JP6153680B1 - 3dプリンタ用造形材料、その製造方法、および三次元造形物 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルロースナノファイバーなどのナノファイバーを熱可塑性樹脂中に均一に分散させることにより、強度、弾性率が向上し、細かいパターンの表面状態が再現でき、表面平滑性に優れ、さらに透明性や染色性にも優れる三次元造形物が得られる3Dプリンタ用の造形材料を提供すること。【解決手段】3Dプリンタ用造形材料であって、(A)ナノファイバー、(B)分散剤、および(C)樹脂成分を主成分とする造形材料。【選択図】なし

Description

本発明は、3Dプリンタによって三次元造形物を得る際に使用する造形材料に関するものである。
コンピュータ上の設計データをもとに三次元のものを作り出す3Dプリンタは、金型や溶融成形装置を用いずにプラスチック製の部品、治具、製品を作ることができ、企業を中心に急速に普及している。特に、熱可塑性樹脂を造形材料に用いる熱溶解積層方式の3Dプリンタは廉価版も販売され、個人にまで普及し始めている。
このような熱溶解積層法式3Dプリンタに用いられる造形材料としては、熱可塑性樹脂とこの樹脂中に分散された機能性ナノフィラーを含む機能性樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。この特許文献の技術的骨子は、カーボンナノファイバーあるいはナノクレイ粒子を超臨界二酸化炭素を用いて二軸混練押出機で練り込むというもので、分散剤を使用するものではない。これでは、ナノフィラーの分散が充分ではなく、本来のナノフィラーの機能が充分に発揮できるものではなく、ナノファイバーとしてはセルロースナノファイバーが単に例示されているにすぎない。
特開2016−28887号公報
本発明は、セルロースナノファイバーなどのナノファイバーを樹脂中に均一に分散させることにより、強度、弾性率が向上し、強度、弾性率が向上し、設計上の形状を造形物としてより正確に再現でき、表面平滑性に優れ、さらに透明性や染色性にも優れる三次元造形物が得られる3Dプリンタ用の造形材料を提供することを目的とする。
本発明は、以下の(1)〜(9)により構成される。
(1)3Dプリンタ用造形材料であって、(A)ナノファイバー、(B)分散剤、および(C)熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂からなる樹脂成分を主成分とする造形材料。
(2)(A)ナノファイバーが、セルロースナノファイバーである、(1)記載の造形材料。
(3)(A)セルロースナノファイバーの平均繊維径が10〜100nmである請求項2記載の造形材料。
(4)(B)分散剤が(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(共)重合体を主成分とする、(1)〜(3)いずれかに記載の造形材料。
(5)(B)分散剤を構成する(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(共)重合体が、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリメタクリル酸ブチル・メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びポリメタクリル酸ステアリル・メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの群から選ばれた少なくとも1種である(4)に記載の造形材料。
(6)(C)樹脂成分が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリケトン樹脂、および環状ポリオレフィン樹脂の群から選ばれた少なくとも1種である、(1)〜(5)いずれかに記載の造形材料。
(7)固形換算で、(A)ナノファイバーが0.5〜20重量%、(B)分散剤が0.0005〜10重量%、(C)樹脂が70〜99.4995重量%[ただし、(A)+(B)+(C)=100重量%]である、(1)〜(6)いずれかに記載の造形材料。
(8)上記(1)〜(7)いずれかに記載の造形材料を溶融押し出ししたのち、液体浴中で冷却・固化し、モノフィラメント糸となすことを特徴とする、3Dプリンタ用造形材料の製造方法。
(9)上記(1)〜(7)いずれかに記載の造形材料を用いて、3Dプリンタを適用して得られる三次元造形物。
