JP6148929B2 - 電動アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、スクリュー機構を有し、電動モータが出力する回転方向の駆動力を直線方向の駆動力に変換して出力する電動アクチュエータに関する。
従来より、航空機などの種々の分野において、電動モータ及びスクリュー機構を有する電動アクチュエータが用いられている。このような電動アクチュエータは、スクリュー機構により、電動モータが出力する回転方向の駆動力を直線方向の駆動力に変換して出力する。そして、この電動アクチュエータは、ハウジングに対して出力部が直線方向に沿って伸縮するように変位することで、各種機器を駆動する。尚、上記の電動アクチュエータは、圧油が供給されることによって作動する油圧アクチュエータに比して、メンテナンスの負担が少ないという利点がある。
上記の電動アクチュエータは、スクリュー機構において、こじり又は焼き付き等の原因によって、固着状態(ジャム状態)が発生することがある。電動アクチュエータにおいて固着状態が発生すると、出力部をハウジングに対して進退させることが困難となる。
特許文献1においては、第1のアクチュエータと第2のアクチュエータとが設けられた電動アクチュエータが開示されている。第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータは、同軸線上で逆方向に延びるように設置されている。そして、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータのそれぞれは、電動モータとボールスクリュー機構とを備えている。これにより、この電動アクチュエータは、第1及び第2のアクチュエータのうちの一方におけるスクリュー機構において固着状態が発生した場合であっても、第1及び第2のアクチュエータのうちの他方は作動可能な状態である。このため、この電動アクチュエータにおいては、上記の固着状態が発生した場合であっても、出力部をハウジングに対して収縮させた位置に退避させることが可能となる。
米国特許第5214972号公報
しかしながら、特許文献1に開示された電動アクチュエータは、同軸上で逆方向に延びるように設けられた二重のアクチュエータが必要となる。更に、二重のアクチュエータのそれぞれには、電動モータ及びスクリュー機構が必要となる。このため、この電動アクチュエータは、構造が複雑化するとともに大型化してしまうことになる。また、この電動アクチュエータは、構造の大型化に伴い、重量も増大することになる。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、スクリュー機構において固着状態が発生した場合であっても出力部をハウジングに対して進退させることが可能であるとともに、構造の簡素化及び小型化を図ることができる電動アクチュエータを提供することである。
(1)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係る電動アクチュエータは、ハウジングと、前記ハウジングに少なくとも一部が収納される第1スクリュー、及び、該第1スクリューが内側に設置される筒状の部分を有し、前記第1スクリューに対して該第1スクリューの軸心を中心として相対回転可能に取り付けられるとともに、相対回転することで前記第1スクリューに対して軸心方向に相対変位可能な第2スクリュー、を有するスクリュー機構と、前記ハウジングに固定され、前記第1スクリュー及び前記第2スクリューのうちの一方のスクリューである入力側スクリューを回転させる第1電動モータと、前記第1電動モータの回転力を前記入力側スクリューに伝達し、且つ前記第1電動モータに対する前記入力側スクリューの軸心方向へのスライドを許容するスライド支持機構と、前記第1スクリュー及び前記第2スクリューのうちの他方のスクリューである出力側スクリューに連結され又は設けられる出力部と、前記入力側スクリューに取り付けられ、該入力側スクリューを前記ハウジングに対して回転自在に保持する軸受と、それぞれが環状に形成され、内周が前記軸受の外輪に嵌合し且つ外周に形成された雄ネジ部が前記ハウジングの内周に形成された雌ネジ部に螺合するとともに、両者で前記軸受の外輪を前記入力側スクリューの軸心方向に挟む一対のリング部と、前記一対のリング部を、互いに対してスラスト方向に変位可能且つ互いに対して回転不能に連結する連結機構とを備え、前記一対のリング部のそれぞれに形成された前記雄ネジ部は、互いに逆ネジの関係であり、前記一対のリング部のいずれか一方を回転させることで、前記連結機構を介して他方のリング部を回転させ、前記一対のリング部を互いに前記入力側スクリューの軸心方向に離間させるリング部駆動部、を更に備えている。
この構成では、入力側スクリューは、該入力側スクリューに取り付けられた軸受の外輪が一対のリング部によってハウジングに対して軸心方向に挟まれていることにより、ハウジングに対して回転自在且つ軸心方向に変位不能に保持されている。この構成において、入力側スクリューが第1電動モータによって回転駆動させられると、出力側スクリューが入力側スクリューに対して相対回転することにより、軸心方向に相対変位する。これにより、出力部をハウジングに対して直線方向に沿って伸縮するように変位させ、出力部に連結された各種機器を駆動することができる。
そして、この構成では、スクリュー機構において固着状態(ジャム状態)が発生し、入力側スクリューと出力側スクリューとが相対的に回転不能となった場合に、出力部に連結された機器が、その状態で固定されてしまうのを防止できる。具体的には、この構成では、固着状態が発生した場合、リング部駆動部が駆動し、上記一対のリング部の一方を回転する。そうすると、連結機構を介して他方のリング部も回転する。このとき、各リング部の雄ネジ部が互いに逆ネジの関係となっているため、一対のリング部を、互いに離間する方向に移動させて、該一対のリング部と軸受との嵌合を解除することができる。これにより、ハウジングに対する入力側スクリューの保持が解除される。その結果、固着状態により一体化された状態の第1スクリュー及び第2スクリューが、スライド支持機構を介して第1電動モータ(すなわち、ハウジング)に対して軸心方向へスライド自在となる。
