JP6167307B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザを用いて基板に穴あけ加工などを施すレーザ加工装置に関し、特に、レーザ加工装置に用いられるガルバノスキャナの動的な位置決め精度の向上に関するものである。
近年、部品の小型化、高集積化、複合モジュール化に伴い、基材の穴あけ加工もますます精密加工化し、それに対応するために、レーザを用いた穴あけ加工が増えてきている。係るレーザ加工装置に用いられるガルバノスキャナは、レーザ光を反射させるミラーを回転駆動部によって回転制御することにより、レーザ光を被加工物の面上に走査させるものである。レーザパルスを出射するタイミングで、位置指令に対して高い位置決め精度が必要とされる。
しかし、位置決め時に使用する位置決めセンサが、その構造上、温度や湿度などの周辺環境の変化や経時的な変化に起因して、出力信号が変動する特性を有している。したがって、ミクロン単位の微細な穴を所定位置に正確に加工できる加工精度を長期的に保持するためには、位置決めセンサの出力信号の変動を補正し、ガルバノスキャナの回転位置を、位置指令信号による指令位置に常に一致させる必要がある。
この課題に対する従来技術の一例を、図を用いて説明する。
図19は従来技術に係るレーザ加工装置の概略構成を示すブロック図である。同図において、位置指令発生器901からは、ガルバノスキャナ908におけるミラーを目標とする所定の回転位置に回転移動させるための指令位置データが位置指令信号として出力される。一方、ガルバノメータ908に内蔵された位置センサ909からはガルバノメータ908の回転位置、つまりミラーの回転角度の位置検出信号が出力され、その位置検出信号が、位置検出器910から、ミラーの実際の回転位置を示す実位置データ信号に変換されて出力される。
PID制御器902は、位置指令発生器901から出力される位置指令信号と位置検出器910から出力される実位置データ信号との偏差が0になるように、PID(P:比例・I:積分・D:微分)制御処理を行うもので、上記偏差に基づき、その偏差が0となる電流指令値を演算して電流指令信号として出力する。
電流制御器903は、PID制御器902から出力される電流指令信号と電流検出器907がガルバノスキャナ908の電流を検出して出力する実電流データ信号との偏差に応じて、パワーアンプ4を制御し、電流検出器907からガルバノスキャナ908に流れる電流が電流指令信号に一致するように動作する。
位置決め時間検出手段905は、ガルバノスキャナ908の位置決めが完了したと見做す位置決め完了幅を任意に設定し、ガルバノメータ908に対する位置決め処理を開始した後に、位置検出器910からの検出位置が前記の位置決め完了幅内に入ったことを検出して位置決め完了を検出する。(ガルバノメータ908の位置決め処理を開始してから位置決め完了検出までに要した時間を位置決め時間として検出する位置決め時間検出手段を含む)
位置センサ変動検出器911は、位置決め時間検出手段5により検出した位置決め時間の変動から位置センサ909の特性変動を検出する。
位置センサ補正警告信号出力手段912は、位置センサ変動検出器911により位置センサ9の特性変動を検出した時に、位置センサ909の特性変動に対する補正の必要性を表す警告信号を出力する
さらに、位置センサ変動検出器911により位置センサ909の特性変動を検出するための情報を得る手段として、1サイクルの位置決め処理の間に電流検出器907が検出した電流値を積分する電流値積分手段906を設ける(特許文献1を参照)。
特開2001−228414号公報
しかしながら、従来技術に係るレーザ加工装置では、位置センサの出力信号に環境変化や経時変化の影響を受けて特性的な変動が生じた時に、任意設定された位置決め完了幅に基づいて測定される位置決め時間の変動、あるいはガルバノメータに流れる電流の積分値の変動により、位置センサの特性変動を検出し、その特性変動に対する補正作業の必要性を警告するための信号を出力することはできても、変化量や変化の方向(指令位置に対してオーバーシュートしているのか、アンダーシュートしているのか)を検知できないため、別途、補正作業をしなければいけないという問題があった。
そこで本発明は、ガルバノスキャナの動的な位置決め精度を向上することができるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るレーザ加工装置は、レーザパルス出力指令信号を受けてレーザ光を出射するレーザ発振器と、位置指令情報を受信し動作指令信号を受けて動作を開始し被加工物の加工位置に前記レーザ光の位置決めをするガルバノスキャナと、少なくとも前記レーザ発振器及び前記ガルバノスキャナを制御する制御装置を備えたレーザ加工装置であって、前記ガルバノスキャナは、前記レーザ光を反射するガルバノミラーと、前記ガルバノミラーの角度を変更するガルバノモータと、前記ガルバノミラーの角度を検出する角度センサと、前記位置指令情報及び前記角度センサから得られる角度情報及び予め設定された複数のパラメータとに基づいて前記ガルバノモータの駆動電流を制御するガルバノコントローラを備え、前記複数のパラメータを格納するパラメータ格納部を設置し、所定の測定用パターンの動作指令に対する前記ガルバノスキャナの追従データを測定し、前記追従データから導出した特性値に対応して前記パラメータを変更するものであって、前記測定用パターンが、複数の異なる移動ピッチの往復を所定の時間繰り返すものである