本発明の造形材料は、セルロースナノファイバーなどの(A)ナノファイバーが(B)分散剤の働きにより、ナノオーダーでナノファイバーの絡み合いがほどけ、さらにセルロース水酸基の水素結合による凝集がブロックされて、均一に(C)樹脂成分中に分散しているので、強度、弾性率が向上し、しかもナノファイバーが分散しているので、設計上の形状を造形物としてより正確に再現でき、表面平滑性に優れ、さらにナノファイバーとしてセルロースナノファイバーを用いた場合には、透明性、染色性にも優れ、光の波長によりセルロースナノファイバーの分散径が小さく、セルロースに起因した染色性も高い、三次元造形物が得られ、3Dプリンタ用造形材料として好適である。
実施例2で得られた3Dプリンタ造形物(M16六角ボルト)の写真である。
以下、本発明の3Dプリンタ用造形材料について、構成要件別に詳細に説明するが、本発明の造形材料は、(A)ナノファイバー、(B)分散剤および(C)樹脂成分を主成分とする。
<(A)ナノファイバー>
ナノファイバーとは、一般に直径が1〜1,000nmで長さが直径の100倍以上ある繊維の総称である。ナノファイバーの素材としては、バイオナノファイバー(セルロースナノファイバー、キチン・キトサンナノファイバー)、カーボンナノファイバー、その他のナノファイバー(炭素以外の無機ナノファイバー、有機高分子ナノファイバー)などが挙げられるが、好ましくはセルロースナノファイバーである。以下、(A)ナノファイバーに関しては、セルロースナノファイバーを例にとって詳述する。
<セルロースナノファイバーの原料>
ここで、(A)セルロースナノファイバーの製造に使用するセルロースの原料は、繊維状、粒状などの任意の形態であってもよい。セルロース原料は、リグニンやヘミセルロースを除去した結晶セルロースが好ましい。また、市販の原料を使用してもよい。メディアレス分散機でセルロースを処理すると、セルロースは繊維の長さを保ったまま繊維同士の絡まりがほどけて細くなるが、処理条件を変えることで、繊維の切断もしくは分子量を低下させることも可能である。なお、本発明において「ナノファイバー」とは、上記のように、繊維の幅がナノサイズになったものを意味する。例えばセルロースは、本発明の方法の実施により繊維同士が充分に解繊して最小単位の繊維になると、その直径は4〜10nm程度となる。セルロース原料ないしナノファイバーの直径(幅)は、電子顕微鏡写真により測定することができる。このような繊維は、長さはナノサイズではないが、直径(幅)がナノサイズであるので、本発明においてナノファイバーと指称する。
<(B)分散剤>
(B)分散剤としては、(A)セルロースナノファイバーを分散できるものであれば、いかなるものでもよい。例えば、「P−OH基、−COOH基、−SOH基、および/またはそれらの金属塩基が少なくとも1種結合した陰イオン性分散剤」(特開2012−51991号公報)、樹脂親和性セグメントAとセルロース親和性セグメントBとを有し、ブロック共重合体構造またはグラジエント共重合体構造を有する分散剤」(特開2014−162880号公報)などが挙げられるが、なかでも、マトリックス成分となる樹脂成分との親和性が良好な、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(共)重合体を含む分散剤が好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(共)重合体:
ここで、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとは、メタアクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと、アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとを統括した言葉である。これらは、常法に従って製造される。即ち、一例を挙げれば、2−ブロモエチルホスホリルジクロリドと2−ヒドロキシエチルホスホリルジクロリドと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとを反応させて2−メタクリロイルオキシエチル−2′−ブロモエチルリン酸を得、更にこれをトリメチルアミンとメタノール溶液中で反応させて得ることができる。
かかる(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下「MPC」)を用いて重合体(ホモポリマー)を作成する方法としては、通常の重合方法に従えば良く、例えば、これらのモノマーを溶媒中で重合開始剤の存在下、反応させて得られる。ここで使用される溶媒としては、MPCが溶解するものであれば良く、具体的には水、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、クロロホルムまたはこれらの混合溶媒等が例示される。また、重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤ならば何れを用いても良く、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、3−カルボキシプロピオニトリル、アゾビスマレノニトリル等の脂肪酸アゾ化合物や過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム等の有機過酸化物を挙げることができる。
