JP6160169B2 - サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブ - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブ Download PDF

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Description

本発明は、精密なトラッキング動作を行うことができ、かつ、圧電素子の破損の少ないサスペンション用基板に関する。
近年、インターネットの普及等によりパーソナルコンピュータの情報処理量の増大や情報処理速度の高速化が要求されてきており、それに伴って、パーソナルコンピュータに組み込まれているハードディスクドライブ(HDD)も大容量化や情報伝達速度の高速化が必要となってきている。
ハードディスクドライブは磁気記録媒体である磁気ディスク、それを高速回転させるスピンドルモータ、磁気ディスクに対して情報を読取または書込する磁気ヘッド、それを高精度に保持しつつ移動させるための各部品、これらの駆動制御回路および信号処理回路などによって構成されている。
そして、このハードディスクドライブに用いられる磁気ヘッドを支持している磁気ヘッドサスペンションと呼ばれる部品も、従来の金ワイヤ等の信号線を接続するタイプから、ステンレスのばねに直接銅配線等の信号線が形成されている、いわゆるワイヤレスサスペンションと呼ばれる配線一体型のもの(フレキシャー)に移行している。このような構成のサスペンションは少なくともフレキシャー(以下、サスペンション用基板とする場合がある。)を有し、通常は、さらにステンレスの板バネ材によって形成されるロードビームや、これと接続または一体化され、アクチュエータアームとの接続に用いられるボス部を有するベースプレートを含む金属薄板を有する。
また、ハードディスクドライブ(HDD)の大容量化、すなわち、磁気ディスクの記録密度の向上に伴い、磁気ディスク上の記録トラックは微細化され、それゆえ所望の記録トラックに磁気ヘッドを保たせるためには、より微調整ができるトラッキング動作が必要となってきている。
このような要求に対し、上述のサスペンションにおいて、上記サスペンション用基板板のテール側に微動アクチュエータである圧電素子を搭載し、この微動アクチュエータによりロードビームの先端のみを動かす方式が提案されている(特許文献1)。
圧電素子は電圧が加えられると伸縮する性質をもつ素子であり、この圧電素子に電圧を与えることで、先端部に実装された磁気ヘッドスライダを微小に動かして、精密なトラッキング動作を行うというものである。
特開2002−251853号公報
しかしながら、このようなサスペンション用基板を用いたものであっても、十分に精密なトラッキング動作を行うことができないといった問題がある。
本発明は、精密なトラッキング動作を行うことができ、かつ、圧電素子の破損の少ないサスペンション用基板を提供することを主目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、サスペンション用基板の磁気ヘッドスライダが実装されるタング部を幅方向に挟持するように圧電素子を配置することにより、極めて精密なトラッキング動作を行うことができること、さらに、サスペンション用基板のタング部を幅方向に挟持するように配置した場合には圧電素子が割れやすい傾向があることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、上記金属支持基板は、タング部と、上記タング部を支持する支持アーム部と、上記タング部のヘッド側に形成された第1開口領域を介して配置されたアウトリガー部と、上記タング部のテール側に形成された第2開口領域を介して配置され、上記支持アーム部および上記アウトリガー部に接続されたリアアーム部と、を有し、上記サスペンション用基板の幅方向に上記タング部を挟持するように上記タング部に接続された圧電素子接続部が形成され、上記圧電素子接続部は、上記ヘッド側およびテール側に、圧電素子の両端が固定されるヘッド側接続部およびテール側接続部を有し、上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部を上記第1開口領域を介して接続する第1リミッタが形成され、上記テール側接続部および上記テール側接続部よりテール側に配置された後方部材を上記第2開口領域を介して接続する第2リミッタが形成されていることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
本発明によれば、圧電素子接続部がタング部を幅方向に挟持するように形成されていることにより、精密なトラッキング動作を行うことができるものとすることができる。
また、上記第1リミッタおよび第2リミッタが形成されていることにより、圧電素子への応力を低減し、圧電素子の破損の少ないものとすることができる。
本発明は、上述のサスペンション用基板を含むことを特徴とするサスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、精密なトラッキング動作を行うことができ、かつ、圧電素子の破損の少ないものとすることができる。
また、本発明は、上述のサスペンションと、上記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、精密なトラッキング動作を行うことができ、かつ、圧電素子の破損の少ないものとすることができる。
また、本発明は、上述した素子付サスペンションを有することを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、精密なトラッキング動作を行うことができ、かつ、圧電素子の破損の少ないものとすることができる。
本発明においては、精密なトラッキング動作を行うことができ、かつ、圧電素子の破損の少ないサスペンション用基板を提供できるという効果を奏する。
