JP6157289B2 - 植物の殺菌方法 - Google Patents

植物の殺菌方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6157289B2
JP6157289B2 JP2013187435A JP2013187435A JP6157289B2 JP 6157289 B2 JP6157289 B2 JP 6157289B2 JP 2013187435 A JP2013187435 A JP 2013187435A JP 2013187435 A JP2013187435 A JP 2013187435A JP 6157289 B2 JP6157289 B2 JP 6157289B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
compound
less
disease
treatment liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013187435A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015054830A (ja
Inventor
亀井 昌敏
昌敏 亀井
田村 辰仙
辰仙 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2013187435A priority Critical patent/JP6157289B2/ja
Publication of JP2015054830A publication Critical patent/JP2015054830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6157289B2 publication Critical patent/JP6157289B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

本発明は、植物の殺菌方法に関する。
植物病原菌は、農作物や園芸植物に生育阻害や品質低下を引き起こし、植物に大きな害を与える。現在、病原菌の防除には、有機塩素系(TPN、キャプタン)、ベンゾイミダゾール系、酸アミド系、グアニジン系、カーバメート系、有機リン系、有機銅等の化学合成農薬が主に使用されている。化学合成農薬は、過多の農薬散布により病原菌の薬剤耐性が発達するため、安全で薬剤耐性が付きにくい農薬が望まれている。また、化学合成農薬の過多の散布は、環境への負荷や作業者への負担が懸念される。
こうした観点で、より防除効果に優れた農薬の開発が望まれており、従来の化学合成農薬とは異なる観点で植物病原菌を防除できる技術が検討されている。その一つして、いわゆる界面活性剤を農薬として用いることが提案されている。例えば、特許文献1には、多価アルコール脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤(A)と、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物系非イオン界面活性剤及び樹脂酸系非イオン界面活性剤から選ばれる1種以上(B)とを含有する農薬組成物が開示されている。また、特許文献2には、炭素数8〜10の中鎖脂肪酸トリグリセライドとポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の界面活性剤とを含有する農園芸用殺虫殺菌剤組成物が開示されている。
一方、硬質表面を有する製品に適した抗菌剤組成物として、炭素数8〜14のアルコールと界面活性剤と過酸化水素を所定条件で含有する抗菌剤組成物が知られている(特許文献3)。
また、食品に利用できる抗菌剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する抗菌剤が知られている(特許文献4)。
また、農薬の効力を増強する目的で、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルまたは、ポリグリセリン脂肪酸エステルと炭素数8〜14の脂肪族アルコールを含有する農薬用効力増強剤組成物が知られている(特許文献5)。
特開2006−137728号公報 特開平11−29411号公報 特開2010−138102号公報 特開2001−316206号公報 特開2012−184187号公報
本発明の課題は、殺菌効果に優れた植物の殺菌方法を提供することである。
本発明は、殺菌剤の有効成分である農薬原体を実質的に含有せず、下記(A1)及び(A2)から選ばれる一種以上の化合物(A)、下記(B1)から選ばれる一種以上の化合物(B)並びに水を含有し、化合物(A)及び化合物(B)の含有量の合計が2,000ppm以上、100,000ppm以下である処理液を、植物に施す工程を含む、植物の殺菌方法に関する。
(A1):ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5以上、40以下である。)
(A2):(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、グリセリンの平均縮合度は1以上、3以下である。)
(B1):下記一般式(B1)で示される脂肪族アルコール
1b−OH (B1)
