JP6159556B2 - 非水系二次電池、並びに非水系二次電池用難燃剤及び添加剤 - Google Patents

非水系二次電池、並びに非水系二次電池用難燃剤及び添加剤 Download PDF

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Description

本発明は、非水系二次電池、並びに非水系二次電池用難燃剤及び添加剤に関する。更に詳しくは、本発明は、優れた電池性能を有し、かつ高い安全性を有する非水系二次電池、並びに非水系二次電池用難燃剤及び添加剤に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化はめざましく進展し、この進展に伴い、これら電子機器に使用される二次電池には、よりエネルギー密度を高めることが求められている。その要求に答えうる二次電池の一つとして、リチウムイオン二次電池のような非水電解液を使用した二次電池(以下、非水系二次電池)がある。
非水電解液は、リチウム塩のような電解質塩と、非水系溶媒とから構成されている。非水系溶媒には、動作環境によらず、高い誘電率を有すること、酸化電位が高いこと、電池中で安定であること等が要求されている。
そのような非水系溶媒として、非プロトン性溶媒が使用され、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状炭酸エステル類、γ−ブチロラクトンのような環状カルボン酸エステル類等の高誘電率溶媒、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル類、ジメトキシエタンのようなエーテル類等の低粘度溶媒が知られている。また、通常、高誘電率溶媒と低粘度溶媒とは組み合わせて使用されている。
しかし、非水系二次電池は、電池の破損や他の何らかの原因により、内部の圧力が上昇するような異常により非水電解液が漏洩することがある。漏洩した非水電解液は、正極と負極との短絡によって、引火や燃焼することがある。また、非水系二次電池の発熱により、有機溶媒をベースとする非水系溶媒が気化及び/又は分解してガスを発生させることがある。発生したガスは、発火したり、非水系二次電池を破裂させたりするという問題があった。これらの問題を解決するために、非水電解液に電位発泡剤(例えば実施例では5−フェニルテトラゾールが挙げられている)を添加する技術が提案されている(特開2006−73308号公報:特許文献1)。特許文献1では、電位発泡剤は、所定の過充電電位で発泡することで、電池の内圧を上昇させて、電池の安全機構を確実に作動させる役割を有するとされている。
特開2006−73308号公報
近年の非水系二次電池に対する安全性の要求の高まりから、特許文献1に記載された電位発泡剤でも十分ではなく、更なる電池性能の悪化の抑制と難燃性の向上とが望まれている。
本発明の発明者等は、鋭意検討した結果、分子内にできるだけ多くの窒素原子を含有する環状化合物を非水電解液に含有させれば、電池に充分な難燃性を発現させることができ、その結果、非水系二次電池の異常加熱時における安全性・信頼性を確保できることを意外にも見出し、本発明に至った。
かくして本発明によれば、正極と、負極と、非水電解液とを備え、上記非水電解液中に下記一般式(1)
(式中、 1 が炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であって、かつR 2 が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であるか、あるいは前記R 1 及びR 2 が互いに結合し、メチレン基を含む環構造である
で表される環状窒素含有化合物を少なくとも含有することを特徴とする非水系二次電池が提供される。
また、本発明によれば、一般式(1)
(式中、 1 が炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であって、かつR 2 が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であるか、あるいは前記R 1 及びR 2 が互いに結合し、メチレン基を含む環構造である
で表される環状窒素含有化合物からなる非水系二次電池用難燃剤が提供される。
更に、本発明によれば、上記非水系二次電池用難燃剤と、下記一般式(2)
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシ基、低級アラルキル基、複素環基及びアリール基から選択される)
で表されるメチレンビススルホネート誘導体とからなる非水系二次電池用添加剤が提供される。
本発明によれば、分子内に窒素−窒素不飽和結合を含有する環状化合物を非水電解液に含有させることで、非水系二次電池に充分な難燃性を発現させることができる。その結果、短絡、過充電、他の何らかの原因により非水系二次電池の内部温度が上昇するような異常時にも、熱暴走する危険性を低減できる。
非水電解液中に、更に下記一般式(2)
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシ基、低級アラルキル基、複素環基及びアリール基から選択される)
で表されるメチレンビススルホネート誘導体を含有する場合、難燃性が向上し、メチレンビススルホネート誘導体が負極表面に緻密な皮膜を形成するため、更に負荷特性・サイクル特性に優れた非水系二次電池を提供できる。
また、一般式(1)で表される環状窒素含有化合物におけるR2が、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基及びアリール基から選択されるか、又は一般式(1)で表される環状窒素含有化合物におけるR1と互いに結合し、かつメチレン基、ビニレン基、及び複素原子を含む2価の連結基のいずれかを含む環構造から選択されるものである場合、更に難燃性が向上し、負荷特性・サイクル特性に優れた非水系二次電池を提供できる。
更に、一般式(1)で表される環状窒素含有化合物におけるR1及びR2において、低級アルキル基及び低級アルコキシ基が炭素数1〜6のアルキル基及びアルコキシ基であり、低級アルケニル基が炭素数2〜6のアルケニル基である場合、更に難燃性が向上し、負荷特性・サイクル特性に優れた非水系二次電池を提供できる。
また、一般式(1)で表される環状窒素含有化合物におけるR1及びR2において、R1が炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であって、かつR2が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であるか、あるいはR1及びR2が互いに結合し、メチレン基を含む環構造である場合、更に難燃性が向上し、負荷特性・サイクル特性に優れた非水系二次電池を提供できる。
更に、一般式(2)で表されるメチレンビススルホネート誘導体におけるR3及びR4において、低級アルキル基及び低級アルコキシ基が炭素数1〜6のアルキル基及びアルコキシ基であり、低級アルケニル基及び低級アルキニル基が炭素数2〜8のアルケニル基及びアルキニル基であり、低級アラルキル基が炭素数7〜15のアラルキル基であり、アリール基が炭素数6〜10のアリール基である場合、更に難燃性が向上し、負荷特性・サイクル特性に優れた非水系二次電池を提供できる。
また、一般式(2)で表されるメチレンビススルホネート誘導体におけるR3及びR4において、R3及びR4が炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基又はアリール基である場合、更に難燃性が向上し、負荷特性・サイクル特性に優れた非水系二次電池を提供できる。
更に、一般式(1)で表される環状窒素含有化合物が、非水電解液中に、1〜60体積%含まれ、及び/又は、一般式(2)で表されるメチレンビススルホネート誘導体が、非水電解液中に、0.01〜2体積%含まれる場合、更に難燃性が向上し、負荷特性・サイクル特性に優れた非水系二次電池を提供できる。
また、非水電解液が、有機溶媒としてのジエチルカーボネートを含む場合、更に難燃性が向上し、負荷特性・サイクル特性に優れた非水系二次電池を提供できる。
本発明の非水系二次電池は、正極と、負極と、非水電解液とを備えている。特に、本発明は、非水電解液中に、以下の一般式(1)の構造の環状窒素含有化合物としての難燃剤を含有していることを特徴の1つとしている。尚、非水電解液は、環状窒素含有化合物及び電解質塩を含む。
(a)非水電解液
(環状窒素含有化合物)
一般式(1)の構造の環状窒素含有化合物が難燃性を示す機構は、非水系二次電池の熱暴走(火元が発生する)時に熱により分解し、窒素(N2)ガスを発生し、その結果、周囲の酸素濃度を低下させることにより火元を消す(窒息消火)機構であると発明者等は考えている。そのような機構を実現するために、環状窒素含有化合物は、環ができるだけ多くの窒素原子から構成されていることが必要である。
本発明で使用される環状窒素含有化合物は、一般式(1)
(式中、R1は、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基及びアリール基から選択され、R2は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基及びアリール基から選択されるか、又はR1及びR2は、互いに結合し、かつメチレン基、ビニレン基、及び複素原子を含む2価の連結基のいずれかを含む環構造から選択される)で表される。
上記R1及びR2の例示において、R2は水素原子を含みうるが、R1は水素原子を含まない。その理由を以下に記載する。
すなわち、一般式(1)で表される環状窒素含有化合物において、窒素原子に結合する官能基R1に水素原子を選択した場合、電解液中のリチウムイオン(カチオン)により窒素原子に結合した水素原子が脱プロトン化することがある。脱プロトン化後の一般式(1)の化合物はアニオンとなり、錯形成する可能性が生じる。その結果、この錯体により、リチウムイオン二次電池が本来の動作をしない可能性が高くなる、と発明者等は考えている。
上記R1及びR2の例示において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記R1及びR2の例示において、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。また、低級アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基が挙げられる。更に、低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。
上記R1及びR2の例示における低級アルコキシカルボニル基及び低級アルキルカルボニル基において、カルボニル基に結合する低級アルコキシ基由来のもの及びカルボニル基に結合する低級アルキル基由来のものは、上記低級アルコキシ基及び低級アルキル基で例示したものと同様のものが挙げられる。すなわち、低級アルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基が挙げられ、低級アルキルカルボニル基の具体例としては、エタノイル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニル基が挙げられる。
