JP6158492B2 - 通気機構付きのドア装置 - Google Patents
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Description
そこで、ドア体に、ドア体の内外を通気する通気路(通気孔)と、該通気路を開閉何れかの状態に切換えて保持する切換え手段とが設けられた通気機構付きのドア装置として、ドア体を開放する際に通気路を開放状態として住居内外の差圧を解消できるようにしたものが提唱されている(特許文献1参照)。
ところで前記特許文献1のものは、通気路をドア体の内外面板に開設された開口により構成する一方、前記開口の間に位置してドア厚内に設けられ、回転変位することで開口同士を連通状態とする通気姿勢と、連通状態を遮断する遮断姿勢とに変姿する開閉板を切換え手段として構成している。そして、開閉板をドア体の施錠装置に兼用されるグレモン錠の操作ハンドルに連繋し、操作ハンドルの回転操作に伴いドア体の解錠と同時に開閉板が回転して通気姿勢となることで通気路を開放し、ドア体の内外を通気するようにしている。しかるに、このものでは、ドア体を開放操作するべく操作ハンドルを解錠操作(回転操作)するのと同時に通気路による通気がなされる構成となっている。このため、操作ハンドルを回転操作しつつドア体を押し、あるいは、引き操作する一連の操作でドア体を開放しようとした場合に、通気路が通気状態になるのと同時に押し、あるいは、引き操作がなされることになるので、解錠操作から押し、あるいは、引き操作までの時間差が殆どなく、通気路による通気(差圧解消)が充分でないことがあり、このような状態ではドア体の開放操作が依然として重く、円滑な開放操作ができないため、解錠操作から適宜時間差を持って開放しなければならないという問題があり、操作性に劣る。さらにこのものでは、外部に露出するドア体の外側面部に開口が開設されているばかりでなく、開閉板の通気姿勢では前記開口を介して開閉板が視認されることになって意匠性に劣るという問題もある。
そこでドア装置を、内外一対の面板を備え、所定のドア厚を有したドア体に、ドア体の内外面に対向する空間同士を通気する通気路と、該通気路を開放または閉鎖の何れかの状態に切換え保持する切換え手段とにより構成される通気機構を設けた構成とし、そして前記通気機構の切換え手段を、ドア体の開閉操作用の操作具とは別に設けられ、ドア体外側からはキーにより施錠−解錠操作される施錠装置に連繋し、前記施錠装置の施錠操作に伴い通気路を閉鎖状態とし、施錠装置の解錠操作に伴い通気路を開放状態に切換え保持するように構成し、これによって特許文献1が有する問題点を解消したものが提唱されている(特許文献2参照)。
ところで前記特許文献2のものは、ドア体の下端縁部と室内側面にそれぞれ開口を設け、これら開口同士をドア体の屋内側面板で通気させ、該通気路を屋外側からはキーロックされる施錠装置の解錠操作に連動して開閉する仕切り体を設けて構成するようにし、これによって屋外側からドア体を見た場合に、通気開口が直接見えないようにして通気開口ができながら防犯性を損なわないように配慮しているが、このものにはフィルタが設けられていないため、屋外から虫や塵埃が侵入してしまう、という問題がある。
そこで通気機構を備えたドア装置にフィルタを設けて虫や塵埃の侵入を防ぐようにしたものが知られている(特許文献3参照)。
請求項2の発明は、前記空気の室外側流入口は、ドア体の底面に設けられ室外に連通する室外側開口であり、空気の室内側流出口は、ドア体内面板側に設けられ室内に連通する室内側開口であり、通気路は、これら両開口に連通するようドア体内に縦方向に向けて形成され、途中に仕切り体が設けられるものとし、フィルタ配設スペースは、仕切り体に対し下側の室外側開口寄りに設けられていることを特徴とする請求項1記載の通気機構付きのドア装置である。
請求項3の発明は、前記フィルタは、左右に長尺板状のものが水平状に配されることを特徴とする請求項1または2記載の通気機構付きのドア装置である。
請求項4の発明は、前記フィルタ配設スペースは、仕切り体が収容され、通気路が形成されるベースフレームの下側であって、ドア体下枠材上端部に形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の通気機構付きのドア装置である。
請求項5の発明は、前記開口は、フィルタがフィルタ配設スペースに組込まれた状態で着脱自在な塞ぎ板を介して塞がれていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の通気機構付きのドア装置である。