(式中、R1bは炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。)
本発明によれば、殺菌効果に優れた植物の殺菌方法が提供される。
本発明の植物の殺菌方法(以下、単に「本発明の殺菌方法」ということがある。)は、化合物(A)と化合物(B)とを所定濃度で含有する処理液を植物に施す工程を有する。化合物(A)と化合物(B)とを併用することにより、植物表面および植物内部に生育する植物病害菌に対する殺菌性が著しく向上する。この理由は、薬液の植物表面における著しい拡展性と浸透性の向上、植物病原菌へ浸透性の向上により、化合物(A)及び化合物(B)が有する界面活性により植物病原菌の細胞膜等を物理的に破壊することで病原菌を死に至らしめると推測される。この膜破壊という物理的作用により病原菌を死に至らしめるため、生化学作用により病原菌を死に至らしめる農薬と比べ、病原菌が薬剤耐性を獲得しにくいと考えられる。
<化合物(A)>
本発明では、下記(A1)及び(A2)から選ばれる一種以上の化合物(A)が用いられる。化合物(A)は、殺菌効果向上の観点から、好ましくは(A2)から選ばれる一種以上の化合物である。
(A1):ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5以上、40以下である。)(以下、化合物(A1)という)
(A2):(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、グリセリンの平均縮合度は1以上、3以下である。)(以下、化合物(A2)という)
化合物(A1)は、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。化合物(A1)における脂肪酸の炭素数は、殺菌効果向上の観点から、8以上、16以下である。化合物(A1)における脂肪酸の炭素数は、殺菌効果向上の観点から、脂肪酸の炭素数は、10以上が好ましく、そして、14以下が好ましく、12以下がより好ましい。化合物(A1)における脂肪酸は、殺菌効果向上の観点から、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましく、直鎖のアルキル基がより好ましい。化合物(A1)における脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等が挙げられ、殺菌効果向上の観点から、好ましくはカプリン酸、ラウリン酸であり、より好ましくはラウリン酸である。また、化合物(A1)におけるエチレンオキシドの平均付加モル数は、殺菌効果向上の観点から、5以上、40以下である。化合物(A1)におけるエチレンオキシドの平均付加モル数は、殺菌効果向上の観点から、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、そして、30以下が好ましく、20以下が好ましく、15以下がより好ましい。また、エステルは、殺菌効果向上の観点から、モノエステルが好ましい。
化合物(A2)は、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルである。ここで、「(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル」とは、「グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上」の意味である。化合物(A2)における脂肪酸の炭素数は、殺菌効果向上の観点から、8以上、16以下である。化合物(A2)における脂肪酸の炭素数は、殺菌効果向上の観点から、10以上が好ましく、そして、12以下が好ましく、10がさらに好ましい。化合物(A2)における脂肪酸は、湿展性向上及び殺菌効果向上の観点から、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましく、直鎖のアルキル基がより好ましい。脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等が挙げられ、殺菌効果向上の観点から、好ましくはカプリン酸、ラウリン酸であり、より好ましくはカプリン酸である。また、化合物(A2)では、殺菌効果向上の観点から、グリセリンの平均縮合度は1以上、3以下であり、1又は2が好ましく、1が好ましい。また、殺菌効果向上の観点から、エステル結合の形態は、モノエステル体、ジエステル体が好ましく、モノエステル体がより好ましい。
<化合物(B)>
本発明では、下記一般式(B1)で示される脂肪族アルコールが化合物(B)として用いられる。
1b−OH (B1)
(式中、R1bは炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。)
一般式(B1)において、R1bは、殺菌効果向上の観点から、炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、好ましくは、炭素数8以上、14以下の直鎖アルキル基である。R1bは、殺菌効果向上の観点から、好ましくは炭素数8以上、12以下の直鎖アルキル基であり、より好ましくは炭素数8以上、10以下の直鎖アルキル基であり、さらに好ましくは炭素数10の直鎖のアルキル基である。化合物(B2)は、具体的には、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール(ドデシルアルコール)、ミリスチルアルコール(テトラデシルアルコール)等が挙げられ、除草効果向上の観点から、好ましくは、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコールであり、より好ましくはデシルアルコールである。
