以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の点灯装置1aの回路図、図2は、点灯装置1aが備える制御回路5の詳細な回路図である。従来の技術との差異は、制御回路5内に補正回路9を追加している点等である。
点灯装置1aは、負荷となる固体発光素子の一例であるLED4を点灯させる装置であって、直流電源となる平滑コンデンサC1と、バックコンバータ3と、バックコンバータ3を制御する制御回路5と、調光制御回路11とを備える。バックコンバータ3は、直流電源となる平滑コンデンサC1からの電流を受けてLED4に所定の電流を提供する定電流出力のコンバータである。つまり、この点灯装置1aは、直流電源となる平滑コンデンサC1と、平滑コンデンサC1の直流電圧を降圧して、負荷となる固体発光素子(ここでは、LED4)に直流電流を供給するバックコンバータ3と、その制御回路5と、調光制御回路11を備えている。
直流電源となる平滑コンデンサC1は、例えば商用交流電源を全波整流器(図示せず)により全波整流した直流電圧を充電されている。全波整流器の交流入力側には高周波成分を除去するためのフィルタ回路を設けることが一般的である。また、全波整流器の直流出力側と平滑コンデンサC1の間に、昇圧チョッパ回路等を用いた力率改善回路を介在させてもよい。
調光制御回路11は、電流指令値Iref_iを制御回路5(厳密には、制御回路5の電流検出回路6)へ送信する回路である。そのために、調光制御回路11は、例えば外部からの調光信号(図示せず)を受信し、所望の光出力を得ることができる点灯装置1aの出力電流Ioutの目標を設定し、その出力電流Ioutを得るための電流指令値Iref_iを算出する。なお、電流指令値Iref_iは、例えば、指令する出力電流の大きさに対応する電圧である。
バックコンバータ3は、主要な構成要素として、スイッチング素子Q1と、インダクタL1と、ダイオードD1とを有する。インダクタL1は、スイッチング素子Q1、及び、直流電流により点灯するLED4に対して直列に接続されここには、スイッチング素子Q1のオン時に平滑コンデンサC1からの電流が流れる。スイッチング素子Q1は、インダクタL1とLED4の直列回路を直流電源となる平滑コンデンサC1の両端間に接続するための素子であり、例えば、トランジスタ等である。ダイオードD1は、インダクタL1から放出される電流をLED4に供給する回生ダイオードである。つまり、ダイオードD1は、インダクタL1とLED4との直列回路と並列に接続されて、スイッチング素子Q1のオフ時にインダクタL1の蓄積エネルギーをLED4に放出する。また、LED4と並列に出力コンデンサC2が接続されている。この出力コンデンサC2は、スイッチング素子Q1のオンオフによる脈動成分を平滑化してLED4に平滑化された直流電流が流れるようにその容量が設定されている。なお、LED4は、単一のLEDチップであってもよいし、複数個のLEDを直列または並列または直並列接続したLEDモジュールであってもよい。
図1に示される抵抗R12及びR13は、LED4とインダクタL1との接続点における電圧Vout_Kを検出するための分圧用の抵抗であり、後述するように、電圧検出回路8に属する。なお、電圧Vout_Kは、LED4のカソードにおける電圧でもあるので、以下、電圧Vout_Kをカソード電圧Vout_Kともいう。同様に、抵抗R10及びR11も、平滑コンデンサC1の両端での電圧Vc1を検出するための分圧用の抵抗であり、後述するように、電圧検出回路8に属する。また、抵抗R1は、スイッチング素子Q1に流れる電流を検出するための抵抗であり、後述するように、電流検出回路6に属する。
制御回路5は、スイッチング素子Q1を高周波でオンオフする信号を生成し、負荷(LED4)に適正な電流が流れるようインダクタL1に流れる電流IL1を制御する。制御回路5は電流検出回路6とZCD検出回路7と電圧検出回路8と補正回路9と駆動回路10とを備える。
図2は本実施の形態に用いる制御回路5の内部構成を簡略化して示している。
電流検出回路6は、電流検出用の抵抗R1とスイッチング素子Q1との接続点における電圧を監視することによりスイッチング素子Q1に流れる電流を検出値Isenとして検出する。具体的には、図2に示されるように、電流検出回路6は、コンパレータ60、抵抗61、コンデンサ62を有する。電流検出回路6では、検出値Isenを示す信号は、抵抗61及びコンデンサ62からなるローパスフィルタで平滑化され、コンパレータ60に入力される。そして、コンパレータ60で、検出値Isenと、補正回路9からの電流指令値Iref_oとが比較され、検出値Isenが電流指令値Iref_oより大きいときを示す信号が駆動回路10から出力される。