上記低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基及び低級アルキルカルボニル基における具体例には、例えば直鎖状、分枝状、環状等の構造異性体も含まれる。これらの基は、合成容易性及び難燃性向上の観点から、直鎖状であることが好ましい。
上記R1及びR2の例示において、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。
上記のように例示されたR1及びR2は、同一でも、異なっていてもよい(但し、R1は水素原子の選択は不可である)。
上記のように例示されたR1としては、低級アルキル基及びアリール基が好ましく、なかでも、炭素数1〜3のアルキル基及びフェニル基がより好ましい。
上記のように例示されたR2としては、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基及びアリール基から選択されるものが好ましく、なかでも、水素原子及び低級アルキル基がより好ましく、そのなかでも、水素原子及び炭素数1〜3のアルキル基が更に好ましい。
更に、R1及びR2は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。環構造を構成する原子数(但し、置換基を除く)は、例えば3〜10の範囲である。この環構造には、メチレン基、ビニレン基、及び複素原子を含む2価の連結基のいずれかが含まれる。複素原子を含む2価の連結基は、例えばアゾ基、エポキシ基、エピチオ基、イミノ基等が挙げられる。これら環構造の内、合成の容易性の観点から、飽和の環構造、すなわち、メチレン基を含む環構造が好ましく、なかでも、メチレン基のみからなり、環構造を構成する原子数が5〜7の環構造がより好ましい。
1及びR2の内、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、アリール基、メチレン基、ビニレン基及び環構造において、置換可能位置がある場合、置換基を有していてもよい。アリール基の置換基としては、塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基等が挙げられる。アリール基以外の基の置換基としては、塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。置換基の位置及び個数は特に限定されない。環状窒素含有化合物は、置換位置異性体の混合物であってもよい。
一般式(1)で表される環状窒素含有化合物のなかでも、R1が炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であって、かつR2が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であるか、あるいはR1及びR2が互いに結合し、メチレン基を含む環構造である環状窒素含有化合物が好ましい。
環状窒素含有化合物は、分解温度以上の加熱で、窒素ガスを生じる化合物である。当該分解温度は、通常の非水系二次電池を使用する動作環境温度よりも高い温度であることが好ましく、具体的には、100〜350℃が好ましく、140〜320℃がより好ましい。
具体的な環状窒素含有化合物としては、5−エチル−1−メチル−1H−テトラゾール、1−メチル−1H−テトラゾール、1,5−ジ−n−プロピル−1H−テトラゾール、5−メチル−1−フェニル−1H−テトラゾール、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−テトラゾール[1,5−a]アゼピン等が挙げられる。
環状窒素含有化合物は、例えば市販品を用いてもよいし、下記反応式を経ることにより得ることができる。
具体的には、例えば環状窒素含有化合物は、El-Ahl,A.A.S.;Elmorsy,S.S.;Solimman,H.;Amer,F.A.,Tetrahedron Lett.,(1995)36,7337に記載の方法により、R1及びR2を有するケトン、四塩化ケイ素及びアジ化ナトリウムを室温で反応させることにより合成することができ(上記文献の7337頁式1)、R1とR2とが環構造を有するものも、R1とR2とが環構造を有するケトンを用いることで合成することができる(上記文献の7337頁式2)。また、下記反応式を経ることによっても、環状窒素含有化合物を合成することができる(例えばCasey,M;Moody,C.J.;Rees,C.W.,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,(1987),1389に記載の方法(Scheme 2の反応経路i及びiii)等)。
(メチレンビススルホネート誘導体)
高容量である非水系二次電池を得るためには、初回充電時において、主に負極表面における非水電解液の不可逆な反応を抑制することが重要である。更に、良好なサイクル特性を有する非水系二次電池を得るためには、充放電を繰り返した際にも安定であり、かつ緻密な皮膜を形成する必要がある。このような皮膜を形成するために、本発明では、非水電解液中に、以下の一般式(2)の構造のメチレンビススルホネート誘導体が含まれていることが好ましい。この特定構造のメチレンビススルホネート誘導体は、負極活物質中へのリチウムイオンの脱挿入を阻害しない皮膜を負極活物質に形成することができ、皮膜形成剤としての役割を果たすと発明者等は考えている。
式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシ基、低級アラルキル基、複素環基及びアリール基から選択される。
上記R3及びR4の例示において、低級アルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、なかでも、直鎖状又は環状のものが好ましい。具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、なかでも、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状又は環状のアルキル基が好ましい。
当該低級アルキル基は、例えばアシル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。置換基は、アルキル基の置換可能位置の一部又は全てに存在していてもよい。
上記低級アルキル基の置換基において、アシル基としては、通常炭素数2〜6のものが挙げられ、具体的には、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイルオキシ基等が挙げられる。
上記低級アルキル基の置換基において、アルコキシ基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数1〜4のものが挙げられ、具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
上記低級アルキル基の置換基において、アリールオキシ基としては、通常炭素数6〜10のものが挙げられ、具体的には、例えばフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
上記低級アルキル基の置換基において、アシルオキシ基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜3のカルボン酸由来のものが挙げられ、具体的には、例えばアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基等の脂肪族飽和カルボン酸由来のもの、例えばアクリロイルオキシ基、プロピオロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基、イソクロトノイルオキシ基、ペンテノイルオキシ基、ヘキセノイルオキシ基等の脂肪族不飽和カルボン酸由来のもの等が挙げられる。
上記低級アルキル基の置換基において、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記R3及びR4の例示において、低級アルケニル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜4、より好ましくは炭素数2〜3のものが挙げられる。具体的には、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、1−オクテニル基、2−オクテニル基、3−オクテニル基、4−オクテニル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、1−シクロヘプテニル基、1−シクロオクテニル基等の炭素数2〜8のアルケニル基が挙げられ、なかでも、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基等の炭素数2〜4のアルケニル基が好ましく、そのなかでも、例えばビニル基、アリル基等の炭素数2〜3のアルケニル基がより好ましい。
当該低級アルケニル基は、例えばアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基等の置換基を有していてもよい。
上記低級アルケニル基の置換基において、アルキル基としては、炭素数1〜6のものが挙げられ、なかでも、炭素数1〜4のものが好ましく、そのなかでも、炭素数1〜2のものがより好ましく、その具体例としては、R3及びR4の例示における低級アルキル基の具体例と同様のものが挙げられる。
上記低級アルケニル基の置換基において、アリール基としては、炭素数6〜10のものが挙げられ、具体的には、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記低級アルケニル基の置換基において、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基及びアシルオキシ基としては、R3及びR4の例示における低級アルキル基の置換基として挙げられるアシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基及びアシルオキシ基の具体例と同様のものが挙げられる。
上記R3及びR4の例示において、低級アルキニル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜4、より好ましくは炭素数3のものが挙げられる。具体的には、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、1−メチル−3−ブチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、2−メチル−4−ペンチニル基、1−へプチニル基、2−へプチニル基、3−へプチニル基、1−オクチニル基、2−オクチニル基、3−オクチニル基、4−オクチニル基等の炭素数2〜8のアルキニル基が挙げられ、なかでも、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基等の炭素数2〜4のアルキニル基が好ましく、そのなかでも、例えば2−プロピニル基等の炭素数3のアルキニル基がより好ましい。
上記R3及びR4の例示において、低級アルコキシ基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2のものが挙げられる。具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、なかでも、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、そのなかでも、例えばメトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜2のアルコキシ基がより好ましい。