<処理液>
本発明では、化合物(A)、化合物(B)及び水を含有し、化合物(A)及び化合物(B)の含有量の合計が2,000ppm以上、100,000ppm以下である処理液を用いる。
処理液中の化合物(A)及び化合物(B)の含有量の合計は、殺菌効果向上の観点から、2,000ppm以上であり、3,000ppm以上が好ましく、4,000ppm以上が好ましく、4,500ppm以上が好ましく、そして、殺菌効果向上と経済性の観点から、100,000ppm以下であり、80,000ppm以下が好ましく、60,000ppm以下が好ましく、50,000ppm以下がより好ましく、30,000ppm以下が好ましく、15,000ppm以下が好ましい。
処理液における化合物(A)と化合物(B)の質量比は、殺菌効果向上の観点から、化合物(A)/化合物(B)で、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.3以上が更に好ましく、0.4以上が更に好ましく、0.5以上が更に好ましく、0.7以上が更に好ましく、そして、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下が更に好ましく、2以下が更に好ましく、1.5以下が更に好ましい。
<植物の殺菌方法>
本発明の殺菌方法は、殺菌剤の有効成分から選択される何れかの農薬原体を実質的に含有せず、化合物(A)、化合物(B)並びに水を含有し、化合物(A)及び化合物(B)の含有量の合計が2,000ppm以上、100,000ppm以下である処理液を、植物に施す工程を含む。
本発明に係る処理液を植物に施す工程としては、たとえば
(1)該処理液を、ハンドスプレーヤー、ブームスプレーヤー、航空散布などにより、植物、例えば植物の葉面、茎、果実に散布する工程、
(2)該処理液を、直接、植物、例えば葉、茎、果実に塗布する工程、
(3)該処理液を、液肥供給装置等により、土壌へ灌水し植物の根に施す工程、
(4)水耕栽培において、化合物(A)及び化合物(B)の含有量の合計が前記所定の範囲にある水耕栽培液を根へ施す工程
などが挙げられる。(1)のように、該処理液を植物に散布する工程が好ましい。
処理液は、殺菌効果向上の観点から、好ましくは3L/10a以上、より好ましくは5L/10a以上、より好ましくは7L/10a以上、更に好ましくは10L/10a以上、更に好ましくは20L/10a以上、更に好ましくは30L/10a以上、更に好ましくは40L/10a以上、そして、殺菌効果向上と経済性の観点から、好ましくは300L/10a以下、より好ましくは250L/10a以下、より好ましくは200L/10a以下、より好ましくは150L/10a以下、更に好ましくは120L/10a以下の割合で散布することができる。
本発明で用いる処理液は、化合物(A)、化合物(B)、及び水以外の成分を含有することもできる。例えば、必要に応じてキレート剤、pH調節剤、無機塩類、及び増粘剤から選ばれる成分を含有していてもよい。
本発明では、処理液中の水以外の成分のうち、殺菌効果向上の観点から、化合物(A)と化合物(B)の占める割合が20質量%以上、更に30質量%以上、より更に50質量%以上、より更に70質量%以上、より更に90質量%以上、より更に95質量%以上であることが好ましい。
本発明で用いる処理液は、殺菌効果向上の観点から、殺菌剤の有効成分である農薬原体を実質的に含有しない。この農薬原体は、殺菌剤の有効成分をいい、化合物(A)と化合物(B)は農薬原体には含まれない。また、処理液について、「農薬原体を実質的に含有しない」とは、農薬原体の含有量が、その農薬原体の目的とする薬効が発現するための含有量(例えば標準使用量)よりも著しく少ないことをいい、本発明では、処理液中、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは10ppm以下である場合を「農薬原体を実質的に含有しない」とすることができる。
殺菌剤の有効成分である農薬原体としては、硫黄系のジネブ(亜鉛エチレンビスジチオカーバメート)、マンネブ(マンガンエチレンビスジチオカーバメート)、ベンズイミダゾール系としてはベノミル(メチル−1−(ブチルカルバモイル)−2−ベンズイミダゾールカーバメート)、ジカルボキシイミド系のビンクロゾリン(3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メチル−5−ビニル−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン)、イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)、プロシミドン(N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシイミド)、他にトリアジン(2,4−ジクロロ−6−(2−クロロアニリノ)−1,3,5−トリアジン)、トリフミゾール((E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリダン)−o−トルイジン)、メタラキシル(メチル−N−(2−メトキシアセチル)−N−(2,6−キシリル)−D,L−アラニネート)、有機銅(Oxine−copper)、水酸化第二銅(コサイドボルドー等)、抗生物質系殺菌剤(ストレプトマイシン系、テトラサイクリン系、ポリオキシ系、ブラストサイジンS、カスガマイシン系、バリダマイシン系)等がある。