よって、この構成では、スクリュー機構において固着状態が発生した場合であっても出力部をハウジングに対して進退可能な状態にすることができる。更に、上述のように出力部を進退可能にするための構造が、一対のリング部及びリング部駆動部等を備えて構成された比較的小型で簡素な構造によって実現される。このため、電動アクチュエータの構造の簡素化及び小型化が図られることになる。
従って、この構成によれば、スクリュー機構において固着状態が発生した場合であっても出力部をハウジングに対して進退させることが可能であるとともに、構造の簡素化及び小型化を図ることができる電動アクチュエータを提供できる。
(2)好ましくは、前記電動アクチュエータは、前記入力側スクリューの軸心方向に並んで配列される一対の前記軸受を備え、各前記リング部の内周は、各前記軸受の外輪に嵌合する。
この構成によると、入力側スクリューが、一対の軸受によってハウジングに対して保持されるため、入力側スクリューを軸心方向に対して傾くことなく適切に回転自在に保持できる。そして、この構成によると、上述のように一対の軸受によって適切に保持された入力側スクリューを有するスクリュー機構において固着状態が発生した場合であっても、出力部をハウジングに対して進退可能な構成の電動アクチュエータを提供できる。
(3)更に好ましくは、前記連結機構は、前記一対のリング部のいずれか一方と一体に移動するキーと、前記一対のリング部の他方に形成され、前記キーが嵌まり込むキー溝とを有している。
この構成によると、一方のリング部にキーを設け、他方のリング部にキー溝を設けることによって、連結機構を適切に構成することができる。
(4)好ましくは、前記一対のリング部のいずれか一方は、前記リング部駆動部としての第2電動モータの出力軸によって回転させられる。
この構成によると、一方のリング部を、上述した第1電動モータとは別に設けられた第2電動モータで回転することにより、固着状態が発生した場合に第1及び第2のスクリューをハウジングに対して進退可能な状態にできる。
(5)更に好ましくは、前記電動アクチュエータは、前記入力側スクリューの外周を覆う筒状に形成され、前記一対のリング部のいずれか一方と、前記第2電動モータの出力軸に設けられた第1駆動ギヤ部と噛み合う第1従動ギヤ部と、が一体に形成された筒状部材、を更に備えている。
この構成によると、一対のリング部のいずれか一方のリング部と第1従動ギヤ部とを筒状部材によって一体に形成することにより、上記一方のリング部に第2電動モータの回転力を入力可能な構造を適切に構成できる。
(6)好ましくは、前記第1スクリューは、前記第1電動モータによって回転させられる前記入力側スクリューとして設けられ、前記第2スクリューは、前記出力部が連結され又は設けられる前記出力側スクリューとして設けられている。
この構成によると、入力側スクリューとして設けられた第1スクリューと、出力側スクリューとして設けられた第2スクリューとを有するスクリュー機構において、固着状態時に該スクリュー機構をハウジングに対して進退可能な構成を提供できる。
(7)好ましくは、前記入力側スクリューには、該入力側スクリューの軸心方向に延びる孔部が形成され、前記第1電動モータの出力軸は、前記孔部に挿入され、前記スライド支持機構は、前記第1電動モータの出力軸と前記孔部との間に設けられている。
この構成によると、スライド支持機構が、入力側スクリューに形成された孔部と、該孔部に挿入された第1電動モータの出力軸と、の間に設けられる。こうすると、入力側スクリューの径方向外側にスライド支持機構が出っ張ってしまうことを防止できるため、電動アクチュエータを径方向について小型化できる。
(8)好ましくは、前記第1電動モータの出力軸には、第2駆動ギヤ部が設けられ、前記一方のスクリューには、前記第2駆動ギヤ部と噛み合う第2従動ギヤ部が設けられ、前記第2駆動ギヤ部及び前記第2従動ギヤ部は、前記第2駆動ギヤ部の歯部の歯幅方向、及び前記第2従動ギヤ部の歯部の歯幅方向が、前記入力側スクリューの軸心方向と一致する平歯車で構成され、前記スライド支持機構は、前記第2駆動ギヤ部の歯部及び前記第2従動ギヤ部の歯部を有する。
この構成によると、第2駆動ギヤ部及び第2従動ギヤ部を有するギヤ機構を介して、第1電動モータの回転力を、所望のトルクに変換してスクリュー機構に伝達することができる。そして、この構成によると、第2駆動ギヤ部及び第2従動ギヤ部のそれぞれが平歯車で構成されており、各平歯車の歯部の歯幅方向と入力側スクリューの軸心方向とが一致している。こうすると、スライド支持機構を、第2駆動ギヤ部の歯部と第2従動ギヤ部の歯部とを有する機構として構成することができる。
本発明によると、スクリュー機構において固着状態が発生した場合であっても出力部をハウジングに対して進退させることが可能であるとともに、構造の簡素化及び小型化を図ることができる電動アクチュエータを提供できる。
