JP6161774B2 - 送電系統システム、電力変換装置および開閉器 - Google Patents

送電系統システム、電力変換装置および開閉器 Download PDF

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Description

本開示は、電力変換装置および直流送電システムに関し、特に、自励式の電力変換装置を用いた直流送電系統に用いられる送電系統システム、電力変換装置および開閉器に関する。
近年、電力需要の増加に伴い、大容量・長距離送電や異周波数系統間での電力融通などを実現する手段として、高圧直流送電への期待が高まっている。高圧直流送電では、送電損失の低減や送電線路設備費の削減を実現でき、長距離送電においては交流送電よりもコスト面で有利である。そのため、高圧直流送電は国内外で急速に普及している。
このような高圧直流送電には、交流系統の電力を直流電力に変換する、または直流線路に流れる直流電力を交流電力に変換するための電力変換器が採用されている。電力変換器には、従来ではサイリスタを適用した他励式変換器が用いられていたが、最近では、自励式電圧形変換器の適用が検討されている。
たとえば、特開2005−094874号公報(特許文献1)は、直流送電設備の運転方法を開示している。この運転方法では、直列または並列接続された複数台の自励式交直変換器のうちの1台が故障したとき、故障した自励式交直変換器が直列接続の場合はその故障した自励式交直変換器をバイパスし、並列接続の場合はその故障した自励式交直変換器を直流系統から切り離し、健全な自励式交直変換器を用いて運転を継続する。
特開2005−094874号公報
自励式電圧形変換器において、特に、マルチレベル変換器は、高電圧化と、出力電圧の正弦波化とを両立することが可能なため、実用化が進んでいる。その中でも、MMC(Modular Multilevel Converter)は高い注目を集めている。MMCは、チョッパ回路を各アームに多段接続することによって高耐圧化を実現し、交流電圧を出力するように構成されている。
このようなMMCは、たとえば、一般的な直流送電系統の構成として知られている双極構成の直流送電系統に適用される。双極直流送電系統では、直流送電線(本線)に事故が発生した場合、事故が発生した側の本線、順変換器および逆変換器は停止させるが、事故が発生していない側の本線、順変換器および逆変換器は継続して利用することが要求される。また、特に、直流送電線の事故が架空線事故である場合には、事故が発生した側の本線、順変換器および逆変換器にも事故除去後、速やかに再起動することが要求される。
上述したように、特許文献1に開示された技術では、故障した自励式交直変換器を直流系統から切り離し、健全な自励式交直変換器を用いて運転を継続することが開示されている。しかしながら、自励式交直変換器自体の故障のみに対する対応策であり、直流送電線での事故が想定されていないため、上記要求を満たすことができないという問題がある。
本開示は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、自励式の電力変換装置を用いた直流送電系統において、より迅速に事故を検出し除去することが可能な送電系統システム、電力変換装置および開閉器を提供することである。
ある実施の形態に従う送電系統システムは、スイッチング素子およびコンデンサを有する複数のセルをそれぞれ含む第1のアームおよび第2のアーム、ならびに1つまたは複数の前記セルに対して設けられ、事故電流を通電するように投入される少なくとも1つのバイパススイッチを有する電力変換装置と、前記バイパススイッチが前記投入された後に、健全極から前記バイパススイッチへの電流の流入を防止するように開放され、前記バイパススイッチが開放された後に投入される開閉器とを備える。
本開示によると、自励式の電力変換装置を用いた直流送電系統において、より迅速に事故を検出し除去することが可能となる。
直流送電システムの全体構成の一例を示す図である。 電力変換装置の構成を説明するための図である。 セルの回路構成を示す図である。 本線での事故発生直後の第1の局面の事故電流の流れを示す図である。 図4に示した第1の局面の後の第2の局面の事故電流の流れを示す図である。 図5に示した第2の局面の後の第3の局面の事故電流の流れを示す図である。 図6に示した第3の局面の後の第4の局面の事故電流の流れを示す図である。 電力変換装置の制御機器の機能ブロック図である。 制御機器の処理手順を示すフローチャートである。 変形例に従う電力変換装置および保護制御装置の構成を説明するための図である。 電力変換装置の制御機器および保護制御装置の機能ブロック図である。 制御機器の処理手順を示すフローチャートである。 電力変換装置を適用した3極構成の直流送電系統の例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<全体構成>
図1は、直流送電システムの全体構成の一例を示す図である。図1を参照して、直流送電システムは、2つの極の直流送電線(本線)9,10と中性線11から構成される双極構成の直流送電系統(双極直流送電系統)である。双極直流送電系統は、正負2極に区分された2つの直流送電系統の中性点13,13Aを1本の中性線11で接続して形成されている。本線9,10を介して2つの交流系統2,2A間で電力が送受される。
以下では、説明の便宜上、電力変換装置5,5A、正極側の本線9および中性線11で構成された極を第1極とし、電力変換装置5B,5C、負極側の本線10および中性線11で構成された極を第2極とする。なお、第1極と第2極とは中性線11を共用している。
