JP6154581B2 - 医療用rfidタグの設計方法及び医療用rfidタグ並びにrfidタグ付き衛生材料 - Google Patents

医療用rfidタグの設計方法及び医療用rfidタグ並びにrfidタグ付き衛生材料 Download PDF

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Description

本発明は、電磁波による無線通信によって近距離で情報の読み取りを行うRFIDタグに関し、特に、医療分野における使用済みガーゼ、不織布等の衛生材料(以下、ガーゼと総称する)の管理システムに好適な医療用RFIDタグの設計方法及び医療用RFIDタグ並びにRFIDタグ付き衛生材料に関するものである。
手術時に使用したガーゼの体内遺残事故を防止する目的で、RFIDタグをガーゼに貼り付けて管理するガーゼ管理システムが知られている。
この種のガーゼ管理システムでは、手術に使用するガーゼのすべてにRFIDタグが取り付けられており、手術前のガーゼのRFIDタグから予め識別情報等を読み取っておき、術後のガーゼのRFIDタグから識別情報等を読み取り、両識別情報の照合されたガーゼをカウントすることにより、ガーゼ枚数の人為的カウントミスを防止することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、RFIDタグに関し、一般に利用されている周波数としては、135kHz未満(長波帯)、13.56MHz(短波帯)、860〜960MHz(UHF帯)、2.45GHz(マイクロ波帯)等があるが、水分の多い場所では長波帯のRFIDタグが使用され、短波帯のRFIDタグも比較的水分に対して強いため一部の分野で使用されている。
なお、比較的水分に強いとされている短波帯のRFIDタグであっても、水中に浸漬させた場合の通信距離は空気中と比較して大きく減衰し、マイクロ波帯のRFIDタグは水中に沈めた場合、RFIDリーダーとの間で通信ができなくなる。
このような理由からRFIDタグを医療分野において血液・体液・生理食塩液等の液体(以下、液体と総称する)の多い環境で読み取る場合には、長波帯のRFIDタグを使用すればよいことになる。
しかし、長波帯のRFIDタグは、水分に対して優れた通信特性を示す反面、電磁ノイズ(高圧線、蛍光灯等)に弱いという欠点があり、加えて薄型化(フィルム状)することができない、交信速度が遅い、RFIDタグを構成する部品点数が多いことから高コストであり、また、フェライト等のコア材を使用するため柔軟性がない等の問題がある。
特開2011−15395号公報
ガーゼ管理システムのRFIDタグに要求される通信特性としては、空気中及び液体中のいずれの環境下においても過不足なく通信の行えることが求められるが、水分の多い環境、特に液体中での読み取りが確実に行え、しかも電磁ノイズの影響を受けにくいRFIDタグは実現されていない。
本発明は以上のような従来のRFIDタグにおける課題を考慮してなされたものであり、空気中及び液体中においても過不足なく通信を行うことができ、RFIDタグの情報を確実に読み取ることができる医療用RFIDタグの設計方法及び医療用RFIDタグ並びにRFIDタグ付き衛生材料を提供するものである。
本発明の医療用RFIDタグの設計方法は、空気中でのRFIDタグの通信距離を、各共振周波数毎に求めてグラフ化し、
液体中でのRFIDタグのアンテナ面積に対する共振周波数の変化を数式化し、
医療用RFIDタグとして選択する面積からなるアンテナの液体中での上記共振周波数の減衰量を上記数式から求め、
液体中でのRFIDタグの通信距離を、各共振周波数毎に求めてグラフ化し、
上記グラフ化された空気中及び液体中での上記RFIDタグの通信距離特性のそれぞれについて、空気中及び液体中で必要とされる通信距離をともに満足する共振周波数の範囲を求め、
上記共振周波数の範囲内に収まるように上記RFIDタグの共振周波数を設計することを要旨とする。
本発明の対象となるRFIDタグは、電源を内蔵せずRFIDリーダーからの電磁波を駆動電源として通信を行ういわゆるパッシブ型RFIDタグである。
上記設計方法において、空気中及び液体中で必要とされる通信距離をともに満足する上記共振周波数は14.2〜15.1MHzとすることが好ましい。
また、上記アンテナ面積は250〜700mmの範囲内とすることが好ましい。
本発明の医療用RFIDタグは、上記医療用RFIDタグの設計方法によって製作されていることを要旨とする。
本発明のRFIDタグ付き衛生材料は、上記医療用RFIDタグが貼着されていることを要旨とする。