ZCD検出回路7は、インダクタL1が所定のエネルギーを放出した時点を検出する回路の一例である。本実施の形態では、ZCD検出回路7は、インダクタL1に結合された2次巻線n2の電圧が閾値電圧Vref以下となることを検出し、これにより、電流IL1が略ゼロとなったことを検出する。具体的には、図2に示されるように、ZCD検出回路7は、コンパレータ70、及び、閾値電圧Vrefを発生する基準電圧発生器71等を有する。ZCD検出回路7は、コンパレータ70で、インダクタL1に結合された2次巻線n2の電圧と、基準電圧発生器71で発生された閾値電圧Vrefとを比較し、2次巻線n2の電圧が閾値電圧Vrefよりも小さいときを示す信号を駆動回路10に出力する。
電圧検出回路8は、LED4の両端の電圧(順方向電圧)又はインダクタL1の両端の電圧を検出する回路の一例である。本実施の形態では、電圧検出回路8は、負荷であるLED4の両端電圧Voutを検出する回路であり、図9に示されるように、電圧Vc1とカソード出力電圧Vout_Kとの差を検出するための差動増幅器80を有する。電圧検出回路8では、差動増幅器80は、LED4のアノード側の電圧VC1(が抵抗R10と抵抗R11とで分圧された電圧から、カソード側1の電圧Vout_Kが抵抗R12と抵抗R13とで分圧された電圧を引き算して増幅する。これにより、差動増幅器80は、LED4への出力電圧Vout(Vout=Vc1−Vout_K)を算出し、算出した出力電圧Voutを補正回路9に出力する。
補正回路9は、電圧検出回路8により検出される電圧(ここでは、出力電圧Vout)に応じて、調光制御回路11からの電流指令値Iref_iに補正を加え、補正後の電流指令値Iref_oとして、電流検出回路6に出力する。より詳しくは、補正回路9は、電圧検出回路8により検出される電圧(ここでは、出力電圧Vout)とインダクタL1に流れる電流のピーク値との関係において、少なくとも2つの異なる電圧(出力電圧Vout)における電流のピーク値が略等しくなるように、電流指令値Iref_iに補正を加える。そのために、図2に示されるように、補正回路9は、コンパレータ90、基準電圧(第1の閾値)Vth1を発生する基準電圧発生器91、トランジスタ92等を有する。コンパレータ90で、電圧検出回路8からの出力電圧Voutと基準電圧発生器91からの第1の閾値Vth1とが比較され、その比較結果に応じて、トランジスタ92がオン又はオフする。その比較結果に応じて、調光制御回路11からの電流指令値Iref_iが抵抗で分圧され、又は、分圧されることなくそのまま、電流指令値Iref_oとして、出力される。具体的には、電圧検出回路8からの出力電圧Voutが第1の閾値Vth1以下である場合に、トランジスタ92がオンし、調光制御回路11からの電流指令値Iref_iが、より小さな値となって、電流指令値Iref_oとして出力される。
駆動回路10は、スイッチング素子Q1をオンオフさせる制御信号を生成し、生成した制御信号をスイッチング素子Q1のゲートに出力する。その制御信号は、電流検出回路6により検出される電流値(検出値Isen)が所定の電流指令値(電流指令値Iref_o)に達したことが検出されるとスイッチング素子Q1をオフさせる信号である。さらに、その制御信号は、インダクタL1が所定のエネルギーを放出したことが検出されると(本実施の形態では、ZCD検出回路7により電流IL1が略ゼロになったことが検出されると)、スイッチング素子Q1をオンさせる信号である。つまり、駆動回路10は、電流検出回路6とZCD検出回路7の検出結果を受けてスイッチング素子Q1のゲート信号を生成しスイッチング素子Q1を駆動させる回路である。なお、抵抗R1は電流検出用の小抵抗であるので、ゲート信号には殆ど影響しない。
具体的には、図2に示されるように、駆動回路10は、フリップフロップ100及びバッファアンプ101等を有する。フリップフロップ100は、電流検出回路6により検出される電流(検出値Isen)が所定の電流指令値Iref_oに達した時点でリセットされる。そして、インダクタL1が所定のエネルギーを放出した時点(ZCD検出回路7により電流IL1が略ゼロになったことが検出された時点)でセットされる。バッファアンプ101は、フリップフロップ100からの出力信号を制御信号としてスイッチング素子Q1のゲートに出力する。
次に、以上のように構成された本実施の形態における点灯装置1aの動作について、説明する。
まずは、本実施の形態においてのバックコンバータ3の基本動作となる、ピーク電流制御と電流臨界モード(BCM)制御について説明する。これらは、特許文献1で示されている動作と同じである。ピーク電流制御は、インダクタL1の電流IL1が所定値に達するとスイッチング素子Q1をオフする制御である。BCM制御は、電流IL1が略ゼロとなった時にスイッチング素子Q1をオンする制御である。
スイッチング素子Q1がオンの状態では、平滑コンデンサC1の正極から出力コンデンサC2、インダクタL1、スイッチング素子Q1、抵抗R1を介して平滑コンデンサC1の負極へ電流が流れる。このとき、インダクタL1に流れるチョッパ電流iは、インダクタL1が磁気飽和しない限り略直線的に上昇する電流となる。インダクタL1の両端電圧は平滑コンデンサC1の両端での電圧Vc1と出力コンデンサC2の両端での電圧Vc2の差となるため、インダクタL1の電流iは略一定の傾きdi/dt(≒(Vc1−Vc2)/L1)となる。よって、出力コンデンサC2の両端での電圧Vc2、つまり、出力電圧が大きいときには、インダクタL1の電流iは緩慢に増加し、小さいときには、急速に増加する。