交流母線1は、交流遮断器3および変圧器4を介して電力変換装置5に接続され、交流遮断器3Bおよび変圧器4Bを介して電力変換装置5Bに接続される。交流母線1Aは、交流遮断器3Aおよび変圧器4Aを介して電力変換装置5Aに接続され、交流遮断器3Cおよび変圧器4Cを介して電力変換装置5Cに接続される。電力変換装置5〜5Cは、それぞれ遮断器12〜12Cを介して中性線11に接続される。電力変換装置5,5Aは本線9に接続され、電力変換装置5B,5Cは本線10に接続される。
本実施の形態では、電力変換装置5,5Bは順変換装置として機能し、直列接続される。電力変換装置5A,5Cは逆変換装置として機能し、直列接続される。この場合、電力変換装置5,5Bにより交流電力が直流電力に変換され、この変換された直流電力が本線9,10を介して直流送電される。そして、その受電端において電力変換装置5A,5Cにより直流電力が交流電力に変換され、変圧器4A,4Cを介して交流母線1Aに供給される。なお、電力変換装置5,5Aが逆変換装置として機能し、電力変換装置5B,5Cが順変換装置として機能する場合には、上記と逆の変換動作が行われる。なお、中性線11は、双極間の不平衡な直流電流や片極運転時の直流電流を流すために設けられている。
<電力変換装置の構成>
図2は、電力変換装置の構成を説明するための図である。以下では、説明の便宜上、電力変換装置5の構成について説明する。なお、電力変換装置5A〜5Cの構成は、電力変換装置5の構成と同じである。
電力変換装置5は、制御機器100と、交直変換器20とを含む。交直変換器20は、有効電力と無効電力とを独立して制御できる自励式の電圧型電力変換器で構成されている。具体的には、交直変換器20は、互いに並列接続された3つの相モジュール21,22,23を含む。
相モジュール21は、交流端子31と、正極側(本線9側)の直流端子41pと、負極側(中性線11側)の直流端子41nと、上アーム(セルL1およびセルL2)と、下アーム(セルL3およびセルL4)とを含む。相モジュール22は、交流端子32と、正極側の直流端子42pと、負極側の直流端子42nと、上アーム(セルL5およびセルL6)と、下アーム(セルL7およびセルL8)とを含む。相モジュール23は、交流端子33と、正極側の直流端子43pと、負極側の直流端子43nと、上アーム(セルL9およびセルL10)と、下アーム(セルL11およびセルL12)とを含む。なお、本実施の形態では、各アームが2つのセルLで構成された回路について説明するが、各アームは、1つまたは3つ以上のセルLで構成されていてもよい。
交流端子31〜33は、変圧器4、交流遮断器3および交流母線1を介して交流系統2に接続される。直流端子41p〜43pは本線9に接続され、直流端子41n〜43nは遮断器12を介して中性線11に接続される。換言すると、交流遮断器3は、変圧器4を介した交流端子31〜33と交流系統2との間に設けられる。遮断器12は、中性点13(中性線11)側の直流端子41n〜43nと中性点13との間に設けられる。
図3は、セルLの回路構成を示す図である。セルL1〜L12の構成は、図3に示すセルLの構成と同じである。図3を参照して、セルLは、2つのスイッチング素子Q1,Q2と、2つのダイオードD1,D2と、コンデンサCとを含む。セルLは、制御機器100から送信されるゲート信号に基づいて、2つのスイッチング素子Q1,Q2がスイッチングすることにより動作(駆動)する。スイッチング素子Q1,Q2は、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの電力半導体素子である。
2つのスイッチング素子Q1,Q2は、直列に接続されている。ダイオードD1,D2は、スイッチング素子Q1,Q2にそれぞれ逆並列に接続される還流ダイオードである。エネルギー蓄積素子としてのコンデンサCは、直列接続されたスイッチング素子Q1,Q2と並列に接続されている。典型的には、スイッチング素子Q2の一端から引き出されたセル端子E1は、正極側に隣接するセルLのセル端子E1と接続される。スイッチング素子Q2の他端から引き出されたセル端子E2は、負極側に隣接するセルLのセル端子E1と接続される。スイッチング素子Q2の両端にはバイパススイッチSWが接続される。
バイパススイッチSWは、セル端子E1,E2間に接続される。バイパススイッチSWは、接点を閉じることによりスイッチング素子Q2(の両端)を短絡可能に構成されるスイッチであり、事故電流の通電が可能である。すなわち、バイパススイッチSWは、セルLを短絡することにより、セルLに含まれる各素子(スイッチング素子Q1,Q2、ダイオードD1,D2およびコンデンサC)を事故時に発生する過電流から保護する。
再び、図2を参照して、電流検出器51は、直流端子41n〜43nと遮断器12との間に設けられている。電流検出器51は、直流端子41n〜43nに流れる電流を検出し、その電流の電流値Iaを制御機器100に入力する。電流検出器51としては、電流値を直流成分も合わせて検出することが可能な直流変流器(DCCT)やホール電流検出器(HCT)などが用いられる。
直流電圧検出器52は、直流端子41p〜43pと本線9との間に設けられている。直流電圧検出器52は、本線9に印加される直流電圧を検出し、その直流電圧値Vaを制御機器100に入力する。
制御機器100は、入力された電流値および電圧値に基づいて、各種処理を実行する。具体的には、制御機器100は、本線9における事故判定、交直変換器20の動作の停止および復帰制御、交流遮断器3の開閉制御、および遮断器12の開閉制御などを行なう。なお、制御機器100の具体的な処理内容については後述する。
