JP6156016B2 - 連続鋳造機の湯面レベル制御装置、連続鋳造機の湯面レベル制御方法およびコンピュータプログラム - Google Patents
連続鋳造機の湯面レベル制御装置、連続鋳造機の湯面レベル制御方法およびコンピュータプログラム Download PDFInfo
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Description
まず、特許文献1に記載の技術を説明する。
図19は、特許文献1に記載の技術で、スライディングノズル或いはストッパーの開度を調整するためのパルス信号を生成する構成を示す図である。
図19において、減算器1901は、レベル計から逐次入力される鋳型内の溶鋼の表面の高さ位置(実測値)の目標値からの偏差を計算する。
PID制御部1902は、当該偏差を入力とするPID演算を一定の制御周期で行うことで、当該偏差を解消するために必要な目標開度を開度指令MVとして生成する。
差分化部1903は、今回の開度指令MVから前回の開度指令MVを減算して、開度指令の差分ΔMVを計算する。
加算器1904は、開度指令の差分ΔMVに、除算器1905から出力された剰余ΔMVAを加算して、開度指令の差分の補正値ΔMVBを計算する。
除算器1905は、開度指令の差分の補正値ΔMVBを、スライディングノズル或いはストッパーの最小操作量ΔNで除した商の整数部分の値である整数値Nをパルス発生器1906に出力する。また、除算器1905は、開度指令の差分の補正値ΔMVBを、スライディングノズル或いはストッパーの最小操作量で除した商の小数点以下の部分の値である剰余ΔMVAを加算器1904に出力する。以下の説明では、「開度指令の差分の補正値ΔMVBを、スライディングノズル或いはストッパーの最小操作量ΔNで除した商の整数部分の値である整数値N」を必要に応じて「整数値N」と略称する。また、「開度指令の差分の補正値ΔMVBを、スライディングノズル或いはストッパーの最小操作量ΔNで除した商の小数部分の値である剰余ΔMVA」を必要に応じて「剰余ΔMVA」と略称する。
積算カウンタ1907は、パルス発生器1906から出力されたパルス信号に基づいて、スライディングノズル或いはストッパーの移動量の積算値MVSを導出する。このパルス信号の積算値MVSにより、ステッピングシリンダー(油圧シリンダー)のロッドの位置を特定することができる。
−NMAX≦N≦NMAX ・・・(1)
図20は、特許文献2に記載の技術で、スライディングノズル或いはストッパーの開度を調整するためのパルス信号を生成する構成を示す図である。
図20において、減算器2001は、レベル計から逐次入力される鋳型内の溶鋼の表面の高さ位置(実測値)の目標値からの偏差を計算する。
PID制御部2002は、当該偏差を入力とするPID演算を一定の制御周期で行うことで、当該偏差を解消するために必要な目標開度を開度指令MVとして生成する。
加算器2004は、開度指令の差分ΔMVに、除算器2005から出力された剰余ΔMVAを加算して、開度指令の差分の補正値ΔMVBを計算する。
除算器2005は、開度指令の差分の補正値ΔMVBを、スライディングノズル或いはストッパーの最小操作量ΔNで除した値の整数部分の値である整数値Nをパルス発生器2006に出力する。また、除算器2005は、開度指令の差分の補正値ΔMVBを、スライディングノズル或いはストッパーの最小操作量で除した値の小数点以下の部分を剰余ΔMVAとして加算器2004に出力する。
積算カウンタ2007は、パルス発生器2006から出力されたパルス信号に基づいて、スライディングノズル或いはストッパーの移動量の積算値MVSを導出する。そして、積算カウンタ2007は、スライディングノズル或いはストッパーの移動量の積算値MVSを減算器2003に出力(フィードバック)する。このパルス信号の積算値MVSにより、ステッピングシリンダー(油圧シリンダー)のロッドの位置を特定することができる。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の連続鋳造機の湯面レベル制御装置を適用した連続鋳造機の構成の一例を示す図である。尚、以下の説明では、連続鋳造機の湯面レベル制御装置を必要に応じてレベル制御装置と略称する。
