JP6158404B2 - カラーコンタクトレンズセットおよびカラーコンタクトレンズセットの製造方法 - Google Patents

カラーコンタクトレンズセットおよびカラーコンタクトレンズセットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6158404B2
JP6158404B2 JP2016156637A JP2016156637A JP6158404B2 JP 6158404 B2 JP6158404 B2 JP 6158404B2 JP 2016156637 A JP2016156637 A JP 2016156637A JP 2016156637 A JP2016156637 A JP 2016156637A JP 6158404 B2 JP6158404 B2 JP 6158404B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
contact lens
colored
region
iris
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016156637A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016189034A (ja
Inventor
清彦 太田
清彦 太田
将人 白瀧
将人 白瀧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Menicon Co Ltd
Original Assignee
Menicon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Menicon Co Ltd filed Critical Menicon Co Ltd
Publication of JP2016189034A publication Critical patent/JP2016189034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6158404B2 publication Critical patent/JP6158404B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/04Contact lenses for the eyes
    • G02C7/046Contact lenses having an iris pattern
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D11/00Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
    • B29D11/00009Production of simple or compound lenses
    • B29D11/00038Production of contact lenses
    • B29D11/00125Auxiliary operations, e.g. removing oxygen from the mould, conveying moulds from a storage to the production line in an inert atmosphere
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D11/00Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
    • B29D11/00865Applying coatings; tinting; colouring
    • B29D11/00923Applying coatings; tinting; colouring on lens surfaces for colouring or tinting
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/46Measurement of colour; Colour measuring devices, e.g. colorimeters
    • G01J3/463Colour matching

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)

Description

本発明は、着色領域が設けられたカラーコンタクトレンズに関連する発明であって、特に虹彩の外径よりも大きな外径寸法を有するリング状の着色領域を備えており、人眼への装用によって外観上で角膜を大きく見せることのできるカラーコンタクトレンズとその関連技術に関する発明である。
従来から、コンタクトレンズの一種として、リング状の着色領域を設け、かかる着色領域で虹彩の外周縁を覆って、虹彩の外周側にまで着色領域をはみ出させるようにしたカラーコンタクトレンズが知られている。例えば特開2004−21244号公報(特許文献1)に記載のものがそれである。
そして、このようなカラーコンタクトレンズは、装用することにより外観上で虹彩および角膜の外径を大きく見せることができることから、コスメティック効果等が期待されている。
ところで、従来のカラーコンタクトレンズでは、装用状態で虹彩の外縁をより際立たせてコスメティック効果の向上を狙う目的で、リング状の着色領域を黒などの目立ちやすい色にして外周縁部が結膜上で視認しやすくされていた。
しかしながら、使用者によっては、カラーコンタクトレンズを装用していることを他人に知られたくないという潜在的な意識を抱く者もあることがわかった。そのような使用者にとっては、従来の目立ちやすい色の着色領域を備えたカラーコンタクトレンズに満足することができていなかったのである。
そこで、角膜の外周を際立たせることでコスメティック効果を狙った従来のカラーコンタクトレンズとは、いわば逆転の発想として、装用状態で目立たず自然に見える着色領域を備えたカラーコンタクトレンズを提供することについて、本発明者が新たに検討した。ところが、人眼における虹彩の色はまちまちであること等から、実現が困難であることがわかった。
すなわち、オーダーメード的に着色して提供することも考えられるが、それでは製造に時間や労力、コストがかかり過ぎて現実的でない。特に、人眼の虹彩の色は、個人によって異なるだけでなく、同じ人でも部位によって異なることが判ったのであり、その対応が一層難しかった。
加えて、従来のカラーコンタクトレンズでは、色に関して試験的な官能評価で決定されていることから、個人や部位によって異なる虹彩に対して、効率的に且つ客観的に適合する妥当な色を決定することが、極めて困難だったのである。
特開2004−21244号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、装用者における虹彩の色に対して客観的に適合する色からなるリング状の着色領域を有し、装用者の虹彩の外径を自然な外観で大きく見せることができると共に、少ない色の規格数で広範囲の虹彩色へ効率的に適合して大量生産することのできる、新規な構造のカラーコンタクトレンズを提供することを、目的の一つとすることもできる。
また、本発明は、装用者における虹彩の色に対して客観的に適合する色からなるリング状の着色領域を有し、装用者の虹彩の外径を自然な外観で大きく見せることができるカラーコンタクトレンズを、少ない色の規格数で広範囲の虹彩色へ効率的に適合するように製造および提供することを可能にする、新規なカラーコンタクトレンズセットおよびその製造方法の実現を、目的とする。
更にまた、本発明は、装用者における虹彩の色に対して客観的に適合する色からなるリング状の着色領域を有し、装用者の虹彩の外径を自然な外観で大きく見せることができると共に、少ない色の規格数で広範囲の虹彩色へ効率的に適合して大量生産することのできる、カラーコンタクトレンズの新規な製造方法の提供も、目的の一つとすることもできる。
かくの如き課題を解決するために為された、カラーコンタクトレンズに関する本発明の第一の態様は、虹彩の外径よりも大きな外径寸法と該虹彩の外径よりも小さな内径寸法とを有するリング状の着色領域が設けられたカラーコンタクトレンズにおいて、前記着色領域における彩度の値が、装用対象者の母集団における虹彩の径方向での中間部分の彩度分布と周辺部分の彩度分布とが重なり合う彩度領域に設定されているものである。
