JP6153073B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

この発明は鉛蓄電池に関し、特に負極材料にカーボンブラックを多量に含有する、鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池を充電が不完全な状態で使用することにより、自動車のエネルギー効率を向上させることが行われている。例えばアイドリングストップ車では、停車の都度エンジンを停止することにより燃料消費量を小さくし、発進時に蓄電池からの電力でエンジンを起動する。このため蓄電池は充電不足の状態で使用される。アイドリングストップ車に限らず、エネルギー効率を向上させるため蓄電池への充電を避け、しかも蓄電池から取り出す電力が増しているので、蓄電池は充電不足な状態に置かれることが多い。
鉛蓄電池を充電不足の状態で使用する場合、還元が困難な硫酸鉛が負極材料中に蓄積し、耐久性が低下する。硫酸鉛の蓄積は、カーボンブラックを負極材料に多量に含有させることにより、抑制できることが知られている。しかしながらカーボンブラックを負極材料の海綿状鉛100mass%に対して、例えば0.5mass%を超えて含有させると、使用中にカーボンブラックが負極材料から流出する。
特許文献1(特開2003-338285)は、制御弁式鉛蓄電池の負極材料に、ビスフェノール系縮合物と、カーボンブラックとを含有させることを開示している。ビスフェノール系縮合物は負極材料を微細化し、カーボンブラックとの相乗作用により充電受入性を向上させるとしている。しかしながら発明者の実験では、ビスフェノール系縮合物と多量のカーボンブラックとを含有する負極材料ペーストは針入度が低く、負極集電体への充填が困難になった。またカーボンブラックが電解液中へ流出すると、液面の視認性が低下し、また液面センサ等で液面を検出することが難しくなるので、補水の妨げとなる。そこでカーボンの流出量が僅かで、負極格子へのペーストの充填が容易で、しかも充電不足な状態での耐久性等に優れた鉛蓄電池を開発する必要がある。
特開2003-338285
この発明の基本的課題は、集電体へのペーストの充填が容易で、カーボンの流出量が少なく、かつ低温ハイレート放電性能と回生充電受入性能に優れ、充電不足な状態での耐久性に優れ、さらに浸透短絡が生じにくい鉛蓄電池を提供することにある。
この発明の鉛蓄電池は、カーボンと、ビスフェノール系縮合物と、アルギン酸もしくはそのアルカリ金属塩の少なくとも一方と、海綿状鉛、とを含有する負極材料と、二酸化鉛を主成分とする正極材料と、アルミニウムイオン、リチウムイオン、及びナトリウムイオンの少なくともいずれかの元素を含む電解液、とを備え、
前記負極材料は、海綿状鉛100mass%当たりの含有量で、カーボンを0.5mass%以上2.5mass%以下、ビスフェノール系縮合物を0.1mass%以上0.9mass%以下、アルギン酸もしくはそのアルカリ金属塩の少なくとも一方を合計で0.05mass%以上0.3mass%以下含有し、かつポリグルタミン酸及びその塩を含まず、さらにオレフィン系ポリカルボン酸及びその塩を含まないか、もしくは海綿状鉛100mass%当たり0.3mass%以下含有し、
前記電解液は、アルミニウムイオンの場合は0.01mo/L以上0.2mol/L以下、リチウムイオンの場合は0.01mo/L以上0.2mol/L以下、ナトリウムイオンの場合は0.005mo/L以上0.2mol/L以下の濃度で、アルミニウムイオン、リチウムイオン、及びナトリウムイオンの少なくともいずれかを含有している。
負極材料に単にカーボンを多量に含有させるだけでは、負極板からのカーボンの流出が著しい。これに対してビスフェノール系縮合物とアルギン酸もしくはその塩を負極材料に含有させると、カーボンの流出を抑制できる。さらにアルギン酸もしくはその塩を負極材料に含有させると、負極材料ペーストへの針入度が増し、負極集電体への充填が容易になり、さらにカーボンの流出を抑制できる。カーボンとビスフェノール系縮合物とアルギン酸またはその塩とを含む負極材料を用いると上記の効果に加えて、低温ハイレート放電性能と回生充電受入性能とに優れ、充電不足な状態での耐久性にも優れた鉛蓄電池が得られる。また電解液に、アルミニウムイオン、リチウムイオン、及びナトリウムイオンのいずれかの元素を含有させると、過放電放置後の浸透短絡を抑制すると共に、充電不足な状態での耐久性能をさらに向上させることができる。