本発明のサスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。 本発明のサスペンション用基板の他の例を示す概略平面図である。 図2のB−B線断面図である。 本発明における圧電素子接続部を説明する説明図である。 本発明における圧電素子接続部を説明する説明図である。 本発明における圧電素子接続部を説明する説明図である。 図6のX−X線断面図である。 本発明における第1リミッタを説明する説明図である。 本発明における第1リミッタを説明する説明図である。 本発明における第1リミッタを説明する説明図である。 本発明における第1リミッタを説明する説明図である。 本発明における第1リミッタを説明する説明図である。 本発明における第1リミッタを説明する説明図である。 本発明における第1リミッタを説明する説明図である。 本発明における金属支持基板を説明する説明図である。 本発明のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のサスペンション用基板を用いたサスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明のサスペンションを用いた素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明の素子付サスペンションを用いたハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。
本発明は、サスペンション用基板、それを用いたサスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブに関するものである。
以下、本発明のサスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブについて詳細に説明する。
A.サスペンション用基板
まず、本発明のサスペンション用基板について説明する。
本発明のサスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、上記金属支持基板は、タング部と、上記タング部を支持する支持アーム部と、上記タング部のヘッド側に形成された第1開口領域を介して配置されたアウトリガー部と、上記タング部のテール側に形成された第2開口領域を介して配置され、上記支持アーム部および上記アウトリガー部に接続されたリアアーム部と、を有し、上記サスペンション用基板の幅方向に上記タング部を挟持するように上記タング部に接続された圧電素子接続部が形成され、上記圧電素子接続部は、上記ヘッド側およびテール側に、圧電素子の両端が固定されるヘッド側接続部およびテール側接続部を有し、上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部を上記第1開口領域を介して接続する第1リミッタが形成され、上記テール側接続部および上記テール側接続部よりテール側に配置された後方部材を上記第2開口領域を介して接続する第2リミッタが形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明のサスペンション用基板について図を参照して説明する。図1は、一般的なサスペンション用基板の一例を示す模式図である。図1(a)はサスペンション用基板の概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。なお、図1(a)では、便宜上、絶縁層およびカバー層の記載は省略している。図1(a)に示されるサスペンション用基板100は、一方の先端部分に形成された記録再生用素子実装領域101と、他方の先端部分に形成された外部回路基板接続領域102と、記録再生用素子実装領域101および外部回路基板接続領域102を電気的に接続する複数の配線層103a〜103dとを有するものである。配線層103aおよび配線層103bは一対の配線層であり、同様に、配線層103cおよび配線層103dも一対の配線層である。これらの2つの配線層は、一方がライト用(記録用、書込み用)配線層であり、他方がリード用(再生用、読取り用)配線層である。一方、図1(b)に示すように、サスペンション用基板100は、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された配線層3と、配線層3上に形成されたカバー層4とを有する。
図2は、本発明のサスペンション用基板におけるヘッド部を例示する概略平面図であり、図3は図2のB−B断面図である。
図2および図3に例示するように、本発明のサスペンション用基板10は、金属支持基板1と、上記金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、上記絶縁層2上に形成された配線層3と、を有するサスペンション用基板10であって、上記金属支持基板1は、タング部1aと、上記タング部1aを支持する支持アーム部1bと、上記タング部1aの上記サスペンション用基板10のヘッド側に形成された第1開口領域を介して配置されたアウトリガー部1cと、上記タング部1aの上記サスペンション用基板10のテール側に形成された第2開口領域を介して配置され、上記支持アーム部1bおよび上記アウトリガー部1cに接続されたリアアーム部1dと、を有し、上記サスペンション用基板10の幅方向に上記タング部1aを挟持するように上記タング部1aに接続された圧電素子接続部11が形成され、上記圧電素子接続部11は、上記サスペンション用基板10のヘッド側およびテール側に、圧電素子の両端が固定されるヘッド側接続部11aおよびテール側接続部11bを有し、上記ヘッド側接続部11aおよび上記アウトリガー部1cを上記第1開口領域を介して接続する第1リミッタ12aが形成され、上記テール側接続部11bおよび上記後方部材を上記第2開口領域を介して接続する第2リミッタ12bが形成されているものである。
なお、この例においては、後方部材がリアアーム部1dである場合を示すものである。
本発明によれば、圧電素子接続部がタング部を幅方向に挟持するように形成されていることにより、圧電素子が配置された際には、圧電素子の伸縮動作により精密なトラッキング動作を行うことができるものとすることができる。
また、上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部を上記第1開口領域を介して接続する第1リミッタ、ならびに、上記テール側接続部および上記テール側接続部よりテール側に配置された後方部材を上記第2開口領域を介して接続する第2リミッタが形成されていること、すなわち、圧電素子の長手方向の両端にリミッタを配置することにより、圧電素子接続部やその周辺の部材が大きく変動する場合であっても、圧電素子の両端を固定するヘッド側接続部およびテール側接続部間の位置関係、例えば、両接続部間の長手方向の距離や、両接続部間の厚み方向の距離を所定の範囲内に抑制することができる。
このため、圧電素子への応力を効果的に低減し、圧電素子の破損の少ないものとすることができる。