共重合体(コポリマー)を作成する場合には、これらのモノマーに加えて、更に、任意のモノマーを加え、同様に重合することができる。該任意のモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタアクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、メタアクリル酸ラウリル、アクリル酸セチル、メタアクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、メタアクリル酸ステアリル、アクリル酸イソステアリル、メタアクリル酸イソステアリル、アクリル酸オレイル、メタアクリル酸オレイルなどの(メタ)アクリル酸アルキル、アクリル酸、メタアクリル酸などの(メタ)アクリル酸或いはそれらの塩、ポリオキシエチレンアクリル酸、ポリオキシエチレンメタアクリル酸、ポリオキシプロピレンアクリル酸、ポリオキシプロピレンメタアクリル酸等のポリオキシアルキレン変性(メタ)アクリル酸等が好ましく例示できる。又、共重合の方法は、通常知られているものであれば、特段の限定はなく、ランダム共重合、ブロック共重合などが好ましく例示できる。
このようなポリマー或いはコポリマーには既に市販されているものがあり、かかる市販品を購入して利用することもできる。この様な市販品としては、例えば、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンである、「リピジュアHM」(日本油脂株式会社製)、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチルコポリマーである、「リピジュアPMB」(日本油脂株式会社製)、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリルコポリマーである、「リピジュアNR」(日本油脂株式会社製)等が好ましく例示できる。当該(共)重合体からなる分散剤は、セルロースナノファイバーと同様に生体適合性を有し、本発明による3Dプリンタ用材料からなる三次元造形物を、医療あるいは食品用途に好適に使用できる。
なお、(B)分散剤としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(共)重合体のほか、上記のように、リン酸またはポリリン酸、リン酸またはポリリン酸の塩、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリル酸の塩、ポリアクリル酸共重合体の塩などの陰イオン性分散剤など、常用される他の分散剤を配合してもよい。
また、本発明の(A)〜(B)成分からなるセルロースナノファイバー分散体には、リン酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸などの酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリを少量加えてもよい。
<分散媒>
本発明では、(A)セルロースナノファイバーと(B)分散剤とから、まず分散体(エマルジョンまたはスラリー)を調製する。この際には、分散媒が用いられる。
セルロースナノファイバー分散体の分散媒としては、水、低級アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール)、グリセリン、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトアミドなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。好ましい分散媒は、水、含水溶媒が挙げられ、水が特に好ましい。
<分散体の組成>
本発明の分散体において、(A)セルロースナノファイバーは好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5.0重量%、より好ましくは1.0〜3.0重量%含まれ、(B)分散剤は、セルロースナノファイバー(固形分重量)に対して好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは1〜20重量%、より好ましくは5〜20重量%含まれる。セルロースナノファイバーの分散体の分散媒の含有量は、好ましくは50〜99.9重量%、さらに好ましくは60〜99.5重量%、より好ましくは70〜99重量%である。