前述の如き課題を解決するために本発明者が多くの実験と検証を繰り返した結果、人眼の虹彩における個人差や部分差に起因して、レンズ装用状態で着色領域における色の相違が外観上で違和感を与えやすい要素として、人眼の虹彩の彩度の値が重要であるとの新たな知見を得るに至った。特に、彩度は、個人間でもばらつきがあることに加えて、同一人でも虹彩の径方向位置によって相違することに着目した。
すなわち、本発明が対象とするカラーコンタクトレンズは、その装用状態において、リング状の着色領域の内周縁が虹彩の径方向中間部分に位置せしめられる一方、かかる着色領域の外周縁が虹彩の径方向外周側に位置せしめられる。ここにおいて、虹彩は、径方向に彩度が比較的大きく変化するものであることが本発明者によって確認されているところ、リング状の着色領域の色において、虹彩の中間部分と周辺部分との彩度が重なり合う領域の彩度を選択することで、装用者における虹彩の色に対して客観的に適合する色を容易に設定することが可能になる。
そして、本態様に従う構造とされたカラーコンタクトレンズを装用することによって、リング状の着色領域の内周縁部が装用者の虹彩上で自然に馴染んで見えやすく、着色領域の外周縁部も結膜上で過度に際立つことなく自然な虹彩の外縁に近い外観をもって見えることとなる。その結果、他人からは判り難い状態でカラーコンタクトレンズを装用したいという装用者の欲求を、良好に満たすことができる。
しかも、本態様のカラーコンタクトレンズでは、装用対象者の多数に適合する色で着色領域の色が設定されることから、少ない色の規格数で広範囲の装用者の虹彩色に対して効率的に適合させることが可能になる。それ故、色の規格数を過度に設定する必要もなく、少ない色の規格数で製造や管理を行うことができることから、大量の生産や市場への流通、更には使用者への適合処方を、効率的に行うことが可能になる。
カラーコンタクトレンズに関する本発明の第二の態様は、第一の態様に係るカラーコンタクトレンズにおいて、前記着色領域における明度の値が、装用対象者の母集団における虹彩の明度の平均値Xに標準偏差σを考慮して、X±2σの範囲内に設定されているものである。
また、カラーコンタクトレンズに関する本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に係るカラーコンタクトレンズにおいて、前記着色領域における色相の値が、装用対象者の母集団における虹彩の色相の平均値Yに標準偏差σ′を考慮して、Y±2σ′の範囲内に設定されているものである。
本発明者による実験や検討の結果、人眼の虹彩では、彩度に比して、明度や色相は、分布範囲が限定的であり、特に虹彩の径方向位置における差異が比較的小さいことが判った。それ故、本発明のカラーコンタクトレンズでは、着色領域の色設定に関して、虹彩に比して明度や色相は容易に決定することが可能であり、例えば装用対象者の母集団における平均値を採用することによって、装用対象者の多数に適合させることが可能である。
ここにおいて、上述の第二の態様に従って、着色領域における明度の値を、装用対象者の母集団における虹彩の明度の平均値に対して±2σの範囲内に設定したり、また、上述の第三の態様に従って、着色領域における色相の値を、装用対象者の母集団における虹彩の色相の平均値に対して±2σ’の範囲内に設定されることが好適である。このような明度または色相の設定範囲を採用することにより、装用状態の着色領域を装用者の虹彩に対して良好になじませて違和感を抑えた外観を、一層有利に与えることが可能になる。
カラーコンタクトレンズに関する本発明の第四の態様は、第一〜三の何れかの態様に係るカラーコンタクトレンズであって、前記着色領域において、彩度が35〜44%、明度が40〜45%、色相が25〜30度とされているものである。
本態様に従えば、装用対象者を日本人とした場合に、装用状態で虹彩の外縁をより際立たせてコスメティック効果の向上を狙った従来品とは違って、虹彩に違和感なく馴染ませて自然な外観を呈することで装用していることを外観上でわかり難くできる、新規な構造のカラーコンタクトレンズが効率的に実現可能となる。
カラーコンタクトレンズに関する本発明の第五の態様は、第一〜四の何れかの態様に係るカラーコンタクトレンズにおいて、複数の着色ドットが設けられることにより前記着色領域が形成されていると共に、該着色ドットがレンズ外周側からレンズ内周側に向かって周方向の幅寸法が小さくなる形状とされており、且つレンズ外周側からレンズ内周側に向かって該着色ドットの面積が小さくなっているものである。
本態様に従う構造とされたカラーコンタクトレンズでは、着色領域において着色されたドット面積と非着色の透明面積との割合を、レンズ径方向でより自然な外観をもって効率的に且つ容易に設定することが可能となる。
カラーコンタクトレンズに関する本発明の第六の態様は、上記第五の態様に係るカラーコンタクトレンズにおいて、半円状の前記着色ドットがレンズ周方向に所定ピッチで配列されることによって環状のドット配列帯が構成されていると共に、該ドット配列帯がレンズ径方向で同心的に複数設けられているものである。
本態様に従う構造とされたカラーコンタクトレンズでは、着色領域において着色されたドット面積と非着色の透明面積との割合を、レンズ周方向とレンズ径方向との何れにおいても自然な外観をもって効率的に且つ容易に設定することが可能となる。その結果、着色領域の広い範囲に亘って、装用状態で一層自然に見えて外観上で装用の事実をよりわかり難くすることができる。
カラーコンタクトレンズに関する本発明の第七の態様は、前記第一〜六の何れかの態様に係るカラーコンタクトレンズにおいて、前記リング状の着色領域が、周方向の全周に亘って均一な着色領域とされた外周部分と、周方向で不均一な着色領域とされた内周部分とを備えており、該内周部分の半径方向寸法が、装用状態での許容ずれ量に対応する大きさに設定されているものである。
本態様に従う構造とされたカラーコンタクトレンズでは、着色領域の内周部分に周方向で不均一な着色領域を設けたことで、かかる領域を虹彩模様に近づけることが可能になり、装用時の外観上の違和感を一層軽減することが可能になる。しかも、かかる不均一な着色領域は、必要に応じて細隙灯顕微鏡等の眼科機器を用いて外部から観察することが可能であることから、その径方向寸法を装用状態での視軸移動に際しての許容ずれ量に対応する大きさとすることで、装用者への当該カラーコンタクトレンズの適合性を他者が客観的に観察する際の指標とすることも可能になる。
また、上記[0011]に記載の如き課題を解決するために為された、カラーコンタクトレンズセットに関する本発明の第一の態様は、虹彩の外径よりも大きな外径寸法と該虹彩の外径よりも小さな内径寸法とを有するリング状の着色領域が設けられていると共に、前記着色領域における彩度の値が、装用対象者の母集団における虹彩の径方向での中間部分の彩度分布と周辺部分の彩度分布とが重なり合う彩度領域に設定されているカラーコンタクトレンズを対象とし、前記着色領域において彩度および明度が異ならされることにより互いに異なる色設定とされた該カラーコンタクトレンズの複数種類が、互いに組み合されることによりカラーコンタクトレンズセットとされており、かかる互いに異なる色設定とされた該着色領域において彩度の値が大きくなる程に明度の値が大きくされていることを、特徴とする。
本発明者による実験や検証等の結果、人眼の虹彩において個人差や部分差が比較的に大きい色成分としての彩度に関して、ばらつきの傾向があり、特に明度との間に比例関係に近い正の相関性が存在することを新たに知得した。そして、このような新たな知見に基づいて為された本発明に従う構造のカラーコンタクトレンズセットでは、個人差によって虹彩の色が異なる多数の使用者を対象としても、セットを構成する何れかのカラーコンタクトレンズを選択することにより、当該使用者の虹彩に近い色が提供され得ることとなる。それ故、装用対象者となる使用者の個人差に対しても、効果的に対応して自然な虹彩の色に近い外観を呈し得る色のカラーコンタクトレンズを、少ない色設定で効率的に提供することが可能になるのであって、前述の如き本発明に従う構造とされたコンタクトレンズを一層容易に製造や流通および管理等することが可能になる。
カラーコンタクトレンズセットに関する本発明の第二の態様は、第一の態様に係るカラーコンタクトレンズセットにおいて、前記カラーコンタクトレンズの複数種類について、互いに異なる色設定とされた前記着色領域において明度の値が大きくなる程に該着色領域の外径寸法が大きくされているものである。上述のように互いに異なる色設定とされた複数種類を組み合わせてカラーコンタクトレンズセットを構成するに際しては、互いに異なる色設定とされた前記着色領域において明度の値が大きくなる程に該着色領域の外径寸法が大きくされている態様が、好適に採用され得る。