本発明の実施形態に係る電動アクチュエータが航空機の翼及び動翼に対して取り付けられた状態を示す模式図である。 動翼が、電動アクチュエータによって、図1に示す状態から駆動された状態を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る電動アクチュエータの構成を模式的に示す断面図であって、通常動作時の電動アクチュエータについて示す図である。 図3における軸受保持解除機構付近を拡大して示す図である。 軸受保持解除機構によって軸受の保持が解除された状態を示す図であって、図4に対応させて示す図である。 変形例に係る電動アクチュエータの構成を模式的に示す断面図であって、図3に対応させて示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、航空機の動翼を駆動するための動翼駆動機構において電動アクチュエータが設けられた形態を例にとって説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態で例示した形態に限らず、広く適用することができる。具体的には、本発明は、スクリュー機構を有し、電動モータが出力する回転方向の駆動力を直線方向の駆動力に変換して出力する電動アクチュエータに関して、広く適用することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る電動アクチュエータ1が、航空機の翼101及び動翼102に対して取り付けられた状態を例示する模式図である。図1においては、航空機の主要部の図示は省略されている。図1では、翼101の一部、動翼102、及び動翼103が、模式的に図示されている。本実施形態では、翼101は、航空機の主翼として構成されている。動翼102は、スポイラーとして構成されている。本実施形態では、動翼102が、電動アクチュエータ1によって駆動される機器として構成されている。動翼103は、フラップとして構成されている。尚、図1では、翼101の後端側の部分を航空機の左右方向から見た状態が模式的に図示されている。また、図1では、翼101及び動翼102,103の輪郭のみが模式的に図示されている。
[動翼駆動機構]
電動アクチュエータ1の説明にあたり、まず、電動アクチュエータ1が適用される例である航空機用の動翼駆動機構100について説明する。図1に示す動翼駆動機構100は、航空機の翼101に設置される。動翼駆動機構100は、航空機の動翼102を駆動するために用いられる。そして、動翼駆動機構100は、電動アクチュエータ1、回転軸(図示省略)、及び揺動軸105、を含んで構成されている。
回転軸は、翼101に設置される。そして、回転軸には、電動アクチュエータ1のハウジング2の端部が回転自在に連結される。これにより、電動アクチュエータ1は、翼101に対して、回転軸を中心として、揺動自在に支持されている。
揺動軸105は、動翼102に設置される。そして、動翼102には、電動アクチュエータ1の出力部12bの端部が回転自在に連結される。尚、動翼102は、支点軸106に対して、回転自在に支持されている。支点軸106は、翼101に設置されている。これにより、動翼102は、翼101に対して、支点軸106を中心として、揺動自在に支持されている。
電動アクチュエータ1においては、出力部12bが、ハウジング2に対して突出して相対変位可能に設けられている。即ち、出力部12bは、ハウジング2から突出することでハウジング2から伸張する動作が可能に構成されている。更に、出力部12bは、ハウジング2に対して収縮する動作も可能に構成されている。
図2は、動翼102が、動翼駆動機構100の電動アクチュエータ1によって、図1に示す状態から駆動された状態を示す模式図である。図1は、出力部12bがハウジング2に対して最も収縮した位置に退避した状態を示している。一方、図2は、出力部12bがハウジング2から突出して伸張した状態を示している。図1及び図2に示すように、電動アクチュエータ1が作動することで、動翼102が駆動される。動翼102は、翼101に対して、支点軸106を中心として、揺動するように駆動される。
尚、図1に示す動翼駆動機構100において、リアクションリンクが更に設けられていてもよい。リアクションリンクは、電動アクチュエータ1からの出力が動翼102に出力された際に、この出力による動翼102からの反力を支持する部材として設けられる。リアクションリンクは、一方の端部が回転軸に連結され、他方の端部が支点軸106に連結される。リアクションリンクが設けられることにより、可動側の動翼102が受ける負荷が固定側の翼101に対して直接に影響することが、抑制される。
[構成]
図3は、電動アクチュエータ1を模式的に示す図であって、電動アクチュエータ1の一部断面を含む図である。前述のように、電動アクチュエータ1は、動翼102を駆動するアクチュエータとして構成されている。そして、図3に示すように、電動アクチュエータ1は、ハウジング2、スクリュー機構10、第1電動モータ5、複数の軸受6,7、軸受保持解除機構20、等を備えて構成されている。なお、以下では、説明の便宜上、各図面において、前と記載された矢印が指示する方向を前側又は前方、後と記載された矢印が指示する方向を後側又は後方、と称する。
ハウジング2は、内部空間を有する構造体として設けられている。ハウジング2は、前後方向に延びる略円筒状に形成された第1ハウジング部3と、第1ハウジング部3における後端部分から該第1ハウジング部3の径方向外側に突出する第2ハウジング部4とを有し、これらが一体に形成されている。第1ハウジング部3には、スクリュー機構10及び軸受6,7等が収容されている。第2ハウジング部4には、軸受保持解除機構20の第2電動モータ24の出力軸24a等が収容されている。
スクリュー機構10は、第1電動モータ5が出力する回転方向の駆動力を直線方向の駆動力に変換して出力する機構として設けられている。図3に示すように、スクリュー機構10は、第1スクリュー11、第2スクリュー12、複数のボール13、等を備えて構成されている。本実施形態では、第1スクリュー11は、第1電動モータ5からの回転力が入力される入力側スクリューとして設けられている。また、第2スクリュー12は、出力部12bが設けられ、第1スクリューの回転力によって軸心方向に進退する出力側スクリューとして設けられている。
第1スクリュー11は、第1ハウジング部3の軸心方向に沿って延びる軸状の部材として設けられ、第1ハウジング部3内に収容されている。第1スクリュー11の外周面における前側の部分には、螺旋状のネジ溝11aが形成されている。また、第1スクリュー11には、該第1スクリュー11の軸心部分を軸心方向に貫通する貫通孔11b(孔部)が形成されている。
