本発明において、好適には、前記動力伝達装置は、車両に備えられており、駆動力源から駆動輪までの動力伝達経路を構成する。前記油圧アクチュエータは、例えば前記動力伝達経路を断接する油圧係合装置の一部を構成するアクチュエータである。前記油圧係合装置は、例えば、駆動力源としてのエンジンと前記駆動輪との間の動力伝達経路を断接する油圧式のクラッチ、すなわち前記エンジンを前記駆動輪から切り離すことができる油圧式のクラッチである。前記エンジンは、例えば燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。
また、好適には、前記車両は、前記エンジンと前記駆動輪との間の動力伝達経路に、駆動力源として機能する電動機が設けられたハイブリッド車両である。前記油圧式のクラッチは、そのエンジンとその電動機との間の動力伝達経路を断接する。このようなハイブリッド車両では、前記クラッチを係合した状態で少なくとも前記エンジンを走行用駆動力源として走行するエンジン走行が行われ、前記クラッチを解放した状態で前記電動機のみを走行用駆動力源として走行するモータ走行が行われる。そのモータ走行中に前記エンジンを始動する際は、前記クラッチを係合に向けて制御することで前記電動機によってそのエンジンがクランキングされる。
また、好適には、前記車両は、前記駆動力源と前記駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機を備えている。この変速機は、常時噛み合う複数対の変速ギヤを2軸間に備える公知の同期噛合型平行2軸式変速機などの手動変速機、又は種々の自動変速機(遊星歯車式自動変速機、同期噛合型平行2軸式自動変速機、DCT、ベルト式等の無段変速機等)などである。この自動変速機は、自動変速機単体、流体式伝動装置を有する自動変速機、或いは副変速機を有する自動変速機などにより構成される。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10に備えられた動力伝達装置12の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、走行用駆動力源として機能するエンジン14及び電動機MGを備えたハイブリッド車両である。動力伝達装置12は、非回転部材としてのトランスミッションケース16内において、エンジン14側から順番に、エンジン断接用クラッチK0(以下、クラッチK0という)、トルクコンバータ18、及び自動変速機20等を備えている。又、動力伝達装置12は、自動変速機20の出力回転部材である変速機出力軸22に連結されたプロペラシャフト24、そのプロペラシャフト24に連結されたディファレンシャルギヤ26、そのディファレンシャルギヤ26に連結された1対の車軸28等を備えている。トルクコンバータ18のポンプ翼車18aは、クラッチK0を介してエンジン連結軸30と連結されていると共に、直接的に電動機MGと連結されている。トルクコンバータ18のタービン翼車18bは、自動変速機20の入力回転部材である変速機入力軸32と直接的に連結されている。このように構成された動力伝達装置12は、例えばFR型の車両10に好適に用いられる。動力伝達装置12において、エンジン14の動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)は、クラッチK0が係合された場合に、エンジン14とクラッチK0とを連結するエンジン連結軸30から、クラッチK0、トルクコンバータ18、自動変速機20、プロペラシャフト24、ディファレンシャルギヤ26、及び1対の車軸28等を順次介して1対の駆動輪34へ伝達される。このように、動力伝達装置12は、エンジン14から駆動輪34までの動力伝達経路を構成する。
又、車両10には、例えばポンプ翼車18aに連結された機械式のオイルポンプ36、電動機MGの作動を制御するインバータ38、インバータ38を介して電動機MGとの間で電力を授受する蓄電装置40、自動変速機20の変速作動、クラッチK0の係合解放作動、トルクコンバータ18に設けられた公知のロックアップクラッチの係合解放作動などを制御する油圧制御回路50などが備えられている。オイルポンプ36は、エンジン14及び/又は電動機MGによって回転駆動されることにより、油圧制御回路50へ供給される作動油の元圧(すなわち、自動変速機20の変速制御、クラッチK0の係合解放制御、ロックアップクラッチの係合解放制御などを実行する為の作動油圧)を発生する。
電動機MGは、電気エネルギから機械的な動力を発生させる発動機としての機能及び機械的なエネルギから電気エネルギを発生させる発電機としての機能を有する所謂モータジェネレータである。電動機MGは、エンジン14に替えて或いはエンジン14に加えて、インバータ38を介して蓄電装置40から供給される電力(特に区別しない場合には電気エネルギも同意)により走行用の動力を発生する。電動機MGは、エンジン14の動力や駆動輪34側から入力される被駆動力を回生により電力に変換し、その電力をインバータ38を介して蓄電装置40に蓄積する。電動機MGは、エンジン14と駆動輪34との間の動力伝達経路に設けられて、クラッチK0とトルクコンバータ18との間の動力伝達経路に連結されており、電動機MGとポンプ翼車18aとの間では、相互に動力が伝達される。このように、電動機MGは、クラッチK0を介することなく自動変速機20の変速機入力軸32と動力伝達可能に連結されている。
クラッチK0は、例えば湿式多板型の油圧式摩擦係合装置であり、オイルポンプ36が発生する油圧を元圧とし油圧制御回路50によって係合解放制御される。その係合解放制御においては、例えば油圧制御回路50内のソレノイドバルブ等の調圧により、クラッチK0のトルク容量(以下、K0トルクという)が変化させられる。クラッチK0の係合状態では、エンジン連結軸30を介してポンプ翼車18aとエンジン14とが一体的に回転させられる。一方で、クラッチK0の解放状態では、エンジン14とポンプ翼車18aとの間の動力伝達が遮断される。すなわち、クラッチK0を解放することでエンジン14と駆動輪34とが切り離される。電動機MGはポンプ翼車18aに連結されているので、クラッチK0は、エンジン14と電動機MGとの間の動力伝達経路に設けられて、その動力伝達経路を断接するクラッチ、すなわちエンジン14を電動機MGと断接するクラッチとしても機能する。
図2は、油圧制御回路50のうちで、クラッチK0の作動に関するK0油圧制御回路52の概略構成を説明する図である。図2において、オイルポンプ36は、オイルパン54に還流した作動油を吸い込み口(ストレーナ)56から吸い上げて吐出油路58へ吐出する。吐出油路58は、油圧制御回路50内の油路(例えばライン圧PLが流通するライン圧油路60)に連結されている。油圧制御回路50は、オイルポンプ36から出力(発生)される作動油圧を元圧としてライン圧PLを調圧するプライマリレギュレータバルブ62を備えている。油圧制御回路50の一部を構成するK0油圧制御回路52は、例えばライン圧PLを元圧としてクラッチK0の係合解放作動を制御する。このように、ライン圧PLは、クラッチK0の一部であるクラッチドラムやクラッチピストン等で構成された油圧アクチュエータ64に給排される作動油の元圧である。K0油圧制御回路52は、クラッチK0へ供給する作動油を調圧して制御油圧Pslk0(以下、SLK0圧Pslk0という)を出力するソレノイドバルブSLK0(以下、ソレノイド弁66という)を備えている。このように構成されたK0油圧制御回路52は、ソレノイド弁66を介してクラッチK0に関わる作動の為の作動油の供給や排出を制御することでクラッチK0の係合解放作動を制御する。ソレノイド弁66の作動に伴って排出される作動油等は、ドレン油路68を介してオイルパン54へ還流させられる。
図1に戻り、車両10には、例えばクラッチK0の作動などに関連する車両10の制御装置を含む電子制御装置70が備えられている。電子制御装置70は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置70は、エンジン14の出力制御、電動機MGの回生制御を含む電動機MGの駆動制御、自動変速機20の変速制御、クラッチK0のトルク容量制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や電動機制御用や油圧制御用等に分けて構成される。電子制御装置70には、各種センサ(例えば各種回転速度センサ72,74,76,78、アクセル開度センサ80、バッテリセンサ82など)による検出値に基づく各種信号(例えばエンジン回転速度Ne、タービン回転速度Ntすなわち変速機入力軸回転速度Nin、車速Vに対応する変速機出力軸回転速度Nout、電動機回転速度(MG回転速度)Nm、運転者による車両10に対する駆動要求量に対応するアクセル開度θacc、蓄電装置40の充電状態(充電容量)SOCなど)が、それぞれ供給される。電子制御装置70からは、例えばエンジン14の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、電動機MGの作動を制御する為の電動機制御指令信号Sm、クラッチK0の油圧アクチュエータ64や自動変速機20の油圧アクチュエータやロックアップクラッチなどを制御する為に油圧制御回路50に含まれるソレノイド弁66等を作動させる為の油圧制御指令信号Spなどが、スロットルアクチュエータや燃料噴射装置等のエンジン制御装置、インバータ38、油圧制御回路50などへそれぞれ出力される。