上記の構成により、本発明に係るレーザ加工装置では、予め測定した特定のパターンの動作指令に対するガルバノスキャナの追従データから導出した特性値に対応して前記パラメータを変更することで、ガルバノスキャナの異なる移動ピッチやモータ温度の変化に対して、動的な精度を所定の範囲内に抑えることができるので、ガルバノスキャナの動的な位置決め精度を向上することができる。
本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の概略構成を示すブロック図 本発明の実施の形態に係るガルバノスキャナの詳細構成を示すブロック図 本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の加工時の動作を示すタイミングチャート 本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置のガルバノ駆動パラメータの最適化工程を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係るガルバノ追従データ測定用パターンの一例を示すグラフ 本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置のガルバノ追従データ測定用パターンと追従データの一例を示すグラフ 本発明の実施の形態に係るガルバノ追従データ測定用パターンのうち5mmピッチ移動を拡大した場合の一例を示すグラフ 本発明の実施の形態に係る偏差とインポジ信号の関係の一例を示すグラフ 本発明の実施の形態に係る整定時間の算出の一例を示すグラフ 本発明の実施の形態に係る差分総合値の算出過程の一例を示すグラフ 本発明の実施の形態に係る差分総合値の算出過程の一例を示すグラフ 本発明の実施の形態に係る5分間ガルバノ動作時の整定時間の一例を示すグラフ 本発明の実施の形態に係る5分間ガルバノ動作時の1mmピッチの整定時間の一例を示すグラフ 本発明の実施の形態に係る5分間ガルバノ動作時の差分総合値の一例を示すグラフ 本発明の実施の形態に係る特性値の合否の場合分けする一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係る変更パラメータの一例を示す図 本発明の実施の形態に係るパラメータ最適化後の5分間ガルバノ動作時の1mmピッチの整定時間の一例を示すグラフ 本発明の実施の形態に係るパラメータ最適化後の5分間ガルバノ動作時の差分総合値の一例を示すグラフ 従来技術に係るレーザ加工装置の概略構成を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同じ構成要素については同じ符号を付しているので説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
<レーザ加工装置の主要構成>
図1は本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、レーザ加工装置100は、レーザ発振器101と、レーザ光102と、音響光学素子103と、光学調整部104と、ミラー105と、ガルバノスキャナ200と、fθレンズ106と、加工テーブル108と、制御部300とを備える。
レーザ発振器101は、制御部300から出力されるレーザパルス出力指令信号401を受けてレーザ光102を出射する。レーザ発振器101から出射されたレーザ光102は、音響光学素子103に入射し、ピーク部分のみを切り取る。その後、マスクチェンジャ等を備えた光学調整部104によって加工目的に応じたビーム径に整形される。整形されたレーザ光102はガルバノスキャナ200に導かれる。
ガルバノスキャナ200は、ガルバノ位置指令情報402を受けて動作を開始し、レーザ光102の位置決めをする。ガルバノスキャナ200で位置決めされたレーザ光102は、fθレンズ106で被加工物107に集光される。
<ガルバノスキャナの詳細な構成>
図2は本発明の実施の形態に係るガルバノスキャナの詳細構成を示すブロック図である。
ガルバノスキャナ200は、少なくともモータ制御手段202とパラメータ記憶手段201とX軸方向モータ211とX軸方向ミラー221とX軸方向エンコーダ241とX軸方向アンプ231とY軸方向モータ212とY軸方向ミラー222とY軸方向エンコーダ242とY軸方向アンプ232を備えている。
モータ制御手段202は制御部300からのガルバノ位置指令情報402を受信し、当該目標値に基づいてガルバノモータ210の回転角度をパラメータ記憶手段201に格納されたパラメータを用いて演算する。ガルバノモータ210の回転角度は、駆動信号404として駆動アンプ230に送信され、駆動アンプ230で電流値として増幅しガルバノモータ210を駆動・回転させる。
X軸方向の位置決め制御では、X軸方向アンプ231で電流増幅させて、X軸方向モータ211に送る。X軸方向モータ211はモータ制御手段202からの駆動信号404に基づいて回転する。X軸方向モータ211の回転角度を、X軸方向エンコーダ241で検知し、FB信号405としてモータ制御手段202に送る。FB信号405はガルバノモータ210の現在回転位置をフィードバックする信号である。よって、ガルバノミラー220の角度、ひいてはレーザ光102の照射位置に一義的に換算できる信号であるので、以降の説明では、FB信号405をガルバノ位置指令情報402と加減算できる情報として扱う。