なお、本発明のセルロースナノファイバー分散体は、(A)セルロースナノファイバー1重量部に対し、(B)分散剤を好ましくは0.01〜0.4重量部、さらに好ましくは0.02〜0.3重量部、より好ましくは0.03〜0.25重量部、最も好ましくは0.05〜0.2重量部程度である。分散剤は多すぎても少なすぎてもセルロースナノファイバーの沈降を生じやすくなる。
<(A)セルロースナノファイバー>
本発明に用いられる(A)セルロースナノファイバーは、繊維径が100nm以下、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは60nm以下、特に40nm以下である。本発明のセルロースナノファイバーは、繊維径が非常に小さく、解繊が不十分なセルロースは実質的に存在せず、水に分散させた場合に透明な溶液に近い外観を有し、水の中にナノファイバーが分散していることは肉眼的には認められず、透明な分散液(低濃度の場合)または透明ゲルもしくは不透明ゲル(高濃度の場合)を得ることができる。本発明の「分散体」は、水分散液、水分散ゲル、水分散ペーストなどの種々の形態が含まれる。
伸びきり鎖結晶からなるセルロースナノファイバーの弾性率、強度はそれぞれ140GPaおよび3GPaに達し、代表的な高強度繊維、アラミド繊維に等しく、ガラス繊維よりも高弾性であることが知られている。しかも線熱膨張係数は1.0×10−7/℃と石英ガラスに匹敵する低さである。本発明のセルロースナノファイバーの水分散液は、ナノファイバーの分散性に優れているのでコンポジットの補強繊維としても有用である。
<分散体の製造方法>
本発明の分散体は、セルロース、分散剤、および分散媒を機械的解繊手段に供給して、機械的解繊により、セルロースをナノファイバー化するとともに、分散剤により、安定した分散体として得られる。
機械的解繊手段としては、グラインダー、混練機、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、水中カウンターコリージョン、高速回転分散機、ビーズレス分散機、高速撹拌型のメディアレス分散機などが挙げられるが、好ましくは高速撹拌型のメディアレス分散機が最も好ましい。
メディアレス分散機は、不純物の混入が少なく、純度の高いセルロースナノファイバー分散体が得られる。
高速攪拌型のメディアレス分散機とは、分散メディア(例えば、ビーズ、サンド(砂)、ボール、等)を実質的に用いず、剪断力を利用して分散処理を行う分散機を意味する。
メディアレス分散機としては、特に限定はされないが、例えば、IKA社製 DR−PILOT2000、ULTRA−TURRAXシリーズ、Dispax−Reactorシリーズ;プライミクス株式会社製 T.K.ホモミクサー、T.K.パイプラインホモミクサー;シルバーソン社製 ハイ・シアー・ミキサー;大平洋機工株式会社製 マイルダー、キャビトロン;エムテクニック株式会社製 クレアミックス:みずほ工業株式会社製 ホモミキサー、パイプラインミキサー、寿工業(株)製 K−2等が挙げられる。
これらの中でも、メディアレス分散機としては、ロータとステータとを備える分散機が好ましく、そのような高速攪拌型のメディアレス分散機の例として、寿工業(株)製の分散機が挙げられる。この分散機は、ステータと、前記ステータの内部で回転するロータとを備える。これらのステータとロータの間には、隙間が形成されている。ロータを回転させて、ステータとロータの間に混合液を通過させることで、剪断力を与えることができる。ステータとロータの距離を、剪断部クリアランスとする。
また、分散機は、上記のものに限定されず、例えばステータ及びロータが多段階に設置されている分散機を用いてもよい。
本発明のメディアレス分散機としては、処理を均一に行う観点から、該分散機の中を混合液が循環するインライン循環式のものを用いることが好ましい。
メディアレス分散機における剪断速度は、900,000[1/sec]を超える。剪断速度が900,000[1/sec]以下である場合には、セルロースが解繊されない。
剪断速度は、2,000,000[1/sec]以下が好ましく、1,500,000[1/sec]以下が好ましく、1,200,000[1/sec]以下がより好ましい。
また、メディアレス分散機の剪断部クリアランスは、上記の剪断速度に応じて適宜設定されるが、できるだけ小さなセルロースナノファイバー径を得る観点から、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましい。また、分散機の回転速度を適切な数値に保つ観点から、当該クリアランスは、100μmが以下好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下がより更に好ましい。