電子制御装置70は、車両10における各種制御の為の制御機能を実現する為に、ハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部90を備えている。ハイブリッド制御部90は、エンジン14の駆動を制御するエンジン駆動制御部としての機能と、インバータ38を介して電動機MGによる駆動力源又は発電機としての作動を制御する電動機作動制御部としての機能を含んでおり、それら制御機能によりエンジン14及び電動機MGによるハイブリッド駆動制御等を実行する。例えば、ハイブリッド制御部90は、アクセル開度θaccや車速Vに基づいて運転者による車両10に対する駆動要求量としての要求駆動トルクTdtgtを算出する。そして、ハイブリッド制御部90は、伝達損失、補機負荷、自動変速機20の変速比γ、蓄電装置40の充電容量SOC等を考慮して、その要求駆動トルクTdtgtが得られる走行用駆動力源(エンジン14及び電動機MG)の出力となるようにその走行用駆動力源を制御する指令信号(エンジン出力制御指令信号Se及び電動機制御指令信号Sm)を出力する。前記駆動要求量としては、駆動輪34における要求駆動トルクTdtgt[Nm]の他に、駆動輪34における要求駆動力[N]、駆動輪34における要求駆動パワー[W]、変速機出力軸22における要求変速機出力トルク等を用いることもできる。又、駆動要求量として、単にアクセル開度θacc[%]やスロットル弁開度[%]や吸入空気量[g/sec]等を用いることもできる。
具体的には、ハイブリッド制御部90は、例えば要求駆動トルクTdtgtが電動機MGの出力のみで賄える範囲の場合には、走行モードをモータ走行モード(EV走行モード)とし、クラッチK0を解放させた状態で、電動機MGのみを走行用駆動力源として走行するモータ走行(EV走行)を行う。一方で、ハイブリッド制御部90は、例えば要求駆動トルクTdtgtが少なくともエンジン14の出力を用いないと賄えない範囲の場合には、走行モードをエンジン走行モードすなわちハイブリッド走行モード(HV走行モード)とし、クラッチK0を係合させた状態で、少なくともエンジン14を走行用駆動力源として走行するエンジン走行すなわちハイブリッド走行(HV走行)を行う。他方で、ハイブリッド制御部90は、例えば要求駆動トルクTdtgtが電動機MGの出力のみで賄える範囲の場合であっても、エンジン14やエンジン14に関連する機器の暖機が必要な場合等には、HV走行を行う。このように、ハイブリッド制御部90は、要求駆動トルクTdtgt等に基づいて、エンジン走行中にエンジン14を自動停止したり、そのエンジン停止後にエンジン14を再始動したりして、EV走行とHV走行とを切り替える。
ハイブリッド制御部90は、例えばEV走行中に要求駆動トルクTdtgtが増大したり、暖機が必要であったりなどに因ってエンジン始動要求があると判断した場合には、エンジン14の始動に関連する一連の作動を実行する。具体的には、ハイブリッド制御部90は、エンジン始動要求があると判断した場合には、解放されているクラッチK0を係合に向けて制御することで電動機MGによってエンジン14をクランキングする。加えて、ハイブリッド制御部90は、電動機MGによるエンジン14のクランキングに連動して、燃料供給やエンジン点火などを開始してエンジン14を始動する(特に区別しない場合は再始動することも同義とする)。次いで、ハイブリッド制御部90は、エンジン14が完爆した(すなわちエンジン14が自立運転できる状態となった)と判断した場合には、係合に向けて制御していたクラッチK0を、一旦、解放に向けて制御する。つまり、ハイブリッド制御部90は、エンジン14が完爆するまでは、クラッチK0を係合に向けて制御することでエンジン回転速度Neを上昇させ、エンジン14が完爆した後は、エンジン14の自立運転にてエンジン回転速度Neを上昇させる。そして、ハイブリッド制御部90は、例えばエンジン14の自立運転にてエンジン回転速度NeがMG回転速度Nmまで上昇したら、クラッチK0を速やかに完全係合する。このようなエンジン始動方法では、クラッチK0自体の差回転速度が抑制された状態でそのクラッチK0を係合するので、速やかに係合しても係合ショックが抑制される。
ここで、ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0であるSLK0圧Pslk0が出力されないか或いはソレノイド弁66への指令値であるSLK0指示圧よりも低い油圧しか出力されないようなソレノイド弁66のオフフェール時には、クラッチK0を完全係合して走行する適切なエンジン走行ができず、EV走行のみとなって車両10の走行距離が限定されてしまう可能性がある。このようなソレノイド弁66のオフフェール時には、例えばライン圧PLをクラッチK0へ供給し、クラッチK0を完全係合してエンジン走行を実行することが考えられる。又、これとは別に、上述したようなエンジン始動方法において、係合に向けて制御していたクラッチK0を、一時的に、解放に向けて制御する際には、速やかにクラッチK0が解放されることが望ましい。例えば、クラッチK0の解放をソレノイド弁66経由で実施すると、応答性が十分でない場合がある。特に、制振用のアキュームレータ等がついている場合、応答性が悪化する可能性がある。このようなクラッチK0の解放時には、例えばソレノイド弁66の排出油路EXslk0よりも大量の作動油を排出できる大気開放油路EXを介して油圧アクチュエータ64内の作動油を排出することで、ソレノイド弁66を介した排出よりも速やかに排出することが考えられる。
そこで、本実施例の油圧制御回路50は、油圧アクチュエータ64に連通する油路として、油圧アクチュエータ64へSLK0圧Pslk0を供給する油路、油圧アクチュエータ64へライン圧PLを供給する油路、及び油圧アクチュエータ64内の作動油を排出する為に油圧アクチュエータ64に大気開放油路EXを接続する油路の3つの油路を備え、それら3つの油路を択一的に切り替える。一般的に、2つの油路を切り替えられる切替弁を2つ備えることで、3つの油路を構成し、切替弁を作動させる為の油圧を出力するオンオフソレノイド弁を2つの切替弁に対して各々備えることで、3つの油路を択一的に切り替えることができる。これに対して、本実施例では、3つの油路のうちの1つの油路がSLK0圧Pslk0を供給する油路であることに着目し、2つのオンオフソレノイド弁を1つに統合することを提案する。つまり、本実施例の油圧制御回路50(K0油圧制御回路52)は、2つの切替弁によって油圧アクチュエータ64へ連通する3つの油路を形成するときに、オンオフソレノイド弁104を1つ設けるだけで、SLK0圧Pslk0を供給する油路を含む3つの油路を択一的に切り替えるものである。以下に、K0油圧制御回路52の具体的な実施態様を説明する。
図3は、K0油圧制御回路52の具体的な実施態様の一例を示す図である。図3において、K0油圧制御回路52は、SLK0圧Pslk0を出力するソレノイド弁66に加え、更に、第1切替弁100と、第2切替弁102と、オンオフソレノイド弁104とを備えている。第1切替弁100及び第2切替弁102は、略同じ構成の弁であり、スプリングSP、第1入力ポートPin1、第2入力ポートPin2、及び第1,第2入力ポートPin1,Pin2と択一的に連通する出力ポートPoutを各々有している。例えば、第1切替弁100及び第2切替弁102は、バルブボデー内において、所定の移動ストロークで摺動可能に収容され且つスプリングSPのよって一方向に付勢されたスプール弁子を備え、そのスプール弁子がその摺動ストロークの一端及び他端への移動に応じて、出力ポートPoutを第1入力ポートPin1及び第2入力ポートPin2のうちの一方又は他方と択一的に連通させる型式の良く知られたスプール弁子により構成されている。
オンオフソレノイド弁104は、2つの切替弁100,102を作動させる為の所定の切替油圧である切替油圧Ponを出力する共通のオンオフソレノイド弁である。ソレノイド弁66は、例えば励磁状態(オン状態)においては開いた状態とされて指令値(SLK0指示圧)に応じて連続的に変化するSLK0圧Pslk0を出力し、非励磁状態(オフ状態)においては閉じた状態とされて油圧を出力しない常閉型(ノーマルクローズ型、N/C型)のリニアソレノイドバルブである。オンオフソレノイド弁104は、例えばオン指令による励磁状態において切替油圧Ponを出力し、オフ指令による非励磁状態において切替油圧Ponを出力しない、常閉型のオンオフソレノイド弁である。第1,第2切替弁100,102のスプリングSPは各々、第1,第2切替弁100,102をOFF側に切り替えて第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとを連通させる為の付勢力を発生する。切替油圧Ponは、スプリングSPの付勢力に抗して、そのスプリングSPの付勢力により生じる推力が加わる方向とは反対方向へ第1,第2切替弁100,102を切り替える為の推力が生じるように、第1,第2切替弁100,102に作用させられており、第1,第2切替弁100,102をON側に切り替えて第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとを連通させる為の油圧である。