モータ制御手段202では、X軸方向エンコーダ241からのFB信号405を受けて、出力する駆動信号404を調整し、回転位置がガルバノ位置指令情報402と一致するように制御される。
Y軸方向に関してもX軸方向と同様の制御を行う。Y軸方向モータ212はモータ制御手段202からの駆動信号404に基づいて回転する。Y軸方向モータ212の回転角度を、Y軸方向エンコーダ242で検知し、FB信号405としてモータ制御手段202に送る。モータ制御手段202では、Y軸方向エンコーダ242からのFB信号405を受けて、出力する駆動信号404を調整し、回転位置がガルバノ位置指令情報402と一致するように制御される。なお、X軸・Y軸の位置決め制御は並行して実行される。
本発明において、ガルバノモータの位置制御では、高速高精度を要求されるため、従来のPIDフィードバック制御ではなく、フィードフォワード型空間予測サーボ制御(モデル予測制御)を行っている。そのため、モータ制御手段202では、内部に仮想のガルバノモータのモデルを形成し、エンコーダ240から得られる各時刻の現実値と比較しながら、次の時刻の制御量を逐次計算しながら決定している。
仮想のガルバノモータは、実際の物理量に対応するパラメータを数値化してパラメータ記憶手段201に格納し、一定のアルゴリズムで仮想的に動作するようにプログラミングされている。格納するパラメータを例示すると、モータのイナーシャ、レジスタンス、インダクタンス、入力電流に対するトルク、そのゲインなどである。また、パラメータ記憶手段201には、モデル構築以外にモデル制御用のパラメータも格納している。例えば、トルク制御に関するものとして、加速量を決めるためのゲインや、逆にブレーキングポイントの位置、ブレーキのゲイン等である。以上、これら全てのパラメータを総称してガルバノ駆動パラメータとする。
モータ制御手段202は、新たなガルバノ位置指令情報402を受信すると、現在の位置や速度から最適な制御軌道を設定する。目標位置近傍に到達後は動的に安定な挙動を行える範囲で最速の軌道を決定する。仮想のガルバノモータのパラメータを用いて最適な制御軌道をトレースするように駆動条件が決定され駆動信号404として実際のガルバノモータを駆動する。
与えられた指令に対して、モータが動作した時のフィードバック電流によるポジションと、モデルの中で計算されたポジションから誤差を算出する。この誤差は駆動量の計算に組み込まれることで、仮想のモータのモデルの動作と実際のモータの動作を一致させている。
なお、ガルバノ駆動パラメータは、ガルバノスキャナ200単体の出荷検査までにユニットとして最適化されており、所定の規格の範囲に入るように設定されている。しかし、ガルバノスキャナ200をレーザ加工装置100に装着し稼働させるにあたり、微妙な条件の変化から一部のパラメータの最適化が必要になる。
<レーザ加工装置の被加工物への加工時の動作>
以上のように構成された本発明のレーザ加工装置の動作について図面を用いて説明する。
レーザ発振器101は必要に応じて十分にウォーミングアップされる。被加工物107は加工テーブル108に載置・固定され所定の加工エリアに移動される。加工プログラムに従い、ガルバノスキャナ200は所定の加工点にレーザ光102が照射されるように位置決めされる。レーザ光102がパルスとして照射され、例えば穴あけなど、被加工物107が加工される。ガルバノスキャナ200は次の加工点にレーザ光102が照射されるように位置決めされる。レーザ光102がパルスとして照射され被加工物107が加工される。以上のサイクルを繰り返し、被加工物107全体の加工を行う。
以下説明する動作は、被加工物107の加工の内、1つのレーザパルスで加工を行う1サイクル部分である。
図3は本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の加工時の動作を示すタイミングチャートである。
ガルバノ応答410は、ガルバノ位置指令情報402に対する現在回転位置との偏差をあらわしている。したがって、次の加工点にレーザ光102を位置決めするように新たなガルバノ位置指令情報402が制御部300より発せられると、現在位置との偏差は極大になり、ガルバノモータ210の位置決め制御が開始されると徐々にゼロに近づいていく。ガルバノ応答410は、制御部300から指示されるガルバノ位置指令情報402とモータ制御手段からのガルバノ位置情報403の差として算出される。
なお、ガルバノモータ210はX軸方向モータ211とY軸方向モータ212の2つで構成されるが、図3以降のグラフでは説明を簡単にするため一方の動きで説明することとする。
ガルバノモータ210の現在回転位置がガルバノ位置指令情報402に近づき、ガルバノ応答410の絶対値が一定値以下になったら、位置決め完了信号411をONする。位置決め完了信号411をONにする閾値は予め定めておく。要求される加工精度に基づき被加工物107上での距離に換算して十分にガルバノ位置指令情報402に近づいたと判断できる偏差を当該閾値として設定する。例えば、被加工物107上の距離に換算して数μm程度、具体的には5μm、あるいは、より精度を要求される場合は2μmに相当するガルバノ応答410の偏差を当該閾値として設定すると良い。