すなわち、明度の相違が看者に与える印象が比較的大きく、一般に明度の値が低いほど心理的に与える印象が強くなることから、本態様のように、互いに組み合わされるカラーコンタクトレンズにおいて、明度の値が大きい方を小さい方に比して着色領域の外径寸法を大きくすることで、装用時における外観上の見え方が大きく異ならないように揃えることが可能になる。
カラーコンタクトレンズセットに関する本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に係るカラーコンタクトレンズセットにおいて、前記カラーコンタクトレンズが、前記着色領域において、彩度が35〜44%、明度が40〜45%、色相が25〜30度とされているものである。
カラーコンタクトレンズセットに関する本発明の第四の態様は、第一〜三の何れかの態様に係るカラーコンタクトレンズセットにおいて、前記カラーコンタクトレンズにおいて、複数の着色ドットが設けられることにより前記着色領域が形成されていると共に、該着色ドットがレンズ外周側からレンズ内周側に向かって周方向の幅寸法が小さくなる形状とされており、且つレンズ外周側からレンズ内周側に向かって該着色ドットの面積が小さくなっているものである。
カラーコンタクトレンズセットに関する本発明の第五の態様は、第四の態様に係るカラーコンタクトレンズセットにおいて、半円状の前記着色ドットがレンズ周方向に所定ピッチで配列されることによって環状のドット配列帯が構成されていると共に、該ドット配列帯がレンズ径方向で同心的に複数設けられているものである。
カラーコンタクトレンズセットに関する本発明の第六の態様は、第一〜五の何れかの態様に係るカラーコンタクトレンズセットにおいて、前記カラーコンタクトレンズにおいて、前記リング状の着色領域が、周方向の全周に亘って均一な着色領域とされた外周部分と、周方向で不均一な着色領域とされた内周部分とを備えており、該内周部分の半径方向寸法が、装用状態での許容ずれ量に対応する大きさに設定されているものである。
さらに、本発明は、虹彩の外径よりも大きな外径寸法と該虹彩の外径よりも小さな内径寸法とを有するリング状の着色領域が設けられたカラーコンタクトレンズを製造するに際して、装用対象者の母集団における虹彩の色を所定の表色系を用いた色成分値として取得する色情報取得工程と、該色情報取得工程で得られた前記母集団における該虹彩の前記色成分値の分布範囲内で、且つ該母集団における虹彩の径方向での中間部分の彩度分布と周辺部分の彩度分布とが重なり合う彩度領域に彩度の値を設定することにより、前記着色領域における色を決定する色決定工程と、該色決定工程で決定された色で前記着色領域を設ける工程とを、含むカラーコンタクトレンズの製造方法も、特徴とする。
本発明方法に従えば、装用対象者を予め設定することで、当該装用対象者に属する多数の使用者に対して、装用状態で虹彩と馴染んで目立たない状態で虹彩外縁を自然に大きく見せ得る、新規なカラーコンタクトレンズを、適切な表色系で客観的に特定された色成分値で特定された着色領域をもって、効率的に製造し、使用者に対して提供することが可能になる。
なお、本発明方法において、着色領域は、好適には複数の着色ドットの集合領域として形成され得る。かかる着色ドットは、例えば顔料や染料をレンズ表面に付着させたりレンズ内部に封入または含浸させたりすることによるレンズの表面及び/又は内部への着色によって実現される。また、インクジェットプリンタにより液滴でレンズ表面に着弾させたり、レンズ成形型に付着させた色素をレンズ成形に際してレンズ表面に被着させたり、電子写真プリントで印刷したり、熱転写方式や写真現像方式で着色させる他、特表2011−76105号公報等に記載の高精度なパッドトランスファー法でレンズ表面に着色させたりするなど、公知の各種の手法により直接的又は間接的にレンズの表面や内部に色を付することが可能である。
さらに、着色ドットとして、着色剤の最小単位の付着で形成される要素ドットからなるものを採用する他、例えば、隣り合う複数個の要素ドットの集合領域によって構成される集合ドットを着色ドットして採用することも可能である。複数の着色ドットは、相互に離隔していても、相互に部分的に接していても良い。
ところで、本発明方法は、前述の本発明に係るカラーコンタクトレンズの製造に際して好適に適用され得る。即ち、本発明方法に従ってカラーコンタクトレンズを製造する工程において、カラーコンタクトレンズに関する本発明の前記第一〜七の態様の何れかに記載されたカラーコンタクトレンズの構成を満たすように前記着色領域を設定するカラーコンタクトレンズの製造方法も、本発明方法の一態様とされる。
また、本発明方法は、前述の本発明に係るカラーコンタクトレンズセットを得るに際しても好適に適用され得る。即ち、相互に異なる色設定とされて互いに組み合わされることにより前述の本発明に係るカラーコンタクトレンズセットを構成する複数種類の前記カラーコンタクトレンズを、それぞれ、前述の本発明に係るカラーコンタクトレンズの製造方法に従って製造することにより、目的とするカラーコンタクトレンズセットを製造する方法も、本発明の特徴とされる。
上記[0011]に記載の如き課題を解決するために為された、カラーコンタクトレンズセットの製造方法に関する本発明方法の第一の態様は、上記[0030]〜[0033]に記載の第一〜六の何れかの態様に係るカラーコンタクトレンズセットの製造方法であって、互いに異なる色設定とされて互いに組み合わされる複数種類の前記カラーコンタクトレンズを製造するに際して、装用対象者の母集団における虹彩の色を所定の表色系を用いた色成分値として取得する色情報取得工程と、該色情報取得工程で得られた前記母集団における該虹彩の前記色成分値の分布範囲内で、且つ該母集団における虹彩の径方向での中間部分の彩度分布と周辺部分の彩度分布とが重なり合う彩度領域に彩度の値を設定することにより、前記着色領域における色を決定する色決定工程と、該色決定工程で決定された色で前記着色領域を設ける工程とを、含むカラーコンタクトレンズセットの製造方法を、特徴とする。
カラーコンタクトレンズセットの製造方法に関する本発明方法の第二の態様は、上述の第一の態様に係るカラーコンタクトレンズセットの製造方法であって、前記色決定工程において、前記着色領域における明度の値を、装用対象者の母集団における虹彩の明度の平均値Xに標準偏差σを考慮して、X±2σの範囲内に設定するものである。
カラーコンタクトレンズセットの製造方法に関する本発明方法の第三の態様は、上述の第一又は第二の態様に係るカラーコンタクトレンズセットの製造方法であって、前記色決定工程において、前記着色領域における色相の値を、装用対象者の母集団における虹彩の色相の平均値Yに標準偏差σ′を考慮して、Y±2σ′の範囲内に設定するものである。
本発明に従えば、装用者における虹彩の色に対して客観的に適合する色からなるリング状の着色領域を有し、装用者の虹彩の外径を自然な外観で大きく見せることができると共に、少ない色の規格数で広範囲の虹彩色へ効率的に適合して大量生産することのできる、新規なカラーコンタクトレンズが提供され得る。
特に本発明に係るカラーコンタクトレンズセットでは、新たな知見による明度と彩度の相関性に基づいた着色領域の色設定が採用されていることで、多数の使用者の個人差に対しても比較的に少ない色設定で効率的に対応して適切なカラーコンタクトレンズを提供することも可能になる。
また、本発明方法は、上述の如き本発明に従うカラーコンタクトレンズやカラーコンタクトレンズセットの製造に際して好適に適用され得る。
(a)は本発明の一実施形態としてのカラーコンタクトレンズを拡大して示す正面説明図であって、(b)は(a)のカラーコンタクトレンズにおける着色領域を別の色で着色したカラーコンタクトレンズを示す。 図1に示されたカラーコンタクトレンズを装用した人眼を例示的に示す正面写真による説明図。 図1に示されたカラーコンタクトレンズの装用対象者における裸眼を例示的に示す正面写真による説明図。 表色系の一具体例としてのHSV表色系を説明するための説明図。 裸眼状態の虹彩の色および実施例1,2の着色領域に付される色における彩度と明度の関係をグラフにして示す説明図。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1(a),(b)には、本発明の一実施形態としてのカラーコンタクトレンズ10,11が示されており、両カラーコンタクトレンズ10,11は相互に異なる色で着色されている。かかるカラーコンタクトレンズ10,11は、それぞれレンズ中央部分から外周に向かって光学部12と周辺部14とエッジ部16を備えており、光学部12と周辺部14に跨って着色領域18が設けられている。なお、以下の説明において、両カラーコンタクトレンズ10,11は略同形状であることから、図1(a)に示されるカラーコンタクトレンズ10について説明する。