本発明の医療用RFIDタグの設計方法によれば、空気中及び液体中のいずれの環境下においても過不足なく通信することができる医療用RFIDタグを設計することができる。
本発明の医療用RFIDタグ及びRFIDタグ付き衛生材料によれば、空気中及び液体中のいずれの環境下においても過不足なく確実にRFIDタグの情報を読み取ることができるという長所を有する。
本発明の医療用RFIDタグを製作するにあたり、共振周波数の違いによる通信距離の変化を空気中で測定したグラフである。 本発明の医療用RFIDタグを製作するにあたり、アンテナ素材によって変化する周波数の変化量を疑似血液中で測定したグラフである。 本発明の医療用RFIDタグを製作するにあたり、空気中の通信距離と生理食塩液中での通信距離の違いを測定したグラフである。 (a)は本発明のRFIDタグの構成を示す平面図、(b)はその側面断面図である。 (a)は本発明の防水加工を施したRFIDタグの構成を示す平面図、(b)はそのRFIDタグを分解して示した側面拡大断面図である。 本発明に係るRFIDタグの通信距離の測定方法を示す説明図である。 (a)〜(c)は本発明に係るRFIDタグの通信特性を、アンテナ素材別に測定したグラフである。
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
〔1〕医療用RFIDタグの形状
本実施形態ではRFIDタグ付き衛生材料としてRFIDタグ付きガーゼを例に取り説明する。
医療用RFIDタグが100%の通信性能を発揮するためには、RFIDタグの形状は折れ曲がらずにフラットな状態を維持することが望ましい。しかしながらRFIDタグ付きガーゼは、手術時に臓器の隙間に挿入されたり、また、鉗子によって圧縮されたり、さらにまた、術者や看護師の手によって塊状に圧縮されることが常である。
そのため、細長い形状(一般的にUHF帯やマイクロ波を使用するRFIDタグ)のRFIDタグでは折れ曲がることが避けられないため、安定した通信特性を得ることが困難になる。
これに対し、HF帯のRFIDタグは、ループ状のアンテナであるため折り曲げられる可能性が低く最適な通信が得られる。また、ループ状の中でも矩形のものよりは円形のものの方が折れ曲がりにくく、しかも円形のものは矩形のものと比較して角部を持たないため、繊細な作業を必要とする手術において体内組織に対する影響が少ないという利点もある。
さらに、アンテナの形成パターンについては巻き線アンテナよりもエッチングアンテナやプリントアンテナの方がアンテナの厚みを薄くできるため屈曲性に優れている。なお、アンテナに使用する素材としては銅、アルミニウム、銀等の導電性の高い素材を選択することができる。
なお、RFIDタグは直接、水に濡れると通信ができなくなるため、防水加工を施す必要がある。手術での使用に妨げとならない防水処理としては、伸縮性のフィルムによってRFIDタグを密閉することが望ましい。
密閉方法としては、パウチ方式、ラミネート方式等が例示される。手術での使用に妨げとならないようにするには、フィルムをできる限り薄くする必要があることから、ラミネート方式によって密閉することが望ましい。
上記フィルムは、生体適合性のあるものを使用し、ガーゼに対し接着剤もしくは熱融着によって固定することができる。
なお、接着剤を使用すると、接着剤の硬化後に接着剤塗布部分が硬くなる可能性が高く、ガーゼ本来の目的である臓器の保護性が低下するおそれがある。したがって、熱可塑性フィルムを防水フィルムとして使用し熱融着によってガーゼに固定することが望ましい。
また、上記フィルムは手術中に体内組織を傷付けることがなく、また、鋭利な手術器具が接触しても耐えられるように、突き刺し強度の高い素材を使用することが望ましい。
このような事情から本実施形態では医療用RFIDタグとして、円形の巻き線アンテナを採用することが好ましく、より好ましくは円形のエッチングアンテナ、円形のプリントアンテナを採用することである。
〔2〕医療用RFIDタグの共振周波数
本実施形態の医療用RFIDタグは、術者、看護師の手元付近の約20〜30cm四方(少なくとも一方向より14cm以上の距離について読み取ることが可能)の範囲内でのみ通信可能とし、それにより、手術室内に保管してある対象外のRFIDタグ付きガーゼを間違って読み取ることがないようにしている。さらに、空気中であっても液体中であっても過不足なく通信が行えることを目標としている。
このような通信特性を有するRFIDタグの周波数帯としては短波帯の周波数を選択することが好ましい。