スイッチング素子Q1がオンの状態でインダクタL1に流れる電流値は、スイッチング素子Q1に直列に接続された抵抗R1に発生する電圧により電流検出回路6にて検出される。電流検出回路6は、検出値Isenと電流指令値Iref_oとを比較するコンパレータ60等を備えている。電流指令値Iref_oは、補正回路9によって、調光制御回路11からの電流指令値Iref_iが補正された値である。電流指令値Iref_iは、調光制御回路11により、検出抵抗R1による電流検出Isenの検出比(実際の電流値と検出電圧の比)に応じて、電流ピーク目標値Ipeak_Tが、出力電流の目標値Iout_Tの2倍の値となるような値に設定されている。例えば、R1=0.1Ω、Iout_T=1Aとする時、Ipeak_T=2A、Iref=0.2Vと設定されている。
よって、インダクタ電流が電流指令値Irefによって定まる電流ピーク目標値ipeak_Tに達すると、電流検出回路6の検出値Isenが電流指令値Iref_oを超えてコンパレータ60の出力がHighレベルとなる。その結果、駆動回路10のフリップフロップ(FF)100のリセット入力端子Rにリセット信号が入力される。これによりフリップフロップ100のQ出力はLowレベルとなる。よって、スイッチング素子Q1のゲート・ソース間電荷が引き抜かれて、スイッチング素子Q1は速やかにオフとなる。
スイッチング素子Q1がオフの状態では、インダクタL1に蓄積されていた電磁エネルギーがダイオードD1を介して出力コンデンサC2に放出される。このとき、インダクタL1の両端電圧は出力コンデンサC2の電圧Vc2にクランプされるので、インダクタL1の電流iは略一定の傾きdi/dt(≒−Vc2/L1)で減少していく。
インダクタL1に電流iが流れている期間中は、インダクタL1の2次巻線n2にはインダクタL1の電流iの傾きに応じた電圧が発生している。この電圧は、インダクタL1の電流iが流れ終わると、消失する。そのタイミングをZCD検出回路7で検出する。
ZCD検出回路7は、ゼロクロス検出用のコンパレータ70を備えている。コンパレータ70の−入力端子にはインダクタL1の2次巻線n2に発生する電圧が接続され、コンパレータ70の+入力端子には、基準電圧発生器71で発生されたゼロクロス検出用の基準電圧Vrefが印加されている。2次巻線n2の電圧が消失すると、コンパレータ70の出力がHighレベルとなり、駆動回路10のフリップフロップ100のセット入力端子Sにセットパルスが供給される。その結果、フリップフロップ100のQ出力はHighレベルとなり、スイッチング素子Q1のゲート信号が印加されスイッチング素子Q1はオンとなる。
このような動作を繰り返すことで、インダクタ電流は、ピーク値が一定であり、かつ、略ゼロとなる点で折り返す電流波形となる。このとき、電圧Voutは、出力コンデンサC2の電圧Vc2と等しく、出力電流Ioutは、インダクタ電流の平均値、つまり、ピーク電流値の約半分の電流値となる。
また、出力電圧Voutが上昇すると自動的にスイッチング素子Q1のオン時間が長く、オフ時間が短くなり、出力電圧Voutが低下すると、自動的にスイッチング素子Q1のオン時間が短く、オフ時間が長くなる。したがって、負荷(LED4)の電圧特性に拠らず、定電流特性を維持できる仕組みとなっている。
ところで、背景技術においても述べたが、バックコンバータ3を構成する部品が持つ遅延時間が存在することにより、スイッチングオフを行うタイミングには電流ピーク検出タイミングから遅延時間td0が発生する。
図3に示すように、このような遅延時間tdoの存在により、実際のインダクタL1に流れる電流IL1のピーク値Ipeak_Rは、電流ピーク目標値Ipeak_T(電流指令値)よりも大きい値となる。図3は、従来の点灯装置における実際のインダクタL1に流れる電流(インダクタ電流IL1)の電流ピーク値Ipeak_Rのばらつきを示す図である。図3の左図は、様々な電流ピーク値Ipeak_Rの例を示しており、図3の右図は、電流ピーク値Ipeak_R付近を拡大したインダクタ電流IL1の波形を示している。また、次に式から分かるように、バックコンバータ3の出力電圧Voutが小さいほど、実際のピーク電流値Ipeak_Rと電流ピーク目標値Ipeak_Tとの差Δipeak=Ipeak_R−Ipeak_Tは大きくなる。
Δipeak=Ipeak_R−Ipeak_T=di/dt×td0=(Vc1−Vout)/L×td0
これは、遅延時間td0が一定であっても、スイッチング素子Q1がオンしている期間でのインダクタL1の電流の傾きはdi/dt≒(Vc1−Vout)/L1となり、出力電圧Voutによって傾きdi/dtが異なるからである。これにより、単に電流臨界モード(BCM)&ピーク電流制御にてバックコンバータ3を動作させると、出力電圧−電流特性は、図4に示す従来のような、完全な定電流性とならず、出力電圧Voutが小さくなるにつれ出力電流が大きくなる特性となる。図4は、従来の点灯装置における出力電圧−電流特性を示す図である。ここに示される出力電圧−電流特性は、次の式に示される通りである。