図1において、連続鋳造機は、タンディッシュ11と、浸漬ノズル12と、ストッパー13と、鋳型(モールド)14と、ピンチロール15と、冷却スプレー16とを有する。
鋳型14は、タンディッシュ11と間隔を有して、タンディッシュ11の下方に配置される。鋳型14は、例えば筒形状を有する。また、鋳型14は水冷される。
浸漬ノズル12は、タンディッシュ11に貯留されている溶鋼17を鋳型14の内部に注入する。浸漬ノズル12は、その基端がタンディッシュ11の底面に位置するとともに、先端側の所定の領域が鋳型14の内部に位置するように配置される。また、浸漬ノズル12の内部とタンディッシュ11の内部は連通している。
このように、鋳型14の内部の注入された溶鋼は、鋳型14で冷却され、その表面から凝固殻18が形成されて凝固する。表面は凝固殻18となっているが内部は凝固していない鋼が、ピンチロール15によって挟まれながら鋳型14の下端部から連続的に引き出される。このようにして鋳型14から引き出される過程で、冷却スプレー16から噴射される冷却水によって鋼の冷却を進めることで、内部まで鋼を凝固させる。このようにして凝固した鋼は、図示しない連続鋳造機の下流側で所定の大きさに切断され、スラブ、ブルーム、ビレッド等、断面の形状が異なる鋳片が製造される。
レベル制御装置100は、レベル計19で検出された溶鋼の高さ位置を湯面レベルとして入力し、ストッパー13の開度の変更分を表すパルス信号である開閉パルス信号を出力する。レベル制御装置100の詳細については後述する。
図2において、減算器101は、レベル計19から、溶鋼の表面の高さ位置の情報を逐次入力する。減算器101は、溶鋼の表面の高さ位置の目標値から、レベル計19から入力した溶鋼の表面の高さ位置の実測値を減算し、溶鋼の表面の高さ位置の実測値の目標値からの偏差を計算する。
ΔMV(i)=MV(i)−MV(i−1) ・・・(2)
(2)式において、MVは、PID制御部102で生成された開度指令である。また、変数iは、レベル制御装置100aの制御周期が経過する(開閉パルス信号の計算を開始する)たびに、1から順にインクリメントされる正の整数である。すなわち、MV(i)は、レベル制御装置100aの今回の制御周期で得られた開度指令であり、MV(i−1)は、レベル制御装置100aの前回の制御周期で得られた開度指令である。
ΔMVB(i)=ΔMV(i)+ΔMVA(i−1) ・・・(3)
(3)式において、ΔMVAは、後述する切り捨て処理部107から出力された剰余(開度指令の差分の補正値ΔMVBを、ストッパー13の最小操作量ΔNで除した商の小数点以下の部分)である。この(3)式の計算を行うことによって、前回の開度指令の差分ΔMVのうち、前回の開閉パルス信号に反映することができなかった部分を、今回の開閉パルス信号の計算に反映させることができる。
ΔN=MPW×SV×1000 ・・・(4)
(4)式において、MPWは、パルス発生器108で生成される開閉パルス信号の最小パルス幅[msec]である。SVは、ストッパー13(油圧シリンダー300のロッド)の移動速度[mm/sec]である。本実施形態では、ストッパー13の移動速度SVは、一定であり、予め定められるものとする。
このように、ストッパー13の最小操作量ΔN[mm]は、ST制御装置200で受け付けることができるパルス幅の最小値に相当する時間内に、ストッパー13(油圧シリンダー300のロッド)を移動させることができる距離を表す。本実施形態では、ストッパー13の開度を大きくする方向(正の方向)のストッパー13の最小操作量ΔNを正の値とし、小さくする方向(負の方向)のストッパー13の最小操作量ΔNを負の値とする。
N(i)=切り捨て(ΔMVB(i)÷ΔN) ・・・(5)
(5)式において、切り捨て(X)は、商Xの絶対値を超えない大きさの整数値であって、商Xに最も近い整数値を与える関数である。
NMAX=ΔT×SV×1000÷ΔN ・・・(6)
(6)式において、ΔTは、レベル制御装置100aの(1つの開閉パルス信号を生成するための)制御周期[msec]である。
また、上下限判定部106は、(5)式で計算した整数値Nをパルス発生器108に出力する。
ΔMVA(i)=ΔMVB(i)−N(i)×ΔN ・・・(7)
積算カウンタ109は、以下の(8)式の計算を行って、ストッパー13(油圧シリンダー300のロッド)の移動量の積算値MVSを計算する。