一般的にRFIDタグの交信範囲は、使用する周波数が高くなるほどビームのように狭くなる。各周波数別の交信範囲として135kHz未満及び13.56MHzではおわんを伏せたような形の左右に広い範囲まで交信が可能であり、周波数が高くなると左右の広がりは狭くなり、UHF帯では葉巻のような形状の範囲で可能であり、2.45GHzではビームのような鋭い形状の範囲で交信が可能である。
RFIDタグの通信距離は、使用するRFIDリーダー及びRFIDタグの種類により大きく異なるが、一般的に13.56MHzでは0〜0.7m程度であり、人の手が届く範囲が通信可能な範囲である。また、出力によっても通信距離は異なるが、UHF帯では0〜5m、2.45GHzでは0〜1.5mとなり、高出力では人の手元以外のRFIDタグを読み取る可能性が生じてくる。
図1は、共振周波数の違いによる通信距離の変化を表したグラフであり、横軸は共振周波数(MHz)を示し、縦軸は通信距離(cm)を示している。
同グラフに示すように、RFIDタグの通信距離は共振周波数(MHz)によって変化し、共振周波数13.8MHzのときに通信特性のピークが現われ、13.8MHzから外れるにつれて通信特性が低下していく。
本実施形態の試験に使用したRFIDタグ(Cuエッチングアンテナ、アンテナ面積380mm)では、13.8MHzでの通信距離を100とした場合、共振周波数が約0.1MHzズレる毎に通信距離が約5〜6%低下する。このような共振周波数のズレと通信距離の低下は、RFIDタグのQ値が高いほど急減に低下し、Q値が低ければ緩やかに低下する。
具体的には、共振周波数が13.8MHzのRFIDタグと比較して、共振周波数が13.5MHzでは79%、14.3MHzでは77%、15.5MHzでは44%となる。
図2は、アンテナ素材別に擬似血液(馬保存血液:(株)日本バイオテスト研究所)中での周波数の変化量を示したグラフであり、横軸はアンテナ面積(mm)、縦軸は周波数の変化量(MHz)を示している。なお、図1および図3において通信距離の測定は後述する図6の方法と同様の方法にて測定を行った。
同グラフにおいて、特性L1はCu巻き線アンテナによる周波数特性を示し、特性L2はCuエッチングアンテナによる周波数特性を示し、特性L3はAlエッチングアンテナによる周波数特性を示している。
[ 特性L1]
Cu巻き線アンテナは擬似血液中でも周波数特性が安定しており、周波数の変化量はわずかである。
[ 特性L2]
Cuエッチングアンテナではアンテナ面積の増加と周波数の変化量(減衰量)との間に相関関係が認められ、回帰式を求めると、
y=−0.0016x−0.7795 ……式(1)
となる。因みに相関係数は0.9723である。
[ 特性L3]
Alエッチングアンテナについてもアンテナ面積の増加と周波数の変化量(減衰量)との間に相関関係が認められ、回帰式を求めると、
y=−0.0026x−0.0555 ……式(2)
となる。相関係数は0.9799である。
したがって、例えば、Cuエッチングアンテナで構成され、アンテナ面積400mmのRFIDタグを擬似血液中に入れた場合、そのアンテナ面積を上記式(1)に代入することにより、周波数の変化量は約1.4(MHz)減衰することが分かる。
そこで、図2の測定結果を基にしてさらに、生体成分に近い生理食塩液中でのRFIDタグの通信距離を測定し、空気中での通信距離と比較した。
図3のグラフは、RFIDタグについて、空気中の通信距離と生理食塩液中での通信距離の違いを測定したものである。また、同グラフは、共振周波数と通信距離との関係を条件別に表したものであり、横軸は二次加工(防水)前の共振周波数(MHz)を示し、縦軸は通信距離(cm)を示している。図3の解析については後述する。
図4は、測定に使用したRFIDタグの構成を示したものであり、同図(a)はRFIDタグの構成を示す平面図、同図(b)はその側面断面図である。
図4において、RFIDタグ1は、25±0.5mmの樹脂フィルム(本実施形態ではポリエチレンテレフタレートフィルムを使用)からなるベース基材2の一方表面上に、φ22±0.5mmのアンテナパターン3を銅エッチングによって形成したものであり、上記アンテナパターン3は、極細銅線パターンを同心円状に複数巻回したものからなり、アンテナパターン3の外周終端と内周終端はジャンパー部4で接続されている。
上記アンテナパターン3の内周側の端部にはICチップ(フィリップス社製のI−CODE SLI)5が搭載されており、上記アンテナパターン3と電気的に接続されている。また、図中の符号6は上記アンテナパターン3の裏面に形成された銀ペーストからなるコンデンサパターンである。
