JP6159415B2 - 含臭素n−フェニルジアクリルイミド誘導体及びその製造方法 - Google Patents

含臭素n−フェニルジアクリルイミド誘導体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6159415B2
JP6159415B2 JP2015549171A JP2015549171A JP6159415B2 JP 6159415 B2 JP6159415 B2 JP 6159415B2 JP 2015549171 A JP2015549171 A JP 2015549171A JP 2015549171 A JP2015549171 A JP 2015549171A JP 6159415 B2 JP6159415 B2 JP 6159415B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
bromine
atom
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015549171A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015076296A1 (ja
Inventor
勝頼 屋敷
勝頼 屋敷
片岡 啓介
啓介 片岡
須藤 篤
篤 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Manac Inc
Original Assignee
Manac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Manac Inc filed Critical Manac Inc
Publication of JPWO2015076296A1 publication Critical patent/JPWO2015076296A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6159415B2 publication Critical patent/JP6159415B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C231/00Preparation of carboxylic acid amides
    • C07C231/02Preparation of carboxylic acid amides from carboxylic acids or from esters, anhydrides, or halides thereof by reaction with ammonia or amines

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)

Description

本発明は、反応型難燃剤及びポリマー型難燃剤前駆体として有用な含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体及びその製造方法に関する。
ポリメタクリル酸メチルをはじめとするアクリル系樹脂は、その透明性や寸法安定性を活かし、光学材料、家庭電気機器、OA機器及び自動車などの各部品を始めとする広範な分野で使用されている。
近年、アクリル系樹脂は、特に光学レンズ、プリズム、ミラー、光ディスク、光ファイバー、液晶ディスプレイ用シート・フィルム、導光板などの、より高性能な光学材料にも幅広く使用されるようになっており、樹脂に要求される光学特性や成形加工性、耐熱性もより高度なものになっている。
しかしながら、アクリル系樹脂は、優れた透明性、耐候性を有するものの、難燃性及び耐熱性が十分ではないといった問題があった。アクリル系樹脂の難燃性を向上させる技術としては、例えば、アクリル系樹脂にリン系難燃剤を添加する方法や、臭素化モノマーをコモノマーとして重合させ、アクリル系樹脂に臭素化モノマー単位を導入する方法が知られている。また、アクリル系樹脂の耐熱性を向上させる技術としては、例えば、無水マレイン酸単量体の導入やイミド環を導入する方法が知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
イミド環をポリマー中に導入する方法として、アクリル系アミドとメタクリル酸メチルをメタノール溶媒中でラジカル重合触媒の存在下に共重合した後、塩基性触媒の存在下で80〜150℃の温度でイミド化反応を行ない、共重合体中のアクリル系アミド単位をグルタルイミド単位に変換する製造法が知られている(例えば、特許文献5参照)。
さらにN−置換ジアクリルイミド誘導体をラジカル重合することで分子内環化を経て環式イミド構造をもったポリマーを得ることができることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開平5−230316号公報 特開平6−220292号公報 特開2004−331915号公報 特開平5−262952号公報 特開平2−153904号公報
高分子論文集,Vol.46, No.9, 507-514頁
本発明は、共重合成分としてポリマー中へ導入させることにより、簡便に優れた耐熱性、光学特性及び難燃性を付与できる反応型難燃剤として、あるいはこれらを主成分として重合することにより、高耐熱性のポリマー型難燃剤を与えることができる前駆体として有用な、含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体及びその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下の通りである。
下記一般式(1):
Figure 0006159415

(式中、
mは、2〜5の整数であり、
kは5−mであり、
は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、
は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ビニル基、ニトロ基、シアノ基、アルデヒド基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、スルホ基、スルホンアミド基、カルボキシル基もしくはエステル基であり、kが2以上の場合、Rは同一であっても異なっていてもよい)
で表わされる含臭素N−フェニルジ(メタ)アクリルイミド誘導体、及び製造方法に関する。
本発明の含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体を重合成分として用いることで、ポリマーに臭素と共に、環式イミド構造を簡便に導入することができる。そのため、本発明の含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体は、優れた耐熱性、光学特性及び難燃性を付与できる反応型難燃剤として、あるいはポリマー型難燃剤の前駆体として期待される。
実施例1で得られた化合物の1H−NMRチャートを示す。 実施例1で得られた化合物のFT−IRチャートを示す。 実施例2で得られた化合物の1H−NMRチャートを示す。 実施例2で得られた化合物のFT−IRチャートを示す。 実施例3で得られた化合物の1H−NMRチャートを示す。 実施例3で得られた化合物のFT−IRチャートを示す。 実施例4で得られた化合物の1H−NMRチャートを示す。 実施例4で得られた化合物のFT−IRチャートを示す。 実施例5で得られた化合物の1H−NMRチャートを示す。 実施例5で得られた化合物のFT−IRチャートを示す。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、下記一般式(1):
Figure 0006159415