より詳細には、本実施形態のカラーコンタクトレンズ10は、従来のコンタクトレンズと同様に全体として薄肉の略球冠形状を有している。そして、球冠凹状のレンズ内面において使用者の角膜上に重ね合わされて、瞬目に際して球冠凸状のレンズ外面に眼瞼が覆い被さる状態で、人眼に装用されることとなる。
かかるカラーコンタクトレンズ10の中央部分には、正面視で略円形の領域形状をもって光学部12が設けられている。この光学部12は、装用状態で網膜へ導かれる光線を透過させる領域であり、可視光線に対して高い透過性が与えられている。なお、光学部12には、必要に応じて、装用者の眼光学系に対して所定の視力補正を与えるように適切な光学特性が設定されていても良い。
また、光学部12の外周には、径方向で所定幅をもって光学部12の周囲を囲むように広がる円環状の周辺部14が設けられており、周辺部14によってカラーコンタクトレンズ10が使用者の角膜上に安定して位置するようにされる。更に、カラーコンタクトレンズ10の外周縁部がエッジ部16とされており、レンズ内面とレンズ外面がエッジ部16により接続されている。
そして、光学部12と周辺部14に跨って着色領域18が設けられることにより、カラーコンタクトレンズ10が構成されている。この着色領域18は、レンズ幾何中心20を中心として光学部12や周辺部14と同心的に設けられた略リング状または円環帯状の領域とされている。また、かかる着色領域18は全面をベタ着色することも可能であるが、本実施形態では着色領域18に小さな着色ドット22を、一部が繋がった或いは僅かな隙間を隔てて離隔した所定間隔で多数配置することにより構成されている。
本実施形態において、各一つの着色ドット22は、ドットの全体が一定の色で着色されており、その透明度もドットの全体で一定とされている。また、本実施形態では、全ての着色ドットの色および透明度も、一定とされている。ただし、着色ドット22の大きさは、レンズ径方向で異ならされている。
より具体的には、本実施形態では、鱗のような半円形状の着色ドット22が採用されており、かかる着色ドット22が、レンズの外周側から内周側に向って周方向の幅寸法が小さくなる方向に向けられることで、レンズの外周側から内周側に向かって着色ドット22の周方向幅寸法が小さくされている。また、複数の着色ドット22は、着色領域18の全体に亘って外観上で違和感を抱く程の濃淡が発生しない程度に一定の着色状態となるように分散配置されている。
特に本実施形態では、光学部12および周辺部14の中心軸回りで同軸的な設計上の配列円が想定されており、この配列円に沿って同一形状の着色ドット22が相互に微小間隔を隔てて配列されることで環状の着色帯となるドット配列帯24が構成されている。更に、複数の着色ドット22が周方向に配列された設計上の配列円が、レンズ径方向で所定の間隔を隔てて多重的に複数設定されることで、複数のドット配列帯24が、同心的に設けられている。また、ドット配列帯24を構成する着色ドット22は、外周側に位置するドット配列帯24に比して、内周側に位置するドット配列帯24のほうが同じか小さくされている。
なお、着色ドット22の配列は、図示されているように周方向および径方向で隣接する着色ドット22同士が相互に接するようにつながって数珠つなぎ様になっているが、相互に僅かな距離を隔てて着色ドット22が配列されていても良い。更に、図示のように半円形の着色ドットが鱗状に配列されている他、本発明では、各種形状の着色ドットが任意の配列態様をもって採用され得るし、例えば所定領域の全体をべた塗り状に着色することも可能である。
また、着色ドット22を採用するに際しては、着色領域18の全体において着色ドット22の占める面積割合が、20〜70%、好ましくは45〜65%、より好ましくは50〜60%となるように設定されることが望ましい。これにより、着色領域18を外観上で一体的に認識しやすくなる。更に、着色領域18の全体で違和感のない着色状態を実現するために、各着色ドット22の大きさは、周方向で40〜300μm、好ましくは70〜250μm、径方向で70〜600μm、好ましくは100〜400μmとされることが望ましい。
更にまた、着色領域18における着色ドット22では、可視光線(380〜750nm)の透過率が0〜50%とされることが望ましく、着色ドット22を外れた光学部を含む領域では、可視光線の透過率が80〜100%とされることが望ましい。これにより、使用者における見え方の確保と、着色領域18によるコスメティック効果などが両立して一層得られやすい。
さらに、本実施形態では、最外周のドット配列帯24から内周側のドット配列帯24に行くに従って、それを構成する着色ドット22が次第に小さくされている。また、着色ドット22の周方向位置も、径方向で相互に隣り合うドット配列帯24,24間で、1/2だけ位相が周方向で異ならされており、径方向で隣り合う内外周のドット配列体24,24における着色ドット22,22間の周方向隙間に対応する周方向位置に、着色ドット22が配されている。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、周長が小さくなる内周側のドット配列帯24ほど、着色ドット22が小さくされることで、周上の着色ドット22の配置数が一定とされている。尤も、内周縁近くのドット配列帯24では、周上で離散的に着色ドット22が配されており、離散的部分集合の領域の着色ドット22によって虹彩模様等を模した着色形状が構成されていることから、当該領域では、着色ドット22が任意の形状や大きさ,ピッチをもって配されている。
このような構造とされたカラーコンタクトレンズ10,11は、図2に示されているように、人眼に装用されることとなる。
ここにおいて、着色領域18の外径寸法φAが虹彩26の外径寸法より大きくされていると共に、着色領域18の内径寸法φBが虹彩26の外径寸法より小さくされている。即ち、着色領域18は、所謂黒目である虹彩26とその外周側の所謂白目との境界に跨って、黒目領域と白目領域の両方に広がって形成されている。
また、例えば、着色領域18の内径寸法φBは、暗視野で広がった瞳孔28の外周側に位置する虹彩26上で、かかる虹彩26の幅方向(径方向)の1/4〜3/4の領域内に、着色領域18の内周縁が位置するように設定されてもよい。
更にまた、光学部12の外径寸法φCは、瞳孔28が散瞳した際の最大径と略同じか、それより大きくされることが好適である。これにより、例えば着色領域18の内径寸法φBが光学部12において散瞳時の最大瞳孔径以上に設定されて外径寸法φCより大きくされる場合には、暗所下で瞳孔28が散瞳した際にも、瞳孔28の領域内、即ち装用者の視界に着色領域18が入り込むことが効果的に回避される。なお、図1に、縮瞳して最小径となった状態の瞳孔28aと散瞳して最大径となった状態の瞳孔28bを二点鎖線で示す。
尤も、かかる着色領域18の内周部分は、特に本実施形態では全周に亘って連続的に着色部が設定されていないこともあり、使用者が見え方に違和感を覚えない範囲で、瞳孔径内に多少は入っていても良い。特に、使用者の視軸の動きなどに際しての角膜上でのレンズの動きなどを考慮すると、一時的に且つ部分的に、着色領域18の内周部分が瞳孔径内に重なることは支障ないことが多い。
さらに、本実施形態では、着色領域18の外周部分では、ドット配列帯24の周上で着色ドット22が略一定の間隔で均一に配されて略リング状に見える着色域が構成されている一方、着色領域18の内周部分では、ドット配列帯24周上で着色ドット22が離散的に配されてリング状には見え難い着色域が構成されている。特に内周部分の着色ドット22は、径方向に続く複数のドット配列帯24間で周上の略対応する位置に設定されることで、全体に着色されたように見える着色領域18の外周部分から、周上の複数箇所において半径方向内方に向かって略先細状に延び出す、虹彩模様に似た毛や糸のような模様27を構成している。