Iout=Ipeak_R/2=(Δipeak+Ipeak_T)/2=(Vc1−Vout)/L×td0/2+Ipeak_T/2
実際のこのような特性の点灯装置において、接続される負荷(LED4)において順方向電圧(つまり、出力電圧Vout)に個体差がある場合、接続される個体により出力電流にばらつきが出るため、光出力にばらつきが出てしまう。電流定格が同じで電圧定格の異なる異種の負荷を接続した場合、または、同じ負荷を直列に複数個並べて回路に接続した場合、出力電圧の差により出力電流が定格範囲内から外れてしまうことで、所望の光出力が得られないことが考えられる。
例えば、図4の出力特性を持つ点灯装置に、順方向電圧(つまり、電圧Vout)が定格100VのLEDモジュールを複数直列接続した際、1直列(Vout=100V)では出力電流1.10Aに対し、2直列(Vout=200V)の負荷では1.07Aとなり、出力電流に30mAのばらつきが発生してしまう。これでは、同じLEDモジュールにも関わらず、直列接続数によって1つあたりが出力する光出力が変化してしまう。なお、上記出力電流の算出条件は、Vc1=420V、インダクタL=800uH、Td0=500nS、Ipeak_T=2Aである。
そこで、本実施の形態では、電圧検出回路8により検出される出力電圧Voutが第1の閾値以下である場合に、調光制御回路11から与えられた電流指令値Iref_iを補正する補正回路9を制御回路5内に備えている。これにより、インダクタ電流IL1の実際のピーク電流値Ipeak_Rと電流ピーク目標値Ipeak_Tとの差Δipeakを、出力電圧Voutに拠らず一定値とする。本実施の形態では、電圧検出回路8により検出される出力電圧VoutとインダクタL1に流れる電流のピーク値との関係において、少なくとも2つの異なる出力電圧Voutにおいて電流のピーク値が略等しくなるように、制御される。
補正回路9には、入力として調光制御回路11からの電流指令値Iref_iが与えられ、出力として電流指令値Iref_oが出力される。より詳しくは、補正回路9は、電圧検出回路8で検出された出力電圧Voutが第1の閾値Vth1よりも大きい場合は、電流指令値Iref_oとして、調光制御回路11からの電流指令値Iref_iをそのまま出力する。一方、出力電圧Voutが第1の閾値Vth1以下である場合は、調光制御回路11からの電流指令値Iref_iを減衰させ(分圧し)、Iref_o<Iref_iとなる電流指令値Iref_oを出力する。
この動作により、実際のピーク電流値Ipeak_Rの出力電圧Voutによる差異が低減される。
図5に、Vc1=420V、Td0=500nS、インダクタL=800uH、Ipeak_T=2Aとした時の、出力電圧Voutと電流指令値Iref(Iref_i、Iref_o)との関係の一例を示す。電流指令値Iref_i=2に対し、補正回路9から出力される電流指令値Iref_oは、Vout<150VにおいてIref_o=0.194とするようステップ状に電流指令値Iref_iが補正される。
以上のような電流指令値の補正により、図6に示すように、実際のピーク電流値Ipeak_Rの出力電圧Voutによる違いを小さくすることができる。図6は、本実施の形態における点灯装置1aの出力電圧−電流特性を示す図である。この図6と従来の点灯装置における図4とを比較して分かるように、本実施の形態における点灯装置1aにより、出力電圧−電流特性を、電圧Voutによる変動幅の小さい特性にすることができる。
図6の出力電圧−電流特性を持つ点灯装置において、順方向電圧Voutが定格100VのLEDモジュールを接続する場合、モジュール1直列(Vout=100V)では出力電流1.070Aに対し、モジュール2直列(Vout=200V)の負荷でも1.070Aとなり、出力電流差が発生しない。なお、このときの算出条件は、Vc1=420V、インダクタL=800uH、 Td0=500nS、Ipeak_T=2Aである。
このように、本実施の形態では、調光制御回路11からの電流指令値Iref_iを補正することで、LED4として直列に接続するLEDの個数が変更された場合においても、出力電流をほぼ同一にする(出力電流の出力電圧依存性を抑制する)ことができる。
なお、本実施の形態における補正回路9を有効に機能させるために、第1の閾値Vth1については、点灯装置1aに接続されるLED4のうち、順方向電圧が異なる2種類のLED4の順方向電圧Vr1とVr2との間となるように設定する。たとえば、Vr1<Vth1<Vr2が成立するように、Vth1を設定する。より好ましくは、補正回路9のコンパレータ90が切り替る出力電圧付近においては出力電流が急に切り替るため、第1の閾値Vth1は、通常採ることのない出力電圧に設定するのがよい。例えば、接続が想定される負荷(LED4)の出力電圧の中間値に設定するのがよい。上記算出例の場合、出力電圧は100Vもしくは200Vを想定したため、その中間値である150Vを第1の閾値Vth1として選択した。なお、第1の閾値Vth1に所定のヒステリシス値を持たせてもよい。