RFIDタグの共振周波数を所望の値に設定するには、アンテナ特性に影響するインダクタンスを調整するか、またはインダクタンスとキャパシタンスの両方を調整する。
詳しくは、インダクタンスはアンテナのターン数、外形サイズ、全周長さ等を変えることで変化させることができ、ターン数が多い、外形サイズが大きい、全周長さが長いほどインダクタンスは高くなり、共振周波数は低くなる。
キャパシタンスについては、例えば、インレット基材の表裏に、エッチングパターンを対向配置させることでパターンコンデンサを設けることができるが、そのパターンコンデンサの面積が大きいほどキャパシタンスが高くなり共振周波数は低くなる。
なお、巻き線アンテナについては一般的にインダクタンスを調整する方法が採られ、エッチングアンテナについてはインダクタンスとキャパシタンスを調整する方法が採用されている。
図5は二次加工(防水加工)を施したRFIDタグを示しており、同図(a)は平面図、同図(b)は分解拡大側面図である。
図5において、RFIDタグ1を二枚のフィルム(本実施形態ではポリウレタンフィルムを使用)7及び8の間に入れ、加熱することによってラミネート加工を施し防水性を確保した。RFIDタグ1の外径寸法は上記した通りφ25mm±0.5mmであり、二次加工フィルムサイズはφ33mm±1mm、シール幅を4mmとした。
なお、一方側のフィルム7は厚み100μmの単層耐熱層として機能する熱可塑性フィルムであり、他方側のフィルムは厚み60μmの耐熱層として機能する熱可塑性フィルムと厚み50μmのホットメルト層として機能する熱可塑性フィルムとの積層体(2層)から構成されている。
構成が同じであり共振周波数のみが異なる各種RFIDタグを用いることで、RFIDタグにおける共振周波数の違いによる性能を検証した。なお、共振周波数の測定にはデジタルティップメータ(DMC−200A:三田無線研究所製)を使用した。
使用したRFIDリーダーは、1W出力のISO15693仕様のリーダーライタ装置(TR3−LD003D−4 タカヤ(株)製)にA4サイズの平面アンテナ(TR3−LA201 タカヤ(株)製)を接続して使用した。
図6に示すように、通信距離の測定は、平面アンテナの中央部から垂直方向にRFIDタグを置いた時の最大通信距離を測定した。生理食塩液中で測定する場合は、プラスチック製シャーレ(φ90mm)に生理食塩液を溜め、RFIDタグをその生理食塩液に完全に沈めた状態で測定を行った。
図3に戻って説明する。
グラフ中のL4は二次加工(防水加工)したRFIDタグについて空気中での通信距離を測定した結果を示し、L5は二次加工したRFIDタグを生理食塩液中に浸漬させて通信距離を測定した結果を示し、L6は二次加工を施していないRFIDタグについて空気中での通信距離を測定した結果を示している。
なお、共振周波数はL4、L5、L6のそれぞれの状態で異なり、それぞれの状態での共振周波数と通信距離の関係をそのままプロットすると、当然、13.8MHz前後がピークとなるグラフになる。そのため、横軸の共振周波数は未加工時における共振周波数を基準とし、二次加工後、生理食塩液中での通信距離をプロットしている。
本発明の医療用RFIDタグの判定基準については、空気中及び生理食塩液中で20〜30cm、少なくとも一方向より14cm(空気中及び液体中で必要とされる通信距離)以上通信が可能なものを合格とした。
上記通信距離は、一般社団法人 人間生活工学研究センター発行の「人体寸法データベース」をもとに算出している。
詳しくは、胸部前後最大距離を対象部位とした場合、最も平均値が高い世代は60〜69歳であり、この世代の95%が胸部前後最大距離275.9mmに含まれる。
そこで、上記世代のサイズを対象にしてRFIDタグによる通信を想定しているが、読取り側のRFIDリーダーのアンテナは任意の位置に移動させることができRFIDタグに対して向きを変えてアプローチすることができるため、上記胸部前後最大距離の1/2、すなわち14cmが、本発明のRFIDタグにとって必要とされる通信距離となる。
同グラフにおいて、二次加工したRFIDタグ(特性L4)は、空気中では共振周波数がほぼ13.7MHzで通信距離のピークを迎え、共振周波数が増加するにつれて通信距離が低下していき、15.1MHzを超えると通信距離の合格基準である14cmを下回る。
一方、生理食塩液中では共振周波数が13.7MHzから増加するにつれて通信距離も増加し、14.2MHzで通信距離の合格基準である14cmを満足し、15.1MHzでピークを迎え、さらに共振周波数が増加すると通信距離が逆に低下していく。