請求項2の発明とすることにより、仕切り体を開放姿勢にすることで、負圧状態の室内に室外からの空気を取り入れて正圧にできるものでありながら、該室外から流入する空気は、仕切り体よりも室外側に配したフィルタによって浄化されるため、フィルタを室内側に設けたもののようにフィルタに積もった塵芥等が可動物である仕切り体に付着して仕切り体の円滑な動きを阻害することがないうえ、フィルタ自体が内外面板に挟まれていて直接目視できないよう配されているため汚れたフィルタが露出してしまうことがなく、外観性を損なうことがない。しかもフィルタは、ドア体底面の室外側開口に対向する状態で組み込まれるから、フィルタに付着した塵芥等は、下の室外側開口に向けて落下することになり、室内側に入り込んで汚れてしまうことを回避できる。
請求項3の発明とすることにより、仕切り体を開放姿勢にすることで、負圧状態の室内に室外からの空気を取り入れて正圧にできるものでありながら、該室外から流入する空気は、仕切り体よりも室外側に配したフィルタによって浄化されるため、フィルタを室内側に設けたもののようにフィルタに積もった塵芥等が可動物である仕切り体に付着して仕切り体の円滑な動きを阻害することがないうえ、フィルタ自体が内外面板に挟まれていて直接目視できないよう配されているため汚れたフィルタが露出してしまうことがなく、外観性を損なうことがない。しかもフィルタは、ドア体の厚みを利用するかたちで広面積のフィルタ面を確保することができることになって、速やかな空気流入ができることになる。
請求項4の発明とすることにより、仕切り体を開放姿勢にすることで、負圧状態の室内に室外からの空気を取り入れて正圧にできるものでありながら、該室外から流入する空気は、仕切り体よりも室外側に配したフィルタによって浄化されるため、フィルタを室内側に設けたもののようにフィルタに積もった塵芥等が可動物である仕切り体に付着して仕切り体の円滑な動きを阻害することがないうえ、フィルタ自体が内外面板に挟まれていて直接目視できないよう配されているため汚れたフィルタが露出してしまうことがなく、外観性を損なうことがない。しかもフィルタ配設スペースの確保が容易になる。
請求項5の発明とすることにより、仕切り体を開放姿勢にすることで、負圧状態の室内に室外からの空気を取り入れて正圧にできるものでありながら、該室外から流入する空気は、仕切り体よりも室外側に配したフィルタによって浄化されるため、フィルタを室内側に設けたもののようにフィルタに積もった塵芥等が可動物である仕切り体に付着して仕切り体の円滑な動きを阻害することがないうえ、フィルタ自体が内外面板に挟まれていて直接目視できないよう配されているため汚れたフィルタが露出してしまうことがなく、外観性を損なうことがない。しかもフィルタを抜き差しするための開口が塞がれることになって外観を損なうことがないうえ、フィルタをフィルタ配設スペースに残したままの状態で塞ぎ板を外してフィルタの点検ができるため、該点検のときフィルタを引き出すことで該フィルタに付着した塵埃等が落下して室内側を汚してしまうようなことがない。
図面において、1は集合住宅の玄関口に設けられるドア装置であって、該ドア装置1を構成するドア体2は、躯体の開口部に固定される四周枠3の一側部である戸尻側枠体3aとのあいだに設けられる上下方向三箇所の丁番4を介して揺動自在に設けられており、開口部を外開き式に開放する全開姿勢と開口部を閉鎖する全閉姿勢とのあいだを開閉揺動するように構成されている。前記ドア体2は、室内外一対(表裏一対)の内、外面板5、6の上下、左右の四周端縁部を適宜折曲することにより、ドア厚方向の端面(上下左右端面)とが形成されて、内、外面板5、6の対向間にコア材7を介装することにより所定のドア厚を有したものに構成されている。尚、8はドア体2の左右端部および上端部に内装される骨材(枠材)である。
またベースフレーム14の下片部14hは、下枠材内、外面板12c、12dの上端縁に載置状に当接しているが、該下片部14hには、下側開口2aおよび、下枠材開口12bと略同位置になるようベースフレーム開口14iが切欠き形成されていて前記各開口2a、12bに連通するように構成されている。
つまり本実施の形態では、ドア体2の内外の空気は、例えば室内側の気圧が低下して外部の空気が室内に流入される場合では、ドア体下側開口2a、下枠材開口12b、ベースフレーム開口14i、本体ケース底面開口16fを通過して本体ケース16内に流入したものが、本体ケース内面開口16g、内側通気用開口14d、覆板開口14eを経由してフード板14gと内面板開口5bの隙間からドア体2の内部に流入するように構成されており、このようにしてドア体2の内外を連通する空気流路が形成されることになって通気ができるように構成されている。
尚、ストッパ片17c、17dの仕切り体17が当接する面には、ゴム質弾性材からなる気密材17fが設けられていて、前記遮断状態となったとき高い気密性を維持できるように構成されている。
これらの通常状態のとき、付勢力の大きい第一弾機20は伸縮することなく単に上下移動するだけである。