上記R3及びR4の例示において、低級アラルキル基としては、通常炭素数7〜15、好ましくは炭素数7〜10、より好ましくは炭素数7のものが挙げられる。具体的には、例えばベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、フェニルブチル基、1−メチル−3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等の炭素数7〜15のアラルキル基が挙げられ、なかでも、例えばベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等の炭素数7〜10のアラルキル基が好ましく、そのなかでも、炭素数7のベンジル基がより好ましい。
上記R3及びR4の例示において、複素環基としては、例えば5員環又は6員環であり、1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいるもの等が挙げられる。具体的には、例えばチエニル基、ピロリル基等の脂肪族複素環基が挙げられる。
当該複素環基は置換基を有してもよい。置換基としては、アルキル基、エチレンジオキシ基等が挙げられる。当該アルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数1〜3のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
上記R3及びR4の例示において、アリール基としては、通常炭素数6〜14、好ましくは炭素数6〜10のものが挙げられる。具体的には、例えばフェニル基、インデニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等の炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、なかでも、例えばフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
当該アリール基は置換基を有してもよい。置換基の数は、1〜アリール基の置換可能位置数の間であり、例えばフェニル基の場合、1〜5であり、ナフチル基の場合、1〜7である。
当該置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルケニルオキシ基、炭素数2〜8のアルキニル基、炭素数2〜8のアルキニルオキシ基、炭素数1〜18のアルキルシリル基、炭素数1〜18のアルキルシリルオキシ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6のアシルオキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
上記アリール基の置換基において、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、なかでも、フッ素原子が好ましい。
上記アリール基の置換基において、炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、なかでも、直鎖状のものが好ましく、通常炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2のものが挙げられる。具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、なかでも、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、そのなかでも、例えばメチル基、エチル基等の炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。
上記アリール基の置換基において、炭素数1〜6のハロアルキル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)で置換されたものが挙げられる。具体的には、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、トリフルオロプロピル基、ジ(トリフルオロメチル)メチル基、ヘプタフルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、ノナフルオロブチル基、5−フルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基(−CH2(CF24H)、パーフルオロペンチル基、6−フルオロヘキシル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、ペンタクロロエチル基、3−クロロプロピル基、トリクロロプロピル基、ジ(トリクロロメチル)メチル基、ヘプタクロロプロピル基、4−クロロブチル基、ノナクロロブチル基、5−クロロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタクロロペンチル基(−CH2(CCl24H)、パークロロペンチル基、6−クロロヘキシル基、パークロロヘキシル基、ブロモメチル基、トリブロモメチル基、2−ブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、3−ブロモプロピル基、トリブロモプロピル基、ジ(トリブロモメチル)メチル基、ヘプタブロモプロピル基、4−ブロモブチル基、ノナブロモブチル基、5−ブロモペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタブロモペンチル基(−CH2(CBr24H)、パーブロモペンチル基、6−ブロモヘキシル基、パーブロモヘキシル基、ヨードメチル基、トリヨードメチル基、2−ヨードエチル基、ペンタヨードエチル基、3−ヨードプロピル基、トリヨードプロピル基、ジ(トリヨードメチル)メチル基、ヘプタヨードプロピル基、4−ヨードブチル基、ノナヨードブチル基、5−ヨードペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタヨードペンチル基(−CH2(CI24H)、パーヨードペンチル基、6−ヨードヘキシル基、パーヨードヘキシル基等の炭素数1〜6のハロアルキル基が挙げられ、なかでも、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、トリフルオロプロピル基、ジ(トリフルオロメチル)メチル基、ヘプタフルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、ノナフルオロブチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、ペンタクロロエチル基、3−クロロプロピル基、トリクロロプロピル基、ジ(トリクロロメチル)メチル基、ヘプタクロロプロピル基、4−クロロブチル基、ノナクロロブチル基、ブロモメチル基、トリブロモメチル基、2−ブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、3−ブロモプロピル基、トリブロモプロピル基、ジ(トリブロモメチル)メチル基、ヘプタブロモプロピル基、4−ブロモブチル基、ノナブロモブチル基、ヨードメチル基、トリヨードメチル基、2−ヨードエチル基、ペンタヨードエチル基、3−ヨードプロピル基、トリヨードプロピル基、ジ(トリヨードメチル)メチル基、ヘプタヨードプロピル基、4−ヨードブチル基、ノナヨードブチル基等の炭素数1〜4のハロアルキル基が好ましく、そのなかでも、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモメチル基、トリブロモメチル基、2−ブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、ヨードメチル基、トリヨードメチル基、2−ヨードエチル基、ペンタヨードエチル基等の炭素数1〜2のハロアルキル基がより好ましい。
上記アリール基の置換基において、炭素数1〜6のアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2のものが挙げられる。具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、なかでも、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、そのなかでも、例えばメトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜2のアルコキシ基がより好ましい。
上記アリール基の置換基において、炭素数2〜8のアルケニル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜4のものが挙げられる。具体的には、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、1−オクテニル基、2−オクテニル基、3−オクテニル基、4−オクテニル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、1−シクロヘプテニル基、1−シクロオクテニル基等の炭素数2〜8のアルケニル基が挙げられ、なかでも、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基等の炭素数2〜4のアルケニル基が好ましい。
上記アリール基の置換基において、炭素数2〜8のアルケニルオキシ基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜4のものが挙げられる。具体的には、例えばビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、1−ブテニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、2−メチルアリルオキシ基、1−ペンテニルオキシ基、2−ペンテニルオキシ基、2−メチル−2−ブテニルオキシ基、1−ヘキセニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基、3−ヘキセニルオキシ基、2−メチル−2−ペンテニルオキシ基、1−ヘプテニルオキシ基、2−ヘプテニルオキシ基、3−ヘプテニルオキシ基、1−オクテニルオキシ基、2−オクテニルオキシ基、3−オクテニルオキシ基、4−オクテニルオキシ基、1−シクロブテニルオキシ基、1−シクロペンテニルオキシ基、1−シクロヘキセニルオキシ基、1−シクロヘプテニルオキシ基、1−シクロオクテニルオキシ基等の炭素数2〜8のアルケニルオキシ基が挙げられ、なかでも、例えばビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、1−ブテニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、2−メチルアリルオキシ基等の炭素数2〜4のアルケニルオキシ基が好ましい。