(式中、
mは、2〜5の整数であり、
kは5−mであり、
は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、
は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ビニル基、ニトロ基、シアノ基、アルデヒド基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、スルホ基、スルホンアミド基、カルボキシル基もしくはエステル基であり、kが2以上の場合、Rは同一であっても異なっていてもよい)
で表わされる含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体である。
ここで、用語「炭素数1〜4のアルキル基」は、炭素数1〜4の、直鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素の一価の基を意味し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等を例示することができる。
用語「炭素数1〜4のハロアルキル基」は、1個以上のハロゲン原子で置換された炭素数1〜4のアルキル基を意味し、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、3−ブロモプロピル基、4−ブロモブチル基、ヨードメチル基、2−ヨードエチル基、3−ヨードプロピル基、4−ヨードブチル基、フルオロメチル基、2−フルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、トリブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基等を例示することができる。2個以上のハロゲン原子で置換された炭素数1〜4のアルキル基のハロゲン原子は、同一であっても異なっていてよい。
用語「炭素数1〜4のアルコキシ基」は、基RO−(ここで、Rは、炭素数1〜4のアルキル基である)を意味し、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を例示することができる。
用語「炭素数1〜4のハロアルコキシ基」は、1個以上のハロゲン原子で置換された炭素数1〜4のアルコキシ基を意味し、ブロモメトキシ基、2−ブロモエトキシ基、3−ブロモプロピルオキシ基、4−ブロモブチルオキシ基、ヨードメトキシ基、2−ヨードエトキシ基、3−ヨードプロピルオキシ基、4−ヨードブチルオキシ基、フルオロメトキシ基、2−フルオロエトキシ基、3−フルオロプロピルオキシ基、4−フルオロブチルオキシ基、トリブロモメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等を例示することができる。2個以上のハロゲン原子で置換された炭素数1〜4のアルキル基のハロゲン原子は、同一であっても異なっていてよい。
用語「炭素数1〜4のアルキルチオ基」は、基R′S−(ここで、R′は、炭素数1〜4のアルキル基である)を意味し、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等を例示することができる。
用語「ハロゲン原子」又は「ハロ」は、互換可能であり、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、フッ素原子を意味する。
用語「カルボキシル基もしくはエステル基」は、基:−COOHもしくはそのエステル基(すなわち、基:−COOR″)を意味する。ここで、R″は、炭素数1〜4のアルキル基を意味する。
本発明の含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体の臭素含量は、30〜75重量%であり、35〜75重量%が好ましく、45〜75重量%がより好ましく、50〜75重量%が特に好ましい。なお、本発明において、臭素含量は、JIS K 7229(フラスコ燃焼法)に準じる方法の測定値を意味する。
前記一般式(1)においてRは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基のいずれでもよく、化合物中に水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基の両方含んでも差し支えないが、臭素含量をより高くできる点において水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
前記一般式(1)においてRは、原料の入手容易性、合成容易性に応じて適宜選択すればよいが、臭素含量をより高くできる点において水素原子を1置換以上含むことがより好ましく、全て水素原子であることがさらに好ましい。
前記一般式(1)において臭素原子の置換数mは、2〜5であり、臭素含量の観点から3〜5が好ましく、3〜4がより好ましい。
本発明の含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体の製造方法は、特に限定されず、いかなる製造方法を用いて製造してもよい。好ましくは、下記一般式(2):
Figure 0006159415

(式中、
mは、2〜5の整数であり、
kは5−mであり、
は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ビニル基、ニトロ基、シアノ基、アルデヒド基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、スルホ基、スルホンアミド基、カルボキシル基もしくはエステル基であり、kが2以上の場合、Rは同一であっても異なっていてもよい)
で表わされるアニリン誘導体と、一般式(3):
Figure 0006159415