図3は、連続鋳造機の湯面レベル制御装置100bの構成の第2の例を示す図である。レベル制御装置100bのハードウェアも、例えば、プログラマブルコントローラ又はパーソナルコンピュータを用いることにより実現することができる。
図3に示すレベル制御装置100bは、図2に示したレベル制御装置100aの差分化部103に代えて減算器110を設けたものである。この減算器110は、開度指令MVから、積算カウンタ109により出力(フィードバック)されたストッパー13(油圧シリンダー300のロッド)の移動量の積算値MVSを減算して開度指令の差分ΔMVを計算する。
ΔMV(i)=MV(i)−MVS(i−1) ・・・(9)
(9)式において、MVは、前述したようにPID制御部102で生成された開度指令である。MVSは、積算カウンタ109により出力された、ストッパー13(油圧シリンダー300のロッド)の移動量の積算値である。
開度指令の差分ΔMVは、これまでにレベル制御装置100で生成されたストッパー13の開度が、新たに生成された今回の開度指令NV(i)と、どのくらい異なるかを示すものである。
このようにして得られた開度指令の差分ΔMVが加算器104に出力される。
レベル制御装置100bのこの他の構成は、図2に示したレベル制御装置100aの構成と同じであるので、ここでは当該構成の詳細な説明を省略する。
図4は、本実施形態の連続鋳造機のレベル制御装置を適用した連続鋳造機の構成の変形例を示す図である。
スライディングノズル20は、ストッパー13と同様に、タンディッシュ11から浸漬ノズル12に供給される溶鋼17の供給量を制御するためのものであり、浸漬ノズル12の上部に配置される。スライディングノズル20は、ゲート板21を有する。ゲート板21が水平方向に移動することにより、スライディングノズル20の開度(浸漬ノズル12の開口面積)が変化する。
具体的に説明すると、スライディングノズル20の開度は、例えば、運転状態の釣り合い点のときに0(ゼロ)となり、このときよりもスライディングノズル20が開く場合に正の値となり、スライディングノズル20が閉まる場合に負の値をとるものとする。MVは、このような開度の指示値である開度指令になる。次に、MVSは、スライディングノズル20(油圧シリンダー500のロッド)の移動量の積算値になる。次に、ΔNは、スライディングノズル20の最小操作量になる。最後に、SVは、スライディングノズル20(油圧シリンダー500のロッド)の移動速度[mm/sec]になる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
前述した第1の実施形態では、ストッパー13(油圧シリンダー300のロッド)の移動量の積算値の、開度指令MVからの偏差を、開度指令の差分ΔMVとし、当該開度指令の差分ΔMVを一度に解消する場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、パルスの飽和によって開閉パルス信号に含めることができなかった部分を、ストッパー13(又はスライディングノズル20)の最小操作量ΔNの単位で、次回の開閉パルス信号に反映させる。このように本実施形態と第1の実施形態とは、レベル制御装置の構成のうち、パルスの飽和を抑制するための構成等が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図4に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態のレベル制御装置100cでも、第1の実施形態のレベル制御装置100a、100bと同様に、PID制御部102によって開度指令MVが生成される。また、レベル制御装置100aと同様に、差分化部103による前述した(2)式の計算により、開度指令の差分ΔMVが計算される。
ΔMVB(i)=ΔMV(i)+ΔMVA(i−1)+ΔMVC(i−1) ・・・(10)
(10)式において、ΔMVC(i−1)は、後述する最小パルス幅補正部602から出力される補正操作量である。補正操作量ΔMVCの絶対値としてとり得る値は、例えば、ストッパー13の最小操作量ΔNである。
パルス発生器108は、第1の実施形態で説明したのと同様の開閉パルス信号を、ST制御装置200と積算カウンタ109に出力する。