さらに、上記第1リミッタを有することにより、上記タング部が過度に変動することを抑制できる。
本発明のサスペンション用基板は、上記金属支持基板、絶縁層、配線層、圧電素子接続部およびリミッタを少なくとも有するものである。
以下、本発明のサスペンション用基板の各構成について説明する。
1.圧電素子接続部
本発明における圧電素子接続部は、上記サスペンション用基板の幅方向に上記タング部を挟持するように上記タング部に接続されたものである。
また、上記圧電素子接続部は、ヘッド側およびテール側に、圧電素子の両端が固定されるヘッド側接続部およびテール側接続部を有するものであり、上記ヘッド側接続部およびテール側接続部に両端が固定された圧電素子の伸縮動作を上記タング部に伝えることにより、上記タング部の位置や向きを微調整するものである。
ここで、ヘッド側とは、磁気ヘッドスライダ等の素子が実装される一方の先端側であり、テール側とは、外部回路基板接続領域が形成される他方の先端側をいうものである。
また、上記サスペンション用基板の幅方向に上記タング部を挟持するとは、タング部を幅方向に挟持するように2つの圧電素子接続部が形成されていること、すなわち、サスペンション用基板の幅方向に、圧電素子接続部、タング部、圧電素子接続部が、この順で配置されていることをいうものである。
なお、サスペンション用基板の幅方向(短手方向)とは、サスペンション用基板の長手方向に直交する方向をいうものである。
また、サスペンション用基板の長手方向(縦方向)とは、ヘッド側およびテール側間を結ぶ方向をいうものであり、例えばサスペンション用基板の中心にある、複数の基準穴を結んだ中心線に平行な方向をいい、通常、ハードディスクへの書き込みまたは読み込み時にディスクの回転方向に対して垂直となる方向をいうものである。
また、上記タング部に接続されるとは、圧電素子が配置されることにより圧電素子の伸縮動作を上記タング部に伝えることができる状態をいうものであり、具体的には、圧電素子接続部が直接タング部と接するように直接的に接続される態様に限られず、配線層および上記配線層を支持する絶縁層を有する配線部を介して間接的に接続される態様も含むものである。
既に説明した図2は、圧電素子接続部がタング部に接続された配線部を介してタング部に接続される例を示すものである。
上記ヘッド側接続部およびテール側接続部のサスペンション用基板の長手方向の形成箇所としては、上記圧電素子接続部のヘッド側およびテール側に配置されるもの、すなわち、サスペンション用基板の長手方向に異なる位置に配置されるものであれば特に限定されるものではない。
本発明においては、なかでも、ヘッド側接続部およびテール側接続部間に上記タング部が含まれる箇所であることが好ましく、特に、上記タング部の長手方向の全てが含まれる箇所であることが好ましい。
なお、ヘッド側接続部およびテール側接続部間とは、具体的には、図4中のヘッド側接続部のヘッド側端部からテール側接続部のテール側端部までの間aをいうものである。
既に説明した図2は、上記タング部の全てが、ヘッド側接続部およびテール側接続部間に含まれるように形成されている例を示すものである。また、図4は、上記タング部の長手方向の一部のみが、ヘッド側接続部およびテール側接続部間に含まれるように形成されている例を示すものである。
また、図4中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記ヘッド側接続部およびテール側接続部間のサスペンション用基板の長手方向に対する形成方向としては、両接続部に固定された圧電素子の伸縮動作を上記タング部に伝えることができるものであれば特に限定されるものではない。本発明においては、上記サスペンション用基板の長手方向に対する角度が、±45°の範囲内となる方向であることが好ましく、なかでも、±30°の範囲内となる方向であることが好ましく、特に、±0°となる方向、すなわち、長手方向と平行な方向であることが好ましい。上記角度であることにより、両接続部に固定された圧電素子の伸縮動作を上記タング部に効率的に伝えることができるからである。
また、タング部を介して形成される2つの接続部間は、通常、平行となるように形成されるものである。
なお、本発明における長手方向に対す角度とは、具体的には、図5中に示されるように、長手方向と両接続部の重心間とによりなる角度αをいうものである。
また、図5中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記ヘッド側接続部およびテール側接続部の幅方向の形成位置としては、タング部の外縁部より幅方向に外側であり、両接続部に固定された圧電素子の伸縮動作を上記タング部に伝えることができるものであれば特に限定されるものではないが、通常、平面視上、アウトリガー部およびリアアーム部とタング部との間である。
上記ヘッド側接続部およびテール側接続部の平面視形状としては、圧電素子を安定的に固定できるものであれば特に限定されず、四角形状や円形状とすることができる。また、平面視上の面積としては、本発明のサスペンション用基板や圧電素子のサイズによって適宜設定されるものである。
上記圧電素子接続部を構成する材料としては、圧電素子の伸縮動作を上記タング部に伝えることができるものであれば特に限定されるものではなく、導電性材料であっても、絶縁性材料であっても、両者を組み合わせた材料であっても良い。
本発明においては、なかでも、本発明のサスペンション用基板を構成する部材が少なくとも1種含まれていることが好ましく、特に、本発明のサスペンション用基板を構成する部材から選択された部材からなることが好ましい。
上記各部材を形成すると同時に形成することが可能となり、低コストかつ容易に形成可能なものとすることができるからである。
ここで、本発明のサスペンション用基板を構成する部材としては、具体的には、上記金属支持基板、絶縁層および配線層を少なくとも挙げることができ、カバー層や保護めっき層等も用いることができる。
本発明においては、なかでも、絶縁層および/またはカバー層を含むものであることが好ましく、絶縁層を含むものであることが好ましい。圧電素子の伸縮動作を効果的にタング部に伝えることができるからである。
図6は第1リミッタ周辺を示す概略平面図であり、図7は図6のX−X線断面図である。また、図6および図7は、圧電素子接続部が絶縁層からなる場合の例を示すものである。