第1スクリュー11は、詳しくは後述する軸受6,7及び一対のリング部21a,22aによって、通常の動作時においては、ハウジング2に対して前後方向に変位不能、且つハウジング2に対して回転可能に支持されている。
第2スクリュー12は、その一部、具体的には該第2スクリュー12における後側の部分が、第1ハウジング部3の前側の部分に収容されている。第2スクリュー12は、第1スクリュー11が内側に設置される筒状の部分である筒部12aと、該筒部12aから前方へ突出する突出部とを有し、これらが一体に形成されている。この突出部は、電動アクチュエータ1によって生成された駆動力を外部に対して出力する出力部12bとして設けられている。筒部12aの内周には、ネジ溝(図示省略)が形成されている。
また、第2スクリュー12とハウジング2との間には、該第2スクリュー12をハウジング2に対して回転不能且つ前後方向(第2スクリュー12の軸心方向)に変位可能に支持する第2スクリュー支持機構としてのボールスプライン機構15が設けられている。なお、上記第2スクリュー支持機構は、第2スクリューをハウジングに対して回転不能且つ前後方向に変位可能に支持する機構であれば、ボールスプライン機構15以外の機構で構成されていてもよい。例えば一例として、第2スクリュー支持機構を、スプライン機構で構成してもよい。また、他の一例として、第2スクリュー支持機構を、第2スクリューがハウジング2に対して回転するのを防止する回り止めと、第2スクリューが軸心方向に変位可能に支持するすべり軸受と、で構成してもよい。
第2スクリュー12の内周のネジ溝と第1スクリュー11のネジ溝11aとの間には、複数のボール13が循環するように構成されている。すなわち、スクリュー機構10は、ボールスクリュー機構16を有している。
第1電動モータ5は、比較的重量が重い機器である動翼102を駆動させるための駆動源として用いられる。従って、第1電動モータ5としては、定格電圧が比較的高いモータ(例えば一例として、定格電圧が270Vのモータ)が用いられる。
第1電動モータ5は、ハウジング2における後端部分に固定されている。具体的には、第1電動モータ5は、該第1電動モータ5の出力軸5aが第1スクリュー11の貫通孔11bに挿通された状態で、ハウジング2に固定されている。第1電動モータ5の出力軸5aと第1スクリュー11とは、スライド支持機構としてのボールスプライン機構17によって互いに連結されている。これにより、第1電動モータ5からの回転力が第1スクリュー11に伝達され、且つ第1電動モータ5に対する第1スクリュー11の軸心方向へのスライドが許容される。なお、第1電動モータ5の出力軸5aと第1スクリュー11とを、スプライン結合によって互いに連結してもよい。
スクリュー機構10では、第1電動モータ5が駆動すると、該第1電動モータ5の出力軸5aの回転力が第1スクリュー11に伝達される。これにより、ボールスクリュー機構16の複数のボール13が第1スクリュー11のネジ溝11aと第2スクリュー12のネジ溝との間で転動する。これにより、第2スクリュー12が、第1スクリュー11の軸心方向に変位する。
[第1軸受及び第2軸受]
本実施形態に係る電動アクチュエータ1は、一対の軸受(第1軸受6及び第2軸受7)を備えている。各軸受6,7は、例えば一例として、転がり軸受で構成されている。一対の軸受6,7は、ハウジング2に対して第1スクリュー11を回転自在に支持するためのものである。本実施形態では、2つの軸受6,7の外輪(図示省略)は、詳しくは後述する第1及び第2のリング部21a,22aを介してハウジング2に対して固定されている。一方、2つの軸受6,7の内輪(図示省略)は、第1スクリュー11に対して固定されている。第1軸受6及び第2軸受7は、第1スクリュー11の軸心方向に隣接して配置され、一対のスナップリング19,19によって、第1スクリュー11の軸心方向に対する位置が固定されている。
[軸受保持解除機構]
図4は、図3における軸受保持解除機構20付近を拡大して示す図である。軸受保持解除機構20は、スクリュー機構10が、こじり或いは焼き付き等が要因で固着状態(ジャム状態)となったときに、ハウジング2に対する第1スクリュー11の保持を解除するためのものである。軸受保持解除機構20は、図4に示すように、第1円筒部材21(筒状部材)及び第2円筒部材22と、連結機構23と、第2電動モータ24(リング部駆動部)と、を備えている。
第1円筒部材21は、第1リング部21a及び従動ギヤ部21b(第1従動ギヤ部)を有し、これらが一体に形成されている。第1リング部21aは、円環状に形成された部分であって、第1円筒部材21における前側の部分として設けられている。従動ギヤ部21bは、第1円筒部材21における後端部に設けられ、第1円筒部材21と一体に回転する平歯車で構成されている。
第1リング部21aの内側には、第1軸受6が嵌合している。また、第1リング部21aの内側には、段差部が形成されていて、当該段差部には、第1軸受6の外輪における後側の部分が嵌まり込んでいる。
第1リング部21aの外側には、第1雄ネジ部21cが形成されている。この第1雄ネジ部21cは、ハウジング2に形成された第1雌ネジ部2aと螺合している。
第2円筒部材22は、円環状に形成された第2リング部22aで構成されている。第2リング部22aの内側には、第2軸受7が嵌合している。また、第2リング部22aの内側には、段差部が形成されていて、当該段差部には、第2軸受7の外輪における前側の部分が嵌まり込んでいる。
第2リング部22aの外側には、第2雄ネジ部22bが形成されている。この第2雄ネジ部22bは、ハウジングに形成された第2雌ネジ部2bと螺合している。
電動アクチュエータ1では、図3及び図4に示すように、通常時は、一対の軸受6,7が、一対のリング部としての第1リング部21a及び第2リング部22aによってスラスト方向に挟まれた状態で保持されている。具体的には、第1軸受6の外輪が第1リング部21aの段差部に嵌合し、第2軸受7の外輪が第2リング部22aの段差部に嵌合した状態で、一対の軸受6,7が一対のリング部21a,22aに挟まれて保持されている。これにより、通常時における第1スクリュー11は、ハウジング2に対して軸心方向に変位不能且つハウジング2に対して回転自在となっている。