典型的には、制御機器100は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、図示しないCPU(Central Processing Unit)を含み、CPUが図示しないROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリに格納されたデータおよびプログラムを実行することによって実現される。なお、制御機器100は、CPUによって実行される命令に基づく処理を実現するための回路などのハードウェアで構成されていてもよい。
<システムの動作概要>
次に、図4〜図7を参照しながら、上述したような構成を有する双極直流送電システムの動作概要について説明する。
図4は、本線9での事故発生直後の第1の局面の事故電流の流れを示す図である。図5は、図4に示した第1の局面の後の第2の局面の事故電流の流れを示す図である。図6は、図5に示した第2の局面の後の第3の局面の事故電流の流れを示す図である。図7は、図6に示した第3の局面の後の第4の局面の事故電流の流れを示す図である。
図4〜図7では、説明の容易化のため、電力変換装置5,5Aの交直変換器に含まれる1つの相モジュールのみを図示して、事故電流の流れの説明を行なう。なお、各相モジュールにおいて、事故電流の流れ方は同様である。
図4を参照して、第1極の本線9で地絡事故が発生すると、事故電流は、矢印AR1が示すように、電力変換装置5,5Bから事故点(本線9)の方向に流れていく。また、事故電流は、矢印AR2が示すように、電力変換装置5A,5Cから事故点の方向に流れていく。電力変換装置5,5Bは、事故電流を検出して、以下のような処理を実行する。
事故発生直後においては、電力変換装置5,5Aの交直変換器は動作中(各スイッチング素子がスイッチング動作中)である。そのため、図4に示すように、たとえば、各セルLにおいて、コンデンサCと、導通状態であるスイッチング素子(図4の例では、スイッチング素子Q1)を介して事故電流が流れていく。
次に、セルLの各素子(スイッチング素子Q1,Q2、ダイオードD1,D2およびコンデンサC)が事故電流によって破壊されるのを防ぐため、事故が発生した第1極の電力変換装置5,5Aは、各セルL(の動作)を停止させる。ここで、セルLの停止とは、スイッチング素子Q1,Q2をオフ(オンできないように)することなどにより、セルLから電圧を出力されないことを意味するものとする。しかし、各セルLを停止させたとしても、図5中の矢印AR3,AR4に示すように、事故電流は、ダイオードD2を介して事故点の方向に流れ続けてしまう。
次に、ダイオードD2の破壊を防ぐため、電力変換装置5,5Aは、各セルLに接続されたバイパススイッチSWを投入する(閉じる)。そうすると、図6中の矢印AR5,AR6が示すように、事故電流は、セルLに接続されたバイパススイッチSWを介して事故点の方向に流れるようになる。これにより、各セルLが短絡されるため、スイッチング素子Q1,Q2、ダイオードD1,D2およびコンデンサCの破壊を防ぐことができる。
次に、図7を参照して、電力変換装置5,5Aは、それぞれ交流遮断器3,3Aを開放する。これにより、交流系統2,2Aからそれぞれ電力変換装置5,5Aに流れ込む交流電流は遮断される。交流遮断器3,3Aが開放された後、電力変換装置5,5Aは、それぞれ遮断器12,12Aを開放する。これにより、健全極である第2極から第1極に流れ込む電流は遮断される。すなわち、第1極と第2極とが完全に分離され、事故が発生していない第2極側では運転を継続することが可能となる。
上述したように、事故が発生すると、交直変換器をゲートブロック(スイッチング素子のオフ)、バイパススイッチSWの投入、交流遮断器3の開放、遮断器12の開放の順に処理を実行する。これは、交直変換器の動作中に交流遮断器3および遮断器12が開放されることによる直流送電系統への悪影響を防止するとともに、事故電流による自装置に対する影響をより迅速に除去するためである。
具体的には、バイパススイッチSWに投入指令が出力されてから、当該バイパススイッチSWが投入されるまでの時間T1は、遮断器12(または交流遮断器3)に開放指令が出力されてから、遮断器12(または交流遮断器3)が開放されるまでの時間T2よりも短い。なお、ゲートブロック指令が出力されてから、スイッチング素子がオフ状態になるまでの時間T3が、時間T1および時間T2よりも圧倒的に短いことは言うまでもない。
そのため、スイッチング素子のオフ、バイパススイッチSWの投入、交流遮断器3の開放、遮断器12の開放の順で処理を実行することにより、セルLの各素子に事故電流が流れる時間を最短にできることがわかる。
図7に示すように、第1極においては、交流遮断器3,3Aおよび遮断器12,12Aが開放されることにより、電力変換装置5,5Aには、電流が全く流れない状態となる。そこで、遮断器12,12Aが開放されてから予め定められた時間が経過した場合、電力変換装置5,5Aは、事故からの復帰を試みる。
具体的には、電力変換装置5,5Aは、セルLの各素子の保護のために投入されているバイパススイッチSWを開放する。これにより、電力変換装置5,5Aの各交直変換器は、再起動可能な状態(すなわち、適切なスイッチング動作によりセルLから電圧を出力可能な状態)となる。次に、電力変換装置5,5Aは、遮断器12,12Aを投入した後、交流遮断器3,3Aを投入する。そして、電力変換装置5,5Aは、各セルLの動作を再開する。詳細には、電力変換装置5,5Aは、交直変換器をゲートブロック状態(各セルLのスイッチング素子Q1,Q2をオフ状態)からデブロック状態(各セルLのスイッチング素子Q1,Q2がオンできる状態)にして、各セルLからの電圧を出力する。