本実施例において、K0油圧制御回路52では、第1切替弁100の出力ポートPoutは、油圧アクチュエータ64に接続される。又、本実施例では、第2切替弁102の出力ポートPoutは、第1切替弁100の第1入力ポートPin1に接続され、第2切替弁102の第1入力ポートPin1にSLK0圧Pslk0が入力される。又、本実施例では、第1切替弁の第1ポートは、第1切替弁100の出力ポートPoutであり、第1切替弁の第2ポートは、第1切替弁100の第1入力ポートPin1であり、第1切替弁の第3ポートは、第1切替弁100の第2入力ポートPin2であり、第2切替弁の第1ポートは、第2切替弁102の出力ポートPoutであり、第2切替弁の第2ポートまたは第3ポートは、第2切替弁102の第1入力ポートPin1と第2入力ポートPin2のいずれかである。又、本実施例では、第1ソレノイド弁は、オンオフソレノイド弁104であり、第2ソレノイド弁は、ソレノイド弁66である。そして、SLK0圧Pslk0は、切替油圧Ponの作用により生じる推力の方向(第1方向)とは反対方向(第2方向)へ第1切替弁100を切り替える為の推力が生じるように、第1切替弁100に作用させられる。
このように構成されたK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されていないときにSLK0圧Pslk0が所定の条件を満たさないときは、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで第1油路106が形成される。この第1油路106は、SLK0圧Pslk0が入力される第2切替弁102の第1入力ポートPin1を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第1入力ポートPin1、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路であり、油圧アクチュエータ64に対してSLK0圧Pslk0を給排する油路である。
前記所定の条件は、SLK0圧Pslk0が所定値以上であるという条件である。この所定値は、前記他方の切替弁(本実施例では第1切替弁100)において、スプリングSPによる付勢力と切替油圧Ponによる推力(=Pon×不図示のスプール弁子の受圧面積)とに基づいて設定される値であって、SLK0圧Pslk0による推力の高低に依って出力ポートPoutと第1入力ポートPin1または第2入力ポートPin2との連通が切り替えられるときの境となるSLK0圧Pslk0の値(以下、切替弁切替え閾値という)である。尚、本実施例の第1切替弁100においては、切替油圧Ponが出力されていないときは、スプリングSPの付勢力のみに依って第1入力ポートPin1と出力ポートPoutが連通させられるOFF側に切り替えられるので、切替油圧Ponが出力されていないときは、SLK0圧Pslk0が所定の条件を満たさないときという要件は必要ない。つまり、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されていないときは、SLK0圧Pslk0に拘わらず、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで第1油路106が形成される。
又、K0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されているときにSLK0圧Pslk0が前記所定の条件を満たさないときは(例えばSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値未満であるときは)、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで第2油路108が形成される。この第2油路108は、第1切替弁100の第2入力ポートPin2を、第1切替弁100の出力ポートPoutを介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。本実施例では、第1切替弁100の第2入力ポートPin2にライン圧PLが入力されるので、この第2油路108は、油圧アクチュエータ64に対してライン圧PLを供給する油路である。
又、K0油圧制御回路52では、切替油圧Ponの出力の有無に拘わらずSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値以上であるときは、第1切替弁100において第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられ、且つ切替油圧Ponの出力が有ることに依って第2切替弁102において第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成される。この第3油路110は、第2切替弁102の第2入力ポートPin2を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第1入力ポートPin1、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。又、本実施例では、第2切替弁102の第1,第2入力ポートPin1,Pin2のうちでSLK0圧Pslk0が入力されない方の入力ポートPinである、第2切替弁102の第2入力ポートPin2に大気開放油路EXが接続されるので、この第3油路110は、油圧アクチュエータ64に対して大気開放油路EXを接続する油路である。
図4は、クラッチK0に供給される油圧(K0クラッチ圧Pk0)を、条件毎にまとめた図表である。図4に示すように、K0油圧制御回路52では、SLK0圧Pslk0の高低(例えば切替弁切替え閾値に対する高低)にて第1,第2切替弁100,102を切り替えることで、1つのオンオフソレノイド弁104で3種類の供給圧(K0クラッチ圧Pk0)を形成できる。具体的には、切替油圧Ponの出力が無いときは、SLK0圧Pslk0にてクラッチK0を制御する。又、切替油圧Ponの出力が有るときは、SLK0圧Pslk0の高低で油路を切り替える。SLK0圧Pslk0が高のときには大気開放油路EXに接続され、SLK0圧Pslk0が低のときにはライン圧PLが供給される。従って、SLK0圧Pslk0が低いと、切替油圧Ponを出力することでライン圧PLを供給することができる。ソレノイド弁66のオフフェール時にはSLK0圧Pslk0が低いので、ソレノイド弁66のオフフェールを判定した場合は、図5に示すように、切替油圧Ponを出力すると、ライン圧PLが供給される。これにより、ソレノイド弁66のオフフェール時にクラッチK0を係合することができ、切替油圧Ponを出力してクラッチK0を係合すれば、エンジン走行を行うことができる。又、SLK0圧Pslk0が高い場合には、切替油圧Ponを出力することで大気開放油路EXに接続することができる。クラッチK0の解放時に応答遅れでSLK0圧Pslk0が高いときには、大気開放油路EXに接続することでK0クラッチ圧Pk0の急解放を実現できる。SLK0圧Pslk0が高ければ大気開放油路EXで急解放でき、又、SLK0圧Pslk0が十分に低ければ大気開放油路EXで排出する必要性は低い。但し、大気開放油路EXと接続する場合、SLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値を下回る前に、切替油圧Ponの出力を停止する必要がある。これは、切替油圧Ponの出力が有る状態でSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値を下回ると、ライン圧PLの供給に切り替わり、クラッチK0が逆に係合する恐れがある為である。
図1に戻り、電子制御装置70は、車両10における各種制御の為の制御機能を実現する為に、更に、油路切替判定手段すなわち油路切替判定部92を備えている。油路切替判定部92は、例えばソレノイド弁66がオフフェールしているか否かを判定することで、油路の切替えを判定する。油路切替判定部92は、例えばハイブリッド制御部90によりクラッチK0を係合する為のSLK0指示圧が出力されているときに、クラッチK0が係合されず、クラッチK0自体の差回転速度が所定時間経過しても零乃至零近傍の値とならない場合には、SLK0指示圧通りのSLK0圧Pslk0が出力されていないと判定して、ソレノイド弁66がオフフェールしていると判定する。ハイブリッド制御部90は、油路切替判定部92によりソレノイド弁66がオフフェールしていると判定された場合には、切替油圧Ponを出力する指令をオンオフソレノイド弁104に出力して、油圧アクチュエータ64に連通する油路を、SLK0圧Pslk0を給排する油路からライン圧PLを供給する油路へ切り替える。
又、油路切替判定部92は、例えばK0クラッチ圧Pk0の急解放が必要であるか否かを判定することで、油路の切替えを判定する。油路切替判定部92は、例えばハイブリッド制御部90によりクラッチK0を解放する為のSLK0指示圧が出力されたときに、その解放がエンジン始動過程におけるクラッチK0の一時的な解放である場合或いは油温が低い場合などには、K0クラッチ圧Pk0の急解放が必要であると判定する。ハイブリッド制御部90は、油路切替判定部92によりK0クラッチ圧Pk0の急解放が必要であると判定された場合には、切替油圧Ponを出力する指令をオンオフソレノイド弁104に出力して、油圧アクチュエータ64に連通する油路を、SLK0圧Pslk0を給排する油路から大気開放油路EXを接続する油路へ切り替える。