なお、本実施形態では、図1,2に示されているように、着色領域18の内周部分において半径方向に向かって先細状に延び出す模様27が、レンズ周方向で略等間隔に形成されており、互いに周方向隣り合う模様27,27間で光学部12から外周に向かって着色領域18内に入り込むように広がる未着色域29が構成されている。この未着色域29は、レンズ周方向で略等間隔に複数形成されており、レンズの周方向向きに拘わらずに、外部から容易に確認できるようになっている。因みに、図1,2の態様では、複数の未着色域29によって、径方向外方に向かって幅狭状となる花びら形状が模されており、全体として複数の花びらをもった花形状として、光学部12を含む、着色領域18の内周部分の未着色領域が視認され得るようになっている。
さらに、本実施形態では、かかる未着色域29の半径方向寸法、換言すれば着色領域18の内周部分を構成する模様27の半径方向寸法となる、図1,2中に(φD−φB)/2で示される値が、レンズ装用状態での上方視に際しての許容ずれ量δに対応する大きさに設定されている。なお、かかる許容ずれ量δは、瞳孔中心に対するレンズ中心の径方向ずれ量が装用者の見え方に悪影響を与えない範囲とされる設計上のずれの最大値であって、一般に2.5mmや2.0mm、1.5mm等の数値をもって、レンズ種類ごとに設定される。そして、かかる許容ずれ量δに対応して、模様27の半径方向寸法は、それと同一か或いは近い値に設定されることにより、装用状態での模様27による外観上での自然な見え方が一層安定して発揮され得ると共に、使用者への当該レンズの適合性を第三者が確認する際の指標などとして模様27を利用することも可能になる。
具体的には、例えば許容ずれ量δが2.0mmの場合に、模様27の半径方向寸法を2.0〜3.0mmの範囲内に設定することとなる。前述のように、暗視野で広がった瞳孔28の外周端が、模様27の半径方向の略中央付近に設定されていると、径方向一方の側へ許容ずれ量δだけレンズが角膜上で移動した場合には、移動方向となる一方の側では、瞳孔28の外周端が模様27の外周端近くか僅かに超えた位置に至ると共に、移動方向に反対となる他方の側では、瞳孔28の外周端が模様27の内周端近くか僅かに外れた位置に至ることとなる。このように、許容ずれ量δの範囲内では、瞳孔28が着色領域18の外周部分で大きく覆われてしまうことが防止されることとなり、レンズ透過光量が確保されて良好な見え方が一層有利に確保され得る。
また、明視野で縮小した瞳孔28の外周端が、模様27の半径方向の略内周端近くに設定されている場合には、例えば装用者に上方視をさせて角膜上でのレンズ移動量を最大近くにした状態で、瞳孔28の外周端と模様27の径方向内方端との距離、または瞳孔28の外周端と未着色域29の径方向外方端との距離をみることで、角膜上でのレンズ移動量を簡易に計測することも可能になる。そして、かかる計測値をもって、装用者への当該レンズの適合性を判定することもできる。なお、瞳孔28の外周端に代えて、例えば虹彩26の外周端等を基準として用いて計測を行っても良い。
ここにおいて、一般的な成人を対象にした具体的な設計例を示す。具体的には、一般的な日本人を含む東洋人や欧米人における虹彩26の外径寸法はおよそ11mm〜12mmであることから、着色領域18の外径寸法φAは、好適には10.5mm≦φA≦14mmに設定されて、更に好適には11.5mm≦φA≦13.5mmに設定される。一方、着色領域18の内径寸法φBは、3mm≦φB≦10mmに設定されて、更に好適には6mm≦φB≦8mmに設定される。また、着色領域18の径方向幅寸法δは、好適には0.5mm≦δ≦11mmに設定されて、更に好適には3.5mm≦δ≦7.5mmに設定される。また、光学部12の外径寸法φCは、好適には3mm≦φC≦8mmに設定されて、更に好適には5mm≦φC≦7mmに設定される。なお、未着色域29の外径寸法φDは、好適には5mm≦φD≦12mmに設定されて、更に好適には8mm≦φD≦10mmに設定される。
ところで、上述の如き着色ドット22、即ち着色領域18の形成には、インクジェット印刷やパッド印刷が好適に採用されて、レンズ外表面やレンズ内表面に着色領域18が印刷される。或いは、コンタクトレンズの内部に着色領域18を含む着色層が設けられて、当該着色層がコンタクトレンズの外層と内層に挟まれる構造の採用も可能である。
以下、かかる構造とされた本実施形態のカラーコンタクトレンズ10,11の製造方法について一例を示す。
先ず、図3に示されるように、装用対象者の母集団を構成する人眼を対象として、各人眼の裸眼の色情報を取得する。かかる色情報の取得は、効率的には撮影した画像と、画像の色を分析してデータ化するコンピュータソフトウェアを利用して行われ得る。即ち、母集団を構成するのに適切に選定された複数の装用者を対象として、その裸眼の虹彩および周辺部分を含む領域の画像撮影を実施する。そして、装用対象者における裸眼の撮影データを、コンピュータ上においてアドビシステムズ社製「Adobe Photoshop」(登録商標)等の色情報を取得可能な画像処理用ソフトウェアにより画像データとして表示する。続いて、表示されている裸眼画像の虹彩26における色情報をデータとして抽出する。
ここにおいて、多くの人眼の画像情報を解析した結果、一般的な人眼では、虹彩の径方向における内周側と外周側で、色が外観上で看取できる程に異なることがわかった。そこで、裸眼の虹彩26における径方向の中間部分30と周辺部分32(それぞれ図3参照)を選択して、色データを抽出することとした。なお、これら中間部分30と周辺部分32は、撮影された裸眼の虹彩画像において、撮影時の映り込みや虹彩輪の影、老人環の白濁等を避けた光源側の一定範囲から選択されることが望ましい。また、対象とする装用者の母集団としては、人種だけでなく年齢層も考慮することが望ましく、一般的なコンタクトレンズの治験数などを考慮して60眼以上を母集団とすることが望ましい。
かかる色データの抽出は、所定の表色系を採用して、上記の中間部分30と周辺部分32の色を適切な表色系を用いた色成分値として取得することによって行うことができる。色成分値の取得に際して、精度や利便性などを考慮すると好ましくは、中間部分30と周辺部分32とにおいて少なくとも各一箇所以上の画像数を取得することとし、各画像において、虹彩26の領域の0.5%以上の大きさ、より好ましくは1.0%の以上の大きさと、100ピクセル以上の画素数、より好ましくは500ピクセル以上の画素数で取得することが望ましい。
本実施形態では、表色系としてHSV表色系を採用し、中間部分30と周辺部分32について、それぞれ色相(H)、彩度(S)、明度(V)の色成分値を取得した。なお、本実施形態では、中間部分30および周辺部分32におけるH,S,Vの色成分値は、それぞれ中間部分30および周辺部分32内の全ピクセルにおける各色成分値の平均値により算出した。
因みに、本実施形態において色データの抽出に採用したHSV表色系の色空間33を、図4に示す。即ち、かかるHSV表色系を採用すれば、中間部分30および周辺部分32の色は、色相(H)は0度〜360度の範囲内、彩度(S)は0%〜100%の範囲内、明度(V)は0%〜100%の範囲内の数値をもって表すことができる。
そして、かかる色情報取得工程により取得された中間部分30および周辺部分32の色成分値の情報から、カラーコンタクトレンズ10,11の着色領域18に設定される色の色成分値を決定する。
例えば表色系として上記の如きHSV表色系が採用される場合には、着色領域18に設定される色の彩度(S)としては、母集団の虹彩における中間部分30の彩度分布(34)と周辺部分32の彩度分布(36)の重なる領域を彩度領域(38)として、この彩度領域(38)の領域内から設定する。なお、一般的には、中間部分30に比して周辺部分32は彩度が低いことから、彩度領域(38)は(中間部分30における彩度の最小値)〜(周辺部分32における彩度の最大値)の範囲内であって、カラーコンタクトレンズ10,11の着色領域18に設定する色の彩度は上記範囲内である。
また、カラーコンタクトレンズ10,11の着色領域18に設定する色の明度(V)は、母集団の虹彩の明度に対して平均値Xを算出すると共に標準偏差σを算出して、X±2σの範囲内から設定することが好ましく、更に好適にはX±σの範囲内から設定される。
さらに、カラーコンタクトレンズ10,11の着色領域18に設定する色の色相(H)は、母集団の虹彩の色相に対して平均値Yを算出すると共に標準偏差σ’を算出して、Y±2σ’の範囲内から設定することが好ましく、更に好適にはY±σ’の範囲内から設定される。