軸受保持解除機構20では、上述した第1雄ネジ部21c及び第1雌ネジ部2aの螺合と、第2雄ネジ部22b及び第2雌ネジ部2bの螺合との関係が、逆ネジの関係になっている。すなわち、一方の螺合が右ネジの関係である場合、他方の螺合が左ネジの関係となっている。
連結機構23は、第1円筒部材21及び第2円筒部材22を、互いに対してスラスト方向に変位可能且つ互いに対して回転不能に連結している。連結機構23は、キー23a及びキー溝23bを有している。
キー23aは、第1円筒部材21と一体に形成された部分であって、該第1円筒部材21の前端部から前方へ延びるように形成されている。キー溝23bは、第2円筒部材22において前後方向に延びる溝状に形成されている。連結機構23では、キー23aがキー溝23bに対して摺動可能に嵌まり込んでいる。これにより、第1円筒部材21及び第2円筒部材22は、互いに対して回転不能、且つ、互いに対して軸心方向に相対移動可能になっている。
第2電動モータ24は、各円筒部材21,22を各雌ネジ部2a,2bに対して回転させるためのものである。第2電動モータ24は、該第2電動モータ24の出力軸24aがハウジング2の第2ハウジング部4内に収容された状態で、該第2ハウジング部4に固定されている。第2電動モータ24の出力軸24aの先端には、駆動ギヤ部25(第1駆動ギヤ部)が固定されている。駆動ギヤ部25は、第1円筒部材21の従動ギヤ部21bと噛み合う平歯車として設けられている。第2電動モータ24は、出力軸24aが所定方向に回転することにより、駆動ギヤ部25及び従動ギヤ部21bを介して第1円筒部材21を回転させ、第1リング部21aが第1軸受6から外れる方向(図4の後方向)に移動させる。
なお、第2電動モータ24は、第1電動モータ5の駆動対象である動翼102ほど重量が重い機器を駆動させるためのものではないため、それほど大きなパワーを必要とされない。第2電動モータ24としては、例えば一例として、定格電圧が24V程度のモータが用いられる。
[電動アクチュエータの基本動作]
次に、本実施形態に係る電動アクチュエータ1の基本動作について説明する。電動アクチュエータ1の基本動作時には、第1スクリュー11は、第1軸受6及び第2軸受7と、第1円筒部材21及び第2円筒部材22とを介して、ハウジング2に対して回転自在に支持された状態となっている(図3及び図4参照)。
電動アクチュエータ1を作動する場合、第1電動モータ5が回転駆動される。すると、出力軸5aとボールスプライン結合した第1スクリュー11も回転する。そうすると、第1スクリュー11の回転力が、ボールスクリュー機構16によって連結された第2スクリュー12に伝達されるため、第2スクリュー12(すなわち出力部12b)が軸心方向に沿って変位する。これにより、動翼102を翼101に対して駆動できる。
[固着状態時における軸受保持解除機構の動作]
次に、スクリュー機構10における固着状態が発生した場合の電動アクチュエータ1の動作、特に、軸受保持解除機構20の動作について説明する。例えば、ハウジング2に対して第1スクリュー11が突出又は収縮する動作の途中において、スクリュー機構10における固着状態が発生すると、第1スクリュー11に対して第2スクリュー12が軸心方向に変位する動作が、不能となる。この場合、動翼制御用コントローラ(図示省略)において、スクリュー機構10の固着状態の発生が検知され、第1電動モータ5の運転が停止されるとともに、軸受保持解除機構20が動作する。
なお、上記のように、ハウジング2に対して第2スクリュー12が突出又は収縮する動作の途中において、スクリュー機構10における固着状態が発生した場合には、動翼102は、翼101に対して、ある程度起立した状態となっている。そして、第1スクリュー11に対する第2スクリュー12の軸心方向の変位動作が不能なため、電動アクチュエータ1の通常の作動によっては、出力部12bをハウジング2に対して進退させることができない。
しかし、上記のように、スクリュー機構10の固着状態の発生が検知されると、動翼制御用コントローラからの指令に基づいて、軸受保持解除機構20が動作する。具体的には、固着状態の発生が検知されると、第2電動モータ24が駆動される。これにより、出力軸24aが所定方向に回転し、当該回転力が、駆動ギヤ部25及び従動ギヤ部21bを介して第1円筒部材21に伝達される。そうなると、第1円筒部材21は、第1雄ネジ部21cが第1雌ネジ部2aに対して回転しながら、図4における後方に移動する。その結果、第1軸受6から第1リング部21aが外れ(図5参照)、ハウジング2に対する第1軸受6の保持が解除される。
また、第2電動モータ24が駆動し、上述のように第1円筒部材21が回転すると、該第1円筒部材21と一体に設けられたキー23aも回転する。これにより、当該キー23aが嵌まり込むキー溝23bが形成された第2円筒部材22も、第1円筒部材21と同じ方向に回転する。そうすると、第1雄ネジ部21cと逆ネジの関係にある第2雄ネジ部22bが形成された第2円筒部材22は、第1円筒部材21と逆方向(図4における前方)に移動する。その結果、第2軸受7から第2リング部22aが外れ(図5参照)、ハウジング2に対する第2軸受7の保持が解除される。
すなわち、軸受保持解除機構20では、上述のように第2電動モータ24が駆動し、出力軸24aが所定方向に回転することで、各リング部21a,22aの各軸受6,7に対する嵌合が解除される。これにより、互いに固着して一体化された状態の第1スクリュー11及び第2スクリュー12が、ハウジング2に対して軸心方向にスライド自在な状態となるため、出力部12bもハウジング2に対して軸心方向にスライド自在な状態となる。
[オーバーロード時における軸受保持解除機構の動作]