なお、本実施の形態を実現できるバックコンバータ3は、図1に示すような回路だけでなく、スイッチング素子Q1がオンであるときに、インダクタを流れる電流の傾きが出力電圧に応じて変化するコンバータであればよい。つまり、本発明におけるバックコンバータは、平滑コンデンサC1の正極から出力コンデンサC2、インダクタL1を介して平滑コンデンサC1の負極へ電流が流れるタイプのコンバータであればよい。ただし、採用する回路構成に合わせて一部検出回路の論理の正負など詳細部において変更が必要になる場合がある。
以上、実施の形態1では、電圧検出回路8により検出される出力電圧が第1の閾値以下である場合に、補正回路9により、調光制御回路11からの電流指令値Iref_iが補正される。これにより、出力電圧Voutによらず出力電流Ioutを一定とする(出力電流Ioutの出力電圧Vout依存性が抑制された)点灯装置1aを実現できる。よって、電圧定格が違う負荷(LED4)が接続された場合や、負荷としてのLEDの直列接続の個数を変更した場合においても、所望の光出力を得ることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における点灯装置について説明する。
実施の形態2の点灯装置は、補正回路が出力電圧Voutと電流指令値Iref_oとの関係を切り替える切替点(つまり、閾値)を複数持つ点で実施の形態1と異なる。以下、実施の形態1と異なる構成(補正回路)だけについて説明する。
図7は、本実施の形態における補正回路19の詳細な回路図である。本図に示されるように、補正回路19は、2つのコンパレータ190及び192、2つの基準電圧発生器191及び193、2つのトランジスタ194及び195、抵抗196〜198等を有する。この補正回路19は、実施の形態1における補正回路9の2セット(ただし、基準電圧が異なる)に相当する。2つの基準電圧発生器191及び193で発生される基準電圧(第1の閾値Vth1、第2の閾値Vth2)は、Vth2<Vth1満たすように設定されている。
このような構成を備える補正回路19では、電圧検出回路8からの出力電圧Voutは、コンパレータ190及び192で、第2の閾値Vth2及び第1の閾値Vth1と比較される。その比較結果に応じて、トランジスタ194及び195がオン又はオフし、電流指令値Iref_iが第1の分圧比で分圧される、又は、第2の分圧比で分圧される、又は、分圧されることなくそのまま、電流指令値Iref_oとして、出力される。
具体的には、電圧検出回路8からの出力電圧Voutが第1の閾値Vth1より大きい場合には(Vth1<Vout)、コンパレータ192及び190からLowレベル信号が出力され、2つのトランジスタ194及び195がオフとなる。その結果、調光制御回路11からの電流指令値Iref_iは、分圧されることなくそのまま、電流指令値Iref_oとして、出力される。
また、電圧検出回路8からの出力電圧Voutが第2の閾値Vth2より大きく、かつ第1の閾値Vth1以下である場合には(Vth2<Vout≦Vth1)、コンパレータ192からHighレベル信号、コンパレータ190からLowレベル信号が出力される。その結果、2つのトランジスタ194及び195のうちトランジスタ194だけがオンし、調光制御回路11からの電流指令値Iref_iは、抵抗196と抵抗197とで定まる第1の分圧比で分圧され、電流指令値Iref_oとして、出力される。
また、電圧検出回路8からの出力電圧Voutが第2の閾値Vth2以下である場合には(Vout≦Vth2)、コンパレータ192及び190からHighレベル信号が出力され、2つのトランジスタ194及び195がオンする。その結果、調光制御回路11からの電流指令値Iref_iは、抵抗196と、抵抗197及び抵抗198の並列合成抵抗とで定まる第2の分圧比(<第1の分圧比)で分圧され、電流指令値Iref_oとして、出力される。
このような動作により、補正回路19は、図8に示されるように2点のVout(第1の閾値Vth1、第2の閾値Vth2)で電流指令値Iref_oを切り替えることができるため、出力電圧−電流特性は図9に示されるようになる。なお、図8は、本実施の形態における点灯装置の出力電圧Voutと電流指令値Iref(Iref_i、Iref_o)との関係の一例を示す図である。図9は、本実施の形態における点灯装置の出力電圧−電流特性を示す図である。
図9と従来の点灯装置における図4とを比較して分かるように、本実施の形態における点灯装置によれば、出力電圧Voutによる実際のピーク電流値Ipeak_Rの差異をより低減することができる。このように、補正回路19において複数の電圧切替点を持たせることで、より多くの定格電圧の違う負荷(LED4)にも対応可能である(つまり、略等しい出力電流を供給できる)。