又、油路切替判定部92は、例えばSLK0圧Pslk0の実圧がオンオフソレノイド弁切替え制御閾値まで低下したか否かを判定することで、油路の切替えを判定する。油路切替判定部92は、例えばハイブリッド制御部90によりクラッチK0を解放する為のSLK0指示圧が出力され且つ切替油圧Ponを出力する指令がオンオフソレノイド弁104に出力されたときに、そのSLK0指示圧が出力されてから所定時間経過した場合に、SLK0圧Pslk0の実圧がオンオフソレノイド弁切替え制御閾値まで低下したと判定する。このオンオフソレノイド弁切替え制御閾値は、例えばSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値を下回り、大気開放油路EXとライン圧PLを供給する油路が切り替わることを回避する為に、その切替弁切替え閾値よりも所定マージン分だけ高い値として予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された(すなわち予め定められた)値である。又、上記所定時間は、例えばクラッチK0を解放する為のSLK0指示圧の出力から、SLK0圧Pslk0の実圧がオンオフソレノイド弁切替え制御閾値へ低下するまでの時間として予め定められた低下判定時間である。この低下判定時間は、一律の値でも良いが、SLK0指示圧の出力開始時点でのSLK0圧Pslk0の実圧の大きさや油温などに基づいて変化させられる値であっても良い。そして、ハイブリッド制御部90は、油路切替判定部92によりSLK0圧Pslk0の実圧がオンオフソレノイド弁切替え制御閾値まで低下したと判定された場合には、切替油圧Ponの出力を停止する指令をオンオフソレノイド弁104に出力して、油圧アクチュエータ64に連通する油路を、大気開放油路EXを接続する油路からSLK0圧Pslk0を給排する油路へ切り替える。
図6は、電子制御装置70の制御作動の要部すなわちソレノイド弁66のオフフェール時にクラッチK0を係合する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。図7は、図6のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例である。
図6において、先ず、ハイブリッド制御部90に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、例えばクラッチK0を係合する為のSLK0指示圧が出力される。次いで、油路切替判定部92に対応するS2において、例えばソレノイド弁66がオフフェールしているか否かが判定される。このS2の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合はハイブリッド制御部90に対応するS3において、例えば切替油圧Ponを出力する指令がオンオフソレノイド弁104に出力される。ソレノイド弁66のオフフェールによりSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値未満であることと併せて、油圧アクチュエータ64に連通する油路が、SLK0圧Pslk0を給排する油路からライン圧PLを供給する油路へ切り替えられる。
図7において、クラッチK0を係合する為のSLK0指示圧が出力されているにも拘わらずSLK0圧Pslk0の実圧が立ち上がってこないと、例えばクラッチK0自体の差回転速度に基づいてソレノイド弁66がオフフェールしていると判断され、ソレノイド弁66のオフフェールフラグがONに切り替えられる(t1時点)。そして、オンオフソレノイド弁104への指令がONに切り替えられて、切替油圧Ponが出力される(t1時点以降)。これにより、SLK0圧Pslk0の実圧が切替弁切替え閾値未満であることと併せて、ライン圧PLを供給する油路が油圧アクチュエータ64に連通させられ、クラッチK0が係合させられる。
図8は、電子制御装置70の制御作動の要部すなわちK0クラッチ圧Pk0を急解放する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。図9は、図8のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例である。
図8において、先ず、ハイブリッド制御部90に対応するS10において、例えばクラッチK0を解放する為のSLK0指示圧が出力される。次いで、油路切替判定部92に対応するS20において、例えばK0クラッチ圧Pk0の急解放が必要であるか否かが判定される。このS20の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが肯定される場合はハイブリッド制御部90に対応するS30において、例えば切替油圧Ponを出力する指令がオンオフソレノイド弁104に出力される。クラッチK0の解放当初はSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値以上であることと併せて、油圧アクチュエータ64に連通する油路が、SLK0圧Pslk0を給排する油路から大気開放油路EXを接続する油路へ切り替えられる。次いで、油路切替判定部92に対応するS40において、例えばSLK0圧Pslk0の実圧がオンオフソレノイド弁切替え制御閾値まで低下したか否かが判定される。このS40の判断が否定される場合はこのS40が繰り返し実行されるが肯定される場合はハイブリッド制御部90に対応するS50において、例えば切替油圧Ponの出力を停止する指令がオンオフソレノイド弁104に出力される。これにより、油圧アクチュエータ64に連通する油路が、大気開放油路EXを接続する油路からSLK0圧Pslk0を給排する油路へ切り替えられる。
図9において、クラッチK0を解放する為のSLK0指示圧が出力され、且つオンオフソレノイド弁104への指令がONに切り替えられて切替油圧Ponが出力される(t1時点)。これにより、SLK0圧Pslk0の実圧が切替弁切替え閾値以上であることと併せて、油圧アクチュエータ64が大気開放油路EXを接続する油路に連通させられ、K0クラッチ圧Pk0がSLK0圧Pslk0の実圧よりも速やかに低下させられる。次いで、SLK0圧Pslk0の実圧がオンオフソレノイド弁切替え制御閾値まで低下すると、オンオフソレノイド弁104への指令が第1入力ポートPin1と出力ポートPoutが連通させられるOFFに切り替えられて切替油圧Ponの出力が停止される(t2時点)。これにより、SLK0圧Pslk0を給排する油路が油圧アクチュエータ64に連通させられ、SLK0圧Pslk0の実圧が切替弁切替え閾値未満となることでライン圧PLを供給する油路が油圧アクチュエータ64に連通させられてしまうことが回避される。尚、SLK0圧Pslk0を給排する油路が油圧アクチュエータ64に連通させられることで、K0クラッチ圧Pk0はSLK0圧Pslk0の実圧に向けて上昇させられる。しかしながら、この時点では、SLK0圧Pslk0は既に十分に低下させられており、クラッチK0の速やかな解放に対する影響は小さい。
上述のように、本実施例によれば、油圧制御回路50(K0油圧制御回路52)は、第1,第2切替弁100,102によって油圧アクチュエータ64へ連通する3つの油路を形成するときに、第1,第2切替弁100,102を作動させるオンオフソレノイド弁104を1つ設けるだけで、ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0を供給する油路を含む、油圧アクチュエータ64へ連通する3つの油路を択一的に切り替えることができる。
また、本実施例によれば、2つの切替弁に付与されるオンオフソレノイド弁104の切替油圧Ponによる推力と前記切替油圧Pon以外による推力の大きさと、これらの推力の方向とを組み合わせることによって、2つの切替弁に共通するオンオフソレノイド弁104を1つ設けるだけで、その油圧アクチュエータ64へ連通する3つの油路を択一的に切り替えることができる。
また、本実施例によれば、2つの切替弁に共通する一つのオンオフソレノイド弁104の切替油圧Ponとソレノイド弁66の制御油圧Pslk0の所定の条件の組み合わせによって、3つの油路を択一的に切り替えることができる。
また、本実施例によれば、前記所定の切替油圧Ponの出力があり、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が所定値以上であり、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が前記第2切替弁102の切り替えに前記第2方向から作用するときは、前記第1切替弁100の第1入力ポートPin1と前記第2切替弁102の出力ポートPoutと、前記第2切替弁102の第2入力ポートPin2と前記第2切替弁の出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成できる。この結果、2つの切替弁に共通する一つのオンオフソレノイド弁104によって、3つの油路を択一的に切り替えることができる。
また、本実施例によれば、ソレノイド弁66のオフフェール時には、ライン圧PLが油圧アクチュエータ64へ供給される。又、油圧アクチュエータ64を大気開放油路EXに連通させることで、油圧アクチュエータ64内の作動油はソレノイド弁66を介した排出よりも速やかに排出させられる。つまり、油圧アクチュエータ64内の油圧が速やかに低下させられる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。尚、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、K0油圧制御回路52の具体的な実施態様の他の一例を示す図であり、図3とは別の実施態様である。以下に、図3の実施態様と異なる部分について主に説明する。
