバ4に送信する副バックアップ部26を有している。副バックアップ部26は、副収集部261と副記憶部262と副通知部263とを具備している。
副収集部261は、コンセントレータ3−特定の通信装置201間の通信異常の発生期間中に複数の通信装置2から検針データを収集する。ここで、副収集部261は、副判断部25の判断結果を受けて通信異常の発生を検知しており、通信異常が発生すると、同じ集合住宅10における他の(特定の通信装置201以外の)通信装置2の全てから検針データを収集する。
副バックアップ部26は、コンセントレータ3−特定の通信装置201間の通信異常の発生期間中に、副収集部261が複数の通信装置2から収集した検針データを、バックアップデータとして副記憶部262に記憶する。このとき、副収集部261は、特定の通信装置201自身の検針データについても、他の通信装置2から収集した検針データと共にバックアップデータとして副記憶部262に記憶する。副記憶部262は、バックアップデータを、副収集部261で収集された時間と対応付けて時系列に記憶する。なお、副記憶部262は、通信装置2に設けられているメモリ(図示せず)の記憶領域の一部が割り当てられていてもよい。
副通知部263は、副記憶部262に記憶されたバックアップデータを通信異常の解消時にコンセントレータ3を介してサーバ4に送信する。通知部243は、副判断部25の判断結果を受けて通信異常の解消を検知しており、通信異常が解消すると、この通信異常期間中に収集された(つまり副記憶部262に記憶された)バックアップデータをコンセントレータ3経由でサーバ4に送信する。
なお、副バックアップ部26は、バックアップ部24と同様に、コンセントレータ3−特定の通信装置201間の通信異常の発生期間中に、イベント駆動方式で検針データを収集するが、ポーリング方式で検針データを収集するように構成されていてもよい。イベント駆動方式の場合、特定の通信装置201は、副判断部25の判断結果に応じて他の通信装置2に遮断通知および復旧通知を送信するように構成され、他の通信装置2はこれら遮断通知および復旧通知を受けて動作モードを切り替える。ただし、この構成に限らず、各通信装置2が個別にコンセントレータ3−特定の通信装置201間の通信異常の有無を判断する機能を有し、その判断結果に応じて動作モードを切り替えてもよい。
次に、本実施形態の検針システム1においてコンセントレータ3−特定の通信装置201間の通信異常が発生した場合の動作について、図6を参照して説明する。
定期検針時の動作(S301〜S304)は、図5の例(S201〜S204)と同じである。
コンセントレータ3−特定の通信装置201間の通信異常が発生すると(S305)、副判断部25の判断結果に従って通信装置201,202,…20nはいずれも動作モードが通常モードから非常モードに切り替わる(S306)。非常モードにおいては、通信装置202,…20nは、現在時刻が定期検針時刻になると、自動的に特定の通信装置201へ検針データを順次送信する(S307,S308)。このとき、特定の通信装置201は他の通信装置202,…20nから受信した検針データを、サーバ4に転送することなく、副収集部261にて自身の検針データと併せてバックアップデータとして副記憶部262に記憶する(S309)。
コンセントレータ3−特定の通信装置201間の通信が復旧すると(S310)、特定の通信装置201は、通信異常期間中に副記憶部262に記憶されたバックアップデータを副通知部263にてコンセントレータ3を介してサーバ4に送信する(S311)。その後、副判断部25の判断結果に従って通信装置201,202,…20nはいずれも動作モードが非常モードから通常モードに切り替わる(S312)。
なお、サーバ4は、通信状況などによりバックアップデータを正常に受信できなかった場合、通信異常の解消後一定時間が経過すると、特定の通信装置201にバックアップ要求を送信し、その応答としてバックアップデータを取得する構成であってもよい。
以上説明した本実施形態の検針システム1によれば、バックアップ検針のためのバックアップ部24(収集部241と記憶部242と通知部243)は特定の通信装置2に設けられている。そのため、コンセントレータ3はバックアップ検針時に検針データを収集してバックアップデータとして記憶する必要がなく、コンセントレータ3のリソースを低減することができる。
また、本実施形態においては、特定の通信装置2は、コンセントレータ3との間の通信異常の発生期間中にサーバ4の代わりに検針データを収集し、収集した検針データを通信異常の解消時にサーバ4に送信する副バックアップ部26を有している。これにより、コンセントレータ3−特定の通信装置2間の通信異常の発生期間中にも、サーバ4による定期検針に失敗した場合、脱漏している検針データを補完するためのバックアップ検針が可能になる。したがって、コンセントレータ3−特定の通信装置2間で通信異常が発生し、サーバ4において多数の検針データの脱漏が生じた場合でも、サーバ4は、特定の通信装置2との通信だけで脱漏している通信異常期間中の検針データを一括して取得することができる。その結果、サーバ4は、通信異常の解消後、脱漏している検針データを各通信装置2から個別に取得する必要がなく、脱漏している検針データを全て取得するのに掛かる時間を短縮でき、よって、通信異常期間中の検針データを効率よく取得できる。
さらに、特定の通信装置2は、定期検針時に検針データと一緒にバックアップデータをサーバ4に送信するように構成されている。したがって、通知部243は、通信状況などによりバックアップデータの一部または全部の送信に失敗しても、未送信のバックアップデータを、定期検針時に検針要求への応答として検針データと併せて送信することができる。
なお、本実施形態の検針システム1においては、コンセントレータ3−特定の通信装置2間の通信異常の発生期間中におけるバックアップ検針の機能は必須ではなく、副判断部25および副バックアップ部26は省略されていてもよい。この場合、特定の通信装置2は、サーバ4−コンセントレータ3間の通信異常の発生期間中にのみ、サーバ4の代わりに検針データを収集し、収集した検針データを通信異常の解消時にサーバ4に送信することになる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
ところで、上記実施形態1〜3ではコンセントレータ3が1台の場合について説明したが、検針システム1は実際にはコンセントレータ3を複数台備えている。コンセントレータ3が複数台ある場合、バックアップ部は、コンセントレータ3ごと(つまり各コンセントレータ3あるいは各コンセントレータ3の管理下の特定の通信装置2)に設けられ、コンセントレータ3ごとにバックアップ検針を行う。