なお、図6および図7中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記圧電素子接続部の平面視形状としては、第1リミッタおよび第2リミッタにより接続されるヘッド側接続部およびアウトリガー部間ならびにテール側接続部および後方部材間に開口部が形成されるように端部(外縁部)を有するものであり、圧電素子を配置することができるものであれば特に限定されるものではないが、上記ヘッド側接続部のテール側端部およびテール側接続部のヘッド側端部間に開口部を有するものであることが好ましく、なかでも、上記開口部が、平面視上、配置される圧電素子の全てを含む開口部であること、すなわち、ヘッド側接続部およびテール側接続部を除いて、圧電素子と平面視上重ならないものであることが好ましい。上記圧電素子の動作を効果的に伝えることができるからである。
また、上記タング部を挟持する上記圧電素子接続部は、両圧電素子接続部が平面視上タング部以外の箇所で接続されているものであっても良く、タング部以外の箇所で接続されていないものであっても良い。
なお、既に説明した図2は、上記圧電素子接続部が、平面視上、配置される圧電素子の全てを含む開口部を有する例を示すものである。また、タング部を挟持する両圧電素子接続部が、平面視上、上記第1開口領域上で接続されるものであり、上記タング部以外の箇所で接続されている例を示すものである。
2.リミッタ
本発明におけるリミッタは、第1リミッタおよび第2リミッタを有するものである。
(1)第1リミッタ
本発明における第1リミッタは、上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部を上記第1開口領域を介して接続するものである。
ここで、上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部を接続するものであるとは、上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部間に連続的に形成されたものであり、かつ、上記ヘッド側接続部のテール側端部よりヘッド側の部位をいうものである。
既に説明した図6および図7では、上記第1リミッタが、平面視上、絶縁層2のみの領域と、絶縁層2および上記絶縁層2上に積層されたカバー層4を含む領域とを、有する例を示すものである。また、上記第1リミッタ12aおよび上記圧電素子接続部11が一部重複する例を示すものである。
また、上記第1開口領域を介して接続するとは、上記第1開口領域により挟持される第1リミッタのテール側端部であるヘッド側接続部との接続箇所が、上記ヘッド側接続部のテール側端部よりヘッド側であることをいうものである。
上記接続箇所は、具体的には、図8中のbで示される箇所である。
なお、図8は、第1リミッタのヘッド側接続部との接続箇所bが上記ヘッド側接続部のテール側端部cよりヘッド側である例を示すものである。
また、図9は、第1リミッタの接続箇所bが上記ヘッド側接続部のテール側端部cよりテール側である例を示すものである。
また、図8および図9中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記第1リミッタの構成材料としては、上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部間の相対的な位置関係を所定の範囲内に抑制できるものであれば特に限定されるものではなく、導電性を有する材料であっても、絶縁性を有する材料であっても、両者を組み合わせた材料であっても良く、上記圧電素子接続部の構成材料と同様とすることができる。
本発明においては、なかでも、本発明のサスペンション用基板を構成する部材が少なくとも1種含まれていることが好ましく、特に、本発明のサスペンション用基板を構成する部材から選択された部材からなることが好ましい。
上記各部材を形成すると同時に形成することが可能となり、低コストかつ容易に形成可能なものとすることができるからである。
また、本発明においては、上記圧電素子接続部と同一材料を含むものであることが好ましい。上記第1リミッタの構成材料が上記材料を含み、圧電素子接続部(ヘッド側接続部)と連続的に形成されていることにより、ヘッド側接続部との接続性安定性に優れたものとすることができるからである。
このような第1リミッタの構成材料としては、具体的には、既に説明した図6および図7に示すように絶縁層2およびカバー層4からなる積層構造、図10に例示するように絶縁層2からなるもの、図11に例示するようにカバー層4からなるもの、図12に例示するように絶縁層2および配線層3を含み、表面が保護めっき層5により覆われてなる積層構造、図13に例示するように絶縁層2、配線層3およびカバー層4からなる積層構造等を含むものとすることができる。
なお、図12および図13に示すように、上記第1リミッタとして用いられる配線層3は、他の配線層と電気的に接続されていないダミー配線であることが好ましい。
また、上記第1リミッタが複数形成される場合には、各第1リミッタは同一の材料からなるものであっても良いが、異なる材料からなるものであっても良い。
なお、図10〜図13は、図6のX−X線断面図の他の例を示すものであり、図10〜図13中の符号については、図6と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、図7および図10〜13は、圧電素子接続部と同一の部材を含む例を示すものである。
上記第1リミッタの平面視形状としては、圧電素子の伸縮運動によっても上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部間の相対的な位置関係を所定の範囲内に抑制できるものであれば特に限定されるものではなく、曲線状、折れ曲がり形状等の任意の形状とすることができる。
上記第1リミッタの全長としては、圧電素子の伸縮運動によっても上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部間の相対的な位置関係を所定の範囲内に抑制できるものであれば特に限定されるものではなく、通常、ヘッド側接続部およびアウトリガー部との固定部の間の最長の直線距離よりも長い。また、第1リミッタの全長は、アウトリガー部に対するヘッド側接続部の位置関係が所望の範囲を超えて変形する前に張力が働く長さであることが好ましく、具体的には、上記最長の直線距離に対して110%〜130%の範囲内であることが好ましい。
また、上記第1リミッタの幅としては、例えば50μm〜400μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜300μmの範囲内であることがより好ましく、50μm〜200μmの範囲内であることがさらに好ましい。
