JP6166446B2 - トイレットロール包装体 - Google Patents
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Description
このポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムは、柔らかく円筒型をなすトイレットロールにフィットする柔軟性、袋を形成したり封止したりする際に行なわれる熱融着処理のしやすさの点において、トイレットロールの包装に非常に適している。
しかし、トイレットロールは、低密度で円筒型であることから包装内で空気と接する部分が多く、付与した香料が包装体内に非常に揮発しやすい。
このため、トイレットロールにおいては、使用する香料が揮発性の低いものに限られ、「香り」のバリエーションの増加や、それによる商品差別を難しくしている。
前記トイレットロール包装体は、熱融着処理によって封止されるガセット包装形式で包装されているものであり、かつ、上部に指掛け穴を有する把手部が形成され、
前記トイレットロールが、温度20℃、湿度50%RHの環境下で蒸気圧が50Pa以上である香料が付与された、香り付きトイレットロールであり、
前記樹脂フィルムが、3層の樹脂層を有する積層フィルムであり、両外層の樹脂層の融点が150℃以下であり、酸素透過度が40cc/m2・day・atm以下であり、
エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む樹脂の中層の厚みが1〜50μm、ポリエチレン樹脂の両外層の厚みが5〜70μmで、前記両外層の厚みが前記中層の厚みより厚く、前記樹脂フィルム全体の厚みが15〜100μmであり、
前記樹脂フィルムのMD方向の引張破壊ひずみが50〜800%、これに直交するTD方向の引張破壊ひずみが50〜800%である、
ことを特徴とするトイレットロール包装体である。
上記のガスバリア性、最外層の融点に設計しやすく、かつ低コストである。
本発明に係る包装体は、樹脂フィルムのガスバリア性が高いため、従来、困難であった、温度20℃、湿度50%RHの環境下で蒸気圧が50Pa以上である香料が使用できるようになる。したがって、このような香料を含むトイレットロールを内包するものであるのが望ましい。
本実施形態に係るトイレットロール包装体1は、複数のトイレットロールを樹脂フィルム10で包装したものである。図1に示す形態は、各々隣接する二つのトイレットロール20,20…に周面で接するように4個並べ、これを端面方向に3段積み重ねた計12個のトイレットロール群を樹脂フィルム10でガゼット包装形態で包装したものであり、トイレットロールの良く知られる市販形態である。このトイレットロール包装体1は、工場内で製造された後、通常は、工場内倉庫保管、出荷搬送、出荷先倉庫保管、店頭陳列を経て消費者へと流通していくものである。
このような樹脂フィルム10を用いることで、香料が樹脂フィルム10を透過して外部に揮散することが効果的に防止されるようになる。
ここで、本実施形態に係る樹脂フィルム10を3層構造にするには、Tダイ法による共押出法、押し出しラミネート法によって積層構造すればよい。
なお、本発明は、図示の3層構造に限らず、それ以上の例えば4層構造、5層構造とすることができる。
なお、実施例1に係る樹脂フィルムは、両外層がポリエチレン樹脂層、中層がエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム層である厚さ30μmの3層ラミネートフィルムである。各層の厚さは両PE層が14μm、EVOH層が2μmである。なお、EVOHは、クラレ株式会社製のエバールを使用した。
香りの持続性の試験は、紙管に香料(商品名フルーティフローラル、蒸気圧67Pa)を300μl塗布したトイレットロールを12個、各種フィルムで密封包装し、これらヒートショック試験器内に入れ、温度50℃、湿度50%の環境下に置いた。その1日後、2日後、3日後、4日後に試料を取り出して、試料を開封し香気が残っているか否かを確認した。なお、ヒートショック試験器における1日は、実使用2ヶ月に相当する。
香気の確認は10人の被験者が、それぞれ「香りが残っている」、「香りが残っていない」、「どちらとも言えない」の三段階評価を行った。
表中の○は、被験者10人のうち、5人以上が「香りが残っている」と評価したものであり、×は、それ以外である。
実施例及び比較例に係るフィルムで、温度90℃でガゼット包装による熱融着処理を行い、熱融着が十分に行なわれているか否かを目視にて確認した。
表中の○は、袋形成が可能な程度に十分に熱融着がされていた、△は、熱融着箇所にムラがあって袋形成は困難、×は熱融着されていない、をそれぞれ意味する。
開封のし易さは、10人の被験者が、各フィルムを破り、それぞれ「容易に開封できる」、「開封できるがやや力がいる」、「開封し難い」の三段階評価を行った。
表中の○は、被験者10人のうち、5人以上が「容易に開封できる」と評価したものであり、×は、それ以外である。
試験の結果と、実施例及び比較例に係る各種フィルムのより具体的な物性・組成を下記表1に示す。
なお、表中の引張強さ、引張破壊ひずみは、JIS K 7127に基づいて、試験片の幅を25mmとして行なった。
Claims (3)
- トイレットロールが樹脂フィルムで包装されたトイレットロール包装体であって、
前記トイレットロール包装体は、熱融着処理によって封止されるガセット包装形式で包装されているものであり、かつ、上部に指掛け穴を有する把手部が形成され、
前記トイレットロールが、温度20℃、湿度50%RHの環境下で蒸気圧が50Pa以上である香料が付与された、香り付きトイレットロールであり、
前記樹脂フィルムが、3層の樹脂層を有する積層フィルムであり、両外層の樹脂層の融点が150℃以下であり、酸素透過度が40cc/m2・day・atm以下であり、
エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む樹脂の中層の厚みが1〜50μm、ポリエチレン樹脂の両外層の厚みが5〜70μmで、前記両外層の厚みが前記中層の厚みより厚く、前記樹脂フィルム全体の厚みが15〜100μmであり、
前記樹脂フィルムのMD方向の引張破壊ひずみが50〜800%、これに直交するTD方向の引張破壊ひずみが50〜800%である、
ことを特徴とするトイレットロール包装体。 - 隣接トイレットロールがそれぞれ周面で接するように4個並べ、これを端面方向に3段積み重ねた計12個のトイレットロール群が包装されている請求項1記載のトイレットロール包装体。
- 前記樹脂フィルムの両外層が、ポリエチレン樹脂層である請求項1又は2記載のトイレットロール包装体。
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