また、電動アクチュエータ1において、出力部12bに過剰な負荷がかかった場合(出力部12bがオーバーロードとなった場合)にも、軸受保持解除機構20は、上述の場合と同様の動作を行う。具体的には、出力部12bのオーバーロードが検出されると、第1電動モータ5の運転が停止されるとともに、上述の場合と同様に第2電動モータ24が駆動される。第2電動モータ24が駆動されると、上述のように、各リング部21a,22aの各軸受6,7に対する嵌合が解除される。これにより、出力部12bに作用する過剰な負荷に起因して、電動アクチュエータ1においてスクリュー機構10等が破損してしまうのを防止できる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る電動アクチュエータ1では、第1スクリュー11が第1電動モータ5によって回転駆動させられると、第2スクリュー12が第1スクリュー11に対して相対回転することにより、軸心方向に相対変位する。これにより、出力部12bをハウジング2に対して直線方向(軸心方向)に沿って伸縮するように変位させ、出力部12bに連結された動翼102を駆動することができる。
そして、電動アクチュエータ1では、スクリュー機構10において固着状態(ジャム状態)が発生し、第1スクリュー11と第2スクリュー12とが相対的に回転不能となった場合に、出力部12bに連結された動翼102が、その状態で固定されてしまうのを防止できる。具体的には、この構成では、固着状態が発生した場合、第2電動モータ24が駆動し、第1円筒部材21を回転することにより、第1リング部21aを回転する。そうすると、連結機構23を介して第2円筒部材22、すなわち第2リング部22aも回転する。このとき、各リング部21a,22aの雄ネジ部21c,22bが互いに逆ネジの関係となっているため、一対のリング部21a,22aを、互いに離間する方向に移動させて、該一対のリング部21a,22aと軸受6,7との嵌合を解除することができる。これにより、ハウジング2に対する第1スクリュー11の保持が解除される。その結果、固着状態により一体化された状態の第1スクリュー11及び第2スクリュー12が、ボールスプライン機構17を介して第1電動モータ5に対して軸心方向へスライド自在となる。
よって、電動アクチュエータ1では、スクリュー機構10において固着状態が発生した場合であっても出力部12bをハウジング2に対して進退可能な状態にすることができる。よって、例えば一例として、動翼102に、上記電動アクチュエータ1とは別のアクチュエータを取付け、該アクチュエータによって動翼102を動作させることが可能になる。更に、上述のように出力部12bを進退可能にするための構造が、一対のリング部21a,22a及び第2電動モータ24等を備えて構成された比較的小型で簡素な構造によって実現される。このため、電動アクチュエータ1の構造の簡素化及び小型化が図られることになる。
従って、電動アクチュエータ1によれば、スクリュー機構10において固着状態が発生した場合であっても出力部12bをハウジング2に対して進退させることが可能であるとともに、構造の簡素化及び小型化を図ることができる電動アクチュエータを提供できる。
また、電動アクチュエータ1では、該電動アクチュエータ1においてオーバーロードが発生した場合であっても、上述の場合と同様にして軸受保持解除機構20を作動させることができる。これにより、出力部12bに作用する過剰な負荷に起因して、電動アクチュエータ1においてスクリュー機構10等が破損してしまうのを防止できる。
また、電動アクチュエータ1では、第1スクリュー11が、一対の軸受6,7によってハウジング2に対して保持されるため、第1スクリュー11を軸心方向に対して傾くことなく適切に回転自在に保持できる。そして、電動アクチュエータ1によると、上述のように一対の軸受6,7によって適切に保持された第1スクリュー11を有するスクリュー機構10において固着状態が発生した場合であっても、出力部12bをハウジング2に対して進退可能な構成の電動アクチュエータを提供できる。
また、電動アクチュエータ1では、一方のリング部(本実施形態では、第1リング部21a)にキー23aを設け、他方のリング部(本実施形態では、第2リング部22a)にキー溝23bを設けることによって、連結機構23を適切に構成することができる。
また、電動アクチュエータ1では、一方のリング部(第1リング部21a)を、第1電動モータ5とは別に設けられた第2電動モータ24で回転することにより、固着状態が発生した場合に第1及び第2のスクリュー11,12をハウジング2に対して進退可能な状態にできる。
また、電動アクチュエータ1において用いられる第2電動モータ24は、比較的小さなパワーで駆動可能なモータで構成することができる。よって、例えば、第2電動モータの電力は、バッテリー等の補助電源から供給することもできるため、電源の使用環境が限られた状況においても比較的容易に駆動することができる。
また、電動アクチュエータ1では、一対のリング部のいずれか一方のリング部(第1リング部21a)と従動ギヤ部21bとを第1円筒部材21によって一体に形成することにより、第1リング部21aに第2電動モータ24の回転力を入力可能な構造を適切に構成できる。
また、電動アクチュエータ1では、入力側スクリューとして設けられた第1スクリュー11と、出力側スクリューとして設けられた第2スクリュー12とを有するスクリュー機構10において、固着状態時に該スクリュー機構10をハウジング2に対して進退可能な構成を提供できる。
また、電動アクチュエータ1では、スライド支持機構が、第1スクリューに形成された貫通孔11bと、該貫通孔11bに挿入された第1電動モータ5の出力軸5aと、の間に、ボールスプライン機構17として設けられている。こうすると、第1スクリュー11の径方向外側にスライド支持機構が出っ張ってしまうことを防止できるため、電動アクチュエータ1を径方向について小型化できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のような変形例を実施してもよい。