上記したような双極直流送電システムによると、事故が発生してない極(健全極)から事故が発生した極(事故極)への事故電流の流入を防ぐことにより、直流事故を速やかに除去することができる。また、事故電流の交直変換器への影響を最小限にとどめることができる。
また、事故極が健全極から切り離されるため、健全極のみでの直流送電が可能となる。さらに、健全極から事故極への事故電流の流入の防止により、事故極の交直変換器内の保護回路であるバイパススイッチSWを開放できる。そのため、事故極の交直変換器を速やかに再起動することもできる。
なお、上記では本線9の事故により事故電流が流れる場合について説明したが、交直変換器の故障により上述のような事故電流が流れる場合についても、上述の動作により交直変換器の損傷を最小限にとどめることができる。この場合にも、健全極のみでの直流送電が可能であるとともに、事故極の交直変換器を速やかに再起動することも可能である。
<制御機器100の機能構成>
次に、電力変換装置5の制御機器100の機能構成について説明する。なお、他の電力変換装置5A〜5Cの制御機器の機能構成は、制御機器100の機能構成と同じである。
図8は、電力変換装置5の制御機器100の機能ブロック図である。図8を参照して、制御機器100は、電流入力部110と、電圧入力部112と、事故判断部120と、変換器制御部130と、開閉器制御部140とを含む。これらの各機能は、制御機器100のCPUがROMに格納されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらの機能の一部または全部はハードウェアで実現されるように構成されていてもよい。
電流入力部110は、中性点13(中性線11)側の直流端子41n〜43nと中性点との間に流れる直流電流の電流値Iaの入力を受け付ける。具体的には、電流入力部110は、電流検出器51から電流値Iaの入力を受け付ける。
電圧入力部112は、本線9の電圧値Vaの入力を受け付ける。具体的には、電圧入力部112は、直流電圧検出器52から直流電圧値Vaの入力を受け付ける。
事故判断部120は、電流入力部110により受け付けられた電流値Ia(正負の区別を含む)と、予め定められた基準電流閾値Isとに基づいて、本線9で事故が発生したか否かを判断する。具体的には、事故判断部120は、電流値Iaが基準電流閾値Is以上である場合に本線9で事故が発生したと判断する。典型的には、本線9で事故が発生すると、電力変換装置5から本線9側に電流が流れていく。そのため、この電流方向を正方向とした場合、事故判断部120は、電流値Iaが基準電流閾値Is(>0)以上であれば本線9で事故が発生したと判断することができる。
また、本線9での事故の発生をさらに精度良く判断するために、本線9の直流電圧値Va(正負の区別を含む)が用いられてもよい。具体的には、事故判断部120は、電流値Iaが基準電流閾値Is以上である場合であって、かつ、直流電圧値Vaが基準電圧閾値Vs以下(概ね0V)である場合に、本線9で事故が発生したと判断する構成であってもよい。これは、事故発生時においては、本線9の直流電圧値Vaがほぼ0Vになることを利用している。なお、事故が発生していない通常時においては、本線9の直流電圧値Vaは正側の直流電圧、本線10の直流電圧値は負側の直流電圧、中性線11はほぼ0Vになる。また、基準電流閾値Isおよび基準電圧閾値Vsは、制御機器100のメモリ(ROMまたはRAM)に予め記憶されている。
変換器制御部130は、交直変換器20の動作を制御する。具体的には、変換器制御部130は、各セルL1〜L12にゲート信号を送信することにより、2つのスイッチング素子Q1,Q2をスイッチング(予め定められたタイミングでオン/オフ)させて、各セルL1〜L12を駆動する。変換器制御部130は、各セルL1〜L12に個別の伝送路でゲート信号を送信するように構成されていてもよいし、全てのセルL1〜L12に共通の伝送路で送信するように構成されていてもよい。
変換器制御部130は、電流値Iaが基準電流閾値Is以上である場合(すなわち、事故判断部120により事故が発生したと判断された場合)に、事故の除去のために、各セルL1〜L12を停止した後、各セルL1〜L12に接続されたバイパススイッチSW(各バイパススイッチSW)を投入する(閉じる)。具体的には、変換器制御部130は、ゲートブロック指令を各セルL1〜L12に送信して、各セルL1〜L12のスイッチング素子Q1,Q2をオフ状態にした後、投入指令を各バイパススイッチSWに送信する。
開閉器制御部140は、遮断器12の開閉と、交流遮断器3の開閉とを制御する。開閉器制御部140は、事故判断部120により事故が発生したと判断された場合に、事故の除去のために、遮断器12を開放する(トリップ指令を遮断器12に送信する)。詳細には、開閉器制御部140は、各バイパススイッチSWが投入された後、交流遮断器3を開放してから遮断器12を開放する。
変換器制御部130は、事故からの復帰のために、遮断器12が開放してから(遮断器12にトリップ指令を送信してから)予め定められた時間が経過した後、各バイパススイッチSWを開放する。なお、変換器制御部130は、交直変換器20に電流が流れていないことを確認した後に、各バイパススイッチSWを開放してもよい。具体的には、変換器制御部130は、遮断器12が開放してから予め定められた時間が経過した後、電流値Iaが基準電流閾値Ik以下(すなわち、概ね0A)である場合に、各バイパススイッチSWを開放する構成であってもよい。