積算カウンタ109は、第1の実施形態で説明した(8)式の計算を行って、ストッパー13(油圧シリンダー300のロッド)の移動量の積算値MVSを計算し、指令比較判定部603に出力する。
MVS(i−1)−MV(i)>Th ・・・(11)
MVS(i−1)−MV(i)<−Th ・・・(12)
(11)式、(12)式において、本実施形態では、閾値Th、−Thの絶対値は同じであるものとする。また、閾値Th、−Thの絶対値として、例えば、ストッパー13の最小操作量ΔNの絶対値を採用することができる。
一方、積算カウンタ109から出力されたストッパー13(油圧シリンダー300のロッド)の移動量の積算値MVSから、開度指令MVを減算した値が負の閾値−Thを下回ると判定された場合、最小パルス幅補正部602は、補正操作量ΔMVCとして、ストッパー13の負の方向の最小操作量−ΔN(<0)を選択する。
以上のようにして最小パルス幅補正部602により得られた補正操作量ΔMVCが、加算器601に出力される。
したがって、第1の実施形態で説明したように、パルス飽和があった場合に開度指令の差分ΔMVを過剰に補正することを抑制することができるとともに、ストッパー13(油圧シリンダー300のロッド)の移動量の積算値MVSを開度指令MVに滑らかに追従させることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
ここでは、以下の条件で、特許文献1(図19)、特許文献2(図20)、第1の実施形態(図3)、第2の実施形態(図5)のレベル制御装置により、図1に示す連続鋳造機におけるストッパー13の位置(溶鋼17の表面の高さ位置(湯面レベル))を制御するシミュレーションを、コンピュータを用いて行った。尚、レベル制御装置を異ならせた他は、全て同じ条件でシミュレーションを行った。
ストッパー13の移動速度SV=2.0[mm/sec]
最大パルス幅=50[msec]
最小パルス幅=10[msec]
図6は、特許文献1のレベル制御装置を用いた場合の油面レベルと時間との関係を示す図であり、図7は、特許文献1に記載の技術を用いた場合のストッパー13の開度と時間との関係を示す図である。図8は、特許文献2のレベル制御装置を用いた場合の油面レベルと時間との関係を示す図であり、図9は、特許文献2に記載の技術を用いた場合のストッパー13の開度と時間との関係を示す図である。また、図10は、図9の0〜20[sec]の部分を拡大して示す図である。同様に、図11、図14は、それぞれ、第1、第2の実施形態のレベル制御装置100b、100cを用いた場合の油面レベルと時間との関係を示す図であり、図12、図15は、それぞれ、第1、第2の実施形態のレベル制御装置100b、100cを用いた場合のストッパー13の開度と時間との関係を示す図であり、図13、図16は、それぞれ、図12、図15の0〜20[sec]の部分を拡大して示す図である。
図6に示すように、特許文献1に記載の技術では、パルスの飽和により、湯面レベルの実績LM1は、目標値LTに追従しきれずに、時間の経過に伴い、目標値LTに対する偏差は拡大する。これにより、図7に示すように、開度指令MVに対する偏差も時間の経過に伴い拡大する。
特許文献2に記載の技術では、開度指令MVから、ストッパー13の移動量の積算値MVSを減算して、開度指令の差分ΔMVを算出し、開度指令の差分ΔMVを、整数値Nに反映させる。したがって、図8に示すように、パルスの飽和があっても、湯面レベルの実績LM2と目標値LTとの乖離は解消される。また、図9に示すように、開度指令MVに対する偏差の拡大も抑制される。
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、加算器2004によって、除算器2005で得られた剰余ΔMVAの分だけ過剰に補正をすることになる。したがって、図10に示すように、開度指令MVに対し、開度の実績MV2は、ハンチングしながら追従する。
第1の実施形態でも、開度指令MVから、ストッパー13の移動量の積算値MVSを減算して、開度指令の差分ΔMVを算出し、開度指令の差分ΔMVを、整数値Nに反映させる。したがって、図11に示すように、パルスの飽和があっても、湯面レベルの実績LM2と目標値LTとの乖離は解消される。また、図12に示すように、開度指令MVに対する偏差の拡大も抑制される。さらに、パルスの飽和が発生した場合には、開度指令の差分の補正値ΔMVBを、ストッパー13の最小操作量ΔNで除した値の剰余ΔMVAを、レベル制御装置100の次回の制御周期において、開度指令の差分ΔMVに加算しない。したがって、図13に示すように、開度指令MVに対し、開度の実績MV3は、ハンチングせずに滑らかに追従する。