上記第1リミッタの厚さとしては、圧電素子の伸縮運動によっても上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部間の相対的な位置関係を所定の範囲内に抑制できるものであれば特に限定されるものではなく、第1リミッタを構成する材料等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、5μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜18μmの範囲内であることがより好ましく、5μm〜12μmの範囲内であることがさらに好ましい。なお、上記第1リミッタが、本発明のサスペンション用基板を構成する部材から選択された部材からなる場合には、第1リミッタを構成する各部材の厚みの合計となる。
上記第1リミッタのヘッド側接続部との接続箇所の長手方向の位置としては、上記ヘッド側接続部のテール側端部よりヘッド側であれば特に限定されるものではない。
本発明においては、なかでも、上記接続箇所が上記ヘッド側接続部の長手方向中央部よりヘッド側に含まれることが好ましく、特に、上記ヘッド側接続部のヘッド側端部よりヘッド側に含まれることが好ましい。
また、上記第1リミッタの上記ヘッド側接続部との接続箇所の幅方向の位置としては、圧電素子の伸縮運動によっても上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部間の相対的な位置関係を所定の範囲内に抑制できるものであれば特に限定されるものではなく、圧電素子の大きさ等により適宜設定されるものである。
上記第1リミッタの上記ヘッド側接続部との接続箇所および上記第1リミッタの上記アウトリガー部との接続箇所の長手方向の距離が、0.030mm〜0.200mmの範囲内であることが好ましく、なかでも、0.040mm〜0.120mmの範囲内であることが好ましく、特に、0.060mm〜0.100mmの範囲内であることが好ましい。上記距離であることにより、上記圧電素子の伸縮動作を容易なものとすることができるからである。
なお、上記第1リミッタの上記アウトリガー部との接続箇所とは、上記第1開口領域により挟持される第1リミッタのヘッド側端部をいうものである。
また、上記両接続箇所の長手方向の距離は、具体的には、既に説明した図8中ので示される距離である。
上記ヘッド側接続部との接続箇所および上記アウトリガー部との接続箇所間のサスペンション用基板の長手方向に対する形成角度が、±60°の範囲内であることが好ましく、なかでも±30°の範囲内であることが好ましく、特に±0°、すなわち、上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部間の形成方向が上記長手方向と平行であることが好ましい。上記接続箇所であることにより、上記ヘッド側接続部および上記アウトリガー部間の相対的な位置関係を所定の範囲内に効果的に抑制できるからである。
なお、上記ヘッド側接続部との接続箇所および上記アウトリガー部との接続箇所間のサスペンション用基板の長手方向に対する形成角度とは、サスペンション用基板の長手方向に対する両接続箇所の幅方向の中心間を結ぶ方向とがなす角度をいうものである。具体的には、既に説明した図8中のβで示される角度をいうものである。
上記第1リミッタの数、すなわち、1つのヘッド側接続部に対して設けられた第1リミッタの接続箇所の数としては、1つのヘッド側接続部に対して1以上であれば良く、2以上であっても良いが、通常、1つである。
(2)第2リミッタ
本発明における第2リミッタは、上記テール側接続部および上記テール側接続部より上記サスペンション用基板のテール側に配置された後方部材を上記第2開口領域を介して接続するものである。
ここで、上記テール側接続部および上記後方部材を接続するものであるとは、上記テール側接続部および上記後方部材間に連続的に形成されたものであり、かつ、上記テール側接続部のヘッド側端部よりテール側の部位をいうものである。
また、上記第2開口領域を介して接続するとは、上記第2開口領域により挟持される第2リミッタのヘッド側端部であるテール側接続部との接続箇所が、上記テール側接続部のヘッド側端部よりテール側であることをいうものである。
上記後方部材としては、テール側接続部のよりテール側に配置された部位、より具体的には、上記テール側接続部のヘッド側端部よりテール側に配置された部位であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記リアアーム部、配線層および上記配線層を支持する絶縁層を有し、上記タング部を挟持する圧電素子接続部間を平面視上通過する配線部等を挙げることができ、なかでも本発明においては、上記リアアーム部に接続されることが好ましい。上記テール側接続部の上記後方部材に対する変動を効果的に抑制できるからである。
既に説明した図2は、上記後方部材がリアアーム部である場合の例を示すものである。
また、図14は、上記後方部材が上記配線部である場合の例を示すものである。
なお、図14中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記第2リミッタの上記テール側接続部との接続箇所の長手方向の位置としては、上記テール側接続部のヘッド側端部よりテール側であれば特に限定されるものではない。
本発明においては、なかでも、上記圧電素子接続部の上記テール側接続部の長手方向中央部よりテール側であることが好ましく、特に、上記圧電素子接続部の上記テール側接続部のテール側端部よりテール側であることが好ましい。上記接続箇所であることにより、上記テール側接続部および上記後方部材間の相対的な位置関係を効果的に所定の範囲内に抑制できるからである。
上記第2リミッタの構成材料、平面視形状、全長、幅、厚さ、上記テール側接続部との接続箇所の幅方向の位置、上記テール側接続部との接続箇所および後方部材との接続箇所の長手方向の距離、上記テール側接続部との接続箇所および後方部材との接続箇所間のサスペンション用基板の長手方向に対する形成角度ならびに数等については、上記第1リミッタと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.金属支持基板
本発明における金属支持基板は、タング部と、支持アーム部と、アウトリガー部と、リアアーム部と、を有するものである。
上記タング部は、磁気ヘッドスライダ等の素子を実装する部位である。