図10において、本実施例のK0油圧制御回路52では、第2切替弁102の出力ポートPoutは、第1切替弁100の第2入力ポートPin2に接続される。又、本実施例では、第1切替弁100の第1入力ポートPin1にSLK0圧Pslk0が入力される。又、本実施例では、第1切替弁の第1ポートは、第1切替弁100の出力ポートPoutであり、第1切替弁の第2ポートは、第1切替弁100の第2入力ポートPin2であり、第1切替弁の第3ポートは、第1切替弁100の第1入力ポートPin1であり、第2切替弁の第1ポートは、第2切替弁102の出力ポートPoutであり、第2切替弁の第2ポートまたは第3ポートは、第2切替弁102の第1入力ポートPin1と第2入力ポートPin2のいずれかである。又、本実施例では、第1ソレノイド弁は、オンオフソレノイド弁104であり、第2ソレノイド弁は、ソレノイド弁66である。そして、本実施例では、SLK0圧Pslk0は、切替油圧Ponの作用により生じる推力の方向(第1方向)とは反対方向(第2方向)へ第2切替弁102を切り替える為の推力が生じるように、第2切替弁102に作用させられる。
このように構成された本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されていないときにSLK0圧Pslk0が所定値以上であるという条件を満たさないときは、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで第1油路106が形成される。この第1油路106は、SLK0圧Pslk0が入力される第1切替弁100の第1入力ポートPin1を、第1切替弁100の出力ポートPoutを介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路であり、油圧アクチュエータ64に対してSLK0圧Pslk0を給排する油路である。尚、本実施例の第2切替弁102においては、切替油圧Ponが出力されていないときは、スプリングSPの付勢力のみに依って第1入力ポートPin1と出力ポートPoutが連通させられるOFF側に切り替えられるので、切替油圧Ponが出力されていないときは、SLK0圧Pslk0が所定値以上であるという条件を満たさないときという要件は必要ない。つまり、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されていないときは、SLK0圧Pslk0に拘わらず、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで第1油路106が形成される。
又、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されているときにSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値未満であるときは、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで第2油路108が形成される。この第2油路108は、第2切替弁102の第2入力ポートPin2を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第2入力ポートPin2、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。本実施例では、第2切替弁102の第2入力ポートPin2にライン圧PLが入力されるので、この第2油路108は、油圧アクチュエータ64に対してライン圧PLを供給する油路である。
又、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponの出力の有無に拘わらずSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値以上であるときは、第2切替弁102において第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられ、且つ切替油圧Ponの出力が有ることに依って第1切替弁100において第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成される。この第3油路110は、第2切替弁102の第1入力ポートPin1を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第2入力ポートPin2、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。本実施例では、第2切替弁102の第1入力ポートPin1に大気開放油路EXが接続されるので、この第3油路110は、油圧アクチュエータ64に対して大気開放油路EXを接続する油路である。
上述のように、本実施例によれば、油圧制御回路50(K0油圧制御回路52)は、図4に示すように、SLK0圧Pslk0の高低(例えば切替弁切替え閾値に対する高低)にて第1,第2切替弁100,102を切り替えることで、1つのオンオフソレノイド弁104で3種類の供給圧(K0クラッチ圧Pk0)を形成できる。よって、前述の実施例1と同様の効果が得られる。
また、本実施例によれば、前記所定の切替油圧Ponの出力があり、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が所定の切替弁切替え閾値以上であり、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が前記第2切替弁102の切り替えに前記第2方向から作用するときは、前記第1切替弁100の第2入力ポートPin2と前記第2切替弁102の出力ポートPoutと、前記第2切替弁102の第1入力ポートPin1と前記第2切替弁102の出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成できる。この結果、2つの切替弁に共通する一つのオンオフソレノイド弁104によって、3つの油路を択一的に切り替えることができる。
図11は、K0油圧制御回路52の具体的な実施態様の他の一例を示す図であり、図3とは別の実施態様である。以下に、図3の実施態様と異なる部分について主に説明する。
図11において、本実施例のK0油圧制御回路52では、第2切替弁102の出力ポートPoutは、第1切替弁100の第1入力ポートPin1に接続される。又、本実施例では、第2切替弁102の第1入力ポートPin1にSLK0圧Pslk0が入力される。又、本実施例では、第1切替弁の第1ポートは、第1切替弁100の出力ポートPoutであり、第1切替弁の第2ポートは、第1切替弁100の第1入力ポートPin1であり、第1切替弁の第3ポートは、第1切替弁100の第2入力ポートPin2であり、第2切替弁の第1ポートは、第2切替弁102の出力ポートPoutであり、第2切替弁の第2ポートまたは第3ポートは、第2切替弁102の第1入力ポートPin1と第2入力ポートPin2のいずれかである。又、本実施例では、第1ソレノイド弁は、オンオフソレノイド弁104であり、第2ソレノイド弁は、ソレノイド弁66である。そして、SLK0圧Pslk0は、切替油圧Ponの作用により生じる推力の方向(第1方向)と同じ方向(第1方向)へ前記他方の切替弁を切り替える為の推力が生じるように、前記他方の切替弁に作用させられる。本実施例では、SLK0圧Pslk0は、切替油圧Ponの作用により生じる推力の方向(第1方向)と同じ方向(第1方向)第1切替弁100を切り替える為の推力が生じるように、第1切替弁100に作用させられる。
このように構成された本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されていないときにSLK0圧Pslk0が所定の条件を満たさないときは、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで第1油路106が形成される。この第1油路106は、SLK0圧Pslk0が入力される第2切替弁102の第1入力ポートPin1を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第1入力ポートPin1、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路であり、油圧アクチュエータ64に対してSLK0圧Pslk0を給排する油路である。
前記所定の条件は、SLK0圧Pslk0が所定値未満であるという条件である。尚、本実施例の第1切替弁100は、切替油圧Ponの出力が有り、且つSLK0圧Pslk0が所定値以上で第2入力ポートPin2と出力ポートPoutが連通させられるON側へ切り替えられる。その為、本実施例の第1切替弁100においては、切替油圧Ponが出力されていないときは、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutが連通させられるOFF側に切り替えられるので、切替油圧Ponが出力されていないときは、SLK0圧Pslk0が所定の条件を満たさないときという要件は必要ない。つまり、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されていないときは、SLK0圧Pslk0に拘わらず、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで第1油路106が形成される。