上記アリール基の置換基において、炭素数2〜8のアルキニル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜4のものが挙げられる。具体的には、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、1−メチル−3−ブチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、2−メチル−4−ペンチニル基、1−へプチニル基、2−へプチニル基、3−へプチニル基、1−オクチニル基、2−オクチニル基、3−オクチニル基、4−オクチニル基等の炭素数2〜8のアルキニル基が挙げられ、なかでも、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基等の炭素数2〜4のアルキニル基が好ましい。
上記アリール基の置換基において、炭素数2〜8のアルキニルオキシ基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜4のものが挙げられる。具体的には、例えばエチニルオキシ基、1−プロピニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基、1−ブチニルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基、1−ペンチニルオキシ基、2−ペンチニルオキシ基、1−メチル−3−ブチニルオキシ基、1−ヘキシニルオキシ基、2−ヘキシニルオキシ基、3−ヘキシニルオキシ基、2−メチル−4−ペンチニルオキシ基、1−へプチニルオキシ基、2−へプチニルオキシ基、3−へプチニルオキシ基、1−オクチニルオキシ基、2−オクチニルオキシ基、3−オクチニルオキシ基、4−オクチニルオキシ基等の炭素数2〜8のアルキニルオキシ基が挙げられ、なかでも、例えばエチニルオキシ基、1−プロピニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基、1−ブチニルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基等の炭素数2〜4のアルキニルオキシ基が好ましい。
上記アリール基の置換基において、炭素数1〜18のアルキルシリル基としては、シリル基中の1〜3個の水素原子が通常炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2のアルキル基で置換されたものが挙げられ、当該アルキル基は、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよい。具体的には、例えばメチルシリル基、エチルシリル基、n−プロピルシリル基、イソプロピルシリル基、n−ブチルシリル基、イソブチルシリル基、sec−ブチルシリル基、tert−ブチルシリル基、ネオブチルシリル基、n−ペンチルシリル基、イソペンチルシリル基、sec−ペンチルシリル基、tert−ペンチルシリル基、ネオペンチルシリル基、n−ヘキシルシリル基、イソヘキシルシリル基、sec−ヘキシルシリル基、tert−ヘキシルシリル基、ネオヘキシルシリル基、シクロプロピルシリル基、シクロブチルシリル基、シクロペンチルシリル基、シクロヘキシルシリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジ−n−プロピルシリル基、ジイソプロピルシリル基、ジ−n−ブチルシリル基、ジイソブチルシリル基、ジ−sec−ブチルシリル基、ジ−tert−ブチルシリル基、ジネオブチルシリル基、ジ−n−ペンチルシリル基、ジイソペンチルシリル基、ジ−sec−ペンチルシリル基、ジ−tert−ペンチルシリル基、ジネオペンチルシリル基、ジ−n−ヘキシルシリル基、ジイソヘキシルシリル基、ジ−sec−ヘキシルシリル基、ジ−tert−ヘキシルシリル基、ジネオヘキシルシリル基、ジシクロプロピルシリル基、ジシクロブチルシリル基、ジシクロペンチルシリル基、ジシクロヘキシルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリネオブチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリイソペンチルシリル基、トリ−sec−ペンチルシリル基、トリ−tert−ペンチルシリル基、トリネオペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリイソヘキシルシリル基、トリ−sec−ヘキシルシリル基、トリ−tert−ヘキシルシリル基、トリネオヘキシルシリル基、トリシクロプロピルシリル基、トリシクロブチルシリル基、トリシクロペンチルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、ジメチルエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基等のシリル基中の1〜3個の水素原子が炭素数1〜6のアルキル基で置換されたアルキルシリル基が挙げられ、なかでも、例えばメチルシリル基、エチルシリル基、n−プロピルシリル基、イソプロピルシリル基、n−ブチルシリル基、イソブチルシリル基、sec−ブチルシリル基、tert−ブチルシリル基、ネオブチルシリル基、シクロプロピルシリル基、シクロブチルシリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジ−n−プロピルシリル基、ジイソプロピルシリル基、ジ−n−ブチルシリル基、ジイソブチルシリル基、ジ−sec−ブチルシリル基、ジ−tert−ブチルシリル基、ジネオブチルシリル基、ジシクロプロピルシリル基、ジシクロブチルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリネオブチルシリル基、トリシクロプロピルシリル基、トリシクロブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基等のシリル基中の1〜3個の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されたアルキルシリル基が好ましく、そのなかでも、例えばメチルシリル基、エチルシリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルエチルシリル基等のシリル基中の1〜3個の水素原子が炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアルキルシリル基がより好ましい。
上記アリール基の置換基において、炭素数1〜18のアルキルシリルオキシ基としては、シリル基中の1〜3個の水素原子が通常炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2のアルキル基で置換されたものが挙げられ、当該アルキル基は、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよい。具体的には、例えばメチルシリルオキシ基、エチルシリルオキシ基、n−プロピルシリルオキシ基、イソプロピルシリルオキシ基、n−ブチルシリルオキシ基、イソブチルシリルオキシ基、sec−ブチルシリルオキシ基、tert−ブチルシリルオキシ基、ネオブチルシリルオキシ基、n−ペンチルシリルオキシ基、イソペンチルシリルオキシ基、sec−ペンチルシリルオキシ基、tert−ペンチルシリルオキシ基、ネオペンチルシリルオキシ基、n−ヘキシルシリルオキシ基、イソヘキシルシリルオキシ基、sec−ヘキシルシリルオキシ基、tert−ヘキシルシリルオキシ基、ネオヘキシルシリルオキシ基、シクロプロピルシリルオキシ基、シクロブチルシリルオキシ基、シクロペンチルシリルオキシ基、シクロヘキシルシリルオキシ基、ジメチルシリルオキシ基、ジエチルシリルオキシ基、ジ−n−プロピルシリルオキシ基、ジイソプロピルシリルオキシ基、ジ−n−ブチルシリルオキシ基、ジイソブチルシリルオキシ基、ジ−sec−ブチルシリルオキシ基、ジ−tert−ブチルシリルオキシ基、ジネオブチルシリルオキシ基、ジ−n−ペンチルシリルオキシ基、ジイソペンチルシリルオキシ基、ジ−sec−ペンチルシリルオキシ基、ジ−tert−ペンチルシリルオキシ基、ジネオペンチルシリルオキシ基、ジ−n−ヘキシルシリルオキシ基、ジイソヘキシルシリルオキシ基、ジ−sec−ヘキシルシリルオキシ基、ジ−tert−ヘキシルシリルオキシ基、ジネオヘキシルシリルオキシ基、ジシクロプロピルシリルオキシ基、ジシクロブチルシリルオキシ基、ジシクロペンチルシリルオキシ基、ジシクロヘキシルシリルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリ−n−プロピルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、トリ−n−ブチルシリルオキシ基、トリイソブチルシリルオキシ基、トリ−sec−ブチルシリルオキシ基、トリ−tert−ブチルシリルオキシ基、トリネオブチルシリルオキシ基、トリ−n−ペンチルシリルオキシ基、トリイソペンチルシリルオキシ基、トリ−sec−ペンチルシリルオキシ基、トリ−tert−ペンチルシリルオキシ基、トリネオペンチルシリルオキシ基、トリ−n−ヘキシルシリルオキシ基、トリイソヘキシルシリルオキシ基、トリ−sec−ヘキシルシリルオキシ基、トリ−tert−ヘキシルシリルオキシ基、トリネオヘキシルシリルオキシ基、トリシクロプロピルシリルオキシ基、トリシクロブチルシリルオキシ基、トリシクロペンチルシリルオキシ基、トリシクロヘキシルシリルオキシ基、ジメチルエチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジメチルイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、ペンチルジメチルシリルオキシ基、ヘキシルジメチルシリルオキシ基等のシリル基中の1〜3個の水素原子が炭素数1〜6のアルキル基で置換されたアルキルシリルオキシ基が挙げられ、なかでも、例えばメチルシリルオキシ基、エチルシリルオキシ基、n−プロピルシリルオキシ基、イソプロピルシリルオキシ基、n−ブチルシリルオキシ基、イソブチルシリルオキシ基、sec−ブチルシリルオキシ基、tert−ブチルシリルオキシ基、ネオブチルシリルオキシ基、シクロプロピルシリルオキシ基、シクロブチルシリルオキシ基、ジメチルシリルオキシ基、ジエチルシリルオキシ基、ジ−n−プロピルシリルオキシ基、ジイソプロピルシリルオキシ基、ジ−n−ブチルシリルオキシ基、ジイソブチルシリルオキシ基、ジ−sec−ブチルシリルオキシ基、ジ−tert−ブチルシリルオキシ基、ジネオブチルシリルオキシ基、ジシクロプロピルシリルオキシ基、ジシクロブチルシリルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリ−n−プロピルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、トリ−n−ブチルシリルオキシ基、トリイソブチルシリルオキシ基、トリ−sec−ブチルシリルオキシ基、トリ−tert−ブチルシリルオキシ基、トリネオブチルシリルオキシ基、トリシクロプロピルシリルオキシ基、トリシクロブチルシリルオキシ基、ジメチルエチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジメチルイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基等のシリル基中の1〜3個の水素原子が炭素数1〜4のアルキル基で置換されたアルキルシリルオキシ基が好ましく、そのなかでも、例えばメチルシリルオキシ基、エチルシリルオキシ基、ジメチルシリルオキシ基、ジエチルシリルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、ジメチルエチルシリルオキシ基等のシリル基中の1〜3個の水素原子が炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアルキルシリルオキシ基がより好ましい。