例えば、図9に示されるような特性においては、Vout=100V、200V、300Vにおいて、すべてほぼ同じ電流をLED4に出力することが可能である。
なお、本実施の形態における補正回路19を有効に機能させるために、第1の閾値Vth1及び第2の閾値Vth2については、点灯装置に接続されるLED4のうち、順方向電圧が異なる2種類のLED4の順方向電圧Vr1とVr2との間に設定するのが好ましい。たとえば、Vr1<Vth2<Vth1<Vr2と設定するのが好ましい。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における点灯装置について説明する。
実施の形態3の点灯装置は、補正回路が出力電圧Voutに応じて変化するカソード電圧Vout_kを検出し、カソード電圧Vout_kに応じて電流指令値Irefを連続的に補正する点で実施の形態1と異なる。これにより、出力電圧Voutによらず出力電流Ioutを確実に一定とする点灯装置が実現される。そのために、本実施の形態の点灯装置では、実施の形態1の点灯装置1aにおける電圧検出回路8と補正回路9に一部の変更を加えている。以下、実施の形態1と異なる構成(電圧検出回路及び補正回路)だけについて説明する。
図10は、本実施の形態における電圧検出回路28と補正回路29の詳細な回路図である。
電圧検出回路28は、カソード電圧Vout_Kを、抵抗R12と抵抗R13とで分圧し、得られた分圧電圧を補正回路29に出力する。なお、スイッチング素子Q1がオンである期間においては、カソード電圧Vout_KはインダクタL1の両端電圧VLと略等しい。スイッチング素子Q1のオン抵抗及び抵抗R1は、無視できる程度に小さいからである。本実施の形態では、電圧検出回路28は、カソード電圧Vout_Kを検出することで、スイッチング素子Q1がオンである期間のインダクタL1の両端電圧VLを検出している。
補正回路29は、電圧検出回路28により検出される電圧に依存することなくインダクタL1に流れる電流のピーク値が一定になるよう、電流指令値iref_iに補正を加える回路である。つまり、補正回路29は、電圧検出回路28により検出される電圧(ここでは、カソード電圧Vout_K)に応じて補正回路29により連続的に電流指令値Irefを補正する。そのために、補正回路29は、トランスコンダクタンスアンプ290、基準電圧(閾値電圧Vth)を発生する基準電圧発生器291、トランジスタ292等を有する。
このように構成された電圧検出回路28と補正回路29の動作は次の通りである。
電圧検出回路28では、カソード電圧Vout_kを分圧した電圧を補正回路29に出力する。
補正回路29では、トランスコンダクタンスアンプ290は、電圧検出回路28からの電圧と基準電圧発生器291で発生した閾値電圧Vthとの電圧差に応じた電流をトランジスタ292のベースに出力する。補正後の電流指令値Iref_oは、入力された電流指令値Iref_iから、図示された抵抗とトランジスタ292のコレクタ電流(言い換えると、トランジスタ292のオン抵抗)とに応じて分圧された値となる。
このような電圧検出回路28及び補正回路29により、カソード電圧Vout_kが大きくなるにつれて、トランジスタ292のコレクタ電流が大きくなり、補正後の電流指令値Iref_oが連続的に小さくなる。言い換えると、上述した出力電圧Voutとカソード電圧Vout_Kとの関係(Vout=Vc1−Vout_K)より、出力電圧Voutが小さいほど、より小さな電流指令値Iref_oが生成される。
なお、基準電圧発生器291が発生する閾値電圧Vthは、カソード電圧Vout_K(あるいは、出力電圧Vout)と補正後の電流指令値Iref_oとを適切に関係づけるオフセット値として設定される。
これらの電圧検出回路28及び補正回路29による実施結果を図11(電流指令値補正)、図12(電圧―電流特性)に示す。つまり、図11は、本実施の形態における点灯装置の出力電圧Voutと補正後の電流指令値Iref_oとの関係の一例を示す図である。図12は、本実施の形態における点灯装置の出力電圧−電流特性を示す図である。
図11に示されるように、本実施の形態では、点灯装置の出力電圧Voutが大きいほど補正後の電流指令値Iref_oが大きくなるように、補正後の電流指令値Iref_oが連続的に変化している。また、図12と従来の点灯装置における図4とを比較して分かるように、出力電圧Voutによらずに、出力電流Ioutが一定となる。
このように、本実施の形態における点灯装置によれば、電圧検出回路28により検出される電圧に依存することなくインダクタL1に流れる電流のピーク値が一定になるように調光制御回路11からの電流指令値Iref_iに対して補正が加えられる。その結果、出力電圧Voutに依存することなく、同一の出力電流Ioutが確保される。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における点灯装置について説明する。
実施の形態4では、バックコンバータと、制御回路と、固体発光素子(ここでは、LED)とを複数備える点で実施の形態1〜3と異なる。