さらに、メディアレス分散機の回転周速は、上記剪断速度に応じて適宜設定されるが、できるだけ小さなセルロースナノファイバーを得る観点から、18m/s以上が好ましく、20m/s以上がより好ましく、23m/s以上がより好ましい。また、最適なセルロースナノファイバー径を得る観点から、当該回転周速は、50m/sが以下好ましく、40m/s以下がより好ましく、35m/s以下がより更に好ましい。回転周速は、ロータの最先端部分の周速である。
このように、本発明のセルロースナノファイバーの分散体は、セルロースと分散剤を含む分散体を1回〜複数回、上記のような高速撹拌型のメディアレス分散機を用いて処理することにより製造することができる。
本発明の方法により処理されて得られたセルロースナノファイバーの平均繊維径は10〜100nm程度、好ましくは10〜40nm程度、最も好ましくは15〜25nm程度である。本発明のナノファイバーは、繊維長/繊維幅(アスペクト比)が大きくて分散状態が良好であるため、強度を保ちつつ不織布のようにナノファイバーが絡み合ったフィルム・シート状に成型することが容易であり、各種の材料として好適に使用できる。本発明のセルロースナノファイバーの水分散体をフィルム・シート状にした不織布は、透明性が高い特徴がある。
<(C)樹脂成分>
(C)樹脂成分としては、熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂である。
このうち、熱可塑性樹脂とは、加熱により溶融成形を行う樹脂を言う。その具体例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリケトン樹脂、および環状ポリオレフィン樹脂の群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
なお、本発明の造形材料においては、(A)ナノファイバーとしてセルロースナノファイバーを用いる場合、耐熱性が充分ではない場合があるので、(C)樹脂成分としては、融点の比較的低い、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂のうち、ナイロン6などが特に好適に用いられる。
なお、本発明において、(B)分散剤として、「(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(共)重合体」を用いる場合には、(A)セルロースナノファイバーと(C)樹脂成分との親和性が一段と向上するので、(A)成分と(C)成分の両者が均一に分散した状態の造形材料を得ることができる。
また、(C)樹脂成分のうち、光硬化性樹脂としては、光造形法で使用されるものは何れも使用することができ、例えば、ポリエステルアクリレ−ト、ポリウレタンアクリレ−ト、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂等で、これにアセトフェノン系、ベンゾイル系、ベンジルケタ−ル系或いはケトン系の光開始剤を添加したものである。
<造形材料中の各成分の割合>
本発明の造形材料中の各成分の配合割合は、固形換算で、通常、(A)セルロースナノファイバーが0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、(B)分散剤が0.0005〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%、(C)樹脂成分が70〜99.4995重量%、好ましくは85〜98.999重量%[ただし、(A)+(B)+(C)=100重量%]である。
(A)成分が0.5重量%未満では、得られる造形材料の強度、寸法安定性が低下して、樹脂単体との差別化が困難となり、一方20重量%を超えると溶融粘度が高くなり得られる造形材料の成形性が劣り、またセルロースナノファイバーの分散性が劣り凝集物が多く均一分散しにくくなる。
また、(B)分散剤の使用量が0.0005重量%未満では、(A)セルロースナノファイバーの分散体の分散が悪くなり、樹脂との相溶性が低下することになり、一方10重量%を超えると、樹脂中に分散剤のみが溶解し、機械的特性などの物性が低下する。
さらに、(C)樹脂成分が70重量%未満では成形性が劣り、また樹脂混練工程にて複合材が得られなくなり、一方99.4995重量%を超えると樹脂単体との差別化が困難になる。
<造形材料の調製>
本発明の造形材料は、上記のようにして得られる分散体と(C)樹脂成分を用いて調製される。
この場合、本発明の樹脂組成物の製造方法は、(A)ナノファイバーと(B)分散剤を主成分とする分散体を乾燥して、(C)樹脂成分と混練する。この場合の具体例としては、(A)ナノファイバーと(B)分散剤を主成分とする分散体(エマルジョンまたはスラリー)を、凍結乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥、あるいは噴霧乾燥したのち、(C)樹脂成分と混練することが挙げられる。