上記アリール基の置換基において、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、通常炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4のものが挙げられる。具体的には、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、sec−ペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、シクロプロポキシカルボニル基、シクロブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基が挙げられ、なかでも、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、シクロプロポキシカルボニル基等の炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基が好ましい。
上記アリール基の置換基において、炭素数2〜6のアシルオキシ基としては、通常炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜3のものが挙げられる。具体的には、例えばアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基等の炭素数2〜6のアシルオキシ基が挙げられ、なかでも、例えばアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等の炭素数2〜3のアシルオキシ基が好ましい。
一般式(2)で表されるメチレンビススルホネート誘導体の具体例としては、例えば(i)メチレンビス(メタンスルホネート)、メチレンビス(エタンスルホネート)、メチレンビス(n−プロパンスルホネート)、メチレンビス(n−ブタンスルホネート)、メチレンビス(シクロプロパンスルホネート)、メチレンビス(トリフルオロメタンスルホネート)、メチレンビス(ビニルスルホネート)、メチレンビス(2−プロピニルスルホネート)、メチレンビス(2−シアノエタンスルホネート)、メチレンビス(メトキシスルホネート)、メチレンビス(エトキシスルホネート)、メチレンビス(アリルスルホネート)、メチレンビス(2−メチルアリルスルホネート)、メチレンビス(3−メチル−2−ブテニルスルホネート)、メチレンビス(シンナミルスルホネート)、メチレンビス(ベンジルスルホネート)、メチレンビス(2−チエニルスルホネート)、メチレンビス(4−メチル−2−チエニルスルホネート)、メチレンビス(3,4−エチレンジオキシチエニルスルホネート)、メチレンビス(2−ピロリルスルホネート)等が挙げられる。
上記(i)で表されるメチレンビススルホネート誘導体以外のメチレンビススルホネート誘導体の具体例としては、例えばメチレンビス(ベンゼンスルホネート)、メチレンビス(4−メチルベンゼンスルホネート)、メチレンビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホネート)、メチレンビス(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホネート)、メチレンビス(4−フルオロベンゼンスルホネート)、メチレンビス(2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート)、メチレンビス(2,4,6−トリフルオロベンゼンスルホネート)、メチレンビス(ペンタフルオロベンゼンスルホネート)、メチレンビス(4−クロロベンゼンスルホネート)、メチレンビス(2,5−ジクロロベンゼンスルホネート)、メチレンビス(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート)、メチレンビス(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート)、メチレンビス(2,4−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート)、メチレンビス(2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート)、メチレンビス(4−メトキシベンゼンスルホネート)、メチレンビス(4−フェニルベンゼンスルホネート)、メチレンビス(4−フェノキシベンゼンスルホネート)、メチレンビス(4−ビニルベンゼンスルホネート)、メチレンビス(4−トリメチルシリルベンゼンスルホネート)、メチレンビス(4−トリメチルシリルオキシベンゼンスルホネート)、メチレンビス(3−メトキシカルボニルベンゼンスルホネート)、メチレンビス(4−アセトキシベンゼンスルホネート)、メチレンビス(2,4,5−トリクロロベンゼンスルホネート)、メチレンビス(3−ニトロベンゼンスルホネート)、メチレンビス(1−ナフタレンスルホネート)、メチレンビス(2−ナフタレンスルホネート)、メチレンビス(2−(4−メトキシ)ナフタレンスルホネート)、メチレンビス(2−(6−メトキシ)ナフタレンスルホネート)等が挙げられる。
一般式(2)で表されるメチレンビススルホネート誘導体の好ましい具体例としては、例えば以下の化合物No.1〜37等が挙げられる。但し、本発明で用いられるメチレンビススルホネート誘導体は、以下の例示により何ら制限されない。
これらのメチレンビススルホネート誘導体のなかでも、No.1〜4、7〜8、12〜14、21、24〜28及び34〜35で表されるメチレンビススルホネート誘導体がより好ましい。
上記メチレンビススルホネート誘導体中、R3及びR4が、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基又はアリール基であるメチレンビススルホネート誘導体が特に好ましい。特に好ましいメチレンビススルホネート誘導体には、No.1〜4、7、12〜14及び21で表されるメチレンビススルホネート誘導体が含まれる。
一般式(2)で表されるメチレンビススルホネート誘導体は、少なくとも1種用いればよいが、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
メチレンビススルホネート誘導体は、常法(例えば国際公開WO2012/017998号公報、WO2012/017999号公報等)に従って適宜合成すればよく、具体的には、例えば以下の如く製造し得る。
メチレンビススルホネート誘導体の製造法として、R3及びR4が同一である場合の化合物、すなわち、下記一般式(2’)で示されるメチレンビススルホネート誘導体を一例として挙げて以下に説明する。
式中、2つのR21はそれぞれ独立して、−SO2−R22(式中、R22はハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、又は置換基を有していてもよい、アルキル基もしくはアリール基を表す。)で示されるスルホニル基又は−COR23(式中、R23は置換基を有していてもよい、アルキル基又はアリール基を表す。)で示されるアシル基を表し、2つのR3は上記に同じ。
一般式(2’)で表される化合物の製造法としては、例えば適当な非水溶媒中に、一般式(10)で表されるスルホン酸と当該スルホン酸に対して1〜4倍モルの有機塩基と0.2〜0.5倍モルの一般式(11)で表される化合物を添加した後、撹拌反応させることにより、目的とする一般式(2’)で表されるメチレンビススルホネート誘導体が得られる。
尚、一般式(10)で表されるスルホン酸と有機塩基とを適当な溶媒中で予め混合し、要すれば濃縮するなどして溶媒を除去した後に、また要すれば適当な貧溶媒を加えて塩を析出させ、次いでこれをろ過することにより単離した一般式(10)で表されるスルホン酸と有機塩基により形成される塩に、一般式(11)で示される化合物を反応させてもよい。
ここで使用される有機塩基としては、一般式(10)で示されるスルホン酸と塩を形成し得るものが挙げられ、具体的には、例えば第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
非水溶媒としては、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、カーボネート類、エステル類、ケトン類、エーテル類、ニトリル類、アミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
貧溶媒としては、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、カーボネート類、エステル類、ケトン類、エーテル類、アルコール類、ニトリル類等が挙げられる。
反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは20〜100℃であり、反応時間は、通常0.5〜24時間、好ましくは0.5〜12時間である。
(環状窒素含有化合物及びメチレンビススルホネート誘導体の配合割合)
環状窒素含有化合物の配合割合は、非水電解液中、好ましくは1〜60体積%(V/V%)の範囲である。1体積%未満では、非水系二次電池の破裂や発火が十分に抑制できないことがある。一方、60体積%を超えると、低温環境において、非水系二次電池の性能が低下することがある。より好ましい配合割合は1〜40体積%の範囲であり、更に好ましい配合割合は5〜20体積%の範囲である。
メチレンビススルホネート誘導体の配合割合は、非水電解液中、好ましくは0.01〜2体積%(V/V%)の範囲である。0.01体積%未満では、充放電特性の改善効果、特にサイクル特性の改善効果が充分でないことがある。一方、2体積%を超えると、満充電の状態で85℃以上の高温にすると、電池特性が大幅に低下し、また、その高温時に電池内部にてガス発生により膨れが生じることがある。より好ましい配合割合は0.05〜1体積%の範囲であり、更に好ましい配合割合は0.075〜0.75体積%の範囲である。
(電解質塩)
電解質塩としては、通常リチウム塩が使用される。リチウム塩としては、非水電解液に含まれる非水系溶媒に溶解するものであれば特に限定されない。例えばLiClO4、LiCl、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiN(SO2CF32、LiC(SO2CF33、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、4−フェニルホウ酸リチウム等が挙げられる。これらのリチウム塩は、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。電解質塩の好ましい添加量は、非水系溶媒1kgに対して、0.1〜3モルが好ましく、0.5〜2モルがより好ましい。
(他の添加剤)