したがって、14.2〜15.1MHzの範囲内であれば、空気中及び生理食塩液中の双方の環境で過不足なく通信が行えることになることが検証された。なお、液体の種類によって共振周波数は僅かに変化するが、誤差の範囲内であった。
〔3〕医療用RFIDタグのアンテナ面積
RFIDタグは、ICチップ、アンテナ素材、共振周波数が同じであれば、空気中においてはアンテナ面積に比例して通信距離が長くなることは知られている。
しかしながら、液体中のRFIDタグについて通信性能を調べると、アンテナ素材によっては空気中の特性とは異なりアンテナ面積と通信距離は必ずしも比例しなくなることが分かった。
図7は、RFIDタグのアンテナ素材別に、空気中の通信特性と血液中の通信特性とを比較したグラフであり、各グラフの横軸はアンテナ面積(mm)を示し、縦軸は通信距離(cm)を示している。
図7(a)のグラフはCu巻き線アンテナによるRFIDタグ通信特性を示し、同図(b)のグラフはCuエッチングアンテナによるRFIDタグ通信特性を示し、同図(c)のグラフはAl(アルミニウム)エッチングアンテナによるRFIDタグ通信特性を示している。
図7(a)のグラフに示されるように、Cu巻き線アンテナでは空気中(自由空間)、擬似血液中ともにアンテナ面積の増加につれて通信距離が長くなる。
ところが、同図(b)のCuエッチングアンテナのグラフでは、空気中についてはアンテナ面積の増加につれて通信距離が長くなるものの、疑似血液中ではアンテナ面積が増加しても通信距離はほとんど変化しないことが確認された。
また、同図(c)のAlエッチングアンテナグラフでは、空気中については上記Cu巻き線アンテナ、Cuエッチングアンテナと同様に、アンテナ面積の増加につれて通信距離が長くなるものの、疑似血液中では通信距離は極めてなだらかに低下する傾向のあることが確認された。
液体中でも空気中でも過不足なく通信が可能な医療用RFIDタグとしては、共振周波数が14.2〜15.1MHzの範囲内で且つアンテナサイズは小さい方が好ましい。しかし、アンテナサイズが小さくなり過ぎても、大きくなりすぎても所望の通信特性が得られない。
必要とされる通信距離は上述したように14cm以上であるから、その場合のアンテナ面積を図7(a)〜(c)のグラフから求めると、アンテナ面積の下限は250mmとすることが好ましい。一方、医療用ガーゼに貼着するRFIDタグが大きくなり過ぎると、ガーゼを折り畳んだ時にRFIDタグが折れ曲がってしまう虞がある。そのため、アンテナ面積の上限は700mmとすることが好ましい。
よって、医療用RFIDタグのアンテナ面積は、250〜700mmの範囲内で設計することが望ましい。

Claims (5)

  1. 空気中でのRFIDタグの通信距離を、各共振周波数毎に求めてグラフ化し
    体中でのRFIDタグの通信距離を、各共振周波数毎に求めてグラフ化し、
    上記グラフ化された空気中及び液体中での上記RFIDタグの通信距離特性のそれぞれについて、空気中及び液体中で必要とされる所定の通信距離をともに満足する共振周波数の範囲を求め、
    上記共振周波数の範囲内に収まるように上記RFIDタグの共振周波数を設計することを特徴とする医療用RFIDタグの設計方法。
  2. ポリエチレンテレフタレートからなるベース基材と
    該ベース基材の一方表面上に形成されている銅アンテナ又はアルミニウムアンテナと、を有する医療用RFIDタグであって、
    空気中及び液体中で必要とされる所定の通信距離をともに満足するRFIDタグの共振周波数が14.2〜15.1MHzであり、
    アンテナ面積が250〜700mmの範囲内であることを特徴とする医療用RFIDタグ。
  3. 前記医療用RFIDタグが一のフィルムと他のフィルムの間に配置されており、
    前記一のフィルムと前記他のフィルムがラミネート加工されている請求項2に記載の医療用RFIDタグ。
  4. 前記一のフィルムは、熱可塑性フィルムであり、
    前記他のフィルムは、耐熱層としての第1熱可塑性フィルムと、ホットメルト層としての第2熱可塑性フィルムの積層体である請求項3に記載の医療用RFIDタグ。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の医療用RFIDタグが貼着されていることを特徴とするRFIDタグ付き衛生材料。
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