開閉器制御部140は、各バイパススイッチSWが開放された後、遮断器12を投入(投入指令を遮断器12に送信)してから交流遮断器3を投入する。変換器制御部130は、遮断器12(および交流遮断器3)が投入された後、各セルL1〜L12を動作させる。具体的には、変換器制御部130は、事故の発生前と同一の電圧値および周波数をセルL1〜L12から出力させるためのゲート信号を生成して、当該ゲート信号を各セルL1〜L12に送信する。
<処理手順>
図9は、制御機器100の処理手順を示すフローチャートである。典型的には、以下の各ステップは、制御機器100のCPUがROMに格納されたプログラムを実行することによって実現される。なお、制御機器100は、常時、電流検出器51から入力される電流値と直流電圧検出器52から入力される直流電圧値とを監視しているものとする。
図9を参照して、制御機器100は、電流値Iaが基準電流閾値Is以上か否かを判断する(ステップS12)。電流値Iaが基準電流閾値Is未満の場合には(ステップS12においてNO)、制御機器100は処理を終了する。一方、電流値Iaが基準電流閾値Is以上の場合には(ステップS12においてYES)、制御機器100は、直流電圧値Vaが基準電圧閾値Vs以下であるか否かを判断する(ステップS13)。直流電圧値Vaが基準電圧閾値Vsよりも大きい場合には(ステップS13においてNO)、制御機器100は処理を終了する。直流電圧値Vaが基準電圧閾値Vs以下である場合には(ステップS13においてYES)、制御機器100は、交直変換器20をゲートブロック(各セルL1〜L12のスイッチング素子Q1,Q2をオフ状態)して(ステップS14)、各バイパススイッチSWを投入する(ステップS16)。ステップS14およびステップS16の処理により、事故電流による各セルL1〜L12の各素子の破壊を防止することができる。
次に、制御機器100は、交流遮断器3にトリップ信号を送信して交流遮断器3を開放し(ステップS18)、遮断器12にトリップ信号を送信して遮断器12を開放する(ステップS20)。ステップS18およびステップS20の処理により、交直変換器20には電流が全く流れなくなるため、再起動の準備が整う。なお、一般的に、遮断器12は直流回路に実装されることから、遮断器12に流れる電流は抑えることが好ましい。そのため、制御機器100は、交流遮断器3を開放することにより交流系統2からの電流の流れ込みを遮断した後に、遮断器12を開放する。なお、遮断器12は、MRTB(Metallic Transfer Breaker:帰線強制消弧装置)相当の機能を有する。
制御機器100は、遮断器12が開放されてから予め定められた時間が経過したか否かを判断する(ステップS22)。予め定められた時間が経過していない場合には(ステップS22においてNO)、制御機器100はステップS22の処理を繰り返す。予め定められた時間が経過した場合には(ステップS22においてYES)、制御機器100は、電流値Iaが基準電流閾値Ik以下であるか否かを判断する(ステップS23)。電流値Iaが基準電流閾値Ikよりも大きい場合には(ステップS23においてNO)、制御機器100はステップS22からの処理を繰り返す。電流値Iaが基準電流閾値Ik以下である場合には(ステップS23においてYES)、制御機器100は各バイパススイッチSWを開放する(ステップS24)。制御機器100は、遮断器12を投入してから(ステップS26)、交流遮断器3を投入する(ステップS28)。
なお、遮断器12を投入してから、交流遮断器3を投入する理由は、交直変換器20や直流回路に対する電圧差による衝撃を抑えるためである。具体的には、遮断器12の投入する前に交流遮断器3を投入した場合には、交直変換器20内のコンデンサへの充電が始まってしまう。そのため、この場合にはコンデンサが充電された状態で直流回路を構成することになり、コンデンサの充電前に直流回路を構成するよりも、交直変換器20や直流回路に対する電圧差による衝撃が大きくなってしまう。そこで、制御機器100は、当該電圧差による衝撃を抑えるため、遮断器12を投入した後、交流遮断器3を投入する。次に、制御機器100は、交直変換器20をデブロックして(ステップS30)、処理を終了する。
上述したように、バイパススイッチSWが投入されるまでの時間T1は、遮断器12(または交流遮断器3)が開放されるまでの時間T2よりも短い。また、スイッチング素子がオフ状態になるまでの時間T3は、時間T1および時間T2よりも圧倒的に短い。そのため、制御機器100は、ゲートブロック指令(ステップS14)と各バイパススイッチSWへの投入指令(ステップS16)と交流遮断器3への開放指令(ステップS18)とを同時に行なってもよい。この場合であっても、スイッチング素子がオフ状態にされ、各バイパススイッチSWが投入された後、交流遮断器3が開放される。
<変形例>
上記では、電力変換装置5の制御機器100が、交直変換器20と、交流遮断器3および遮断器12とを制御する構成について説明した。変形例では、電力変換装置の制御機器が交直変換器20を制御し、保護制御装置が交流遮断器3および遮断器12とを制御する構成について説明する。
図10は、変形例に従う電力変換装置6および保護制御装置7の構成を説明するための図である。なお、電力変換装置6の構成は、電力変換装置5の制御機器100を制御機器100Aに置き換えたものである。電力変換装置6の構成のうち、電力変換装置5の構成と同じ部分についてはその詳細な説明は繰り返さない。