更に、本発明に係る処理液が含有しないことが好ましい殺菌剤の有効成分である農薬原体として、有機銅(Oxine−copper)、水酸化第二銅,トリフミゾール((E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリダン)−o−トルイジン),イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)が挙げられる。
本発明の植物の殺菌方法の対象となる植物は、農作物として栽培されている植物が挙げられる。具体的には、果菜類では、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、エダマメ、トウモロコシ等、葉菜類では、ハクサイ、ツケナ類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、タマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、レタス、サラダナ、セルリー、ホウレンソウ、シュンギク、パセリ、ミツバ、セリ、ウド、ミョウガ、フキ、シソ等、根菜類としては、ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、ヤマイモ、ショウガ、レンコン等が挙げられる。その他に、稲、麦類、花卉類等にも使用が可能である。
本発明の植物の殺菌方法は、キャベツ黒スス病、コムギ眼紋病、リンゴ落葉斑点病、ピーマン斑点病、キュウリ炭そ病、チンゲンサイ軟腐病、ナシ黒星病及びトマト輪紋病から選ばれる植物疾病の原因菌を殺菌することが好ましい。更に、キャベツ黒スス病の原因菌を殺菌することが好ましい。
本発明の植物の殺菌方法は、キャベツ、コムギ、リンゴ、ピーマン、キュウリ、チンゲンサイ、ナシ及びトマトから選ばれる植物を対象とすることが好ましく、更に、キャベツを対象とすることが好ましい。
本発明の植物の殺菌方法では、処理液を、栽培中の植物に施すことが好ましい。更に、処理液を、栽培中の植物に葉面散布することが好ましい。
[殺菌試験1]
12cmポットに5葉期になるまでキャベツを栽培した。キャベツ黒スス病(Alternaria brassicicola)の胞子懸濁液(菌数は107個/mL)を、キャベツに50L/10aの散布量で散布した。表1、2に示す化合物(A)及び化合物(B)を表3の質量比で混合し、水で所定濃度に希釈した処理液を作製した。処理液を表3に示す散布量で、菌散布から25℃、90%相対湿度下に静置して3日後のキャベツに葉面散布した。次いで、ポットを25℃、85%相対湿度下に静置し、一週間後、病斑数を数え、以下の式を用いて防除価を算出した。防除価の数値が高いほど、殺菌効果が高いことを示す。
防除価(%)={1−(処理区の病斑数/無処理区の病斑数)}×100
表3の結果から、本発明の殺菌方法によれば、その殺菌効果を向上できることが確認された。
[殺菌試験2]
12cmポットに5葉期になるまでコムギを栽培した。コムギ眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)の胞子懸濁液(菌数は107個/mL)を、コムギに50L/10aの散布量で散布した。表1、2に示す化合物(A)及び化合物(B)を表3の質量比で混合し、水で所定濃度に希釈した処理液を作製した。処理液を表3に示す散布量で、菌散布から25℃、90%相対湿度下に静置して3日後のコムギに葉面散布した。次いで、ポットを25℃、85%相対湿度下に静置し、一週間後、病斑数を数え、殺菌試験1で用いた式を用いて防除価を算出した。防除価の数値が高いほど、殺菌効果が高いことを示す。
表3の結果から、本発明の殺菌方法によれば、その殺菌効果を向上できることが確認された。
[殺菌試験3]
リンゴ斑点落葉病(Alternaria mali)胞子懸濁液(菌数は107個/mL)を、屋外の定植状態にあるリンゴ果樹の葉に50L/10aの散布量で散布した。表1、2に示す化合物(A)及び化合物(B)を表3の質量比で混合し、水で所定濃度に希釈した処理液を作製した。処理液を表3に示す散布量で、菌散布から3日後のリンゴに葉面散布した。一週間後、病斑数を数え、殺菌試験1で用いた式を用いて防除価を算出した。防除価の数値が高いほど、殺菌効果が高いことを示す。
表3の結果から、本発明の殺菌方法によれば、その殺菌効果を向上できることが確認された。
Figure 0006157289
(注1)アルキルポリグルコシド:アルキル基が炭素数10〜16の混合直鎖アルキル基、グルコース平均縮合度1.4
Figure 0006157289
Figure 0006157289
[殺菌試験4]