位置決め完了信号411がONになったら、所定の待ち時間(図中のTe1)後に制御部300は、レーザ指令(レーザパルス出力指令信号401)をレーザパルス幅(図中のTe2)に相当する期間だけONにし、レーザ指令を受けたレーザ発振器101はレーザ光102を出力する。レーザ発振器101は立上りや立下りの特性を有しているので、レーザ出力は図中のようなプロファイルになる。レーザ指令をOFFにした後、所定の期間(図中のTe3)経過後に次の加工点のガルバノ位置指令情報402を制御部300がガルバノスキャナ200に送信する。
レーザ照射後に次の新たなガルバノ位置指令情報402が発せられるとガルバノ応答410は再度極大になり、同時に位置決め完了信号411もONからOFFに変わる。図中の位置決め完了信号411がOFFの区間が、ガルバノ移動時間に相当し、位置決め完了信号がONの区間がガルバノ停止時間に相当する。
なお、ガルバノ移動時間は移動距離によって都度変動する。加工条件によってはレーザパルスの幅の設定は調整可能であり、Te1〜Te3の時間は加工条件で設定されている。図中のTe1〜Te3を加工期間の間一定にするようにすれば、ガルバノ停止期間は各々の加工サイクルで一定になる。
<レーザ加工装置のガルバノ駆動パラメータの最適化工程>
図4は本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置のガルバノ駆動パラメータの最適化工程を示すフローチャートである。
ガルバノ駆動パラメータの最適化工程は、大きくは4つの工程に区分される。
第1の工程では、予め定めた所定のガルバノ追従データ測定用パターンでガルバノスキャナ200を動作させ、ガルバノ位置指令情報402に対する追従データを一定の周期でログとして測定する。具体的には、ガルバノ追従データ測定用パターンに相当するガルバノモータ210の動作指令を送ってモータを動作させ、ガルバノ位置指令情報402に対する回転角度の移動軌跡と位置決め完了信号を約10μs周期でログ取得する(S01)。
第2の工程では、追従データのログと位置決め完了信号のON/OFFのタイミングから差分総合値と整定時間を算出する(S02)。
第3の工程では、算出した差分総合値と整定時間の結果から、ガルバノスキャナの動的な位置決め精度が一定の範囲に入っているか検査を行う。ガルバノスキャナの動的な位置決め精度が一定の範囲に入っている場合は、現在のパラメータが最適であり変更は不要であると判断して処理を終了する(S03)。
第4の工程は、ガルバノスキャナの動的な位置決め精度が一定の範囲に入らない場合に実行される。所定の変更アルゴリズムに基づきガルバノ駆動パラメータの一部を規則に従って変更し、再びガルバノ動作を行う(S04)。以上のフローを繰り返し、最適な駆動パラメータを導出する。
<ガルバノ駆動パラメータ最適化の第1の工程>
この工程では、予め定めた所定のガルバノ追従データ測定用パターンでガルバノスキャナ200を動作させ、ガルバノ位置指令情報402に対する追従データを一定の周期でログとして測定する。ガルバノ追従データ測定用パターンにおける動作は、実際のレーザ加工とは別に行われる。例えば、装置着工時の精度確認時、あるいは、定期検査での精度確認時、実加工に先立つ精度確認時等である。本動作中は、ガルバノスキャナは実加工と同じように駆動されるが、レーザパルスは射出させない。
図5は本発明の実施の形態に係るガルバノ追従データ測定用パターンの一例を示すグラフである。ガルバノスキャナ200はX軸方向のスキャンとY軸方向スキャンの一対で構成されているので、ガルバノ駆動パラメータ導出工程は、それぞれ独立に行なう。図5はX軸方向のガルバノ追従データ測定用パターンの一部であり、加工点でのXY平面上での実際の移動を示したものである。図中のY座標で0の線上の丸印がガルバノ位置指令情報402に含まれている指令位置である。スタートポイント(X=−15、Y=0)で静止している状態から当ピッチでステップ移動するような動作指令を行う。この例ではX方向のみ5mmピッチで動作させている。
ガルバノ位置指令情報402を受信したガルバノスキャナ200はパラメータ記憶手段201に格納されている現有のガルバノ駆動パラメータのより指令位置に向かって追従動作を行う。所定の範囲まで指令位置に近接すると位置決め完了信号がONになる。予め定めておいたガルバノ停止時間が経過すると、次のガルバノ位置指令情報402を与えるようにしてガルバノスキャナ200にステップ動作をさせる。この動作を一往復させる。
ガルバノ追従データ測定用パターンでは、上述のステップ動作一往復を、複数通りの移動ピッチで行いそれを繰り返す。例示すれば、0.5mmピッチのステップ動作一往復、1mmピッチのステップ動作一往復、2mmピッチのステップ動作一往復、5mmピッチのステップ動作一往復、これを再度0.5mm〜5mmを繰り返す。各異なるピッチの最初のスタートポイントでは、十分に静止しているとみなせる程度に待ち時間を設けておく。
以上がX軸方向のガルバノ追従データ測定用パターンであるが、Y軸方向モータの調整をする際は、Y軸方向のみの動作を行うガルバノ追従データ測定用パターンを設定する。なお、以降の説明ではX軸方向のみを例示することとする。Y軸方向は、例えばY=0で一定であるので、位置や移動量はX軸方向のみの値でありスカラー量として表示する。
ガルバノ追従データ測定用パターンに対して、追従データがどのようになっているのか、実験で得られたデータをグラフに示し説明を行う。