上記支持アーム部は上記タング部を支持するもの、より具体的には、タング部に対して幅方向から挟持するように接続することにより支持するものである。
上記支持アーム部のタング部の支持方法としては、上記支持アーム部が上記タング部と一体形成され、直接的に支持する方法であっても良く、接続部材を介してタング部と接続されることにより、間接的に支持する方法であっても良い。
本発明においては、なかでも、上記接続部材を介してタング部と接続されることが好ましく、なかでも、上記接続部材が上記圧電素子接続部であることが好ましい。圧電素子の伸縮動作によるタング部の位置等の微調整が容易だからである。
既に説明した図2は、上記支持アーム部が上記圧電素子接続部のヘッド側で接続し、上記圧電素子接続部を介してタング部を間接的に支持する例を示すものである。また、図15は、上記支持アーム部が上記圧電素子接続部のテール側で接続し、上記圧電素子接続部を介してタング部を間接的に支持する例を示すものである。
なお、図15中の符号については、図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記支持アーム部の上記タング部との支持経路としては、上記タング部を安定的に支持できるものであれば特に限定されるものではないが、上記支持アーム部および上記タング部間が最短となる経路が、上記圧電素子接続部に配置される圧電素子と平面視上交差しないもの、すなわち、上記ヘッド側接続部のテール側端部およびテール側接続部のヘッド側端部間を平面視上交差しないものであることが好ましい。
具体的には、上記支持アーム部の長手方向の形成箇所が、少なくとも上記ヘッド側接続部のテール側端部およびテール側接続部のヘッド側端部間の長手方向において上記ヘッド側接続部よりヘッド側またはテール側接続部よりテール側であることが好ましく、なかでも、上記ヘッド側接続部よりヘッド側であることが好ましい。圧電素子の伸縮動作が容易だからである。
また、上記支持アーム部が上記接続部材を介して上記タング部を支持する場合、上記接続部材との接続箇所が、上記ヘッド側接続部よりヘッド側またはテール側接続部よりテール側であることが好ましく、なかでも、上記ヘッド側接続部よりヘッド側であることが好ましい。圧電素子の伸縮動作が容易だからである。
なお、上記ヘッド側接続部よりヘッド側に形成されるとは、上記支持アーム部の全てが上記ヘッド側接続部よりヘッド側であることをいうものである。
また、上記支持アーム部の上記接続部材との接続箇所は、上記支持アーム部の、上記接続部材と平面視上重なる部位のうち、上記タング部との経路が最短となる箇所をいうものである。
上記アウトリガー部は、上記タング部のヘッド側に形成された第1開口領域を介して配置されたものである。タング部に対して、第1開口領域を介してアウトリガー部を配置することで、ディスクに対する素子の追従性を良好にすることができる。
上記リアアーム部は、上記タング部のテール側に形成された開口領域(第2開口領域)を介して配置され、上記支持アーム部および上記アウトリガー部に接続されたものである。
本発明における金属支持基板は、サスペンション用基板の支持体として機能するものである。金属支持基板の材料は、ばね性を有する金属であることが好ましく、具体的にはSUS等を挙げることができる。また、金属支持基板の厚さは、その材料の種類により異なるものであるが、例えば10μm〜20μmの範囲内である。
.絶縁層
本発明における絶縁層は、金属支持基板上に形成されるものである。絶縁層の材料は、絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば樹脂を挙げることができる。上記樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂を挙げることができ、中でもポリイミド樹脂が好ましい。絶縁性、耐熱性および耐薬品性に優れているからである。また、絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。絶縁層の厚さは、例えば5μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜18μmの範囲内であることがより好ましく、5μm〜12μmの範囲内であることがさらに好ましい。
.配線層
本発明における配線層は、絶縁層上に形成されるものである。配線層の材料は、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば金属を挙げることができ、中でも銅(Cu)が好ましい。また、配線層の材料は、圧延銅であっても良く、電解銅であっても良い。配線層の厚さは、例えば5μm〜18μmの範囲内であることが好ましく、9μm〜12μmの範囲内であることがより好ましい。また、配線層の一部の表面には、配線めっき部が形成されていることが好ましい。配線めっき部を設けることにより、配線層の劣化(腐食等)を防止できるからである。中でも、本発明においては、素子や外部回路基板との接続を行う端子部に配線めっき部が形成されていることが好ましい。配線めっき部の種類は特に限定されるものではないが、例えば、Auめっき、Niめっき、Agめっき等を挙げることができる。中でも、本発明においては、配線層の表面側から、NiめっきおよびAuめっきが形成されていることが好ましい。配線めっき部の厚さは、例えば0.1μm〜4μmの範囲内である。
また、本発明における配線層は、通常、ライト用配線層およびリード用配線層ならびに圧電素子と接続するアクチュエータ用配線層を有し、さらに必要に応じて、ノイズシールド用配線層、クロストーク防止用配線層、電源用配線層、グランド用配線層、フライトハイトコントロール用配線層、センサー用配線層、熱アシスト用配線層を有していても良い。
また、本発明のサスペンション用基板は、配線層を覆うように形成されたカバー層を有していても良い。カバー層を設けることにより、配線層の劣化(腐食等)を防止できる。カバー層の材料としては、例えば、上述した絶縁層の材料として記載した樹脂を挙げることができ、中でもポリイミド樹脂が好ましい。また、カバー層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。配線層上(配線層の上面で)のカバー層の厚さは、例えば2μm〜30μmの範囲内であり、中でも2μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、2μm〜15μmの範囲内であることがより好ましい。
.サスペンション用基板