又、K0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されているときにSLK0圧Pslk0が前記所定の条件を満たさないときは(例えばSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値以上であるときは)、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで第2油路108が形成される。この第2油路108は、第1切替弁100の第2入力ポートPin2を、第1切替弁100の出力ポートPoutを介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。本実施例では、第1切替弁100の第2入力ポートPin2に大気開放油路EXが接続されるので、この第2油路108は、油圧アクチュエータ64に対して大気開放油路EXを接続する油路である。
又、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponの出力の有無に拘わらずSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値未満であるときは、第1切替弁100において第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられ、且つ切替油圧Ponの出力が有ることに依って第2切替弁102において第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成される。この第3油路110は、第2切替弁102の第2入力ポートPin2を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第1入力ポートPin1、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。本実施例では、第2切替弁102の第2入力ポートPin2にライン圧PLが入力されるので、この第3油路110は、油圧アクチュエータ64に対してライン圧PLを供給する油路である。
上述のように、本実施例によれば、油圧制御回路50(K0油圧制御回路52)は、図4に示すように、SLK0圧Pslk0の高低(例えば切替弁切替え閾値に対する高低)にて第1,第2切替弁100,102を切り替えることで、1つのオンオフソレノイド弁104で3種類の供給圧(K0クラッチ圧Pk0)を形成できる。よって、前述の実施例1と同様の効果が得られる。
また、本実施例によれば、切替油圧Ponの出力があり、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が所定の切替弁切替え閾値未満であり、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が前記第1切替弁100の切り替えに前記第1方向から作用するときは、前記第1切替弁100の第1入力ポートPin1と前記第2切替弁102の出力ポートPoutと、前記第2切替弁102の第2入力ポートPin2と前記第2切替弁102の出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成できる。この結果、2つの切替弁に共通する一つのオンオフソレノイド弁104によって、3つの油路を択一的に切り替えることができる。
図12は、K0油圧制御回路52の具体的な実施態様の他の一例を示す図であり、図11とは別の実施態様である。以下に、図11の実施態様と異なる部分について主に説明する。
図12において、本実施例のK0油圧制御回路52では、第2切替弁102の出力ポートPoutは、第1切替弁100の第2入力ポートPin2に接続される。又、本実施例では、第1切替弁100の第1入力ポートPin1にSLK0圧Pslk0が入力される。又、本実施例では、第1切替弁の第1ポートは、第1切替弁100の出力ポートPoutであり、第1切替弁の第2ポートは、第1切替弁100の第1入力ポートPin1であり、第1切替弁の第3ポートは、第1切替弁100の第2入力ポートPin2であり、第2切替弁の第1ポートは、第2切替弁102の出力ポートPoutであり、第2切替弁の第2ポートまたは第3ポートは、第2切替弁102の第1入力ポートPin1と第2入力ポートPin2のいずれかである。又、本実施例では、第1ソレノイド弁は、オンオフソレノイド弁104であり、第2ソレノイド弁は、ソレノイド弁66である。そして、本実施例では、SLK0圧Pslk0は、切替油圧Ponの作用により生じる推力の方向(第1方向)と同じ方向(第1方向)へ第2切替弁102を切り替える為の推力が生じるように、第2切替弁102に作用させられる。
このように構成された本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されていないときにSLK0圧Pslk0が所定値未満であるという条件を満たさないときは、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで第1油路106が形成される。この第1油路106は、SLK0圧Pslk0が入力される第1切替弁100の第1入力ポートPin1を、第1切替弁100の出力ポートPoutを介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路であり、油圧アクチュエータ64に対してSLK0圧Pslk0を給排する油路である。尚、本実施例の第2切替弁102は、切替油圧Ponの出力が有り、且つSLK0圧Pslk0が所定値以上で第2入力ポートPin2と出力ポートPoutが連通させられるON側へ切り替えられる。その為、本実施例の第2切替弁102においては、切替油圧Ponが出力されていないときは、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutが連通させられるOFF側に切り替えられるので、切替油圧Ponが出力されていないときは、SLK0圧Pslk0が所定値未満であるという条件を満たさないときという要件は必要ない。つまり、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されていないときは、SLK0圧Pslk0に拘わらず、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで第1油路106が形成される。
又、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されているときにSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値以上であるときは、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで第2油路108が形成される。この第2油路108は、第2切替弁102の第2入力ポートPin2を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第2入力ポートPin2、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。本実施例では、第2切替弁102の第2入力ポートPin2に大気開放油路EXが接続されるので、この第2油路108は、油圧アクチュエータ64に対して大気開放油路EXを接続する油路である。
又、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponの出力の有無に拘わらずSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値未満であるときは、第2切替弁102において第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられ、且つ切替油圧Ponの出力が有ることに依って第1切替弁100において第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成される。この第3油路110は、第2切替弁102の第1入力ポートPin1を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第2入力ポートPin2、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。本実施例では、第2切替弁102の第1入力ポートPin1にライン圧PLが入力されるので、この第3油路110は、油圧アクチュエータ64に対してライン圧PLを供給する油路である。
上述のように、本実施例によれば、油圧制御回路50(K0油圧制御回路52)は、図4に示すように、SLK0圧Pslk0の高低(例えば切替弁切替え閾値に対する高低)にて第1,第2切替弁100,102を切り替えることで、1つのオンオフソレノイド弁104で3種類の供給圧(K0クラッチ圧Pk0)を形成できる。よって、前述の実施例3と同様の効果が得られる。
また、本実施例によれば、前記所定の切替油圧Ponの出力があり、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が所定の切替弁切替え閾値未満であり、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が前記第2切替弁の切り替えに前記第1方向から作用するときは、前記第1切替弁の第2入力ポートPin2と前記第2切替弁102の出力ポートPoutと、前記第2切替弁102の第1入力ポートPin1と前記第2切替弁102の出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成できる。この結果、2つの切替弁に共通する一つのオンオフソレノイド弁104によって、3つの油路を択一的に切り替えることができる。
図13は、K0油圧制御回路52の具体的な実施態様の他の一例を示す図であり、図3とは別の実施態様である。以下に、図3の実施態様と異なる部分について主に説明する。