この調製方法では、まず、(A)セルロースナノファイバーと(B)分散剤を含む分散体を乾燥する。この乾燥工程は、分散体中の分散媒を除去するための工程である。したがって、分散体中の分散媒の種類に応じて公知の方法を採用することができる。
分散媒の除去手段としては、分散媒の種類に応じて適切なものが選択される。例えば、分散体を室温下で放置するだけの自然乾燥でも良く、あるいは加熱乾燥、真空乾燥(減圧乾燥)、凍結乾燥、噴霧乾燥等の公知の乾燥方法でも良い。噴霧乾燥は、前記分散体をノズルから噴出させて微細な液滴となし、次いで対流空気中で該液滴を加熱乾燥することによりなされる。特に、自然乾燥や加熱乾燥を用いる場合には、前記混合物をキャスト(流延)する等して膜状あるいはシート状に成形してからその成形体を乾燥させることが、乾燥効率の点から好ましい。
乾燥手段としては、特に得られる乾燥品の品質の劣化が少なく、また乾燥体の取扱いが簡便・容易である点から、凍結乾燥が好ましい。
ここで、凍結乾燥とは、上記分散体を凍結し、凍結状態のまま減圧して分散媒を昇華させることによって乾燥する手法である。凍結乾燥における分散体の凍結方法は特に限定されないが、例えば、分散体を冷媒の中に入れて凍結させる方法、分散体を低温雰囲気下に置いて凍結させる方法、分散体を減圧下に置いて凍結させる方法などがある。好ましくは、分散体を冷媒に入れて凍結させる方法である。分散体の凍結温度は、分散体中の分散媒の凝固点以下としなければならず、−50℃以下であることが好ましく、−80℃以下であることがより好ましい。
凍結乾燥において、凍結した分散体中の分散媒を減圧下で昇華させなければならない。減圧時の圧力は、100Pa以下であることが好ましく、10Pa以下であることがより好ましい。圧力が100Paを超えると凍結した分散体中の分散媒が融解してしまう可能性がある。
以上のようにして得られる分散体の固形物(乾燥品)の形態は特に制限されず、例えば、立体状、膜状、シート状、粉末状又は粒状等とすることができる。この固形物の形態は、前述した製造方法において、前記混合物からの分散媒の除去方法を適宜選択することによって調整することができる。例えば、前記分散体をキャスト(流延)して乾燥させることで膜状やシート状のゲル状体を得ることができ、また、前記分散体を噴霧乾燥することで粉末状や粒状のゲル状体を得ることができる。また、前記分散体を任意の形状の型に流し込んで乾燥することで、立体形状の乾燥物を製造することもできる。
次いで、分散体の乾燥品と(C)樹脂成分とを溶融混練する。
この溶融混練は、以上のようにして得られる分散体の乾燥物と(C)樹脂成分とを溶融混練しながら複合化する工程である。
溶融混練装置としては、単軸押出機、二軸押出機、二軸混練機、ニーダー、バンバリーミキサー、往復式混練機(BUSS KNEADER)、ロール混練機等、公知の混練装置を使用する事ができる。これらのうち、生産性や作業の簡便性を考慮すると、単軸押出機、二軸押出機、二軸混練機、バンバリーミキサー、往復式混練機が好ましい。溶融混練装置の選定にあたって、混練機内部の密閉性が高い装置を選んだ方が、より効果的に高い分散性を有し、かつ、粗大凝集物が実質的に存在しない樹脂組成物を製造することができる。
具体的な溶融混練方法としては、例えば以下のような方法を挙げることができる。すなわち、あらかじめ、分散体の乾燥品と(C)樹脂成分とを、ターブラーミキサーやスーパーミキサー、スーパーフローター、ヘンシェルミキサー等で均一に混合させ、それらを単軸押出機または二軸押出機に投入し、溶融混練を行う方法、あるいは、上記乾燥品と(C)樹脂成分とを単軸押出機または二軸押出機で溶融混練する方法などを例示できる。なお、溶融混練工程において発生する水分その他の揮発分を除去するため、ベントの開放や、脱気設備を用いてもよい。
本発明の造形材料の調製における、溶融混練時の温度は、(C)樹脂成分の溶融温度に応じて適宜設定されるが、例えば、70〜220℃の範囲内とされる。特に、(C)樹脂成分としてとしてオレフィン系樹脂を用いる場合、混練温度としては、70℃〜220℃の範囲、好ましくは80℃〜220℃の範囲、さらに好ましくは85℃〜220℃、より好適には90℃〜200℃の範囲がよい。この範囲を下回る場合、混練すべき樹脂が溶融せず、実質的に製造する事が不可能である。この範囲を上回る場合、製造に供した(A)セルロースナノファイバーが熱によるダメージを受けて分子鎖の断裂、酸化劣化、変性等が発生し、機械物性を低下させるばかりでなく、不快な臭気の発生や変色につながる。