本発明のサスペンション用基板は、上記金属支持基板、絶縁層、配線層、圧電素子接続部およびリミッタを少なくとも有するものであるが、必要に応じて他の部材を有するものであっても良い。
本発明のサスペンション用基板の製造方法としては、上記各構成を有するサスペンション用基板を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。
図16は、本発明のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。
なお、図16は、第1リミッタの材料が、絶縁層およびカバー層の材料と同一である態様である。
また、図16の左欄は図2のB−B線断面図およびD−D線断面図(第1リミッタおよび第2リミッタ)に相当する断面図であり、図16の右欄はC−C線断面図に相当する断面図である。図17においては、まず、金属支持部材1X、絶縁部材2Xおよび導体部材3Xがこの順に積層された積層部材を準備する(図16(a))。
次に、導体部材3Xに対して、ウェットエッチングによるパターニングを行い、配線層3を形成する(図16(b))。次に、配線層3を覆うようにカバー層4を形成する(図16(c))。
次に、カバー層4のエッチングレートが、絶縁部材2Xのエッチングレートよりも充分に小さい場合は、カバー層4をレジスト層として、絶縁部材2Xのエッチングを行うことができる。これにより、第1リミッタ、第2リミッタが形成される箇所に絶縁層2を形成する(図16(d))。なお、カバー層4のエッチングレートが、絶縁部材2Xのエッチングレートよりも充分に小さくない場合には、パターニングされたDFR(ドライフィルムレジスト)層を介して、絶縁部材2Xのエッチングを行うことが好ましい。
最後に、金属支持部材1Xをウェットエッチングする。これにより、第1リミッタ12aおよび第2リミッタ12bの下に存在する金属支持部材1Xを除去すると同時に、タング部、支持アーム部、アウトリガー部およびリアアーム部を有する金属支持基板1を形成し、サスペンション用基板を得る(図16(e))。
B.サスペンション
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用基板を含むことを特徴とするものである。
このような本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図を参照して説明する。図17は、本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図である。図17に示されるサスペンション20は、上述したサスペンション用基板10と、サスペンション用基板10の金属支持基板側の表面に設けられたロードビーム21とを有するものである。なお、図17においては、便宜上、圧電素子接続やリミッタの記載は省略している。圧電素子接続部等については、上述した図2等に記載した内容と同様である。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、精密なトラッキング動作を行うことができ、かつ、圧電素子の破損の少ないものとすることができる。
本発明のサスペンションは、少なくともサスペンション用基板を有し、通常は、さらにロードビームを有する。サスペンション用基板については、上記「A.サスペンション用基板」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、ロードビームは、一般的なサスペンションに用いられるロードビーム等と同様のものを用いることができる。
C.素子付サスペンション
次に、本発明の素子付サスペンションについて説明する。本発明の素子付サスペンションは、上述したサスペンションと、上記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図を参照して説明する。図18は、本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。図18に示される素子付サスペンション30は、上述したサスペンション20と、サスペンション20(サスペンション用基板20の素子実装領域)に実装された素子(記録再生用素子31および圧電素子(図示せず))とを有するものである。なお、図18においては、便宜上、圧電素子接続部やリミッタ等の記載は省略している。圧電素子接続部等については、上述した図2等に記載した内容と同様である。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、精密なトラッキング動作を行うことができ、かつ、圧電素子の破損の少ないものとすることができる。
本発明の素子付サスペンションは、少なくともサスペンションおよび素子を有するものである。サスペンションについては、上記「B.サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、素子実装領域に実装される素子としては、例えば、記録再生用素子および圧電素子を挙げることができる。
記録再生用素子としては、特に限定されるものではないが、磁気発生素子を有するものが好ましい。具体的には、磁気ヘッドスライダを挙げることができる。
また、圧電素子としては、例えばマイクロアクチュエータ、ミニアクチュエータが該当する。圧電素子としては、例えばピエゾ素子を挙げることができる。ピエゾ素子としては、例えばPZTからなるものを挙げることができる。ピエゾ素子の伸縮応答を利用することで、サブミクロン単位での位置決めを行うことができる。また、ピエゾ素子には、エネルギー効率が高い、耐荷重が大きい、応答性が速い、摩耗劣化がない、磁場が発生しないという利点がある。
D.ハードディスクドライブ
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述した素子付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、精密なトラッキング動作を行うことができ、かつ、圧電素子の破損の少ないものとすることができる。
図19は、本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。図19に示されるハードディスクドライブ40は、上述した素子付サスペンション30と、素子付サスペンション30がデータの書き込みおよび読み込みを行うディスク41と、ディスク41を回転させるスピンドルモータ42と、素子付サスペンション30の素子を移動させるアクチュエータアーム43およびボイスコイルモータ44と、上記の部材を密閉するケース45とを有するものである。