そして、仕切り体17等が何らかの理由によりロックされて第二弾機受け片19側が上下動しないロック状態になる異常が発生したとき、サムターン11a、または鍵孔11bに挿し込まれたキーの回動操作をした場合に第一弾機20は伸縮作動をすることになって第一弾機受け片18が上下移動して第二施錠装置11の施錠、解錠操作ができるようになっている。
さらに第一弾機20や第一弾機受け片18側が上動しないロック状態となる等の異常が発生したとき、サムターン11a、または鍵孔11bに挿し込まれたキーの回動操作をした場合に第二作動ロッド11eが第一弾機受け片上端折曲片18bから離間することになって第二施錠装置11の施錠、解錠操作ができるようになっている。
またさらには、第二作動ロッド11eのガイド体11fによるガイドに不具合等があって第二作動ロッド11eがロックされて上動しなくなった場合、磁石11gが第二作動ロッド11e側の磁性材11hから離間することになり、これによって第二施錠装置11の施錠、解錠操作ができるようになっている。
そうしてフィルタ22は、下枠材内面板12cの左右両端部12eよりも低くなった上端縁12fとベースフレーム内片部14aの下端縁との隙間および内面板5に形成の切欠き5cが室内側の開口となって、該開口から前記スペースSに抜き差し自在に組込むことができるようになっており、該組込まれたフィルタ22は、内面板左右両端部12eおよび上端縁12fに設けた係止片12gによって抜止め係止されるようになっている。内面板切欠き5eは着脱自在な塞ぎ板23によって塞ぐ構成になっている。尚、22aはフィルタ22を取出すときに指で把持する摘み、24は火災の熱により溶断して空気流路を塞ぐ防火ダンパである。
尚、フィルタ22は、本実施の形態では塞ぎ板23とは別部材としているが、これに限定されることなく、塞ぎ板23と一体化し、塞ぎ板23をはずすことに連繋してスペースSから抜き出すことができるように構成してもよい。
そのうえフィルタ22は、仕切り体17に対し下側である下側開口2a側に位置して配される結果、フィルタ22に付着した塵芥等は、下側開口2a側、つまり室外側に向けて落下することになって、室内側に入り込んで汚れてしまうことを回避することができる。
しかもフィルタ22は、内面板5側に形成の前記開口からスペースSに抜き差し自在に組み込むことができるため、防犯性を損なうことのない状態で、室内側からのメンテナンス作業が容易にできることになる。
そしてフィルタ22を抜き差しするための内面板側の開口は、普段は塞ぎ板23で塞がれるため外観を損なうことがない。
しかもこの場合、塞ぎ板23を外した状態で開口を覗くことで、フィルタ22の汚れ具合を、フィルタ22を室内側に取り出さない状態で視認することができるため、フィルタ22を取り出して確認する場合のように、付着している塵埃等が落下して室内を汚してしまうことを回避できる。
2 ドア体
2a 下側開口
5 内面板
5b 内面板開口
9 把手
11 第二施錠装置
12 下枠材
12b 下枠材開口
17 仕切り体
22 フィルタ
Claims (5)
- 内外面板を備え、所定のドア厚を有したドア体に、空気の室外側流入口と室内側流出口とをドア厚方向に対向しないよう互いに偏倚した位置に設け、これら流入口と流出口とを、内外面板で挟まれるようにして形成した通気路で連通連結して室外側から室内側に向けて空気が流入できるように構成すると共に、該通気路に、通気路を開閉自在に仕切るための仕切り体を備えたドア装置において、前記通気路の仕切り体よりも室外側部位に形成のフィルタ配設スペースにフィルタが配せられたものであり、該フィルタは、内面板側に形成した開閉自在な開口からフィルタ配設スペースに抜き差し自在に組み込まれるように構成したことを特徴とする通気機構付きのドア装置。
- 前記空気の室外側流入口は、ドア体の底面に設けられ室外に連通する室外側開口であり、空気の室内側流出口は、ドア体内面板側に設けられ室内に連通する室内側開口であり、通気路は、これら両開口に連通するようドア体内に縦方向に向けて形成され、途中に仕切り体が設けられるものとし、フィルタ配設スペースは、仕切り体に対し下側の室外側開口寄りに設けられていることを特徴とする請求項1記載の通気機構付きのドア装置。
- 前記フィルタは、左右に長尺板状のものが水平状に配されることを特徴とする請求項1または2記載の通気機構付きのドア装置。
- 前記フィルタ配設スペースは、仕切り体が収容され、通気路が形成されるベースフレームの下側であって、ドア体下枠材上端部に形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の通気機構付きのドア装置。
- 前記開口は、フィルタがフィルタ配設スペースに組込まれた状態で着脱自在な塞ぎ板を介して塞がれていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の通気機構付きのドア装置。
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