(1)図6は、変形例に係る電動アクチュエータ1aの構成を模式的に示す断面図であって、図3に対応させて示す図である。本変形例に係る電動アクチュエータ1aでは、第1電動モータ5の出力軸5aが、第1スクリュー11の軸心と平行となるように配置されている。そして、本変形例では、第1電動モータの回転力が、第2駆動ギヤ部27及び第2従動ギヤ部28を介して、第1スクリュー11に伝わるように構成されている。以下では、上記実施形態と異なる部分について主に説明し、上記実施形態と構成及び動作が同じ部分については、説明を省略する。
第2駆動ギヤ部27は、外周部分に複数の歯部27aを有する、略平板状の平歯車として設けられている。第2駆動ギヤ部27は、第1電動モータ5の出力軸5aの先端部(図6の後端部)に固定されている。第2駆動ギヤ部27の歯部27aの歯幅方向は、第1スクリュー11の軸心方向と平行になっている。
第2従動ギヤ部28は、外周部分に複数の歯部28aを有する、略円柱状の平歯車として設けられている。第2従動ギヤ部28は、第1スクリュー11の後端部分に固定されている。第2従動ギヤ部28の歯部28aは、第2駆動ギヤ部27の歯部27aと噛み合っている。第2従動ギヤ部28の歯部28aの歯幅方向は、第2駆動ギヤ部27の歯部27aの歯幅方向と同様、第1スクリュー11の軸心方向と平行になっている。
[変形例に係る電動アクチュエータの基本動作]
本変形例に係る電動アクチュエータ1aの基本動作について説明する。電動アクチュエータ1aの基本動作時には、第1スクリュー11は、第1軸受6及び第2軸受7と、第1円筒部材21及び第2円筒部材22とを介して、ハウジング2に対して回転自在に支持された状態となっている(図6参照)。
電動アクチュエータ1を作動する場合は、上記実施形態の場合と同様、第1電動モータ5が回転駆動される。すると、出力軸5aの回転力は、第2駆動ギヤ部27及び第2従動ギヤ部28を介して第1スクリュー11に伝達され、第1スクリュー11も回転する。そうすると、第1スクリュー11の回転力が、ボールスクリュー機構16によって連結された第2スクリュー12に伝達されるため、第2スクリュー12(すなわち出力部12b)が軸心方向に沿って変位する。これにより、上記第1実施形態の場合と同様、動翼102を翼101に対して駆動できる。
[変形例に係る電動アクチュエータの、固着状態時における軸受保持解除機構の動作]
変形例に係る電動アクチュエータ1aのスクリュー機構10において固着状態が発生した場合の、軸受保持解除機構20の動作は、上記実施形態の軸受保持解除機構20の動作と概ね同じである。具体的には、固着状態の発生が検知されると、第2電動モータ24が駆動されることにより、上記実施形態の場合と同様、各リング部21a,22aの各軸受6,7に対する嵌合が解除される。そうなると、第1スクリュー11に固定された第2従動ギヤ部28の歯部28aは、第2駆動ギヤ部27の歯部27aに沿って、第1スクリュー11の軸心方向に沿ってスライド可能になる。すなわち、第1電動モータ5の回転力を第1スクリューに伝達し、且つ第1電動モータ5に対する第1スクリュー11の軸心方向へのスライドを許容するスライド支持機構17aが、歯部27a及び歯部28aを有する機構によって構成される。従って、固着した状態の第1スクリュー11及び第2スクリュー12が、スライド支持機構17aによってハウジング2に対して軸心方向にスライド自在な状態となるため、出力部12bもハウジング2に対して軸心方向にスライド自在な状態となる。
[効果]
以上のように、変形例に係る電動アクチュエータ1aでは、第2駆動ギヤ部27及び第2従動ギヤ部28を有するギヤ機構を介して、第1電動モータ5の回転力を、所望のトルクに変換してスクリュー機構10に伝達することができる。そして、この構成によると、第2駆動ギヤ部27及び第2従動ギヤ部28のそれぞれが平歯車で構成されており、各平歯車の歯部27a,28aの歯幅方向と第1スクリュー11の軸心方向とが一致している。こうすると、スライド支持機構17aを、第2駆動ギヤ部27の歯部27aと第2従動ギヤ部28の歯部28aとを有する機構として構成することができる。
(2)上記実施形態では、第1スクリュー11を、2つの軸受6,7で回転自在に支持しているが、これに限らず、第1スクリュー11を、1つの軸受で支持してもよい。この場合、第1リング部21a及び第2リング部22aは、ともに上記1つの軸受の外輪に嵌合し、該1つの軸受をスラスト方向に挟んで保持する。
(3)上記実施形態では、連結機構23は、キー23a及びキー溝23bを有しているが、これに限らず、2つのリング部21a,22aを互いに対してスラスト方向に変位可能且つ互いに対して回転不能に連結する機構でれば、どのような機構であってもよい。例えば一例として、連結機構を、スプライン及びスプライン溝を有する機構で構成してもよい。
(4)上記実施形態では、第1及び第2スクリュー11,12を有するスクリュー機構10が、ボールスクリュー機構16の構成を備えた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、第1及び第2スクリューを有するスクリュー機構が、ボールスクリュー機構以外の構成を備えた形態として実施されてもよい。例えば、第1スクリュー及び第2スクリューが螺合する構成のスクリュー機構が実施されてもよい。或いは、第1及び第2スクリューを有するスクリュー機構が、ローラスクリュー機構の構成を備えた形態として実施されてもよい。ローラスクリュー機構の場合、第1スクリューと第2スクリューとの間に、外周に螺旋溝が設けられた複数のスクリュー状のローラ軸が回転自在に設置されることになる。第1スクリュー又は第2スクリューの回転に伴って、各ローラ軸は、第1スクリューと第2スクリューとに対して、螺旋溝で噛み合って各軸心を中心として回転することになる。