図13において、本実施例のK0油圧制御回路52では、第2切替弁102の出力ポートPoutは、第1切替弁100の第2入力ポートPin2に接続される。又、本実施例では、第2切替弁102の第2入力ポートPin2にSLK0圧Pslk0が入力される。又、本実施例では、第1切替弁の第1ポートは、第1切替弁100の出力ポートPoutであり、第1切替弁の第2ポートは、第1切替弁100の第2入力ポートPin2であり、第1切替弁の第3ポートは、第1切替弁100の第1入力ポートPin1であり、第2切替弁の第1ポートは、第2切替弁102の出力ポートPoutであり、第2切替弁の第2ポートまたは第3ポートは、第2切替弁102の第1入力ポートPin1と第2入力ポートPin2のいずれかである。又、本実施例では、第1ソレノイド弁は、オンオフソレノイド弁104であり、第2ソレノイド弁は、ソレノイド弁66である。そして、SLK0圧Pslk0は、切替油圧Ponの作用により生じる推力の方向(第1方向)と同じ方向(第1方向)へ前記他方の切替弁を切り替える為の推力が生じるように、前記他方の切替弁に作用させられる。本実施例では、SLK0圧Pslk0は、切替油圧Ponの作用により生じる推力の方向(第1方向)と同じ方向(第1方向)へ第1切替弁100を切り替える為の推力が生じるように、第1切替弁100に作用させられる。
このように構成された本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されていないときにSLK0圧Pslk0が所定の条件を満たさないときは、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで第1油路106が形成される。この第1油路106は、第1切替弁100の第1入力ポートPin1を、第1切替弁100の出力ポートPoutを介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。本実施例では、第1切替弁100の第1入力ポートPin1にライン圧PLが入力されるので、この第1油路106は、油圧アクチュエータ64に対してライン圧PLを供給する油路である。
前記所定の条件は、SLK0圧Pslk0が所定値以上であるという条件である。尚、本実施例の第1切替弁100は、切替油圧Ponの出力が有るか、或いはSLK0圧Pslk0が所定値以上で第2入力ポートPin2と出力ポートPoutが連通させられるON側へ切り替えられる。その為、第1油路106が形成されるには、切替油圧Ponが出力されていないときに、SLK0圧Pslk0が所定の条件を満たさないときという要件が必要となる。
又、K0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されているときにSLK0圧Pslk0が前記所定の条件を満たさないときは(例えばSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値未満であるときは)、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで第2油路108が形成される。この第2油路108は、SLK0圧Pslk0が入力される第2切替弁102の第2入力ポートPin2を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第2入力ポートPin2、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路であり、油圧アクチュエータ64に対してSLK0圧Pslk0を給排する油路である。尚、本実施例の第1切替弁100においては、切替油圧Ponが出力されているときは、第2入力ポートPin2と出力ポートPoutが連通させられるON側に切り替えられるので、切替油圧Ponが出力されているときは、SLK0圧Pslk0が所定の条件を満たさないときという要件は必要ない。つまり、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されているときは、SLK0圧Pslk0に拘わらず、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで第2油路108が形成される。
又、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponの出力の有無に拘わらずSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値以上であるときは、第1切替弁100において第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられ、且つ切替油圧Ponの出力が無いことに依って第2切替弁102において第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成される。この第3油路110は、第2切替弁102の第1入力ポートPin1を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第2入力ポートPin2、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。本実施例では、第2切替弁102の第1入力ポートPin1に大気開放油路EXが接続されるので、この第3油路110は、油圧アクチュエータ64に対して大気開放油路EXを接続する油路である。
上述のように、本実施例によれば、油圧制御回路50(K0油圧制御回路52)は、図14に示すように、SLK0圧Pslk0の高低(例えば切替弁切替え閾値に対する高低)にて第1,第2切替弁100,102を切り替えることで、1つのオンオフソレノイド弁104で3種類の供給圧(K0クラッチ圧Pk0)を形成できる。よって、前述の実施例1と同様の効果が得られる。尚、図14では、切替油圧Ponの出力の有無と形成される油路との関係が図4と反対となっている。
また、本実施例によれば、前記所定の切替油圧Ponの出力がなく、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が所定の切替弁切替え閾値以上であり、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が前記第1切替弁100の切り替えに前記第1方向から作用するときは、前記第1切替弁100の第2入力ポートPin2と前記第2切替弁102の出力ポートPoutと、前記第2切替弁102の第1入力ポートPin1と前記第2切替弁102の出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成できる。この結果、2つの切替弁に共通する一つのオンオフソレノイド弁104によって、3つの油路を択一的に切り替えることができる。
図15は、K0油圧制御回路52の具体的な実施態様の他の一例を示す図であり、図13とは別の実施態様である。以下に、図13の実施態様と異なる部分について主に説明する。
図15において、本実施例のK0油圧制御回路52では、第2切替弁102の出力ポートPoutは、第1切替弁100の第1入力ポートPin1に接続される。又、本実施例では、第1切替弁100の第2入力ポートPin2にSLK0圧Pslk0が入力される。又、本実施例では、第1切替弁の第1ポートは、第1切替弁100の出力ポートPoutであり、第1切替弁の第2ポートは、第1切替弁100の第2入力ポートPin2であり、第1切替弁の第3ポートは、第1切替弁100の第1入力ポートPin1であり、第2切替弁の第1ポートは、第2切替弁102の出力ポートPoutであり、第2切替弁の第2ポートまたは第3ポートは、第2切替弁102の第1入力ポートPin1と第2入力ポートPin2のいずれかである。又、本実施例では、第1ソレノイド弁は、オンオフソレノイド弁104であり、第2ソレノイド弁は、ソレノイド弁66である。そして、本実施例では、SLK0圧Pslk0は、切替油圧Ponの作用により生じる推力の方向(第1方向)と同じ方向(第1方向)へ第2切替弁102を切り替える為の推力が生じるように、第2切替弁102に作用させられる。
このように構成された本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されていないときにSLK0圧Pslk0が所定値以上であるという条件を満たさないときは、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで第1油路106が形成される。この第1油路106は、第2切替弁102の第1入力ポートPin1を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第1入力ポートPin1、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。本実施例では、第2切替弁102の第1入力ポートPin1にライン圧PLが入力されるので、この第1油路106は、油圧アクチュエータ64に対してライン圧PLを供給する油路である。尚、本実施例の第2切替弁102は、切替油圧Ponの出力が有るか、或いはSLK0圧Pslk0が所定値以上で第2入力ポートPin2と出力ポートPoutが連通させられるON側へ切り替えられる。その為、第1油路106が形成されるには、切替油圧Ponが出力されていないときに、SLK0圧Pslk0が所定値以上であるという条件を満たさないときという要件が必要となる。