図6は本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置のガルバノ追従データ測定用パターンと追従データの一例を示すグラフである。
グラフの横軸は時間を示しており、ガルバノ追従データ測定用パターンの一部の期間を抽出している。縦軸はガルバノスキャナ200の加工点での位置であり、測定パターンに合わせて加工面上の位置に換算している。単位は[mm]ミリメートルである。例では、30mmの往復移動を繰り替えし行い、一往復ごとに、移動ピッチを0.5mm、1mm、2mm、5mmと変化させたときの、指令位置と移動軌跡を示している。
ステップ状の指令位置は破線で、追従データの移動軌跡は実線で示している。しかし、図6では、ガルバノスキャナの追従精度(動的な位置精度)に比べて、横軸の時間のスケールが荒いためにその差が表現できていない。そこで、同一データの一部を切り出し、横軸の時間軸を拡大したグラフを示す。図7は図6の横軸を拡大し5mmピッチ移動時の、指令位置と移動軌跡を示したものである。切り取った時間は0.16秒〜0.17秒の10m秒の期間である。破線で示す位置指令が5mmピッチでステップ状に発せられるのに対して、ガルバノモータの移動軌跡が位置指令に追従するように動いていることが分かる。
以上のように、ステップ状に往復動作を繰り返すガルバノ追従データ測定用パターンに対して、所定の時間刻み(例えば10μ秒周期)で追従データ実測値をログとして記憶しておき、同時に位置決め完了信号のON/OFF状態も記憶しておく。このログは、動作を開始して特性が安定する程度の期間まで取得するようにする。経験上、装置の温度特性等から5分間(300秒間)程度で特性が安定することがわかっているので300秒とした。
<ガルバノ駆動パラメータ最適化の第2の工程>
この工程では、指令位置に対する追従データのログと位置決め完了信号のON/OFFのタイミングから差分総合値と整定時間を算出する。それぞれの特性値の算出手順とその物理的な意味を、以下グラフを用いて説明する。
図8は本発明の実施の形態に係る偏差とインポジ信号の関係の一例を示すグラフである。図8は、5mmピッチの往復動作のうち方向を反転する部分を切り抜いている。また、図7と異なり、指令位置と移動軌跡の差分から算出した値を偏差として示したものである。グラフ上部の縦軸が偏差を示し単位はμmであるが目盛は2000μmとしている。指令位置が切り替わった直後は、偏差の絶対値が5000μm(5mm)付近になっており、そこからガルバノが動作し偏差が0付近に近づくのが分かる。プラス・マイナスの符号は動作指令から移動軌跡を差し引いて算出したもので、ガルバノスキャナ200の移動の方向に対応する。
同図の下部に、ON/OFFの変化をする位置決め完了信号を偏差のグラフと同タイミングで示している。指令位置が切り替わった直後の偏差が大きいタイミングではOFFであり、偏差が0付近に近づくと、インポジ信号はONになる。本実施の形態では、その閾値を2μmとして設定している。
まず、整定時間の算出について説明する。図9の上部は、図8の縦軸を拡大したものである。単位は同じμmであるが、目盛は2μmとしている。下部に示すインポジ信号は、偏差の絶対値が2μmになったところで立ち上がってONとなり、指令位置が切り替わって偏差が大きくなったところでたち下がってOFFになっている。この図9中の位置決め完了信号の立下りから立ち上がりまでの時間が整定時間である。つまり、整定時間は指令位置が切り替わったタイミングから偏差が0付近(当該例では2μm以下)になるまでの時間であり、指令位置に対するガルバノスキャナの追従時間を示している。
整定時間を特性値として用いるには、外乱等によるバラつきをなくすため平均値を用いる。図示しながら具体的な算出方法を示すと、整定時間T1、T2、……Tnと、移動回数がn回の場合、n回分の整定時間をもとめ、その平均値をとる。
また、整定時間は指令位置に到達するまでのガルバノスキャナの追従時間であるので、移動距離の大きさ、即ち、移動ピッチによって異なる数値となる。整定時間の算出は移動ピッチごとに行い、各ピッチの整定時間の平均値を個別に算出する。
更に整定時間は、装置の動作開始から経時的にも変化する。そこで30秒毎に、その前後15秒に含まれるログの整定時間を各ピッチごとに平均をとって、当該時刻における特性値としての整定時間とする。0秒では0〜15秒の平均になるが、30秒では15〜45秒の平均、60秒では45〜75秒であり、その時間内に含まれる該当する整定時間を全て算出に用いて平均をとる。なお、30秒は一例として示したもので、十分に平均をとれる時間で、経時的な変化を観測できる期間であればこれに限定はされない。
次に、差分総合値の算出について説明する。差分総合値は、制御的にはガルバノスキャナ200の位置決めが完了していて静止しているとみなす期間の動的精度を表す特性値として本願において新たに定義したものである。図3では、位置決め完了信号がONの期間をガルバノ停止時間とした。ガルバノ停止時間では、加工上の位置精度が確保される必要がある。しかし、図9を見て分かる通り、偏差は変動し0にはなっていない。この動的な精度を総合的な特性値として表すには、少なくとも、偏差が0に近づく方向、位置決め完了信号がONの期間内の正負の符号も考慮した代表的偏差量、そして、特定期間内のデータに対する統計的処理が必要である。