(5)上記実施形態では、入力側スクリューを第1スクリュー11で構成し、出力側スクリューを第2スクリュー12で構成したが、この限りでなく、入力側スクリューを第2スクリューで構成し、出力側スクリューを第1スクリューで構成してもよい。
本発明は、本発明は、スクリュー機構を有し、電動モータが出力する回転方向の駆動力を直線方向の駆動力に変換して出力する電動アクチュエータに関して広く適用することができるものである。
1,1a 電動アクチュエータ
2 ハウジング
2a 第1雌ネジ部(雌ネジ部)
2b 第2雌ネジ部(雌ネジ部)
5 第1電動モータ
6,7 軸受
10 スクリュー機構
11 第1スクリュー
12 第2スクリュー
12b 出力部
17 ボールスプライン機構(スライド支持機構)
17a スライド支持機構
21a 第1リング部
21c 第1雄ネジ部(雄ネジ部)
22a 第2リング部
22b 第2雄ネジ部(雄ネジ部)
23 連結機構
24 第2電動モータ(リング部駆動部)

Claims (8)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに少なくとも一部が収納される第1スクリュー、及び、該第1スクリューが内側に設置される筒状の部分を有し、前記第1スクリューに対して該第1スクリューの軸心を中心として相対回転可能に取り付けられるとともに、相対回転することで前記第1スクリューに対して軸心方向に相対変位可能な第2スクリュー、を有するスクリュー機構と、
    前記ハウジングに固定され、前記第1スクリュー及び前記第2スクリューのうちの一方のスクリューである入力側スクリューを回転させる第1電動モータと、
    前記第1電動モータの回転力を前記入力側スクリューに伝達し、且つ前記第1電動モータに対する前記入力側スクリューの軸心方向へのスライドを許容するスライド支持機構と、
    前記第1スクリュー及び前記第2スクリューのうちの他方のスクリューである出力側スクリューに連結され又は設けられる出力部と、
    前記入力側スクリューに取り付けられ、該入力側スクリューを前記ハウジングに対して回転自在に保持する軸受と、
    それぞれが環状に形成され、内周が前記軸受の外輪に嵌合し且つ外周に形成された雄ネジ部が前記ハウジングの内周に形成された雌ネジ部に螺合するとともに、両者で前記軸受の外輪を前記入力側スクリューの軸心方向に挟む一対のリング部と、
    前記一対のリング部を、互いに対してスラスト方向に変位可能且つ互いに対して回転不能に連結する連結機構と
    を備え、
    前記一対のリング部のそれぞれに形成された前記雄ネジ部は、互いに逆ネジの関係であり、
    前記一対のリング部のいずれか一方を回転させることで、前記連結機構を介して他方のリング部を回転させ、前記一対のリング部を互いに前記入力側スクリューの軸心方向に離間させるリング部駆動部、を更に備えていることを特徴とする、電動アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の電動アクチュエータにおいて、
    前記入力側スクリューの軸心方向に並んで配列される一対の前記軸受を備え、
    各前記リング部の内周は、各前記軸受の外輪に嵌合することを特徴とする、電動アクチュエータ。
  3. 請求項2に記載の電動アクチュエータにおいて、
    前記連結機構は、
    前記一対のリング部のいずれか一方と一体に移動するキーと、
    前記一対のリング部の他方に形成され、前記キーが嵌まり込むキー溝と
    を有していることを特徴とする、電動アクチュエータ。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の電動アクチュエータにおいて、
    前記一対のリング部のいずれか一方は、前記リング部駆動部としての第2電動モータの出力軸によって回転させられることを特徴とする、電動アクチュエータ。
  5. 請求項4に記載の電動アクチュエータにおいて、
    前記入力側スクリューの外周を覆う筒状に形成され、前記一対のリング部のいずれか一方と、前記第2電動モータの出力軸に設けられた第1駆動ギヤ部と噛み合う第1従動ギヤ部と、が一体に形成された筒状部材、を更に備えていることを特徴とする、電動アクチュエータ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電動アクチュエータにおいて、
    前記第1スクリューは、前記第1電動モータによって回転させられる前記入力側スクリューとして設けられ、
    前記第2スクリューは、前記出力部が連結され又は設けられる前記出力側スクリューとして設けられていることを特徴とする、電動アクチュエータ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動アクチュエータにおいて、
    前記入力側スクリューには、該入力側スクリューの軸心方向に延びる孔部が形成され、
    前記第1電動モータの出力軸は、前記孔部に挿入され、
    前記スライド支持機構は、前記第1電動モータの出力軸と前記孔部との間に設けられていることを特徴とする、電動アクチュエータ。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動アクチュエータにおいて、
    前記第1電動モータの出力軸には、第2駆動ギヤ部が設けられ、
    前記一方のスクリューには、前記第2駆動ギヤ部と噛み合う第2従動ギヤ部が設けられ、
    前記第2駆動ギヤ部及び前記第2従動ギヤ部は、前記第2駆動ギヤ部の歯部の歯幅方向、及び前記第2従動ギヤ部の歯部の歯幅方向が、前記入力側スクリューの軸心方向と一致する平歯車で構成され、
    前記スライド支持機構は、前記第2駆動ギヤ部の歯部及び前記第2従動ギヤ部の歯部を有することを特徴とする、電動アクチュエータ。
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