図13は、本実施の形態の点灯装置1bの回路図である。
ここでは、例えば、3個のバックコンバータ3a〜3cで点灯装置1bを構成した回路を用いて説明する。この点灯装置1bは、共通の直流電源となる平滑コンデンサC1の直流電圧を降圧して、負荷となるLED4a〜4cに直流電流を供給する複数のバックコンバータ3a〜3c及び制御回路5a〜5cを備える。
それぞれのバックコンバータ3a〜3cは、いずれも、実施の形態1のバックコンバータ3と同様の回路構成を備える。たとえば、バックコンバータ3aであれば、インダクタL1aと、スイッチング素子Q1aと、ダイオードD1aと、出力コンデンサC2aとを備える。
それぞれの制御回路5a〜5cは、いずれも、実施の形態1の制御回路5と同様の回路構成を備える。たとえば、制御回路5aであれば、電流検出回路6a、ZCD検出回路7a、電圧検出回路8a、補正回路9a、駆動回路10aを備える。3つの制御回路5a〜5cには、調光制御回路11から共通の電流指令値Iref_iが入力される。
各バックコンバータ3a〜3cとその制御回路5a〜5cは、それぞれ独立して実施の形態1と同様の動作をする。例えば、バックコンバータ3a及び制御回路5aにおいては、電圧検出回路8により検出される出力電圧が第1の閾値以下である場合に補正回路9により電流指令値Iref_iを補正する。これにより、出力電圧に拠らずにインダクタL1に流れる電流のピーク値が一定値となり(あるいは、変動幅が抑制され)、出力電圧によらず出力電流を一定とする(あるいは、出力電流の変動幅が抑制される)点灯装置を実現できる。
図14に各バックコンバータ3a〜3cのインダクタを流れる電流IL_a〜IL_cの波形例を示す。なお、各制御回路5a〜5cが備える補正回路には、実施の形態2で示した補正回路19と同様のものを用いている。3つのバックコンバータ3a〜3cには定格電圧が異なる以下の負荷(LED4a〜4c)を接続した。つまり、バックコンバータ3aに接続されるLED4aの定格電圧Vout_a=100V、バックコンバータ3bに接続されるLED4bの定格電圧Vout_b=200V、バックコンバータ3cに接続されるLED4cの定格電圧Vout_c=300Vである。
図14の波形例から分かるように、それぞれのバックコンバータ3a〜3cにおいて、スイッチング素子のオン時間Tonと電流傾きΔiは異なるが、出力電圧Voutに応じて目標値Iref_iが補正される。これにより、電流ピーク値Ipeak_Rはほぼ同一となり、出力電流もほぼ一定とすることができる。
このように、本実施の形態によれば、各出力における出力電圧−電流特性の定電流性を確保することにより、出力電圧によらず出力電流を一定とする点灯装置が実現される。また、各出力に電圧定格の違うLEDが接続された場合や、LEDの直列接続の個数を変更した負荷(LED)を接続した場合においても、所望の電流を流すことができるため所望の光出力を得ることができる。
以上のように、本実施の形態においては、簡単な回路により、複数の出力における各出力において所望の光出力を確保し全体出力の光出力ムラを低減することができる点灯装置を実現できる。
なお、本実施の形態の点灯装置1bは、実施の形態1のバックコンバータ及び制御回路を3セット備えたが、3セット以外のセット数のバックコンバータ及び制御回路を備えてもよいし、実施の形態2又は3のバックコンバータ及び制御回路を備えてもよい。
以上の実施の形態1〜4で説明した点灯装置1a及び1bは、照明器具に適用できるのは言うまでもない。図15〜図17は、上記実施の形態1〜4の点灯装置1a及び1bを備える照明器具の外観図である。ここでは、照明器具の例として、ダウンライト200a(図15)、スポットライト200b(図16)及び200c(図17)が図示されている。図中の201は点灯装置の回路(バックコンバータ及び制御回路)を収納している回路ボックスであり、202はLEDを装着した灯体であり、203は回路ボックス201と灯体202のLEDとを電気的に接続する配線である。回路ボックス201には、例えば、実施の形態1〜3のいずれかの点灯装置、又は、実施の形態4の点灯装置1bにおける1組以上の回路(バックコンバータ及び制御回路)のいずれかが収納される。
このような照明器具では、上記実施の形態における点灯装置が用いられるので、簡単な構成で光出力のばらつきが抑制された安定した照明が実現される。さらに、上記実施の形態4の点灯装置を適用した場合には、複数の照明器具において、同じ光出力が確保される。