以下、グラフを使いながら差分総合値の算出手順を説明する。差分総合値を算出するにあたって、ガルバノモータの移動方向を判定する必要がある。すなわち、偏差が負方向から0付近まで到達したのか、正方向から0付近まで到達したのかを判断する必要がある。ここでは、前者をCW方向、後者をCCW方向と呼ぶ。
図10は図9の縦軸および横軸をさらに拡大し、位置決め時の偏差とインポジ信号の詳細な動きを1サイクルぶんだけ示したものである。ログは約10μ秒ごとに記録しているため、データをドットで示すと本グラフの尺度では離散グラフになるが、時系列が分かるように各ドットは線で結んでいる。
移動方向を判定するために、インポジ信号立ち上がり前後の時刻T1とT2における偏差である偏差T1と偏差T2を比較する。
偏差T1−偏差T2 > 0 のときCW方向移動とし、
偏差T1−偏差T2 < 0 のときCCW方向移動とする
次に、位置決め完了信号の立上りタイミングT1から所定時間経過後のTnでの偏差Nを求める。この偏差Nはガルバノ停止時間内の偏差の代表値である。T1〜Tnの設定時間は加工動作時のレーザパルス幅等の条件によって異なる。実加工での精度と相関を高めるため、T1〜Tnの設定時間は、実加工時に位置決め完了信号がONとなってから実際にレーザを照射するまでの待ち時間と同じタイミングに設定している。
以上の処理によって、取得したログ内の全ての位置決めサイクルごとに、偏差Nの値とCW方向かCCW方向かの別が算出される。さらに、偏差Nはステップ動作の各ピッチごとに分けて平均化する。但し、CW方向のサイクルの偏差Nの平均値とCCW方向のサイクルの偏差Nの平均値とは別に集計して平均化する。CW方向の偏差Nの平均値をCWN、CCW方向の平均値をCCWNとする。
以上のようにして算出したCWNとCCWNの差分をとって、これを差分総合値Dとする。
差分総合値Dを図示して説明する。図11は本発明の実施の形態に係る差分総合値の算出過程の一例を示すグラフである。図11に示すように、各位置決めタイミングで、移動方向判定と、レーザ照射時に該当するタイミングでの偏差Nから、CW方向の偏差Nの平均値を表すCWNと、CCW方向の平均値を表すCCWNを求める。そして、CWNと、CCWNの差分をとることで、差分総合値を表すDを求めている。差分総合値が正の場合、ガルバノの動作は指令位置に対してオーバーシュートしていることになり、差分総合値Dが負の場合は、指令位置に対してアンダーシュートしていることになる。よって、この差分総合値を判断基準とすることで、位置センサの変動が発生したか否かだけでなく、変動方向や変動量まで定量的に検出することができる。
また、差分総合値も、装置の動作開始から経時的に変化する。そこで整定時間の計算の時と同じく30秒毎に、その前後15秒に含まれるログを用い各ピッチごと上述の計算を行う。当該値をもって、当該時刻における特性値としての差分総合値とする。なお、30秒は一例として示したもので、十分に平均をとれる時間で、経時的な変化を観測できる期間であればこれに限定はされない。
なお、本実施の形態では、ステップ状に往復動作を繰り返すガルバノ追従データ測定用パターンに対して、測定値のログを、動作を開始して当初設定した時間まで記憶し、そのログから整定時間と差分総合値を時間を区分して求める手順を説明した。しかし、かかる手順に限られず、ガルバノ追従データ測定用パターンをガルバノモータ温度が飽和するまで動作させ、一定期間ごとに取得したログデータに対して、差分総合値、整定時間をその都度算出する方法を用いても良い。
<ガルバノ駆動パラメータ最適化の第3の工程>
この工程では、算出した整定時間と差分総合値から、ガルバノスキャナの動的な位置決め精度が一定の範囲に入っているか検査を行う。ガルバノスキャナの動的な位置決め精度が一定の範囲に入っている場合は、現在のパラメータが最適であり変更は不要であると判断する。
図12、図13、図14は、上記ガルバノ追従データ測定用パターンを5分間動作させ、開始直後から30秒毎に計11回のログデータを取得し、取得した全てのログデータに対して、差分総合値および整定時間を算出し、グラフ化したものである。
まず、整定時間の判定(判定1)から説明する。図12は、5分間のガルバノ動作で30秒ごとに11に区分して算出された整定時間をプロットしたグラフである。縦軸が整定時間を示し、横軸は集計処理したログの動作開始からの経過時間を示す。4種類のピッチでのステップ動作ごとに算出しているので4本のグラフとして表され、各ピッチごとに11の整定時間がプロットされている。ここで4本のグラフを比較すると、移動ピッチが大きいほど整定時間も大きくなるという違いはあるが、時間経過に対する傾向はほぼ同じとみなせる。本発明の方法では、1mmピッチ場合の整定時間を用いて、所定の範囲に入っているかを判定する。
図13は、縦軸を拡大し、1mmピッチの場合の整定時間のグラフのみを切り取ったものである。縦軸が整定時間を示し、横軸は集計処理したログの動作開始からの経過時間を示す。ここで、算出した1mmピッチ移動時の整定時間の最大値をTmaxとする。グラフ中央部の点線は、1mmピッチ移動時の整定時間の許容最大値Tthを示す。許容最大値Tthは、装置としての規格値に該当する。よってTmaxがTth以下であれば規格内とし、それを超える値となれば規格の範囲外であると判断する。本例では規格値として許容最大値Tthを500μmと定めている。
次に、差分総合値の最大値の判定(判定2)と最小値の判定(判定3)を説明する。