制御機器100Aは、保護制御装置7と通信するための通信インターフェイスを含み、当該通信インターフェイスを介して、保護制御装置7と各種情報をやり取りすることが可能である。
制御機器100Aは、保護制御装置7から受信した情報、電流検出器51から入力された電流値Iaおよび直流電圧検出器52から入力された直流電圧値Vaに基づいて、本線9における事故判定、交直変換器20の動作の停止および復帰制御などを行なう。制御機器100Aの具体的な処理内容については後述する。
保護制御装置7は、制御機器100Aから受信した情報、電流検出器51から入力された電流値Iaおよび直流電圧検出器52から入力された直流電圧値Vaに基づいて、交流遮断器3の開閉制御、および遮断器12の開閉制御などを行なう。なお、保護制御装置7の具体的な処理内容については後述する。
図11は、電力変換装置6の制御機器100Aおよび保護制御装置7の機能ブロック図である。図11を参照して、制御機器100Aは、電流入力部110Aと、電圧入力部112Aと、事故判断部120Aと、変換器制御部130Aと、情報通信部150Aとを含む。保護制御装置7は、電流入力部210と、電圧入力部212と、事故判断部220と、開閉器制御部240と、情報通信部250とを含む。
制御機器100Aの電流入力部110A、電圧入力部112Aおよび事故判断部120Aは、それぞれ図8中の電流入力部110、電圧入力部112および事故判断部120と同じである。変換器制御部130Aは、交直変換器20の動作を制御する。情報通信部150Aは、保護制御装置7から、交流遮断器3の開閉状態を示す開閉情報と、遮断器12の開閉状態を示す開閉情報とを受信する。
具体的には、変換器制御部130Aは、電流値Iaが基準電流閾値Is以上である場合に(かつ、直流電圧値Vaが基準電圧閾値Vs以下である場合)、各セルL1〜L12を停止した後、バイパススイッチSWを投入する。変換器制御部130Aは、情報通信部150Aにより遮断器12(および交流遮断器3)が開放状態であることを示す情報(開放情報)が受信されてから予め定められた時間が経過した後、各バイパススイッチSWを開放する。なお、変換器制御部130Aは、交直変換器20に電流が流れていないことを確認した後に、各バイパススイッチSWを開放してもよい。また、変換器制御部130Aは、情報通信部150Aにより遮断器12(および交流遮断器3)が閉(投入)状態であることを示す情報(投入情報)が受信された場合に、各セルL1〜L12を動作させる。
また、情報通信部150Aは、バイパススイッチSWの開閉情報を保護制御装置7に送信してもよい。さらに、情報通信部150Aは、交直変換器20のゲートブロック状態(各セルL1〜L12のスイッチング素子Q1,Q2がオフ状態)と、交直変換器20のデブロック状態(各セルL1〜L12のスイッチング素子Q1,Q2がオンできない状態)を示すスイッチング状態情報を保護制御装置7に送信してもよい。
保護制御装置7の電流入力部210は、電流検出器51から電流値Iaの入力を受け付ける。電圧入力部212は、直流電圧検出器52から直流電圧値Vaの入力を受け付ける。事故判断部220は、電流値Iaと基準電流閾値Is(および直流電圧値Vaと基準電圧閾値Vs)とに基づいて、本線9で事故が発生したか否かを判断する。開閉器制御部240は、遮断器12の開閉と、交流遮断器3の開閉とを制御する。情報通信部250は、制御機器100Aから、バイパススイッチSWの開閉情報(およびスイッチング状態情報)を受信する。
具体的には、開閉器制御部240は、事故判断部220により事故が発生したと判断された場合に、事故の除去のために、交流遮断器3を開放してから遮断器12を開放する。また、開閉器制御部240は、事故からの復帰のために、情報通信部250によりバイパススイッチSWが開放状態であることを示す情報が受信された場合、遮断器12を投入してから交流遮断器3を投入する。
図12は、制御機器100Aの処理手順を示すフローチャートである。典型的には、以下の各ステップは、制御機器100AのCPUがROMに格納されたプログラムを実行することによって実現される。なお、制御機器100Aは、常時、電流検出器51から入力される電流値Iaと直流電圧検出器52から入力される直流電圧値Vaとを監視しているものとする。
図12を参照して、ステップS52〜ステップS56の処理は、図9中のステップS12〜S16の処理と同じであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
制御機器100Aは、交流遮断器3および遮断器12が開放状態であることを示す開放情報を受信したか否かを判断する(ステップS58)。開放情報を受信していない場合には(ステップS58においてNO)、制御機器100AはステップS58の処理を繰り返す。開放情報を受信した場合には(ステップS58においてYES)、制御機器100Aは開放情報を受信してから予め定められた時間が経過したか否かを判断する(ステップS60)。予め定められた時間が経過していない場合には(ステップS60においてNO)、制御機器100AはステップS60の処理を繰り返す。予め定められた時間が経過した場合には(ステップS60においてYES)、制御機器100は、電流値Iaが基準電流閾値Ik以下であるか否かを判断する(ステップS61)。電流値Iaが基準電流閾値Ikよりも大きい場合には(ステップS61においてNO)、制御機器100はステップS60からの処理を繰り返す。電流値Iaが基準電流閾値Ik以下である場合には(ステップS61においてYES)、制御機器100Aは各バイパススイッチSWを開放する(ステップS62)。