第2の実施形態では、ストッパー13の移動量の積算値MVSから、開度指令MVを減算した値が閾値Thを上回る(閾値−Thを下回る)場合に、ストッパー13の最小操作量+ΔN(−ΔN)に相当する補正操作量ΔMVCを、開度指令の差分ΔMVに加算する。したがって、図14に示すように、パルスの飽和があっても、湯面レベルの実績LM2と目標値LTとの乖離は解消される。また、図15に示すように、開度指令MVに対する偏差の拡大も抑制される。さらに、パルスの飽和が発生した場合には、開度指令の差分の補正値ΔMVBを、ストッパー13の最小操作量ΔNで除した値の剰余ΔMVAを、レベル制御装置100の次回の制御周期において、開度指令の差分ΔMVに加算しない。したがって、図16に示すように、開度指令MVに対し、開度の実績MV4は、ハンチングせずに滑らかに追従する。尚、第1の実施形態に比べると、剰余ΔMVAの値が小さくなる傾向にあるので、開度指令MVに対し、開度の実績MV4は、若干遅れ気味に追従する。
図17に示す平均値が小さいほど、湯面レベルの実績LM1、LM2、LM3、LM4が目標値LTによく追従できていることになる。また、図17に示す標準偏差が小さいほど、湯面レベルの変動を抑制できていることになる。
図18に示すように、特許文献1に記載の技術では、パルスの飽和が生じた場合の補正を行わないため、標準偏差が大きくなり、開度指令MVに対して忠実なフィードバック信号を生成することができない。これに対し、特許文献2に記載の技術では、パルスの飽和が生じた場合に補正を行うので、特許文献1に記載の技術を用いた場合に比べて、標準偏差が小さくなり、開度指令MVに応じたフィードバック信号を生成することができる。しかしながら、特許文献2に記載の技術では、パルスの飽和が生じた場合の補正が過剰であるので、第1、第2の実施形態で説明したレベル制御装置100b、100cを用いた場合に比べ、標準偏差が大きくなる。これに対し、第1、第2の実施形態では、特許文献2に記載の技術を用いた場合よりも更に標準偏差を小さくなる。したがって、第1、第2の実施形態のようにすることによって、従来よりも、開度指令MVに対して忠実なフィードバック信号を生成することができる。
開度指令差分導出手段は、例えば、減算器110または差分化部103を用いることにより実現できる。
開度指令差分補正手段は、例えば、加算器104または601と切り捨て処理部107とを用いることにより実現できる。
除算手段は、例えば、除算器105を用いることにより実現できる。また、アクチュエータ操作量は、例えば、スライディングノズル或いはストッパーの最小操作量ΔNに対応する。
上下限判定手段は、例えば、上下限判定部106を用いることにより実現できる。
パルス信号生成手段と出力手段は、例えば、パルス発生器108を用いることにより実現できる。
積算値導出手段は、例えば、積算カウンタ109を用いることにより実現できる。
指令比較判定手段は、例えば、指令比較判定部603を用いることにより実現できる。
補正値加算手段は、例えば、加算器601、最小パルス幅補正部602を用いることにより実現できる。
12 浸漬ノズル
13 ストッパー
14 鋳型
15 ピンチロール
16 冷却スプレー
17 溶鋼
18 凝固殻
20 スライディングノズル
100 レベル制御装置
101 減算器
102 PID制御部
103 差分化部
104 加算器
105 除算器
106 上下限判定部
107 切り捨て処理部
108 パルス発生器
109 積算カウンタ
110 減算器
601 加算器
602 最小パルス幅補正部
603 指令比較判定部
200 ST制御装置
300、500 油圧シリンダー
400 SN制御装置
Claims (11)
- タンディッシュから浸漬ノズルを介して鋳型に供給される金属溶湯の供給量を調整するためのアクチュエータの開度を所定の制御周期で制御することによって、鋳型内の金属溶湯の湯面レベルを制御する連続鋳造機の湯面レベル制御装置であって、