(式中、
は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、
Xは、塩素原子又は臭素原子である)
で表わされるアクリル酸ハライド誘導体を、塩基存在下で反応させることで、前記一般式(1):
Figure 0006159415

(式中、R、R、m及びkは前記と同義である)
で表わされる含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体を得ることができる。
本発明の製造方法で用いる一般式(2)で表わされるアニリン誘導体は、市販されており、マナック(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)などの供給業者より容易に入手することが可能である。例えば、2,4−、2,5−、2,6−もしくは3,4−ジブロモアニリン、2,6−ジブロモ−4−メチルアニリン、4−クロロ−2,4−ジブロモアニリン、2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチルアニリン、2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメトキシアニリン、2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン、2,4,6−トリブロモアニリン、3−メチル−2,4,6−トリブロモアニリンなどが挙げられる。また、公知の方法(例えば、Organic Syntheses, Vol.13, p.93 (1933)に記載の方法)に準じて合成することが可能である。
本発明の製造方法で用いる一般式(3)で表わされるアクリル酸ハライド誘導体は、市販されており、東京化成工業(株)などの供給業者より容易に入手することが可能である。例えば、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、2−エチルアクリル酸クロリドなどが挙げられる。また、アクリル酸誘導体を公知の酸ハロゲン化物反応に付すことにより、合成することが可能である。
一般式(3)で表わされるアクリル酸ハライド誘導体の使用量は、一般式(2)で表わされるアニリン誘導体1モルに対して1.0〜10モル、好ましくは1.5〜8モル、さらに好ましくは2.0〜5.0モルである。
本発明の製造方法で用いる塩基としては、無機塩基、有機塩基及び金属アルコキシドのいずれをも使用することが可能であり、1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。無機塩基としては、特に限定されないが、例えば、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウムなどが挙げられる。有機塩基としては、特に限定されないが、例えば、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ルチジン、コリジン、トリメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジイソプロピルペンチルアミン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)などが挙げられる。金属アルコキシドとしては、特に限定されないが、例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウムなどが挙げられる。なかでも有機塩基が好ましく、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミンがより好ましい。
塩基の使用量は、一般式(2)で表わされるアニリン誘導体1モルに対して0.5〜20モル、好ましくは0.5〜15モル、さらに好ましくは0.8〜10モルである。
本発明の製造方法において、一般式(2)で表わされるアニリン誘導体、一般式(3)で表わされるアクリル酸ハライド誘導体及び塩基の添加順序は特に限定されない。これら3種を同時に添加混合して反応を開始させてもよく、またいずれか2種を混合した後、残りの1種を一度に又は分割添加して、反応を開始・進行させてもよい。