非水電解液は、有機溶媒(非水系溶媒)、脱水剤、脱酸剤等の他の添加剤を含んでいてもよい。
(i)有機溶媒
上記環状窒素含有化合物が非水系二次電池の動作温度で液状であり、十分な電池特性の非水系二次電池を得ることが可能であれば、これら化合物を有機溶媒として使用できるため、有機溶媒を加えても加えなくてもよい。しかしながら、非水系二次電池の充放電特性、耐低温性等をより向上させる観点から、環状窒素含有化合物は、有機溶媒との混合溶媒とすることが好ましい。
有機溶媒としては、通常、非プロトン性有機溶媒が使用できる。非プロトン性有機溶媒としては特に制限されないが、例えばカーボネート系化合物(例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート)、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオキサン、スルホラン、メチルスルホラン等が挙げられる。これら有機溶媒は1種類又は2種類以上組み合わせて使用できる。
有機溶媒は、カーボネート系溶媒を含むことが好ましい。有機溶媒中、カーボネート系溶媒の占める割合は、50〜80体積%であることが好ましい。
(ii)脱水剤、脱酸剤
脱水剤及び脱酸剤としては、例えば従来公知の剤を使用できる。具体的には、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ジブチルスルフィド、ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等が挙げられる。これらを非水系溶媒中に通常0.1重量%以上、5重量%以下の濃度で含有させると、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を向上できる。
(b)正極
正極は、例えば正極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤を含有するペーストを正極集電体上に塗布、乾燥、加圧することにより作製できる。正極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤の配合量は、正極活物質を100重量部とすると、導電材を1〜20重量部、結着剤を1〜15重量部、有機溶剤を30〜60重量部とすることができる。
正極活物質としては、例えばLiNiO2、LiCoO2、LiMn24、LiFePO4のリチウム複合酸化物、及びこれら酸化物中の一部の元素を他の元素(例えばFe、Si、Mo、Cu及びZn等)で置換した化合物を用いることができる。二次電池の負荷特性を向上させる観点から、LiFePO4を正極活物質として使用できる。
導電材としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素質材料が挙げられる。
結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルピリジン、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
有機溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられる。
正極集電体としては、例えばSUS、アルミニウム等の導電性金属の箔や薄板が挙げられる。
(c)負極
また、負極は、例えば負極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤を含有するペーストを負極集電体上に塗布、乾燥、加圧することにより作製できる。負極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤の配合量は、負極活物質を100重量部とすると、導電材を1〜15重量部、結着剤を1〜10重量部、有機溶剤を40〜70重量部とすることができる。
負極活物質としては、例えば熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼結体、炭素繊維、活性炭等が挙げられる。
導電材としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素質材料が挙げられる。
結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジン、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
有機溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
負極集電体としては、例えば銅のような金属の箔が挙げられる。
(d)セパレータ
負極と正極との間には、セパレータを介在させてもよい。
セパレータは、通常多孔質フィルムよりなり、耐溶剤性や耐還元性を考慮して材質を選定できる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質フィルムあるいは不織布が好適である。このような材質からなるものを単層又は複数層にして用いることができる。複数層の場合は、サイクル特性、低温性能、負荷特性等の観点から少なくとも1枚は不織布を用いることが好ましい。
(e)非水系二次電池の構造
非水系二次電池は、例えば任意にセパレータを挟んだ負極と正極間に、非水電解液を注入することで得ることができる。また、一対の負極と正極の組を一単位(一セル)として、一単位を複数積層してもよい。
非水系二次電池のその他の構成部材としては、通常使用されている公知の部材を使用できる。
また、非水系二次電池の形態としては、特に制限されず、ボタン型、コイン型、角型、スパイラル構造の円筒型、ラミネート型電池等の種々の形態が挙げられる。これら形態は、その用途に応じて、薄型、大型等の種々の大きさにすることができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例と比較例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)(非プロトン性有機溶媒)に、下記式(1−1)で表される環状窒素含有化合物(一般式(1)において、R1がメチル基、R2がエチル基である化合物(5−エチル−1−メチル−1H−テトラゾール)(和光純薬工業株式会社製))を20体積%となるように添加した(混合溶媒80体積%)。
得られた混合溶液に、リチウム塩として、LiPF6を1.0モル/kgの濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。
正極活物質としてLiMn24を100重量部、導電材としてアセチレンブラックを5重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を7重量部、溶剤としてN−メチルピロリドン(NMP)40重量部を、プラネタリーミキサーにより混練することで、分散させて正極形成用ペーストを作製した。作製したペーストを塗工装置にて正極集電体である厚み20μmの帯状アルミニウム箔の両面に均一に塗工した。尚、アルミニウム箔の端部に、端子接続用の未塗工部を設定した。塗膜を130℃で8時間減圧乾燥して溶剤を除いた後、油圧プレス機を用いてプレスすることで正極を形成した。得られた正極は、所定のサイズに裁断して使用した。
負極活物質として、中国産の天然粉末黒鉛(平均粒径15μm)を100重量部、導電材として気相成長黒鉛繊維(VGCF)粉末(昭和電工社製VGCF高嵩品)を2重量部、結着剤としてPVdFを2重量部、溶剤としてNMP50重量部を、プラネタリーミキサーにより混練することで、分散させて負極形成用のペーストを作製した。作製したペーストを塗工装置にて負極の集電体である厚み10μmの銅箔の両面に均一に塗工した。尚、銅箔の端部に、端子接続用の未塗工部を設定した。更に、塗膜を100℃で8時間減圧乾燥して溶剤を除いた後、油圧プレス機を用いてプレスすることで負極を形成した。得られた負極は、所定のサイズに裁断して使用した。
得られた正極と負極とを、セパレータとしてのポリプロピレンの多孔質フィルムを介して積層し、次いで、積層体に前記非水電解液を注液することで、非水系二次電池を作製した。
(実施例2)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)の体積%を99体積%とし、上記式(1−1)で表される環状窒素含有化合物の体積%を1体積%としたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例3)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)の体積%を95体積%とし、上記式(1−1)で表される環状窒素含有化合物の体積%を5体積%としたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例4)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)の体積%を40体積%とし、上記式(1−1)で表される環状窒素含有化合物の体積%を60体積%としたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例5)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、下記式(1−2)で表される環状窒素含有化合物(一般式(1)において、R1がメチル基、R2が水素原子である化合物(1−メチル−1H−テトラゾール)(和光純薬工業株式会社製))を5体積%となるように添加したほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒95体積%)。
(実施例6)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、下記式(1−3)で表される環状窒素含有化合物(一般式(1)において、R1及びR2がn−プロピル基である化合物(1,5−ジ−n−プロピル−1H−テトラゾール))を5体積%となるように添加したほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒95体積%)。
(実施例7)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、下記式(1−4)で表される環状窒素含有化合物(一般式(1)において、R1がフェニル基、R2がメチル基である化合物(5−メチル−1−フェニル−1H−テトラゾール))を5体積%となるように添加したほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒95体積%)。
(実施例8)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、下記式(1−5)で表される環状窒素含有化合物(一般式(1)において、R1とR2が5つのメチレン基の結合した環構造を構成する化合物(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−テトラゾール[1,5−a]アゼピン)(和光純薬工業株式会社製))を5体積%となるように添加したほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒95体積%)。
(比較例1)