この場合の溶融混練時間は、(A)セルロースナノファイバー、(B)分散剤および(C)樹脂成分との分散性を確保する面から、長い方が好ましいが、生産性との兼ね合いを考えて適宜設定される。例えば、バンバリーミキサーの様なバッチ式の混練機を用いた場合、1〜100分の範囲内であれば、植物繊維の修飾と生産性を両立する事ができるが、生産性を考慮に入れなければ、これ以上の時間であっても製造は可能である。また、例えば、単軸押出機、二軸押出機、往復式混練機(BUSS KNEADER)の様な連続式の混練機を用いた場合、その滞留時間は1〜20分の範囲内であれば、分散性と生産性を両立することができるが、生産性を考慮に入れなければ、これ以上の時間であっても、あるいは混練機のパス回数を増やしても、製造は可能である。
<他の添加剤>
なお、本発明の造形材料中には、その用途に応じて従来公知の各種添加剤を含有しても良く、例えば、加水分解防止剤、着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン等)、酸化防止剤、無機フィラー、有機フィラー等をあげることができる。
<造形材料の製造方法>
本発明の造形材料の形態は3Dプリンタに装着できるものであれば限定しないが、例えば熱溶解積層方式の3Dプリンタに用いる場合には、連続線状に成形されたものとする。この場合、直径1.75mm〜3.00mmの線状体、いわゆるモノフィラメント糸の形態を呈する成形体がよい。連続線状であるモノフィラメント糸の形態を呈する成形体はボビンに巻いたものとする、あるいは、かせ状にすることにより、コンパクトな形態にできるため好ましい。
このような本発明における造形材料は、以下の方法により得ることができる。すなわち、上記のようにして調製された造形材料(樹脂組成物)を、溶融押出機から吐出し、空気中または水などの液体浴中で冷却・固化させ、連続線状のモノフィラメント糸の形態とすることで製造できる。
なお、本発明の造形材料を製造するには、(A)〜(C)成分を主成分とする樹脂組成物をそのまま溶融押し出ししてもよいが、あらかじめ高濃度の(A)セルロースナノファイバーと(B)分散剤を(C)樹脂成分に練り込んだマスターバッチを作成し、このマスターバッチとバージンのポリ乳酸などの(C)樹脂成分を所定の比率で混ぜ合わせ溶融押出することにより、よりセルロースナノファイバーを(C)樹脂成分中により均一に分散することができる。
溶融押出する際の溶融押出機におけるポリ乳酸などの(C)樹脂成分の溶融温度は、(C)樹脂成分の融点(一般的にはポリ乳酸場合、融点は150℃〜180℃)よりも20℃以上高い温度に設定することで、(C)樹脂成分を溶融し、押出する。押出されて、連続線状のモノフィラメント糸状になった(C)樹脂成分(およびナノファイバー)を液体浴中で冷却・固化する。冷却・固化温度は(C)樹脂成分のガラス転移温度(一般的にはポリ乳酸のガラス転移温度は55〜60℃)よりも−50〜+20℃の設定温度の範囲内で冷却・固化するとよい。
冷却・固化に使用する液体としては、水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、シリコーンなどが使用できるが、液体浴を高温にする必要がないため、作業性のよい、環境汚染を起こしにくい水が最も好ましい。水が最も好ましい。
冷却・固化されたモノフィラメント糸は乾燥後、そのまま巻き取ってもよい。あるいは、必要に応じて、温度20〜80℃の雰囲気中で延伸してもよい。延伸する場合は、一段または二段以上の多段で行うことができる。
本発明の造形材料は、3Dプリンタの造形材料として適用し、コンピュータ上の設計図等に基づき所望の造形物を得ることができる。
なお、本発明の造形材料は、主として熱溶解積層方式の3Dプリンタの場合について説明したが、そのほかマテリアルジェッティング、バインダージェッティング、粉末焼結積層造形、光造形などにも応用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例1〜3、比較例1〜2
メディアレス分散機として、寿工業社製のK―2を用い、分散媒としての精製水、セルロースナノファイバーの原料であるセルロースおよび分散剤を分散したスラリー状物を当該メディアレス分散機に投入して回転周速30m/sで循環させ、せん断によりセルロースの分散を促進させて、分散が安定したセルロースナノファイバーを得た。
すなわち、上記の装置を用いて、セルロースナノファイバー原料(BiNFi―s、スギノマシン製)を0.1重量%、分散剤としてメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(共)重合体0.04重量%を含む水分散液について5回メディアレス分散処理を繰り返し、セルロースナノファイバー分散体を調製し、その後、凍結乾燥用の容器に移して―80℃にて凍結した後、凍結乾燥機(東京理化機械(株)製、FD−1)用いて凍結乾燥した。凍結乾燥後に粉砕機を用いて粉末状にした。