本発明の製造方法は、無溶媒で、あるいは溶媒を使用して実施してもよい。使用する溶媒は、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、所望する反応温度等に応じて適宜選択される。具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、モノブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、塩化メチレン、臭化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、エチレンジクロライド、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ジメチルスルホキシド等の含硫黄系溶媒、ピコリン、ピリジン等の含窒素系溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの溶媒の中では、原料の溶解性、人体及び環境への影響の少なさ、工業的入手のし易さから、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルが好ましい。
溶媒の使用量は、一般式(2)で表わされる化合物1gに対して、0〜20倍量(重量基準)であることが好ましく、0〜10倍量(重量基準)であることがより好ましい。
本発明の製造方法における反応温度は、0〜200℃の範囲が好ましい。反応温度は、副反応を抑制する点から、0〜150℃の範囲がより好ましい。
本発明の製造方法における反応時間は、使用する出発物質の量や種類、溶媒の有無やその種類、反応温度などの条件によって適宜設定することができる。通常、1分〜336時間であることが好ましく、作業性の観点から10分〜168時間であることがより好ましい。
反応終了後、得られた反応溶液から、一般的な方法を用いて副生する無機塩を除去してもよい。副生する無機塩を除去する方法としては、特に限定されないが、例えば、水、酸水溶液(塩酸水溶液など)及び/又はアルカリ性水溶液(水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液など)での洗浄が挙げられる。
このようにして得られた反応液から、分液、濃縮等の一般的な操作を行うことにより、一般式(1)で表わされる化合物を単離することができる。単離した化合物は必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
以下に、本発明を具体的な実施例により示すが、本発明は実施例の内容に制限されるものではない。なお、実施例で得られた化合物の融点、臭素含量、NMR及び赤外線吸収スペクトルの測定方法は以下の通りである。
融点:示差走査熱量計((株)島津製作所製 DSC−60)にて、毎分10℃で40〜400℃まで昇温し、測定を行った。解析ソフトによりDSC曲線の外挿点から融点を算出した。
臭素含量:JIS K 7229(フラスコ燃焼法)に準じる方法で測定した。
NMR:化合物と重クロロホルム(Cambrige Isotope Laboratories, Inc.製 クロロホルム−d10.05%TMS含有)とを混合した溶液を調製し、NMR(日本電子(株)製 JNM−AL400)にて、H−NMR測定を行った。
赤外線吸収スペクトル:IR測定装置((株)パーキンエルマー製Spectrum 100 FT-IR Spectrometer)を用い、KBr法にて赤外吸収スペクトルを測定した。
HPLC純度:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定し、面積百分率により算出した。測定条件は以下の通りである。
試料調製 :試料1.0mgをアセトニトリル1.0mLに溶解
検出器 :SPD−10AVP((株)島津製作所製)
オーブン :CTO−10AVP((株)島津製作所製)
ポンプ :LC−10ADVP((株)島津製作所製)
カラム :ODS−80TM(東ソー(株)製)
溶離液 :アセトニトリル/水/リン酸=600/400/0.5
カラム温度 :40℃
流速 :1.0mL/min
波長 :254nm
[実施例1]
N−(2,4,6−トリブロモフェニル)ジメタクリルイミドの合成
コンデンサーを備えたナスフラスコに、2,4,6−トリブロモアニリン(マナック(株)社製)1.65g(5.00ミリモル)、ジクロロメタン5.00mL、4−ジメチルアミノピリジン(東京化成工業(株)社製)0.09g(0.736ミリモル)、トリエチルアミン(東京化成工業(株)社製)1.52g(15.0ミリモル)を加え、氷浴中で塩化メタクリロイル(東京化成工業(株)社製)1.57g(15.0ミリモル)をゆっくり滴下した後、室温で6日間撹拌を行った。反応終了後、反応溶液を減圧下で留去し、ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒により再結晶を行った。得られた白色結晶を真空下で乾燥を行うことによって目的物を1.49g(3.20ミリモル)、収率64%、HPLC純度100.0%、臭素含量51.5%、融点139℃で得た。目的物のH−NMRを図1に、FT−IRチャートを図2に示す。
[実施例2]