又、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されているときにSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値未満であるときは、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで第2油路108が形成される。この第2油路108は、SLK0圧Pslk0が入力される第1切替弁100の第2入力ポートPin2を、第1切替弁100の出力ポートPoutを介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路であり、油圧アクチュエータ64に対してSLK0圧Pslk0を給排する油路である。尚、本実施例の第2切替弁102においては、切替油圧Ponが出力されているときは、第2入力ポートPin2と出力ポートPoutが連通させられるON側に切り替えられるので、切替油圧Ponが出力されているときは、SLK0圧Pslk0が所定値以上であるという条件を満たさないときという要件は必要ない。つまり、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponが出力されているときは、SLK0圧Pslk0に拘わらず、第1,第2切替弁100,102のそれぞれにおいて、第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられることで第2油路108が形成される。
又、本実施例のK0油圧制御回路52では、切替油圧Ponの出力の有無に拘わらずSLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値以上であるときは、第2切替弁102において第2入力ポートPin2と出力ポートPoutとが連通させられ、且つ切替油圧Ponの出力が無いことに依って第1切替弁100において第1入力ポートPin1と出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成される。この第3油路110は、第2切替弁102の第2入力ポートPin2を、第2切替弁102の出力ポートPout、第1切替弁100の第1入力ポートPin1、第1切替弁100の出力ポートPoutを順次介して、油圧アクチュエータ64に連通する油路である。本実施例では、第2切替弁102の第2入力ポートPin2に大気開放油路EXが接続されるので、この第3油路110は、油圧アクチュエータ64に対して大気開放油路EXを接続する油路である。
上述のように、本実施例によれば、油圧制御回路50(K0油圧制御回路52)は、図14に示すように、SLK0圧Pslk0の高低(例えば切替弁切替え閾値に対する高低)にて第1,第2切替弁100,102を切り替えることで、1つのオンオフソレノイド弁104で3種類の供給圧(K0クラッチ圧Pk0)を形成できる。よって、前述の実施例5と同様の効果が得られる。
また、本実施例によれば、前記所定の切替油圧Ponの出力がなく、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が所定の切替弁切替え閾値以上であり、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が前記第2切替弁102の切り替えに前記第1方向から作用するときは、前記第1切替弁100の第1入力ポートPin1と前記第2切替弁102の出力ポートPoutと、前記第2切替弁102の第2入力ポートPin2と前記第2切替弁102の出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成できる。この結果、2つの切替弁に共通する一つのオンオフソレノイド弁104によって、3つの油路を択一的に切り替えることができる。
図16は、K0油圧制御回路52の具体的な実施態様の他の一例を示す図であり、図3とは別の実施態様である。以下に、図3の実施態様と異なる部分について主に説明する。
図16において、本実施例のK0油圧制御回路52では、第2切替弁102の第2入力ポートPin2にSLK0圧Pslk0が入力され、第2切替弁102の第1,第2入力ポートPin1,Pin2のうちでSLK0圧Pslk0が入力されない方の入力ポートPinである、第2切替弁102の第1入力ポートPin1に大気開放油路EXが接続されることが、図3の実施態様と異なる。つまり、第2切替弁102の第1,第2入力ポートPin1,Pin2に対する、SLK0圧Pslk0の入力と大気開放油路EXの接続とが逆になっていることが、図3の実施態様と異なる。従って、図17に示すように、切替油圧Ponの出力の有無と形成される油路との関係が図4と異なっている。すなわち、図17では、図4におけるSLK0圧Pslk0と大気開放油路EXとが逆になっている。尚、本実施例のK0油圧制御回路52では、ソレノイド弁66の正常作動時に、SLK0圧Pslk0が切替弁切替え閾値未満とされると、ライン圧PLを供給する油路に切り替わる可能性がある。その為、ソレノイド弁66の正常作動時には、最低限、ライン圧PLを供給する油路に切り替わらない程度の油圧(例えば切替弁切替え閾値以上の油圧、或いは切替弁切替え閾値に余裕分を加えた以上の油圧)を出力している。又、その最低限の油圧では、クラッチK0が解放されるように、例えばリターンスプリング等の特性が設定されている。又、本実施例では、第1切替弁の第1ポートは、第1切替弁100の出力ポートPoutであり、第1切替弁の第2ポートは、第1切替弁100の第1入力ポートPin1であり、第1切替弁の第3ポートは、第1切替弁100の第2入力ポートPin2であり、第2切替弁の第1ポートは、第2切替弁102の出力ポートPoutであり、第2切替弁の第2ポートと第3ポートは、第2切替弁102の第1入力ポートPin1と第2入力ポートPin2のいずれかである。又、本実施例では、第1ソレノイド弁は、オンオフソレノイド弁104であり、第2ソレノイド弁は、ソレノイド弁66である。
上述のように、本実施例によれば、油圧制御回路50(K0油圧制御回路52)は、図17に示すように、SLK0圧Pslk0の高低(例えば切替弁切替え閾値に対する高低)にて第1,第2切替弁100,102を切り替えることで、1つのオンオフソレノイド弁104で3種類の供給圧(K0クラッチ圧Pk0)を形成できる。よって、前述の実施例1と同様の効果が得られる。
また、本実施例によれば、前記所定の切替油圧Ponの出力があり前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が所定の切替弁切替え閾値以上であり、前記ソレノイド弁66の制御油圧Pslk0が前記第2切替弁102の切り替えに前記第2方向から作用するときは、前記第1切替弁100の第1入力ポートPin1と前記第2切替弁102の出力ポートPoutと、前記第2切替弁102の第2入力ポートPin2と前記第2切替弁102の出力ポートPoutとが連通させられることで、第3油路110が形成できる。この結果、2つの切替弁に共通する一つのオンオフソレノイド弁104によって、3つの油路を択一的に切り替えることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、動力伝達装置12は、ハイブリッド車両である車両10に備えられていたが、これに限らない。例えば、単一の駆動力源から駆動輪までの動力伝達経路を構成する動力伝達装置であっても良い。又、エンジン14を動力伝達経路から断接するクラッチK0に対して、3つの油路を択一的に切り替える油圧制御回路50(K0油圧制御回路52)を例示したが、これに限らない。例えば、ある動力伝達経路を断接する係合装置に対して、3つの油路を択一的に切り替える油圧制御回路であっても良い。このような係合装置では、作動油の排出が遅くなるような作動油の低温時において、大気開放油路EXにて作動油を速やかに排出することは有用である。又、動力伝達装置12には、自動変速機20やトルクコンバータ18等は必ずしも設けられなくても良い。要は、3つの油路に択一的に連通させられる油圧アクチュエータを備えた動力伝達装置であれば本発明は適用され得る。
また、前述の実施例5における図13の実施態様では、前述の実施例7における図16の実施態様と同様に、第2切替弁102の第1,第2入力ポートPin1,Pin2に対する、SLK0圧Pslk0の入力と大気開放油路EXの接続とが逆になる実施態様とすることも可能である。又、ソレノイド弁66やオンオフソレノイド弁104は、常開型(ノーマルオープン型、N/O型)のバルブを用いることも可能である。このように、実施例1−7で示した各実施態様は、本発明を実施可能な範囲で適宜変更することができる。
また、前述の実施例において、SLK0圧Pslk0は、前記他方の切替弁を切り替える為の推力が生じるように、前記他方の切替弁に作用させられるとしているが、前記一方の切替弁に、前記推力が生じるように接続させてもよく、前記推力が前記一方の切替弁と前記他方の切替弁の両方に生じるように接続させても良い。
また、前述の実施例において、オンオフソレノイド弁104を用いていたが、切換弁を切替えられる弁であればよく、リニアソレノイドバルブなどの他の弁を用いてもよい。
また、前述の実施例において、ソレノイド弁66のオフフェールの判定やSLK0圧Pslk0の低下判定は、油圧センサを備えることで、その油圧センサ等の検出値に基づいて判定することができるなど、種々の方法が可能である。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。