制御機器100Aは、交流遮断器3および遮断器12が投入状態であることを示す投入情報を受信したか否かを判断する(ステップS64)。投入情報を受信していない場合には(ステップS64においてNO)、制御機器100AはステップS64の処理を繰り返す。投入情報を受信した場合には(ステップS64においてYES)、制御機器100Aは、交直変換器20をデブロックして(ステップS66)、処理を終了する。
<3極構成の直流送電系統での適用例>
上記では、双極直流送電系統に電力変換装置を適用する構成について説明したが、当該構成に限られない。たとえば、図13に示すような3極構成の直流送電系統にも電力変換装置5を適用することができる。
図13は、電力変換装置を適用した3極構成の直流送電系統の例を示す図である。図13を参照して、直流送電系統は、3つの極の本線9,10,15と中性線11から構成される3極構成の直流送電系統(3極直流送電系統)である。
具体的には、第1極は、電力変換装置5,5A、本線9および中性線11で構成される。第2極は、電力変換装置5B,5C、本線10および中性線11で構成される。第3極は、電力変換装置5D,5E、本線15および中性線11で構成される。なお、第1極、第2極および第3極とは中性線11を共用している。
電力変換装置5D,5Eは、本線15に接続されるとともに、それぞれ遮断器12D,12Eを介して中性線11に接続される。また、電力変換装置5D,5Eは、それぞれ変圧器4D,4Eおよび交流遮断器3D,3Eを介して交流母線1,1Aに接続される。
第1極〜第3極のうち、1つの極は予備的な極として利用される。たとえば、第1極および第2極で直流送電を行なっている場合に、第1極の本線9に地絡事故が発生したとする。この場合、第1極が事故から復帰するまでの間、第1極の代わりに第3極を用いて、第2極と第3極とで構成される双極直流送電系統で直流送電を行なうことができる。
なお、第1極および第2極で直流送電を行なっている場合には、交流遮断器3D,3Eおよび遮断器12D,12Eは、それぞれ開放状態となっている。そして、第3極を用いる場合には、交流遮断器3D,3Eおよび遮断器12D,12Eは、それぞれ投入状態とされる。具体的には、第1極に事故が発生して第1局が第2極から切り離された(交流遮断器3,3Aおよび遮断器12,12Aが開放された)場合には、電力変換装置5D,5Eは、第1極が第2極から切り離された旨の情報を受信する。そして、電力変換装置5D,5Eは、交流遮断器3D,3Eおよび遮断器12D,12Eをそれぞれ投入状態にして、交直変換器を動作させる。
上記のように3極構成の直流送電系統において電力変換装置を適用することにより、3つの極のうちの1つの極で事故が発生したとしても、2つの健全極を用いた双極直流送電系統により直流送電を実現することができる。
なお、ここでは、電力変換装置5を適用する構成について説明したが、変形例で説明した電力変換装置6および保護制御装置7を適用してもよい。
<その他の実施の形態>
上述した実施の形態では、図1などにおいて、中性点13,13Aを1本の中性線11で接続して、第1極と第2極とで中性線11を共用する構成について説明したが、極ごとに中性線を用いる(すなわち、2本の中性線を用いる)構成であってもよい。また、中性点13,13Aを中性線11で接続せずに、各中性点13,13Aを接地して、大地を帰線とする大地帰路方式を用いる構成であってもよい。
上述した実施の形態では、図2において、電流検出器51が直流端子41n〜43nと遮断器12との間に設けられる構成について説明したが、当該構成に限られない。たとえば、相ごとに電流検出器51を設ける構成であってもよい。この場合、3つの電流検出器51は、それぞれセルL4と直流端子41nとの間、セルL8と直流端子42nとの間およびセルL12と直流端子43nとの間に設けられる。また、遮断器12についても同様に相ごとに設けられていてもよい。
また、電流検出器51は、本線9側の直流端子41p〜43pと本線9との間に設けられる構成であってもよい。この場合、制御機器100(電流入力部110)は、本線9側の直流端子41p〜43pと本線9との間に流れる直流電流の電流値の入力を受け付ける。
上述した実施の形態において、第1極の電力変換装置5および5Aは、第1極の動作を制御するための上位装置(極制御装置など)を介して互いに情報を送受信可能に構成されていてもよい。たとえば、極制御装置は、一方の電力変換装置から遮断器および交流遮断器の開閉情報を受信して、当該開閉情報を他方の電力変換装置に送信する。また、上位装置は、第1極および第2極の動作を制御する双極制御装置であってもよい。
上述した実施の形態において、変圧器4と交直変換器20との間に交流電流検出器が設けられていてもよい。交流電流検出器は、変圧器4と交直変換器20との間に流れる交流電流を検出し、その交流電流の電流値を制御機器100に入力する。典型的には、制御機器100は、当該電流値が予め定められた交流閾値以上である場合には、交流遮断器3を遮断する。
上述した実施の形態では、図2に示すように、交直変換器20は、3つの相モジュールを有している構成について説明したが、当該構成に限られない。交直変換器20は、少なくとも1つの相モジュールを有していればよい。