環状窒素含有化合物を使用しないことのほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(比較例2)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、下記式(A)で表される環状窒素含有化合物(一般式(1)において、R1が水素原子、R2がフェニル基である化合物(5−フェニル−1H−テトラゾール)(東京化成社製))を0.5体積%となるように添加したほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒99.5体積%)。尚、式(A)の化合物は、ジエチルカーボネートを含む混合溶媒への溶解性が悪く、0.5体積%以上溶解させることは困難であった。
(比較例3)
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/1)に、上記式(A)で表される環状窒素含有化合物を5体積%となるように添加したほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒95体積%)。尚、式(A)の化合物は、混合溶媒への溶解性が悪く、約1.0体積%以上溶解させることは困難であり、溶け残りは、混合溶媒に固体として存在していた。
(実施例9〜16及び比較例4〜6)
正極活物質としてLiFePO4を使用したこと以外は、実施例1〜8及び比較例1〜3と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例17)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)(非プロトン性有機溶媒)に、上記式(1−1)で表される環状窒素含有化合物と下記式(2−1)で表されるメチレンビススルホネート誘導体(一般式(2)において、R3とR4がメチル基である化合物(メチレンビス(メタンスルホネート))(和光純薬工業株式会社製))をそれぞれ20体積%及び0.1体積%となるように添加した(混合溶媒79.9体積%)。
得られた混合溶液を使用したほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例18)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)の体積%を98.9体積%とし、上記式(1−1)で表される環状窒素含有化合物の体積%を1体積%とし、上記式(2−1)で表されるメチレンビススルホネート誘導体の体積%を0.1体積%としたほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例19)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)の体積%を94.9体積%とし、上記式(1−1)で表される環状窒素含有化合物の体積%を5体積%とし、上記式(2−1)で表されるメチレンビススルホネート誘導体の体積%を0.1体積%としたほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例20)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)の体積%を40体積%とし、上記式(1−1)で表される環状窒素含有化合物の体積%を59.9体積%とし、上記式(2−1)で表されるメチレンビススルホネート誘導体の体積%を0.1体積%としたほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例21)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、上記式(1−1)で表される環状窒素含有化合物と下記式(2−2)で表されるメチレンビススルホネート誘導体(一般式(2)において、R3とR4がエチル基である化合物(メチレンビス(エタンスルホネート))(和光純薬工業株式会社製))をそれぞれ5体積%及び0.1体積%となるように添加したほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒94.9体積%)。
(実施例22)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、上記式(1−1)で表される環状窒素含有化合物と下記式(2−3)で表されるメチレンビススルホネート誘導体(一般式(2)において、R3とR4がアリル基である化合物(メチレンビス(アリルスルホネート))(和光純薬工業株式会社製))をそれぞれ5体積%及び0.1体積%となるように添加したほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒94.9体積%)。
(実施例23)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、上記式(1−2)で表される環状窒素含有化合物と上記式(2−1)で表されるメチレンビススルホネート誘導体をそれぞれ5体積%及び0.1体積%となるように添加したほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒94.9体積%)。
(実施例24)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、上記式(1−3)で表される環状窒素含有化合物と上記式(2−1)で表されるメチレンビススルホネート誘導体をそれぞれ5体積%及び0.1体積%となるように添加したほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒94.9体積%)。
(実施例25)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、上記式(1−4)で表される環状窒素含有化合物と上記式(2−1)で表されるメチレンビススルホネート誘導体をそれぞれ5体積%及び0.1体積%となるように添加したほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒94.9体積%)。
(実施例26)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、上記式(1−5)で表される環状窒素含有化合物と上記式(2−1)で表されるメチレンビススルホネート誘導体をそれぞれ5体積%及び0.1体積%となるように添加したほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒94.9体積%)。
(比較例7)
環状窒素含有化合物及びメチレンビススルホネート誘導体を使用しないことのほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した。
(比較例8)
環状窒素含有化合物を使用しないことのほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒99.9体積%)。
(比較例9)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/2)に、上記式(A)で表される環状窒素含有化合物を0.5体積%となるように添加し、メチレンビススルホネート誘導体を添加しなかったほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒99.5体積%)。尚、式(A)の化合物は、ジエチルカーボネートを含む混合溶媒への溶解性が悪く、0.5体積%以上溶解させることは困難であった。
(比較例10)
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/1)に、上記式(A)で表される環状窒素含有化合物を5体積%となるように添加し、メチレンビススルホネート誘導体を添加しなかったほかは、実施例17と同様に非水系二次電池を作製した(混合溶媒95体積%)。尚、式(A)の化合物は、混合溶媒への溶解性が悪く、約1.0体積%以上溶解させることは困難であり、溶け残りは、混合溶媒に固体として存在していた。
(実施例27〜36及び比較例11〜14)
正極活物質としてLiFePO4を使用したこと以外は、実施例17〜26及び比較例7〜10と同様に非水系二次電池を作製した。
(電池の性能の試験方法)
実施例1〜36及び比較例1〜14で得られた非水系二次電池について、電池性能試験として、20℃及び60℃における初回放電容量の測定、放電容量維持率の測定、高温保存特性として60℃で20日(480時間)保存後における放電容量維持率及び回復率の測定、安全性試験として釘刺し試験、DSCによる電解液分解温度の測定、並びに電池の負荷特性評価を以下の手順で行った。
(1)20℃における初回放電容量の測定
0.1CmAレートにて所定の充電電位になるまで非水系二次電池を充電した後、0.1CmAレートにて放電し、電圧が所定の放電電位になるまで放電したときの容量を初回放電容量(mAh/g)とする。尚、測定は、20℃一定の恒温器の中で実施する。
尚、正極活物質LiMn24における所定の充電電位は、4.2Vであり、所定の放電電位は、3.0Vである(実施例1〜8、17〜26、比較例1〜3、7〜10)。また、正極活物質LiFePO4における所定の充電電位は、3.8Vであり、所定の放電電位は、2.0Vである(実施例9〜16、27〜36、較例4〜6、11〜14)。
(2)20℃における放電容量維持率の測定
1CmAレートにて所定の充電電位になるまで非水系二次電池を充電した後、1CmAレートにて電圧が所定の放電電位になるまで放電することを1サイクルとし、このサイクルを99回行い、100回目として、初回放電容量と同一の充放電条件で充放電を1サイクル行ったときの容量を求める。
100回目測定終了後、1CmAレートにて所定の充電電位になるまで非水系二次電池を充電した後、1CmAレートにて電圧が所定の放電電位になるまで放電することを1サイクルとし、このサイクルを399回行い、トータル充放電サイクル500回目として、初回放電容量と同一の充放電条件で充放電を1サイクル行ったときの容量を求める。
100回目、及び500回目の放電容量維持率(%)は、それぞれ、初回放電容量に対する100回目、及び、初回放電容量に対する500回目の放電容量の割合とする。尚、測定は、20℃一定の恒温器の中で実施する。
尚、正極活物質LiMn24における所定の充電電位は、4.2Vであり、所定の放電電位は、3.0Vである(実施例1〜8、17〜26、比較例1〜3、7〜10)。また、正極活物質LiFePO4における所定の充電電位は、3.8Vであり、所定の放電電位は、2.0Vである(実施例9〜16、27〜36、比較例4〜6、11〜14)。
(3)60℃における初回放電容量及び放電容量維持率
60℃における初回放電容量(mAh/g)及び放電容量維持率(%)は、恒温器の温度を60℃一定にすること以外は、20℃における初回放電容量及び放電容量維持率と同様にして測定した値とする。
(4)釘刺し試験
釘刺し試験は、0.1CmAレートにて所定の充電電位になるまで充電した非水系二次電池に、室温20℃において、直径3mmの釘を速度1mm/sで貫通させた時の状態を確認する試験である。尚、発煙や発火のような異常が生じていない状態を「異常なし」と判定した。
尚、正極活物質LiMn24における所定の充電電位は、4.2Vである(実施例1〜8、17〜26、比較例1〜3、7〜10)。また、正極活物質LiFePO4における所定の充電電位は、3.8Vである(実施例9〜16、27〜36、比較例4〜6、11〜14)。