N−(2,4,6−トリブロモフェニル)ジアクリルイミドの合成
コンデンサー、温度計及びガス吸収装置を備えた500mL4つ口フラスコに、2,4,6−トリブロモアニリン(マナック(株)社製)50.0g(150ミリモル)、4−ジメチルアミノピリジン(東京化成工業(株)社製)1.03g(8.43ミリモル)、モノクロロベンゼン 289mL、トリエチルアミン 17.2g(170ミリモル)を加え、ここへ塩化アクリロイル(東京化成工業(株)社製)20.6g(227ミリモル)を滴下し、内温40℃で24時間撹拌後、トリエチルアミン(東京化成工業(株)社製)17.6g(174ミリモル)を追加し、さらに塩化アクリロイル 19.9g(219ミリモル)を追加で滴下し、1時間撹拌した。室温に戻した後、水200mLを注入し有機層を洗浄・分液した。分液後、反応液を減圧濃縮し、粗製物を得た。得られた粗製物をカラム精製(ヘプタン:酢酸エチル=5:1)により目的物を49.8g(114ミリモル)、収率75%、HPLC純度93.7%、臭素含量54.8%、融点93℃で得た。目的物のH−NMRを図3に、FT−IRチャートを図4に示す。
[実施例3]
N−(2,6−ジブロモ−4−ニトロフェニル)ジメタクリルイミドの合成
コンデンサーを備えたナスフラスコに、2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン(東京化成工業(株)社製)3.00g(10.1ミリモル)、モノクロロベンゼン20.2mL、4−ジメチルアミノピリジン(東京化成工業(株)社製)0.06g(0.491ミリモル)、トリエチルアミン(東京化成工業(株)社製)2.45g(24.2ミリモル)を加え、塩化メタクリロイル(東京化成工業(株)社製)2.53g(24.2ミリモル)をゆっくり滴下した後、内温70℃で17時間撹拌を行った。反応終了後、反応溶液をろ過した後、母液を減圧下で濃縮して粗製物を得た。得られた粗製物をメタノールにより再結晶を行ない、結晶を濾取した。得られた白色結晶を60℃で送風乾燥を行うことによって目的物を3.55g(8.22ミリモル)、収率81%、HPLC純度99.6%、臭素含量36.6%、融点141℃で得た。目的物のH−NMRを図5に、FT−IRチャートを図6に示す。
[実施例4]
N−(2,6−ジブロモ−4−メチルフェニル)ジメタクリルイミドの合成
2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン(東京化成工業(株)社製)3.00g(10.1ミリモル)の代わりに、2,6−ジブロモ−4−メチルアニリン(東京化成工業(株)社製)3.04g(11.5ミリモル)を用いた以外は実施例3と同様な手順で行った。得られた粗製物をヘプタン/モノクロロベンゼンの混合溶媒により再結晶を行ない、結晶を濾取した。得られた白色結晶を60℃で送風乾燥を行うことによって目的物を2.15g(5.36ミリモル)、収率47%、HPLC純度100.0%、臭素含量39.7%、融点137℃で得た。目的物のH−NMRを図7に、FT−IRチャートを図8に示す。
[実施例5]
N−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメトキシフェニル)ジメタクリルイミドの合成
2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン(東京化成工業(株)社製)の代わりに、2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメトキシアニリン(東京化成工業(株)社製)3.00g(8.96ミリモル)を用いた以外は実施例3と同様な手順で行った。得られた粗製物をヘプタン/モノクロロベンゼンの混合溶媒再結晶を行ない、結晶を濾取した。得られた白色結晶を60℃で送風乾燥を行うことによって目的物を1.05g(2.23ミリモル)、収率25%、HPLC純度99.7%、臭素含量33.1%、融点94℃で得た。目的物のH−NMRを図9に、FT−IRチャートを図10に示す。
本発明の含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体を重合成分として用いることで、ポリマーに臭素と共に、環式イミド構造を簡便に導入することができる。したがって、本発明の含臭素N−フェニルアクリルアミド誘導体は、共重合成分とすることで耐熱性、光学特性、難燃性をポリマーに付与できる反応型難燃剤として、あるいはこれを主成分として重合することにより高耐熱性のポリマー型難燃剤を与えることができるポリマー型難燃剤の前駆体として有用であると期待される。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0006159415