12cmポットに5葉期になるまで各植物を栽培した。植物病原菌〔ピーマン斑点病(Cercospora capsici)、キュウリ炭そ病(Colletotrichumlagenarium)、チンゲンサイ軟腐病(Erwinia sp)、ナシ黒星病(Venturia nashicola)、トマト輪紋病(AlternariaSolano)〕の胞子懸濁液(菌数は107個/mL)を、それぞれに対応する各植物(ピーマン、キュウリ、チンゲンサイ、ナシ、トマト)の葉に50L/10aの散布量で散布した。表1、2に示す化合物(A)及び化合物(B)を表4の質量比で混合し、水で所定濃度に希釈した処理液を作製した。処理液を表4に示す散布量で、菌散布から25℃、90%相対湿度下に静置して3日後の各植物に葉面散布した。一週間後、病斑数を数え、殺菌試験1で用いた式を用いて防除価を算出した。防除価の数値が高いほど、殺菌効果が高いことを示す。
表4の結果から、本発明の殺菌方法によれば、その殺菌効果を向上できることが確認された。
Figure 0006157289
[殺菌試験5]
表5に示す殺菌剤及び併用成分を所定の濃度になるよう、ポテトデキストロース培地(PDA培地)の作製時に添加し、殺菌剤含有PDA培地を作成した。キャベツ黒スス病(Alternariabrassicicola)の胞子懸濁液(菌数は107個/mL)を上記作成した培地へ適量塗布し、23℃、60%相対湿度下で7日間培養した。その後、PDA培地上に生育していない部分の面積とシャーレ全体の面積との割合を外観にて目視により、殺菌性能ポイントを評価した。判断基準は、未生育:100ポイント、四分の三の未生育面積割合:75ポイント、半分の未生育面積割合:50ポイント、四分の一の未生育面積の割合:25ポイント、シャーレ全体に生育:0ポイントとした。反復を7とし、その平均値により評価した。結果を表5に示す。
表5に示すように、化合物(A)と化合物(B)とを併用した試験例1−1では、化学合成系の殺菌剤の単独使用(参考例1−1)よりも高い殺菌効果が得られる。参考例1−2のように、化学合成系殺菌剤を化合物(A)と化合物(B)と併用すると殺菌効果は向上するが、試験例1−1では、この参考例1−2と同等の殺菌効果が得られている。すなわち、農薬原体である殺菌剤を使用しなくても、本発明に係る化合物(A)と化合物(B)とを併用することで、優れた殺菌剤性能を発現することが確認された。
Figure 0006157289
(注2)化合物(A)と化合物(B)の合計の濃度

Claims (7)

  1. 殺菌剤の有効成分である農薬原体の含有量が100ppm以下であり、下記(A1)及び(A2)から選ばれる一種以上の化合物(A)、下記(B1)から選ばれる一種以上の化合物(B)並びに水を含有し、化合物(A)及び化合物(B)の含有量の合計が2,000ppm以上、100,000ppm以下であり、化合物(A)と化合物(B)の質量比が、化合物(A)/化合物(B)で、0.3以上、3以下である処理液を、植物に施す工程を含む、植物の殺菌方法であって、キャベツ黒スス病、コムギ眼紋病、リンゴ落葉斑点病、ピーマン斑点病、キュウリ炭そ病、チンゲンサイ軟腐病、ナシ黒星病及びトマト輪紋病から選ばれる植物疾病の原因菌を殺菌する、植物の殺菌方法。
    (A1):ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5以上、40以下である。)
    (A2):(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、グリセリンの平均縮合度は1以上、3以下である。)
    (B1):下記一般式(B1)で示される脂肪族アルコール
    1b−OH (B1)
    (式中、R1bは炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。)
  2. 処理液中の化合物(A)及び化合物(B)の含有量の合計が、4,000ppm以上、60,000ppm以下である、請求項1記載の植物の殺菌方法。
  3. 前記処理液を散布により植物に施し、前記処理液を7L/10a以上、200L/10a以下の割合で散布する、請求項1又は2記載の植物の殺菌方法。
  4. 化合物(A)が、(A2)から選ばれる一種以上の化合物である、請求項1〜の何れか1項記載の植物の殺菌方法。
  5. キャベツ黒スス病の原因菌を殺菌する、請求項1〜の何れか1項記載の植物の殺菌方法。
  6. 前記処理液を、栽培中の植物に施す、請求項1〜の何れか1項記載の植物の殺菌方法。
  7. 前記処理液を、栽培中の植物に葉面散布する、請求項1〜の何れか1項記載の植物の殺菌方法。
JP2013187435A 2013-09-10 2013-09-10 植物の殺菌方法 Active JP6157289B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013187435A JP6157289B2 (ja) 2013-09-10 2013-09-10 植物の殺菌方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013187435A JP6157289B2 (ja) 2013-09-10 2013-09-10 植物の殺菌方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015054830A JP2015054830A (ja) 2015-03-23