鉛蓄電池は、負極材料と正極材料及び電解液以外に、例えば、負極格子等の負極集電体と、正極格子等の正極集電体と、電槽と、セパレータ等を備えている。負極材料は負極集電体に保持されて負極板を成し、正極材料は正極集電体に保持されて正極板を成す。また極板から集電体を除いた部分、即ち、活物質とその添加物とを、負極材料、正極材料等の、電極材料という。また電解液中に、あるいは極板中に、シリカを含んでいても良い。実施例では液式鉛蓄電池を示すが、制御弁式の鉛蓄電池でも、同様にこの発明を実施できる。
電解液がアルミニウムイオンに加えて、リチウムイオン及びナトリウムイオンのいずれかの元素を含有すると、充電不足な状態での耐久性能を特に向上させることができる。
ビスフェノール系縮合物は、例えばスルホン酸基を有する水溶性高分子であるが、置換基の種類、水への溶解度は任意である。ビスフェノール系縮合物は、例えば
(−(OH)(RSO3H)Ph−X−Ph(OH)(R'SO3H)CH2−)n
の化学式で表され、R,R'はメチレン基等の適宜のアルキル基、Xは例えばSO2基、アルキル基等で、Xを含まずに2個のフェニル基が直接結合していても良い。またSO3H基等の水素は、負極材料中でナトリウムイオン等の適宜の陽イオン、特にアルカリ金属イオンにより置換されていることがある。
RSO3H基、R'SO3H基、CH2基等はフェニル基(Ph)のOH基に対してオルソの位置にあり、縮合物のモノマーはCH2基を介して互いに接続されている。市販のビスフェノール系縮合物はモノマー当たり2個のスルホン酸基を有するものが多いが、モノマー当たりのスルホン酸基の数は1個〜4個等のように任意である。XがSO2基の場合がビスフェノールS、Xが −C(CH32− の場合がビスフェノールAで、実施例ではビスフェノールSを用いる例を示すが、ビスフェノールAを用いても結果は同等である。ビスフェノール系縮合物の分子量は任意で、例えば4,000〜250,000程度とし、分子量の影響は小さい。ビスフェノール系縮合物は、芳香族環を含む高分子である点で、リグニンスルホン酸と類似しているが、カルボキシ基とエーテル基及びアルコール性水酸基を持たない点と、網状ではなく直鎖状の高分子である点が異なる。
負極材料中のカーボン、ビスフェノール系縮合物、アルギン酸またはその塩の含有量は、海綿状鉛を100mass%として示す。またアルミニウムイオン,リチウムイオン,及びナトリウムイオンの含有量はmol/L単位で示す。負極材料が硫酸鉛等を含有している場合、硫酸鉛等を海綿状鉛に換算して海綿状鉛の量を定める。負極材料中の含有物の量は、例えば化成済みの段階での含有量である。化成は、塩基性硫酸鉛及び酸化鉛を、硫酸水溶液中で酸化することにより正極材料の二酸化鉛とし、同じく硫酸水溶液中で還元することにより負極材料の海綿状鉛とする工程である。電解液中のナトリウムイオン等の元素の含有量は、硫酸アルミニウム等として添加したもの以外に、例えばアルギン酸ナトリウムから溶出したナトリウムイオンも含む。
好ましくは、負極材料はさらに、オレフィン系ポリカルボン酸またはその塩を含有する。オレフィン系ポリカルボン酸には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸等があり、これらはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン骨格の水素をカルボキシル基で置換した化合物である。好ましくは、オレフィン系ポリカルボン酸は、ポリアクリル酸またはその塩、あるいはポリメタクリル酸またはその塩である。ポリアクリル酸とポリメタクリル酸は化学的性質が酷似した物質で、ポリアクリル酸とその塩をポリメタクリル酸とその塩に代えても、結果は同等である。なおポリカルボン酸塩は、水溶性のアルカリ金属塩が好ましい。
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸等のオレフィン系ポリカルボン酸は、ポリエチレン、ポリプロピレン等とのポリオレフィンとブロック共重合させることができる。ポリアクリル酸等のポリカルボン酸を含む共重合体中で実際に有効なのは、ポリカルボン酸のブロックなので、共重合体の質量をM、その内のポリカルボン酸のブロックの質量をmとすると、共重合体の含有量にm/Mを掛けたものを、ポリカルボン酸の含有量とする。またオレフィン系ポリカルボン酸の塩は、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩で、強酸性のビスフェノール系縮合物のため、負極材料中では主として酸型で存在すると考えられる。