上述した実施の形態では、図2に示すように、複数のセルLの各々にバイパススイッチSWを設けることにより、複数のセルL全体をバイパス(短絡)する構成について説明したが、当該構成に限られない。複数のセルLに対して、少なくとも1つのバイパススイッチSWが設けられる(接続される)構成であってもよい。たとえば、上アームに対応する複数のセルL(セルL1,L2など)に対して1つのバイパススイッチSWを設けることにより上アーム全体をバイパスする構成であってもよい。また、下アームに対応する複数のセルL(セルL3,L4など)に対して1つのバイパススイッチSWを設けることにより下アーム全体をバイパスする構成であってもよい。さらに、たとえば、上アームに対応するセルLが5つある場合には、3つのセルLを短絡するためのバイパススイッチSWと、2つのセルLを短絡するためのバイパススイッチSWとを設けるような構成であってもよい。すなわち、複数のセルL全体をバイパス可能であれば、バイパススイッチSWの個数については限定されない。
上述した実施の形態において、交流端子31〜33は、それぞれ各相の二次巻線として構成されていてもよい。具体的には、交直変換器20は、交流端子31〜33である各相の二次巻線を介して、変圧器4の交流端子である各相の一次巻線から出力される交流電力を取り込む構成であってもよい。
上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。
また、上述した実施の形態において、その他の実施の形態で説明した処理や構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
<利点>
上述した実施の形態によると、事故が発生してない健全極から事故が発生した事故極への事故電流の流入を防ぐことにより、事故を速やかに除去することができる。また、事故電流が交直変換器に流れる時間を短くして当該交直変換器への悪影響を最小限にとどめることができる。さらに、交直変換器内の故障だけでなく本線での事故による事故電流の流入を防ぐことができる。
上述した実施の形態によると、事故極が健全極から切り離されるため、健全極のみでの直流送電が可能となる。また、健全極から事故極への事故電流の流入の防止により、事故極の交直変換器内のバイパススイッチSWを開放できる。そのため、事故極の交直変換器を速やかに再起動することもできる。
上述した実施の形態によると、交直変換器の動作および停止制御、遮断器の開閉を適切に行なうことにより事故を迅速に除去しつつ、交直変換器も保護することができる、そのため、たとえば、応答性が速い高価な遮断器を用いる必要がなくシステム全体として低コスト化を実現できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A 交流母線、2,2A 交流系統、3〜3E 交流遮断器、4〜4E 変圧器、5〜5E,6 電力変換装置、7 保護制御装置、9,10,15 本線、11 中性線、12〜12E 遮断器、13,13A 中性点、20 交直変換器、21〜23 相モジュール、31〜33 交流端子、41p〜43p,41n〜43n 直流端子、51 電流検出器、52 直流電圧検出器、100,100A 制御機器、110,110A,210 電流入力部、112,112A,212 電圧入力部、120,120A,220 事故判断部、130,130A 変換器制御部、140,240 開閉器制御部、150A,250 情報通信部、C コンデンサ、D1,D2 ダイオード、E1,E2 セル端子、L セル、Q1,Q2 スイッチング素子、SW バイパススイッチ。

Claims (7)

  1. スイッチング素子およびコンデンサを有する複数のセルをそれぞれ含む第1のアームおよび第2のアーム、ならびに1つまたは複数の前記セルに対して設けられ、事故電流を通電するように投入される少なくとも1つのバイパススイッチを有する電力変換装置と、
    前記バイパススイッチが前記投入された後に、健全極から前記バイパススイッチへの電流の流入を防止するように開放され、前記バイパススイッチが開放された後に投入される開閉器とを備える、送電系統システム。
  2. 第1の本線を有する第1極と第2の本線を有する第2極が中性線を共用し、前記電力変換装置および前記開閉器は前記第1極に設けられる、請求項1に記載の送電系統システム。
  3. 交流系統と前記電力変換装置の間に設けられ、前記開閉器である第1の開閉器が前記投入された後に投入される第2の開閉器を備える、請求項1または請求項2に記載の送電系統システム。
  4. 前記事故電流は前記電力変換装置の故障により流れる電流である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の送電系統システム。
  5. 前記開閉器は遮断器である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の送電系統システム。
  6. スイッチング素子およびコンデンサを有する複数のセルをそれぞれ含む第1のアームおよび第2のアーム、ならびに1つまたは複数の前記セルに対して設けられ、事故電流を通電するように投入される少なくとも1つのバイパススイッチを有する電力変換装置であって、
    前記バイパススイッチは、前記事故電流が発生したときに、前記バイパススイッチと健全極との間を開放する開閉器が開放される前に前記投入され、前記開閉器が投入される前に開放される、電力変換装置。
  7. スイッチング素子およびコンデンサを有する複数のセルをそれぞれ含む第1のアームおよび第2のアーム、ならびに1つまたは複数の前記セルに対して設けられ、事故電流を通電するように投入される少なくとも1つのバイパススイッチを有する電力変換装置を有する送電系統システムに用いられる開閉器であって、
    前記バイパススイッチが前記投入された後に、前記バイパススイッチと健全極の間を開放し、前記バイパススイッチが開放された後に投入される、開閉器。
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