(5)DSCによる電解液の分解温度の測定
DSCによる電解液の分解温度は、(1−1)〜(1−5)及び(A)で表される環状窒素含有化合物(難燃剤)を含有する電解液5mgをSUS密閉容器に入れ、100℃から350℃になるまで10℃/minの速度で加熱し、示差走査熱量計で分解温度(発熱開始温度)を測定した値である。
ここで、分解温度(発熱開始温度)は、DSC曲線{縦軸:熱流(mW)、横軸:温度(℃)}において、DSC曲線の傾きが+0.1mW/℃に上昇・到達した時の温度を指す。
電解液の分解温度の測定は、以下の理由から行っている。
電解液は、温度を上げすぎると発熱を伴った分解を生じることが知られている。例えば正極と負極との短絡等により異常発熱して電解液の発熱分解が生じると、温度の上昇が加速されるため、電池の破裂や電解液の発火のリスクがより高くなる。発熱を開始する温度(分解温度)が高くなる電解液を開発すれば、上記のリスクを低減することができる。
(6)電池の負荷特性評価
0.1CmAレートにて3.8Vになるまで非水系二次電池を充電した後、0.1CmAレートにて放電し、電圧が2.0Vになるまで放電したときの容量を初回放電容量(mAh/g)とする。
0.1CmAレート、0.3CmAレート、0.5CmAレート、1CmAレート、3CmAレートにて充放電試験を行い、各レートにおける放電容量とする。これらの放電容量を下記式のように初回放電容量で割った放電容量比から負荷特性を評価する。この放電容量比は、パーセンテージが高い方が負荷特性に優れることを意味する。
0.1C=0.1CmAレート時の放電容量/初回放電容量×100
0.3C=0.3CmAレート時の放電容量/初回放電容量×100
0.5C=0.5CmAレート時の放電容量/初回放電容量×100
1.0C=1.0CmAレート時の放電容量/初回放電容量×100
3.0C=3.0CmAレート時の放電容量/初回放電容量×100
試験結果を表1〜8に示す。表中、難燃剤は、環状窒素含有化合物であり、被膜形成剤は、メチレンビススルホネート誘導体を意味する。
表1〜8から、非水系溶媒として一般的な有機溶媒を用い、難燃剤を含まない一般的な非水系二次電池(比較例1、4、7及び11)は、釘刺し試験において、発煙及び発火が生じている。また、R1が水素原子である難燃剤を用いた非水系二次電池(比較例2、3、5、6、9、10、13及び14)も、釘刺し試験において、発煙及び発火が生じている。更に、メチレンビススルホネート誘導体を含むが、難燃剤を含まない非水系二次電池(比較例8及び12)も、釘刺し試験において、発煙及び発火が生じている。これに対し、非水系溶媒に本発明にかかる難燃剤を添加した非水系二次電池(実施例1〜36)は、釘刺し試験でも発煙や発火のような異常が生じていない。
電池性能については、実施例17〜36の非水系二次電池は、メチレンビススルホネート誘導体を含むため、比較例1、4、7及び11のメチレンビススルホネート誘導体を含まない非水系二次電池と比較して、向上している。
更に、負荷特性については、実施例9〜16及び27〜36の非水系二次電池は、1.0C時の特性が90%以上であるのに対して、比較例4、11及び12では90%未満であり、向上していることが示されている。
また、R1が水素原子である難燃剤を用いた比較例2、3、5、6、9、10、13及び14の非水系二次電池は、初回充電により化合物自体が分解したため、充電ができなかった。充電できなかった理由として、窒素原子に結合する置換基R1が水素原子である環状窒素含有化合物において、電解液中のリチウムイオン(カチオン)により窒素原子に結合した水素原子が脱プロトン化することがある。脱プロトン化後の比較例2、3、5、6、9、10、13及び14の環状窒素含有化合物はアニオンとなり、錯形成する可能性が生じる。その結果、この錯体により、リチウムイオン二次電池本来の動作をしない可能性が高くなる、と発明者等は考えている。
(実施例1〜36中の環状窒素含有化合物について)
実施例1〜36中の上記式(1−1)〜(1−5)で表される環状窒素含有化合物の内、(1−1)、(1−2)及び(1−5)は、市販品から入手し、(1−3)及び(1−4)は、以下の合成スキームに記載の方法により得た。
化合物(1−3)
アセトニトリル1Lにアジ化ナトリウム84g(1.3mol)を懸濁させ、四塩化ケイ素73g(0.4mol)を滴下し、次いで、4−ヘプタノン49g(0.4mol)を滴下後、室温で74時間反応させた。反応終了後、反応液を水及び塩化メチレンで抽出し、有機層を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより環状窒素含有化合物(1−3)を53g(0.33mol)、収率82%で得た。
1H−NMR(CDCl3):0.95ppm(t,3H),1.01ppm(t,3H),1.85ppm(m,2H),1.91ppm(m,2H),2.78ppm(t,2H),4.19ppm(t,2H).
化合物(1−4)
アセトニトリル1Lにアジ化ナトリウム84g(1.3mol)を懸濁させ、四塩化ケイ素73g(0.4mol)を滴下し、次いで、アセトフェノン52g(0.4mol)を滴下後、室温で74時間反応させた。反応終了後、反応液を水及び塩化メチレンで抽出し、有機層を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより環状窒素含有化合物(1−4)を38g(0.24mol)、収率60%で得た。
1H−NMR(CDCl3):2.62ppm(s,3H),7.47ppm(m,2H),7.60(m,3H).
尚、化合物(1−1)のCASナンバーは90329−50−3であり、化合物(1−2)のCASは16681−77−9であり、化合物(1−4)のCASナンバーは14213−16−2であり、化合物(1−5)のCASナンバーは18039−42−4である。
(実施例1〜36中のメチレンビススルホネート誘導体の合成)
化合物(2−1)
炭酸ジメチル(10mL)中、米国特許第4649209号公報記載の方法に従って合成されたメチレンビス(クロロスルフェート)〔ClSO2OCH2OSO2Cl〕1.5g(6.1mmol)及びメタンスルホン酸ピリジニウム塩2.1g(12.0mmol)を55℃で3時間撹拌反応させた。反応終了後、析出したクロロスルホン酸ピリジニウム塩を濾別し、減圧濃縮して薄茶褐色固体を得た。活性炭で吸着処理した後に再結晶で精製することにより、目的物であるメチレンビス(メタンスルホネート)を0.6g(2.9mmol)、収率48%で得た。
1H−NMR(CD3CN):5.80ppm(s,2H),3.19ppm(s,6H).
化合物(2−2)
メタンスルホン酸ピリジニウム塩の代わりにエタンスルホン酸ピリジニウム塩2.3g(12.0mmol)を使用したほかは、上記化合物(2−1)の合成方法と同様の処理を行うことにより、メチレンビス(エタンスルホネート)を0.6g(2.5mmol)、収率41%で得た。
1H−NMR(CDCl3):5.82ppm(s,2H),3.31−3.26ppm(q,4H),1.50−1.46ppm(t,6H).
化合物(2−3)
メタンスルホン酸ピリジニウム塩の代わりにアリルスルホン酸ピリジニウム塩2.4g(12.0mmol)を使用したほかは、上記化合物(2−1)の合成方法と同様の処理を行うことにより、メチレンビス(アリルスルホネート)を0.7g(2.6mmol)、収率43%で得た。
1H−NMR(CD3CN):5.93−5.82ppm(m,2H),5.76ppm(s,2H),5.55−5.49ppm(m,4H),4.06−4.04ppm(d,4H).
化合物(2−4)
メタンスルホン酸ピリジニウム塩の代わりにベンゼンスルホン酸ピリジニウム塩2.8g(12.0mmol)を使用したほかは、上記化合物(2−1)の合成方法と同様の処理を行うことにより、メチレンビス(ベンゼンスルホネート)を1.2g(3.5mmol)、収率58%で得た。
1H−NMR(CD3CN):7.75−7.70ppm(m,6H),7.58−7.53ppm(m,4H),5.82ppm(s,2H).

Claims (9)

  1. 正極と、負極と、非水電解液とを備え、前記非水電解液中に下記一般式(1)
    (式中、 1 が炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であって、かつR 2 が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であるか、あるいは前記R 1 及びR 2 が互いに結合し、メチレン基を含む環構造である
    で表される環状窒素含有化合物を少なくとも含有することを特徴とする非水系二次電池。
  2. 前記一般式(1)で表される環状窒素含有化合物が、前記非水電解液中に、1〜60体積%含まれる請求項1に記載の非水系二次電池。
  3. 前記非水電解液中に、更に下記一般式(2)
    (式中、R 3 及びR 4 は、それぞれ独立して、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシ基、低級アラルキル基、複素環基及びアリール基から選択される)
    で表されるメチレンビススルホネート誘導体を含有する請求項1又は2に記載の非水系二次電池。
  4. 前記一般式(2)におけるR3及びR4で示される低級アルキル基及び低級アルコキシ基が炭素数1〜6のアルキル基及びアルコキシ基であり、前記一般式(2)におけるR3及びR4で示される低級アルケニル基及び低級アルキニル基が炭素数2〜8のアルケニル基及びアルキニル基であり、前記一般式(2)におけるR3及びR4で示される低級アラルキル基が炭素数7〜15のアラルキル基であり、前記一般式(2)におけるR3及びR4で示されるアリール基が炭素数6〜10のアリール基である請求項に記載の非水系二次電池。
  5. 前記R3及びR4が炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基又はアリール基である請求項3又は4に記載の非水系二次電池。
  6. 前記一般式(2)で表されるメチレンビススルホネート誘導体が、前記非水電解液中に、0.01〜2体積%含まれる請求項3〜5のいずれか1つに記載の非水系二次電池。
  7. 前記非水電解液が、有機溶媒としてのジエチルカーボネートを含む請求項1〜のいずれか1つに記載の非水系二次電池。
  8. 一般式(1)
    (式中、 1 が炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基であって、かつR 2 が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であるか、あるいは前記R 1 及びR 2 が互いに結合し、メチレン基を含む環構造である
    で表される環状窒素含有化合物からなる非水系二次電池用難燃剤。
  9. 請求項に記載の非水系二次電池用難燃剤と、下記一般式(2)
    (式中、R3及びR4は、それぞれ独立して、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシ基、低級アラルキル基、複素環基及びアリール基から選択される)
    で表されるメチレンビススルホネート誘導体とからなる非水系二次電池用添加剤。
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