その後、かくの如き色決定工程により着色領域18の色の色成分値が決定されたら、決定された色成分値を与える着色剤を顔料や染料を用いて調合し、得られた着色剤をコンタクトレンズに付することにより、カラーコンタクトレンズ10,11を得る。その際、コンタクトレンズの製造自体は、従来のスピンキャスト法やレースカッティング法、モールディング法などが適宜に採用される。
そして、レンズ製造工程において、例えば調合した着色剤を従来公知のインクジェット印刷やパッド印刷などの印刷手法により、レンズ表面やレンズ内層に付着や含浸させることで、前述の如き着色ドットを形成して目的とする着色領域18を得ることができる。
このようにして製造された本実施形態のカラーコンタクトレンズ10,11では、着色領域18の色の色成分値を、母集団である複数の装用対象者の虹彩26における色成分値の分布範囲において、特に虹彩26の彩度の相違と分布パターンの特徴を考慮して設定することができる。それ故、母集団が属する装用対象者の殆どの人の虹彩に対して高い親和性が発揮され得るのであり、外観上で装用を看取され難く目立たないカラーコンタクトレンズ10が効率的に実現され得る。そして、虹彩26の外径寸法より大きくされた着色領域18の外径寸法φAにより、カラーコンタクトレンズ10,11を装用していることを目立たなくしつつ、虹彩を大きく見せてコスメティック効果を得ることが可能になるのである。
さらに、複数の装用対象者の虹彩26の色を色成分値として把握して、当該色成分値をもって着色領域18の色を決定できることから、多くの人の虹彩色に適合し得るカラーコンタクトレンズを具体的な数値に従って製造することが可能となる。これにより、カラーコンタクトレンズの色の規格数の増加を防止することができて、大量生産が可能になると共に、製造、管理、販売等の効率の向上が図られ得る。
また、本実施形態のカラーコンタクトレンズ10,11では、着色領域18が複数の着色ドット22により構成されていると共に、当該着色ドット22が半円状とされて、且つ着色領域18において外周側から内周側に向かって着色ドット22の面積が小さくされていることから、着色領域18の着色部分が外周部分から内周部分に向かって次第に少なくなるようにされる。これにより、着色領域18の全体に亘って不均一さが抑えられてより自然な外観を呈することとなる。加えて、本実施形態では、図1に示されているように、着色領域の内周縁部が、周方向で1つ又は複数の連続的配列からなる集合ドットが相互に離間して配置されている、周方向での離散的な着色ドットの配置態様とされていることから、複雑な模様を呈することが多い虹彩に対しても、より自然に馴染んだ外観を与えることができる。
特に、複数の着色ドット22により環状のドット配列帯24が構成されて、当該ドット配列帯24がレンズ径方向で同心的に複数設けられて、着色領域18が形成されていることにより、全体に略一定の外観を与える着色領域18の外縁形状を周方向および径方向で大きな自由度をもって設定することが可能になる。なお、このような着色ドット22で着色領域18を形成するに際しては、明度や色相などの設定が、未着色域を含まない各着色ドット22そのものを対象に適用される。
[実施例]
前記実施形態に記載の製造方法に従って、実施例1として図1(a)に示されるカラーコンタクトレンズ10、および実施例2として図1(b)に示されるカラーコンタクトレンズ11を作製した。なお、作製した実施例1および実施例2のカラーコンタクトレンズ10,11の外径寸法は14.5mm、光学部の外径寸法φCは8.0mmとした。また、実施例1のカラーコンタクトレンズ10は着色領域の外径寸法φAを13.3mm、内径寸法φBを7.0mm、径方向幅寸法δを6.3mmとする一方、実施例2のカラーコンタクトレンズ11は着色領域の外径寸法φA’を13.1mm、内径寸法φBを7.0mm、径方向幅寸法δ’を6.1mmとした。なお、光学部には、視力矯正等の光学特性は付さなかった。
先ず、装用対象者として、男性52名、女性51名、計103名103眼について、裸眼の状態で虹彩の画像を撮影した。かかる撮影方法としては、撮影室の照明環境に加えて、スリットランプで弱い拡散白色光を当てて、前眼部の明るさを500Lxに統一して撮影した。なお、前眼部の明るさは照度計を使用して測定した。
撮影による画像の取得は、対象者1名につき1枚の眼全体を撮影して画像データを取得することによって行った。因みに、図3に例示した眼の撮影画像の全体のピクセル数は346800(680×510)とされる。
そして、撮影した画像データをコンピュータ上で、アドビシステムズ社製「Adobe Photoshop」(登録商標)により表示して処理した。即ち、かかる画像データにおいて、撮影時の映り込み、虹彩輪などの影、老人環の白濁等を避けた領域において、虹彩の径方向における中間部分と周辺部分のそれぞれについて一定範囲を選択した。かかる選択範囲は、例えば大きさが虹彩26の領域の約1%で、ピクセル数は961(31×31)ピクセルのもの等であった。
続いて、これら中間部分と周辺部分の各選択範囲に含まれるピクセルについて、色相(H)、彩度(S)、明度(V)の数値を取得して、それぞれの平均値を算出した。この平均値を、各装用対象者の裸眼状態の虹彩における色相(H)、彩度(S)、明度(V)の数値として決定して、更に、これら色相(H)、彩度(S)、明度(V)の平均値および標準偏差を算出した。なお、虹彩の周辺部分における各数値の算出は、男性31名、女性50名の計81名81眼で実施した。以下の[表1]に算出結果を示す。
また、横軸を彩度(S)、縦軸を明度(V)として、上記各装用対象者の虹彩における径方向の中間部分と周辺部分の彩度(S)と明度(V)の値をプロットしたグラフを図5に示す。なお、上記[表1]の結果からも明らかなように、色相(H)は中間部分と周辺部分で大きな差がないことから、色相の図示は省略する。
上記[表1]および図5の結果から、人眼の裸眼状態における虹彩では、中間部分の彩度分布34は彩度(S)が35%〜55%である一方、周辺部分の彩度分布36は彩度(S)が24%〜44%であることが分かった。
また、[表1]および図5の結果から、人眼の裸眼状態における虹彩では、中間部分と周辺部分とでは明度(V)にほとんど差異がないことが分かった。従って、明度(V)については、虹彩の中間部分と周辺部分を合わせた計184眼において平均値と標準偏差を算出して、その結果、明度(V)の平均値X=42.6(%)、標準偏差σ=4.9であった。
さらに、[表1]の結果から、人眼の裸眼状態における虹彩では、中間部分と周辺部分とでは色相(H)にほとんど差異がないことが分かった。従って、色相(H)については、虹彩の中間部分と周辺部分を合わせた計184眼について平均値と標準偏差を算出して、その結果、色相(H)の平均値Y=26.6(度)、標準偏差σ’=3.5であった。
上記の結果を基にして、実施例1,2のカラーコンタクトレンズ10,11の着色領域18に着色される色を決定した。即ち、着色される色の彩度(S)については、中間部分の彩度分布34と周辺部分の彩度分布36が重なり合う彩度領域38は彩度(S)が35%〜44%となり、好ましくは35%〜40%の範囲内に設定することから、実施例1のカラーコンタクトレンズ10では彩度(S)を35(%)とする一方、実施例2のカラーコンタクトレンズ11では彩度(S)を39(%)とした。
さらに、明度(V)については、42.6±9.8(%)の範囲内に設定することが好ましく、42.6±4.9(%)の範囲内に設定することが更に好ましいことから、実施例1のカラーコンタクトレンズ10では明度(V)を41(%)とする一方、実施例2のカラーコンタクトレンズ11では明度(V)を45(%)とした。
また、色相(H)については、26.6±7.0(度)の範囲内に設定することが好ましく、26.6±3.5(度)の範囲内に設定することが更に好ましいことから、実施例1のカラーコンタクトレンズ10では色相(H)を25(度)とする一方、実施例2のカラーコンタクトレンズ11では色相(H)を26(度)とした。
以上のように、着色領域18に付される色を決定した後、前述の如き構造とされたコンタクトレンズに対してパッド印刷により着色領域18を形成して、実施例1,2のカラーコンタクトレンズ10,11を作製した。なお、実施例1,2のカラーコンタクトレンズ10,11の着色領域18に付される色における彩度(S)および明度(V)を示すポイントを図5中に併せて示す。