上記にて得られた粉末をポリ乳酸樹脂(Nature Works製、Ingeo Biopolymer 3001D)に対して1、5、10重量%になるように配合し、2軸の混練押出装置((株)プラスチック工学研究所社製「BT―30」、L/D=30)にてセルロースナノファイバーと樹脂を複合化し、ストランドダイを用いてφ1.75mmのストランドを引き取り、3Dプリンタ用モノフィラメントとした。また、このフィラメントをストランドカッターにより長さ2mmでペレット化して、力学特性評価用テストピースを射出成形した。
この射出成形テストピースを用いて、島津オートグラフ(AG−X PLUS)にて力学特性(引張強度、引張破断伸び、引張弾性率)を測定した。さらにテストピース成形品の長さ方向寸法をマイクロメータで測定して金型キャビティ寸法を基準に収縮率を求めた。さらに複合材の流動性を島津フローテスター CFT−5000((株)島津製作所製)を用いて、バレル温度:200℃、測定荷重:700Nにて測定した。
また、CNFによる形状安定性の効果として、実際に熱溶解積層方式3Dプリンタ(Leapfrog社製、Creatr dual)を用いて作製したM16六角ボルト(図1)のねじ部のねじ山のトップ部の基準線からのズレの大きさを万能投影機(V−12、(株)ニコン製)に測定した。
結果を表1に示す。
実施例1〜3および比較例1〜2の比較から、セルロースナノファイバーを添加すると、添加量に応じて流動性が低下し、引張強度、引張弾性率が向上しているが、反面、引張伸びが低下するとともに射出成形品の収縮率が低減している。さらに、ねじ山のズレはセルロースナノファイバー添加量の増加とともに小さくなっている。これは射出成形品の収縮率が低下したことと、材料の流動性が低くなっていることの相乗効果であると考えられる。
このように、セルロースナノファイバーを3Dプリンタ用造形材料に添加することで、強度・弾性率が高くなり、成形品としての形状精度が向上している。さらに、上記実施例で得られた3Dプリンタ用造形材料を用いて、3Dプリンタ(Leapfrog社製、Creatr dual)を適用した三次元造形物について外観観察を行った。その結果、設計上の形状を造形物としてより正確に再現できており、表面平滑性、透明性や染色性に優れた造形物であった。

本発明の造形材料は、熱溶解積層方式などの3Dプリンタを用いて、高機能性を備えた造形物を作製するのに好適である。


Claims (9)

  1. 3Dプリンタ用造形材料であって、(A)ナノファイバー、(B)分散剤、および(C)熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂からなる樹脂成分を主成分とする造形材料。
  2. (A)ナノファイバーが、セルロースナノファイバーである、請求項1記載の造形材料。
  3. (A)セルロースナノファイバーの平均繊維径が10〜100nmである請求項2記載の造形材料。
  4. (B)分散剤が(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(共)重合体を主成分とする、請求項1〜3いずれかに記載の造形材料。
  5. (B)分散剤を構成する(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(共)重合体が、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリメタクリル酸ブチル・メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びポリメタクリル酸ステアリル・メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの群から選ばれた少なくとも1種である請求項4記載の造形材料。
  6. 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリケトン樹脂、および環状ポリオレフィン樹脂の群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1〜5いずれかに記載の造形材料。
  7. 固形換算で、 固形換算で、(A)ナノファイバーが0.5〜20重量%、(B)分散剤が0.0005〜10重量%、(C)樹脂成分が70〜99.4995重量%[ただし、(A)+(B)+(C)=100重量%]である、請求項1〜6いずれかに記載の造形材料。
  8. 請求項1〜7いずれかに記載の造形材料を溶融押し出ししたのち、液体浴中で冷却・固化し、モノフィラメント糸となすことを特徴とする、3Dプリンタ用造形材料の製造方法。
  9. 請求項1〜7いずれかに記載の造形材料を用いて、3Dプリンタを適用して得られる三次元造形物。


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