図14は、5分間のガルバノ動作で30秒ごとに11に区分して算出された差分総合値をプロットしたグラフである。縦軸は差分総合値を示し、横軸はガルバノ動作時間を示す。横軸は集計処理したログの動作開始からの経過時間を示す。4種類のピッチでのステップ動作ごとに算出しているので4本のグラフとして表され、各ピッチごとに11の整定時間がプロットされている。
ここで、全てのピッチ、全ての時間における算出された差分総合値の最大値と最小値を求める。本例では4×11の点の算出値から決定することになる。図14では、0.5mmピッチで90秒の点での差分総合値が最も大きいので、これを選んで差分総合値の最大値Dmaxとする。同図で、5mmピッチで300秒の点での差分総合値が最も小さいので、これを選んで差分総合値の最小値Dminとする。
図14のグラフ上部の点線は差分総合値の許容最大値Dthmaxを示し、グラフ下部の点線は差分総合値の許容最小値Dthminを示す。差分総合値はガルバノ停止時間での動的な位置精度を表す本発明の特徴的な指標であり、正負の両方向に対して限界値を規格として設定している。本例では±2μmの範囲を設定している。よって、DmaxがDthmax以下であれば規格内とし、それを超える値となれば規格の範囲外であると判断する。かつ、DminがDthmin以上であれば規格内とし、それを下回る値となれば規格の範囲外であると判断する。
<ガルバノ駆動パラメータ最適化の第4の工程>
この工程は、ガルバノスキャナの動的な位置決め精度が一定の範囲に入らない場合に実行される。即ち、上述の第3工程の判定1、判定2、判定3のいずれか1つでも規格として定めた範囲に入っていない場合は、以下に述べる変更アルゴリズムに基づきガルバノ駆動パラメータの一部を規則に従って変更する。
図15は本発明の実施の形態に係る特性値の合否の場合分けする一例を示すフローチャートである。本フローチャートでは、図4のフローチャートと同一の工程に対応する部分は同一の符号(S01〜S04)を付している。特に、第3の工程(S03)を判定1〜判定3に区分し、判定結果の場合分けを行っている。
判定1では、整定時間の許容最大値TthとTmaxを比較し、
Tth ≧ Tmax
であればOKに進み、それ以外の場合はNGに進む。
判定2では、差分総合値の許容最大値DthmaxとDmaxを比較し、
Dthmax ≧ Dmax
であればOKに進み、それ以外の場合はNGに進む。
判定3では、差分総合値の許容最小値DthminとDminを比較し、
Dthmin ≦ Dmin
であればOKに進み、それ以外の場合はNGに進む。
判定1、判定2、判定3により、現状のガルバノ特性が8つのパターンに場合分けすることになる。ここで、判定1〜3全てでOKであればパラメータ変更を行わずに作業を終了する。
以上の3段階の判定のOK/NGによる場合分けのうち、パラメータを変更する場合の数は7通りとなる。図16に、その7通りのパターンを表として示した。判定1〜3のそれぞれで、OKの場合を「○」、NGの場合を「×」としている。パターンの欄にNG(1)〜NG(7)として、NGとなったパターンのそれぞれをフローチャートに対応させている。変更パラメータの欄のA、B、C、Dはガルバノ駆動パラメータのうち変更すべきパラメータの区分を表している。変更量の欄の数式は変更すべきパラメータを増減させる数式を表している。
以下、変更パラメータについて詳細に説明する。
表中の、変更パラメータAはモータの角度情報を引数として駆動電流のブレーキポイントを変化させるパラメータであり、モデル予測制御ではトルク制御関係のパラメータに関連付けられる。変更方向が負の場合は、駆動電流のブレーキタイミングが、相対的に遅くなり、波形はオーバーシュート傾向になる。表中のNGパターン(1)のときに活用する。
逆に変更パラメータAの変更方向が正の場合は、駆動電流のブレーキタイミングが相対的に早くなり、波形はアンダーシュート傾向になる。表中のNGパターン(2)およびNGパターン(6)のときに活用する。
変更パラメータBはモータの角度情報の時間の2階微分を引数として駆動電流の加速度を変化させるパラメータで、モデル予測制御ではイナーシャ関係のパラメータに関連付けられる。変更方向が負の場合は駆動電流が最大値まで到達する時間が短くなり、整定時間が短くなる。ただし、電流の変化が急峻になるため、各ピッチにおける整定時の編差のバラつきは大きくなる。表中のNGパターン(4)およびNGパターン(5)のときに活用する。
逆に、変更パラメータBの変更方向が正の場合は駆動電流が最大値まで到達する時間が長くなり、整定時間が長くなる。ただし、電流の変化が緩やかになるため、各ピッチにおける整定時の編差のバラつきは小さくなる。表中のNGパターン(3)のときに活用する。
変更パラメータCおよび変更パラメータDは駆動電流の角度情報および、角度情報の時間微分および、角度情報の時間の2階級微分を引数とするパラメータで整定時の波形の偏差および、整定時間を変化させる役割がある。NGパターン(8)のときに活用する。モデル予測制御ではそれぞれインダクタンスとレジスタンス関係のパラメータに関連付けられる。
また、パラメータの変更量は許容値とMAX値もしくはMIN値の差分と各パラメータ独自の係数を乗算したものとする。上記のようにパラメータ変更を行い、図15のフローチャートを繰り返し行うことで、ガルバノ駆動パラメータを最適化する。
<ガルバノ駆動パラメータ最適化後の特性>