本発明のハードディスクドライブは、少なくとも素子付サスペンションを有し、通常は、さらにディスク、スピンドルモータ、アクチュエータアームおよびボイスコイルモータを有する。素子付サスペンションについては、上記「C.素子付サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、その他の部材についても、一般的なハードディスクドライブに用いられる部材と同様のものを用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
まず、厚さ18μmのSUS304(金属支持部材)、厚さ10μmのポリイミド樹脂層(絶縁部材)、厚さ9μmの電解銅層(導体部材)を有する積層部材を準備した(図16(a))。次に、ドライフィルムレジストを積層部材の両面にラミネートし、レジストパターンを形成した。次に、塩化第二鉄液を用いてエッチングし、エッチング後レジスト剥膜を行った。これにより、導体部材から配線層を形成すると同時に、第1リミッタおよび第2リミッタとなる位置の絶縁部材上の導体部材を除去した(図16(b))。なお、図示しないが、金属支持部材には治具孔を形成した。
その後、パターニングされた配線層を覆うように、ポリイミド前駆体溶液をダイコーターでコーティングした。乾燥後、レジスト製版し現像と同時にポリイミド前駆体膜をエッチングし、その後、窒素雰囲気下、加熱することにより硬化(イミド化)させ、カバー層を形成した(図16(c))。次に、絶縁部材をパターニングするために、レジスト製版し、露出する部位のポリイミド樹脂をウェットエッチングで除去し、絶縁層を形成した(図16(d))。
その後、電解めっき法により、配線層の端子部に、配線めっき部(Auめっき部)を形成した。最後に、金属支持部材にウェットエッチングを行い、第1リミッタおよび第2リミッタを形成する箇所の下に存在する金属支持部材を除去すると同時に、タング部、支持アーム部、アウトリガー部を有する金属支持基板を形成し、絶縁層およびカバー層が積層した積層構造を有する第1リミッタおよび第2リミッタを形成した(図16(e))。これにより、サスペンション用基板を得た。
なお、第1リミッタおよび第2リミッタの、第1開口領域および第2開口領域上の幅は、それぞれ0.040mmとした。
[実施例2]
第1リミッタおよび第2リミッタを形成する箇所にカバー層を形成しなかった以外、すなわち、第1リミッタおよび第2リミッタを絶縁層のみからなるものとした以外は、実施例1と同様にしてサスペンション用基板を得た。
[比較例1]
第1開口領域および第2開口領域上に第1リミッタおよび第2リミッタを形成しなかった以外は、実施例1と同様にしてサスペンション用基板を得た。
[比較例2]
第1開口領域上に第1リミッタを形成し、第2開口領域上に第2リミッタを形成しなかった以外は、実施例1と同様にしてサスペンション用基板を得た。
[比較例3]
第2開口領域上に第2リミッタを形成し、第1開口領域上に第1リミッタを形成しなかった以外は、実施例1と同様にしてサスペンション用基板を得た。
[評価]
実施例および比較例で得られたサスペンション用基板のヘッド側接続部およびテール側接続部に圧電素子を固定して、ハードディスクを製造した。次いで、ハードディスクを回転させた状態で圧電素子により磁気ヘッドスライダを微小に動かす精密トラッキング試験を行った。
その結果、実施例では、圧電素子の伸縮動作をした場合であっても、圧電素子が割れる不具合は生じなかった。
一方、比較例では、圧電素子が割れる不具合が生じた。
1…金属支持基板
2…絶縁層
3…配線層
4…カバー層
5…保護めっき層
10…サスペンション用基板
11…圧電素子接続部
11a…ヘッド側接続部
11b…テール側接続部
12a…第1リミッタ
12b…第2リミッタ
20…サスペンション
21…ロードビーム
30…素子付サスペンション
40…ハードディスクドライブ

Claims (6)

  1. 金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、
    前記金属支持基板は、タング部と、前記タング部を支持する支持アーム部と、前記タング部のヘッド側に形成された第1開口領域を介して配置されたアウトリガー部と、前記タング部のテール側に形成された第2開口領域を介して配置され、前記支持アーム部および前記アウトリガー部に接続されたリアアーム部と、を有し、
    前記サスペンション用基板の幅方向に前記タング部を挟持するように前記タング部に接続された圧電素子接続部が形成され、
    前記圧電素子接続部は、前記ヘッド側およびテール側に、圧電素子の両端が固定されるヘッド側接続部およびテール側接続部を有し、
    前記ヘッド側接続部および前記アウトリガー部を前記第1開口領域を介して接続する第1リミッタが形成され、
    前記テール側接続部および前記テール側接続部よりテール側に配置された後方部材を前記第2開口領域を介して接続する第2リミッタが形成されており、
    前記ヘッド側接続部および前記テール側接続部が、前記タング部の外縁部より前記幅方向に外側に形成されていることを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 前記第1リミッタおよび前記第2リミッタの両方が、前記絶縁層およびカバー層のいずれかのみ、または両方のみからなる積層構造である特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  3. 前記第1リミッタまたは前記第2リミッタのうちの少なくとも一方が、前記絶縁層、前記配線層、および保護めっき層からなる積層構造、または前記絶縁層、前記配線層、およびカバー層からなる積層構造であり、
    前記積層構造に含まれる前記配線層はダミー配線層であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のサスペンション用基板を含むことを特徴とするサスペンション。
  5. 請求項に記載のサスペンションと、前記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンション。
  6. 請求項に記載の素子付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
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