その後、両カラーコンタクトレンズ10,11を前述の図2に示されるように人眼に装用して、当該カラーコンタクトレンズ10,11の装用状態で虹彩の画像を撮影した。そして、撮影した虹彩の画像データをコンピュータ上で、アドビシステムズ社製「Adobe Photoshop」(登録商標)により表示した。その後、かかる虹彩の画像データにおいて、撮影時の映り込み、虹彩輪の影、老人環の白濁等を避けた光源側の着色領域において、測定部分40を選択した。続いて、測定部分40における全ピクセルにおいて、色相(H)、彩度(S)、明度(V)の数値を取得して、それぞれの平均値を算出した。なお、かかる測定部分40における測定は位置を変えて5回行い、この平均値を、各装用対象者のカラーコンタクトレンズ装用状態の虹彩における色相(H)、彩度(S)、明度(V)の数値として算出した。なお、かかる測定は、装用時の着色領域18の色は装用者自身の虹彩色に影響を受けないと考えられることから、1名1眼を対象に実施した。また、図2に示される測定部分40の位置は単なる例示であって、測定部分40は着色領域の適切な領域から5カ所が任意に選択される。
その結果、実施例1のカラーコンタクトレンズ10では、色相(H)が25.6±2.7(度)、彩度(S)が39.2±1.9(%)、明度(V)が44.8±0.4(%)と算出された。一方、実施例2のカラーコンタクトレンズ11では、色相(H)が25.0±3.7(度)、彩度(S)が35.0±2.4(%)、明度(V)が40.8±0.4(%)と算出された。
従って、実施例1,2のカラーコンタクトレンズ10,11の装用状態の虹彩における色相(H)、彩度(S)、明度(V)の値が、裸眼状態の虹彩におけるこれらの値と略等しいことが確認できた。これにより、作製したカラーコンタクトレンズ10,11は、装用していることを他者に明確に看取されることを避けつつ、虹彩を大きく見せてコスメティック効果を得ることができる。
さらに、作製したカラーコンタクトレンズ10,11は、具体的な数値をもって、多数の人眼に適合し得ることから、色の規格数が多くなり過ぎることが防止されて、大量生産を可能とすると共に、製造、管理、販売等を容易に行うことができる。
以上、本発明の実施形態および実施例について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されることなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良などを加えた態様で実施され得るものであり、また、そのような実施態様も、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも本発明の範囲内に含まれる。
例えば、前記実施形態では、表色系としてHSV表色系が例示されていたが、これに限定されるものではなく、HSBを含むHSV表色系、HLSを含むHSL表色系、RGB表色系、XYZまたはYxy表色系、マンセル表色系、PCCS、オストワルト表色系、NCS、DIN表色系、L* * * 表色系、L* * * 表色系など、従来公知の表色系が採用され得る。ここにおいて、着色領域に付される色を上記の如きHSV以外の表色系で表す如何なる場合においても、当該色をHSV表色系で表した際に彩度の値が虹彩の径方向での中間部分の彩度分布と周辺部分の彩度分布とが重なり合う彩度領域に設定されていれば、本発明のカラーコンタクトレンズはその何れをも含むものである。
また、前記実施形態では、HSV表色系を採用して色相、彩度、明度の各色成分値を決定することにより着色領域18に付される色を決定していたが、採用する表色系において複数の色成分値で色が特定される場合において、その少なくとも一つの色成分値に着目して、当該少なくとも一つの色成分値の分布範囲内で着色領域の色を決定することができる。具体的には、HSV表色系を採用する場合、彩度の色成分値に着目して、着色領域に付される色の彩度が彩度領域の範囲内に設定されていればよい。即ち、明度や色相は、例えばそれの平均値X(Y)プラスマイナス(標準偏差σ(σ’)×2)の範囲内にあることが好適であるが、かかる範囲内になくてもよい。
更にまた、装用対象者とされる母集団の設定範囲は、同じ仕様のカラーコンタクトレンズを提供する対象地域として把握することもでき、装用対象者を絞ることによって提供されるカラーコンタクトレンズの着色領域を装用者に対して一層馴染ませることが可能になる。ここにおいて、装用対象者を母集団として、全数調査は困難な場合が多く、かかる母集団に対して標本調査を適用するのが良い。その際、標本調査でサンプリング的に彩度等の色データを取得する際には、統計学的な信頼性を考慮することが望ましい。例えば、母集団に対して適切な標本数を設定し、抽出した標本から母集団における色データを採取することになるから、無作為抽出や系統抽出、機械的抽出、便宜的抽出などの統計学的手法を用いて標本を抽出すると共に、誤差割合を考慮して標本数を設定することが望ましい。即ち、母平均や母比率の区間推定を利用すれば、誤差範囲や信頼率の誤差限度を特定して標本数を統計学上の適切な値に設定することが可能である。
さらに、着色領域18において彩度と明度を異ならせることにより異なる色が設定された本発明に係るカラーコンタクトレンズを互いに複数種類組み合わせることにより、カラーコンタクトレンズセットが構成されていてもよい。なお、図5の彩度(S)と明度(V)とのグラフが示すように、虹彩26の中央部分30では彩度の値が大きくなるほど明度の値が大きくなっており、上述のカラーコンタクトレンズセットでは彩度の値が大きくなるほど明度の値が大きくなるように、彩度と明度を異ならせて色を異ならせることが好ましい。また、色相については、前述のように裸眼の状態で略一定の数値であることから、当該数値に近い値を採用してもよいし、異なる値を採用してもよい。
更にまた、前記実施形態で示した着色領域18、着色ドット22、ドット配列帯24は単なる例示であって、これらの形状、配置態様、離隔距離などは任意に設定され得る。更に、前記実施形態では、着色ドット22は全て同一の色により着色されていると共に、着色ドット22内も同一の濃度で着色されていたが、その必要はなく、着色領域の径方向中間部分と周辺部分で色を異ならせたり、着色ドット内においても、例えば内周側から外周側に向かって或いは中央から周辺に向って次第に色が変化するようにしてもよい。
なお、コンピュータ上での虹彩画像データの表示形式は、JPEG,GIF,PNGなど従来公知の各種画像表示形式が採用され得て、何等限定されるものではない。尤も、色情報の取得に際して画像データは必須なものではなく、例えば色相(H)、彩度(S)、明度(V)などの数値を、数値データとして直接取得してもよい。
また、前記実施形態では、着色領域18は光学部12と周辺部14とに跨って設けられていたが、例えば周辺部14のみに設けられてもよい。これにより、装用者の視界に着色領域18が入り込むことが回避されて、良好な視界が確保され得る。
10,11:カラーコンタクトレンズ、18:着色領域、22:着色ドット、24:ドット配列帯、26:虹彩、30:中間部分、32:周辺部分、34,36:彩度分布、38:彩度領域

Claims (9)

  1. 虹彩の外径よりも大きな外径寸法と該虹彩の外径よりも小さな内径寸法とを有するリング状の着色領域が設けられていると共に、前記着色領域における彩度の値が、装用対象者の母集団における虹彩の径方向での中間部分の彩度分布と周辺部分の彩度分布とが重なり合う彩度領域に設定されているカラーコンタクトレンズを対象とし、前記着色領域において彩度および明度が異ならされることにより互いに異なる色設定とされた該カラーコンタクトレンズの複数種類が、互いに組み合されることによりカラーコンタクトレンズセットとされており、
    かかる互いに異なる色設定とされた該着色領域において彩度の値が大きくなる程に明度の値が大きくされていることを特徴とするカラーコンタクトレンズセット。
  2. 前記カラーコンタクトレンズの複数種類について、互いに異なる色設定とされた前記着色領域において明度の値が大きくなる程に該着色領域の外径寸法が大きくされている請求項1に記載のカラーコンタクトレンズセット。
  3. 前記カラーコンタクトレンズが、前記着色領域において、彩度が35〜44%、明度が40〜45%、色相が25〜30度とされている請求項1又は2に記載のカラーコンタクトレンズセット。
  4. 前記カラーコンタクトレンズにおいて、複数の着色ドットが設けられることにより前記着色領域が形成されていると共に、該着色ドットがレンズ外周側からレンズ内周側に向かって周方向の幅寸法が小さくなる形状とされており、且つレンズ外周側からレンズ内周側に向かって該着色ドットの面積が小さくなっている請求項1〜3の何れか1項に記載のカラーコンタクトレンズセット。