以上の4つの工程を経て変更されたガルバノ駆動パラメータで、再度ガルバノ追従データ測定用パターンを実行し、判定1〜3全てでOKとなったパラメータ最適化後のガルバノ特性の一例を図17、図18に示す。図17は本発明の実施の形態に係るパラメータ最適化後の5分間ガルバノ動作時の1mmピッチの整定時間の一例を示すグラフである。図18は本発明の実施の形態に係るパラメータ最適化後の5分間ガルバノ動作時の差分総合値の一例を示すグラフである。
図17ではガルバノスキャナの異なる移動ピッチやモータ温度の変化に対して、整定時間を所定の範囲内に抑えることができていることが分かる。
図18ではガルバノスキャナの異なる移動ピッチやモータ温度の変化に対して、動的な精度を所定の範囲内に抑えることができていることが分かる。
以上に述べたように、本実施の形態のレーザ加工装置によれば、予め測定した特定のパターンの動作指令に対するガルバノスキャナの追従データから導出した特性値に対応して前記パラメータを変更することで、ガルバノスキャナの異なる移動ピッチやモータ温度の変化に対して、動的な精度を所定の範囲内に抑えることができるので、ガルバノスキャナの動的な位置決め精度を向上することができる。
なお、本実施の形態では、1mmピッチのみに整定時間の許容最大値を設定しているが、許容最大値を複数のピッチで設定してもよい。また、1mmピッチと違うピッチで設定してもよい。
また、本実施の形態では、パラメータ変更後、再び5分間のガルバノ動作をおこない、ログを取得する場合を説明したが、パラメータ変更後、その効果を簡易的に確認し、パラメータ変更の効果が想定どおりに出ていることを確認してから、5分間のガルバノ動作をおこなってもよい。その場合、無駄なログデータを取得することが無くなり、パラメータチューニング時間を短縮させることができる
本発明にかかるレーザ加工装置は、ガルバノスキャナの動的な位置決め精度を向上することができるものであり、レーザを用いて基板に穴あけ加工などを施すレーザ加工装置等において有用である。
100 レーザ加工装置
101 レーザ発振器
102 レーザ光
103 音響光学素子
104 光学調整部
105 ミラー
106 fθレンズ
107 被加工物
108 加工テーブル
200 ガルバノスキャナ
201 パラメータ記憶手段
202 モータ制御手段
210 ガルバノモータ
211 X軸方向モータ
212 Y軸方向モータ
220 ガルバノミラー
221 X軸方向ミラー
222 Y軸方向ミラー
230 駆動アンプ
231 X軸方向アンプ
232 Y軸方向アンプ
240 エンコーダ
241 X軸方向エンコーダ
242 Y軸方向エンコーダ
300 制御部
301 レーザ指令手段
302 判断手段
303 パラメータ変更手段
304 演算手段
305 記憶手段
306 ガルバノ指令手段
401 レーザパルス出力指令信号
402 ガルバノ位置指令情報
403 ガルバノ位置情報
404 駆動信号
405 FB信号
410 ガルバノ応答
411 位置決め完了信号
Tmax 整定時間の最大値
Tth 整定時間の許容最大値
D 差分総合値
Dmax 差分総合値の最大値
Dthmax 差分総合値の許容最大値
Dmin 差分総合値の最小値
Dthmin 差分総合値の許容最小値

Claims (4)

  1. レーザパルス出力指令信号を受けてレーザ光を出射するレーザ発振器と、位置指令情報を受信し動作指令信号を受けて動作を開始し被加工物の加工位置に前記レーザ光の位置決めをするガルバノスキャナと、少なくとも前記レーザ発振器及び前記ガルバノスキャナを制御する制御装置を備えたレーザ加工装置であって、
    前記ガルバノスキャナは、前記レーザ光を反射するガルバノミラーと、前記ガルバノミラーの角度を変更するガルバノモータと、前記ガルバノミラーの角度を検出する角度センサと、前記位置指令情報及び前記角度センサから得られる角度情報及び予め設定された複数のパラメータとに基づいて前記ガルバノモータの駆動電流を制御するガルバノコントローラを備え、
    前記複数のパラメータを格納するパラメータ格納部を設置し、
    所定の測定用パターンの動作指令に対する前記ガルバノスキャナの追従データを測定し、前記追従データから導出した特性値に対応して前記パラメータを変更するレーザ加工装置であって、
    前記測定用パターンが、複数の異なる移動ピッチの往復を所定の時間繰り返すことであるレーザ加工装置。
  2. 前記追従データから導出した前記特性値が、整定時間とレーザパルス出力指令タイミングでの差分総合値である請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記整定時間の許容最大値と、前記差分総合値の許容最大値及び許容最小値を定め、前記特性値が許容値の範囲内となる前記パラメータを格納して加工を行う請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記整定時間の許容最大値と、前記差分総合値の許容最大値と、前記差分総合値の許容最小値に対し、前記特性値が範囲内あるいは範囲外となる場合分けを行い、
    それぞれの前記場合分けに対して変更する前記パラメータを定め、
    変更後のパラメータに基づいて前記特性値の測定を行い、
    前記特性値が全ての前記許容値の範囲内となるまで前記パラメータの変更を行う請求項3に記載のレーザ加工装置。
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