以上のように、上記実施の形態における点灯装置は、固体発光素子(LED4等)を点灯させる点灯装置であって、直流電源(平滑コンデンサC1)と、直流電源からの電流を受けて固体発光素子に所定の電流を提供するバックコンバータ3等と、バックコンバータ3等を制御する制御回路5等とを備える。バックコンバータ3等は、スイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1と直列に接続され、スイッチング素子Q1のオン時に直流電源から電流が流れるインダクタL1と、インダクタL1から放出される電流を固体発光素子に供給するダイオードD1とを有する。制御回路5等は、スイッチング素子Q1に流れる電流を検出する電流検出回路6等と、固体発光素子の両端の電圧又はインダクタL1の両端の電圧を検出する電圧検出回路8等と、電流検出回路6等により検出される電流値が所定の電流指令値に達したことが検出されるとスイッチング素子Q1をオフさせ、インダクタL1が所定のエネルギーを放出したことが検出されるとスイッチング素子Q1をオンさせる制御信号を生成してスイッチング素子Q1に出力する駆動回路10等と、電圧検出回路8等により検出される電圧に応じて、電流指令値に補正を加える補正回路9等とを有する。
より詳しくは、補正回路9等は、電圧検出回路8等により検出される電圧とインダクタL1に流れる電流のピーク値との関係において、少なくとも2つの異なる電圧における電流のピーク値が略等しくなるように、電流指令値に補正を加える。
これにより、出力電圧の大きさに依存する出力電流のばらつきが抑制されるので、固体発光素子の順方向電圧あるいは定格電圧のばらつきがあっても、電流指令値で定まる一定範囲内の電流が固体発光素子に出力される。さらに、このような定電流制御は、簡易な補正回路によって実現されている。よって、BCM&ピーク電流制御で動作するスイッチング電源回路を用いた点灯装置であって、特性の異なる固体発光素子に対して簡単な構成で光出力のばらつきが抑制された安定した点灯をさせることができる点灯装置が実現される。
また、実施の形態1では、補正回路9は、電圧検出回路8により検出される出力電圧が第1の閾値以下である場合に、電流指令値を、電流指令値よりも小さい第1の補正値に補正する。これにより、電圧検出回路により検出される出力電圧が第1の閾値以下である場合に、電流指令値がより小さい第1の補正値に補正され、インダクタに流れる電流のピーク値のばらつきが抑制される。
また、実施の形態2では、補正回路19は、さらに、電圧検出回路8により検出される出力電圧が、第1の閾値よりも小さい第2の閾値以下である場合に、電流指令値を、第1の補正値よりも小さい第2の補正値に補正する。これにより、出力電圧と電流指令値との関係を切り替える切替点(つまり、閾値)が複数設けられるので、インダクタに流れる電流のピーク値のばらつきが更に抑制される。
なお、閾値については、第1の閾値及び第2の閾値は、当該点灯装置に接続される固体発光素子のうち、順方向電圧が異なる2種類の固体発光素子の順方向電圧の間の値である。これにより、点灯装置に接続される固体発光素子の順方向電圧の範囲内に閾値が設定されるので、確実に、インダクタに流れる電流のピーク値のばらつきが抑制される。
また、実施の形態3では、補正回路29は、電圧検出回路28により検出される電圧に依存することなくインダクタL1に流れる電流のピーク値が一定になるよう、電流指令値に補正を加える。これにより、電圧検出回路28により検出される電圧に依存することなくインダクタに流れる電流のピーク値が一定になるので、出力電圧に依存することなく出力電流が一定となる。
また、実施の形態4では、点灯装置1bは、複数の固体発光素子を点灯させる装置であり、複数の固体発光素子のそれぞれに対応する複数のバックコンバータ3a〜3cと、複数のバックコンバータ3a〜3cのそれぞれを制御する複数の制御回路5a〜5cとを備える。このとき、点灯装置1bはさらに、所望の光出力に応じた電流指令値を複数の制御回路5a〜5cに出力する調光制御回路11を備える。これにより、複数の固体発光素子に対して、共通の電流指令値で定まる同じ出力電流が印加されるので、複数の固体発光素子間において光出力の大きさが統一され、全体として光出力のばらつきが抑制された照明が行われる。
また、上記実施の形態における照明器具(ダウンライト200a、スポットライト200b及び200c)は、点灯装置1a及び1bと、点灯装置から電流を供給される固体発光素子とを具備する。これにより、簡単な構成で光出力のばらつきが抑制された安定した照明が実現される。さらに、上記実施の形態3の点灯装置を適用した複数の照明器具では、複数の照明器具間で光出力のばらつきが抑制された照明が実現される。
以上、本発明に係る点灯装置及び照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
たとえば、上記実施の形態の点灯装置では、固体発光素子として、LEDが用いられたが、本発明に係る固体発光素子は、有機EL素子等の他の固体発光素子であってもよい。
また、上記実施の形態における点灯装置を複数の照明器具に適用する場合には、上記実施の形態1〜4のいずれかのタイプの点灯装置が全ての照明器具に適用されてもよいし、複数のタイプの点灯装置が混在した形態で複数の照明器具に適用されてもよい。さらに、上記実施の形態4の点灯装置を複数の照明器具に適用する場合には、複数組のバックコンバータ及び制御回路のそれぞれが分散されて各照明器具に収納されてもよいし、複数組のバックコンバータ及び制御回路がまとめて1つの照明器具に収納されてもよい。