電解液にアルミニウムイオン元素を0.01mol/L以上含有させると、浸透短絡を抑制すると共に、充電不足な状態での耐久性能が顕著に向上する。0.2mol/Lを超えて含有させると回生充電受入性能の低下等が生じるので、好ましくは0.01mol/L以上0.2mol/L以下含有させる。
リチウムイオン及びナトリウムイオンも、浸透短絡を抑制すると共に、充電不足な状態での耐久性能を向上させ、リチウムイオンではその効果は0.01mol/L以上で顕著であり、ナトリウムイオンでは0.005mol/L以上で顕著である。またリチウムイオンあるいはナトリウムイオンの含有量が0.2mol/Lを超えると、リチウムイオンの場合、耐久性能の低下等が生じ、ナトリウムイオンの場合、回生充電受入性能の低下等が生じるので、これらの含有量は0.2mol/L以下が好ましい。
電解液はリチウムイオンを0.01mol/L以上0.2mol/L以下含有することが好ましく、特にアルミニウムイオンを0.01mol/L以上0.2mol/L以下含有すると共に、リチウムイオンを0.01mol/L以上0.2mol/L以下含有することが好ましい。
電解液はナトリウムイオンを0.005mol/L以上0.2mol/L以下含有することが好ましく、特にアルミニウムイオンを0.01mol/L以上0.2mol/L以下含有すると共に、ナトリウムイオンを0.005mol/L以上0.2mol/L以下含有することが好ましい。
ビスフェノール系縮合物の含有量は、海綿状鉛100mass%当たりで、0.1mass%以上が好ましく、例えば0.05mass%ではカーボンの流出を抑制する効果が小さい。またカーボン流出量はビスフェノール系縮合物が0.9mass%付近で最小となるので、含有量は0.9mass%以下が好ましい。ビスフェノール系縮合物の含有量は、特に0.1mass%以上0.9mass%以下が好ましい。
アルギン酸またはその塩は、海綿状鉛100mass%当たり0.05mass%以上の含有量で針入度を実用的な範囲まで低下させると共に、カーボンの流出を抑制し、含有量は0.05mass%以上が好ましい。含有量が0.3mass%を超えると、回生充電受入性能の低下等の弊害が生じるので、含有量は0.05mass%以上0.3mass%以下が特に好ましい。アルギン酸の塩はアルカリ金属塩が好ましく、不溶性のカルシウム塩では効果が小さい。
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸またはそれらの塩は、カーボンの流出量をさらに少なくし、海綿状鉛100mass%当たりで0.005mass%でも効果があるが、0.01mass%以上で効果が顕著になる。そして0.3mass%を超えて含有させると、回生充電受入性能の低下等の弊害が生じるので、含有量は0.01mass%以上が好ましく、0.01mass%以上0.3mass%以下が特に好ましい。
カーボンは、黒鉛、カーボンファイバー、煤等の非晶質カーボン、等でも良いが、微細で比表面積が大きなカーボンブラックが好ましい。カーボンブラック等のカーボンの含有量は、海綿状鉛100mass%当たりで0.5mass%以上含有させると、低温ハイレート放電性能、回生充電受入性能、充電不足な状態での耐久性等が向上し、2.5mass%を超えて含有させるとカーボンの流出の抑制が困難になる。カーボン含有量は0.5mass%以上が好ましく、0.5mass%以上2.5mass%以下が特に好ましい。
以下に、本願発明の最適実施例を示す。本願発明の実施に際しては、当業者の常識及び先行技術の開示に従い、実施例を適宜に変更できる。
アルギン酸ナトリウム(分子量約250,000)とポリアクリル酸ナトリウム(分子量約2,500,000)とを水に溶かし、カーボンブラックを加えて混練した。これに、ビスフェノールSの縮合物(分子量約100,000)と、海綿状鉛100mass%に対して0.6mass%の硫酸バリウムと、0.1mass%の合成繊維の補強材とを加えて再度混練し、カーボンペーストとした。カーボンペーストに、ボールミル法による鉛粉と、海綿状鉛100mass%に対して0.2mass%のリグニンと水と硫酸とを加えて混練し、負極材料ペーストとした。カーボンブラックの種類は、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック等、任意で、カーボンブラックの種類を変えても結果はほぼ同等であった。またビスフェノールS縮合物に代えて、ビスフェノールA縮合物を用いてもほぼ同等の結果が得られた。ビスフェノールS縮合物の分子量を10,000に変えても、あるいはポリアクリル酸ナトリウムの分子量を5,000,000に変えても、結果は同等であった。また補強剤と硫酸バリウム及びリグニンは加えなくても良い。なお鉛粉の種類と製造方法、格子等の集電体の種類と製造方法は任意である。アルギン酸とポリアクリル酸はリチウム塩、カリウム塩等として添加しても、あるいは酸型で添加しても良い。さらに各成分を加える順序は任意である。
アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カーボンブラック、及びビスフェノールS縮合物の含有量等を変えて、表1,表2に示す組成の負極材料ペーストを作製した。アルギン酸とポリアクリル酸の含有量は、ナトリウム塩として表す。エキスパンドタイプでPb-Ca-Sn系合金の負極格子に負極材料ペーストを充填し、未化成の負極板とした。各負極材料ペーストに対し、JIS K 2207に従って、針入度計により針入度を測定した。針入度は負極材料ペーストの負極格子への充填の容易さを表す。
ボールミル法で製造した鉛粉100mass%と、0.1mass%の合成繊維補強剤と、アンチモン、スズ、バリウムから成る添加剤とを、水と硫酸とで混練して、エキスパンドタイプでPb-Ca-Sn系合金の正極格子に充填し、未化成の正極板とした。なお鉛粉の一部を鉛丹としても良い。
未化成の正極板、未化成の負極板、及びポリエチレンセパレータを電槽にセットし、アルミニウムイオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン等の元素を含む硫酸を加え、電槽化成を施して液式鉛蓄電池(化成後の電解液比重1.285)とした。アルミニウムイオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン等は、例えば硫酸鉛、水酸化物、炭酸塩等として、硫酸に添加する。蓄電池は、初期性能(カーボン流出量、低温ハイレート放電性能、回生充電受入性能)の測定用では正極板が2枚、負極板が1枚で、5hR容量は8Ahで、耐久性能の測定用では正極板が7枚、負極板が8枚で、5hR容量は48Ahであった。
ビスフェノール系縮合物も、ポリアクリル酸等のバインダーも、アルギン酸等も含まず、カーボンブラックのみを含む負極材料に対し、化成後30分以内に電解液を採取し、比色法により電解液中のカーボン濃度を測定した。カーボン濃度は4massppm以下が好ましい。
電解液中のカーボン量を表1に示す。ビスフェノール系縮合物も、ポリアクリル酸等のバインダーも、アルギン酸等も含まない場合、負極材料中のカーボンブラック濃度を0.5mass%以上にすると、液面の視認正答が低下し、カーボンブラック濃度を0.5mass%以上にすることは困難である。
ビスフェノール系縮合物、ポリアクリル酸のナトリウム塩、ポリグルタミン酸のナトリウム塩、アルギン酸ナトリウム、もしくはアルギン酸カルシウム等を添加した負極材料ペーストを用い、電解液にアルミニウムイオン,リチウムイオン,ナトリウムイオンを含有させた蓄電池を作製した。これらの蓄電池に対し、表1の場合と同様に電解液の濁りを測定し、JIS K 2207に従って負極材料ペーストの針入度を測定した。
また低温ハイレート放電性能として、-15℃で37.5Aで放電し、端子電圧が1.0Vとなるまでの放電時間を測定した。放電時間は220sec以上が好ましい。回生充電受入性能として、充電率90%の状態から2.4Vの定電圧充電(最大電流12.5A)で10秒間充電し、充電電気量を測定した。充電電気量は104A・sec以上が好ましい。充電不足な状態での耐久性能として、50Aで60秒間の放電と、2.33Vで60秒間(最大電流50A)の定電圧充電、とから成るサイクルを繰り返し、放電時の端子電圧が1.0V未満となるまでのサイクル数を測定した。このサイクル数は25000以上が好ましい。
過放電後の浸透短絡に関し、終止電圧を1.75Vとして5時間率容量試験を行い、50℃で10Ωの抵抗により端子間を2週間短絡し、次いで 2.4Vの定電圧で最大100Aの充電電流で10時間充電するサイクルを2サイクル行った。2サイクル後に蓄電池を解体し、セパレータを観察し、×、○、◎のいずれに該当するかを判定した。
×:定電圧充電時に電流または電圧の異常が発生したか、あるいはセパレータから短絡の発生を確認。
○:定電圧充電時に電圧・電流の異常は発生しなかったが、セパレータには短絡に至らない程度のデンドライトの析出を確認。
◎:定電圧充電時に電圧・電流の異常は発生せず、セパレータにデンドライトの析出を確認せず。
結果を表2,表3に示す。