前記アクチュエータの開度の指示値である開度指令と、前回の制御周期での開度指令または前回の制御周期での前記アクチュエータの開度の実績値と、の差分である開度指令の差分を導出する開度指令差分導出手段と、
前記開度指令差分導出手段により導出された、前記開度指令の差分を補正した値である開度指令の差分の補正値を導出する開度指令差分補正手段と、
前記アクチュエータを駆動するパルスモータの単位ステップ当たりの動作に対応する前記アクチュエータの移動量に、前記アクチュエータを駆動するパルスモータの回転方向に応じた正負の符号が付された値であるアクチュエータ操作量で、前記開度指令差分補正手段により導出された、前記開度指令の差分の補正値を除する除算手段と、
前記除算手段で得られた商の整数部分の値である整数値が、第1の上下限の範囲内にあるか否かを判定する上下限判定手段と、
前記整数値と、所定の最小パルス幅とに基づいて、前記アクチュエータの開度を制御するためのパルス信号である開閉パルス信号を生成するパルス信号生成手段と、
前記整数値と、前記アクチュエータ操作量と、に基づいて、前記アクチュエータの移動量の積算値を、前記アクチュエータの開度の実績値として導出する積算値導出手段と、
前記パルス信号生成手段により生成された開閉パルス信号に基づく情報を出力する出力手段と、
を有し、
前記第1の上下限は、前記パルス信号生成手段により1つの前記開閉パルス信号を生成するための制御周期と、前記アクチュエータの移動速度と、前記アクチュエータの最小操作量の逆数と、の積に基づいて定められ、
前記開度指令差分補正手段は、前記上下限判定手段により、前記整数値が、前記第1の上下限の範囲内にあると判定された場合には、前記開度指令の差分と、前記除算手段で得られた商の小数点以下の部分の値である剰余と、を加算した値を、前記開度指令の差分の補正値として導出し、前記上下限判定手段により、前記整数値が、前記第1の上下限の範囲内にないと判定された場合には、前記剰余を使用せずに、前記開度指令の差分を、前記開度指令の差分の補正値として導出することを特徴とする連続鋳造機の湯面レベル制御装置。 - 前記開度指令差分導出手段は、前記アクチュエータの開度の指示値である開度指令と、前記積算値導出手段により前回の制御周期で導出された、前記アクチュエータの開度の実績値と、の差分を導出することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置。
- 前記開度指令と、前記積算値導出手段により前回の制御周期で導出された前記アクチュエータの開度の実績値と、の差分が、第2の上下限の範囲内にあるか否かを判定する指令比較判定手段と、
前記指令比較判定手段により、前記開度指令と、前回の制御周期で導出された前記アクチュエータの開度の実績値と、の差分が、前記第2の上下限の範囲内にないと判定された場合に限り、前記開度指令の差分または前記整数値に対して所定の補正値を加算する補正値加算手段と、
を更に有し、
前記第2の上下限は、前記アクチュエータの最小操作量に基づいて定められ、
前記開度指令差分導出手段は、今回の制御周期での前記開度指令と前回の制御周期での前記開度指令との差分を導出することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置。 - 前記所定の補正値は、前記アクチュエータ操作量であることを特徴とする請求項3に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置。
- 前記補正値加算手段は、前記開度指令差分補正手段に含まれており、
前記開度指令差分補正手段は、前記指令比較判定手段により、前記開度指令と、前回の制御周期で導出された前記アクチュエータの開度の実績値と、の差分が、前記第2の上下限の範囲内にないと判定された場合に限り、前記開度指令の差分に対して、前記所定の補正値を加算することを特徴とする請求項3または4に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御装置。 - タンディッシュから浸漬ノズルを介して鋳型に供給される金属溶湯の供給量を調整するためのアクチュエータの開度を所定の制御周期で制御することによって、鋳型内の金属溶湯の湯面レベルを制御する連続鋳造機の湯面レベル制御方法であって、
前記アクチュエータの開度の指示値である開度指令と、前回の制御周期での開度指令または前回の制御周期での前記アクチュエータの開度の実績値と、の差分である開度指令の差分を導出する開度指令差分導出工程と、