  5. 半円状の前記着色ドットがレンズ周方向に所定ピッチで配列されることによって環状のドット配列帯が構成されていると共に、該ドット配列帯がレンズ径方向で同心的に複数設けられている請求項4に記載のカラーコンタクトレンズセット。
  6. 前記カラーコンタクトレンズにおいて、前記リング状の着色領域が、周方向の全周に亘って均一な着色領域とされた外周部分と、周方向で不均一な着色領域とされた内周部分とを備えており、該内周部分の半径方向寸法が、装用状態での許容ずれ量に対応する大きさに設定されている請求項1〜5の何れか1項に記載のカラーコンタクトレンズセット。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のカラーコンタクトレンズセットの製造方法であって、
    互いに異なる色設定とされて互いに組み合わされる複数種類の前記カラーコンタクトレンズを製造するに際して、
    装用対象者の母集団における虹彩の色を所定の表色系を用いた色成分値として取得する色情報取得工程と、
    該色情報取得工程で得られた前記母集団における該虹彩の前記色成分値の分布範囲内で、且つ該母集団における虹彩の径方向での中間部分の彩度分布と周辺部分の彩度分布とが重なり合う彩度領域に彩度の値を設定することにより、前記着色領域における色を決定する色決定工程と、
    該色決定工程で決定された色で前記着色領域を設ける工程と
    を、含むことを特徴とするカラーコンタクトレンズセットの製造方法。
  8. 前記色決定工程において、前記着色領域における明度の値を、装用対象者の母集団における虹彩の明度の平均値Xに標準偏差σを考慮して、X±2σの範囲内に設定する請求項7に記載のカラーコンタクトレンズセットの製造方法。
  9. 前記色決定工程において、前記着色領域における色相の値を、装用対象者の母集団における虹彩の色相の平均値Yに標準偏差σ′を考慮して、Y±2σ′の範囲内に設定する請求項7又は8に記載のカラーコンタクトレンズセットの製造方法。
JP2016156637A 2014-03-05 2016-08-09 カラーコンタクトレンズセットおよびカラーコンタクトレンズセットの製造方法 Active JP6158404B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014043247 2014-03-05
JP2014043247 2014-03-05

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016506171A Division JP6008458B2 (ja) 2014-03-05 2015-01-19 カラーコンタクトレンズの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016189034A JP2016189034A (ja) 2016-11-04
JP6158404B2 true JP6158404B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=54055004

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016506171A Active JP6008458B2 (ja) 2014-03-05 2015-01-19 カラーコンタクトレンズの製造方法
JP2016156637A Active JP6158404B2 (ja) 2014-03-05 2016-08-09 カラーコンタクトレンズセットおよびカラーコンタクトレンズセットの製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016506171A Active JP6008458B2 (ja) 2014-03-05 2015-01-19 カラーコンタクトレンズの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (2) JP6008458B2 (ja)
WO (1) WO2015133192A1 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004021244A (ja) * 2002-06-13 2004-01-22 Hisayo Ebiko カラーコンタクトレンズ及びその提供方法
GB0303193D0 (en) * 2003-02-12 2003-03-19 Guillon Michael Methods & lens
US7246903B2 (en) * 2004-08-19 2007-07-24 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Tinted contact lenses with combined limbal ring and iris patterns
KR20130128431A (ko) * 2010-12-14 2013-11-26 노파르티스 아게 컬러 콘택트 렌즈
US8668331B2 (en) * 2011-09-27 2014-03-11 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Method for designing non-round soft contact lenses
JP6101633B2 (ja) * 2011-12-21 2017-03-22 株式会社メニコン 色付コンタクトレンズ
JP2013130716A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Menicon Co Ltd 色付コンタクトレンズおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015133192A1 (ja) 2015-09-11
JPWO2015133192A1 (ja) 2017-04-06
JP2016189034A (ja) 2016-11-04
JP6008458B2 (ja) 2016-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5689899B2 (ja) 色付コンタクトレンズ
JP6444588B2 (ja) 反復する波模様を有する眼科用レンズ
JP2003517622A (ja) 虹彩の外観をオリーブグリーンに変化させるカラーコンタクトレンズ
CN107219639A (zh) 具有改进的多种且集成的效应的接触镜片
CN105974604A (zh) 在美容接触镜片中的环形透光层
JP2013130716A (ja) 色付コンタクトレンズおよびその製造方法
TWI765057B (zh) 美容用隱形眼鏡
JP6740329B2 (ja) 顔特徴分析および個人向けアドバイスの送達のための方法およびシステム
JP6158404B2 (ja) カラーコンタクトレンズセットおよびカラーコンタクトレンズセットの製造方法
JP2013130658A (ja) 色付コンタクトレンズ
KR20120031707A (ko) 눈물순환 및 산소순환 기능을 갖는 렌즈
JP6526443B2 (ja) 見かけ上の動き及び他の光学的効果を有するコンタクトレンズ
WO2016024431A1 (ja) 着色コンタクトレンズ
JP2020008872A (ja) カラーコンタクトレンズ
KR100514101B1 (ko) 미용 콘택트렌즈
TWI837011B (zh) 隱形眼鏡有色圖案成形方法及其總成
JP6659990B2 (ja) カラーコンタクトレンズ
JP5548830B2 (ja) 美容コンタクトレンズ
US10595987B2 (en) Prosthetic iris preparation method
WO2019027346A1 (ru) Многозональная фотохромная цветная контактная линза

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6158404

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250