    (式中、
    mは、〜5の整数であり、
    kは5−mであり、
    は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、
    は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ビニル基、ニトロ基、シアノ基、アルデヒド基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、スルホ基、スルホンアミド基、カルボキシル基もしくはエステル基であり、kが2以上の場合、Rは同一であっても異なっていてもよい)
    で表わされる含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体。
  2. 臭素含量が45重量%〜75重量%である、請求項1記載の含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体。
  3. が水素原子である、請求項1又は2記載の含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体。
  4. 下記一般式(2):
    Figure 0006159415

    (式中、
    mは、〜5の整数であり、
    kは5−mであり、
    は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ビニル基、ニトロ基、シアノ基、アルデヒド基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、スルホ基、スルホンアミド基、カルボキシル基もしくはエステル基であり、kが2以上の場合、Rは同一であっても異なっていてもよい)
    で表わされるアニリン誘導体と、一般式(3):
    Figure 0006159415

    (式中、
    は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、
    Xは、塩素原子又は臭素原子である)
    で表わされるアクリル酸ハライド誘導体を、塩基存在下で反応させることを含む、下記一般式(1):
    Figure 0006159415

    (式中、R、R、m及びkは前記と同義である)
    で表わされる含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体の製造方法。
  5. 塩基が有機塩基である、請求項記載の含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体の製造方法。
  6. 有機塩基がトリエチルアミン、ピリジン及び4−ジメチルアミノピリジンよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項記載の含臭素N−フェニルジアクリルイミド誘導体の製造方法。
JP2015549171A 2013-11-20 2014-11-19 含臭素n−フェニルジアクリルイミド誘導体及びその製造方法 Active JP6159415B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013239912 2013-11-20
JP2013239912 2013-11-20
PCT/JP2014/080629 WO2015076296A1 (ja) 2013-11-20 2014-11-19 含臭素n-フェニルジアクリルイミド誘導体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015076296A1 JPWO2015076296A1 (ja) 2017-03-16
JP6159415B2 true JP6159415B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=53179556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015549171A Active JP6159415B2 (ja) 2013-11-20 2014-11-19 含臭素n−フェニルジアクリルイミド誘導体及びその製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6159415B2 (ja)
CN (1) CN105745190A (ja)
IL (1) IL245749B (ja)
WO (1) WO2015076296A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10428221B2 (en) * 2013-12-20 2019-10-01 Essilor International Liquid polymerizable composition comprising an anhydride derivative monomer and mineral nanoparticles dispersed therein, and its use to manufacture an optical article
CN107108797B (zh) 2014-12-24 2020-01-10 玛耐科股份有限公司 新型的含溴聚合物和其制造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3158650A (en) * 1961-05-25 1964-11-24 Hooker Chemical Corp Herbicidal nu-surstituted arylimides
US3253901A (en) * 1961-05-25 1966-05-31 Hooker Chemical Corp Herbicidal method employing n-substituted arylimides
AT504811B1 (de) * 2007-02-06 2010-06-15 Mondi Release Liner Austria Gm Acrylimide mit initiatoreigenschaften
FR2934859B1 (fr) * 2008-08-05 2010-08-13 Servier Lab Nouveau procede de synthese de l'agomelatine

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015076296A1 (ja) 2015-05-28
IL245749A0 (en) 2016-08-02
IL245749B (en) 2019-01-31
CN105745190A (zh) 2016-07-06
JPWO2015076296A1 (ja) 2017-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5247436B2 (ja) メチレンジスルホネート化合物の製造方法
KR102352441B1 (ko) 신규한 브롬 함유 중합체 및 그의 제조 방법
RU2553990C2 (ru) Получение замещенных производных 2-фторакриловой кислоты
JP6159415B2 (ja) 含臭素n−フェニルジアクリルイミド誘導体及びその製造方法
KR101728443B1 (ko) 2-아미노니코틴산벤질에스테르 유도체의 제조 방법
JP5008404B2 (ja) メチレンジスルホネート化合物の製造方法
KR101539761B1 (ko) 물 또는 다양한 산을 첨가제로 이용한 새로운 마이클-첨가 반응을 통하여 화합물을 제조하는 방법
JP5531546B2 (ja) 10−[1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2−ナフチル]−9−アントリル(メタ)アクリレート化合物及びその製造法
JP4963970B2 (ja) メチレンジスルホネート化合物の製造方法
JP5403485B2 (ja) 1,4−ジヒドロアントラセン−9,10−ジエーテル化合物及びその製造法
JP4895267B2 (ja) 3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物誘導体の製造方法
JP2009280546A (ja) 9,10−エタノアントラセン骨格を有する新規なジ(メタ)アクリレート化合物及びその製造法
JP6920916B2 (ja) 2−ナフタレンカルボン酸アミド化合物およびその製造方法
JP6853709B2 (ja) 芳香族化合物およびその製造方法
JP2018162239A (ja) 芳香族化合物およびその製造方法
KR20160117723A (ko) 고굴절률 경화성 화합물, 이를 포함하는 광학부재용 점착제 조성물 및 이를 포함하는 광학시트용 조성물
WO2015072290A1 (ja) 1,2,3-トリオール化合物の光学活性モノエステル体の製造方法
KR20140103028A (ko) 인계 (메타)아크릴레이트 화합물 및 그 제조 방법
JPWO2007086559A1 (ja) テトラヒドロピラン化合物の製造方法
JP2002201195A (ja) 7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸誘導体の製造方法
JPWO2016072366A1 (ja) ブチロラクトン化合物及び製造方法
WO2015019928A1 (ja) ビナフチルジアミン誘導体の合成方法
JP2017075096A (ja) チアベンダゾールモノ(メタ)アクリレート化合物及びその製造方法
JP2008195697A (ja) 3−アルキル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕デカン誘導体の製造方法
JP2012184175A (ja) 高純度3−アセチル−9−エチルカルバゾールの製造方法。

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170426

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170426

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170426

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6159415

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250