JP6157289B2 true JP6157289B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=52819465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013187435A Active JP6157289B2 (ja) 2013-09-10 2013-09-10 植物の殺菌方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6157289B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1438945A (en) * 1972-06-15 1976-06-09 Nat Res Dev Control of fungi
JPS5138764B2 (ja) * 1972-12-08 1976-10-23
JPH1129413A (ja) * 1997-05-14 1999-02-02 Meiji Milk Prod Co Ltd 殺虫、殺ダニ、植物用抗菌剤
JP4540178B2 (ja) * 2000-05-01 2010-09-08 太陽化学株式会社 抗菌剤
JP5763370B2 (ja) * 2011-03-04 2015-08-12 花王株式会社 農薬用効力増強剤組成物
ES2357389B1 (es) * 2011-03-11 2011-09-26 Biofungitek, Sociedad Limitada Composición fungicida y bactericida que comprende compuestos orgánicos volátiles de origen natural.

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015054830A (ja) 2015-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101857646B1 (ko) 항균성 조성물들 및 관련된 사용 방법
Abrahamian et al. Efficacy of copper and copper alternatives for management of bacterial spot on tomato under transplant and field production
CA2973671C (en) Aqueous compositions for controlling pests, said compositions comprising thymol, a surfactant, and a solvent
JP5020256B2 (ja) 植物病害防除組成物および植物病害の予防防除方法
AU2018200620B2 (en) Antimicrobial compositions and related methods of use
PT2053921E (pt) Uma nova composição antifúngica
JP2003034607A (ja) 植物病害防除方法
JP4879424B2 (ja) 植物活力剤組成物
JP7377867B2 (ja) 脂肪酸のコリン塩を含む組成物、および殺菌剤としてのその使用
JP7496197B2 (ja) 過酢酸製剤を用いる農園芸用病害防除方法
TW201722276A (zh) 用於保護植物、水果和蔬菜之組成物
JP6157289B2 (ja) 植物の殺菌方法
WO2019012541A1 (en) MICROBIAL COMPOSITION AND METHODS OF USE THEREOF
KR101817513B1 (ko) 식물 곰팡이병 방제용 조성물
KR100381755B1 (ko) 농업용 및 원예용 살균제 조성물
CN100435635C (zh) 2-氰基-3-氨基-3-苯基丙烯酸乙酯防治农作物病害的应用
WO2024074495A1 (en) Method to inhibit proliferation of a phytopathogen on plants and compositions used for this purpose
WO2021186442A1 (en) Protected plants and methods of obtaining them
OA18387A (en) Aqueous compositions for controlling pests or regulating plant growth, said compositions comprising thymol or carvacrol, a surfactant, and a solvent.
US20150150264A1 (en) Alkali Metal Bisulfate Method
JP2011063514A (ja) 有用な植物での植物寄生性の土壌センチュウによる植物被害を抑制する方法
HU226358B1 (en) Method for producing new microbicid composition and its use

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170606

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6157289

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250