ビスフェノール系縮合物とアルギン酸(ナトリウム)とを含有させることにより、カーボン流出量を抑制でき、ペーストへの針入度を向上させ、電解液へのカーボンの流出量を抑制し、低温ハイレート放電性能と回生充電抜け入れ性能とを向上させ、さらに充電不足な状態での耐久性能とを向上させることができる。そしてビスフェノール系縮合物の効果は0.1mass%以上で顕著で、0.9mass%程度で最大となることが分かる。アルギン酸ナトリウムは針入度を増加させ、0.35mass%含有させると回生充電受入性能が低下することが分かる。なおアルギン酸カルシウムでは針入度が小さく、アルギン酸の塩は水溶性の塩が好ましいことが分かる。ポリアクリル酸はカーボン流出量を少なくするが、針入度を低下させ、0.3mass%を超えて含有させると回生充電受入性能を低下させて好ましくない。またポリアクリル酸をポリグルタミン酸に変えると、カーボン流出量が増加し、好ましくない。
アルミニウムイオン、リチウムイオン、ナトリウムイオンは浸透短絡を抑制すると共に、充電不足な状態での耐久性能を向上させることが分かる。アルミニウムイオンは0.01mol/L以上含有させることが好ましく、0.2mol/Lを超えて含有させると回生充電受入性能の低下等が生じるので、好ましくは0.01mol/L以上0.2mol/L以下含有させる。リチウムイオン及びナトリウムイオンは単独で含有させても良いが、好ましくはアルミニウムイオンと共に含有させる。特に、アルミニウムイオンを0.01mol/L以上0.2mol/L以下含有させると共にリチウムイオンを0.01mol/L以上0.2mol/L以下含有させ、あるいはアルミニウムイオンを0.01mol/L以上0.2mol/L以下含有させると共にナトリウムイオンを0.005mol/L以上0.2mol/L以下含有させることが好ましい。リチウムイオンを過剰に含有させると耐久性能の低下が見られ、ナトリウムイオンを過剰に含有させると回生充電受入性能の低下が見られる。なおリチウムイオンとナトリウムイオンとを共に含有させても良い。
以上のように実施例では、ビスフェノール系縮合物とアルギン酸またはその塩により、負極材料ペーストの充填性を保ちながら、電解液の濁りを僅かにし、低温ハイレート放電性能を従来例と同等以上に保ち、しかも充電不足な条件での耐久性能を向上させることができる。さらにアルミニウムイオン,リチウムイオン,またはナトリウムイオンにより、過放電放置後の浸透短絡を抑制すると共に、充電不足な条件での耐久性能をさらに向上させることができる。

Claims (4)

  1. カーボンと、ビスフェノール系縮合物と、アルギン酸もしくはそのアルカリ金属塩の少なくとも一方と、海綿状鉛、とを含有する負極材料と、二酸化鉛を主成分とする正極材料と、アルミニウムイオン、リチウムイオン、及びナトリウムイオンの少なくともいずれかの元素を含む電解液、とを備え、
    前記負極材料は、海綿状鉛100mass%当たりの含有量で、カーボンを0.5mass%以上2.5mass%以下、ビスフェノール系縮合物を0.1mass%以上0.9mass%以下、アルギン酸もしくはそのアルカリ金属塩の少なくとも一方を合計で0.05mass%以上0.3mass%以下含有し、かつポリグルタミン酸及びその塩を含まず、さらにオレフィン系ポリカルボン酸及びその塩を含まないか、もしくは海綿状鉛100mass%当たり0.3mass%以下含有し、
    前記電解液は、アルミニウムイオンの場合は0.01mo/L以上0.2mol/L以下、リチウムイオンの場合は0.01mo/L以上0.2mol/L以下、ナトリウムイオンの場合は0.005mo/L以上0.2mol/L以下の濃度で、アルミニウムイオン、リチウムイオン、及びナトリウムイオンの少なくともいずれかを含有している鉛蓄電池。
  2. 前記電解液が、ナトリウムイオン及びリチウムイオンのいずれかの元素と、アルミニウムイオン元素とを含有することを特徴とする、請求項1の鉛蓄電池。
  3. 前記負極材料がさらに、オレフィン系ポリカルボン酸またはその塩を、海綿状鉛100mass%当たりの含有量で、0.005mass%以上0.3mass%以下含有することを特徴とする、請求項1または2の鉛蓄電池。
  4. 前記オレフィン系ポリカルボン酸またはその塩は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、またはそれらの塩であることを特徴とする、請求項3の鉛蓄電池。
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