前記開度指令差分導出工程により導出された、前記開度指令の差分を補正した値である開度指令の差分の補正値を導出する開度指令差分補正工程と、
前記アクチュエータを駆動するパルスモータの単位ステップ当たりの動作に対応する前記アクチュエータの移動量に、前記アクチュエータを駆動するパルスモータの回転方向に応じた正負の符号が付された値であるアクチュエータ操作量で、前記開度指令差分補正工程により導出された、前記開度指令の差分の補正値を除する除算工程と、
前記除算工程で得られた商の整数部分の値である整数値が、第1の上下限の範囲内にあるか否かを判定する上下限判定工程と、
前記整数値と、所定の最小パルス幅とに基づいて、前記アクチュエータの開度を制御するためのパルス信号である開閉パルス信号を生成するパルス信号生成工程と、
前記整数値と、前記アクチュエータ操作量と、に基づいて、前記アクチュエータの移動量の積算値を、前記アクチュエータの開度の実績値として導出する積算値導出工程と、
前記パルス信号生成工程により生成された開閉パルス信号に基づいて、前記アクチュエータの開度を制御する制御工程と、
を有し、
前記第1の上下限は、前記パルス信号生成工程により1つの前記開閉パルス信号を生成するための制御周期と、前記アクチュエータの移動速度と、前記アクチュエータの最小操作量の逆数と、の積に基づいて定められ、
前記開度指令差分補正工程は、前記上下限判定工程により、前記整数値が、前記第1の上下限の範囲内にあると判定された場合には、前記開度指令の差分と、前記除算工程で得られた商の小数点以下の部分の値である剰余と、を加算した値を、前記開度指令の差分の補正値として導出し、前記上下限判定工程により、前記整数値が、前記第1の上下限の範囲内にないと判定された場合には、前記剰余を使用せずに、前記開度指令の差分を、前記開度指令の差分の補正値として導出することを特徴とする連続鋳造機の湯面レベル制御方法。 - 前記開度指令差分導出工程は、前記アクチュエータの開度の指示値である開度指令と、前記積算値導出工程により前回の制御周期で導出された、前記アクチュエータの開度の実績値と、の差分を導出することを特徴とする請求項6に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御方法。
- 前記開度指令と、前記積算値導出工程により前回の制御周期で導出された前記アクチュエータの開度の実績値と、の差分が、第2の上下限の範囲内にあるか否かを判定する指令比較判定工程と、
前記指令比較判定工程により、前記開度指令と、前回の制御周期で導出された前記アクチュエータの開度の実績値と、の差分が、前記第2の上下限の範囲内にないと判定された場合に限り、前記開度指令の差分または前記整数値に対して所定の補正値を加算する補正値加算工程と、
を更に有し、
前記第2の上下限は、前記アクチュエータの最小操作量に基づいて定められ、
前記開度指令差分導出工程は、今回の制御周期での前記開度指令と前回の制御周期での前記開度指令との差分を導出することを特徴とする請求項6に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御方法。 - 前記所定の補正値は、前記アクチュエータ操作量であることを特徴とする請求項8に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御方法。
- 前記補正値加算工程は、前記開度指令差分補正工程に含まれており、
前記開度指令差分補正工程は、前記指令比較判定工程により、前記開度指令と、前回の制御周期で導出された前記アクチュエータの開度の実績値と、の差分が、前記第2の上下限の範囲内にないと判定された場合に限り、前記開度指令の差分に対して、前記所定の補正値を加算することを特徴とする請求項8または9に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御方法。 - 請求項6〜10の何れか1項に記載の連続鋳造機の湯面レベル制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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